JP3850648B2 - 発泡性オレフィン系樹脂粒子、発泡粒子および発泡成形体ならびにこれらの製造方法 - Google Patents

発泡性オレフィン系樹脂粒子、発泡粒子および発泡成形体ならびにこれらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡性オレフィン系樹脂粒子、該樹脂粒子から得られるオレフィン系樹脂発泡粒子およびオレフィン系樹脂発泡成形体ならびにこれらの製造方法に関するものである。
さらに詳しくは、発泡性を長期間にわたって保持できる発泡性オレフィン系樹脂粒子、該発泡性オレフィン系樹脂粒子を予備発泡してなるオレフィン系樹脂発泡粒子および該オレフィン系樹脂発泡粒子を型内成形してなる、軽量で、柔軟性、外観等に優れたオレフィン系樹脂発泡成形体、ならびにこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
型内成形による発泡成形体の基材樹脂として、スチレン系樹脂、エチレン系樹脂あるいはプロピレン系樹脂が汎用されている。
ところが、スチレン系樹脂を基材樹脂として用いた場合には、得られる発泡成形体は脆く、耐薬品性にも劣るという問題がある。このため、スチレン系樹脂発泡体を重量物の梱包や、柔軟性を必要とする精密機器等の緩衝材として使用するには問題があった。
【0003】
これらの問題を解決するものとして、エチレン系樹脂を基材樹脂とした発泡成形体が提案されている。このような樹脂を基材樹脂として用いた場合には、柔軟かつ強靱な発泡成形体が得られるが、低密度化のためには架橋工程が必須となり、その結果、リサイクル性が劣るという欠点がある。また、この成形品は耐熱性に劣るため、高温になる部材に使用するには問題があり、用途が限定されていた。
一方、プロピレン系樹脂を基材樹脂とした場合には、実質的に無架橋で且つ低密度化が可能である反面(特公昭56−1344号公報)、プロピレン系樹脂の軟化温度が高いため、発泡・成形時の加工温度が高くなり、発泡機および成形機等の設備費が高額となる上、金型の耐久性が著しく低下するという欠点がある。また、得られた成形品は耐熱性は改善されているが、剛性が強く、柔軟性に乏しいものであった。
【0004】
そこで、プロピレン系樹脂に軟質性を付与するため、エチレン系樹脂、エラストマー等を溶融混合することが検討されている。しかし、このようなエチレン系樹脂やエラストマーをポリプロピレン系樹脂に添加すると、樹脂組成物の結晶化温度が低下し、成形サイクルが長くなるばかりでなく、ポリプロピレン系樹脂特有の剛性が低下するという結果を招く。
これに対して、安息香酸ソーダや塩基性二安息香酸アンモニウム等の有機カルボン酸塩を添加することにより、結晶化温度を高めて、成形サイクルを短縮し、成形品の剛性を高めることも知られているが、ガス保持性、柔軟性付与の制御の面で問題があった。
【0005】
また、無機物を添加して結晶化温度を高める方法も知られているが、得られる発泡体に気泡の破れ等が生じ易く、良好な成形品となり難かった。
また、ポリプロピレンと、ポリエチレンまたはポリブタジエン等の易架橋性ポリマーとの架橋(特公昭60−28856号公報)、ポリプロピレンの架橋(特公昭60−168632号公報および特公平3−48936号公報)等は、特にエチレン成分が多くなると、発泡体の低密度化のために架橋工程が必須となり、リサイクル性に劣るという問題がある。
【0006】
一方、上記のようなエチレン系樹脂やプロピレン樹脂はいずれもガスバリア性が低いため、発泡剤を含浸させても短時間で発泡剤が散逸してしまい、発泡性を保持できる期間が非常に短いという性質がある。これに対処する方法として、発泡剤を含有した樹脂粒子を低圧の雰囲気下に放出する放出発泡法(特公昭59−23731号公報)等が一般に知られている。しかしながら、この方法では低密度の発泡粒子を製造することができるが、樹脂粒子のビカット軟化温度以上の温度下で、樹脂粒子に発泡剤を含浸させるため、高圧に耐えうる含浸設備が必要となり、設備費が高額になるという問題がある。また、樹脂粒子同士が合着し易くなり、固/液比を上げることができず、1バッチの製造で得られる発泡粒子の量は満足できるものではなかった。さらに、この方法で得られる嵩密度が0.1g/cm3以上の比較的密度の大きい発泡粒子では、粒子間の密度のバラツキが大きくなり、外観の良好な発泡成形体を製造し難いという問題もあった。
【0007】
また、発泡性オレフィン系樹脂粒子は、発泡性スチレン系樹脂粒子の場合と異なり、発泡剤の散逸が早いために、発泡性樹脂粒子の形態で輸送することができず、したがって嵩の高い発泡粒子の形態で輸送することとなり、輸送コストが嵩むという問題があった。
【0008】
また、特公昭46−27597号公報等では、オレフィン系樹脂に分解型発泡剤を添加して発泡体とする方法が提案されているが、高発泡による低密度化が困難であることや、分解型発泡剤は価格が高いこと、さらには分解物残渣が発泡体中に残ること、発泡剤の回収、再使用が困難である等の欠点もあり、課題を完全に解決するものではなかった。
【0009】
また、オレフィン系樹脂に他の樹脂を混合することで発泡剤の散逸を抑制する様々な方法も検討されている。
例えば、特開平9−132664号公報では、オレフィン樹脂とアイオノマー樹脂とを溶融混合した組成物が提案されているが、十分な効果は得られていない。
以上述べたように、ガス保持性に優れた発泡性樹脂粒子、ならびに柔軟性および耐熱性を兼ね備えた発泡成形体が切望されてきたが、未だ満足できるものはなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような現状に鑑み、本発明者らは鋭意研究した結果、オレフィン樹脂と、エチレン / スチレン重量比が30/70〜75/25であるエチレン−スチレンランダム共重合体とを溶融混合させ、かつエチレン−スチレンランダム共重合体の含有割合が5〜45重量%であるオレフィン系樹脂組成物粒子に発泡剤が含有されてなる発泡性オレフィン系樹脂粒子のうち、ある特定の範囲にあるものが発泡性を長期間にわたって保持できることを見出した。さらに、この発泡性樹脂粒子から得られる発泡成形体は、低密度で柔軟性に優れ、かつ無架橋で成形性、リサイクル性にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
かくして、本発明によれば、オレフィン樹脂とエチレン / スチレン重量比が30/70〜75/25であるエチレン−スチレンランダム共重合体とを溶融混合して粒状とし、かつエチレン−スチレンランダム共重合体の含有割合が5〜45重量%であるオレフィン系樹脂組成物粒子に、発泡剤を含浸させた発泡性オレフィン系樹脂粒子であって、該発泡性樹脂粒子を10℃/分の昇温速度で20℃から220℃まで昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において2つの吸熱ピークを有し、2つの吸熱ピークのうち高温側のピーク温度と、前記発泡性樹脂粒子を10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において発熱ピークとして示される結晶化温度との差が60℃以下であり、且つ前記結晶化温度と、前記発泡性樹脂粒子を10℃/分の昇温速度で再び40℃から220℃まで昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において吸熱ピークとして示される固有ピーク温度との差が40℃以下であることを特徴とする発泡性オレフィン系樹脂粒子が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、上記発泡性オレフィン系樹脂粒子を予備発泡させてなるオレフィン系樹脂発泡粒子であって、該樹脂発泡粒子を10℃/分の昇温速度で20℃から220℃まで昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において2つの吸熱ピークを有し、2つの吸熱ピークのうち高温側のピークの温度と、前記樹脂発泡粒子を10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において発熱ピークとして示される結晶化温度との差が60℃以下であり、且つ前記結晶化温度と、前記樹脂発泡粒子を10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで再び昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において吸熱ピークとして示される固有ピーク温度との差が40℃以下であることを特徴とするオレフィン系樹脂発泡粒子が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、上記オレフィン系樹脂発泡粒子を型内成形させたオレフィン系樹脂発泡成形体であって、該樹脂発泡成形体を10℃/分の昇温速度で20℃〜220℃まで昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において2つの吸熱ピークを有し、2つの吸熱ピークのうち高温側のピーク温度と、前記樹脂発泡成形体を10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において発熱ピークとして示される結晶化温度との差が60℃以下であり、且つ前記結晶化温度と、前記樹脂発泡成形体を10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで再び昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において吸熱ピークとして示される固有ピーク温度との差が40℃以下であることを特徴とするオレフィン系樹脂発泡成形体が提供される。
