JP3853662B2 - 列車検知方法および列車検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軌道回路に流す信号電流の信号波形または波形特徴を利用して列車の在線を検出する列車検知方法および列車検知装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
軌道回路には、列車の運行が適切に行われるように、保安信号システムを構成する以下の装置が設けられている。
【0003】
まず、閉塞装置は、列車の進行する線路をある一定の長さの区間ごとに分けて限定し、1区間を1列車のみの運転に専用させるように制御する。前記区間を閉塞区間という。また、このように、1閉塞区間に1列車のみを運転し、他の列車を同時に運転させないようにすることを閉塞方式といい、閉塞区間の長さは列車の運転速度や運転時隔、線路の状態などによって決定され、列車本数が多くなると、駅間をいくつかの閉塞区間に分けることが必要となる。
【0004】
閉塞区間に分けた線路に軌道回路を設け、これと信号機を連動させて、信号機の現示を列車によって自動的に制御する方法があり、これを自動閉塞式という。この内の1つの、複線自動閉塞式は、図8に示すように連続する軌道回路を用い、列車自体によって自動的に閉塞と信号現示を行うものである。
【0005】
図8は従来の複線自動閉塞式の軌道回路の概念を示す図である。
【0006】
図8において、閉塞区間に列車がないときは、軌道継電器の接点は上方に閉じ信号機S1は進行信号(G)を現示する。閉塞区間に列車があるときは、軌道回路は車両によって短絡され、軌道継電器の接点は下方に閉じ、信号機S1は停止信号(R)を現示する。
【0007】
上記自動閉塞式の制御ができるようにする装置として、線路上を運転している列車の存在を検知し、その条件によって他の列車の運転条件を制御するものを列車検知装置という。
【0008】
列車検知には、アクセルカウンタやトレッドルなども実用されているが、軌道回路が一般的に使用されている。
【0009】
軌道回路は、レールを利用して電気回路を構成し、この回路を列車の車軸で短絡することにより、継電器を動作させて列車検知を行なうもので、電源装置、限流装置、レールおよび軌道継電器などで構成される。
【0010】
限流装置は、軌道回路が車軸で短絡されたときに、電源装置に過大な短絡電流が流れるのを制限する装置で、直流式では抵抗、交流式では抵抗またはリアクトルが使用される。
【0011】
軌道継電器は、軌道回路に使用される継電器で、軌道回路内の列車の有無、その他の回路条件を中継して、他の電気装置に伝達する。直流式、交流式、2位式、3位式などの多くの種類がある。
【0012】
図9は従来の軌道回路の境界部分を示す図である。
【0013】
インピーダンスボンドとは、内鉄形の鉄心に1次巻線と2次巻線を巻き、1次巻線の両端をそれぞれレールに接続するとともに、その中性点を隣接区間の1次巻線の中性点に接続するものである。帰線電流は1次巻線の半分ずつを反対方向に流れ、生じる磁束は互いに打ち消される。信号電流は1次巻線と2次巻線との間での電磁結合によって伝わる。また、このインピーダンスボンドによって、帰線電流が軌道継電器や軌道変圧器に流入するのを防止している。
【0014】
(従来の列車検知方法)
従来、レールの送信側の送信信号と受信側の受信信号のレベルと位相を比較して列車在線を判定する方法をとっていた。
【0015】
具体的には、所定区間内における列車の在線を検出するために、レールの一端の送信側からインピーダンスボンドを介して所定振幅で所定周期、例えば50〜60Hzの信号電流を流し、レールの他端の受信側でインピーダンスボンドを介して受信信号を検出し、前記信号電流の振幅の減衰および位相のずれを検出して、前記レール間を列車の車輪とその軸が電気的に短絡したか否かを検出していた。
【0016】
図3は従来の送信信号と受信信号を状態別に示した図である。図3(a)は閉塞区間に列車が在線していない状態での送受信信号を示す図であり、図3(b)は閉塞区間に列車が在線している状態での送受信信号を示す図であり、図3(c)は閉塞区間に列車が在線しているが車輪とレールの接触が不良の状態における送受信信号を示す図である。
【0017】
