JP3853867B2 - Yagレーザ溶接加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ワークにYAGレーザ溶接加工を行うYAGレーザ溶接加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワークにYAGレーザ溶接加工を行う際には、加工すべきワークの板厚、材質並びに継手形状などにより種々の加工条件が存在し、各溶接パターンにより加工条件の確認をその都度作業者が行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のYAGレーザ溶接加工方法では、加工条件のデータが数値的なデータとなっていないと共に、条件数が多すぎるという問題があった。
【0004】
この発明の目的は、製品の要求される仕上り状態により加工条件を推定し、簡易化せしめると共に加工条件を数値化してワークにYAGレーザ溶接加工を容易に行い得るようにしたYAGレーザ溶接加工方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1によるこの発明のYAGレーザ溶接加工方法は、複数種のワークにYAGレーザ溶接加工を行う際、予めレーザビームのスポット径(d)並びに加工速度(F)、前記スポット径(d)の径方向の重なり合いの割合であるビードのラップ率(S)を設定して周波数(f)を算出すると共に、加工すべき各ワークの材質、板厚に対して貫通に必要な熱量(J)を測定し、この熱量(J)に板厚の溶込み率(T)を乗じて必要な入熱量(JI )を算出し、これらの算出された周波数(f)、入熱量(JI )を基にして各ワークにYAGレーザ溶接加工を行うことを特徴とするものである。
【0006】
したがって、ワークにYAGレーザ溶接加工を行う際には、予め加工すべきワークの材質,板厚およびレーザビームのスポット径(d)が判っているから、まず加工速度(F)とビードのラップ率(S)を指定してやることにより、周波数(f)がf=F/60×(1−S)×dで算出される。次に、ワークの材質,板厚に対して貫通に必要な熱量(J)を測定しておくことにより、必要な入熱量(JI )は前記熱量(J)に溶込率(T)を乗じてJI =J×Tで算出される。
【0007】
これら算出された周波数(f),入熱量(JI )を基にワークにYAGレーザ溶接加工が行われる。而して、従来よりも加工条件の算出が数値化されると共に簡易化されてYAGレーザ溶接加工を容易に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態の例を図面に基いて詳細に説明する。
【0009】
図1を参照するに、YAGレーザ加工機1は例えばY軸方向へ移動可能なYAGレーザ加工ヘッド3を備えており、このYAGレーザ加工ヘッド3内にはレーザビームLBを集光せしめる集光レンズ5が設けられている。また前記YAGレーザ加工ヘッド3には光ファイバ7によってレーザ発振器9が接続されている。さらにYAGレーザ加工ヘッド3には加工条件を設定し制御せしめる制御装置11が接続されていると共に、制御装置11はレーザ発振器9に接続されている。
【0010】
上記構成により、図示省略のワークテーブル上にワークWA とWB を突き合せた状態で載置せしめる。この状態で制御装置11に加工条件を入力しYAGレーザ加工ヘッド3をY軸方向へ移動せしめると共に、レーザ発振器9から出力されたレーザビームLBは光ファイバ7により集光レンズ5で集光された後、ワークWA とWB の突き合せ部WT に照射されてレーザ溶接加工が行われることになる。
【0011】
前記制御装置11に入力せしめる加工条件のうちの1つとしてレーザビームLBの周波数(f)を決定するために、レーザビームLBのスポット径をdとした場合、図2(A)〜(B)に示されているように、スポット径(d)の径方向の重なり合いの割合であるラップ率が、例えばラップ率0%,30%,50%,80%がビードのラップ状態により決定される。
【0012】
そして、周波数(f)は、加工速度(F)、ラップ率(S)、スポット径(d)から下式により算出される。
f=F/60×(1−S)×d ……(1)
但し、
f:周波数(Hz),F:加工速度(mm/min)
S:ラップ率(%),d:スポット径(mm)
上記(1)式でスポット径(d)は光学系により決定される値であるから、加工速度(F)と、仕上り状態を加味してラップ率(S)を決定すれば、周波数(f)は算出される。
【0013】
上記(1)式において、例えばスポット径(d)を1mmとし、ラップ率Sを0%,30%,50%,80%および90%に、加工速度(F)を100,300,500,800および1000mm/minにした場合の周波数(f)のデータは図3に示されているようになる。
【0014】
次に、複数種の各ワークの材質,板厚に対応した1パルスに必要な熱量を決定する場合、まず溶接の溶け込み深さは、図4に示されているように、ワークWA とWB の突き当て部WT の裏面に貫通しないと判断できないものである。したがって、レーザビームLBが貫通ギリギリのところに到達したときの必要な熱量(J)を、図5に示されているように、各材質(例えばSUS,A),板厚(例えば1.0〜2.0)おいて測定する。なお、この場合、熱量(J)は、ワークの表面から裏面に溶込み深さが達する入熱量であり、溶込み率(T)は100%となるものである。そして、各測定値に各材質,板厚の溶込率T(%)すなわち、ワークの表面(上面)からの溶込み深さの割合を乗じて必要な入熱量(JI )が算出される。すなわち、入熱量(JI )はJI =J×Tで算出される。
