JP3851768B2 - 配線基板及び配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板及び配線基板の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂絶縁層と、これを貫通するビアと、これら樹脂絶縁層及びビアの上に形成された導体層とを有する配線基板及び配線基板の製造方法に関し、特に、ビア及び導体層がメッキで形成され、しかも、ビアがメッキで充填されたフィルドビアである配線基板及び配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、略板形状の樹脂絶縁層に、これを貫通するフィルドビアがメッキで充填形成され、これらの上に導体層がメッキで形成された配線基板が知られている。
例えば、図8に主面102側の部分拡大断面図を示す配線基板101が挙げられる。この配線基板101は、その中心に略板形状のコア基板103を備える。コア基板103の両面には第1樹脂絶縁層105が積層され、さらにその上には、第2樹脂絶縁層107が積層されている。また、第2樹脂絶縁層107上には、ソルダーレジスト層(樹脂絶縁層)109が積層されている。
【0003】
このうちコア基板103には、これを貫通する略筒状のスルーホール導体111が所定の位置に複数形成されている。また、第1樹脂絶縁層105には、これを貫通する第1ビア用貫通孔113が所定の位置に複数形成され、各第1ビア用貫通孔113には、第1フィルドビア115がメッキにより充填形成されている。同様に、第2樹脂絶縁層107には、第2ビア用貫通孔117が所定の位置に複数形成され、各第2ビア貫通孔117には、第2フィルドビア119が形成されている。また、ソルダーレジスト層109には、これを貫通するパッド用開口121が所定の位置に複数形成されている。
【0004】
コア基板103と第1樹脂絶縁層105との層間には、配線やパッド等の所定パターンの第1導体層123が形成され、コア基板103のスルーホール導体111や第1絶縁層105の第1フィルドビア115と接続している。また、第1樹脂絶縁層105と第2樹脂絶縁層107との層間にも、配線126やパッド124等の所定パターンの第2導体層125が形成され、第1樹脂絶縁層105の第1フィルドビア115や第2樹脂絶縁層107の第2フィルドビア119と接続している。また、第2樹脂絶縁層107とソルダーレジスト層109との層間にも、配線やパッド128等の所定パターンの第3導体層127が形成され、第2樹脂絶縁層107の第2フィルドビア119と接続している。そして、第3導体層127のパッド128は、この配線基板101に電子部品を搭載するため、ソルダーレジスト層109のパッド用開口121内に露出している。
【0005】
このような配線基板101のうち、第1樹脂絶縁層105の内部や表面に形成された第1フィルドビア115及び第2導体層125は、次のようにして形成する。
即ち、まず、公知の手法により、コア基板103にスルーホール導体111を形成すると共に、コア基板103上に第1導体層123を形成し、さらにこれらの上に、第1ビア用貫通孔113を有する第1樹脂絶縁層105を形成した基板131を用意する(図9参照)。
【0006】
次に、この基板131に、無電解メッキを施し、第1樹脂絶縁層105の表面及び第1ビア用貫通孔113内に、図中に太線で示す無電解メッキ層を形成する。そして、この無電解メッキ層上に所定パターンのメッキレジスト層133を形成する(図9参照)。
その後、孔を含む部分にメッキをしたときに孔外よりも孔内でメッキが成長する性質を有するメッキ液(以下、本明細書では、このような性質を有するメッキ液をフィルドビア用メッキ液とも言う。)を用いて、この基板131に電解メッキを施す。そうすると、図9に示すように、第1ビア用貫通孔113にメッキが充填され第1フィルドビア115が形成されると共に、この第1フィルドビア115上及び第1樹脂絶縁層105の無電解メッキ層上に、電解メッキ層が形成される。
【0007】
なお、フィルドビア用メッキ液には、孔内のメッキ成長を促進する一方、孔外でのメッキ成長を抑制するために、N系高分子化合物等のレベラー(メッキ抑制剤)などが通常含まれている。
電解メッキ後は、メッキレジスト層133を除去して、メッキレジスト層133に覆われていた無電解メッキ層をエッチング除去すれば、所定パターンの第2導体層125となる(図8参照)。このようにして、第1樹脂絶縁層105に、第1フィルドビア115及び第2導体層125が形成される。
【0008】
その後は、第1樹脂絶縁層105及び第2導体層125の上に、第2樹脂絶縁層107を積層し、上述と同様にして、新たに第2フィルドビア119及び第3導体層127を形成する。そして、第2樹脂絶縁層107及び第3導体層127の上に、開口121を有するソルダーレジスト層109を形成すれば、図8に示す配線基板101ができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィルドビア用メッキ液を用いて、第1フィルドビア115及び第2導体層125を形成すると、第2導体層125の状態が、基板131内で場所により異なり不具合を生じる。これは、電解メッキ時に基板131内で電流密度が偏っていることが影響するものと考えられる。
【0010】
この不具合について、図9に示す基板131に即して具体的に説明すると、形成する配線やパッド等の配置が粗となる部分、即ち、メッキレジスト層133のパターンが粗な部分(図9中で左側の部分)は、メッキ時に電流密度が高くなり、メッキ液中のレベラーをこの部分に吸着しやすい。このため、図9中で左側部分にある第1フィルドビア115Lやその上の第2導体層125のパッド124L付近を観察すると、図10に部分拡大断面図を示すように、パッド124Lにおいてメッキ粒子の成長が抑えられ、その結果、メッキの厚さ(パッド124L、即ち第2導体層125の厚さ)も比較的薄くなる。また、メッキ粒子の成長が抑えられた結果、粒径が0.1μm以下というように極端に粒径の小さなメッキ粒子が偏在した領域を生じさせることがある。
これに対し、配線やパッド等の配置が密になる部分、即ち、メッキレジスト層133のパターンが密な部分(図9中で右側の部分)は、メッキ時の電流密度が低くなり、メッキ液中のレベラーを吸着しにくい。このため、図9中で右側部分にある第2導体層125の配線126R付近を観察すると、図11に部分拡大断面図を示すように、メッキ粒子が比較的大きく成長し、メッキの厚さ(配線126R、即ち第2導体層125の厚さ)も比較的厚くなる。
【0011】
また、個々のパッド124や配線126だけをみても、メッキレジスト層133は、レベラーを吸着しにくい性質を有するので、図10及び図11に示すように、その近傍では、レベラーが集まりにくく、メッキ粒子が比較的大きく成長し、メッキの厚さも比較的厚くなる。一方、メッキレジスト層133から離れた部分(中央部)は、レベラーを吸着しやすいので、メッキ粒子の成長が抑えられ、メッキの厚さも比較的薄くなる。その結果、例えば、図10に示すパッド124Lでは、その周縁部(端部)が中央部よりも跳ね上がった形状となる。また、図11に示す配線126Rでも、その両縁部(端部)が中央部よりも跳ね上がった形状となる。
【0012】
また、基板131のうち、電解メッキ用の電極との接続点付近(図示しない)でも、相対的に電流密度が高くなり、レベラーを吸着しやすいので、メッキ粒子の成長が抑えられ、メッキの厚さも比較的薄くなるが、電極の接続点から離れた所では、電流密度が低くなり、レベラーが吸着しにくいので、メッキ粒子が成長し、メッキの厚さも比較的厚くなる。
