JP3851010B2 - パイロットノズル - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス湯沸かし器やフライヤーなどのガス燃焼機器に設けられ、主バーナーに着火するための種火を燃焼させるパイロットバーナーに、ガスを供給するパイロットノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パイロットバーナーにガスを供給するためのパイロットノズルとして図5及び図6に示すような物がある。このパイロットノズル40は、略円筒状のケース部材43と、ケース部材43の一端に螺嵌された、ガスの噴出口10aを有する略円筒状のノズルブロック10を備えている。ケース部材43の他端に、Oリング54を装着してカバー部材44を螺嵌することにより、ケース部材43の内部にガス室43aが形成されている。ガス室43aには、カバー部材44を貫通して、プランジャー46が摺動可能に設けられている。プランジャー46のガス室43a側の一端には、噴出口15aに挿脱可能な太さのニードル47が挟着されている。ケース部材43の側面には、ガス室43aに連通して、ガス通路43c及びガス入口43bが設けられている。ガス入口43bには、筒製のガス供給部材5が接続されており、タンク3のガスがガス室43aに導入される。尚、タンク3とガス入口43bとの間のガス供給部材5には、バルブ4が設けられており、バルブ4の開閉によりガスの導入/非導入を行っている。
【0003】
カバー部材44のガス室43a側の端部には、カバー部材44に嵌合して設けられたOリング押さえ50により、Oリング55がプランジャー46と密接して設けられている。プランジャー46の他端には、ノブ46bが設けられ、また、プランジャー46の中央部には、止め輪51が嵌着されている。プランジャー46の止め輪51と、ガス室43aの中央部に設けられた鍔部43dとの間には、圧縮スプリング45が張架されており、圧縮スプリング45の弾発力により、止め輪51をOリング押さえ50に押圧している。このことにより、プランジャー46は、ニードル47が噴出口10aから抜脱された位置に後退し保持されている。
【0004】
パイロットバーナー20は、略円筒状の混合気通路25を内部に形成している。混合気通路25の一端には、図示しない火炎口が設けられ、他端は円形状に開口するノズル入口23が設けられ、ノズルブロック15を介して、パイロットノズル40が装着されている。また、混合気通路25のノズル入口23の近傍には、2つの空気導入口24が設けられている。
【0005】
図5に示すように、パイロットバーナー20の燃焼は、矢印pに示すように、バルブ4を開くことによりガス入口43bから導入されたガスがガス通路43cを通過し、矢印qの方向にノズルブロック10を通過し、噴出口10aから噴出される(矢印r)。そして、空気導入口24から導入された空気(矢印s)と混合され混合気となり混合気通路25を矢印tの方向に流れ、火炎口にて図示しない点火装置により、種火が点火される。
【0006】
空気導入口24から入った空気は、図5に示す矢印sの様に、ノズルブロック10の先端にも接触しつつ、混合気通路25の方に流れるわけである。しかしながら、導入される空気は、油分や塵埃を含んでおり、ノズルブロック10の先端に塵埃Xを付着させることとなる。そして、パイロットノズル40を長期間使用していると、塵埃Xにより噴出口10aが詰まってしまい、種火が燃焼しなくなってしまう。噴出口10aが詰まってしまった場合は、操作者が圧縮スプリング45の弾発力に抗して、図5の矢印uの方向にノブ46bを押し込む。すると、図6に示すようにニードル47が噴出口10aに挿入され、付着した塵埃Xを除去することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の前記パイロットノズルでは、操作者がニードルを操作することにより、噴出口の塵埃を除去する。このため、操作者は定期的に噴出口の掃塵を行う必要があり、掃塵作業は煩雑である。また、操作者がニードルを頻繁に操作する必要から、プランジャーを容易に操作できる構造をガス燃焼機器に備える必要があり、構造上の制約が生じる。