JP3849387B2 - サーマルプロテクタ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は密閉形電動圧縮機に使用される電動機、特に三相用電動機を焼損から保護するのに適したインターナルサーマルプロテクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の三相用サーマルプロテクタはアスペクト比がほぼ1に近くその1方向の長さは巻線端部の幅よりも大きいために、密閉形電動圧縮機の電動機巻線上に取り付けるのが困難であった。これは従来のサーマルプロテクタにおいては直接バイメタル等の熱応動板に通電して過電流時などにはその発熱量の増加によってバイメタルを駆動しており、三相電源の各相に対して反応時間のバランスをとるためにバイメタルをほぼ円形に近い形とするとともに接点等を正三角形となるように配置して各相の電路を対称にしていたためである。
【0003】
そこで本出願人は特開平10−21808などにおいて、従来のものよりもアスペクト比が細長い形状のサーマルプロテクタを提案している。このサーマルプロテクタは熱応動板及び各相に設けられたヒーターに通電し、その電流による発熱で熱応動板を加熱する構造としたことにより、熱応動板には電気抵抗の低いものを使用し、熱応動板のアスペクト比が細長であって電路のバランスに偏りがあってもこのヒーターによって各相の通電による熱応動板への加熱量のバランスをとるようにしたものである。その結果、プロテクタ全体の形状も細長くして電動機巻線上に取り付けやすくすることができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電動機に取付けられたサーマルプロテクタは、周囲の温度が異常に上昇した時はもちろん、例えば電動機の回転が何らかの原因で拘束されて通常の運転電流より大きな拘束電流が流れた場合にもその電流を検知して電動機巻線が焼損する前に電路を遮断して保護する必要がある。これらのサーマルプロテクタは通常の運転電流では動作しないが、拘束電流のように過大な電流が連続して通電されると内部の電路で生じた発熱により動作して端子間の電路を遮断する。
【0005】
その一方でこれらの過電流の原因が一時的な高負荷状態でありその要因を取り除くことにより運転可能な状態となる場合を考慮して、サーマルプロテクタは再閉路可能にされている。特に密閉形電動圧縮機の密閉容器内に取り付けられる場合には、プロテクタ内部温度が所定の温度にまで低下すると自動で再閉路するようにされている。
【0006】
この様に自動復帰するサーマルプロテクタにおいては、電動機の継続的な拘束状態が発生した時には、この電動機への主電源が遮断されない限り動作と復帰を繰り返すことになる。直熱型のサーマルプロテクタにおいては熱応動板自体が直接電流により加熱される構造であることから過電流に対して熱応動板の反応速度、つまりサーマルプロテクタとしての動作速度が速くなるが、サーマルプロテクタとしてはその大部分の熱を発生するのが熱応動板と局部的であるために、サーマルプロテクタが動作して通電が遮断されると内部の加熱されていない低温な部位に熱応動板の熱が奪われて復帰時間も短くなる。
【0007】
この様に復帰時間が短いと過電流により上昇した電動機巻線の温度は電流遮断中に充分低下せず、サーマルプロテクタが動作と復帰を繰り返すうちに徐々に電動機巻線の到達温度は高くなり、最終的には焼損にいたる可能性がある。またサーマルプロテクタの耐久寿命は実質的に動作回数で決まるので、サーマルプロテクタの耐久寿命を延ばすためには作動サイクルを長くして時間あたりの動作回数を減らすことが有効である。特に電動機巻線温度の上昇を抑える為にはサーマルプロテクタの動作時間(通電時間)は長くせず復帰時間(遮断時間)のみを長くするべきである。しかしながら従来の直熱型のものにおいては通電によって熱応動板は即時に加熱されるが周囲の部品が加熱される速度は熱応動板ほどには早くないので、熱応動板の熱はこれらの低温である周辺部品に奪われるのも早く、作動サイクルを長くすること、特にその復帰時間のみを長くすることは難しく、それに伴ない動作回数を減らす事は困難であった。
