JP3849764B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はインクジェット記録装置に関し、特に高品位な画像を高信頼で記録可能な高速インクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
連続記録用紙に高速印刷する高速インクジェットプリンタとして、ライン走査型インクジェットプリンタが提案されている。この装置では、インク粒子吐出用のノズル孔を列状に配置した長尺のページ幅ライン型記録ヘッドを、連続記録用紙の幅方向に、幅いっぱいに記録用紙面に対向して配置し、前記ノズル孔から吐出するインク粒子の記録用紙面への着弾を記録信号に応じて選択的に制御する。同時に記録用紙を連続記録用紙の長手方向に高速移動させて主走査する。この主走査とインク粒子の記録用紙への着弾制御で走査線への記録ドット形成の制御を行い、記録画像を記録用紙上に得る。
【0003】
このライン走査型インクジェットプリンタとしては、記録ヘッドにコンティニュアスインクジェット方式の記録ヘッドを使用する装置や、オンデマンドインクジェット方式の記録ヘッドを使用する装置が多く提案されている。このうちオンデマンドインクジェット方式のライン走査型インクジェットプリンタはコンティニュアスインクジェット方式の装置に比べて記録速度では及ばないが、インクシステムが非常に簡単である等のため、普及型の高速プリンタを提供するのに適している。
【0004】
このオンデマンドインクジェット方式のライン走査型インクジェットプリンタ用の記録ヘッドは、ノズル孔を開口とするインク室中のインクに、圧電素子や発熱素子への駆動電圧印加で、圧力を加えてインク粒子を吐出するようになったノズルを、列状に多数配置したライン型記録ヘッドである。
【0005】
そしてこのライン型記録ヘッドのノズル列に沿い、ノズル孔に対向させて荷電偏向電極を設置し、吐出したインク粒子を偏向し、記録用紙上の各画素位置に隣接ノズルから吐出された複数のインク粒子が多重に配置出来るようにし、ノズル故障による記録欠陥を防止し、記録の信頼性を飛躍的に向上させ、また記録ムラを改善することが可能な、インク粒子偏向式ライン走査型オンデマンドインクジェットプリンタが提案されている。
【0006】
ところで、オンデマンドインクジェット方式ライン型記録ヘッドでは、各ノズルから何時もインク粒子が吐出しているコンティニュアスインクジェット方式とは異なり、記録データに合わせて、記録ドット形成が必要な時にインク粒子を吐出させるため、ノズル孔近辺のインクが乾燥し、記録ドットの吐出が不安定になる課題があり、この課題を解決する予備吐出装置を備えたインクジェット記録装置が従来から提案されている。
【0007】
従来の予備吐出装置は、記録を中断し、記録ヘッドをインク受けのある場所に移動し、そこで予備吐出を行う。また、記録ヘッドをインク受けのある場所に移動するのに時間がかるため、この時間ロスを減らすため、特開2000−211159号公報には、ヘッドを移動せずにインク受けをヘッドと記録用紙の間に移動させる装置が開示されている。また、特開平11−334106号公報では、記録用紙と記録ヘッドの間に、インク吐出方向からずれた位置にインク受けを設置し、予備吐出を行う時に空気流や静電力を予備吐出粒子に作用させて、インク受けで予備インク粒子の記録用紙への付着を遮蔽する装置が開示されている。
【0008】
一方、記録動作を中断しないで、予備吐出を行うインクジェット記録装置が提案されている。このインクジェット記録装置は、記録ヘッド上に形成されたノズル孔から、記録用紙上に付着させる記録用インク粒子とは別のタイミングで吐出される予備吐出用インク粒子を、傾斜電界によってUターン飛行させ、ノズル孔近傍の電極に回収するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、記録動作を中断しないで予備吐出動作を行う従来のインクジェット記録装置は、記録ヘッド上に形成したノズル孔に対向した位置の記録用紙に予備吐出用インク粒子が付着しないようにするため、傾斜電界を発生させ、予備吐出用インク粒子をその傾斜電界によってUターン飛行させるものである。
【0010】
