JP3851838B2 - パイプの曲げ加工方法及びその方法に使用されるマンドレル - Google Patents

パイプの曲げ加工方法及びその方法に使用されるマンドレル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばトラクタのキャビンフレームを作製する場合などのように、パイプを曲げ加工する場合の加工方法及びその方法に使用されるマンドレル(芯金)に係る。特に、本発明は、パイプを曲げ加工して得られる完成品の設計自由度及び加工精度の向上を図るための対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開2001−206251号公報に開示されているようなトラクタにあっては、金属パイプを曲げ加工してキャビンフレームを作製している。例えば、キャビンの側部を構成するサイドフレームにあっては、それぞれ金属パイプが曲げ加工されたサイドフレームアッパとサイドフレームロアとがサイドメンバ等によって接続されて構成されている。例えば、上記サイドフレームアッパは、サイドドアの前端縁から上端縁に沿った形状となるように曲げ加工されている。同様に、上記サイドフレームロアは、サイドドアの後端縁に沿った形状となるように曲げ加工されている。
【0003】
上記サイドフレームアッパとしては、サイドドアが閉鎖された際のドア開口縁のシール性を良好に維持するために、それぞれの曲げ形状はサイドドアの外縁形状に略合致したものとなっている必要がある。具体的には、上記サイドフレームアッパは、サイドドアの外縁部が当接してシール面となるべき平坦面を備えた異形パイプで構成され、しかも、この平坦面としてはサイドドアの外縁形状に沿い且つサイドフレームアッパ全体に亘って均一な平面度が確保されていることが必要である。
【0004】
上記サイドフレームアッパの具体的な作製作業としては、予め所定の断面形状(上記シール面となるべき平坦面を備えた異形断面形状)に引き抜き加工されたパイプをベンダー装置にセットする。そして、このパイプをクランプダイ等によって把持すると共に、パイプの内部にマンドレルを挿入する。この状態で、クランプダイを所定の曲げ方向に移動させることによってパイプがマンドレルの先端部分に沿いながら曲げ加工される。
【0005】
上記マンドレルの先端部分の形状として、一般的には、パイプ内部への挿入作業を容易に行うために、先端部各面それぞれを先細り状に削って湾曲面として形成していた。図10は、断面四角形状のパイプに適用されるマンドレルaの先端部分を示す斜視図である。この図のように、各面それぞれに同一形状の湾曲面b,b,…を形成し、パイプ内部への挿入作業性を向上させていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記キャビンのデザイン性の向上やキャビンフレームの構成部品点数の削減を図るために、サイドフレームアッパの曲げ角度を大きくしたいといった要求がある。しかしながら、従来のマンドレルをそのまま使用して単に曲げ角度を大きくした場合には、パイプに、皺、凹み、捻れが発生したり、曲げ角度にバラツキが生じて形状の安定した製品(サイドフレームアッパ)を供給することができなくなってしまう。
【0007】
例えば、図11に示すように、サイドフレームアッパの曲げ角度を大きく(例えば曲げ角度80°程度に設定)した場合、従来のマンドレルをそのまま使用したのでは、パイプcの外面のうち曲率半径の小さい内周側の面(図11におけるA部分)においてパイプ内部へ向かう凹みdが生じてしまう可能性がある。この図11の仮想線がパイプcの外面形状として求められる本来の曲げ加工形状である。
【0008】
このように凹みdが生じたのでは、サイドフレームアッパとして、シール面となるべき平坦面をサイドドアの外縁形状に沿った形状に形成することができないばかりでなく、この平坦面の平面度を確保することが困難になってしまう可能性あり、サイドフレームアッパに対する上記の要求を満たすことができなくなってしまう。
【0009】
このような曲げ角度を大きくしたことに起因する不具合は、トラクタのキャビンを構成するサイドフレームアッパばかりでなく、種々のパイプの曲げ加工においても同様に生じる。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パイプの内部にマンドレルを挿入した状態で、このマンドレルの先端部分に沿ってパイプを曲げ加工するに際し、パイプの曲げ角度を大きく得ることを可能にして完成品の設計自由度の向上を図ることができ、且つパイプに皺、凹み、捻れ等を生じさせず加工精度の向上を図ることができる曲げ加工方法及びその方法に使用されるマンドレルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−
