JP3853009B2 - 橋梁における衝撃力吸収装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道,車両,歩道等に利用される橋梁における衝撃力吸収装置に係わり、更に詳しくは地震時に橋桁が橋軸方向に移動を生じた際に、橋桁の端末部同志、或いは橋桁の端部と橋台の一部の衝突の衝撃力を緩和させるようにした橋梁における衝撃力吸収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、橋梁を反力分散設計,或いは免震設計を行う場合、橋桁と橋台、橋桁と橋桁との必要設計遊間が大きくなるが、実際には設計遊間が十分に取れなかったり、隣接する相対向した橋桁の周期が大きく異なる場合には、橋桁の端末部と橋桁の端末部また橋台の一部とが衝突して損傷し、最悪の場合には、橋桁が橋台から落下すると言う問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、近年では橋台または橋桁と橋桁との空間部に、圧縮空気を注入した中空袋状のアブソーバを介在させた橋桁のノックオフ装置が提案されている(特開平8−128014号公報)。然しながら、このようなノックオフ装置では、地震時に橋桁が橋軸方向に移動を生じた場合、十分に衝撃力を吸収することが出来ず、また現在本格的に衝撃エネルギーを吸収する装置は提案されていなかった。
【0004】
この発明の目的は、地震時に橋桁が橋軸方向に移動を生じた場合、衝撃直後にはゴム状弾性体の柔らかいバネ定数により衝撃力を吸収し、大変形時には、ゴム状弾性体層と金属材料または補強布から成る拘束部材層とを積層させて成る衝撃吸収体が変形したり、或いは座屈することで衝撃エネルギーを有効に吸収させることが出来る橋梁における衝撃力吸収装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するため、橋台または橋脚上に支持された橋桁の端末空間部に、拘束部材を埋設して一体的に形成したゴム状弾性体から成る衝撃吸収体を配設し、該衝撃吸収体の両端を前記橋桁の両側面に取り付けられ、かつ前記端末空間部側に突出する支持部材の突出部に、該突出部に突出方向に延設した取り付け用の長穴とボルトを介して位置調整可能に取り付け、衝撃により前記衝撃吸収体が圧縮された時に該衝撃吸収体が長穴内で移動できるように構成してなることを要旨とするものである。
前記拘束部材は、金属材料または補強布により径の異なる複数本の円筒状に形成され、この複数本の円筒状の拘束部材を同心円上に配設した状態で拘束部材間にゴム状弾性体を介在させて一体的に形成したり、また金属材料または補強布により螺旋状に形成され、この螺旋状の拘束部材間にゴム状弾性体を介在させて一体的に形成するものである。
【0006】
更に、前記拘束部材を板ばねにより形成し、この板ばねから成る拘束部材を中心に配設して、その外周面をゴム状弾性体により覆って一体的に形成することも可能である。
この発明は上記のように構成され、橋桁の端末空間部に、拘束部材を埋設して一体的に形成したゴム状弾性体から成る衝撃吸収体を配設することで、橋桁の端末部の衝撃直後にはゴム状弾性体の柔らかいバネ定数により衝撃力を吸収し、大変形時には、ゴム状弾性体層と金属材料または補強布から成る拘束部材層とを積層させて成る衝撃吸収体が変形したり、或いは座屈することで衝撃エネルギーを有効に吸収させ、橋桁の端末部の損傷を防止すると共に、橋桁の橋台や橋脚からの落下を有効に防止することが出来るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
図1は、この発明を実施した橋梁における衝撃力吸収装置の一部斜視図を示し、1はコンクリートや鉄骨等により構成された図示しない橋台上に相対向して支持された橋桁を示し、この隣接する橋桁1の端末空間部Xには、この発明の実施形態にかかるゴム状弾性体から成る円柱状の衝撃吸収体2が設けてある。
【0008】
前記円柱状の衝撃吸収体2の両端中央部は、前記橋桁1の両側面に取付けられ、端末空間部X側に突出する支持部材3の突出部に、突出部に突出方向に延設した取付け用の長穴4及びボルト5を介して位置調整可能に取付けられる。また長穴4は、衝撃により吸収装置が圧縮される時、衝突する側とされる側から均等に力を受け持つ必要があるため、円柱状の衝撃吸収体2の円の中心位置が任意の位置にいつでも長穴4内で移動出来るように長穴にする必要がある。
【0009】
前記円柱状の衝撃吸収体2は、図1及び図2R>2に示すように、金属材料または補強布で円筒状に形成した拘束部材6と、この拘束部材6を挟んで一体的に形成したゴム状弾性体7とから構成され、前記拘束部材6は、径の異なる複数本の円筒状に形成して同心円上に配設し、この各拘束部材6間にゴム状弾性体7を介在させて一体的に形成してある。
【0010】
実際には、径の異なる3本の円筒状に形成した金属パイプまたは補強布から成る拘束部材6を同心円上に順次配設し、この状態で拘束部材6間の空間部にゴム状弾性体7を充填して加硫することにより一体的に形成したり、また予め径の異なる4本の円筒状に形成したゴム状弾性体7を形成しておき、この各ゴム状弾性体7に、径の異なる3本の円筒状に形成した金属パイプまたは補強布から成る拘束部材6を嵌め込み、ゴム状弾性体7と拘束部材6とで一体的に形成された筒状体を順次嵌合させて積層させることにより円柱状の衝撃吸収体2を形成することも可能である。
【0011】