従って、記録ヘッドと記録用紙との距離が変動して、すなわち、記録用紙が浮き上がったりすると、記録用紙がUターン飛行中の予備吐出用インク粒子に接触するので、記録用紙に予備吐出用インク粒子が付着して、インク汚れが発生するという問題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、記録ヘッドと記録用紙の距離が変動しても、記録用紙上に予備吐出用インク粒子によるインク汚れが発生しないインクジェット記録装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、オリフィス板に設けられたノズル孔からインク粒子を吐出するノズル素子と、記録用紙に対向した位置に配したインク受け部と、前記ノズル素子の近傍に設けられ且つノズル素子が保持するインクと同電位となるように前記オリフィス板と前記インク受け部とを導通する導電体と、前記記録用紙の背面に設けられた背面電極と、前記導電体と前記背面電極の間に電圧を印加してインク吐出方向から傾いた傾斜電界を発生させる電圧印加手段とを有し、前記ノズル孔から記録用のインク粒子及び予備吐出用インク粒子を発生させ、前記記録用のインク粒子は前記ノズル孔に対向した位置に配した記録用紙の任意の位置へ向けて吐出されると共に、前記予備吐出用インク粒子は前記ノズル素子の駆動と前記電圧印加手段を制御して前記傾斜電界で荷電偏向して前記ノズル孔側に向けてUターン飛行させることにより前記インク受け部に着弾させるインクジェット記録装置において、前記記録用紙の浮き上がり量を計測する用紙浮き上がり量計測手段と、用紙浮き上がり量計測値が所定値を越えたときに予備吐出用インク粒子の発生を停止する予備吐出用信号停止手段とを設けたことを特徴とする。
【0013】
また、予備吐出用信号停止手段は、被記録体の走行軌道が予備吐出用インク粒子Uターン飛行軌道と交錯する範囲に入る被記録体浮き上がり量を越えた時に、予備吐出用信号を停止することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の例について図を参考にしながら説明する。
【0015】
図1は、本発明による予備吐出制御を行うインク粒子偏向型オンデマンド方式のライン型インクジェットプリンタである。図2は、記録ヘッドモジュール10のノズル孔側からの斜視拡大図である。
【0016】
本例の予備吐出制御を行うインク粒子偏向型オンデマンド方式のライン型インクジェットプリンタは、記録ヘッドモジュール10の各々に取り付けられた、傾斜電界発生と予備吐出インク粒子用インク受けを兼ねるオリフィス電極兼インク受け11と、記録ヘッドモジュール10を複数個搭載した記録ヘッドモジュールマウンタ20に対向し記録用紙60の背面に設置した用紙背面電極30とを備え、且つ、用紙背面電極30に荷電偏向信号を供給する荷電偏向制御信号発生回路40と、予備吐出インク粒子を発生させる予備吐出信号作成回路56と、記録用紙60の浮き上がり量を計測する用紙浮き上がり量計測センサ100と、用紙浮き上がり量計測センサ100の計測値によって予備吐出用インク粒子を停止させる予備吐出用信号停止回路57とを備える。
【0017】
記録ヘッドモジュール10のノズル孔12から記録信号入力データに応じて吐出したインク粒子は、傾斜電界で荷電偏向され、矢印Aの方向に移動する記録用紙60上に着地(付着)し、記録ドット70から構成される所望の記録を行うことができる。そして、ノズル孔12から予備吐出信号作成回路56の出力に応じて吐出したインク粒子は、傾斜電界で荷電偏向され、Uターン飛行してオリフィス電極兼インク受け11に着地して回収される。
【0018】
記録ヘッドモジュール10は、オンデマンドインクジェット方式のライン型記録ヘッドモジュールであり、n個のノズル素子から構成され、各ノズル素子は、図2の金属等導電部材のオリフィス板13に所定ピッチで列状に配置したn個のノズル孔12を開口としている。各ノズル素子は図には記載されていないが、ノズル孔12を開口端とするインク加圧室、このインク加圧室にインクを導くインク流入孔、このインク流入孔にインクを供給するマニホールドを備える。
【0019】
また、インク加圧室には、該インク加圧室の体積を記録信号に応じて変化させるPZT圧電素子等のアクチュエータが取り付けられている。各ノズルの構造は同一構造である。各ノズル素子のPZT圧電素子にはインク粒子吐出制御信号作成装置50からの駆動信号が供給されるようになっており、記録信号に応じて各ノズル孔12からインク粒子が吐出される。例えば、約30μmのノズル孔から10ng程度のインク粒子が5m/sで記録用紙60に向けて吐出される。
