JP3849851B2 - 高強度ポリエチレン繊維不織布および電池セパレータ - Google Patents

高強度ポリエチレン繊維不織布および電池セパレータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルター、電池セパレータ、キャパシター、摩擦コントロール(摩擦低減)など広範囲の不織布用途に利用可能な新規な高強度高弾性率ポリエチレン繊維よりなる不織布および電池セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
高強度ポリエチレン繊維に関しては例えば、特公昭60−7922号公報に開示されるごとく、超高分子量のポリエチレンを原料にし、いわゆる“ゲル紡糸法”により従来にない高強度・高弾性率繊維が得られることが知られており、既に産業上広く利用されている。これらの高強度ポリエチレン繊維は不織布化して用いても優れた強度や弾性率が利用することが可能であり、種々の用途への適用が検討されている。特に、近年各種電池用セパレータ用に各種オレフィン系の繊維・フィルムが使用されつつあるが、その不織布あるいはその補強材として高強度ポリエチレン繊維を用いる場合に、電池をよりコンパクト化したいという要求に対して、高強度を維持したままで薄目付の不織布を製造可能とするような高強度ポリエチレン繊維が求められていた。
【0003】
特開平12−1111公報に開示されるがごとく、超高分子量にポリエチレンを原料にし、いわゆる“ゲル紡糸法”により、従来にない、低繊度の高強度・高弾性率繊維が開示されている。しかしながらこのようにゲル紡糸法用いて低繊度の高強度ポリエチレン繊維を製造する場合、溶媒を用いることから繊維の細化過程や延伸工程において、繊維が固化する前に相互に接触して融着が生じてしまう欠点があった。特に極細の繊維を得る場合紡糸張力が高くなることにより延伸張力も上昇し融着が起こりやすい。また、特許第3034934号に重量平均分子量600,000〜1,500,000である高分子量ポリエチレンを延伸して製造される単繊維繊度が16.7dtex以下の高強度ポリエチレン繊維が開示されているが、該特許で到達されている単繊維繊度は最小でも2.4dtexであり、本発明で得られる様な1.5dtex以下であるような高強度ポリエチレン繊維は得られていない。
【0004】
溶融紡糸による高強度ポリエチレン繊維に関しては例えば、USP4228118に開示されている。同特許によれば、強度17.1cN/dtex、弾性率754cN/dtexの高強度ポリエチレン繊維が開示されているもののその繊維の単繊維繊度は小さくても2.0dtexである。このように溶融紡糸では、1.5dtex以下であるような高強度ポリエチレン繊維は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これら、広範な要求に対応するもっとも有効な手段は繊維の強度を維持したまま単繊維繊度を低減することである。しかしながら溶融紡糸により得られる10.0cN/dtexを越えるような高強度ポリエチレン繊維の単繊維繊度は2.0乃至5.0dtexが通常であり、例えば本発明のような1.5dtex以下はもとより1.0dtexというレベルにおいての低繊度の糸は、仮に極く瞬間的にそれを得ることができても、工業的に実施し得る十分の生産性でそれらを得ることはこと実上不可能であり、仮に可能となっても繊維の物性が著しく低下し、実用に供せられるものでは無いと推定される。一方ゲル紡糸を用いることで、0.5dtex以下の高強度ポリエチレン繊維を得ることが可能であるが、ゲル紡糸で得られた単繊維繊度の低い高強度ポリエチレン繊維には、単繊維間の融着が多数存在し、目的とする分散性の良い均一な低繊度の糸を得ることは極めて困難であると考えられる。
【0006】
繊度が低く融着の少ない高強度ポリエチレン繊維を得るのが困難である原因について、発明者らは以下のように推定している。すなわち、溶融紡糸に於いてはポリマー中の分子鎖のからみ合いが非常に多いためにノズルからポリマーを押し出し引き取った後充分延伸を行えないことが挙げられる。さらに、溶融紡糸を行う為には、分子量が100万を越える様な超高分子量ポリマーは実質的に使用することが不可能である。その為、たとえ低繊度ができたとしても強度が低いものとなる。逆に、分子量が100万を越える超高分子量のポリエチレンを用いた、分子鎖のからみあいを少なくするために前述のゲル紡糸という手法があるが、極細の繊維を得るために紡糸・延伸張力が高くなることや、溶剤を紡糸時使うことや繊維の融点以上で延伸を行うことにより繊維に融着が生じてしまい、目的とする繊度の均一な糸を得ることができない。特にカットファーバーを抄紙した場合は、融着した繊維が厚み斑となって欠点となり、不織布の物性が低下する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち第1の発明は、単繊維繊度が1.5tex以下であり引っ張り強度が10cN/dtex以上かつ引っ張り弾性率が200cN/dtexのポリエチレン繊維であり、カットファイバーとしたときの分散不良糸の割合が2.0%以下である短繊維よりなることを特徴とする不織布である。