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、操作者の掃塵作業を不要とすると共に、噴出口の詰まりを防止し、ニードルが噴出口に固着した場合であっても再びニードルを摺動可能とする構造を有するパイロットノズルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のパイロットノズルは、内部にダイヤフラム室を有するケースを備え、ダイヤフラム室を2つの部屋に区画するようにダイヤフラムを配置し、2つの部屋の一方の部屋へガスを供給するためのガス入口と、一方の部屋からパイロットバーナーへガスを噴出・供給するための噴出口とをケースに設け、ダイヤフラムに連結されると共に噴出口方向に付勢されたニードルを、噴出口に挿脱自在に設け、ガス入口から一方の部屋へガスが導入されて昇圧したときは、ダイヤフラムからの付勢力に抗して、ニードルが噴出口より抜脱されてなることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載のパイロットノズルは、2つの部屋の他方の部屋内であって、ケースとダイヤフラムとの間に圧縮スプリングを配置し、圧縮スプリングによりダイヤフラムを付勢してなることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載のパイロットノズルは、ニードルをプランジャーを介してダイヤフラムに連結し、噴出口、ニードル及びプランジャーを一直線上に配置してなることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載のパイロットノズルは、ケースが他方の部屋側にプランジャー口を備え、プランジャー口を介してプランジャーをケースの外側に突出して配置してなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明のパイロットノズルの一実施例を示す要部断面図、図2は図1のケース部を取り除いた状態を示すII−II線矢視要部断面図である。図3は図1のパイロットノズルの動作状態を示す平面図、図4は図3のIV−IV線矢視断面図である。
【0014】
図1〜図4において、パイロットノズル1は、例えばガス湯沸かし器やフライヤーなどのガス燃焼機器に設けられ、図示しない主バーナーに着火するための種火Yを燃焼させるパイロットバーナー20にガスを供給するためのものである。パイロットノズル1は、内部に略碗状の空間を有するケース部材8とカバー部材9とを、互いの開口が縦方向に密接するようにネジ7により固定されている。そして、ケース部材8とカバー部材9の内面により、プランジャー室が形成されている。
【0015】
ケース部材8とカバー部材9との当接面に、ダイヤフラム15の外周に設けられたOリング15aを挟持することにより、プランジャー室にダイヤフラム15を設けている。ダイヤフラム15は、可縮性を有するニトリルゴムやシリコンやふっ素ゴムで作られ、プランジャー室をケース部材8側のガス室8aとカバー部材9側のスプリング室9aとに区画している。尚、ケース部材8とカバー部材9との当接面にOリング15aが挟着されていることから、ガス室8aとスプリング室9aとの気密は保たれている。
【0016】
ケース部材8の上部には、雌ネジが螺刻されたガス入口8bが設けられている。ガス入口8bには、ガスを供給するためのパイプやホースによりなるガス供給部材5が螺嵌されている。ガス入口8bはガス通路8cを介してガス室8aに連通しており、タンク3内のガスがバルブ4を介して、ガス供給部材5、ガス入口8b及びガス通路8cを通って、ガス室8aに導入可能となっている。
【0017】
ケース部材8のダイヤフラム15と対峙する面には、雌ネジ孔が穿設されており、略円筒形のノズルブロック10が螺嵌されている。ノズルブロック10は、内径が約4mmで先端に向かって狭窄しており、先端には、内径をガスの種類に応じて0.3〜0.9mmとする噴出口10aが穿設されている。
【0018】
噴出口10aには、噴出口10aの内径より約0.05mm径の小さなニードル13が挿入されている。ニードル13は、ノズルブロック10に挿入され、ダイヤフラム15を直角に貫通し、カバー部材9に穿設されたプランジャー口9bを通過し、カバー部材9の外側に伸びるプランジャー12の一端に嵌着されている。そして、噴出口10a、ニードル13及びプランジャー12は、一直線上に配置されている。