列車が在線していないときは、電流路24で図3(a)のように送信信号100が受信され受信信号101として検出される。列車在線時、図3(b)のように、送信信号は、車輪22および車軸23を介して短絡されるので、受信信号102のように減衰した信号として検出される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
これまでに提案されている軌道回路を利用した列車検知方法および列車検知装置は、特定周波数帯のレベルと位相、特定の変調波のレベル、または符号化信号の有無により列車の在線・非在線を判断していた。
【0019】
しかし、図3(c)に示すように、レール頭頂面に錆等が発生し短絡不良になると前記信号電流の振幅の減衰および位相のずれが検出できず、列車の非在線との結論がでる問題が発生していた。
【0020】
この錆等で短絡不良となる場合の受信波形は、単純に高抵抗で短絡した場合と異なり、波形が変形する場合がある。そこで、錆等の影響を受けにくい列車検知方法および列車検知装置が求められていた。
【0021】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、受信レベルや位相だけでなく、波形の変化を組み合わせることにより、正確に在線検知することができる列車検知方法および列車検知装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を達成するために以下の手段を採用する。
(1)列車検知方法において
送信側からレール上に送信される信号波を受信側で一定時間サンプリングする手順1、
前記サンプリングした信号波を時間軸の解析を含む方法により波形処理を行い基準信号パターンとして記憶する手順2、
検出時、送信側からレール上に送信される信号波を受信側で受信する手順3、
前記手順3で受信した信号波を前記時間軸の解析を含む方法により波形処理を行い変換パターンを求める手順4、
前記手順2で求めた基準信号パターンと前記手順4で求めた変換パターンを比較し、閾値を基準として時系列の類似度を算出する手順5,
前記手順5で算出した類似度に応じて線路と列車の状態を判断する手順6
からなることを特徴とする。
(2)上記(1)記載の列車検知方法において
前記基準信号パターンを列車が在線していない平常時受信信号波形又は短絡不良時の信号波形とし、類似度が閾値より高い場合に列車在線有りと判断することを特徴とする。
(3)上記(1)又は(2)記載の列車検知方法において、
前記時間軸の解析を含む方法を時間軸の解析を含むウエーブレット解析法又は自然観測法としたことを特徴とする。
(4)列車検知装置において、
送信側からレール上に送信される信号波を受信側で一定時間サンプリングする手段1、
前記サンプリングした信号波を時間軸の解析を含む方法により波形処理を行い基準信号パターンとして記憶する手段2、
検出時、送信側からレール上に送信される信号波を受信側で受信する手段3、
前記手段3で受信した信号波を前記時間軸の解析を含む方法により波形処理を行い変換パターンを求める手段4、
前記手段2で求めた基準信号パターンと前記手段4で求めた変換パターンを比較し、閾値を基準として時系列の類似度を算出する手段5,
前記手段5で算出した類似度に応じて線路と列車の状態を判断する手段6
からなることを特徴とする。
(5)上記(4)記載の列車検知装置において、
前記基準信号パターンを列車が在線していない平常時受信信号波形又は短絡不良時の信号波形とし、類似度が閾値より高い場合に列車在線有りと判断することを特徴とする。
(6)上記(4)又は(5)記載の列車検知装置において、
前記時間軸の解析を含む方法を時間軸の解析を含むウエーブレット解析法又は自然観測法としたことを特徴とする。
(7)上記(4)乃至(6)のいずれか1項記載の列車検知装置において、
上記(4)記載の前記信号波を受信側でサンプリングおよび受信する際、特定の波形特徴を有する信号だけを取り込むように波形受理フィルタを設けたことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
本発明は信号波形解析に従来のフーリエ解析では時間軸の解析ができない欠点を補うために、ウエーブレット解析や自然観測法等の波形分析技術を利用し、受信波形またはその特徴抽出を行い、波形またはその波形特徴の差異により列車の在線を検出することに特徴がある。
【0025】
(第1実施例)