次に第2の発明は、充填率が、0.1〜0.6であることを特徴とする請求項1に記載の不織布である。
さらに第3の発明は、オレフィン系複合繊維と混繊されたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかの不織布である。
そして、第4の発明は、繊維長が20mm以下の抄紙法により得られたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不織布である。
また、第5の発明は、請求項1に記載の不織布を、150ミクロン以下の厚みとして使用することを特徴とする電池セパレータである。
以下本発明を詳述する
【0008】
本発明における高強度ポリエチレン繊維の単繊維の平均繊度は1.5dtex以下であることが肝要で、1.0dtex以下であることが好ましい、特に好ましくは0.5dtex以下である。1.5dtexを超えると繊維の低繊度化に対しての効果が小さくなり、不織布を薄い厚みに調整することが困難となる。また、低目付になると不織布の斑が顕著となり好ましくない。布帛にした場合の剛直さに関して、0.5dtex付近を境にして布帛の柔軟度に関しての官能的評価で臨界点があることが実験的に判明している。
【0009】
このように本発明の繊維は平均繊度の極めて小さいものであるが、従来の知見によるとその繊維の機械的物性は低いものとなる。つまり、単繊維繊度が1.5dtex以下であり、引っ張り強度10cN/dtex、引っ張り弾性率200cN/dtexを越える様な高強度ポリエチレン繊維は、ゲル紡糸の様な複雑な手法を用いるしか達成することは容易ではなく、不織布用途への適用は考えられなかった。一方、前述のようにゲル紡糸法を用いると、極細の繊維を得るために紡糸・延伸張力が高くなることや、溶剤を紡糸時使うことや繊維の融点以上で延伸を行うことにより繊維に融着が生じてしまい、目的とする繊度の均一で分散性の良い繊維を得ることが難しい。特に20mm以下の長さのショートカットファーバーを抄紙した場合融着した繊維が欠点となり、不織布の物性が低下する。つまりこれまで用いられた手法では、低繊度かつ高強度・高弾性率かつ繊維間の融着の無い高強度ポリエチレン系繊維を得ることはできなかった。しかしながら、発明者らは鋭意努力し例えば後述の製造方法を採用することにより、低繊度であるにもかかわらず、強度及び弾性率が従来のものと同等程度かつ分散性に優れる繊維を用いた不織布を得ることを可能とした。
【0010】
本発明に係る繊維を製造する方法は、上述のごとく慎重でかつ新規な製造法を採用する必要であり、例えば以下のような方法が推奨されるが、それに限定されるものでは無い。すなわち本発明に係る繊維の製造に当たっては、原料ポリエチレンの重量平均分子量が60,000〜600、000であることが望ましく、繊維状態での重量平均分子量が50,000〜300,000であり、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が4.5以下となることが望ましい。好ましくは、原料ポリエチレンの重量平均分子量が60,000〜300、000であることが重要であり、繊維状態での重量平均分子量が50,000〜200,000であり、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が4.0以下となることが重要である。さらに好ましくは、原料ポリエチレンの重量平均分子量が60,000〜200、000であることが重要であり、繊維状態での重量平均分子量が50,000〜150,000であり、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が3.0以下となることが望ましい。
【0011】