【0020】
インク粒子吐出制御信号作成装置50は、記録信号入力データに応じて、タイミング信号発生回路52からのタイミングをもとに記録制御信号を作成する記録信号作成回路51と、この制御信号を受けて記録ヘッドモジュール10の各ノズル素子PZTを駆動するするための駆動用パルス信号を発生するPZT駆動パルス作成回路53、駆動用パルス信号をPZT駆動するのに好適な電力に増幅するPZTドライバ回路54を備える。
【0021】
そして、記録信号入力データや記録信号作成回路51からの情報信号をもとに、各記録ヘッドモジュール10の各ノズル孔12からの記録ドット形成用インク粒子の吐出状態を監視し、記録ドット非形成の状態が続く場合に、予備吐出用のインク粒子を吐出させるPZT駆動信号を発生させるための予備吐出信号作成回路56と、用紙浮き上がり量計測センサ100の計測値によって予備吐出用インク粒子を停止させる予備吐出用信号停止回路57を備える。
【0022】
傾斜電界発生用オリフィス電極兼インク受け11は、例えば厚さ0.5mm程度の導電性を有する金属製等の板であり、この板が図2のようにオリフィス板の上面にノズル孔列に沿って、約300μm離して取り付けてある。そして、傾斜電界発生用オリフィス電極兼インク受け11はオリフィス板13、ノズル内インクとともに接地されている。また、前記金属板の表面には厚さ0.2mm程度のインク受け用インク吸収体111が埋め込まれている。この吸収体111には、ステンレス繊維を固めた板材や、多孔質のステンレス焼結体の板材が使用可能である。また、インク受け用インク吸収体111の記録ヘッドモジュール端部には、インク吸引パイプ112がとりつけられており、インク吸収体111のインクはその毛細管を通じてインク吸引パイプ112により吸い出される。
【0023】
用紙背面電極30は、金属等の導電性部材で形成された平板であり、各記録ヘッドモジュール10のオリフィス板13に対向し、オリフィス面から約1.5mm離れた位置に、オリフィス面と平行に設置される。そして、用紙背面電極30には荷電偏向制御信号発生回路40からの荷電偏向信号が印加される。
【0024】
荷電偏向制御信号発生回路40は、タイミング信号発生回路52からのタイミングと記録信号作成回路51からの制御信号をもとに、所定の荷電偏向信号を発生する荷電偏向信号作成回路41、荷電偏向信号作成回路41からの信号を所定電圧に増幅する背面電極ドライバ回路42よりなる。
【0025】
図3から図5は、本発明による予備吐出装置を備えたインク粒子偏向型オンデマンド方式のライン型インクジェットプリンタの動作原理を説明するための図である。図3はノズル孔周辺の断面図である。以下、これらの図を参照しながら動作を説明する。
【0026】
傾斜電界発生用オリフィス電極兼インク受け11とオリフィス板13は導体で、接地されており、用紙背面電極30には荷電偏向制御信号発生回路40からの荷電信号電圧が印加されているので、これら電極間には電界が形成される。
【0027】
図4は、図3のような動作条件の場合における、傾斜電界発生用オリフィス電極11付きのオリフィス板13と、用紙背面電極30の間の等電位面80を示したものである。この例から分かるように、電界が作用しないときのノズル孔から吐出したインク粒子の飛行軌道、すなわち、非偏向インク粒子飛行軌道90の近辺では電界の方向がインク吐出方向から傾斜しており、傾斜電界85を形成している。
【0028】
従って、図3で、インク粒子吐出制御信号作成装置50からのPZT駆動パルスのPZT55への印加で、ノズル孔から吐出したインク粒子14を荷電偏向制御信号発生回路40で荷電すれば、帯電インク粒子は傾斜電界で、非偏向インク粒子飛行軌道90と垂直な方向即ちインクの吐出方向と垂直な方向に偏向されることになる。尚、図4から分かるように、このような電極配置では傾斜電界の方向は、インク粒子の飛行初期段階において、非偏向インク粒子飛行軌道80に対し直交の度合いが大きくなる。したがってインク粒子14の飛行初期段階から大きな偏向力を作用させることができる。
【0029】