本発明の第1の列車検知方法の手順は以下のようになる。
▲1▼送信側からレール上に送信される信号波を受信側で一定時間サンプリングする。
▲2▼時間軸の解析を含むウエーブレット解析法、自然観測法などにより波形処理を行う。
▲3▼平常時の受信信号について上記▲2▼の波形処理をし、その結果に対し前記サンプリング信号の類似度を算出する。
・波形処理結果は、複数の時系列で得られるので、それぞれの波形の時系列の類似度を算出する。
▲4▼前記サンプリング信号波が前記平常時の受信信号波と比べ類似度が閾値より低い場合は、列車在線とする。
・時系列の類似度は単純類似度など一般的な計算式を利用する。
【0026】
図1は本発明の構成要素の概略配置図である。
【0027】
本発明の第1の列車検知方法および列車検知装置の基本構成を図1に基づいて説明する。
【0028】
閉塞区間を構成するレール13、14の両端には、それぞれインピーダンスボンドの1次巻線12、15が接続されている。一方の1次巻線12に鉄心を介して送信部10のインピーダンスボンドの2次巻線11が電磁結合されている。この送信部10には、図示しない、軌道リアクトルまたは軌道抵抗を介して軌道変圧器が配置され、各軌道回路方式に応じた送信信号を入力できるようになっている。前記送信信号は、例えば、低周波軌道回路方式の場合、使用周波数は25〜120Hzの信号を用いる。
【0029】
他方のインピーダンスボンドの1次巻線15に鉄心を介して、中継する装置・トランス類・ケーブル類17のインピーダンスボンドの2次巻線16が電磁結合されている。中継する装置・トランス類・ケーブル類17には回路基板に形成されたフィルタ18およびA/D変換器19を介して処理部20が接続され、処理部20の演算結果により列車在線か否かの接点出力を行う。
【0030】
処理部20は、図示しない、CPU(中央演算装置)やDSP(デジタルシグナルプロセッサ)で構成されている。いずれかの処理で、列車在線と判定された場合に、列車在線と表示する。
【0031】
この在線検出を、ウエーブレット変換または自然観測法を用いた例について、図4から図8に基づき詳細に説明する。
【0032】
(ウエーブレット変換例)
図5は、本発明のウエーブレット変換を用いる第1実施例のブロック構成図である。
【0033】
図5において、16は上記低周波軌道回路方式の送信信号を受信するインピーダンスボンドの2次巻線であり、2次巻線16の受信信号はフィルタ18およびA/D変換機19を介してデジタル信号としてコンピュータCOMからなる処理部20に取り込まれる。
【0034】
処理部20は以下のように動作する。信号メモリ39は定まったサンプリング間隔でデジタル化された受信信号を順次格納する。信号メモリ39に一定量格納されると、ウエーブレット変換器40が変換動作を開始し、変換結果を照合メモリ41に格納する。
【0035】
信号パターンメモリ42には、予め列車が在線していない平常時受信信号波形をウエーブレット変換した結果が基準信号パターンとして書き込まれている。パターン照合器45において信号パターンメモリ42の基準信号パターンと照合メモリ41の変換パターンとを照合し、これらの内容が類似していれば信号有り、それ以外なら信号無しと判定する。これによって、受信側がこの位置に信号を検出したか否かを確認し、信号ビット列を出力する。
【0036】
このウエーブレット変換により在線検出を行う場合、主な実施形態は、図1および図5に基づく、以下▲1▼の形態になる。
▲1▼前記実施例の示されるように、信号パターンメモリ42に記憶されている基準信号パターンとして予め列車が在線していない平常時受信信号波形をウエーブレット変換して記憶し、この基準信号パターンと照合メモリ41の変換パターンとを比べて、類似性が無いときは列車在線有りと判断する。
【0037】
図4はウエーブレット解析動作を説明する図である。図4(a)は搬送信号波形を例示し、図4(b)はマザーウエーブレットを例示し、図4(c)はウエーブレット変換後の周波数(a)対シフト量(b)のa−b平面図である。
【0038】