本発明におけるポリエチレン系繊維の原料は、その繰り返し単位が実質的にエチレンであることを特徴とし、少量の他のモノマー例えばα−オレフィン,アクリル酸及びその誘導体,メタクリル酸及びその誘導体,ビニルシラン及びその誘導体などとの共重合体であっても良いし、これら共重合物どうし、あるいはエチレン単独ポリマーとの共重合体、さらには他のα−オレフィン等のホモポリマーとのブレンド体であってもよい。特にプロピレン,ブテンー1などのαオレフィンと共重合体を用いることで短鎖あるいは長鎖の分岐をある程度含有させることは本繊維を製造する上で、特に紡糸・延伸においての製糸上の安定を与えることとなり、より好ましい。しかしながらエチレン以外の含有量が増えすぎると反って延伸の阻害要因となるため、高強度・高弾性率繊維を得るという観点からはモノマー単位で0.2mol%以下、好ましくは0.1mol%以下であることが望ましい。もちろんエチレン単独のホモポリマーであっても良い。また、繊維状態の分子量分布を上記値にコントロールする為に溶解押し出し工程や紡糸工程で意図的にポリマーを劣化させても良いし、予め狭い分子量分布を持つ例えばメタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンを使っても良い。
【0012】
原料ポリエチレンの重量平均分子量が60,000未満となると溶融成形加工をし易いものの分子量が低い為に実際に得られる糸の強度は小さいものとなる。また、原料ポリエチレンの重量平均分子量が600、000を越えるような高分子量ポリエチレンでは溶融粘度が極めて高くなり、溶融成型加工が極めて困難となる。又、繊維状態の重量平均分子量と数平均分子量の比が4.5以上となると同じ重量平均分子量のポリマーを用いた場合と比較し最高延伸倍率が低く又、得られた糸の強度も低くなる。これは、緩和時間の長い分子鎖が延伸を行う際に延びきることができずに破断が生じしまうことと、分子量分布が広くなることによって低分子量成分が増加するために分子末端が増加することにより強度低下が起こると推測している。
【0013】
本発明の推奨する製造方法においては、このようなポリエチレンを押し出し機で溶融押し出ししギアポンプにて定量的に紡糸口金を介して吐出させる。押し出された糸は一定の温度に保たれた保温筒を通り、その後急冷された後所定の速度で引き取られる。保温区間は、概繊維の結晶分散温度より高く概繊維の融点より低いことが望ましい。さらに望ましくは、概繊維の融点より少なくとも10度低く概繊維の結晶分散温度より少なくとも10度以上高くすると良い。急冷する為には通常気体が用いられるが、もちろん冷却効率を上げる為に液体を用いても良い。気体に関しては空気、液体に関しては水を用いることが望ましい。
【0014】
該繊維を延伸することにより、場合によっては多段に延伸することにより高強度のポリエチレン系繊維を製造することが可能となる。この時紡糸した糸状を巻き取ること無し連続的に延伸しても良いし、一度巻き取った後に延伸してもよい。
【0015】
本発明においては、まずノズル下で紡糸口金から押しだされた糸状を保温区間に於いて概繊維の結晶分散温度より高く概繊維の融点より低い温度で保温し、その後すぐに急冷させることが重要である。これにより、高い紡糸速度で紡糸が可能となり、また低繊度まで延伸が可能な未延伸しを得ることが可能となる、さらに繊維数が増加した場合でも繊維の融着を防止することが可能となる。
【0016】
本発明において、先述のような手段により得られた高強力高弾性率ポリエチレン系繊維は、一般的にカーディング法やエアレイ法、抄紙法などの製法により不織布化される。不織布は形態安定性をよくするために、カレンダー法などにより充填率が0.1から0.6の間にあるように密度調節をすることが好ましく、特に好ましくは0.15〜0.5,さらに好ましくは0.2〜0.4である。ここで、充填率とは体積充填率をいい、見かけの密度に対する繊維体積が占める割合をいう。充填率が0.6より高いとフィルム化してしまし、通気性がなくなりあまり好ましくない。一方、充填率が0.1より小さくなると繊維の素抜けが増えるためこのましくない。特に摩擦コントロール用途の滑り材などでは、平滑性を良くするために熱カレンダー処理や熱プレス処理などをして、充填率を0.2以上の高めにすることが好ましい。
【0017】
また、形態安定性を良くするために、全不織布重量に対してポリオレフィン系複合繊維を5〜70%程度混繊してもちいることも好ましい。ここで、複合繊維は分割繊維で細い繊維を生じるタイプでも良く、あるいは芯鞘型やサイドバイサイド型など低融点成分を含む物であっても良い。これらの複合繊維は、細い繊維が、ニードルパンチ加工やウォーターパンチ加工などで繊維の絡みを良くしたり、熱処理により低融点成分を溶かして接着するなどにより形態安定性を良くするものである。その他、第3成分として別のオレフィン、ビニロンやポリエステルなどの繊維を混合して不織布にすることも用途により好ましい。