【0014】
また、本発明によれば、オレフィン樹脂とエチレン / スチレン重量比が30/70〜75/25であるエチレン−スチレンランダム共重合体とを溶融混合して得られ、かつエチレン−スチレンランダム共重合体の含有割合が5〜45重量%であるオレフィン系樹脂組成物粒子に、該樹脂組成物粒子の融点から該融点より10℃高い温度までの温度範囲で、発泡剤を含浸させることを特徴とする発泡性オレフィン系樹脂粒子の製造方法が提供される。
【0015】
また、本発明によれば、上記の方法で得られる発泡性オレフィン系樹脂粒子を予備発泡させることを特徴とするオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法が提供される。
【0016】
また、本発明によれば、上記の方法で得られるオレフィン系樹脂発泡粒子を用いて、発泡剤を含むガス雰囲気下で、加圧しながら予備発泡を1回または複数回行うことを特徴とするオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、上記の方法で得られるオレフィン系樹脂発泡粒子を型内成形することを特徴とするオレフィン系樹脂発泡成形体の製造方法が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において使用されるオレフィン樹脂としては、一般に使用されるオレフィン樹脂であれば特に限定されず、例えばホモポリプロピレン、エチレンランダムポリプロピレン、エチレンブロックポリプロピレン、α−オレフィン−プロピレン共重合体およびα−オレフィン−プロピレン−エチレン共重合体等のプロピレン系樹脂が挙げられる。
【0018】
α−オレフィンとしては、例えばブテン−1、イソブテン、ペンテン−1、3−メチルブテン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素原子数4〜12のものが挙げられる。
オレフィン樹脂としてのプロピレンとエチレンおよび(または)α−オレフィンとの共重合体は、二元共重合体、三元共重合体および多元共重合体のいずれでもよい。
【0019】
オレフィン樹脂に含まれるエチレンおよび(または)α−オレフィン成分は0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がさらに好ましい。
好ましいオレフィン樹脂は、エチレン成分0.5〜5重量%、MI値0.5〜5、融点130〜140℃のエチレンランダムポリプロピレン、MI値0.5〜5、融点160〜165℃のホモポリプロピレン等が挙げられる。
本発明において使用されるエチレン−スチレンランダム共重合体としては、エチレン / スチレン重量比が30/70〜75/25である
【0021】
ンダムまたは実質的にランダムである共重合体が好適である。ここでいう「実質的にランダムである共重合体」とは、その主鎖中にエチレンまたはスチレンのいずれか一方のみからなる大きなブロックが生じないように、それぞれのモノマーが若干の規則性をもって配列された共重合体を意味する。より具体的には、例えば、スチレンモノマー由来のフェニル基がいずれも主鎖上で互いに隣り合う炭素原子に置換されないように、2個以上のメチレン基によって分離して配置された共重合体を「実質的にランダムである共重合体」と規定することができる。
【0022】
また、ここで用いられる「実質的にランダム」とは、当該共重合体のモノマーの分布が、Bernoulli統計モデルにより、または一次もしくは二次Markovian統計モデルにより記述できることを意味する(J.C.RandallによりPOLYMER SEQUENCE DETERMINATION,carbon−13NMR Method,Academic Press New York,1977,pp.71−78.参照)。
【0023】
実質的にランダムな共重合体としては、3単位以上の芳香族モノマーのブロックにおいて、ビニル又はビニリデン芳香族モノマーの含有量が、総量の15%以下のものである。
本発明におけるエチレン−スチレンランダム共重合体は、高度のアイソタクチック性またはシンジオタクチック性を有するものではない。これは、本発明の実質的にランダムな共重合体のC13NMRスペクトルにおいて、メソダイアドシーケンスまたはラセミックダイアドシーケンスのどちらかを示す主鎖のメチレンおよびメチン炭素に相当するピーク面積が、主鎖のメチレンおよびメチン炭素のピーク総面積の75%を超えないことを意味する。
【0024】
実質的にランダムな共重合体は、1種類以上のα−オレフィンモノマー、および1種類以上のビニルもしくはビニリデン芳香族モノマー、および/または1種類以上の立体障害性脂肪族もしくは環状脂肪族ビニルもしくはビニリデンモノマー、およびその他の任意に重合可能なエチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位を含有する。
【0025】
α−オレフィンとしては、例えば2〜20個、好ましくは2〜12個、さらに好ましくは2〜8個の炭素原子を有するものが挙げられる。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン−1,4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1もしくはオクテン−1、またはエチレンとその他1つ以上のプロピレン、ブテン−1,4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1もしくはオクテン−1との組み合わせである。なお、これらのα−オレフィンは芳香族部分を含まない。
ビニルまたはビニリデン芳香族モノマーとしては、例えば、下記の化学式で表されるものが挙げられる。
【0026】
【化3】
Figure 0003850648
【0027】
ここでR1は、水素および1〜4個の炭素原子を含むアルキル基からなる群から選択され、好ましくは水素またはメチルである。R2は、それぞれ独立に水素および1〜4個の炭素原子を含むアルキル基からなる群から選択され、好ましくは水素およびメチルである。Arはフェニル基、またはハロゲン、1〜4個の炭素原子を有するアルキルおよび1〜4個の炭素原子を有するハロゲン化アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基によって置換されたフェニル基である。nは0〜4、好ましくは0〜2、最も好ましくは0である。
【0028】
このようなビニルまたはビニリデン芳香族モノマーとしては、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレンまたはこれらの化合物の異性体等が挙げられる。これらのうち、スチレンとそのアルキルまたはハロゲン置換誘導体が好ましく、例えばスチレン、α−メチルスチレン[例えばオルト−、メタ−またはパラ−メチルスチレン]などのスチレンの低級アルキル(炭素数1〜4個)置換体、ハロゲン化スチレン、パラビニルトルエンまたはこれらの混合物がさらに好ましく、スチレンが特に好ましい。
「立体障害性脂肪族もしくは環状脂肪族ビニルもしくはビニリデンモノマー」とは、下記の一般式で表されるような付加重合可能なビニルまたはビニリデンモノマーをいう。
【0029】
【化4】
Figure 0003850648
【0030】
ここでA1は、炭素原子数が20までの立体的に嵩高な脂肪族または環状脂肪族炭化水素残基である。R3は、水素および1〜4個の炭素原子を含むアルキル基からなる群から選択され、好ましくは水素またはメチルである。R4は、それぞれ独立に水素および1〜4個の炭素原子を含むアルキル基からなる群から選択され、好ましくは水素またはメチルである。また、R3とA1は互いに結合して環を形成していてもよい。「立体的に嵩高な」とは、標準的なチーグラー−ナッタ重合触媒により、エチレンの重合と比較し得るレートにおいて正常に付加重合できない置換基をもつモノマーを意味する。
【0031】
立体障害性脂肪族もしくは環状脂肪族ビニルもしくはビニリデンモノマーとしては、エチレン性不飽和結合におけるいずれか1つの炭素原子が三級または四級置換されたモノマーが好ましい。そのような置換基としては、例えばシクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロオクテニルなどの環状脂肪族炭化水素残基、またはそれらの環状アルキルもしくはアリール置換体、三級ブチル、ノルボルニルなどが挙げられる。
立体障害性脂肪族もしくは環状脂肪族ビニルもしくはビニリデン化合物としては、シクロヘキセンおよび置換シクロヘキセンの種々の異性のビニル−環置換誘導体、5−エチレンジエン−2−ノルボルネンなどが特に好ましく、1−、3−および4−ビニルシクロヘキサンが特に好ましい。
【0032】
その他の任意に重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、例えばノルボルネンおよび1〜10個の炭素原子を有するアルキルまたは6〜10個の炭素原子を有するアリールで置換されたノルボルネンなどが挙げられる。