軌道回路搬送方式により信号伝送を行う場合、搬送信号として、たとえばデジタル信号により変調される、図4(a)に示すような搬送周波数fを用いたバースト信号F(t)が良く利用されるが、この波形の特徴量としては、周波数f、バースト幅T、そして、キャリア位相φの3つが代表的な要素である。このようなバースト信号F(t)に対して、図4(b)に示すような周波数(a)、時間幅T’(バースト信号のバースト幅Tとは等しくなくてよい)、シフト量(b)を有するウエーブレット(波束)W(t)を乗じ、シフト量(b)を変えながらこれを時間軸上で順次畳み込み積分(コンボルーション演算)することにより、時間−周波数平面にウェーブレット強度(積分値)が定義されるが、この強度の等しい点を結ぶことにより、図4(c)に示すような、ウエーブレット変換後の周波数(a)対シフト量(b)のa−b平面図として、信号固有の等高線状の同心パターンが得られる。なお、図4(b)におけるシフト量(b)は、t=0の点からウエーブレットW(t)の中心までの時間を表す。
【0039】
図4(c)は、雑音の乗っていないバースト信号のウエーブレット変換後の結果である基準信号パターンの例である。
【0040】
また、図6は、ウエーブレット変換によって信号と雑音とを分離した一例を示す図である。図6(a)は時間軸上の信号波形であり、バースト信号の他に、図6(a)に示すような雑音が存在する場合であっても、図6(b)に示すように、これをウエーブレット変換した後の周波数対シフト量のa−b平面図で見ると、左側の信号に対する変換パターンWsは幅が広く、かつ、特定の周波数帯域に存在するのに対して、右側のウエーブレット変換後の雑音の変換パターンWnは幅が狭く、かつ、周波数帯域が外れているので、前述のように、パターン照合器45において信号パターンメモリ42の基準信号パターンと照合メモリ41の変換パターンとを照合する過程により、信号のみを正確に弁別して検出することができる。
【0041】
図7は、信号と雑音との間に殆どレベル差がない場合に、ウエーブレット変換によって信号と雑音とを分離した一例を示す図である。
【0042】
図7(a)には、信号の前後に信号とレベル差の殆どない正弦波雑音が存在する場合が示されているが、これを従来のように単にローパスフィルタによって処理した場合は、図7(a)に示すように、雑音として切り捨てるためのスレショルドレベルを変えても、雑音と信号が同じ程度の出力レベルなので、信号の分離が困難である。しかしながら、図7(a)の信号および雑音をウエーブレット変換した結果は、図7(b)の周波数対シフト量のa−b平面図に示すように、信号は同心の特定周波数帯域の変換パターンWsとして弁別され、一方、雑音はa(周波数)=一定の全く異なる形状の変換パターンWnとして現出する。これにより正弦波雑音レベルの高い状態であっても正確に信号のみを受信することが可能となる。
【0043】
(ウエーブレット変換例の効果)
短絡による電圧の減衰が十分得られないため従来は困難であった接触不良の場合の列車の在線判断を行えるようになる。
【0044】
(デジタル自然観測法例)
デジタル自然観測法は、フーリエ変換やZ変換等と類似した新しい変換であるが、瞬時性に着目しているという点で、特色がある。
【0045】
与えられた任意の時系列を{f(n)}としたとき、恒等作用素Iおよび遅延作用素Dをそれぞれ
If(n)=f(n)、Df(n)=f(n−1) (1)
で定義する。これらの作用素を用いて
Γ=(1−λ)I+λD
Λ=λI−λD (0<λ<1) (2)
なる作用素Γ、Λを定義した後、
m (M)=ΓM-mΛm (m=0、1、・・・、M) (3)
なる作用素によって
m (M)(n)=Xm (M)f(n) (m=0、1、・・・、M) (4)
なる時系列を定義すれば、これらM+1種類の時系列{nm (M)(n)}から逆に
【0046】
【式1】
Figure 0003853662
【0047】
Figure 0003853662
なる式によって、元の時系列{f(n)}を復元することができる。ただし
【0048】
【数1】
Figure 0003853662
【0049】
は二項係数である。
【0050】
式(4)を正変換、式(5)を逆変換といい、両者を併せて自然観測変換という。
【0051】
m (M)(n)は時系列{f(n)}に対応する基本観測値と呼ばれ、位数Mとパラメータλをあらかじめ設定しておくことによって、その値が一意的に定まる。
【0052】
上記(4)式に受信信号を適用し、上記(5)式から元の時系列{f(n)}信号を求め、予め求めてある平常時受信信号と比べ、前記ウエーブレット変換例において述べたように、類似性が有るか否かにより、列車の在線・非在線を判断することができる。
