JP3851323B2 - 布基礎構造、およびその施工方法 - Google Patents
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我が国における一般的な住宅の基礎工事は、床付け面に根切りを行い、地下支持層の深さにより、砂地業、砂利地業、割栗地業、捨てコンクリート地業を行う外、既成コンクリート杭、鋼杭または場所打ちコンクリート杭地業を行い、十分な耐力を確保した上で、布基礎のベース部を成型するための型枠、およびベース部用ならびに立上り部分用の一部もしくは全部を含む鉄筋を設置して生コンクリートを供給し、十分に時間を掛けて養成させた後に、硬化したベース部上に新な立上り部分のための型枠を設置すると共に、鉄筋の一部を配筋して再度生コンクリートを供給し、ベース部に一体化された立上り部分を成型し、さらに十分な期間を掛けて養成させてから、型枠を取り外し、ベース部を埋め戻すという工程を経て製造されている。
こうした弊害を解消しようとして、例えば特開平10−331172号公報に開示された、基礎の立上り基礎部において、プレキャストコンクリートによる直線材および二方向交点・三方向交点・四方向交点部材を用意し、夫々の主筋を接続することにより基礎としての一体化を図った「住宅のプレキャストコンクリートによる基礎構造」和田・小日向発明が知られており、また、特開平9−177092号公報の、各プレキャストコンクリート基礎の対面側端部の上面に、補強筋を露出させて形成した一対の溝と、両端を露出した補強筋に沿わせて、一対の溝間に掛け渡した連結鉄筋と、連結鉄筋を覆って、一対の溝内ならびに一対のプレキャストコンクリート基礎間に充填したモルタルとを備えたものとした「プレキャストコンクリート基礎の連結構造」黒柳・一色・内山発明がある。
この発明は、以上のように従前までに開発されてきたプレキャストコンクリート製の布基礎部品は、作業環境が整えられた工場で一貫生産することにより、精度や強度を一定の水準に確保することができるという効果をもたらしたが、布基礎の構造上、二方向交点・三方向交点・四方向交点等の、大きく異なる平断面形状の部品を個々に製造する必要があり、また、水平状のベース部分に対して立上り部分が垂直に立設された縦断面形状のものとしなければならず、何れの形状とした場合にも、形状の異なる様々な基礎部品の夫々が、在庫管理を複雑化させ、出荷する際には、立体形状となる基礎部品を個別にトラックに平積み搭載する等して輸送しなければならず、保管および輸送効率が悪く、結果的に工場生産、在庫管理、および施工現場までの出荷、輸送に至る各段階毎に、作業時間を遅延させてしまうという欠点があり、プレキャストコンクリート製の布基礎部品の保管、輸送効率の向上が求められているのが実情であった。
そこで、この発明は、保管および輸送効率に秀れ、しかも現場での施工製が良好で完成後の布基礎の強度を十分に確保することができる上、十分な外的美観を確保することができるプレキャストコンクリート製基礎部品を使用した布基礎を実現することはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の布基礎構造、およびその新規な施工方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の布基礎構造は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、布基礎の基礎伏せ図に対応して連接、組み立て可能な組合せとした形状の数種類の単位平板状部材からなり、何れの部材とも、夫々下端面の少なくとも均衡する二個所の所定巾部分には、その部分を除いた部分の縦筋下端側を突出させるよう略ベース部厚さ相当分だけ上方に切り欠き、下方に突出状に残る状態として形成される接地用脚部と、左右方向の各連結端面の中、連接のために必要となる連結端面には、横筋を露出状とする方向に、その部材厚以上の深さであって部材表裏両壁面外何れ側からも望めない構造となるようにした形状に規制して充分窪ませ、上下に貫通させて形成した凹欠部とを有し、且つ、残る上端面と、場合によって残ることとなる左右方向の連結端面と、場合によって必要となる平板状肉厚方向の双方もしくは何れか一方の壁面適所とには、縦筋または横筋自体に直接か、あるいは縦筋および/または横筋に絡ませたアンカー筋かの何れかの端部側に一体化されて夫々の端面または壁面に面一状となり、ネジ穴を端面または壁面に露