本発明における実質的にランダムなエチレン−スチレン共重合体としては、例えばエチレン/スチレン、エチレン/スチレン/プロピレン、エチレン/スチレン/オクテン、エチレン/スチレン/ブテン、エチレン/スチレン/ノルボルネン共重合体などが挙げられる。
【0033】
また、実質的にランダムなエチレン−スチレン共重合体は、典型的なグラフティング、水素化、機能化またはその他の常法により改質したものであってもよい。なお、この共重合体は既存の手法により、容易にスルホン化または塩素化された誘導体とすることができる。この共重合体は、長鎖化または過酸化物、シラン、硫黄化物、放射線もしくはアジ化物を用いた様々な硬化システムを含むものであるが、それに限定されない架橋プロセスを含む架橋化により改質することができる。
架橋化の詳細は、1997年8月27日に出願された米国特許出願921,641号および米国特許出願921,642号に記載されており、これら両出願の内容は本明細書に参照として援用される。また、本発明におけるエチレン−スチレンランダム共重合体には、熱、湿度硬化および放射線ステップの組み合わせを用いた2次硬化システムが効果的に採用される。2次硬化システムは、1995年9月29日にK.L.waltonおよびS.V.Karandeにより出願された米国特許出願536,022号に開示され、クレームされているが、それらは本明細書に援用される。例えば、過酸化物架橋剤とシラン架橋剤、過酸化物架橋剤と放射線、硫黄含有架橋剤とシラン架橋剤を共に採用することが望ましい。
【0034】
本発明における実質的にランダムな共重合体は、ジエン成分をターモノマーとして製造時に混合し、その後、上記の方法や、例えば硫黄を架橋剤として用いてビニル基を硫化する方法など、またはその他の様々な架橋プロセスにより改質されていてもよい。
本発明における実質的にランダムな共重合体は、James C.StevensらによるEP−A−0,416,815およびFrancis J.Timmersによる米国特許5,703,187に記載されているような擬似的なランダム共重合体を含み、両出願は全体的に本明細書に援用される。
【0035】
また、本発明における実質的にランダムな共重合体は、米国特許5,872,201号に記載されているような実質的にランダムなターポリマーを含む。
本発明における実質的にランダムな共重合体は、例えば、重合可能なモノマーの混合物を、1つ以上のメタロセンまたは幾何拘束触媒と様々な共触媒の存在下で重合させる方法等により製造することができる。この重合反応は、大気圧から3000気圧までの圧力で、−30〜200℃までの温度で行なわれるのが好ましい。各モノマーの自動重合温度より高い温度における重合および未重合モノマーの除去は、フリーラジカル重合に起因する少量のホモポリマー重合物の生成をもたらすことがある。
【0036】
本発明における実質的にランダムな共重合体を製造するのに好適な触媒およびその製造方法は、例えば1990年7月3日に出願された米国特許出願545,403号(EP−A−416,815)、1991年5月20日に出願された米国特許出願702,475号(EP−A−514,828)、1992年5月1日に出願された米国特許出願876,268号(EP−A−520,732)、1994年5月12日に出願された米国特許出願241,523号および米国特許5,055,438号、5,057,475号、5,096,867号、5,064,802号、5,132,380号、5,189,192号、5,321,106号、5,347,024号、5,350,723号、5,374,696号および5,399,635号に開示され、これらの内容は全て本明細書に援用される。
【0037】
本発明における実質的にランダムな共重合体は、下記の一般式で表される化合物であり、例えば特開平7−278230号に記載された方法により製造することができる。
【0038】
【化5】
Figure 0003850648
【0039】
ここで、Cp1およびCp2はそれぞれ独立にシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの置換体である。R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基である。MはIV属金属であり、好ましくはZrまたはHf、最も好ましくはZrである。R3はCp1とCp2を架橋するために用いられるアルキレン基またはシランジイル基である。
【0040】
本発明における共重合体は、実質的にランダムなα−オレフィン/ビニル又はビニリデン芳香族共重合体を含む。この芳香族共重合体は、例えばJohn G.Bradfuteら(W.R.Grae&Co.)による国際公開WO95/32095号、R.B.Pannell(Exxon Chemical Patents,Inc.)による国際公開WO94/00500号またはPlastics Technology,25頁(1992年9月)に記載されている方法によっても製造することができる。
【0041】
本発明における共重合体は、1996年9月4日にFrancis J.Timmersらにより出願された米国特許出願708,809号に開示される少なくとも1つのα−オレフィン/ビニル芳香族/ビニル芳香族/α−オレフィンのテトラドを含有する実質的にランダムな共重合体を含む。
これらの実質的にランダムな共重合体は、C13NMRのスペクトルにおいてピーク間ノイズの3倍以上の強度を有する特別なシグナルを有する。このようなシグナルは、ケミカルシフトの43.70−44.25ppmおよび38.0−38.5ppmに現れ、特に、44.1、43.9および38.2ppmに現れる。プロトンテストNMRの実験では、43.70−44.25ppmのケミカルシフト領域のシグナルはメチン炭素であることを、また、38.0−38.5ppmのシグナルはメチレン炭素であることを示す。
【0042】
本発明における実質的にランダムな共重合体は、LongoとGrassi(Makromol. Chem.,191巻,2387〜2396頁(1990))およびD‘Annielloら(journal of Applied polymer Science,58巻,1701〜1706頁(1995))に開示された方法[エチレン−スチレンコポリマー製造のため、メチルアルミノキサン(MAO)およびシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド(CpTiCl3)を用いた触媒系の使用を報告している]、XuとLin(polymer Preprints,Am.Chem.Soc.,Div.Polym.Chem)35巻,686,687頁(1994))に開示された方法[MgCl2/TiCl4/NdCl3/Al(iBu)3触媒を用いたエチレンとスチレンの共重合を報告している]、Luら(Journal of Applied Polymer Science,53巻,1453〜1460頁(1994))に開示された方法[TiCl4/NdCl3/MgCl2/Al(Et)3を用いたエチレンとスチレンの共重合を報告している]、SernetzとMulhaupt,(Macroml.Chem.Phys.,197巻,1071−1083頁,1997)に開示された方法[Me2Si(Me4Cp)(N−tert−butyl)TiCl2/methylaluminoxaneチーグラー−ナッタ触媒を用いたスチレンとエチレンの共重合体における重合条件の影響を報告している]により製造することができる。
【0043】
橋かけ型メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−スチレンの共重合体は、アライトシアキおよびスズキ(Polymer preprints,Am.Chem.Soc.,Div.Polym.Chem.)38巻,349および350頁(1997))ならびに米国特許5,652,315号[三共東圧(株)]に開示された方法により製造することができる。プロピレン/スチレン及びブテン/スチレンのようなα−オレフィン/ビニル芳香族モノマーの共重合体は、三井石油化学工業(株)の米国特許5,244,996号、5,652,315号ならびに電気化学工業(株)のDE 197 11 339A1号および米国特許5,883,213号に開示された方法により製造することができる。これらの共重合体を製造する方法は全て本明細書に援用される。また、アライトオルらによる、Polymer Preprint 39巻,1号,(1998年3月)において開示されたエチレンとスチレンのランダム共重合は、本発明の発泡体におけるブレンド成分として使用することができる。
【0044】
本発明で使用されるエチレン−スチレンランダム共重合体のエチレン/スチレン重量比は、30/70〜75/25、より好ましくは40/60〜70/30である。
エチレン/スチレンの重量比が75/25よりスチレン分が少なければ十分な発泡性保持効果が得られ難く、また同重量比が30/70よりスチレン分が多ければポリオレフィン系樹脂との相溶性が低下し、発泡体が得られ難くなるので好ましくない。
【0045】
オレフィン系樹脂組成物粒子中のエチレン−スチレンランダム共重合体の含有量としては、5〜45重量%であり、より好ましくは10〜35重量%である。エチレン−スチレンランダム共重合体の含有量が5%未満であると、十分なガス保持性、柔軟性が得られ難い。また、その含有量が45%を超えると、発泡性が低下し易く、低密度の発泡体を得る上で好ましくない。