【0018】
本発明の不織布を電池セパレータ用途に用いる際には、厚みを150ミクロン以下、特に好ましくは100ミクロン以下にすることが好ましい。厚みを小さくすることにより、電池とした場合にセパレータの占める容積が減って、小型化することが容易になる。セパレータは薄くなると、引張強力や突き刺し強力が低下するために、加工工程で切断を生じたり、電極の凹凸による突き刺しにより孔があいたりする可能性が高くなる。その結果、電池製造工程において不良率が高くなるという問題であった。本発明の不織布は、強度が強く、また弾性率が高いため結果として突き刺し強度が高くなって電池の不良率を低下させることが可能となった。電池セパレータとして用いる際に用いられるポリエチレン繊維は、引っ張り強度が10cN/dtex以上であることが好ましいが、さらに好ましくは、15cN/dtex以上であり、特に好ましくは17cN/dtex以上である。また、該繊維の引っ張り弾性率は200cN/dtex以上が好ましく,さらに好ましくは500cN/dtex以上、特に好ましくは800cN/dtex以上である。引っ張り強度や弾性率を高くとることで製造工程の不良率が低下する傾向にあり好ましい。本発明で用いられるポリエチレン繊維は、繊維径が細いうえに、繊維をシート中に均一に分散させることが可能であるために、スルフォン化などの処理により親水化を行うと薄くて斑の小さく、かつ自己放電の小さい2次電池セパレータとすることが可能となる。
【0019】
以下に本発明における特性値に関する測定法および測定条件を説明する。
(強度・弾性率)
本発明における引っ張り強度,弾性率は、オリエンティック社製「テンシロン」を用い、試料長200mm(チャック間長さ)、伸長速度100%/分の条件で歪ー応力曲線を雰囲気温度20℃、相対湿度65%条件下で測定し、曲線の破断点での応力を強度(cN/dtex)、曲線の原点付近の最大勾配を与える接線より弾性率(cN/dtex)を計算して求めた。なお、各値は10回の測定値の平均値を使用した。
【0020】
(重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn及びMw/Mn)
重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn及びMw/Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては、Waters製GPC 150C ALC/GPCを持ち、カラムとしてはSHODEX製GPC UT802.5を一本UT806Mを2本用いて測定した。測定溶媒は、o−ジクロロベンゼンを使用しカラム温度を145度した。試料濃度は1.0mg/mlとし、200マイクロリットル注入し測定した。分子量の検量線は、ユニバーサルキャリブレーション法により分子量既知のポリスチレン試料を用いて構成されている。
【0021】
(分散性試験)
あらかじめ脱油を行った10mm長にカットした繊維を約0.02g秤量し、300mlの蒸留水に投入し、回転数が60rpmのスターラにて1分間攪拌する。その後、#300メッシュの金属性フィルターにて濾し取り、室温で24時間風乾させる。乾燥後、ルーペで観察しながら、繊維が2本以上融着している繊維塊をピックアップする。その重量を秤量し、分散不良糸の含有率を算出する。n=10の試験を行い、その平均値で評価した。分散不良糸の割合は以下の式で計算される。
分散不良糸の割合(%)=(分散不良糸の重量)×100÷(カットファイバーの重量)
以下、実施例をもって本発明を説明する。
【0022】
【実施例】
(実施例1)
重量平均分子量115,000、重量平均分子量と数平均分子量の比が2.3である高密度ポリエチレンを0.8mm10Hからなる紡糸口金から290度で単孔吐出量0.5g/minの速度で押し出した。押し出された繊維は、110度に加熱された長さ15cmの保温筒を通りその後20度に保たれた冷却バスでクエンチされ、300m/min速度で巻き取られる。該未延伸糸を、100度に加熱し10m/minで供給し2倍の延伸を行った。さらにその後130度まで加熱し7倍の延伸を行い、延伸糸を得た。得られた繊維の物性を表1に示した。
得られた繊維を、クリンパでCN12の捲縮をかけたあと、50mmにカットした。繊維をカーディング法で目付70g/m2の不織布としたが、加工工程でのトラブルもなく、繊維も一本一本分散して不織布化できた。温度35度のフラットカレンダーにより熱プレスしたところ、厚みが140ミクロン、充填率0.5に不織布を調整できた。不織布の表面が平滑化され、摩擦コントロールに好適であることが確認された。