このように、導体層(第2導体層125)が、場所により厚くなったり薄くなったり、あるいは、パッド124の周縁部や配線126の両縁部等で跳ね上がった形状となるので、導体層に外観不良をもたらす。このことは、第3導体層127についても言えるものである。
【0013】
さらに、第2導体層125等の上に第2樹脂絶縁層107を積層する前、あるいは、第3導体層127等の上にソルダーレジスト層109を積層する前に、第2導体層125の表面または第3導体層127の表面をエッチングにより粗化すると、第1,第2導体層125,127表面のメッキ粒子の分布の不均一に起因して粗化ムラが生じ、外観不良となる。その上、例えば0.1μm以下といった微細なメッキ粒子が集まった部分では、良好な粗化面が形成されずに、第2導体層125と第2樹脂絶縁層107との密着強度、あるいは、第3導体層127とソルダーレジスト層109との密着強度の低下を招くこともある。
また、例えば、図8において破線で囲む第2導体層125のうち凸状に跳ね上がった周縁部などでは、第2樹脂絶縁層107を介してその上に形成された第3導体層127との絶縁間隔が小さくなって、上下の導体層間でショート等の電気不良を生じることもある。
【0014】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであって、樹脂絶縁層と、これを貫通しメッキにより充填形成されたフィルドビアと、これらの上にメッキにより形成された導体層とを有する配線基板において、導体層の厚さがほぼ均一な配線基板及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、樹脂絶縁層と、上記樹脂絶縁層を貫通する貫通孔内にメッキで充填形成されたフィルドビアと、上記樹脂絶縁層及びフィルドビア上にメッキで形成された導体層と、を備える配線基板であって、上記導体層は、上記樹脂絶縁層上に形成された無電解メッキ層と、この無電解メッキ層及び上記フィルドビア上に形成され、微細な粒子が偏在する第1電解メッキ層であって、上記の微細なメッキ粒子が、同じ第1電解メッキ層中の大きなメッキ粒子に比して、5分の1以下の大きさである第1電解メッキ層と、上記第1電解メッキ層上に形成され、導体層表面をなし、メッキ粒子の粒度分布が場所によらずほぼ均一な第2電解メッキ層と、を備える配線基板である。
【0016】
本発明では、フィルドビアがメッキにより充填形成された配線基板において、樹脂絶縁層上及びフィルドビア上に形成された導体層は、第1電解メッキ層のうち基板平面方向のいずれかの部分に、微細なメッキ粒子が偏在しているにも拘わらず、その上の第2電解メッキ層のメッキ粒子は、粒度分布が場所によらずほぼ均一である。
第1電解メッキ層に微細なメッキ粒子が偏在するということは、その部分でメッキの成長が遅くなり、第1電解メッキ層の厚さが部分的に変動していることを示している。一方、導体層表面をなす第2電解メッキ層は、メッキ粒子の大きさの分布が場所によらずほぼ均一であるので、メッキ成長が場所によらずほぼ同じであり、層の厚さもほぼ均一であると言える。
【0017】
このような導体層は、下方にある第1電解メッキ層については厚さに変動があるが、その上にほぼ均一な厚さの第2電解メッキ層があるので、全体としてみると、第1電解メッキ層の占める割合が小さいことから、全体の厚みの変動を小さく抑えられる。従って、この導体層は、場所により厚くなっている所や薄くなっている所が比較的少なく、また、部分的に大きく跳ね上がっている所も少ないので、導体層全体でその厚さがほぼ均一となっている。よって、導体層の外観も良好である。
【0018】
なお、導体層のうち第1電解メッキ層中に偏在する微細なメッキ粒子が、同じ第1電解メッキ層中の大きなメッキ粒子に比して、約5分の1以下の大きさである場合、さらには、約10分の1以下の大きさである場合には、特にメッキ成長の不均一が大きくなるので、その上に均一な厚さの第2電解メッキ層を形成することで導体層全体の厚さの変動を抑制することができる。また、微細なメッキ粒子の粒径が約0.1μm以下となる場合も、特にメッキ成長の不均一が大きくなるので、その上にほぼ均一な厚さの第2電解メッキ層を形成することで導体層全体の厚さの変動を抑制することができる。
【0019】
さらに、上記の配線基板であって、前記導体層表面はエッチング粗化面とされており、上記導体層及び前記樹脂絶縁層上に上部樹脂絶縁層を備える配線基板とすると良い。
【0020】
微細なメッキ粒子が偏在する第1電解メッキ層が、メッキ粒子の分布がほぼ均一な第2電解メッキ層に覆われているので、導体層表面をエッチングにより粗化したときに、導体層表面がムラなく均一に粗化される。従って、本発明の配線基板は、導体層表面がほぼ均一な粗さの粗化面となっているので、導体層とその上に形成された上部樹脂絶縁層との密着強度の不均一がない。
この場合、第2電解メッキ層のメッキ粒子の平均粒径は、約1μm以上とするのが好ましい。導体層と上部樹脂絶縁層との密着強度の不均一がない(粒径が0.1μm以下のメッキ粒子が偏在した不均一な部分がない)上、粗化面の表面粗さも大きくできるので、これらの密着強度を高くすることができるからである。
【0021】
また、他の解決手段は、樹脂絶縁層と、上記樹脂絶縁層を貫通する貫通孔内にメッキで充填形成されたフィルドビアと、上記樹脂絶縁層及びフィルドビア上にメッキで形成された導体層と、を備える配線基板であって、上記導体層は、上記樹脂絶縁層上に形成された無電解メッキ層と、この無電解メッキ層及び上記フィルドビア上に形成され、微細な粒子が偏在する第1電解メッキ層であって、上記の微細なメッキ粒子が、同じ第1電解メッキ層中の大きなメッキ粒子に比して、5分の1以下の大きさである第1電解メッキ層と、上記第1電解メッキ層上に形成され、導体層表面をなすほぼ均一な厚さの第2電解メッキ層と、を備える配線基板である。
【0022】
本発明では、フィルドビアがメッキにより充填形成された配線基板において、樹脂絶縁層上及びフィルドビア上に形成された導体層は、第1電解メッキ層のうち基板平面方向のいずれかの部分に、微細なメッキ粒子が偏在している。微細なメッキ粒子が偏在するということは、その部分でメッキの成長が遅くなり、第1電解メッキ層の厚さが部分的に変動していることを示している。一方、第1電解メッキ層の上にある第2電解メッキ層は、厚さがほぼ均一である。
【0023】
このような導体層は、下方にある第1電解メッキ層については厚さに変動があるが、その上にほぼ均一な厚さの第2電解メッキ層があるので、全体としてみると、第1電解メッキ層の占める割合が小さいことから、全体の厚みの変動を小さく抑えられる。従って、この導体層は、場所により厚くなっている所や薄くなっている所が比較的少なく、また、部分的に大きく跳ね上がっている所も少ないので、導体層全体でその厚さがほぼ均一となっている。よって、導体層の外観も良好である。
【0024】
なお、導体層のうち第1電解メッキ層中に偏在する微細なメッキ粒子が、同じ第1電解メッキ層中の大きなメッキ粒子に比して、約5分の1以下の大きさである場合、さらには、約10分の1以下の大きさである場合には、特にメッキ成長の不均一が大きくなるので、その上に均一な厚さの第2電解メッキ層を形成することで導体層全体の厚さの変動を抑制することができる。また、微細なメッキ粒子の粒径が約0.1μm以下となる場合も、特にメッキ成長の不均一が大きくなるので、その上にほぼ均一な厚さの第2電解メッキ層を形成することで導体層全体の厚さの変動を抑制することができる。
【0025】
【0026】
【0027】