図5は単一のノズル孔12から吐出させたインク粒子14を偏向制御して(a)のような記録パターンを得るとともに、(a')のように予備吐出粒子を発生させUターン飛行制御する場合の記録動作を説明する図である。(b)はインク粒子を吐出制御するためのインク粒子吐出制御信号作成装置50からのPZT駆動パルス信号であり、(c)は荷電偏向制御信号発生回路40からの荷電偏向制御信号である。
【0030】
(b)の波形においてb1のパルスが印加されると、このタイミングから少し遅れてインク粒子がノズル孔から吐出される。この時、(c)波形においてc1が印加されている。即ち、背面電極は+1kVである。よって、b1で吐出したインク粒子は負に荷電される。
【0031】
従って、このインク粒子は記録紙に向かって飛行中に−1kvとなり、傾斜電界85による偏向電界中を飛行するので、傾斜電界85により偏向力を受け、矢印Aの方向に一定速度で移動する記録用紙上に、(a)でのa1の記録ドットを形成する。即ち、インク粒子の飛行軌道は、図3での飛行軌道92をたどることになる。尚、この場合、この偏向飛行途中において、インク粒子の飛行速度は幾分減速される。
【0032】
次に、時間T経過後の時刻T2では、(b)のb2のパルスが印加されると、このタイミングから少し遅れてインク粒子がノズル孔から吐出されるが、この時、(c)波形の電位は−1kVでありこの電圧が背面電極に印加されている。よってb1で吐出したインク粒子は正極性の所定電荷量に荷電される。
【0033】
従って、この帯電粒子は、その後の(c)波形の−1kVにより形成されている傾斜電界85により、記録紙に向かって飛行する間に偏向力を受け、図3での飛行軌道91をたどって、矢印Aの方向に一定速度で移動する記録用紙上に、(a)でのa2の記録ドットを形成する。尚、この場合、この偏向飛行途中において、インク粒子の飛行速度は幾分加速される。
【0034】
次の時間T経過後の時刻T3では(b)のようにパルスが印加されないのでインク粒子は吐出されず、(a)のa3の位置には記録ドットは形成されない。
【0035】
次の時間T経過後の時刻T4、T5でもインク粒子は吐出されず、(a)のa4及びa5の位置にも記録ドットは形成されない。
【0036】
時刻T6では、a2の位置に記録ドットを形成した時と同様に、b6で発生したインク粒子は−1kVで正に荷電され、傾斜電界で偏向されてa6の位置に記録ドットを形成する。以上の記録動作を繰り返すことにより、記録用紙上に(a)のように所望の記録を得ることができる。
【0037】
以上では、インク粒子を吐出して記録ドットを形成する区間の動作を説明したが、空白を記録する記録ドット非形成区間ではノズル孔からインクは吐出されなくなる。この期間にノズル孔近辺のインクが乾くとインク粘度が上昇し、記録ドット再形成区間の初期に発生する記録用インク粒子が吐出不安定になって正確に記録できなくなる。
【0038】
そこで、本例では図5で、時刻T7やT8のように記録ドット非形成のタイミングで予備吐出用インク粒子を発生させる。すなわち、吐出駆動信号b7、b8を印加する。これらの駆動信号は、b1やb2のより信号振幅を小さく設定されている。従って、記録用粒子が、例えば重量10ng、吐出速度5m/s程度であるのに対し、予備吐出用インク粒子は重量7ng、吐出速度2.5m/s程度と軽重量・低速度で吐出される。また、これらの粒子はc7、c8のように+1kVで荷電され、負極性に帯電するように設定してある。
【0039】
従って、これらの予備吐出用インク粒子は、図3の予備吐出インク粒子15のように予備吐出インク粒子Uターン飛行軌道93をとって、傾斜電界発生用オリフィス電極兼インク受け11のインク受け用インク吸収体111に着弾する。なぜなら、負極性に帯電した予備吐出用インク粒子は、記録用紙60に向かって当初飛行するが、傾斜電界で減速され、その後逆にオリフィス板13の方向に戻される。同時に傾斜電界でインク粒子吐出方向と垂直方向に偏向されるからである。
【0040】
尚、予備吐出用インク粒子向け荷電偏向信号のパルス波高c7、c8の値を、記録ドット形成用インク粒子向け荷電偏向信号のパルス波高値c1等より高くして、予備吐出用インク粒子の帯電量を大きくすれば、予備吐出用インク粒子は更にUターンし易くなる。以上のように、予備吐出粒子は記録用紙に付着することなく回収される。この予備吐出により、ノズル孔部でのインク粘度の上昇が押さえられるため、記録ドット再形成区間に入ったときのT9やT10で発生する初期記録用インク粒子も正常安定に発生し、正規の所望位置a9、a10の位置に記録ドットを形成することができる。
