JP3853015B2 - 回路遮断器の開閉表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路遮断器の機械的開閉表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭61−39427公報に開示されている、回路遮断器の接点の開閉機構の一例を図3及び図4に示す。図3は固定接点10と可動接点11が接触している「閉」状態を示す回路遮断器全体を示す側面図であり、図4はそれらが開離している「開」状態を示す部分的側面図である。
【0003】
図3において、可動接点11を備えた可動接触子12は、軸13を介して軸28に回転自在に保持される接触子ホルダ29に保持される。接触子ホルダ29は、絶縁ロッド14と操作レバー15を介して回転自在のクロスバ16に連結されている。絶縁ロッド14と操作レバー15は軸17によって連結されており、軸17にはリンク19、リンク20を介して回転自在に軸支されるラッチ21が連結されている。このラッチ21は軸17を略下方に付勢する遮断ばね18によって時計方向に付勢されており、その付勢はラッチ板22に備えられたラッチローラ23よって保持されている。
【0004】
この回路遮断器に接点の開路指令が加えられ、詳細は説明しないが、ラッチ板22が時計方向に回転するとラッチ21とラッチローラ23の係合が解消して、ラッチ21が時計方向に回転しリンク20、リンク19及び軸17は下方に移動する。その結果、絶縁ロッド14を介して接触子ホルダ29は可動接触子12と共に反時計方向に回転し、固定接点10と可動接点11が開離し、このとき操作レバー15も時計方向に回転する。この状態が図4である。
【0005】
この回路遮断器の接点の開閉表示装置は、軸24によって回転自在に軸支されるとともに、その先端に「閉」の表示25aと「開」の表示25bを備える金属性の表示レバー25を備える。この表示レバー25は、リンク26を介して操作レバー15に連結されている。この回路遮断器には、開閉表示装置や開閉機構をを覆う前面のカバー27が設けられ、このカバー27には開口部27aが形成されている。
【0006】
このような従来の開閉表示装置は、接点が「閉」の状態では図3のように「閉」の表示25aの表示が開口部27aを介してカバー27の表面から目視できる位置に、表示レバー25が停止している。そして、接点が「開」の状態になると図4のように操作レバー15が回転してリンク26を介して表示レバー25が時計方向に回転して、開口部27aを介して「開」の表示25bを目視できるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように回路遮断器の開閉表示装置は多数の部品が連動することによって動作するが、この従来の回路遮断器の開閉表示装置にあっては、表示レバー25が多数の部品の製造誤差が集積されてそのストッップ位置が一定しないことがある。そのため開口部27aの位置から確実に「開」や「閉」の表示を目視できないような位置で、表示レバー25が停止する場合が生じるという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、本発明は、接点を開閉する開閉機構をカバーで覆った回路遮断器に、そのカバーに開口部を形成し、開閉機構に連結されその動作に応じて回転する弾性を有する合成樹脂材料からなる表示部材と、表示部材の先端に備えられ且つカバーの開口部の外から目視可能な開及び閉の表示と、開閉機構の動作完了直前に表示部材をその先端に隣接する部分で係止する係止部材とを備え、表示部材は係止部材と当接した後さらに回転付勢されたときその回転中心と係止部分をつなぐ表示腕(2c)が撓むこととしている。
【0009】
そして、このような構成により、開閉機構の動作により表示部材が係止部材と当接した後さらに回転付勢されたとき、表示部材に撓みが生じ、余分な回転分が吸収される。このような撓みが生じても、係止部材は開及び閉の表示のある先端部に隣接する部分で表示手段を係止するため開及び閉の表示はほとんど移動しない。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、一実施例によって説明する。図1及び図2はそれぞれ接点が「閉」及び「開」の状態におけるこの回路遮断器の開閉表示装置を示す側面図である。
【0011】
フレーム1は回路遮断器の接点の開閉機構を保持する固定部材であって、このフレーム1には表示部材2、ピン状の係止部材3及びカバー4が備えられる。
【0012】