【0019】
スプリング室9a内のプランジャー12には、円形板材のスプリング押さえ16が挿着されている。プランジャー12に被装され、カバー部材9とスプリング押さえ16との間に張架された圧縮スプリング14により、スプリング押さえ16は、ダイヤフラム15に圧接している。尚、カバー部材9の内側と、スプリング押さえ16の圧縮スプリング14が当接する位置付近に突起を設けることで、圧縮スプリング14のズレを防止している。また、ガス室8a内のプランジャー12には、円形板材のダイヤフラム押さえ17が挿着されている。ダイヤフラム押さえ17は、プランジャー12に嵌着された止め輪18により、ダイヤフラム15に密接されている。圧縮スプリング14及び止め輪18により、スプリング押さえ16とダイヤフラム押さえ17とがダイヤフラム15を挟扼していることから、プランジャー12付近のガス室8aとスプリング室9aとの気密は保たれている。
【0020】
パイロットバーナー20は、板材で半円筒形の凹状の混合気通路25を有するバーナー部材21を上下に2枚張着したものである。バーナー部材21の一端には、4つの火炎口22が放射状に設けられている。また、他端は円筒状の開口であるノズル入口23となっており、ノズルブロック10に被着されることで、パイロットバーナー20は、パイロットノズル1に装着される。ノズル入口23の近傍のバーナー部材21には、空気を混合気通路25に導入するための空気導入口24が穿設されている。
【0021】
本実施例のパイロットノズル1の動作について説明する。ガスがガス室8aに導入されていないときは、図1に示すように、圧縮スプリング14がダイヤフラム15を矢印aの方向に付勢している。そして、ダイヤフラム15に接続されたプランジャー12が矢印aの方向に押圧されたる。このとき、ニードル13は、噴出口10aに挿入された状態となる。また、ニードル13が噴出口10aに挿入された状態であっても、プランジャー12の端部12aは、カバー部材9に穿設されたプランジャー口9bを介して、カバー部材9の外側に突出している。尚、この状態で、ノズルブロック10の先端に塵埃Xが付着しても、噴出口10aが詰まることはない。
【0022】
次に種火Yを点火する場合を説明する。まず、バルブ4を開き、ガスをタンク3から、ガス供給部材5を介して、ガス入口8bに導入する。ガスは、図4に示すように、矢印dの方向にガス通路8cを流れ、ガス室8aに入る。すると、ガス室8a内が昇圧され、ダイヤフラム15は矢印fの方向に押圧され、圧縮スプリング14の弾発力に抗して横動する。このときの、ガス室8a内の気圧は、LPガスの場合、約280mmH2Oである。ダイヤフラム15が矢印fの方向に押圧されるのにあわせ、プランジャー12が矢印gの方向に摺動する。同時にプランジャー12に嵌着されているニードル13も矢印gの方向に移動する。そして、ニードル13は、噴出口10aから抜脱される。噴出口10aが開放されると、ガス室8a内のガスは、矢印e及び矢印jの方向に流れ、噴出口10aより矢印kの方向に噴出される。
【0023】
噴出口10aからガスが噴出することにより、噴出口10a付近の気圧が低下し、空気導入口24を介して、空気が矢印mの方向に流れ込む。そして、噴出口10aから噴出されたガスと混合して混合気となり、混合気通路25を矢印nの方向に移動し、矢印cに示すように火炎口22から噴出する。火炎口22から噴出した混合気に図示しない点火プラグにより着火することで、種火Yが点火される。バルブ4によりガス室8aへのガスの導入を中止すれば、ガス室8a内は降圧され、ダイヤフラム15は圧縮スプリング14の弾発力により、図1に示す矢印aの方向に付勢される。そして、プランジャー12と共にニードル13も矢印aの方向に移動し、噴出口10aに挿入されることになる。
【0024】
空気導入口24から入った空気は、図4に示す矢印mの様に、ノズルブロック10の先端にも接触しつつ、混合気通路25の方に流れるわけである。しかしながら、導入される空気は、油分や塵埃を含んでおり、ノズルブロック10の先端に塵埃Xを付着させることとなる。本実施例の発明によれば、ガス室8aへのガスの導入/非導入により、ニードル13が噴出口10aを摺動・挿脱し、ニードル13が噴出口10aを掃塵することになる。このため、操作者によるパイロットノズル1の掃塵作業は不要となると共に、パイロットノズル1の詰まりを防止できる。