出状となるように埋込みナットを埋設したものとし、縦筋および横筋の両端部とも、何れの部材の上下および左右の最大外形輪郭から突出させないよう形成してなるプレキャストコンクリート製布基礎部材を、基礎伏せ図に対応した配置にする際、夫々の連結箇所に何れかの凹欠部が少なくとも一つは位置する組合せとなるようにして単位平板状部材を選択し、基礎伏せ図どおりの配置とした単位平板状部材の各連結箇所における凹欠部内に、それと対応する箇所の埋込みナットと螺合、一体化したアンカー筋または仕口用補強筋を全て挿入状とすることにより、各凹欠部内で露出する横筋にそれらがダブル配置となるようにした上、所要耐力を確保した地盤上に夫々水平状に設置、組み合せて各単位平板状部材下端面および夫々の接地用脚部ならびに突出した縦筋下端を含む下側所定範囲を、生コンクリートの供給によって形成したベース部に一体化してしまう一方、各連結箇所における凹欠部とこれに対峙する単位平板状部材の端面もしくは壁面との間であって、それら凹欠部内にダブル配置となっている横筋とアンカー筋または仕口用補強筋とを包み込むように生コンクリートを充填、固化することによって布基礎全体を強固に一体化してなるものとした布基礎構造である。
この発明の上記した布基礎構造に関連し、この発明には、以下するような構成の施工方法も含まれている。
即ち、工場において、布基礎の基礎伏せ図に対応して連接、組み立て可能な組合せとした形状に形成した数種類の単位平板状部材からなり、何れの部材とも、夫々下端面の少なくとも均衡する二個所の所定巾部分には、その部分を除いた部分の縦筋下端側を突出させるよう略ベース部厚さ相当分だけ上方に切り欠き、下方に突出状に残る状態として形成される接地用脚部と、左右方向の各連結端面の中、連接のために必要となる連結端面には、横筋を露出状とする方向に、その部材厚以上の深さであって部材表裏両壁面外何れ側からも望めない構造となるようにした形状に規制して充分窪ませ、上下に貫通させて形成した凹欠部とを有し、且つ、残る上端面と、場合によって残ることとなる左右方向の連結端面と、場合によって必要となる平板状肉厚方向の双方もしくは何れか一方の壁面適所とには、縦筋または横筋自体に直接か、あるいは縦筋および/または横筋に絡ませたアンカー筋かの何れかの端部側に一体化されて夫々の端面または壁面に面一状となり、ネジ穴を端面または壁面に露出状となるように埋込みナットを埋設したものとし、縦筋および横筋の両端部とも、何れの部材の上下および左右の最大外形輪郭から突出させないよう形成したプレキャストコンクリート製布基礎部材であって、基礎伏せ図に対応した配置にする際、夫々の連結箇所に何れかの凹欠部が少なくとも一つは位置する組合せとなるようにした数種類の単位平板状部材を現場に搬入し、基礎伏せ図どおりの配置とした単位平板状部材の各連結箇所における凹欠部内に、それと対応する箇所の埋込みナットと螺合、一体化したアンカー筋または仕口用補強筋を全て挿入状とすることにより、各凹欠部内で露出する横筋にそれらがダブル配置となるようにすると共に、基礎伏せ図に対応する個所を根切りし、所要耐力を確保した地盤上にベース部用配筋を配した上、接地用脚部を接地させて上端面を水平状とするよう組み合わせた後、ベース部用配筋、各単位平板状部材下端面および夫々の接地用脚部ならびに突出させた縦筋下端を含む下側所定範囲に生コンクリートを供給することによってベース部を成型すると同時に、各単位平板状部材をベース部に一体化してしまい、ベース部がある程度硬化した後に、各連結箇所における凹欠部とこれに対峙する単位平板状部材の端面もしくは壁面との間であって、それら凹欠部内にダブル配置となっている横筋とアンカー筋または仕口用補強筋とを包み込むように生コンクリートを充填、固化することによって布基礎全体を強固に一体化するようにした、前記したこの発明の基本をなすプレキャストコンクリート製布基礎部材を使った布基礎構造の施工方法である。