さらに、上記の配線基板であって、前記第2電解メッキ層は、メッキ粒子の粒度分布が場所によらずほぼ均一であり、前記導体層表面はエッチング粗化面とされており、上記導体層及び前記樹脂絶縁層上に上部樹脂絶縁層を備える配線基板とすると良い。
【0028】
微細なメッキ粒子が偏在する第1電解メッキ層が、メッキ粒子の粒度分布がほぼ均一な第2電解メッキ層に覆われているので、導体層表面をエッチングにより粗化したときに、導体層表面がムラなく均一に粗化される。従って、本発明の配線基板は、導体層表面がほぼ均一な粗さの粗化面となっているので、導体層とその上に形成された上部樹脂絶縁層との密着強度の不均一がない。
この場合、第2電解メッキ層のメッキ粒子の平均粒径は、約1μm以上とするのが好ましい。導体層と上部樹脂絶縁層との密着強度の不均一がない(粒径が0.1μm以下のメッキ粒子が偏在した不均一な部分がない)上、粗化面の表面粗さも大きくできるので、これらの密着強度を高くすることができるからである。
【0029】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板であって、前記上部樹脂絶縁層上に上部導体層を備える配線基板とすると良い。
【0030】
前述したように、第2電解メッキ層を備える導体層は、パッドの周縁部や配線の両縁部などにおける跳ね上がりが少なく、厚さがほぼ均一である。従って、この導体層と、上部樹脂絶縁層を介して形成した上部導体層との絶縁間隔を十分に保つことができ、上下の導体層間でショートや絶縁抵抗の低下等の電気不良が生じにくい。
【0031】
また、他の解決手段は、樹脂絶縁層と、上記樹脂絶縁層を貫通する貫通孔内にメッキで充填形成されたフィルドビアと、上記樹脂絶縁層及びフィルドビア上にメッキで形成された導体層と、を備える配線基板の製造方法であって、
上記貫通孔を有する樹脂絶縁層、並びに、上記貫通孔内及び上記樹脂絶縁層上に形成された無電解メッキ層、を備える基板のうち、外部に露出する上記無電解メッキ層上に、孔を含む部分にメッキをしたときに孔外よりも孔内でメッキが成長する性質を有する第1メッキ液により電解メッキを施し、微細な粒子が偏在する第1電解メッキ層であって、上記の微細なメッキ粒子が、同じ第1電解メッキ層中の大きなメッキ粒子に比して、5分の1以下の大きさである第1電解メッキ層を形成する第1電解メッキ工程と、
上記第1電解メッキ層上に、孔を含む部分にメッキをしたときに孔内と同程度以上に孔外でメッキが成長する性質を有する第2メッキ液により電解メッキを施し、メッキ粒子の粒度分布が場所によらずほぼ均一な第2電解メッキ層を形成する第2電解メッキ工程と、を備える配線基板の製造方法である。
或いは、樹脂絶縁層と、上記樹脂絶縁層を貫通する貫通孔内にメッキで充填形成されたフィルドビアと、上記樹脂絶縁層及びフィルドビア上にメッキで形成された導体層と、を備える配線基板の製造方法であって、上記貫通孔を有する樹脂絶縁層、並びに、上記貫通孔内及び上記樹脂絶縁層上に形成された無電解メッキ層、を備える基板のうち、外部に露出する上記無電解メッキ層上に、孔を含む部分にメッキをしたときに孔外よりも孔内でメッキが成長する性質を有する第1メッキ液により電解メッキを施し、微細な粒子が偏在する第1電解メッキ層であって、上記の微細なメッキ粒子が、同じ第1電解メッキ層中の大きなメッキ粒子に比して、5分の1以下の大きさである第1電解メッキ層を形成する第1 電解メッキ工程と、上記第1電解メッキ層上に、孔を含む部分にメッキをしたときに孔内と同程度以上に孔外でメッキが成長する性質を有する第2メッキ液により電解メッキを施し、ほぼ均一な厚さの第2電解メッキ層を形成する第2電解メッキ工程と、を備える配線基板の製造方法である。
【0032】
本発明では、まず、無電解メッキ層上に、孔外よりも孔内でメッキが成長する第1メッキ液を使用して、第1電解メッキ層を形成する(第1電解メッキ工程)。そしてその後、第1電解メッキ層上に、孔内と同程度に孔外でメッキが成長する、または、孔内よりも孔外でメッキが成長する第2メッキ液を使用して、第2電解メッキ層を形成する(第2電解メッキ工程)。つまり、2種類のメッキ液を用いて電解メッキ層を形成する。
第1メッキ液は、場所によりメッキの成長を異ならせることで、貫通孔内を効率よくメッキで充填することができる反面、前述したように、導体層が、場所により厚くなったり薄くなったり、部分的に跳ね上がった形状となったりする。一方、第2メッキ液は、メッキが均一に成長するので、均一な厚さの導体層を形成することができる。
【0033】
本発明では、第1電解メッキ工程で、後に第2電解メッキ層を形成する分を考慮し、薄く第1電解メッキ層を形成している。このように、第1電解メッキ層を薄くすれば、第1電解メッキ層の場所による厚さの違いや部分的な跳ね上がりがほとんどないか、あるいは、第1メッキ液だけで電解メッキ層全部を形成する従来よりも小さく抑えられる。
そして、第2電解メッキ工程において、第1電解メッキ層上にほぼ均一な厚さの第2電解メッキ層を形成するので、たとえ第1電解メッキに小さな厚さの違いや跳ね上がりができていても、その状態で導体層全体の厚さを厚くすることができる。このため、導体層の厚さの変動を全体として少なくすることができる。つまり、導体層全体の厚さをほぼ均一なものとすることができ、外観が良好な導体層とすることができる。
【0034】
なお、第1電解メッキ工程において電解メッキを施す基板は、無電解メッキ層上に所定パターンのメッキレジスト層が形成され、このメッキレジスト層から無電解メッキ層が部分的に露出する基板でも良いし、無電解メッキ層が略全面に露出する基板でもあっても良い。
このうちメッキレジスト層を有する基板を用いる場合には、第2電解メッキ工程後、メッキレジスト層を除去し、メッキレジスト層に覆われていた無電解メッキ層をエッチングして除去すれば、所定パターンの導体層を形成することができる。
【0035】
一方、略全面に無電解メッキ層が露出する基板を用いる場合には、第2電解メッキ工程後、第2電解メッキ層上に所定パターンのエッチングレジスト層を形成し、これから露出する第2電解メッキ層、並びに、その下にある第1電解メッキ層及び無電解メッキ層をエッチングして除去すれば、所定パターンの導体層を形成することができる。
この場合、電解メッキ時にレジスト層が存在しないので、従来技術で述べたようなレジスト層の粗密に起因するメッキ層の厚さの違いやレジスト層からの距離に起因するメッキ層の跳ね上がりという問題は生じない。しかし、第1メッキ液だけを用いて電解メッキ層全部を形成すると、場所によりメッキ層が厚くなったり薄くなったりすることがある。また、第1メッキ液だけでは、メッキの成長が遅く、導体層を形成するのに時間がかかる。従って、本発明を適用することにより、ほぼ均一な厚さの導体層を、確実に効率よく形成することができる。
【0036】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板の製造方法であって、前記第1電解メッキ工程において、少なくとも前記貫通孔がメッキで充填されるまで電解メッキを施す配線基板の製造方法とすると良い。
【0037】
導体層の厚さの変動を小さくするには、導体層のうち第1電解メッキ層の割合を小さくする、つまり、第1電解メッキ層を薄くするのが好ましい。一方、貫通孔内が十分にメッキで充填されないと、即ち、第1電解メッキ層のうち貫通孔のある部分で凹みがあると、第2電解メッキ工程で、この凹みにならって第2電解メッキ層が形成され、その結果、導体層にも凹みができる。このため、この上に形成する上部樹脂絶縁層や上部導体層が変形することがある。