【0025】
また、長時間パイロットノズル1を使用せず、塵埃Xにより、ニードル13が噴出口10aに固着してしまった場合、プランジャー12のカバー部材9より突出した部分をペンチなどの工具で牽引することにより、再びニードル13を摺動可能にすることができる。尚、プランジャー12の牽引はニードル13が摺動不能となるという非常時のみに行われる操作である。このため、プランジャー12を常時牽引可能とするように、プランジャー12の端部12aにノブを設けたり、容易に開閉できる扉をガス燃焼機器に備える必要はなく、ガス燃焼機器の構造上の制約を軽減している。
【0026】
尚、本実施例においては、ガス室8aに導入するガスとして、タンク3から供給されるプロパンガスとした。しかしながら、プロパンガスに限られるものではなく、ガス燃焼機器に使用可能なガスであればよく、タンク3によらず配管により供給される都市ガスであってもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、ガス室にガスが導入されていないときは、ダイヤフラムにより付勢され、ニードルが噴出口に挿入される。また、種火を点火するためにガス室にガスを導入したときは、ガス室内が昇圧されることにより、ダイヤフラムが付勢力に抗して押圧され、ニードルが噴出口より脱抜される。すなわち、このガス室へのガスの導入/非導入により、ニードルが噴出口を摺動・挿脱し、ニードルが噴出口を掃塵することになる。このため、操作者によるパイロットノズルの掃塵作業は不要となると共に、パイロットノズルの詰まりを防止できる。
【0028】
また、プランジャーをケースの外側に突出すると共に、プランジャーをプランジャー口に摺動自在に配置している。このため、長時間パイロットノズルを使用せずニードルが噴出口に固着してしまった場合、プランジャーのケースより突出した部分を牽引することにより、再びニードルを摺動可能にすることができる。尚、プランジャーの牽引はニードルが摺動不能となるという非常時のみに行われる操作である。このため、プランジャーを常時牽引可能とするような構造をガス燃焼機器に備える必要はなく、ガス燃焼機器の構造上の制約を軽減している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパイロットノズルの一実施例を示す要部断面図である。
【図2】図1のケース部を取り除いた状態を示すII−II線矢視要部断面図である。
【図3】図1のパイロットノズルの動作状態を示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV線矢視断面図である。
【図5】従来のパイロットノズルを示す要部断面図である。
【図6】図5の動作説明図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・パイロットノズル
3・・・・・・・・・・タンク
4・・・・・・・・・・バルブ
5・・・・・・・・・・ガス供給部材
8・・・・・・・・・・ケース部材
8a・・・・・・・・・ガス室
8b・・・・・・・・・ガス入口
9・・・・・・・・・・カバー部材
9a・・・・・・・・・スプリング室
10・・・・・・・・・ノズルブロック
12・・・・・・・・・プランジャー
13・・・・・・・・・ニードル
14・・・・・・・・・圧縮スプリング
15・・・・・・・・・ダイヤフラム
15a・・・・・・・・Oリング
20・・・・・・・・・パイロットバーナー
24・・・・・・・・・空気導入口
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス湯沸かし器やフライヤーなどのガス燃焼機器に設けられ、主バーナーに着火するための種火を燃焼させるパイロットバーナーに、ガスを供給するパイロットノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パイロットバーナーにガスを供給するためのパイロットノズルとして図5及び図6に示すような物がある。このパイロットノズル40は、略円筒状のケース部材43と、ケース部材43の一端に螺嵌された、ガスの噴出口10aを有する略円筒状のノズルブロック10を備えている。