上記の目的を達成するために、本発明は、マンドレルの先端部形状として、一部をパイプの曲げ角度の拡大化を図る形状とし、他の一部をパイプの凹み等の不具合を回避するべくパイプの形状変化を部分的に規制する形状としている。
【0012】
−解決手段−
具体的には、パイプの延長方向に対して直交するパイプ断面において、パイプ内部空間に向かって凹陥する凹陥部分を備えた異形パイプの内部にマンドレルを挿入した状態で、このマンドレルの先端部分に沿ってパイプを曲げ加工する曲げ加工方法を前提とする。この曲げ加工方法に対し、使用するマンドレルとしてその先端部分に湾曲面と形状規制面とを備えさせる。湾曲面は、マンドレルがパイプの内部に挿入された状態で、先端部分における一部の外面であって上記パイプ断面における凹陥部分の両外側に位置する部分に対応してパイプ内面から後退する面としてそれぞれ形成されている。また、これら湾曲面の間にあっては上記凹陥部分におけるパイプ内面にマンドレルの外面が当接している。形状規制面は、マンドレルがパイプの内部に挿入された状態で、先端部分におけるその他の外面がパイプ内面に隙間無く接触する面として形成されている。このマンドレルを使用し、マンドレルをパイプの内部に挿入した後、上記湾曲面が形成されている側が曲げ加工時における曲率半径方向の外周側となるように、マンドレルの先端部分に沿ってパイプを曲げ加工するようにしている。
【0013】
この特定事項により、曲率半径方向の外周側となる領域にはマンドレルの湾曲部が位置しており、その曲げ加工がマンドレルによって制約されることはなく、比較的大きな曲げ角度での曲げ加工が可能となる。一方、曲率半径方向の内周側となる領域にはマンドレルの形状規制面が位置しており、その曲げ加工時のパイプの形状は適切に規制され、凹みなどの発生が回避できる。このため、パイプの曲げ角度を大きく得ることを可能にして完成品の設計自由度の向上を図ることができ、且つパイプに皺、凹み、捻れ等を生じさせず加工精度の向上を図ることができる。
【0014】
また、上記方法に使用されるマンドレルも本発明の技術的思想の範疇である。つまり、先端部分における一部の外面であって、曲げ加工時における曲率半径方向の外周側となる面であり、上記パイプの内部に挿入された状態で上記パイプ断面における凹陥部分の両外側に位置する部分に対応してパイプ内面からそれぞれ後退する各湾曲面を備えていると共に、これら湾曲面の間にあっては上記凹陥部分におけるパイプ内面に当接しており、先端部分におけるその他の外面であって、パイプの内部に挿入された状態でパイプ内面に隙間無く接触するように形成された形状規制面を備えたマンドレルである。
【0015】
また、マンドレルの形状規制面を具体化する構成として以下のものが掲げられる。つまり、パイプを、その断面において互いに直交する2つの面を有する構成とする。そして、形状規制面を、上記互いに直交する2つの面のパイプ内側面にそれぞれ隙間無く接触し且つ互いに直交する2つの平坦面によって構成する。
【0016】
これにより、異形パイプの一部の外面の直角度を精度高く得ることができる。例えば、曲げ加工されたパイプをトラクタキャビンフレームとして使用し、サイドドアの外縁をパイプの平坦面に当接させるようにした場合には、ドア開口縁部分のシール性を良好に確保することができる。また、平坦面の平面度が適切に得られているため、トラクタキャビンフレームに対する溶接等の後加工に悪影響を与えることもない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本形態ではトラクタのキャビンの側部を構成するサイドフレームの構成部品のうちサイドフレームアッパをパイプの曲げ加工によって作製する際に本発明を適用した場合について説明する。
【0018】
−サイドフレームの概略構成−
本実施形態に係る曲げ加工方法の説明の前に、サイドフレームの概略構成について説明する。
【0019】
図1はトラクタのキャビンの左側を構成するサイドフレーム1の側面図である。この図に示すように、本サイドフレーム1は、それぞれ金属パイプが曲げ加工されたサイドフレームアッパ2とサイドフレームロア3とを備えている。サイドフレームアッパ2は、図示しないサイドドアの前端縁から上端縁に沿った形状となるように曲げ加工されている。同様に、上記サイドフレームロア3は、サイドドアの後端縁に沿った形状となるように曲げ加工されている。
【0020】