これに対し、本発明では、少なくとも貫通孔がメッキで充填されるまで、即ち、少なくとも貫通孔にフィルドビアが形成されるまで、第1電解メッキ工程を行っているので、第1メッキ層のうち貫通孔のある部分に凹みがないか、あるいは、十分に小さくなっている。従って、第2電解メッキ工程後においても、フィルドビア上にほぼ均一な厚さの導体層を形成することができ、上部樹脂絶縁層や上部導体層の変形も防止される。
【0038】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板の製造方法であって、前記第2電解メッキ工程よりも後に、前記導体層表面をエッチング粗化する粗化工程と、粗化された上記導体層及び前記樹脂絶縁層上に、上部樹脂絶縁層を形成する上部絶縁層形成工程と、を備える配線基板の製造方法とすると良い。
【0039】
粗化工程前の導体層の表面付近のメッキ粒子(第2電解メッキ層のメッキ粒子)は、ほぼ均一な大きさとなっているので、導体層の表面をエッチング粗化したときに、その表面はほぼ均一な粗さの粗化面となる。従って、上部樹脂絶縁層を形成したときに、粗化された導体層と上部樹脂絶縁層との密着強度の不均一がない。
【0040】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板の製造方法であって、前記第2電解メッキ工程において、少なくとも約1μm以上の厚さの前記第2電解メッキ層を形成する配線基板の製造方法とすると良い。
【0041】
第2電解メッキ層が極端に薄いと、その下の第1電解メッキ層に厚さの変動がある場合に、導体層全体としてみても、厚さの変動が大きく現れやすい。
これに対し、本発明では、少なくとも約1μm以上の厚さの第2電解メッキ層を形成するので、導体層全体の厚さの変動を少なくし、ほぼ均一な厚さの導体層とすることができる。さらに、第2電解メッキ層の厚さを、約1μm以上、より好ましくは約3μm以上とすると、導体層全体の厚さの変動をさらに少なくし、より均一な厚さの導体層を形成することができる。
【0042】
また、粗化工程がある場合には、第2電解メッキ層が極端に薄いと、第2電解メッキ層がすべてエッチング粗化され、さらには、第1電解メッキ層までエッチング粗化されることがある。そうすると、第1電解メッキ層は、メッキ粒子の大きさが不均一な部分もあるので、これに起因して粗化面に粗化ムラが生じ、導体層と上部樹脂絶縁層との密着強度が低下することがある。
これに対し、本発明では、第2電解メッキ層を、少なくとも約1μm以上形成するので、粗化工程で導体層の表面をエッチング粗化しても、第1電解メッキ層までは粗化されにくく、粗化面に粗化ムラが生じにくい。なお、より好ましくは、第2電解メッキ層の厚さを約3μm以上とすると、導体層をエッチング粗化しても、粗化後に第2電解メッキ層が残って第1電解メッキ層までは粗化されなくなり、確実に粗化ムラを防止することができる。
【0043】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板の製造方法であって、前記第2電解メッキ工程において、粒径約1μm以上のメッキ粒子よりなる前記第2電解メッキ層を形成する配線基板の製造方法とすると良い。
【0044】
導体層の表面付近の第2電解メッキ層のメッキ粒子が極端に小さいと、粗化工程で所望の粗さを有する粗化面が得られず、導体層と上部樹脂絶縁層との密着強度が低下することがある。
しかし、本発明では、導体層の表面付近を形成する第2電解メッキ層のメッキ粒子の粒径を、約1μm以上と大きくしているので、粗化工程で所望の粗さの粗化面を形成することができる。従って、導体層と上部樹脂絶縁層の密着強度を向上させることができる。
【0045】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板の製造方法であって、前記第2電解メッキ工程よりも後に、前記導体層及び前記樹脂絶縁層上に、上部樹脂絶縁層を形成する上部絶縁層形成工程と、上記上部樹脂絶縁層上に上部導体層を形成する上部導体層形成工程と、を備える配線基板の製造方法とすると良い。
【0046】
前述したように、2種類のメッキ液で2層の電解メッキ層を形成することにより、導体層の跳ね上がりをなくし、あるいは少なくして、導体層の厚さをほぼ均一にすることができる。従って、この上に上部絶縁層を形成して、さらにその上に上部導体層を形成しても、導体層と、上部樹脂絶縁層を介して形成した上部導体層との間の絶縁間隔に小さくなる所がなく、これらの上下の導体層間でショート等の電気不良が生じにくい。
【0047】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の配線基板1について、図1に主面2側の部分拡大断面図を示す。この配線基板1は、主面2と図示しない裏面とを有する略矩形の略板形状をなし、その中心には、ガラス繊維布にエポキシ樹脂を含浸させた複合材からなる略板形状のコア基板5を備える。そして、その両面には、エポキシ樹脂等からなる第1樹脂絶縁層7がそれぞれ積層され、その上には、同じくエポキシ樹脂等からなる第2樹脂絶縁層9が積層されている。また、第2樹脂絶縁層9上には、エポキシ樹脂等からなるソルダーレジスト層(樹脂絶縁層)11が積層されている。
【0048】
このうちコア基板5には、これを貫通するスルーホール導体用貫通孔14が所定の位置に複数形成され、それらの内周面には、略筒状のスルーホール導体15がそれぞれ形成されている。そして、各スルーホール導体15内には、エポキシ樹脂等からなる略円柱形状のプラグ材16が充填されている。
第1樹脂絶縁層7には、これを貫通する直径約70μm、高さ(長さ)約35μmの第1ビア用貫通孔18が所定の位置に複数形成され、各第1ビア用貫通孔18には、略円柱形状の第1フィルドビア19がメッキにより充填形成されている。
同様に、第2樹脂絶縁層9にも、これを貫通する直径約70μm、高さ約35μmの第2ビア用貫通孔22が所定の位置に複数形成され、各第2ビア用貫通孔22にメッキで充填された略円柱形状の第2フィルドビア23が形成されている。
また、ソルダーレジスト層11には、これを貫通するパッド用開口25が所定の位置に複数形成されている。
【0049】
コア基板5と第1樹脂絶縁層7との層間には、所定パターンの配線やパッド等の第1導体層27が形成され、コア基板5のスルーホール導体15や第1樹脂絶縁層7の第1フィルドビア19と接続している。
また、第1樹脂絶縁層7と第2樹脂絶縁層9との層間にも、所定パターンの配線30やパッド28等の第2導体層29が形成され、第1樹脂絶縁層7の第1フィルドビア19や第2樹脂絶縁層9の第2フィルドビア23と接続している。
また、第2樹脂絶縁層9とソルダーレジスト層11との層間にも、所定パターンの配線34やパッド32等の第3導体層31が形成され、第2樹脂絶縁層9の第2フィルドビア23と接続している。第3導体層31の一部のパッド32は、この配線基板1にICチップなど電子部品を搭載するため、ソルダーレジスト層11のパッド用開口25内に露出している。なお、このパッド32の表面には、酸化防止のためNiメッキ層が形成され、さらにその上にAuメッキ層が形成されている(図示しない)。
【0050】
この配線基板1のうち、第1樹脂絶縁層7の内部及び表面に形成された第1フィルドビア19と第2導体層29について、図2及び図3を参照しつつ詳述する。
図2は、図1中で左側に示した第1フィルドビア19L及びその上に形成された第2導体層29のパッド28L付近を示している。この第1フィルドビア19Lは、孔を含む部分にメッキをしたときに孔外よりも孔内でメッキが成長する性質を有するフィルドビア用メッキ液(第1メッキ液)によって、第1ビア用貫通孔18にメッキで充填形成されている。このため、第1ビア用貫通孔18内では、メッキの成長が早く、メッキ粒子の平均粒径が約1〜2μmと比較的大きく、粒度分布がほぼ均一である。