表示部材2は熱可塑性合成樹脂のような弾性を有する部材であってフレーム1に回転自在に保持され、先端部に上下に「開」「閉」の表示を有する表示部2aと、表示部2aに隣接して形成された窓枠状の係止部2bと、係止部2bと表示部材2の回転中心との間に回転方向に薄く形成された表示腕2cと、機構連結腕2dを有する。そして、この係止部2bの窓枠内には係止部材3が挿通しており、機構連結腕2dには開閉機構に連結されその開閉状態に応じて略左右方向に移動する機構部品5が連結されている。(なお、この実施例の説明において、回路遮断器の開閉機構は本願発明の主要部ではないため、図面及びその説明を省略する。)
カバー4には開口部4aが形成されており、この開口部4aには透明板6がはめ込まれている。
【0013】
次に、この開閉表示装置の動作について説明する。
【0014】
図2に示す接点が開路しているときの表示装置の状態から、接点の閉路指令が発せられて開閉機構が動作すると、機構部品5が左方向に移動して表示部材2が時計方向に回転する。そして、閉路動作完了直前に係止部2bの窓枠の下端が係止部材3に接触する。この状態が図1に示されており、表示部2aの「閉」の表示が開口部4aの位置と一致する。さらに、閉路動作完了まで機構部品5が左方向に移動すると、係止部2bの部分はほとんど移動しないため表示腕2cの部分が撓む。しかし、係止部2bと表示部2aが隣接しているため表示部2aもほとんど移動せず開口部4aからの「閉」表示の目視には影響がない。
【0015】
図1の状態から、接点の開路指令により開閉機構が開路動作を始めると、機構部品5が右方向に移動して表示部材2が反時計方向に回転し、図2に示すように開路動作完了直前に係止部2bの窓枠上端部において係止部材3と接触する。この状態では表示部2aの「開」の表示が開口部4aの位置と一致している。さらに開路動作完了まで機構部品5が移動すると、表示腕2cが撓むが前述の閉路動作と同様に表示部2aの「開」の表示が開口部4aから確実に目視できる。
【0016】
したがって、係止手段3と係止部2bが当接したとき開口部4aから「開」及び「閉」の表示を確実に目視できる位置に、開口部4aと係止手段3と係止部2bの窓枠上端及び下端との相対位置を定めるとともに、閉路動作及び開路動作の完了前に係止部2bの窓枠のそれぞれ下端及び上端が係止手段3と当接するようにさえしておけば、開閉機構の部品寸法の誤差などにより機構部品5の移動距離がばらついても正確に表示を目視できる。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、接点の開閉機構部の多数の部品の製造上の誤差が集積されても確実な開閉表示が可能となり、より高い安全性を確保できる。さらに、開閉表示を正確に行うための開閉機構部品の加工精度や組立精度を、回路遮断器に本来要求されている開閉、遮断性能を満足させるために必要な精度以上に高くする必要もなく、経済的な回路遮断器を提供できるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回路遮断器の開閉表示装置の実施例の閉路状態における側面図である。
【図2】図1の開路状態における側面図である。
【図3】従来の回路遮断器の閉路状態における側面図である。
【図4】図3の開路状態における部分図である。
【符号の説明】
1 フレーム1
2 表示部材
2a 表示部
2b 係止部
2c 表示腕
2d 機構連結腕
3 係止部材
4 カバー
4a 開口部
5 機構部品
6 透明板
Claims (1)
- 接点を開閉する開閉機構をカバー(4)で覆った回路遮断器の開閉表示装置であって、
前記カバーに形成された開口部(4a)と、
前記開閉機構に連結されその動作に応じて回転する弾性を有する合成樹脂材料からなる表示部材(2)と、
前記表示部材の先端に備えられ且つ前記カバーの開口部の外から目視可能な開及び閉の表示と、
前記開閉機構の動作完了直前に前記表示部材を前記先端に隣接する部分で係止する係止部材(3)とを備え、
前記表示部材は前記係止部材と当接した後さらに回転付勢されたときその回転中心と前記係止部分をつなぐ表示腕(2c)が撓むことを特徴とする回路遮断器の開閉表示装置。
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- 1997-03-31 JP JP09830897A patent/JP3853015B2/ja not_active Expired - Fee Related
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