【0053】
この自然観測法により在線検出を行う場合、主な実施形態は、以下▲1▼▲2▼の形態になる。
▲1▼図1および図5に基づいて、前記信号パターンメモリ42に記憶されている基準信号パターンとして予め列車が在線していない平常時受信信号を記憶し、この平常時受信信号と照合メモリ41の変換パターンとを比べて、類似性が無いときは列車在線有りと判断する。
▲2▼図2に基づいて、CPUやDSPの計算によって特徴量を算出するのではなく、特定の波形(波形特徴)だけを受理する波形受理フィルタ21回路を用いて特定の入力信号のみを取込み、その取り込んだ特定の入力信号のみを照合メモリ41に記憶しておき、前記信号パターンメモリ42に記憶されている基準信号パターンとして予め列車が在線していない平常時受信信号を記憶しておき、両者の類似性を判定する。類似性が無いときは列車在線有りと判断する。
【0054】
(デジタル自然観測法例の効果)
このデジタル自然観測法を軌道回路の受信信号の解析に用いれば、今までにない瞬時性に着目した正確な解析を行うことができる。
【0055】
(第2実施例)
第2列車検知方法の手順は以下のようになる。
(イ)送信側からレール上に送信される低周波を受信側で一定時間サンプリングする。
(ロ)時間軸の解析を含むウエーブレット解析法、自然観測法などにより波形処理を行う。
(ハ)短絡不良時の信号波について上記▲2▼の波形処理をし、その結果に対し前記サンプリング信号の類似度を算出する。
・波形処理結果は、複数の時系列で得られるので、それぞれの波形の時系列の類似度を算出する。
(ニ)前記サンプリング信号波が短絡不良時の信号波と比べ類似度が閾値より高い場合は、列車在線とする。
【0056】
以上の手順は、既に述べた各例において、前記図5における信号パターンメモリ42に予め基準信号波形をウエーブレット変換した結果として記憶するときの、その基準信号波形として平常時受信信号波形の代わりに短絡不良時の信号波形を用い、閾値判断を類似度が閾値より高い場合は、列車在線と判断するようにした点を除いて同じになっている。
【0057】
ウエーブレット変換により在線検出を行う場合、主な実施形態は以下の▲2▼になる。
▲2▼信号パターンメモリ42に記憶されている基準信号パターンとして予め列車が在線している異常時の入力信号をウエーブレット変換して記憶し、この入力信号と照合メモリの変換パターンとを比べて、類似性が有るときは列車の在線有りと判断する。
【0058】
自然観測法により在線検出を行う場合、主な実施形態は、以下▲3▼▲4▼の形態になる。
▲3▼図1および図5に基づいて、前記信号パターンメモリ42に記憶されている基準信号パターンとして予め列車が在線している異常時の入力信号を記憶し、この基準信号と照合メモリの信号とを比べて、類似性が有るときは列車在線有りと判断する。
▲4▼図2に基づいて、CPUやDSPの計算によって特徴量を算出するのではなく、特定の波形(波形特徴)だけを受理する波形受理フィルタ21回路を用いて特定の入力信号のみを取込み、その取り込んだ特定の入力信号のみを照合メモリに記憶しておき、前記信号パターンメモリ42に記憶されている基準信号パターンとして予め列車が在線している異常時の入力信号を記憶しておき、両者の類似性を判定する。類似性が有るときは列車在線有りと判断する。
【0059】
(第2実施例の効果)
本発明の第2実施例によれば、本来の短絡不良を適切に判断することにより在線を判断することができるようになる。
【0060】
(他の実施の形態)
以上、受信波形の特徴抽出をウエーブレット解析または自然観測法の適用により行い、波形特徴の差異により列車在線を検知する技術思想を示したが、実際に列車の在線を判断するときは、図3(b)に示すような、車輪がレール頭頂面に良好に接触する場合の判断基準である、受信信号レベルが所定閾値より小さくなることを検知する判断も同時に考慮の対象とする。
【0061】
このように併合条件によって判断することにより、安全性を高めることができる。
【0062】
受信信号の波形、波形特徴を対象とし、瞬時性に着目して時間軸情報を評価する解析手法であれば本発明の解決手段として採用できる。
【0063】
以上述べた主な実施形態をまとめると、以下のようになる。
【0064】
【表1】
Figure 0003853662
【0065】
【発明の効果】