【0046】
エチレン−スチレンランダム共重合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、3〜20個の炭素原子を有し、かつ芳香族部分を含まないα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンもしくは1オクテンでエチレンの一部を代替することができる。
【0047】
また、同様に、本発明の効果を阻害しない範囲で、スチレンのアルキルまたはハロゲンで置換された誘導体、例えばビニルトルエン、α−メチルスチレン、o−、m−もしくはp−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等またはそれらの異性体等でスチレンの一部を代替することができる。
【0048】
さらに、エチレン−スチレンランダム共重合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、改質のために、付加重合可能な脂肪族ビニルまたは環状脂肪族ビニルモノマーまたはビニリデンモノマー、例えば1−、3−もしくは4−ビニルシクロヘキサンまたは5−エチレンジエン−2−ノルボルネン等と共重合していてもよい。
【0049】
なお、エチレン−スチレンランダム共重合体は、その製造時に高温でスチレンモノマーがホモ重合することにより、アイソタクチックスチレンホモ重合体が形成される。該ホモ重合体は所望により、適当な抽出剤、例えばアセトンまたはクロロホルム等で抽出することにより分離することができるが、その含有量が本発明の効果を阻害しない範囲であれば、かかるホモ重合体を含んだエチレン−スチレンランダム共重合体をそのまま使用することができる。
【0050】
オレフィン樹脂とエチレン−スチレンランダム共重合体とを溶融混合させてオレフィン系樹脂組成物を得るには、好ましくは一般的に使用されるコニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、単軸押出機、2軸押出機等の混練機により、180〜250℃の温度下で均一に溶融混練する方法が用いられる。これら混練機の中でも、生産性が良好な点から単軸および2軸押出機を用いるのがより好ましい。
【0051】
なお、溶融混合時に、所望により、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、気泡調整剤等を添加してもよい。
溶融混合は、成分を十分に均一に混合するため、複数回行ってもよい。
溶融混合された樹脂組成物は、例えばダイからストランド状に押し出され、切断されてペレット等の樹脂組成物粒子に成形される。
【0052】
樹脂組成物粒子に発泡剤を含浸させる方法は特に限定されず、耐圧容器内において、樹脂組成物粒子に、水懸濁液系あるいは気相系で所定の温度にて発泡剤を含浸させる方法が挙げられる。また、先の押出機による溶融混合に引き続いて、ダイから押し出されるまでの工程の間に、所定温度に調整した溶融樹脂組成物と発泡剤を混合し、例えばダイから水中へ押し出して冷却する等の方法で、発泡させないようにして、発泡性樹脂粒子を得る方法もあるが、本発明においては、前者の含浸による方法が好適である。
【0053】
水懸濁液系での含浸は、例えば耐圧容器内において分散安定剤を含む水性懸濁液に樹脂組成物粒子を分散させた後、撹拌しつつ発泡剤を系内に導入して、所定温度で含浸させる方法により行われる。
分散安定剤としては、例えば第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の水難溶性の無機塩が好適に用いられる。分散安定剤の使用割合は、樹脂組成物粒子に対して、通常0.5〜5重量%程度であることが好ましい。
【0054】
また、水性懸濁液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤を分散安定性の向上のために添加してもよい。
水性懸濁液中に分散させる樹脂組成物粒子の量は、水性懸濁液100重量部に対して20〜100重量部が好ましく、より好ましくは20〜80重量部である。
【0055】
本発明の発泡性ポリオレフィン系樹脂粒子を製造するに当たって、ポリオレフィン系樹脂組成物粒子に発泡剤を含浸させる際の温度は、樹脂組成物粒子の融点から該融点より10℃高い温度までの範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、樹脂組成物粒子の融点から該融点より8℃高い温度までの範囲である。発泡剤を含浸させる温度が、樹脂組成物の融点より低いときには、発泡性樹脂粒子中の気泡が粗大で不均一となり、発泡性が低くなり易く、発泡粒子の成形性も低下し、柔軟な発泡体が得られ難くなるので好ましくない。また、樹脂組成物粒子の融点より10℃を超える高い温度で含浸させると、発泡性樹脂の発泡性が低くなり易く、得られる発泡体は気泡が微細となるので、圧縮後の回復性が低下する。さらには、発泡粒子の成形性も低下し、樹脂粒子同士の結合が多くなり、収率が低くなるので製造上好ましくない。
【0056】
本発明で用いられる発泡剤としては、常圧沸点が−50〜100℃の範囲にある揮発性有機発泡剤、例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、シクロペンタン、ペンテン、ヘキサン等の炭化水素、メチレンクロライド、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロモノフルオロメタン、モノクロロジフルオロメタン、1,2−ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素が好ましく、中でもn−ブタン、i−ブタンが特に好ましい。また、二酸化炭素、空気等の無機ガス系発泡剤等も使用することができる。
【0057】
これらの発泡剤は、単独で、または二種以上混合して使用することができる。発泡剤の添加量は、その種類により変動し得るが、通常、オレフィン系樹脂組成物粒子100重量%に対して、10〜50重量%が好ましい。さらに好ましくは、20〜30重量%である。
発泡剤を含浸させる際に、発泡剤の他に、発泡性樹脂粒子を形成する際に通常用いられる各種の添加剤、例えば、発泡助剤(溶剤、可塑剤)や、所望により帯電防止剤、発泡時の結合防止剤等も添加することができる。
【0058】
発泡助剤としては、例えば、トルエン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、イソパラフィン等が挙げられる。これらの発泡助剤は、通常、オレフィン系樹脂組成物粒子に対して、0.1〜5重量%程度添加される。
発泡剤の含浸時間は特に限定されず、原料のオレフィン系樹脂組成物粒子の大きさ(体積)、形状等により変動し得る。例えば、樹脂組成物粒子の体積が3.0mm3程度である場合、所望の温度に達してから3時間以上、好ましくは4時間以上含浸が行われる。含浸時間が3時間未満であると、オレフィン系樹脂組成物粒子の中心部分に芯と呼ばれる未含浸部分ができやすく、発泡粒子とした際に、一つの発泡粒子内に発泡部分と未発泡部分が混在するので好ましくない。そのような発泡粒子から得られる発泡成形体は所望の緩衝性を備えない場合がある。
【0059】
発泡剤の含浸温度は、オレフィン系樹脂組成物粒子の種類にもよるが、例えば融点が135℃のオレフィン系樹脂組成物粒子では、135〜145℃程度であり、好ましくは135〜143℃程度である。
本発明の発泡性オレフィン系樹脂粒子、オレフィン系樹脂発泡粒子およびオレフィン系樹脂発泡成形体は、いずれも10℃/分の昇温速度で20℃から220℃まで昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において2つの吸熱ピークを有し、2つの吸熱ピークのうち高温側のピーク温度と、10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において発熱ピークで示される結晶化温度との差が60℃以下、好ましくは59℃以下であり、且つ前記結晶化温度と、10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで再び昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において吸熱ピークで示される固有ピーク温度との差が40℃以下、好ましくは39℃以下であるという特徴を有する。
【0060】
本発明における走査型示差熱量計による測定は、発泡性樹脂粒子、樹脂発泡粒子または樹脂発泡成形体の供試物1〜3mgを走査型示差熱量計にセットし、10℃/分の昇温速度で20℃から220℃まで昇温した後、10℃/分の降温速度で40℃まで降温し、次いで10℃/分の昇温速度で220℃まで再び昇温したときに得られるDSC曲線から、高温側のピーク温度、結晶化温度および固有ピーク温度をそれぞれ求めることができる。
【0061】
上記の測定において、本発明で得られる発泡性樹脂粒子、樹脂発泡粒子および樹脂発泡成形体は、例えば最初の昇温の際には図1に示されるように2つの吸熱ピークを有し、降温の際には図2に示されるように結晶化による発熱ピークを示す。さらに、2度目の昇温の際には図3に示されるように1つの吸熱(固有)ピークしか示さない。