単位平板状部材は、布基礎のベース部を除いた立上り部分を、基礎伏せ図に対応させて隣接、組み立て可能な組合せとした形状に分割、形成可能とするものであって、しかも工場で一貫生産された厚肉平板状のプレキャストコンクリート製の部品として生産から現場に設置されるまでの各段階で、保管性や輸送性を高め、布基礎の施工精度を高い水準に確保することが容易なものとするという機能を果たすものであり、工場生産された状態では、矩形外郭形状の外側に横筋や縦筋の不要な突出がなく、平積みや立て掛けによる接合状の重ね合わせが自由に行える平板形状とし、現場で設置する際には、要所要所に必要となる鉄筋を接続、延長可能な構造としなければならず、下端面の少なくとも均衡する二個所の所定幅部分には、接地用脚部を突設したものとすべきであり、下端面の接地用脚部を除いた範囲からは複数本の縦筋下端側が、接地用脚部を含む矩形輪郭形状の範囲内に収まる長さで突出したものとして、現場で施工されるベース部との一体化強度を高めるものとするのが望ましい。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
プレキャストコンクリート製布基礎部材1の基本的要素を形成している単位平板状部材11は、例えば図1中に示すような構造をもつものであり、工場における一貫生産によって製造されたものである。
そして、左側端面ならびに上端面の複数適所には、縦筋12,12,……や横筋13,13,……に絡ませ、あるいは熔接して結合されたアンカー筋32,32,……の外側に向けられた先端に結合された埋込みナット3,3,……が夫々、ネジ穴31,31,……を対応する端面に面一状に露出するよう埋設、一体化されたものとなっており、基礎伏せ図に対応して配置した際に、表裏壁面適所に隣接する単位平板状部材11が接合される場合には、該接合個所となる表裏壁面の適所にも同様の埋込みナット3,3,……を埋設したものとする必要がある。
以上のとおりの構成からなるこの発明のプレキャストコンクリート製布基礎部材1は、以下に示す施工方法によって図3の単位平板状部材同士の別の隣接、組合せ状態の縦断面図、図4の図3中の単位平板状部材同士の隣接、組合せ状態の平断面図、図5の単位平板状部材同士のさらに別の隣接、組合せ状態の斜視図、および図6の単位平板状部材同士のさらにまた別の隣接、組合せ状態の平断面図に示される一連の布基礎構造を築造することができるものであって、図3および図4中に示す布基礎構造は、次のような施工方法に従って製造されたものである。
また、単位平板状部材11,11,……は、図5中に示すように、左右方向の何れか一方にのみ凹欠部2を形成したもの同士を、隣接状に接続して行くことも可能であり、さらにまた、図6中に示すように、ネジ穴31が壁面から、僅かに窪んだ穴底に露出されるよう埋込みナット3を埋設したものとすることが可能である。
以上のような構成からなる実施例のプレキャストコンクリート製布基礎部材1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、各単位平板状部材11,11,……を設置する際に、夫々の接地用脚部14、14,……を接地させる地盤上個所毎に、平板ブロック状のレベル支持部品42,42,……を設け、予め設計上のレベルと水平状態とを正確に確保したものとすることにより、単位平板状部材11,11,……をクレーン等を用いて、各レベル支持部品42,42,……上に設置しただけで、必要な施工精度を充分に確保することができるものとなり、また、ベース部用配筋41,41、……や仕口用補強筋51等を、現場で生コンクリートを供給する範囲に配設したことにより、ベース部4および連結部分の強度を充分に確保することができるものとなる。
叙述の如く、この発明のプレキャストコンクリート製布基礎部材、並びにそれによる布基礎構造、およびその施工方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からのプレキャストコンクリート製の二方向交点・三方向交点・四方向交点部材が含まれたプレキャストコンクリート製の基礎部品等に比較して、保管および輸送効率を大幅に改善することができるので、遥かに経済的に布基礎の施工工事を行うことができるものとなり、工期の短縮と施工費用の削減とが求められる建設業界において高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
11 同 単位平板状部材
12 同 縦筋
13 同 横筋
14 同 接地用脚部
2 凹欠部
3 埋込みナット
31 同 ネジ穴
32 同 アンカー筋
4 ベース部
41 同 ベース部用配筋
42 同 レベル支持部品
43 同 捨てコンクリート
44 同 ベース用型枠
5 仕口補強コンクリート
51 同 仕口用補強筋
Claims (7)