ケース部材43の他端に、Oリング54を装着してカバー部材44を螺嵌することにより、ケース部材43の内部にガス室43aが形成されている。ガス室43aには、カバー部材44を貫通して、プランジャー46が摺動可能に設けられている。プランジャー46のガス室43a側の一端には、噴出口15aに挿脱可能な太さのニードル47が挟着されている。ケース部材43の側面には、ガス室43aに連通して、ガス通路43c及びガス入口43bが設けられている。ガス入口43bには、筒製のガス供給部材5が接続されており、タンク3のガスがガス室43aに導入される。尚、タンク3とガス入口43bとの間のガス供給部材5には、バルブ4が設けられており、バルブ4の開閉によりガスの導入/非導入を行っている。
【0003】
カバー部材44のガス室43a側の端部には、カバー部材44に嵌合して設けられたOリング押さえ50により、Oリング55がプランジャー46と密接して設けられている。プランジャー46の他端には、ノブ46bが設けられ、また、プランジャー46の中央部には、止め輪51が嵌着されている。プランジャー46の止め輪51と、ガス室43aの中央部に設けられた鍔部43dとの間には、圧縮スプリング45が張架されており、圧縮スプリング45の弾発力により、止め輪51をOリング押さえ50に押圧している。このことにより、プランジャー46は、ニードル47が噴出口10aから抜脱された位置に後退し保持されている。
【0004】
パイロットバーナー20は、略円筒状の混合気通路25を内部に形成している。混合気通路25の一端には、図示しない火炎口が設けられ、他端は円形状に開口するノズル入口23が設けられ、ノズルブロック15を介して、パイロットノズル40が装着されている。また、混合気通路25のノズル入口23の近傍には、2つの空気導入口24が設けられている。
【0005】
図5に示すように、パイロットバーナー20の燃焼は、矢印pに示すように、バルブ4を開くことによりガス入口43bから導入されたガスがガス通路43cを通過し、矢印qの方向にノズルブロック10を通過し、噴出口10aから噴出される(矢印r)。そして、空気導入口24から導入された空気(矢印s)と混合され混合気となり混合気通路25を矢印tの方向に流れ、火炎口にて図示しない点火装置により、種火が点火される。
【0006】
空気導入口24から入った空気は、図5に示す矢印sの様に、ノズルブロック10の先端にも接触しつつ、混合気通路25の方に流れるわけである。しかしながら、導入される空気は、油分や塵埃を含んでおり、ノズルブロック10の先端に塵埃Xを付着させることとなる。そして、パイロットノズル40を長期間使用していると、塵埃Xにより噴出口10aが詰まってしまい、種火が燃焼しなくなってしまう。噴出口10aが詰まってしまった場合は、操作者が圧縮スプリング45の弾発力に抗して、図5の矢印uの方向にノブ46bを押し込む。すると、図6に示すようにニードル47が噴出口10aに挿入され、付着した塵埃Xを除去することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の前記パイロットノズルでは、操作者がニードルを操作することにより、噴出口の塵埃を除去する。このため、操作者は定期的に噴出口の掃塵を行う必要があり、掃塵作業は煩雑である。また、操作者がニードルを頻繁に操作する必要から、プランジャーを容易に操作できる構造をガス燃焼機器に備える必要があり、構造上の制約が生じる。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、操作者の掃塵作業を不要とすると共に、噴出口の詰まりを防止し、ニードルが噴出口に固着した場合であっても再びニードルを摺動可能とする構造を有するパイロットノズルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のパイロットノズルは、内部にダイヤフラム室を有するケースを備え、ダイヤフラム室を2つの部屋に区画するようにダイヤフラムを配置し、2つの部屋の一方の部屋へガスを供給するためのガス入口と、一方の部屋からパイロットバーナーへガスを噴出・供給するための噴出口とをケースに設け、ダイヤフラムに連結されると共に噴出口方向に付勢されたニードルを、噴出口に挿脱自在に設け、ガス入口から一方の部屋へガスが導入