【0062】
そして、本発明の発泡性樹脂粒子、樹脂発泡粒子および樹脂発泡成形体では、上記のように現れる吸熱、発熱ピークにおいて、最初の昇温で見られる2つのピークのうち、高温側のピーク温度と結晶化温度との差が60℃以下であり、かつ前記結晶化温度と固定ピーク温度との差が40℃以下という特徴が認められる。高温側のピーク温度と結晶化温度との差が60℃を超えるか、また結晶化温度と固有ピーク温度との差が40℃を超えると、発泡性樹脂粒子の発泡性が低下し、発泡粒子の型内成形時の成形所要時間が長くなり、得られる発泡成形体の剛性が著しく低下する等の不都合が生じる。
【0063】
本発明で得られる発泡性オレフィン系樹脂粒子を、攪拌下、加熱して予備発泡することによりオレフィン系樹脂発泡粒子を得ることができる。
具体的には、例えば、発泡性オレフィン系樹脂粒子を予備発泡装置内で蒸気圧0.5〜5.0kgf/cm2G程度の水蒸気で加熱することによって予備発泡を行うことができる。予備発泡時の加熱時間は、例えば、一般に20〜90秒程度である。
【0064】
また、得られたオレフィン系樹脂発泡粒子を、常圧沸点が−50〜100℃の範囲にある揮発性有機発泡剤または無機ガス系発泡剤を用いて、1〜10kgf/cm2Gで4時間程度加圧保持した後、再び上記と同様の条件で予備発泡を行って、さらに低密度のオレフィン系樹脂発泡粒子とすることもできる。なお、この工程は複数回繰り返して行ってもよい。
【0065】
本発明のオレフィン系樹脂発泡粒子の嵩密度dbは、0.017〜0.2g/cm3であるのが好ましく、0.02〜0.1g/cm3であるのがさらに好ましい。嵩密度が0.017g/cm3より低いと、成形時に収縮が起こり易く、外観の良好な成形体を得難い。また、嵩密度が0.2g/cm3より大きいと、十分な柔軟性が得られ難い。
【0066】
また、本発明のオレフィン系樹脂発泡粒子は、好ましくは膜厚10〜50μm、より好ましくは10〜40μmの表面層を有する。ここで、表面層とは、オレフィン系樹脂発泡粒子の表面に形成される膜のことであり、図4のイメージ図および図5の電子写真に示されている。
【0067】
膜厚が10μm未満では、成形の際に気泡膜が破れ易いため、十分な発泡力が得られず、発泡粒子間の融着が不十分になる等の理由により、物性的に劣る発泡成形体になり易く、好ましくない。また、膜厚が50μmを超えると、熱による軟化が不十分になる等の理由により、発泡粒子間の融着が不十分になり、物性的に劣る発泡成形体となりやすく、好ましくない。
【0068】
得られる発泡粒子は、好ましくは、常温で一日程度放置した後、常圧沸点が−50〜100℃の範囲にある揮発性有機発泡剤または無機ガス系発泡剤等を用いて、1〜10kgf/cm2Gの状態で4時間程度加圧保持した後に、発泡成形に供される。
【0069】
発泡成形は、所望の形状を有し、発泡粒子を閉鎖し得るが、密閉し得ない金型内で、例えば、蒸気圧0.5〜5.0kgf/cm2G程度の水蒸気を型内に導入することによって行うことができる。得られた発泡成形体は、水冷あるいは空冷後、型から取り出される。
【0070】
この発泡成形体の密度dmは0.017〜0.2g/cm3であるのが好ましく、0.02〜0.1g/cm3であるのがさらに好ましい。密度dmが0.017g/cm3未満では、収縮し易く外観に劣る成形品となり、0.2g/cm3を超えると重量が増すばかりか柔軟性に劣る成形品となり、いずれも好ましくない。
【0071】
また、発泡成形体の平均気泡径は100〜500μmであるのが好ましい。平均気泡径が100μm未満では気泡膜が破れ易くて成形性が低下し、さらに成形体が圧縮された場合の回復性等が低下し、柔軟性に優れた発泡成形体となり難いので好ましくない。また、平均気泡径が500μmを超えると、耐衝撃性、柔軟性が低くなり好ましくない。
【0073】
【実施例】
この発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、この発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
なお、本発明において発泡粒子の嵩密度、発泡成形体の密度は、JISK6767に準拠した方法に従い、以下の算式(2)および(3)によりそれぞれ求めた。
【0074】
嵩密度db(g/cm3)=wb/vb (2)
vb:発泡粒子の嵩体積(cm3
wb:発泡粒子の重量(g)
密度dm(g/cm3)=w/v (3)
v :発泡成形体の体積(cm3
w :発泡成形体の重量(g)
【0075】
また、柔軟性の評価は、得られた発泡成形体の10%圧縮強度をJISK6767に準拠した方法で測定することにより行った。
すなわち、上面と下面が平行で全周囲が切断面からなる縦50mm×横50mm×厚み25mmの直方体を成形された発泡成形体から切り出して試料片とし、圧縮試験機にセットして10mm/分の速度で試料片の厚みの10%まで圧縮し、停止してから20秒後の荷重を測定して次式により算出した。
【0076】
10%圧縮強度(kgf/cm2)=P/WL (4)
P:10%圧縮し20秒経過後の荷重(kgf/cm2
L:試料片の縦(cm)
W:試料片の横(cm)
発泡成形体の耐熱性の評価は、成形体を90℃、大気圧雰囲気下に24時間保持し、冷却後に収縮や変形の有無などの外観を目視で観察することにより評価した。
【0077】
発泡性の保持期間の評価は、下記の方法で行った。
すなわち、耐圧容器中において水性懸濁液中に分散させたオレフィン系樹脂組成物粒子に発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子とした後、耐圧容器を開放して発泡性樹脂粒子を取り出し、15℃、大気圧下で保管する。
含浸直後の発泡性オレフィン系樹脂粒子を発泡させた際に、発泡が最大に達したときの発泡粒子の嵩密度をdb1とし、所定時間保管した後の発泡性オレフィン系樹脂粒子を発泡させた際に、発泡が最大に達したときの発泡粒子の嵩密度をdb2とし、両嵩密度を次式に代入して発泡性保力を算出した。
【0078】
次式を満たす場合は、発泡性が保持されているものと評価した。
(1/db1)−(1/db2)<5 (5)
各実施例では、以下のオレフィン系樹脂(A〜C)およびエチレン−スチレンランダム共重合体(d〜h)を使用した。
【0079】
オレフィン系樹脂(MI値はJIS K6758に準拠して得た)
A: エチレンランダムポリプロピレン(MI値5.0、融点136℃、エチレン含有量 4.7%)
B: ホモポリプロピレン(MI値1.5、融点163℃)
C: エチレンブロックポリプロピレン(MI値1.8、融点162℃、エチレン含有量 9.8%)
【0080】
エチレン−スチレンランダム共重合体(ダウケミカル社製)(MI値はASTMD1238に準拠して得た)
d:エチレン/スチレン重量比 25/75 MI値1.0
e:エチレン/スチレン重量比 31/69 MI値1.0
f:エチレン/スチレン重量比 40/60 MI値0.5
g:エチレン/スチレン重量比 75/25 MI値1.0
h:エチレン/スチレン重量比 80/20 MI値1.0
【0081】
[実施例1]
エチレンースチレンランダム共重合体f 30重量部およびオレフィン樹脂A 70重量部を2軸押出機を用いて250〜260℃で溶融混合し、ダイからストランド状に押し出し、カットして長さ2.0mm、直径1.5mmのペレット状の樹脂組成物粒子とした。得られた樹脂組成物粒子を10℃/分の昇温速度で20℃から220℃まで昇温したときに、走査示差熱量計により測定して得られるDSC曲線によれば、樹脂組成物粒子の融点は136℃であった。
【0082】
次に、内容積10リットルのオートクレーブに、水5kg、分散剤としての第3燐酸カルシウム 60g、活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ3gを入れ、さらに、気泡調整剤としてエチレンビスステアリン酸アミド1.5gを入れて水性媒体とした。次に上記の樹脂組成物粒子3kgを上記の水性媒体に懸濁させ、撹拌速度150rpmで撹拌した。その後、揮発性発泡剤としてのイソブタン750gを、窒素圧を利用して圧入し144℃まで昇温し、その温度で6時間保って含浸させ、その後20℃まで冷却した後、脱水して生成物を取り出し、発泡性オレフィン系樹脂粒子を得た。
【0083】
得られた発泡性樹脂粒子の走査型示差熱量測定によるDSC曲線は、図1〜3のように示され、高温側ピーク温度が155.4℃、結晶化温度が97.7℃、固有ピーク温度が136.0℃であり、高温側ピーク温度と結晶化温度の差は57.7℃、固有ピークと結晶化温度の差は38.3℃であった。
得られた発泡性オレフィン系樹脂粒子を耐圧容器から取り出した直後に、予備発泡機にて水蒸気圧4.5kgf/cm2Gの雰囲気下で30秒間加熱したところ、最高発泡嵩密度0.045g/cm3を示した。
【0084】
この発泡性樹脂粒子は、前記の式(5)を満たし、発泡性を維持できる期間は15日間であった。
次いで、発泡成形のため、前述の予備発泡条件で、嵩密度0.045g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は30μmであった。
この発泡粒子のDSC曲線は、発泡性樹脂粒子の示したものと同様であり、高温側ピーク温度が155.3℃、結晶化温度が97.8℃、固有ピーク温度が135.5℃であり、高温側ピーク温度と結晶化温度の差は57.5℃、固有ピークと結晶化温度の差は37.7℃であった。