【0041】
以上の動作原理から分かるように、本発明による予備吐出装置では予備吐出用のインク粒子を1個、1個正確に制御できるため、予備吐出用のインク粒子を必要な時点で1個からの必要な個数分発生させることが可能である。また、記録ドット再形成区間でもT11のような記録ドットを形成しない時点で発生させることもでき、必要な時点で、必要な量の予備吐出動作が行えて自由度が非常時大きい。
【0042】
そこで、長尺のページ幅ライン型記録ヘッドの各ノズルを一斉に予備吐出動作を行う必要がなく、各ノズルの記録用インク粒子吐出状態に応じて適正な時点と頻度で予備吐出用インク粒子を発生させる。これにより、予備吐出時に記録を中断する必要がなく、連続紙にスループットを低下させずに連続記録が可能である。
【0043】
また、予備吐出用のインク受けが、傾斜電界発生用オリフィス電極に仕込まれているため、記録ヘッドのノズルと記録用紙のギャップをあまり広げることがなくインク受けが設置でき、記録精度低下や記録用紙ジャムが起こりにくい、連続紙対応の高速ライン走査型インクジェットプリンタに好適な予備吐出装置を備えたインクジェット記録装置を提供することができる。
【0044】
この高信頼の偏向オンデマンド記録動作を、ノズル孔の間隔と、ノズル孔からのインク粒子吐出制御と、偏向方向及び偏向量を所定値に設定することにより、異なる複数のノズル孔から吐出したインク滴を偏向して、同一画素位置またはその近傍の位置に、インク粒子を多重打ち込み可能に構成可能である。
【0045】
これにより、1ノズルが故障して記録ドットを打てなくなっても、他のノズルでバックアップ可能な高信頼なインクジェット記録装置を構成できる。また、複数ノズルで1画素を形成するため、記録ムラを軽減することも可能になり、ライン型インクジェットプリンタでの本質的問題を解決できる。
【0046】
以上で説明したライン型インクジェットプリンタにおいて、図6、図7のように連続用の記録用紙60の折り目部が、何らかの原因で大きく浮き上がったまま、ノズル孔12の下に来ると、記録用紙60の折り目部の走行軌道が予備吐出インク粒子Uターン飛行軌道93と交錯してしまうので、予備吐出用インク粒子15が記録用紙60の折り目部に付着して、記録汚れとなってしまう。この記録汚れは記録信号による記録画像ではないので、画像品質を著しく低下させる。
【0047】
そこで、図1のように、記録ヘッドモジュール10の近傍に用紙浮き上がり量計測センサ100を設けて、記録用紙60の浮き上がり量を計測して、用紙走行軌道が予備吐出インク粒子Uターン飛行軌道93と交錯する領域に入る浮き上がり量を越えた場合に、予備吐出インク粒子15の吐出を停止させるように制御する。
【0048】
図8は、記録用紙浮き上がり量計測センサ100の浮き上がり量計測値と予備吐出インク粒子15の吐出信号との関係である。(a)は用紙浮き上がり量計測センサ100の計測値、(b)は図1に示した予備吐出信号停止回路57の制御信号、(c)は予備吐出信号作成回路56が出力する予備吐出用信号、(d)は予備吐出信号停止回路57が出力する制御された予備吐出用信号である。
【0049】
(a)のように、記録用紙浮き上がり量計測センサ100の出力が点線で示した所定値(記録用紙60の走行位置が予備吐出用インク粒子Uターン飛行軌道93と交錯する領域)を越えると、(b)のように予備吐出信号停止回路57は予備吐出信号を停止させるように制御信号を作成する。
【0050】
従って、(c)のように予備吐出信号作成回路56が出力した予備吐出信号は、(a)の用紙浮き上がり量計測センサ100の計測値によって制御されて、(d)のような制御された予備吐出信号に変更される。
【0051】
本例によれば、記録ヘッドモジュール10の近傍に用紙浮き上がり量計測センサ100を設けて、記録用紙60の浮き上がり量を計測して、浮き上がり量が予備吐出インク粒子Uターン飛行軌道93と交錯する領域に入る値を越えた場合に、予備吐出インク粒子15の吐出を停止させるので、予備吐出用インク粒子15が用紙60に付着して画像品質を著しく低下させることはない。
【0052】