酸化被膜等がレール又は車輪にある場合、車両によるレール間の短絡不良が発生する。このとき、信号波のレベルは十分に低下しないにも関わらず、波形が変化することがある。このような現象を検知できるため、軌道回路を利用した列車の在線検知の検知性能が向上する。
【0066】
また、基準信号波形を平常時受信信号波形または短絡不良時の信号波形としたので、従来適切に判断できなかった短絡不良の検出が適切に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成要素の概略配置図である。
【図2】本発明の追加要素を含む構成要素の概略配置図である。
【図3】従来の送信信号と受信信号を状態別に示した図である。
【図4】ウエーブレット解析動作を説明する図である。
【図5】本発明のウエーブレット変換を用いる第1実施例のブロック構成図である。
【図6】ウエーブレット変換によって信号と雑音とを分離した一例を示す図である。
【図7】信号と雑音との間に殆どレベル差がない場合に、ウエーブレット変換によって信号と雑音とを分離した一例を示す図である。
【図8】従来の複線自動閉塞式の軌道回路の概念を示す図である。
【図9】従来の軌道回路の境界部分を示す図である。
【符号の説明】
10 送信部
11、16 インピーダンスボンドの2次巻線
12、15 インピーダンスボンドの1次巻線
13、14 レール
17 中継する装置、トランス類、ケーブル類
18 フィルタ
19 A/D変換器
20 処理部
21 波形受理フィルタ
39 信号メモリ
40 ウエーブレット変換器
41 照合メモリ
42 信号パターンメモリ
45 パターン照合器

Claims (7)

  1. 送信側からレール上に送信される信号波を受信側で一定時間サンプリングする手順1、
    前記サンプリングした信号波を時間軸の解析を含む方法により波形処理を行い基準信号パターンとして記憶する手順2、
    検出時、送信側からレール上に送信される信号波を受信側で受信する手順3、
    前記手順3で受信した信号波を前記時間軸の解析を含む方法により波形処理を行い変換パターンを求める手順4、
    前記手順2で求めた基準信号パターンと前記手順4で求めた変換パターンを比較し、閾値を基準として時系列の類似度を算出する手順5,
    前記手順5で算出した類似度に応じて線路と列車の状態を判断する手順6
    からなることを特徴とする列車検知方法。
  2. 前記基準信号パターンを列車が在線していない平常時受信信号波形又は短絡不良時の信号波形とし、類似度が閾値より高い場合に列車在線有りと判断することを特徴とする請求項1記載の列車検知方法。
  3. 前記時間軸の解析を含む方法を時間軸の解析を含むウエーブレット解析法又は自然観測法としたことを特徴とする請求項1又は2記載の列車検知方法。
  4. 送信側からレール上に送信される信号波を受信側で一定時間サンプリングする手段1、
    前記サンプリングした信号波を時間軸の解析を含む方法により波形処理を行い基準信号パターンとして記憶する手段2、
    検出時、送信側からレール上に送信される信号波を受信側で受信する手段3、
    前記手段3で受信した信号波を前記時間軸の解析を含む方法により波形処理を行い変換パターンを求める手段4、
    前記手段2で求めた基準信号パターンと前記手段4で求めた変換パターンを比較し、閾値を基準として時系列の類似度を算出する手段5,
    前記手段5で算出した類似度に応じて線路と列車の状態を判断する手段6
    からなることを特徴とする列車検知装置。
  5. 前記基準信号パターンを列車が在線していない平常時受信信号波形又は短絡不良時の信号波形とし、類似度が閾値より高い場合に列車在線有りと判断することを特徴とする請求項4記載の列車検知装置。
  6. 前記時間軸の解析を含む方法を時間軸の解析を含むウエーブレット解析法又は自然観測法としたことを特徴とする請求項4又は5記載の列車検知装置。
  7. 請求項4の前記信号波を受信側でサンプリングおよび受信する際、特定の波形特徴を有する信号だけを取り込むように波形受理フィルタを設けたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記載の列車検知装置。
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