されて昇圧したときは、ダイヤフラムからの付勢力に抗して、ニードルが噴出口より抜脱されてなることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載のパイロットノズルは、2つの部屋の他方の部屋内であって、ケースとダイヤフラムとの間に圧縮スプリングを配置し、圧縮スプリングによりダイヤフラムを付勢してなることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載のパイロットノズルは、ニードルをプランジャーを介してダイヤフラムに連結し、噴出口、ニードル及びプランジャーを一直線上に配置してなることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載のパイロットノズルは、ケースが他方の部屋側にプランジャー口を備え、プランジャー口を介してプランジャーをケースの外側に突出して配置してなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明のパイロットノズルの一実施例を示す要部断面図、図2は図1のケース部を取り除いた状態を示すII−II線矢視要部断面図である。図3は図1のパイロットノズルの動作状態を示す平面図、図4は図3のIV−IV線矢視断面図である。
【0014】
図1〜図4において、パイロットノズル1は、例えばガス湯沸かし器やフライヤーなどのガス燃焼機器に設けられ、図示しない主バーナーに着火するための種火Yを燃焼させるパイロットバーナー20にガスを供給するためのものである。パイロットノズル1は、内部に略碗状の空間を有するケース部材8とカバー部材9とを、互いの開口が縦方向に密接するようにネジ7により固定されている。そして、ケース部材8とカバー部材9の内面により、プランジャー室が形成されている。
【0015】
ケース部材8とカバー部材9との当接面に、ダイヤフラム15の外周に設けられたOリング15aを挟持することにより、プランジャー室にダイヤフラム15を設けている。ダイヤフラム15は、可縮性を有するニトリルゴムやシリコンやふっ素ゴムで作られ、プランジャー室をケース部材8側のガス室8aとカバー部材9側のスプリング室9aとに区画している。尚、ケース部材8とカバー部材9との当接面にOリング15aが挟着されていることから、ガス室8aとスプリング室9aとの気密は保たれている。
【0016】
ケース部材8の上部には、雌ネジが螺刻されたガス入口8bが設けられている。ガス入口8bには、ガスを供給するためのパイプやホースによりなるガス供給部材5が螺嵌されている。ガス入口8bはガス通路8cを介してガス室8aに連通しており、タンク3内のガスがバルブ4を介して、ガス供給部材5、ガス入口8b及びガス通路8cを通って、ガス室8aに導入可能となっている。
【0017】
ケース部材8のダイヤフラム15と対峙する面には、雌ネジ孔が穿設されており、略円筒形のノズルブロック10が螺嵌されている。ノズルブロック10は、内径が約4mmで先端に向かって狭窄しており、先端には、内径をガスの種類に応じて0.3〜0.9mmとする噴出口10aが穿設されている。
【0018】
噴出口10aには、噴出口10aの内径より約0.05mm径の小さなニードル13が挿入されている。ニードル13は、ノズルブロック10に挿入され、ダイヤフラム15を直角に貫通し、カバー部材9に穿設されたプランジャー口9bを通過し、カバー部材9の外側に伸びるプランジャー12の一端に嵌着されている。そして、噴出口10a、ニードル13及びプランジャー12は、一直線上に配置されている。
【0019】
スプリング室9a内のプランジャー12には、円形板材のスプリング押さえ16が挿着されている。プランジャー12に被装され、カバー部材9とスプリング押さえ16との間に張架された圧縮スプリング14により、スプリング押さえ16は、ダイヤフラム15に圧接している。尚、カバー部材9の内側と、スプリング押さえ16の圧縮スプリング14が当接する位置付近に突起を設けることで、圧縮スプリング14のズレを防止している。また、ガス室8a内のプランジャー12には、円形板材のダイヤフラム押さえ17が挿着されている。ダイヤフラム押さえ17は、プランジャー12に嵌着された止め輪18により、ダイヤフラム15に密接されている。圧縮スプリング14及び止め輪18により、スプリング押さえ16とダイヤフラム押さえ17とがダイヤフラム15を挟扼していることから、プランジャー12付近のガス室8aとスプリング室9aとの気密は保たれている。