- 布基礎の基礎伏せ図に対応して連接、組み立て可能な組合せとした形状の数種類の単位平板状部材からなり、何れの部材とも、夫々下端面の少なくとも均衡する二個所の所定巾部分には、その部分を除いた部分の縦筋下端側を突出させるよう略ベース部厚さ相当分だけ上方に切り欠き、下方に突出状に残る状態として形成される接地用脚部と、左右方向の各連結端面の中、連接のために必要となる連結端面には、横筋を露出状とする方向に、その部材厚以上の深さであって部材表裏両壁面外何れ側からも望めない構造となるようにした形状に規制して充分窪ませ、上下に貫通させて形成した凹欠部とを有し、且つ、残る上端面と、場合によって残ることとなる左右方向の連結端面と、場合によって必要となる平板状肉厚方向の双方もしくは何れか一方の壁面適所とには、縦筋または横筋自体に直接か、あるいは縦筋および/または横筋に絡ませたアンカー筋かの何れかの端部側に一体化されて夫々の端面または壁面に面一状となり、ネジ穴を端面または壁面に露出状となるように埋込みナットを埋設したものとし、縦筋および横筋の両端部とも、何れの部材の上下および左右の最大外形輪郭から突出させないよう形成してなるプレキャストコンクリート製布基礎部材を、基礎伏せ図に対応した配置にする際、夫々の連結箇所に何れかの凹欠部が少なくとも一つは位置する組合せとなるようにして単位平板状部材を選択し、基礎伏せ図どおりの配置とした単位平板状部材の各連結箇所における凹欠部内に、それと対応する箇所の埋込みナットと螺合、一体化したアンカー筋または仕口用補強筋を全て挿入状とすることにより、各凹欠部内で露出する横筋にそれらがダブル配置となるようにした上、所要耐力を確保した地盤上に夫々水平状に設置、組み合せて各単位平板状部材下端面および夫々の接地用脚部ならびに突出した縦筋下端を含む下側所定範囲を、生コンクリートの供給によって形成したベース部に一体化してしまう一方、各連結箇所における凹欠部とこれに対峙する単位平板状部材の端面もしくは壁面との間であって、それら凹欠部内にダブル配置となっている横筋とアンカー筋または仕口用補強筋とを包み込むように生コンクリートを充填、固化することによって布基礎全体を強固に一体化してなるものとしたことを特徴とするプレキャストコンクリート製布基礎部材による布基礎構造。
- 布基礎の基礎伏せ図に対応して連接、組み立て可能な組合せとした形状の数種類の単位平板状部材からなり、何れの部材とも、夫々下端面の少なくとも均衡する二個所の所定巾部分には、その部分を除いた部分の縦筋下端側を突出させるよう略ベース部厚さ相当分だけ上方に切り欠き、下方に突出状に残る状態として形成される接地用脚部と、左右方向の各連結端面の中、連接のために必要となる連結端面には、横筋を露出状とする方向に、その部材厚以上の深さであって部材表裏両壁面外何れ側からも望めない構造となるようにした形状に規制して充分窪ませ、上下に貫通させて形成した凹欠部とを有し、且つ、残る上端面と、場合によって残ることとなる左右方向の連結端面と、場合によって必要となる平板状肉厚方向の双方もしくは何れか一方の壁面適所とには、縦筋または横筋自体に直接か、あるいは縦筋および/または横筋に絡ませたアンカー筋かの何れかの端部側に一体化されて夫々の端面または壁面に面一状となり、ネジ穴を端面または壁面に露出状となるように埋込みナットを埋設したものとし、縦筋および横筋の両端部とも、何れの部材の上下および左右の最大外形輪郭から突出させないよう形成してなるプレキャストコンクリート製布基礎部材を、基礎伏せ図に対応した配置にする際、夫々の連結箇所に何れかの凹欠部が少なくとも一つは位置する組合せとなるようにして単位平板状部材を選択し、基礎伏せ図どおりの配置とした単位平板状部材の各連結箇所における凹欠部内に、それと対応する箇所の埋込みナットと螺合、一体化したアンカー筋または仕口用補強筋を全て挿入状とすることにより、各凹欠部内で露出する横筋にそれらがダブル配置となるようにした上、所要耐力を確保した地盤上に適宜配置された複数のレベル支持部品上に夫々水平状に設置、組み合せて各単位平板状部材下端面および夫々の接地用脚部、突出した縦筋下端ならびにレベル支持部品を含む下側所定範囲を、生コンクリートの供給によって形成したベース部に一体化してしまう一方、各連結箇所における凹欠部とこれに対峙する単位平板状部材の端面もしくは壁面との間であって、それら凹欠部内にダブル配置となっている横筋とアンカー筋または仕口用補強筋とを包み込むように生コンクリートを充填、固化することによって布基礎全体を強固に一体化してなるものとしたことを特徴とするプレキャストコンクリート製布基礎部材による布基礎構造。