また、図3はこの発明にかかる衝撃吸収体2の他の実施形態を示し、この実施形態の衝撃吸収体2aは、円柱状に形成したゴム状弾性体7の内部に、バネ板等の金属材料または補強布を螺旋状にした拘束部材6aを埋設して構成したものである。
なお、この衝撃吸収体2aの成形としては、予めバネ板等の金属材料または補強布から成る拘束部材6aを螺旋状に形成しておき、この拘束部材6aを衝撃吸収体2aの径方向の中心位置に配置してその外周をゴム状弾性体7で覆って一体的に構成するものである。
【0012】
また、図4はこの発明にかかる衝撃吸収体2の他の実施形態を示し、この実施形態の衝撃吸収体2bは、円柱状に形成したゴム状弾性体7の中央内部に、皿バネ,板バネ等から構成される拘束部材6bを埋設して一体的に構成したものである。
この実施形態も、上記の実施形態と同様に、予め皿バネ,板バネ等から構成される拘束部材6bを形成しておき、この拘束部材6bを衝撃吸収体2bの径方向の中心位置に配置してその外周をゴム状弾性体7で覆って一体的に構成するものである。
【0013】
なお、衝撃吸収体2の大きさや、拘束部材6及びゴム状弾性体7の厚さ,数については、橋桁1の大きさや、端末空間部Xの大きさによって任意に設計するものである。
以上のように、互いに隣接する橋桁1の端末空間部Xに、金属材料から成る金属パイプまたは螺旋状に形成した金属板または補強布から成る拘束部材6を周方向に埋設して一体的に形成したゴム状弾性体7から成る円柱状の衝撃吸収体2を配設することで、地震発生時に、橋桁1の端末部が接近して衝撃直後にはゴム状弾性体7の柔らかいバネ定数により衝撃力を吸収し、また大きな衝撃で衝撃吸収体2が大変形した時には、図5に示すように、ゴム状弾性体層7と金属材料または補強布から成る拘束部材6層とを積層させて成る衝撃吸収体2が変形したり、或いは座屈することで衝撃エネルギーを有効に吸収させ、橋桁の端末部の損傷を防止すると共に、橋桁1が橋台から落下することを有効に防止させることが出来るものである。
【0014】
【発明の効果】
この発明は、上記のように橋桁の端末空間部に、拘束部材を埋設して一体的に形成したゴム状弾性体から成る衝撃吸収体を配設したので、地震時に橋桁が橋軸方向に移動した場合、衝撃直後にはゴム状弾性体の柔らかいバネ定数により衝撃力を吸収し、大変形時には、ゴム状弾性体層と金属材料または補強布から成る拘束部材層とを積層させて成る衝撃吸収体が変形したり、或いは座屈することで衝撃エネルギーを有効に吸収させることが出来、橋桁の端末部の損傷を防止すると共に、橋桁が橋台や橋脚から落下するのを有効に防止することが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施した橋梁における衝撃力吸収装置の一部斜視図である。
【図2】衝撃吸収体の断面図である。
【図3】衝撃吸収体の他の実施形態を示す断面図である。
【図4】衝撃吸収体の他の実施形態を示す断面図である。
【図5】 衝撃時の衝撃吸収体の変形状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 橋桁 X 端末空間部
2,2a,2b 衝撃吸収体 3 支持部材
4 取付け用の長穴 5 ボルト
6,6a,6b 拘束部材 7 ゴム状弾性体
Claims (4)
- 橋台または橋脚上に支持された橋桁の端末空間部に、拘束部材を埋設して一体的に形成したゴム状弾性体から成る衝撃吸収体を配設し、該衝撃吸収体の両端を前記橋桁の両側面に取り付けられ、かつ前記端末空間部側に突出する支持部材の突出部に、該突出部に突出方向に延設した取り付け用の長穴とボルトを介して位置調整可能に取り付け、衝撃により前記衝撃吸収体が圧縮された時に該衝撃吸収体が長穴内で移動できるように構成してなる橋梁における衝撃力吸収装置。
- 前記拘束部材は、金属材料または補強布により径の異なる複数本の円筒状に形成され、この複数本の円筒状の拘束部材を同心円上に配設した状態で拘束部材間にゴム状弾性体を介在させて一体的に形成した請求項1に記載の橋梁における衝撃力吸収装置。
- 前記拘束部材は、金属材料または補強布により螺旋状に形成され、この螺旋状の拘束部材間にゴム状弾性体を介在させて一体的に形成した請求項1に記載の橋梁における衝撃力吸収装置。
- 前記拘束部材を板ばねにより形成し、この板ばねから成る拘束部材を中心に配設して、その外周面をゴム状弾性体により覆って一体的に形成した請求項1に記載の橋梁における衝撃力吸収装置。
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JP8404997A JP3853009B2 (ja) | 1997-04-02 | 1997-04-02 | 橋梁における衝撃力吸収装置 |
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JPH10280322A JPH10280322A (ja) | 1998-10-20 |
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CN111041994B (zh) * | 2019-12-24 | 2021-02-12 | 中交隧道工程局有限公司 | 一种墩柱裹模装置 |
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1997
- 1997-04-02 JP JP8404997A patent/JP3853009B2/ja not_active Expired - Lifetime
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