【0020】
パイロットバーナー20は、板材で半円筒形の凹状の混合気通路25を有するバーナー部材21を上下に2枚張着したものである。バーナー部材21の一端には、4つの火炎口22が放射状に設けられている。また、他端は円筒状の開口であるノズル入口23となっており、ノズルブロック10に被着されることで、パイロットバーナー20は、パイロットノズル1に装着される。ノズル入口23の近傍のバーナー部材21には、空気を混合気通路25に導入するための空気導入口24が穿設されている。
【0021】
本実施例のパイロットノズル1の動作について説明する。ガスがガス室8aに導入されていないときは、図1に示すように、圧縮スプリング14がダイヤフラム15を矢印aの方向に付勢している。そして、ダイヤフラム15に接続されたプランジャー12が矢印aの方向に押圧されたる。このとき、ニードル13は、噴出口10aに挿入された状態となる。また、ニードル13が噴出口10aに挿入された状態であっても、プランジャー12の端部12aは、カバー部材9に穿設されたプランジャー口9bを介して、カバー部材9の外側に突出している。尚、この状態で、ノズルブロック10の先端に塵埃Xが付着しても、噴出口10aが詰まることはない。
【0022】
次に種火Yを点火する場合を説明する。まず、バルブ4を開き、ガスをタンク3から、ガス供給部材5を介して、ガス入口8bに導入する。ガスは、図4に示すように、矢印dの方向にガス通路8cを流れ、ガス室8aに入る。すると、ガス室8a内が昇圧され、ダイヤフラム15は矢印fの方向に押圧され、圧縮スプリング14の弾発力に抗して横動する。このときの、ガス室8a内の気圧は、LPガスの場合、約280mmH2Oである。ダイヤフラム15が矢印fの方向に押圧されるのにあわせ、プランジャー12が矢印gの方向に摺動する。同時にプランジャー12に嵌着されているニードル13も矢印gの方向に移動する。そして、ニードル13は、噴出口10aから抜脱される。噴出口10aが開放されると、ガス室8a内のガスは、矢印e及び矢印jの方向に流れ、噴出口10aより矢印kの方向に噴出される。
【0023】
噴出口10aからガスが噴出することにより、噴出口10a付近の気圧が低下し、空気導入口24を介して、空気が矢印mの方向に流れ込む。そして、噴出口10aから噴出されたガスと混合して混合気となり、混合気通路25を矢印nの方向に移動し、矢印cに示すように火炎口22から噴出する。火炎口22から噴出した混合気に図示しない点火プラグにより着火することで、種火Yが点火される。バルブ4によりガス室8aへのガスの導入を中止すれば、ガス室8a内は降圧され、ダイヤフラム15は圧縮スプリング14の弾発力により、図1に示す矢印aの方向に付勢される。そして、プランジャー12と共にニードル13も矢印aの方向に移動し、噴出口10aに挿入されることになる。
【0024】
空気導入口24から入った空気は、図4に示す矢印mの様に、ノズルブロック10の先端にも接触しつつ、混合気通路25の方に流れるわけである。しかしながら、導入される空気は、油分や塵埃を含んでおり、ノズルブロック10の先端に塵埃Xを付着させることとなる。本実施例の発明によれば、ガス室8aへのガスの導入/非導入により、ニードル13が噴出口10aを摺動・挿脱し、ニードル13が噴出口10aを掃塵することになる。このため、操作者によるパイロットノズル1の掃塵作業は不要となると共に、パイロットノズル1の詰まりを防止できる。
【0025】
また、長時間パイロットノズル1を使用せず、塵埃Xにより、ニードル13が噴出口10aに固着してしまった場合、プランジャー12のカバー部材9より突出した部分をペンチなどの工具で牽引することにより、再びニードル13を摺動可能にすることができる。尚、プランジャー12の牽引はニードル13が摺動不能となるという非常時のみに行われる操作である。このため、プランジャー12を常時牽引可能とするように、プランジャー12の端部12aにノブを設けたり、容易に開閉できる扉をガス燃焼機器に備える必要はなく、ガス燃焼機器の構造上の制約を軽減している。
【0026】