【0008】
また前述した特開平10−21808のサーマルプロテクタにおいては、熱応動板に抵抗値の低いものを使用してヒーターにより熱応動板を加熱する構造としているので、熱応動板の周囲の部品も熱応動板と共に加熱されるので従来のものと比較して熱応動板からの熱は逃げにくくなる。しかし熱応動板を明らかに電路に直列に接続しているために熱応動板が周囲より高温になりやすい構造であることには変りはなく、まだ対策としては不充分である。さらに熱応動板の材質としてバイメタルとかトリメタルなどを使用した場合、適切な湾曲定数とか使用温度範囲のものを選定すると、その固有抵抗値を自由に選定できるとは限らず、所望の電流値での使用が可能なサーマルプロテクタが必ずしも得られないという不都合も生ずる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1のサーマルプロテクタは、金属製ハウジングと蓋板で容器を構成し、この蓋板は金属板を有し、この金属板には貫通孔が穿たれ2本の導電端子ピンがそれぞれ金属板とは電気的に絶縁されながら挿通固定されており、各々の導電端子ピンの前記気密容器内部側先端には固定接点が接続固定されており、前記ハウジングの内面には充分な剛性を有する金属製の基板が導電的に固定され、この基板は中央部に固着部を有すると共に両端近傍に後述の熱応動板の両端を保持する支持部を有し、基板の固着部には金属製の環状の弾性板が固定され、この弾性板はその環状部の内側に前記基板の支持部が収容されており、この弾性板の可動部には発熱部材が固着され、この発熱部材には2個の可動接点が前記固定接点と対向して開閉動作可能な位置関係に配置されるとともに発熱部材のほぼ中央に熱応動板が連結され、この熱応動板は浅い皿状に成型され所定の温度で湾曲方向を急跳反転するように設定されたものであり、さらに熱応動板の両端部は前記基板の支持部によって上下移動を規制され、通常は熱応動板がその中央部で発熱部材を介して可動接点を固定接点に押しつけて接触状態としており、熱応動板が所定の温度以上になるとその反転方向を変える事により可動接点は発熱部材と共に固定接点から引き離される様に構成されていることを特徴としている。
【0010】
上記手段によれば熱応動板を電路に直列に配置せず発熱部材によって過熱される構造としたことにより、サーマルプロテクタに過電流が流れると発熱部材は熱応動板と同時に周囲の部品も同様に加熱する。そのためサーマルプロテクタが動作したときに熱応動板の熱が周囲の部品に奪われ難くなるので復帰時間、つまり電路が遮断されている時間が延び、時間あたりの動作回数が減ってサーマルプロテクタの動作寿命を延ばすことができる。さらに熱応動板を電路から外すことにより熱応動板の形状の自由度が増すので、その結果、サーマルプロテクタの容器全体の形状をアスペクト比の大きい電動機巻線に取り付け易い形状とすることができる。
【0011】
請求項2のサーマルプロテクタは、請求項1のものにおいて熱応動板が発熱部材及び基板の少なくとも一方と電気絶縁されていることを特徴としている。
【0012】
上記手段によれば、熱応動板に流れるバイパス電流を完全に遮断することにより、発熱部材に抵抗値の高いものを使用した場合や特に大きな電流が通電される場合においても熱応動板はそのバイパス電流により自己発熱することは無く、確実に所期の性能を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。図1は本発明のサーマルプロテクタの縦断面図を、また図2はサーマルプロテクタの外観斜視図を、さらに図3乃至6には部品を説明するための分解斜視図を、そして図7には図1に示したサーマルプロテクタの動作時の縦断面図を示す。
【0014】
このサーマルプロテクタ1は金属製の長ドーム型ハウジング2とこのハウジングの開口端部にリングプロジェクション溶接などの方法で金属板に導電端子ピンを具えた蓋板3を固着することにより、耐圧力性能の高い気密容器が構成されている。