【0023】
(実施例2)
実施例1において、2段目の延伸倍率を14倍にした以外は実施例1と同様に実験を行った。得られた繊維の物性を表1に示した。繊維を20mmにカットして後、10mmの1.7dtexの16分割パイ型ポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維と1.1dTexのポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘型熱融着繊維を重量比で、15%、70%、15%になるようにして抄紙不織布化した。得られた不織布を、ウォーターパンチ法で繊維を絡合すると同時に分割繊維を分割した。さらに、温度85度のフラットカレンダーにより95ミクロンのクリアランスをつけて熱プレスした。得られた不織布は厚みが100ミクロン、充填率が0.4であり、非常に均質であった。
【0024】
(実施例3)
実施例2で得られた不織布を、2次電池の製造メーカに、ニッケル水素電池のセパレータとして組み込み評価してもらったところ、電池の組立工程での不良率は3%以下と優れた値を示したとの報告を受けた。
【0025】
(比較例1)
重量平均分子量3,200,000、重量平均分子量と数平均分子量の比が6.3である超高分子量ポリエチレンを10wt%およびデカヒドロナフタレン90wt%のスラリー状の混合物を分散しながら230度の温度に設定したスクリュー型の混練り機で溶解し、170℃に設定した直径0.2mmを2000ホール有する口金に計量ポンプにて単孔吐出量0.08g/minで供給した。ノズル直下に設置したスリット状の気体供給オリフィスにて1.2m/分の速度で100℃に調整した窒素ガスをできるだけ糸条に均等に当たるようにして繊維の表面のデカリンを積極的に蒸発させ、その直後30度に設定された空気流にて実質的に冷却し、ノズル下流に設置されたネルソン状のローラーにて50m/分の速度で引き取られた、この際に糸状に含有される溶剤は元の重量の約半分まで低下していた。引き続き、得られた繊維を100度の加熱オーブン下で3倍に延伸した、引き続きこの繊維を149度に設置した加熱オーブン中にて4.6倍で延伸した。途中破断することなく均一な繊維が得ることができた。得られた繊維の物性を表1に示した。実施例2とポリエチレン繊維が異なる以外は全く同じ方法で不織布化した。不織布は、繊維が融着して太い繊維のように見えるところが多く斑が大きかった。
【0026】
(比較例2)
比較例1で得られた不織布を、2次電池の製造メーカに、ニッケル水素電池のセパレータとして組み込み評価してもらったところ、電池の組立工程での不良率は45〜55%と高い値を示し、斑の改善の要請を受けた。
【0027】
【表1】
Figure 0003849851
【0028】
【発明の効果】
従来になく分散性に優れ、低繊度である高強度・高弾性率ポリエチレン繊維よりなる不織布の提供を可能とした。また、厚みを150ミクロン以下にすることで2次電池のセパレータとして有効である可能性が確認された。

Claims (5)

  1. 繊維状態での重量平均分子量が50,000〜300,000、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が4.5以下であり、単繊維繊度が1.5dtex以下、引っ張り強度が10cN/dtex以上、及び引っ張り弾性率が200cN/dtex以上のポリエチレン系繊維であり、且つ10mmのカットファイバーとしたときの繊維が2本以上融着している繊維塊の重量割合で評価することを特徴とする分散性試験において、融着による分散不良糸の割合が2.0%以下である短繊維よりなることを特徴とする不織布。
  2. 充填率が0.1〜0.6であることを特徴とする請求項1に記載の不織布。
  3. オレフィン系複合繊維と混繊されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の不織布。
  4. 繊維長が20mm以下の抄紙法により得られたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不織布。
  5. 請求項1に記載の不織布を、150ミクロン以下の厚みとして使用することを特徴とする電池セパレータ。
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