尚、本実施例においては、ガス室8aに導入するガスとして、タンク3から供給されるプロパンガスとした。しかしながら、プロパンガスに限られるものではなく、ガス燃焼機器に使用可能なガスであればよく、タンク3によらず配管により供給される都市ガスであってもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、ガス室にガスが導入されていないときは、ダイヤフラムにより付勢され、ニードルが噴出口に挿入される。また、種火を点火するためにガス室にガスを導入したときは、ガス室内が昇圧されることにより、ダイヤフラムが付勢力に抗して押圧され、ニードルが噴出口より脱抜される。すなわち、このガス室へのガスの導入/非導入により、ニードルが噴出口を摺動・挿脱し、ニードルが噴出口を掃塵することになる。このため、操作者によるパイロットノズルの掃塵作業は不要となると共に、パイロットノズルの詰まりを防止できる。
【0028】
また、プランジャーをケースの外側に突出すると共に、プランジャーをプランジャー口に摺動自在に配置している。このため、長時間パイロットノズルを使用せずニードルが噴出口に固着してしまった場合、プランジャーのケースより突出した部分を牽引することにより、再びニードルを摺動可能にすることができる。尚、プランジャーの牽引はニードルが摺動不能となるという非常時のみに行われる操作である。このため、プランジャーを常時牽引可能とするような構造をガス燃焼機器に備える必要はなく、ガス燃焼機器の構造上の制約を軽減している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパイロットノズルの一実施例を示す要部断面図である。
【図2】図1のケース部を取り除いた状態を示すII−II線矢視要部断面図である。
【図3】図1のパイロットノズルの動作状態を示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV線矢視断面図である。
【図5】従来のパイロットノズルを示す要部断面図である。
【図6】図5の動作説明図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・パイロットノズル
3・・・・・・・・・・タンク
4・・・・・・・・・・バルブ
5・・・・・・・・・・ガス供給部材
8・・・・・・・・・・ケース部材
8a・・・・・・・・・ガス室
8b・・・・・・・・・ガス入口
9・・・・・・・・・・カバー部材
9a・・・・・・・・・スプリング室
10・・・・・・・・・ノズルブロック
12・・・・・・・・・プランジャー
13・・・・・・・・・ニードル
14・・・・・・・・・圧縮スプリング
15・・・・・・・・・ダイヤフラム
15a・・・・・・・・Oリング
20・・・・・・・・・パイロットバーナー
24・・・・・・・・・空気導入口
Claims (4)
- ガス燃焼機器のパイロットバーナーにガスを供給するためのパイロットノズルにおいて、該パイロットノズルは内部にダイヤフラム室を有するケースを備え、該ダイヤフラム室を2つの部屋に区画するようにダイヤフラムを配置し、前記2つの部屋の一方の部屋へガスを供給するためのガス入口と、該一方の部屋から該パイロットバーナーへガスを噴出・供給するための噴出口とを該ケースに設け、該ダイヤフラムに連結されると共に該噴出口方向に付勢されたニードルを、該噴出口に挿脱自在に設け、該ガス入口から該一方の部屋へガスが導入されて昇圧したときは、該ダイヤフラムからの付勢力に抗して、該ニードルが該噴出口より抜脱されてなるパイロットノズル。
- 前記2つの部屋の他方の部屋内であって、前記ケースと前記ダイヤフラムとの間に圧縮スプリングを配置し、該圧縮スプリングにより該ダイヤフラムを付勢してなる請求項1記載のパイロットノズル。
- 前記ニードルをプランジャーを介して前記ダイヤフラムに連結し、前記噴出口、該ニードル及び該プランジャーを一直線上に配置してなる請求項1及び請求項2記載のパイロットノズル。
- 前記ケースは、前記他方の部屋側にプランジャー口を備え、該プランジャー口を介して前記プランジャーを該ケースの外側に突出して配置してなる請求項1〜請求項3記載のパイロットノズル。
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