【0085】
この発泡粒子を23℃下で一日放置した後、空気中、発泡粒子を5.0kgf/cm2Gの状態で5時間保持した後に、発泡粒子を閉鎖し得るが、密閉し得ない金型内に充填し、蒸気圧4.0kgf/cm2Gの水蒸気を型内に20秒間導入して加熱した後、冷却して、密度0.046g/cm3、平均気泡径350μmであり、10%圧縮強度0.48kgf/cm2であって、式(1)を満たす柔軟性に優れた発泡成形体が得られた。
【0086】
このようにして得られた発泡成形体は、均一な気泡径を有し、成形品の収縮が少なく、外観のきれいなものであった。
発泡成形体のDSC曲線は、発泡性樹脂粒子の示したものと同様であり、高温側ピーク温度が155.6℃、結晶化温度が97.5℃、固有ピーク温度が136.0℃であり、高温側ピーク温度と結晶化温度の差は57.1℃、固有ピークと結晶化温度の差は38.5℃であった。
【0087】
[実施例2]
オレフィン樹脂Aに代えてオレフィン樹脂Bを使用し、含浸温度を170℃とした以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得た。
得られた発泡性樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度0.049g/cm3を示した。
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は15日間であった。
【0088】
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて嵩密度0.049g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は35μmであった。
この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.050g/cm3、平均気泡径300μmであり、10%圧縮強度0.5kgf/cm2であって式(1)を満たす柔軟性に優れた発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、均一な気泡径を有し、成形品の収縮が少なく、外観のきれいなものであった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0089】
[実施例3]
オレフィン樹脂Aに代えてオレフィン樹脂Cを使用し、含浸温度を170℃とした以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度0.051g/cm3を示した。
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は15日間であった。
【0090】
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて嵩密度0.051g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は40μmであった。
この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.052g/cm3、平均気泡径350μmであり、10%圧縮強度0.51kgf/cm2であって、式(1)を満たす柔軟性に優れた発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、均一な気泡径を有し、成形品の収縮が少なく、外観のきれいなものであった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0091】
[実施例4]
エチレン−スチレン共重合体fに代えてエチレン−スチレン共重合体eを使用した以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得た。
得られた発泡性樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度0.046g/cm3を示した。
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は15日間であった。
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて嵩密度0.046g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は25μmであった。
【0092】
この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.047g/cm3、平均気泡径260μmであり、10%圧縮強度0.46kgf/cm2であって式(1)を満たす柔軟性に優れた発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、均一な気泡径を有し、成形品の収縮が少なく、外観のきれいなものであった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0093】
[実施例5]
エチレン−スチレン共重合体fに代えてエチレン−スチレン共重合体gを使用した以外は、実施例1と同様の方法で発泡性樹脂粒子を得た。
得られた発泡性樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度0.044g/cm3を示した。
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は14日間であった。
【0094】
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて嵩密度0.044g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は40μmであった。
この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.044g/cm3、平均気泡径340μmであり、10%圧縮強度0.49kgf/cm2であって式(1)を満たす柔軟性に優れた発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、均一な気泡径を有し、成形品の収縮が少なく、外観のきれいなものであった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0095】
[実施例6]
エチレン−スチレン共重合体fを7重量部、オレフィン系樹脂Aを93重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度0.043g/cm3を示した。
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は10日間であった。
【0096】
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて嵩密度0.043g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は45μmであった。
この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.043g/cm3、平均気泡径400μmであり、10%圧縮強度0.51kgf/cm2であって、式(1)を満たす柔軟性に優れた発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、均一な気泡径を有し、成形品の収縮が少なく、外観のきれいなものであった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0097】
[実施例7]
エチレン−スチレン共重合体fを43重量部、オレフィン系樹脂Aを57重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得た。
得られた発泡性樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度0.047g/cm3を示した。
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は17日間であった。
【0098】
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて嵩密度0.047g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は15μmであった。
この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.048g/cm3、平均気泡径140μmであり、10%圧縮強度0.44kgf/cm2であって、式(1)を満たす柔軟性に優れた発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、均一な気泡径を有し、成形品の収縮が少なく、外観のきれいなものであった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0099】
[実施例8]