上記の説明では、用紙浮き上がり量計測センサ100の設置位置を、記録ヘッドモジュール10に対して記録用紙60の走行方向の上流側にしたが、記録ヘッドモジュール10の真下すなわちノズル孔12の真下に設置すれば、計測値に対してさらに厳密な吐出制御ができる。
【0053】
また、上記では、記録用紙60を連続紙として説明したが、カット紙でも同様の効果が得られる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、記録用紙の浮き上がり量を計測して、用紙走行軌道が予備吐出用インク粒子Uターン飛行軌道と交錯する領域に入る浮き上がり量を越えた場合に、予備吐出用インク粒子の吐出を停止させるので、予備吐出用インク粒子が用紙に付着して画像品質を著しく低下させることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の例におけるインク粒子偏向型オンデマンド方式のライン型インクジェットプリンタの構成図である。
【図2】 本発明の例における記録ヘッドモジュールの部分拡大図である。
【図3】 本発明によるインク粒子偏向型オンデマンド方式のライン型インクジェットプリンタのノズル孔周辺の断面図である。
【図4】 図3のような動作条件の場合における等電位面を示す図である。
【図5】 本発明によるインク粒子偏向型オンデマンド方式のライン型インクジェットプリンタの動作説明図である。
【図6】 用紙が浮き上がった場合の課題を説明するための模式図である。
【図7】 用紙が浮き上がった場合の課題を説明するための模式図である。
【図8】 本発明による予備吐出動作を説明するためのタイミング図である。
【符号の説明】
10は記録ヘッドモジュール、11は傾斜電界発生用オリフィス電極兼インク受け、111はインク受け用インク吸収体、112はインク吸引パイプ、12はノズル孔、13はオリフィス板、14はインク粒子、15は予備吐出インク粒子、20は記録ヘッドモジュールマウンタ、30は用紙背面電極、40は荷電偏向制御信号発生回路、41は荷電偏向信号作成回路、42は背面電極ドライバ回路、50はインク粒子吐出制御信号作成装置、51は記録信号作成回路、52はタイミング信号発生回路、53はPZT駆動パルス作成回路、54はPZTドライバ回路、55はPZT、56は予備吐出信号作成回路、57は予備吐出信号停止回路、60は記録用紙、70は記録ドット、80は等電位面、85は傾斜電界、90は非偏向インク粒子飛行軌道、91は正帯電偏向インク粒子飛行軌道、92は負帯電偏向インク粒子飛行軌道、93は予備吐出インク粒子Uターン飛行軌道、100は用紙浮き上がり量計測センサ、Aは記録用紙送り方向である。

Claims (2)

  1. オリフィス板に設けられたノズル孔からインク粒子を吐出するノズル素子と、記録用紙に対向した位置に配したインク受け部と、前記ノズル素子の近傍に設けられ且つノズル素子が保持するインクと同電位となるように前記オリフィス板と前記インク受け部とを導通する導電体と、前記記録用紙の背面に設けられた背面電極と、前記導電体と前記背面電極の間に電圧を印加してインク吐出方向から傾いた傾斜電界を発生させる電圧印加手段とを有し、前記ノズル孔から記録用のインク粒子及び予備吐出用インク粒子を発生させ、前記記録用のインク粒子は前記ノズル孔に対向した位置に配した記録用紙の任意の位置へ向けて吐出されると共に、前記予備吐出用インク粒子は前記ノズル素子の駆動と前記電圧印加手段を制御して前記傾斜電界で荷電偏向して前記ノズル孔側に向けてUターン飛行させることにより前記インク受け部に着弾させるインクジェット記録装置において、
    前記記録用紙の浮き上がり量を計測する用紙浮き上がり量計測手段と、用紙浮き上がり量計測値が所定値を越えたときに予備吐出用インク粒子の発生を停止する予備吐出用信号停止手段とを設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記予備吐出用信号停止手段は、前記記録用紙の走行軌道が予備吐出用インク粒子Uターン飛行軌道と交錯する範囲に入る被記録体浮き上がり量を越えた時に、前記予備吐出用インク粒子の発生を停止させることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
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