【0051】
一方、この第1フィルドビア19L上のパッド28Lは、図中に太線で示す無電解メッキ層33と2層の電解メッキ層とを有する。即ち、パッド28Lの下部には、無電解メッキ層33に、第1フィルドビア19Lと同様にフィルドビア用メッキ液により形成された第1電解メッキ層35が存在し、その上には、孔を含む部分にメッキをしたときに孔内と同程度にまたはそれよりも孔外でメッキが成長する性質を有するコンフォーマルメッキ液(第2メッキ液)により形成された第2電解メッキ層37が存在する。
【0052】
このうち第1電解メッキ層35は、フィルドビア用メッキ液を用いて形成されているので、場所によりメッキ粒子の粒径が異なっている。具体的には、パッド28Lの周縁部(端部)付近は、形成の際に用いるメッキレジスト層がメッキ液中のレベラー(メッキ抑制剤)を吸着しにくいため、その近傍では、比較的メッキ成長が早く、メッキ粒子が大きめであるが、中央部に向かうにしたがって、レベラーを吸着しやすくなるため、メッキ成長が遅くなり、メッキ粒子の粒径が小さくなっていく。中央部付近の最も小さなメッキ粒子は、0.1μm以下の微細なものとなっており、第1電解メッキ層35は、全体としてみると、0.1μm程度から2μm程度まで粒径のバラツキが大きく、しかも、粒度分布が不均一である。また、部分的に0.1μm以下の粒径のメッキ粒子が密集(偏在)した領域を有している。このため、第1電解メッキ層35の厚さも、周縁部付近(厚さ約10μm)が中央部(厚さ約5μm)よりも少し厚く、周縁部が少し跳ね上がった形状をなしている。もっとも、従来のパッド124の比較すると、この第1電解メッキ層35の跳ね上がりは、小さなものとなっている(図10参照)。
【0053】
これに対して、第2電解メッキ層37は、コンフォーマルメッキ液を用いて形成されているので、メッキ粒子の粒径が、場所に拘わらず約1〜2μmとほぼ均一な大きさで、また、粒度分布が場所に拘わらずほぼ均一で、厚さも約10μmとほぼ均一な厚さとなっている。
第2電解メッキ層37は、第1電解メッキ層35の小さな跳ね上がりにならって、周縁部が中央部よりもごく僅かに跳ね上がっているが、第2電解メッキ層37が均一な厚さで形成されているので、パッド28L全体としてみれば、従来(図10参照)とは異なり、ほぼ均一な厚さとなっている。具体的には、従来は約20μmの厚さの導体層を形成すると、最大約18μmの厚みの差が生じていたのに対して、本実施形態では、最大約5μmの厚みの差しか生じていない。
なお、パッド28Lの表面は、第2導体層29と第2樹脂絶縁層9との密着強度を向上させるために、エッチングにより表面が荒らされ、表面粗さRaが約0.5μmのほぼ均一な粗化面とされている。パッド28Lの表面全体がほぼ均一に分布するメッキ粒子で構成されているためである。
【0054】
図3は、図1中で右側に示した第2導体層29の配線30R付近を示している。この配線30Rは、上記のパッド28Lと同様に、図中に太線で示す無電解メッキ層33と、配線30Rの下部にあるフィルドビアメッキ液により形成された第1電解メッキ層35と、その上にコンフォーマルメッキ液により形成された第2電解メッキ層37とを有する。
このうち第1電解メッキ層35は、上記のパッド28Lの場合と同様に、配線30Rの両縁部(端部)付近は、形成の際に用いるメッキレジスト層がメッキ液中のレベラーを吸着しにくいので、その近傍は、比較的メッキ成長が早くて、メッキ粒子が大きめであるが、中央部に向かうにしたがって、レベラーを吸着しやすくなるので、メッキ成長が遅くなって、メッキ粒子の粒径が小さくなる。中央部付近では、粒径0.1μm以下の微細な粒子になっている。そして、第1電解メッキ層35の厚さも、両縁部付近(厚さ約10μm)が中央部(厚さ約5μm)よりも厚く、両縁部が少し跳ね上がった形状をなしているが、従来の配線126の比較すると、この第1電解メッキ層35の跳ね上がりも、小さなものとなっている(図11参照)。
【0055】
一方、配線30Rの第2電解メッキ層37も、上記のパッド28Lと同様に、メッキ粒子の粒径が、場所に拘わらず約1〜2μmとほぼ均一な大きさで、粒度分布が場所に拘わらずほぼ均一で、その厚さも約10μmでほぼ均一な厚さとなっている。
また、第2電解メッキ層37は、第1電解メッキ層35の小さな跳ね上がりにならって、ごく僅かに跳ね上がっているが、第2電解メッキ層37は均一な厚さで形成されているので、配線30R全体としてみれば、従来と異なりほぼ均一な厚さとなっている(図11参照)。なお、配線30Rの表面も、パッド28と同様に、エッチングにより表面が荒らされ、表面粗さRaが約0.5μmのほぼ均一な粗化面とされている。
【0056】
さらに、従来の配線基板101では、配線126やパッド124等が密に配置された部分は、これらが粗に配置された部分に比べて、メッキ粒子の成長が早く、メッキの厚さも厚くなっていた(図10及び図11参照)。
これに対し、本実施形態の配線基板1では、図3に示した配線30Lのように、配線30やパッド28が密な部分と、図2に示したパッド28Rのように、配線30やパッド28が粗な部分とで、第1電解メッキ層35については、僅かに厚みに差がある。しかし、それらの上に均一な第2電解メッキ層37が形成されているので、配線30やパッド28全体の厚さをみれば、場所に拘わらずほぼ均一である。
なお、詳細な説明は省略するが、第2樹脂絶縁層9に形成する第2フィルドビア23及び第3導体層31についても、第1フィルドビア19及び第2導体層29と同様なことが言える(図2及び図3参照)。
【0057】
このように、本実施形態の配線基板1は、第2,第3導体層29,31のうち、第1電解メッキ層35,38の部分には、微細なメッキ粒子が偏在するが、その上の第2電解メッキ層37,39の部分は、メッキ粒子の粒度分布が場所に拘わらずほぼ均一である。
このような導体層は、下方にある第1電解メッキ層35,38に厚さの変動があっても、その上に均一な厚さの第2電解メッキ層が形成されているので、全体としてみると、厚さの変動が小さく抑えられている。従って、第2,第3導体層29,31は、その厚さがほぼ均一で外観も良好である。
【0058】
また、第2,第3導体層29,31の表面は、エッチング粗化面となっているが、第2,第3導体層29,31の表面付近(第2電解メッキ層35,38)のメッキ粒子の粒度分布がほぼ均一であるので、表面がムラなく均一に粗化されている。従って、この配線基板1は、第2,第3導体層29,31とその上に形成された第2樹脂絶縁層9またはソルダーレジスト層11との密着強度の不均一がない。
特に、第2電解メッキ層35,38のメッキ粒子の大きさが、1μm以上であるので、第2,第3導体層29,31の表面粗さを大きくすることができ、これにより密着強度も高くすることができる。
さらに、第2導体層29の厚さがほぼ均一であるので、この第2導体層29と、第2樹脂絶縁層9を介して形成した第3導体層31との絶縁間隔が十分に確保されている。従って、上下の導体層間でショート等の電気不良が生じにくい。
【0059】
次に、上記配線基板1の製造方法について、図を参照しつつ説明する。
まず、コア基板5の両面に銅箔が張られた略板形状の両面銅張のコア基板5を用意し、スルーホール導体用貫通孔14を所定の位置に複数形成する(図4参照)。次に、公知の手法により、コア基板5の両面の略全面にメッキ層を形成すると共に、スルーホール導体用貫通孔14の内周面に略筒状のスルーホール導体15を形成する。その後、スルーホール導体15内に、エポキシ樹脂等からなるプラグ材16を形成する。その後、上記メッキ層上に所定パターンのエッチングレジスト層を形成し、このレジスト層から露出するメッキ層をエッチング除去して、コア基板5上に所定パターンの第1導体層27を形成する(図4参照)。