- 布基礎の基礎伏せ図に対応して連接、組み立て可能な組合せとした形状の数種類の単位平板状部材からなり、何れの部材とも、夫々下端面の少なくとも均衡する二個所の所定巾部分には、その部分を除いた部分の縦筋下端側を突出させるよう略ベース部厚さ相当分だけ上方に切り欠き、下方に突出状に残る状態として形成される接地用脚部と、左右方向の各連結端面の中、連接のために必要となる連結端面には、横筋を露出状とする方向に、その部材厚以上の深さであって部材表裏両壁面外何れ側からも望めない構造となるようにした形状に規制して充分窪ませ、上下に貫通させて形成した凹欠部とを有し、且つ、残る上端面と、場合によって残ることとなる左右方向の連結端面と、場合によって必要となる平板状肉厚方向の双方もしくは何れか一方の壁面適所とには、縦筋または横筋自体に直接か、あるいは縦筋および/または横筋に絡ませたアンカー筋かの何れかの端部側に一体化されて夫々の端面または壁面に面一状となり、ネジ穴を端面または壁面に露出状となるように埋込みナットを埋設したものとし、縦筋および横筋の両端部とも、何れの部材の上下および左右の最大外形輪郭から突出させないよう形成してなるプレキャストコンクリート製布基礎部材を、基礎伏せ図に対応した配置にする際、夫々の連結箇所に何れかの凹欠部が少なくとも一つは位置する組合せとなるようにして単位平板状部材を選択し、基礎伏せ図どおりの配置とした単位平板状部材の各連結箇所における凹欠部内に、それと対応する箇所の埋込みナットと螺合、一体化したアンカー筋または仕口用補強筋を全て挿入状とすることにより、各凹欠部内で露出する横筋にそれらがダブル配置となるようにした上、所要耐力を確保した地盤上にベース部用配筋を配すると共に、適宜配置された複数のレベル支持部品上に夫々水平状に設置、組み合せて各単位平板状部材下端面および夫々の接地用脚部、突出した縦筋下端、レベル支持部品ならびにベース部用配筋を含む下側所定範囲を、生コンクリートの供給によって形成したベース部に一体化してしまう一方、各連結箇所における凹欠部とこれに対峙する単位平板状部材の端面もしくは壁面との間であって、それら凹欠部内にダブル配置となっている横筋とアンカー筋または仕口用補強筋とを包み込むように生コンクリートを充填、固化することによって布基礎全体を強固に一体化してなるものとしたことを特徴とするプレキャストコンクリート製布基礎部材による布基礎構造。
- 単位平板状部材が、各接地用脚部の接地面と、これとは反対側となる上端面とを平行な平滑面状に形成されたものにすると共に、各レベル支持部品の上面を平滑面状に形成してなるものとした、請求項2または3何れか一項記載の布基礎構造。
- ベース部が、布基礎の基礎伏せ図に対応するベース部成型個所の内外側面に沿って包囲するよう設置された複数枚の永久埋設型プレキャストコンクリート製か使い捨て型発泡合成樹脂製のベース用型枠によって囲まれた型枠範囲内に現場打ちされ、該型枠範囲内に突出状に位置させてあったり配筋しておいた部品部分または部品を埋入状に一体化してしまうようにした鉄筋コンクリート製のものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の布基礎構造。
- 工場において、布基礎の基礎伏せ図に対応して連接、組み立て可能な組合せとした形状に形成した数種類の単位平板状部材からなり、何れの部材とも、夫々下端面の少なくとも均衡する二個所の所定巾部分には、その部分を除いた部分の縦筋下端側を突出させるよう略ベース部厚さ相当分だけ上方に切り欠き、下方に突出状に残る状態として形成される接地用脚部と、左右方向の各連結端面の中、連接のために必要となる連結端面には、横筋を露出状とする方向に、その部材厚以上の深さであって部材表裏両壁面外何れ側からも望めない構造となるようにした形状に規制して充分窪ませ、上下に貫通させて形成した凹欠部とを有し、且つ、残る上端面と、場合によって残ることとなる左右方向の連結端面と、場合によって必要となる平板状肉厚方向の双方もしくは何れか一方の壁面適所とには、縦筋または横筋自体に直接か、あるいは縦筋および/または横筋に絡ませたアンカー筋かの何れかの端部側に一体化されて夫々の端面または壁面に面一状となり、ネジ穴を端面または壁面に露出状となるように埋込みナットを埋設したものとし、縦筋および横筋の両端部とも、何れの部材の上下および左右の最大外形輪郭から突出させないよう形成したプレキャストコンクリート製布基礎部材であって、基礎伏せ図に対応した配置にする際、