これらサイドフレームアッパ2とサイドフレームロア3とは、その後端部(図中右端部分)同士がサイドメンバ4によって連結されており、下端部同士が連結プレート5によって連結されている。これによりサイドフレーム1は、サイドドアの形状に略合致したドア開口を有する枠体として構成されている。
【0021】
尚、図1における11は、バックミラーやランプ類を取り付けるためのアシストバーである。
【0022】
次に、サイドフレームアッパ2の断面形状について説明する。図2は図1におけるII-II線に沿った断面図である。図3は図1におけるIII-III線に沿った断面図である。
【0023】
これら図2及び図3に示すように、サイドフレームアッパ2の断面形状としては、第1〜第6の6つの平坦面21〜26及び1つの湾曲面27で構成されている。以下、各面21〜27について具体的に説明する。
【0024】
第1平坦面21は車体の幅方向に延びている。また、この第1平坦面21はサイドドア6(図2及び図3の仮想線参照)の前端縁及び上端縁の一部が当接する。
【0025】
第2平坦面22は、キャビン前端部分では車体前後方向に、キャビン上端部分では車体上下方向にそれぞれ延びている。また、この第2平坦面22は上記第1平坦面21に対して直交する方向に延びており、これら第1平坦面21と第2の平坦面22との稜線部分(図2及び図3におけるR)がキャビンの内側に臨んでいる。
【0026】
第3平坦面23は、上記第1平坦面21に連続し且つこの第1平坦面21に対して直交する方向に(キャビン前端部分では車体前方に、キャビン上端部分では車体上方に)延びている。また、この第3平坦面23はサイドドア6の前端縁及び上端縁の内側面が当接するシール面として機能するものである。
【0027】
第4平坦面24は、上記第2平坦面22に連続し且つこの第2平坦面22に対して直交する方向(車体外側)に延びている。また、この第4平坦面24はキャビン前端部分ではフロントガラス7(図2の仮想線参照)の取付面として機能し、キャビン上端部分ではルーフ8(図3の仮想線参照)の取付面として機能するものである。
【0028】
第5平坦面25は、上記第3平坦面23に連続し且つこの第3平坦面23に対して直交する方向(車体外側)に延びている。また、この第5平坦面25はサイドドア6の前端縁及び上端縁の一部が当接する。
【0029】
第6平坦面26は、上記第4平坦面24に連続し且つこの第4平坦面24に対して直交する方向に(キャビン前端部分では車体前方に、キャビン上端部分では車体上方に)延びている。また、この第6平坦面26はキャビン前端部分ではフロントガラス7の側端縁が当接し、キャビン上端部分ではルーフ8の端縁が当接している。
【0030】
湾曲面27は、上記第5平坦面25と第6平坦面26とを繋ぐように湾曲形成された部分であって、キャビンの外側に臨んでいる。つまり、キャビンの前端コーナ部分を滑らかな湾曲形状とすることによりキャビンのデザイン性の向上を図っている。
【0031】
このようにサイドフレームアッパ2は、車体幅方向に延びる3つの平坦面21,24,25と、車体前後方向または上下方向に延びる3つの平坦面22,23,26と、1つの湾曲面27とにより閉断面構造で構成されている。
【0032】
−マンドレルの構成−
次に、本実施形態に係る曲げ加工方法で使用されるマンドレルについて説明する。図4はマンドレル9の側面図である。図5(a)は図4におけるA−A線に沿った断面図、図5(b)は図4におけるB−B線に沿った断面図、図5(c)は図4におけるC矢視図である。図6はマンドレル9の先端部分を示す斜視図である。
【0033】
これら図に示すように、本マンドレル9は、先端部分を除く略全体の断面形状が上記サイドフレームアッパ2の断面形状に略合致している。そして、このマンドレル9の先端部は部分的に削られて湾曲部(湾曲面)91,92が形成されている。本実施形態の特徴の一つは、このマンドレル9の先端部に形成されている湾曲部91,92にある。以下、この湾曲部91,92について説明する。
【0034】
このマンドレル9の先端部分を構成する外面のうち、上記サイドフレームアッパ2の第2平坦面22から第4平坦面24に亘る部分に対応する領域、湾曲面27から第6平坦面26に亘る部分に対応する領域のそれぞれに湾曲部91,92が形成されている(図6では、この湾曲部91,92の形成領域に破線の斜線を付している)。それ以外の領域である第1平坦面21、第3平坦面23、第5平坦面25に亘る部分に対応する領域は、曲げ加工前のサイドフレームアッパ2(パイプ材)に挿入された状態で、サイドフレームアッパ2の内面に沿い、この内面との間に隙間を生じさせない形状規制面93となっている。言い換えると、上記湾曲部91,92が形成されている領域は、サイドフレームアッパ2を曲げ加工によって作製する際に、その曲げ加工の曲率半径方向の外周側となる領域である。つまり、本マンドレル9の先端部分にあっては、この曲げ加工の曲率半径方向の外周側となる領域に対応する箇所のみに比較的大形の(従来のマンドレルに形成されている湾曲面(図10参照)よりも大きな)湾曲部91,92が形成されている。