【0060】
次に、第1絶縁層形成工程において、コア基板5及び第1導体層27等の上に、第1ビア用貫通孔18を有する第1樹脂絶縁層7を形成する(図4参照)。
具体的には、コア基板5の両面に、感光性エポキシ樹脂等からなるシート状の未硬化樹脂を重ね、加熱処理して半硬化させる。その後、所定パターンのマスクを用いて、半硬化樹脂絶縁層を露光・現像し、さらに、これを加熱・硬化させて、第1ビア用貫通孔18を有する第1樹脂絶縁層7を形成する。
【0061】
次に、無電解メッキ工程において、第1樹脂絶縁層7の表面及び第1ビア用貫通孔18内に、図中に太線で示すように、厚さ約0.7μmの無電解メッキ層33を形成する(図4参照)。
その後、メッキレジスト層形成工程において、この無電解メッキ層33上に所定パターンのメッキレジスト層41を形成する(図4参照)。
【0062】
次に、第1電解メッキ工程において、この基板43に電解メッキを施し、図4に示すように、外部に露出する無電解メッキ層33、即ち、メッキレジスト層41から露出する無電解メッキ層33上に、第1ビア用貫通孔18が完全にメッキで埋まるまでメッキを形成する。この工程では、メッキ液として、孔を含む部分にメッキをしたときに孔外よりも孔内でメッキが成長するフィルドビア用メッキ液(第1メッキ液)を使用する。
【0063】
これにより、第1ビア用貫通孔18がメッキで充填されて第1フィルドビア19が形成されると共に、この第1フィルドビア19上及び第1樹脂絶縁層7の表面の無電解メッキ層33上に、第1電解メッキ層35が形成される。
第1電解メッキ層35は、パッド28の周縁部や配線30の両縁部となる所が厚さ約10μmで、中央部の厚さ約5μmのよりも厚くなり、少し跳ね上がった形状となる。メッキレジスト層41の近傍には、フィルドビア用メッキ液中のレベラー(メッキ抑制剤)が集まりにくいからである。但し、前述した従来の第2導体層125と比較すると、第1電解メッキ層35の厚さを薄くしている分だけ、その跳ね上がりは、小さくなっている(図10及び図11参照)。
【0064】
また、第1電解メッキ層35は、配線やパッド等の配置が密な部分、即ち、メッキレジスト層のパターンが密な部分は、これらが粗な部分に比べて、僅かにメッキ粒子の成長が早く、第1電解メッキ層35の厚さも厚くなっている。これは、メッキレジスト層41が密な部分では、フィルドビア用メッキ液中のレベラーを吸着しにくいからである。但し、従来の第2導体層125と比較すると、第1電解メッキ層35の厚さを薄くしている分だけ、場所による厚さの変動も、小さくなっている(図10及び図11参照)。
【0065】
次に、第2電解メッキ工程において、電解メッキを施し、図5に示すように、第1電解メッキ層35上に第2電解メッキ層37を形成する。その際、メッキ液としては、第1電解メッキ工程と異なり、孔を含む部分にメッキをしたときに孔内と同程度以上に孔外でメッキが成長するコンフォーマルメッキ液(第2メッキ液)を使用する。
この工程では、およそ10μmの厚さの第2電解メッキ層37が第1電解メッキ層35上に形成される。第2電解メッキ層37は、ほぼ均一な厚さで形成されるので、第1電解メッキ層35に場所による厚さの違いや跳ね上がりなど厚さの変動があっても、第1電解メッキ層35と第2電解メッキ層37とを合わせてみれば、従来(図10及び図11参照)よりも、厚さの変動が小さくなっている。
【0066】
次に、第2導体層形成工程において、メッキレジスト層41を除去し、メッキレジスト層41に覆われていた無電解メッキ層33を、エッチングにより除去することで、所定パターンの第2導体層29を形成する。
上記のように、第1電解メッキ工程では、後に第2電解メッキ層37を形成する分だけ、薄く第1電解メッキ層35を形成している。つまり、メッキ成長が場所により異なる第1メッキ液による第1電解メッキ層35を薄くしているので、第1電解メッキ層35には、従来のような場所による厚さの違いや部分的な跳ね上がりの影響が少なくなる。そして、第2電解メッキ工程において、第1電解メッキ層35上に厚さのほぼ均一な第2電解メッキ層37を形成するので、第2導体層29全体としてみれば、厚さの変動が小さくなっている。従って、第2導体層29は、ほぼ均一な厚さで、外観が良好なものとなる。
【0067】
また、本実施形態では、第1ビア用貫通孔18がメッキで充填されるまで、即ち、第1ビア用貫通孔18に第1フィルドビア19が形成されるまで、第1電解メッキ工程を行っているので、第1電解メッキ層35のうち第1ビア用貫通孔18のある部分に凹みがない。従って、この点においても、第2導体層29は、ほぼ均一な厚さとすることができる。
また、第2電解メッキ層37の厚さを、約1μm以上であり、さらには、約3μm以上でもある約10μmと厚く形成したので、第1電解メッキ層35の厚さの変動の影響を少なくし、第2導体層29の厚さをほぼ均一にすることができる。
【0068】
次に、粗化工程において、第2導体層29の表面を、エッチングにより、表面粗さRaが約0.5μmとなるように粗化する(図1〜図3参照)。
その際、第2導体層29の表面付近、即ち、第2電解メッキ層37は、メッキ粒子が約1〜2μmと大きく、しかも、ほぼ均一であるので、粗化面にムラができにくく、所望の粗さの均一な粗化面を得ることができる。
また、本実施形態では、第2電解メッキ層37の厚さを、約1μm以上であり、さらには、約3μm以上でもある約10μmをしたので、この粗化工程で第2導体層29をエッチング粗化しても、第2電解メッキ層37が残って第1電解メッキ層35までは粗化されず、粗化面に粗化ムラが生じにくい。
【0069】
次に、第2絶縁層形成工程において、第1樹脂絶縁層形成工程と同様にして、第1樹脂絶縁層7及び第2導体層29上に、第2ビア用貫通孔22を有する第2樹脂絶縁層9を形成する。
その際、上記の粗化工程で、第2導体層29の表面は、ほぼ均一で大きな表面粗さの粗化面となっているので、第2導体層29と第2樹脂絶縁層9との密着強度の不均一がなく、しかも、密着強度が高い。
【0070】
この後は、第1樹脂絶縁層7に第1フィルドビア19や第2導体層29を形成したのと同様にして、第2樹脂絶縁層9に第2フィルドビア23や第3導体層31を形成する。即ち、無電解メッキ工程、メッキレジスト層形成工程、第1電解メッキ工程、第2電解メッキ工程、第3導体層形成工程、及び、粗化工程を順次行う。
その後、ソルダーレジスト層形成工程において、第2樹脂絶縁層9及び第3導体層31上に、パッド用開口25を有するソルダーレジスト層11を形成する。
具体的には、第2樹脂絶縁層9及び第3導体層31上に、半硬化のソルダーレジスト層を形成し、開口に対応した所定パターンのマスクを用いて露光し、現像する。その後、さらに加熱処理し硬化させて、開口25を有するソルダーレジスト層11を形成する。
【0071】
このように、第2フィルドビア23及び第3導体層31は、第1フィルドビア19や第2導体層29の形成方法に準じて形成しているので、これらと同様な効果を得ることができる。
さらには、第3導体層31を形成したときに、第2導体層29は、厚さがほぼ均一で跳ね上がり等の凸部がないので、第2導体層29と第3導体層31との絶縁間隔は、全体にわたり十分に確保されている。従って、これらの上下の導体層間でショート等の電気不良が生じにくい。
【0072】