揮発性発泡剤としてイソブタン750gに代えてn−ブタン750gを使用した以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得た。
得られた発泡性樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度0.1g/cm3を示した。
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は10日間であった。
【0100】
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて嵩密度0.13g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は50μmであった。
この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.15g/cm3、平均気泡径270μmであり、10%圧縮強度0.62kgf/cm2であって、式(1)を満たす柔軟性に優れた発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、均一な気泡径を有し、成形品の収縮が少なく、外観のきれいなものであった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0101】
[実施例9]
実施例1で得た嵩密度0.045g/cm3の発泡粒子を23℃下に12時間放置した。次いで、発泡粒子を加圧容器中で窒素を用いて5kg/cm2の状態で12時間保持した後、再び予備発泡機にて水蒸気圧4.5kgf/cm2の雰囲気下で30秒間加熱して発泡させ、嵩密度0.017g/cm3の発泡粒子を得た。二回発泡させたこの発泡粒子は、膜厚15μmの表面層を有していた。
【0102】
この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.018g/cm3、平均気泡径450μmであり、10%圧縮強度0.17kgf/cm2であって、式(1)を満たす柔軟性に優れた発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、均一な気泡径を有し、成形品の収縮が少なく、外観のきれいなものであった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0103】
[比較例1]
エチレン−スチレン共重合体を添加せずに、オレフィン樹脂Aのみを使用した以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得た。
得られた発泡性樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度が0.066g/cm3となり、大きい値を示した。
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は10分間と短かった。
【0104】
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて嵩密度0.066g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は60μmであった。
この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.068g/cm3、平均気泡径600μmであり、10%圧縮強度1.3kgf/cm2であって、式(1)を満たさず、柔軟性に劣る発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、発泡性が低いためか、外観不良であった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0105】
[比較例2]
エチレン−スチレンランダム共重合体f の代わりに汎用の直鎖状低密度ポリエチレン(MI値0.9、融点124℃)を使用した以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度が0.061g/cm3となり、大きい値を示した。
【0106】
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は10分間と短かった。
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて嵩密度0.061g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は60μmであった。
この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.065g/cm3、平均気泡径650μmであり、10%圧縮強度1.1kgf/cm2であって、式(1)を満たさず柔軟性に劣る発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、外観不良であった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0107】
[比較例3]
エチレン−スチレンランダム共重合体f の代わりに汎用ポリスチレン(MI値1.0、分子量Mw18万)を使用した以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得ることを試みた。この樹脂粒子は実施例1と同様の方法では発泡せず、発泡粒子および発泡成形体を得ることができなかった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0108】
[比較例4]
含浸温度を134℃とした以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得た。
得られた発泡性樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度が0.063g/cm3となり、大きい値を示した。
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は60分間と短かった。
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて嵩密度0.063g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は65μmであった。
この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.065g/cm3、平均気泡径700μmであり、10%圧縮強度0.7kgf/cm2であって、式(1)を満たさず、柔軟性に劣る発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、外観不良なものであった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0109】
[比較例5]
含浸温度を148℃とした以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得たが、含浸時に樹脂粒子同士の結合が生じて、収率も低かった。
得られた発泡性樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度が0.063g/cm3となり、大きい値を示した。
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は1日間と短かった。
【0110】
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて嵩密度0.063g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は55μmであった。
この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.065g/cm3、平均気泡径550μmであり、10%圧縮強度0.65gf/cm2であって、式(1)を満たさず、柔軟性に劣る発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、外観不良であった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0111】
[比較例6]
エチレン−スチレンランダム共重合体fの代わりにエチレン−スチレンランダム共重合体dを使用した以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得ることを試みた。
この発泡性樹脂粒子は、前記の発泡方法では発泡せず、発泡粒子および発泡成形体を得ることができなかった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0112】
[比較例7]
エチレン−スチレンランダム共重合体fの代わりにエチレン−スチレンランダム共重合体hを使用した以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度が0.063g/cm3となり、大きい値を示した。
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は1日間と短かった。