【0035】
−曲げ加工動作−
次に、上記マンドレル9を使用してベンダー装置により曲げ加工を行う際の動作について説明する。ここでは、サイドフレームアッパ2の曲げ加工部分のうち図1におけるD部分の曲げ加工を例に挙げて説明する。
【0036】
図7に示すように、ベンダー装置94は、曲げ加工前のサイドフレームアッパ2の下端部を把持するチャック装置95、上記マンドレル9を支持するマンドレルホルダ96、サイドフレームアッパ2の長手方向の中間部(曲げ加工を行う部分)を挟持する主ロール97とプッシャダイ98、この主ロール97と一体的に移動するクランプダイ99を備えている。
【0037】
以下、このベンダー装置94によるサイドフレームアッパ2の曲げ加工動作について説明する。先ず、図7に示すように、曲げ加工前のサイドフレームアッパ2の下端部をチャック装置95によって把持する。また、マンドレルホルダ96の上端部にマンドレル9を支持し、このマンドレル9をサイドフレームアッパ2の所定位置(主ロール97に対向する位置)まで挿入する。この際、上述したように、サイドフレームアッパ2の曲げ加工時の曲率半径方向の外周側となる領域にマンドレル9の湾曲部91,92が位置するようにマンドレル9を挿入する。図7にあっては図中に矢印で示すように右側への曲げ加工を行うので、湾曲部91,92が図中左側を向くようにマンドレル9を挿入する。これにより、ベンダー装置94へのサイドフレームアッパ2のセット作業が完了する。図9はサイドフレームアッパ2にマンドレル9を挿入した状態における図5に示す各部に対応した箇所の断面図を示している。この図9では、サイドフレームアッパ2の曲げ方向は図中下向きである。この図9(b),(c)からも判るように、サイドフレームアッパ2の曲げ加工時の曲率半径方向の外周側となる領域(図中上側を向いている領域)にマンドレル9の湾曲部91,92が位置している。
【0038】
そして、サイドフレームアッパ2の曲げ加工時には、図8に示すように、主ロール97を図中時計回り方向へ回転させる。これに伴ってプッシャダイ98が上方に移動してサイドフレームアッパ2を移動させると共に、クランプダイ99が図中右方向に回動する。これにより、サイドフレームアッパ2は、マンドレル9の先端部分の湾曲部91,92の形状に沿いながら移動して曲げ加工される。この曲げ加工時、曲率半径方向の外周側となる領域にはマンドレル9の湾曲部91,92が位置しており、その曲げ加工がマンドレル9によって制約されることはなく、比較的大きな曲げ角度での曲げ加工が可能である。これに対し、曲率半径方向の内周側となる領域にはマンドレル9の形状規制面93が位置しており、この形状規制面93と主ロール97との間でサイドフレームアッパ2を挟持しながら曲げ加工を行うことになるので、この曲げ加工時のサイドフレームアッパ2の形状変化は規制される。つまり、このサイドフレームアッパ2において曲率半径方向の内周側となる領域ではマンドレル9の形状規制面93が隙間無く接触しているため、この部分ではサイドフレームアッパ2の管壁がパイプ内部へ向かって凹んでしまうといったことがない。その結果、上記図11で示す凹みdは生じず、この図11において仮想線で示した本来の曲げ加工形状でサイドフレームアッパ2の曲げ加工が行われることになる。
【0039】
以上のように、本形態では、曲げ加工の曲率半径方向の外周側となる領域にはマンドレル9の湾曲部91,92が位置しており、その曲げ加工がマンドレル9によって制約されることはなく、比較的大きな曲げ角度での曲げ加工が可能となる。一方、曲げ加工の曲率半径方向の内周側となる領域にはマンドレル9の形状規制面93が位置しており、その曲げ加工時のサイドフレームアッパ2の形状は適切に規制され、凹みなどの発生が回避できる。このため、サイドフレームアッパ2の曲げ角度を大きく得ることを可能にしてこのサイドフレームアッパ2の設計自由度の向上を図ることができ、且つサイドフレームアッパ2に皺、凹み、捻れ等を生じさせず加工精度の向上を図ることができる。
【0040】
特に、本形態の場合、曲げ加工によって得られるサイドフレームアッパ2の第3平坦面23と第5平坦面25との直角度は、形状規制面93の存在によって良好に得ることができるため、サイドドア6の開口縁部分のシール性を良好に確保することができる。