ソルダーレジスト層11を形成した後は、Ni−Auメッキ工程において、ソルダーレジスト層11から露出するパッド32等に、酸化防止のため、Niメッキ層を形成し、さらにその上にAuメッキ層を形成する。
このようにして、配線基板1が完成する。なお、ソルダーレジスト層11から露出するパッド32にハンダなどでピンを立設したり、あるいはハンダバンプを形成してもよい。
【0073】
(実施形態2)
次いで、第2の実施形態について、図を参照しつつ説明する。
本実施形態の配線基板の構造は、上記実施形態1の配線基板1と同様である。しかし、その製造方法については、上記実施形態1では、いわゆるセミアディティブ法で第2,3導体層29,31等を形成しているのに対し、本実施形態では、いわゆるサブトラクティブ法によって第2,3導体層29,31等を形成している点が異なる。その他の部分は、上記実施形態1と同様であるので、同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
【0074】
本実施形態では、以下のようにして配線基板1を製造する。
即ち、上記実施形態1と同様にして、第1ビア用貫通孔18を有する第1樹脂絶縁層7まで形成した基板43を用意する(図5参照)。そして、無電解メッキ工程において、第1樹脂絶縁層7の表面及び第1ビア用貫通孔18内に、無電解メッキ層33を形成する。
【0075】
次に、上記実施形態1とは異なり、メッキレジスト層を形成することなく、第1電解メッキ工程を行う。即ち、図6に示すように、図中に太線で示す無電解メッキ層33が略全面に露出した基板43に電解メッキを施し、第1ビア用貫通孔18がメッキで完全に埋まるまでメッキを形成する。なお、メッキ液は、上記実施形態1と同様に、フィルドビア用メッキ液(第1メッキ液)を使用する。
これにより、第1ビア用貫通孔18がメッキで充填されて第1フィルドビア19が形成されると共に、この第1フィルドビア19上及び第1樹脂絶縁層7の表面の無電解メッキ層33上に、略全面に厚さ約10μmの第1電解メッキ層55が形成される。この第1電解メッキ層55は、基板43の略全面に形成されているので、上記実施形態1のような跳ね上がりは見られないが、電解メッキ用の電極と接続点付近など、電流密度が相対的に異なる場所で、若干厚さの変動が見られることがある。但し、第1電解メッキ層55は、後に第2電解メッキ層57を形成する分だけ薄くしているので、その厚さの変動も、従来の第2導体層125と比べると、小さなものとなっている(図10及び図11参照)。
【0076】
次に、第2電解メッキ工程において、図6に示すように、上記実施形態1と同様なコンフォーマルメッキ液(第2メッキ液)を用いて電解メッキを施し、第1電解メッキ層55上に第2電解メッキ層57を形成する。この工程では、およそ10μmの厚さの第2電解メッキ層57が第1電解メッキ層55上に形成されるが、上記実施形態1と異なり、基板43の略全面に形成される。
なお、この第2電解メッキ層57は、全体にわたりほぼ均一な厚さで形成されるので、第1電解メッキ層55に厚さの変動ができたとしても、メッキ層全体としてみれば、ほぼ均一な厚さとなる。
【0077】
次に、第2導体層形成工程において、図7に示すように、第2電解メッキ層57上に所定パターンのエッチングレジスト層59を形成し、このエッチングレジスト層59から露出する第2電解メッキ層57、並びに、その下の第1電解メッキ層55及び無電解メッキ層33を、エッチングにより除去する。
これにより、所定パターンの第2導体層29が形成されるので、その後、エッチングレジスト層59を除去する。
【0078】
上記のように、第1電解メッキ工程では、後に第2電解メッキ層57を形成する分だけ、薄く第1電解メッキ層55を形成している。しかも、略全面に第1電解メッキ層を形成している。このため、従来のような場所による厚さの違い等の影響は少ない。そして、第2電解メッキ工程において、第1電解メッキ層55上に厚さのほぼ均一な第2電解メッキ層57を形成するので、第2導体層29全体としてみれば、厚さの変動が小さくなっている。従って、第2導体層29は、ほぼ均一な厚さで、外観が良好なものとなる。
【0079】
また、上記実施形態1と同様に、第1ビア用貫通孔18がメッキで充填されるまで、第1電解メッキ工程を行っているので、第1電解メッキ層55のうち第1ビア用貫通孔18のある部分に凹みがなく、第2導体層29は、ほぼ均一な厚さとなる。
また、第2電解メッキ層57の厚さを、約1μm以上であり、さらには、約3μm以上でもある約10μmと厚く形成したので、第1電解メッキ層55の厚さの変動の影響を少なくし、第2導体層29の厚さをほぼ均一にすることができる。
【0080】
これ以後は、上記実施形態1または上述した本実施形態の工程を行い、配線基板1を製造していく。即ち、上記実施形態1と同様に、粗化工程、第2樹脂絶縁層形成工程を行い、第2樹脂絶縁層9を形成する。
その後、本実施形態で説明したように、無電解メッキ工程、第1電解メッキ工程、第2電解メッキ工程、及び、第3導体層形成工程を順に行い、第3導体層31を形成する。
次に、上記実施形態1と同様に、粗化工程、ソルダーレジスト形成工程、及び、Ni−Auメッキ工程を行えば、配線基板1が完成する。
なお、本実施形態では記載を省略したが、本実施形態の配線基板1の構造は、上記実施形態と同様であるので、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、製造方法についても、上記実施形態と同様な工程については、上記実施家位置と同様な効果を得ることができる。
【0081】
以上において、本発明を実施形態1,2に即して説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態1,2では、第2導体層29の第1電解メッキ層35のうちパッド28や配線30の中央部を中心に微細なメッキ粒子が偏在しているものについて示したが、微細なメッキ粒子の存在場所は、第1電解メッキ工程のメッキ条件(メッキ液の組成やメッキ時間等)により異なる場合がある。
例えば、第1電解メッキ層35を上記実施形態よりもさらに薄く形成すれば、パッド28の中央部には、第1フィルドビア19と同様に大きなメッキ粒子が形成されることがある。この場合、中央部の周りに微細な粒子が形成され、さらにその周り(周縁部)に、上記実施形態のように大きな粒子が形成される。
しかし、このようにメッキ粒子の偏在場所が異なっても、本発明を適用することで、第2導体層29の厚さをほぼ均一にすることができるなど、上記各実施形態1,2と同様な効果を得ることができる。
【0082】
また、上記実施形態2では、第1電解メッキ工程後、引き続いて第2電解メッキ工程を行ったが、第1電解メッキ工程後、第2電解メッキ工程前に、第1電解メッキ層55をエッチングして薄くしても良い。このようにすれば、第1電解メッキ層55が場所により厚かったり薄かったり、あるいは、跳ね上がりがあったとしても、第1電解メッキ層55による導体層の厚さの変動に対する影響を小さくすることができる。従って、第2導体層29を、さらに確実に均一な厚さとすることができる。また、第1電解メッキ層の表面を研磨して平坦にしても良い。研磨により平坦にすれば、第2導体層29の厚さ変動を確実に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係る配線基板の部分拡大断面図である。
【図2】 実施形態1に係る配線基板のうち、フィルドビア及び第2導体層のパッド付近の部分拡大断面図である。
【図3】 実施形態1に係る配線基板のうち、第2導体層の配線付近の部分拡大断面図である。