【0015】
こうして算出された周波数(f),入熱量(JI )を基にした加工条件を制御装置11に入力し、この制御装置11でYAGレーザ加工機1を制御せしめることによりワークWA とWB との突き合せ部WT にレーザ溶接加工を容易に行うことができる。而して、従来よりも加工条件の算出を数値化せしめることができると共に簡易化させることができる。
【0016】
なお、この発明は、前述した実施の形態の例に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。本実施の形態の例における制御装置11に加工条件ファイルを持たせ、周波数(f),入熱量(JI )のデータを種々ファイルしておけば、ワークの材質,板厚,ラップ率,溶込み率,加工速度を指定し入力すれば、速かに加工条件が決定されて、この加工条件の基でワークにレーザ溶接加工を容易に行うことができる。
【0017】
【発明の効果】
以上のごとき実施の形態の例から理解されるように、請求項1の発明よれば、ワークにYAGレーザ溶接加工を行う際には、予め加工すべきワークの材質、板厚およびレーザビームのスポット径(d)が判っているから、まず加工速度(F)とビードのラップ率(S)を指定してやることにより、周波数(f)がf=F/60×(1−S)×dで算出される。次に、ワークの材質,板厚に対して貫通に必要な熱量(J)を測定しておくことにより、必要な入熱量(JI )は前記熱量(J)に溶込率(T)を乗じてJI =J×Tで算出される。
【0018】
これら算出された周波数(f),入熱量(JI )を基にワークにYAGレーザ溶接加工が行われる。而して、従来よりも加工条件の算出を数値化せしめることができると共に簡易化せしめることができて、ワークにYAGレーザ溶接加工を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するYAGレーザ加工機の概略説明図である。
【図2】レーザビームのスポット径(d)からラップ率を求める説明図である。
【図3】スポット径(d)を1mmとしたときの各ラップ率(S)S加工速度(F)に基づく周波数(f)の一例のデータを示す図である。
【図4】ワークの溶接に必要な熱量を測定する説明図である。
【図5】ワークの材質,板厚に対して測定した熱量の一例のデータを示す図である。
【符号の説明】
1 YAGレーザ加工機
3 YAGレーザ加工ヘッド
5 集光レンズ
7 光ファイバ
9レーザ発振器
11 制御装置
Claims (1)
- 複数種のワークにYAGレーザ溶接加工を行う際、予めレーザビームのスポット径(d)並びに加工速度(F)、前記スポット径(d)の径方向の重なり合いの割合であるビードのラップ率(S)を設定して周波数(f)を算出すると共に、加工すべき各ワークの材質、板厚に対して貫通に必要な熱量(J)を測定し、この熱量(J)に板厚の溶込み率(T)を乗じて必要な入熱量(JI )を算出し、これらの算出された周波数(f)、入熱量(JI )を基にして各ワークにYAGレーザ溶接加工を行うことを特徴とするYAGレーザ溶接加工方法。
Priority Applications (1)
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JP08252496A JP3853867B2 (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | Yagレーザ溶接加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP08252496A JP3853867B2 (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | Yagレーザ溶接加工方法 |
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JPH09271969A JPH09271969A (ja) | 1997-10-21 |
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JP08252496A Expired - Fee Related JP3853867B2 (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | Yagレーザ溶接加工方法 |
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EP3069813B1 (en) | 2013-11-15 | 2022-04-20 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Laser welding condition determination method and laser welding device |
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1996
- 1996-04-04 JP JP08252496A patent/JP3853867B2/ja not_active Expired - Fee Related
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