【0041】
−その他の実施形態−
上述した実施形態ではトラクタのキャビンの側部を構成するサイドフレームアッパ2をパイプの曲げ加工によって作製する際に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、その他種々のパイプの曲げ加工に適用することが可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、マンドレルの先端部形状として、一部をパイプの曲げ角度の拡大化を図る形状とし、他の一部をパイプの凹み等の不具合を回避するべくパイプの形状変化を部分的に規制する形状としている。つまり、曲げ加工時における曲率半径方向の外周側となる面であってパイプの内部に挿入された状態でパイプ内面から後退するように形成された湾曲面と、パイプ内面に隙間無く接触するように形成された形状規制面とをマンドレルに備えさせている。このため、曲げ加工がマンドレルによって制約されることはなく、比較的大きな曲げ角度での曲げ加工が可能となると共に、形状規制面によって曲げ加工時のパイプの形状は適切に規制され、凹みなどの発生が回避できる。このため、パイプの曲げ角度を大きく得ることを可能にして完成品の設計自由度の向上を図ることができ、且つパイプに皺、凹み、捻れ等を生じさせず加工精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るサイドフレームの側面図である。
【図2】図1におけるII-II線に沿った断面図である。
【図3】図1におけるIII-III線に沿った断面図である。
【図4】マンドレルの側面図である。
【図5】(a)は図4におけるA−A線に沿った断面図、(b)は図4におけるB−B線に沿った断面図、(c)は図4におけるC矢視図である。
【図6】マンドレルの先端部分を示す斜視図である。
【図7】ベンダー装置にパイプをセットした状態を示す図である。
【図8】パイプ曲げ加工動作を説明するための図である。
【図9】パイプにマンドレルを挿入した状態における図5に示す各部の断面図である。
【図10】従来の断面四角形状のパイプに適用されるマンドレルの先端部分を示す斜視図である。
【図11】従来のサイドフレームアッパの曲げ加工部分を示す図である。
【符号の説明】
2 サイドフレームアッパ
23 第3平坦面
25 第5平坦面
9 マンドレル
91,92 湾曲面
93 形状規制面

Claims (3)

  1. パイプの延長方向に対して直交するパイプ断面において、パイプ内部空間に向かって凹陥する凹陥部分を備えた異形パイプの内部にマンドレルを挿入した状態で、このマンドレルの先端部分に沿ってパイプを曲げ加工する曲げ加工方法において、
    上記パイプの内部に挿入された状態で、先端部分における一部の外面であって上記パイプ断面における凹陥部分の両外側に位置する部分に対応する各外面がパイプ内面から後退する湾曲面としてそれぞれ形成されていると共に、これら湾曲面の間にあっては上記凹陥部分におけるパイプ内面に当接しており、且つその他の外面がパイプ内面に隙間無く接触する形状規制面として形成されたマンドレルを使用し、
    このマンドレルをパイプの内部に挿入した後、上記湾曲面が形成されている側が曲げ加工時における曲率半径方向の外周側となるように、マンドレルの先端部分に沿ってパイプを曲げ加工することを特徴とするパイプの曲げ加工方法。
  2. パイプの延長方向に対して直交するパイプ断面において、パイプ内部空間に向かって凹陥する凹陥部分を備えた異形パイプを曲げ加工する際にこのパイプの内部に挿入されるマンドレルにおいて、
    先端部分における一部の外面であって、曲げ加工時における曲率半径方向の外周側となる面であり、上記パイプの内部に挿入された状態で上記パイプ断面における凹陥部分の両外側に位置する部分に対応してパイプ内面からそれぞれ後退する各湾曲面を備えていると共に、これら湾曲面の間にあっては上記凹陥部分におけるパイプ内面に当接しており、
    先端部分におけるその他の外面であって、パイプの内部に挿入された状態でパイプ内面に隙間無く接触するように形成された形状規制面を備えていることを特徴とするマンドレル。
  3. 請求項2記載のマンドレルにおいて、
    パイプは、その断面において互いに直交する2つの面を有しており、
    形状規制面は、上記互いに直交する2つの面のパイプ内側面にそれぞれ隙間無く接触し且つ互いに直交する2つの平坦面によって構成されていることを特徴とするマンドレル。
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