【図4】 実施形態1に係る配線基板の製造方法に関し、第1メッキ液により電解メッキを施した後の様子を示す説明図である。
【図5】 実施形態1に係る配線基板の製造方法に関し、第2メッキ液により電解メッキを施した後の様子を示す説明図である。
【図6】 実施形態2に係る配線基板の製造方法に関し、第2メッキ液により電解メッキを施した後の様子を示す説明図である。
【図7】 実施形態2に係る配線基板の製造方法に関し、エッチングにより第2導体層を形成した様子を示す説明図である。
【図8】 従来技術に係る配線基板の部分拡大断面図である。
【図9】 従来技術に係る配線基板の製造方法に関し、フィルドビア及び電解メッキ層を形成した様子を示す説明図である。
【図10】 従来技術に係る配線基板の製造方法に関し、フィルドビア及び電解メッキ層をを形成した基板のうち、フィルドビア及び第2導体層のパッド付近の部分拡大断面図である。
【図11】 従来技術に係る配線基板の製造方法に関し、フィルドビア及び電解メッキ層を形成した基板のうち、第2導体層の配線付近の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 配線基板
5 コア基板
7 第1樹脂絶縁層
9 第2樹脂絶縁層
11 ソルダーレジスト層(樹脂絶縁層)
19 第1フィルドビア
23 第2フィルドビア
27 第1導体層
29 第2導体層
33 無電解メッキ層
35 (第2導体層の)第1電解メッキ層
37 (第2導体層の)第2電解メッキ層
31 第3導体層
38 (第3導体層の)第1電解メッキ層
39 (第3導体層の)第2電解メッキ層

Claims (12)

  1. 樹脂絶縁層と、
    上記樹脂絶縁層を貫通する貫通孔内にメッキで充填形成されたフィルドビアと、
    上記樹脂絶縁層及びフィルドビア上にメッキで形成された導体層と、
    を備える配線基板であって、
    上記導体層は、
    上記樹脂絶縁層上に形成された無電解メッキ層と、
    この無電解メッキ層及び上記フィルドビア上に形成され、微細な粒子が偏在する第1電解メッキ層であって、上記の微細なメッキ粒子が、同じ第1電解メッキ層中の大きなメッキ粒子に比して、5分の1以下の大きさである第1電解メッキ層と、
    上記第1電解メッキ層上に形成され、導体層表面をなし、メッキ粒子の粒度分布が場所によらずほぼ均一な第2電解メッキ層と、
    を備える
    配線基板。
  2. 請求項1に記載の配線基板であって、
    前記導体層表面はエッチング粗化面とされており、
    上記導体層及び前記樹脂絶縁層上に上部樹脂絶縁層を備える
    配線基板。
  3. 樹脂絶縁層と、
    上記樹脂絶縁層を貫通する貫通孔内にメッキで充填形成されたフィルドビアと、
    上記樹脂絶縁層及びフィルドビア上にメッキで形成された導体層と、
    を備える配線基板であって、
    上記導体層は、
    上記樹脂絶縁層上に形成された無電解メッキ層と、
    この無電解メッキ層及び上記フィルドビア上に形成され、微細な粒子が偏在する第1電解メッキ層であって、上記の微細なメッキ粒子が、同じ第1電解メッキ層中の大きなメッキ粒子に比して、5分の1以下の大きさである第1電解メッキ層と、
    上記第1電解メッキ層上に形成され、導体層表面をなすほぼ均一な厚さの第2電解メッキ層と、
    を備える
    配線基板。
  4. 請求項3に記載の配線基板であって、
    前記第2電解メッキ層は、メッキ粒子の粒度分布が場所によらずほぼ均一であり、
    前記導体層表面はエッチング粗化面とされており、
    上記導体層及び前記樹脂絶縁層上に上部樹脂絶縁層を備える
    配線基板。
  5. 請求項2または請求項4に記載の配線基板であって、
    前記上部樹脂絶縁層上に上部導体層を備える
    配線基板。
  6. 樹脂絶縁層と、上記樹脂絶縁層を貫通する貫通孔内にメッキで充填形成されたフィルドビアと、上記樹脂絶縁層及びフィルドビア上にメッキで形成された導体層と、を備える配線基板の製造方法であって、
    上記貫通孔を有する樹脂絶縁層、並びに、上記貫通孔内及び上記樹脂絶縁層上に形成された無電解メッキ層、を備える基板のうち、外部に露出する上記無電解メッキ層上に、孔を含む部分にメッキをしたときに孔外よりも孔内でメッキが成長する性質を有する第1メッキ液により電解メッキを施し、微細な粒子が偏在する第1電解メッキ層であって、上記の微細なメッキ粒子が、同じ第1電解メッキ層中の大きなメッキ粒子に比して、5分の1以下の大きさである第1電解メッキ層を形成する第1電解メッキ工程と、
    上記第1電解メッキ層上に、孔を含む部分にメッキをしたときに孔内と同程度以上に孔外でメッキが成長する性質を有する第2メッキ液により電解メッキを施し、メッキ粒子の粒度分布が場所によらずほぼ均一な第2電解メッキ層を形成する第2電解メッキ工程と、
    を備える配線基板の製造方法。
  7. 樹脂絶縁層と、上記樹脂絶縁層を貫通する貫通孔内にメッキで充填形成されたフィルドビアと、上記樹脂絶縁層及びフィルドビア上にメッキで形成された導体層と、を備える配線基板の製造方法であって、
    上記貫通孔を有する樹脂絶縁層、並びに、上記貫通孔内及び上記樹脂絶縁層上に形成された無電解メッキ層、を備える基板のうち、外部に露出する上記無電解メッキ層上に、孔を含む部分にメッキをしたときに孔外よりも孔内でメッキが成長する性質を有する第1メッキ液により電解メッキを施し、微細な粒子が偏在する第1電解メッキ層であって、上記の微細なメッキ粒子が、同じ第1電解メッキ層中の大きなメッキ粒子に比して、5分の1以下の大きさである第1電解メッキ層を形成する第1電解メッキ工程と、
    上記第1電解メッキ層上に、孔を含む部分にメッキをしたときに孔内と同程度以上に孔外でメッキが成長する性質を有する第2メッキ液により電解メッキを施し、ほぼ均一な厚さの第2電解メッキ層を形成する第2電解メッキ工程と、
    を備える配線基板の製造方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記第1電解メッキ工程において、少なくとも前記貫通孔がメッキで充填されるまで電解メッキを施す
    配線基板の製造方法。
  9. 請求項6〜請求項8のいずれかに記載の配線基板の製造方法であって、
    前記第2電解メッキ工程よりも後に、前記導体層表面をエッチング粗化する粗化工程と、
    粗化された上記導体層及び前記樹脂絶縁層上に、上部樹脂絶縁層を形成する上部絶縁層形成工程と、
    を備える配線基板の製造方法。
  10. 請求項6〜請求項9のいずれかに記載の配線基板の製造方法であって、
    前記第2電解メッキ工程において、少なくとも約1μm以上の厚さの前記第2電解メッキ層を形成する
    配線基板の製造方法。
  11. 請求項9または請求項10に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記第2電解メッキ工程において、粒径約1μm以上のメッキ粒子よりなる前記第2電解メッキ層を形成する
    配線基板の製造方法。
  12. 請求項6〜請求項11のいずれかに記載の配線基板の製造方法であって、
    前記第2電解メッキ工程よりも後に、前記導体層及び前記樹脂絶縁層上に、上部樹脂絶縁層を形成する上部絶縁層形成工程と、
    上記上部樹脂絶縁層上に上部導体層を形成する上部導体層形成工程と、
    を備える配線基板の製造方法。
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