夫々の連結箇所に何れかの凹欠部が少なくとも一つは位置する組合せとなるようにした数種類の単位平板状部材を現場に搬入し、基礎伏せ図どおりの配置とした単位平板状部材の各連結箇所における凹欠部内に、それと対応する箇所の埋込みナットと螺合、一体化したアンカー筋または仕口用補強筋を全て挿入状とすることにより、各凹欠部内で露出する横筋にそれらがダブル配置となるようにすると共に、基礎伏せ図に対応する個所を根切りし、所要耐力を確保した地盤上にベース部用配筋を配した上、接地用脚部を接地させて上端面を水平状とするよう組み合わせた後、ベース部用配筋、各単位平板状部材下端面および夫々の接地用脚部ならびに突出させた縦筋下端を含む下側所定範囲に生コンクリートを供給することによってベース部を成型すると同時に、各単位平板状部材をベース部に一体化してしまい、ベース部がある程度硬化した後に、各連結箇所における凹欠部とこれに対峙する単位平板状部材の端面もしくは壁面との間であって、それら凹欠部内にダブル配置となっている横筋とアンカー筋または仕口用補強筋とを包み込むように生コンクリートを充填、固化することによって布基礎全体を強固に一体化するようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の布基礎構造の施工方法。
- 工場において、布基礎の基礎伏せ図に対応して連接、組み立て可能な組合せとした形状に形成した数種類の単位平板状部材からなり、何れの部材とも、夫々下端面の少なくとも均衡する二個所の所定巾部分には、その部分を除いた部分の縦筋下端側を突出させるよう略ベース部厚さ相当分だけ上方に切り欠き、下方に突出状に残る状態として形成される接地用脚部と、左右方向の各連結端面の中、連接のために必要となる連結端面には、横筋を露出状とする方向に、その部材厚以上の深さであって部材表裏両壁面外何れ側からも望めない構造となるようにした形状に規制して充分窪ませ、上下に貫通させて形成した凹欠部とを有し、且つ、残る上端面と、場合によって残ることとなる左右方向の連結端面と、場合によって必要となる平板状肉厚方向の双方もしくは何れか一方の壁面適所とには、縦筋または横筋自体に直接か、あるいは縦筋および/または横筋に絡ませたアンカー筋かの何れかの端部側に一体化されて夫々の端面または壁面に面一状となり、ネジ穴を端面または壁面に露出状となるように埋込みナットを埋設したものとし、縦筋および横筋の両端部とも、何れの部材の上下および左右の最大外形輪郭から突出させないよう形成したプレキャストコンクリート製布基礎部材であって、基礎伏せ図に対応した配置にする際、夫々の連結箇所に何れかの凹欠部が少なくとも一つは位置する組合せとなるようにした数種類の単位平板状部材を現場に搬入し、基礎伏せ図どおりの配置とした単位平板状部材の各連結箇所における凹欠部内に、それと対応する箇所の埋込みナットと螺合、一体化したアンカー筋または仕口用補強筋を全て挿入状とすることにより、各凹欠部内で露出する横筋にそれらがダブル配置となるようにすると共に、基礎伏せ図に対応する個所を根切りし、敷き石などで所要耐力を確保した地盤上にベース用型枠を所定どおりに配設した上、ベース部用配筋ならびに必要個所にレベル支持部品を水平状に配し、各レベル支持部品上面に単位平板状部材の接地用脚部を接地させ、それら各上端面を同一レベルに水平状とするよう組み合わせ、基礎伏せ図に対応する個所を根切りし、所要耐力を確保した地盤上にベース部用配筋を配した上、接地用脚部を接地させて上端面を水平状とするよう組み合わせてから、ベース部用配筋、各単位平板状部材下端面および夫々の接地用脚部ならびに突出させた縦筋下端を含むプレキャストコンクリート製ベース用型枠に囲まれた下側所定範囲に生コンクリートを供給することによってベース用型枠が一体化されたベース部を成型すると同時に、各単位平板状部材をベース部に一体化してしまい、ベース部がある程度硬化した後に、各連結箇所における凹欠部とこれに対峙する単位平板状部材の端面もしくは壁面との間であって、それら凹欠部内にダブル配置となっている横筋とアンカー筋または仕口用補強筋とを包み込むように生コンクリートを充填、固化することによって布基礎全体を強固に一体化するようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の布基礎構造の施工方法。
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