【0113】
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて処理し、嵩密度0.063g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は60μmであった。この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.064g/cm3、平均気泡径590μmであり、10%圧縮強度0.9kgf/cm2であって、式(1)を満たさず、柔軟性に劣る発泡成形体が得られた。
このようにして得られた発泡成形体は、外観不良であった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0114】
[比較例8]
エチレン−スチレンランダム共重合体fを3重量部、オレフィン樹脂Aを97重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得た。
得られた発泡性樹脂粒子は、実施例1と同様に取り出した直後に発泡させると、最高発泡嵩密度が0.063g/cm3となり、大きい値を示した。
発泡性樹脂粒子の発泡性を維持できる期間は60分間と短かった。
【0115】
次いで、実施例1と同様の予備発泡条件にて処理し、嵩密度0.064g/cm3の発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の表面層の膜厚は55μmであった。この発泡粒子を実施例1と同様に型内成形して、密度0.065g/cm3、平均気泡径550μmであり、10%圧縮強度1.3kgf/cm2であって、式(1)を満たさず柔軟性に劣る発泡成形体が得られた。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0116】
[比較例9]
エチレン−スチレンランダム共重合体fを49重量部、オレフィン樹脂Aを51重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡性樹脂粒子を得ることを試みた。
この発泡性樹脂粒子は、実施例1と同様の方法では発泡せず、発泡粒子および発泡成形体を得ることができなかった。
結果の詳細を表1および表2に示す。
【0117】
【表1】
Figure 0003850648
【0118】
【表2】
Figure 0003850648
【0119】
表1および表2から明らかなように、本発明の発泡性樹脂粒子は、発泡に供し得る発泡性を長時間維持できることがわかる。また、本発明の発泡性樹脂粒子から得られる発泡粒子の表面層は、後の型内成形に好適な膜厚を有し、得られる発泡成形体は、柔軟性に優れ、低密度で、外観も優れたものである。
【0120】
【発明の効果】
本発明の発泡性樹脂粒子は、発泡に供し得る発泡性を長時間維持できる。さらに、この発泡性樹脂粒子から製造される樹脂発泡粒子は、広い発泡密度範囲において成形性に優れる。また、この樹脂発泡粒子から得られる樹脂発泡成形体は、実質的に無架橋であって、リサイクル性に優れ、しかも広い発泡密度範囲において柔軟性等に優れ、かつ外観も優れたものである。
【0121】
また、発泡性を維持できる期間が長くなることから、嵩の高い発泡粒子ではなく、発泡性樹脂粒子の状態で輸送することができ、輸送コストの低減が可能となる。
また、本発明の発泡成形体は、良好な柔軟性を有することから、幅広い用途への適用を可能にし、また低密度であることから、樹脂使用量を減らし、省資源、コスト削減が可能となる。さらに、無架橋であることから、リサイクル性に優れ、環境問題への対応を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡性樹脂粒子の高温側のピーク温度を示すDSC曲線である。
【図2】本発明の発泡性樹脂粒子の結晶化温度を示すDSC曲線である。
【図3】本発明の発泡性樹脂粒子の固有ピーク温度を示すDSC曲線である。
【図4】本発明の樹脂発泡粒子の表面層を表したイメージ図である。
【図5】本発明の樹脂発泡粒子の切断面の電子写真である。

Claims (10)

  1. オレフィン樹脂とエチレン / スチレン重量比が30/70〜75/25であるエチレン−スチレンランダム共重合体とを溶融混合させて得られ、かつエチレン−スチレンランダム共重合体の含有割合が5〜45重量%であるオレフィン系樹脂組成物粒子に、発泡剤を含浸させた発泡性オレフィン系樹脂粒子であって、
    該発泡性樹脂粒子が、10℃/分の昇温速度で20℃から220℃まで昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において2つの吸熱ピークを有し、
    2つの吸熱ピークのうち高温側のピーク温度と、
    前記発泡性樹脂粒子を10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において発熱ピークとして示される結晶化温度との差が60℃以下であり、
    かつ、前記結晶化温度と、
    前記発泡性樹脂粒子を10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで再び昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において吸熱ピークとして示される固有ピーク温度との差が40℃以下であることを特徴とする発泡性オレフィン系樹脂粒子。
  2. オレフィン樹脂がプロピレン系樹脂である請求項1に記載の発泡性オレフィン系樹脂粒子。
  3. 請求項1または2に記載の発泡性オレフィン系樹脂粒子を予備発泡させて得られるオレフィン系樹脂発泡粒子であって、
    該樹脂発泡粒子が、10℃/分の昇温速度で20℃から220℃まで昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において2つの吸熱ピークを有し、
    2つの吸熱ピークのうち高温側のピークの温度と、
    前記樹脂発泡粒子を10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において発熱ピークとして示される結晶化温度との差が60℃以下であり、
    かつ、前記結晶化温度と、
    前記樹脂発泡粒子を10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで再び昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において吸熱ピークとして示される固有ピーク温度との差が40℃以下であることを特徴とするオレフィン系樹脂発泡粒子。
  4. オレフィン系樹脂発泡粒子が、膜厚10〜50μmの表面層を有する請求項に記載のオレフィン系樹脂発泡粒子。
  5. 請求項またはに記載のオレフィン系樹脂発泡粒子を型内成形させて得られるオレフィン系樹脂発泡成形体であって、
    該樹脂発泡成形体が、10℃/分の昇温速度で20℃〜220℃まで昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において2つの吸熱ピークを有し、
    2つの吸熱ピークのうち高温側のピーク温度と、
    前記樹脂発泡成形体を10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において発熱ピークとして示される結晶化温度との差が60℃以下であり、
    かつ、前記結晶化温度と、
    前記樹脂発泡成形体を10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで再び昇温したときに、走査型示差熱量計により測定して得られるDSC曲線において吸熱ピークとして示される固有ピーク温度との差が40℃以下であることを特徴とするオレフィン系樹脂発泡成形体。
  6. オレフィン樹脂とエチレン / スチレン重量比が30/70〜75/25であるエチレン−スチレンランダム共重合体とを溶融混合させて得られ、かつエチレン−スチレンランダム共重合体の含有割合が5〜45重量%であるオレフィン系樹脂組成物粒子に、該樹脂組成物粒子の融点から該融点より10℃高い温度までの範囲で発泡剤を含浸させることを特徴とする発泡性オレフィン系樹脂粒子の製造方法。
  7. 耐圧容器内でオレフィン系樹脂組成物粒子を水性懸濁液に分散させて、発泡剤を3時間以上含浸させることを特徴とする請求項に記載の発泡性オレフィン系樹脂粒子の製造方法。
  8. 請求項またはに記載の方法で得られる発泡性オレフィン系樹脂粒子を予備発泡させることを特徴とするオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  9. 請求項に記載の方法で得られるオレフィン系樹脂発泡粒子を用いて、発泡剤を含むガス雰囲気下で、加圧しながら予備発泡をさらに1回または複数回行うことを特徴とするオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  10. 請求項またはに記載の方法で得られるオレフィン系樹脂発泡粒子を型内成形させることを特徴とするオレフィン系樹脂発泡成形体の製造方法。
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