【0015】
蓋板3は前記ハウジング2の開口部と対応する形状の金属板4に2箇所の貫通孔4Aを穿ち、各々の貫通孔に挿通されガラスなどの電気絶縁性充填材4Bで気密に絶縁固定された導電端子ピン5A、5Bで構成されている。また金属板4の周縁部にはハウジング2との溶接時の熱的なバランスをとるために厚みを薄くしたフランジ4Cが設けられている。
【0016】
気密ハウジングの中には接点機構が納められている。ハウジング2の中央突起2Aの内面には金属性の基板6がその固着部6Aのプロジェクションにより溶接固定されている。この基板6は他の可動部材と比較して充分に厚くして強度を持たせてあり、後述する可動部材を取り付ける事により熱応動スイッチの駆動ユニット部を構成している。基板6のほぼ中央部で下方に突出した固着部6Bのプロジェクションには弾性板7が固定されると共に、基板6の長手方向両端近傍即ち基板の左右には後述する熱応動板10を保持する切り欠き部分を有する支持部6Cが設けられている。
【0017】
この基板6に固定される弾性板7には導電性を良くして通電による発熱を抑えると同時に充分な弾性を得るために鉄−銅−鉄クラッド材が使用されるのが好ましい。弾性板7が環状にされているのはその固定部と動作部の間の限られた空間内でしなやかな動きを得やすくすると同時に、バネとなる部分を固定部から並列に設けることにより捩れなどの不具合を回避するためである。また長手方向部分のそれぞれに段部7Aが設けられているのは、サーマルプロテクタ全体の形状を細長くするために、幅方向の寸法増加を抑えながら効率のよい部品配置にするためである。弾性板7は固定部7Bにおいて、図4に示すように前記基板6の固着部6Bに溶接される。
【0018】
弾性板7の固定部7Bに対向する可動部7Cには図5に示すように、板状の発熱部材であるヒーター8が溶接などの方法で固定される。このヒーター8としては例えば板状の鉄−クロム合金などの抵抗材が使用されるが、その材質や寸法などはサーマルプロテクタとしての特性を満足する抵抗値となる様に適宜選択される。ヒーター8には左右対称に2本のスリット8Aが設けられ、このそれぞれのスリット8Aの内側部分8Bには共に一方の面に可動接点9A、9Bが固着される。ヒーター8の中央には前記弾性板7との溶接部8Cが設けられている。スリット8Aの数や形状はこの溶接部8Cと各接点との間、及び各接点間のそれぞれの抵抗値がほぼ揃う様にしてヒーター8からの熱応動板10に対する熱交換関係が各電路において実質的に同一になるように設計される。またヒーター8のほぼ中央には、上端が若干細い段部を有する連結子11Aが固着されている。
【0019】
熱応動板10はバイメタルやトリメタル等を浅い皿状に絞り成型した部分を有することにより所定の温度で急跳反転動作及び復帰動作を行うものである。その中央には貫通孔10Aが穿たれており、この貫通孔の直径は前記連結子11Aの太い部分の直径より小さく、且つ先端の若干細い部分の直径より大きくされている。この熱応動板10は図6に示すように弾性板7及び基板6の間に挿通配置される。熱応動板10には貫通孔10Aに連結子11Aの先端を挿通し、その連結子先端に熱応動板の貫通孔10Aよりも直径の大きい連結板11Bを固着することにより熱応動板10はヒーター8に連結される。ここで連結子11Aの先端段部の高さは熱応動板10の厚みよりも若干余裕を持っており、これにより熱応動板は連結子と連結板で固定される事無く遊嵌状態で連結される。
【0020】
また熱応動板10はその短辺側のほぼ中央の境界部10Bで長辺方向の寸法を変えている。熱応動板10の組付け時にはこの寸法の狭い側が基板6の左右両端に設けられた支持部6Cの切り欠き部分に挿入されて、両端部の上下方向の動作が規定される。ただし、支持部の切り欠きの高さは熱応動板10の板厚に比して熱応動板の反転動作を拘束しない若干の余裕を有している。さらに左右の支持部6C間の寸法は熱応動板の長手方向最長の寸法よりも狭いため、連結子11Aと連結板11Bとで連結保持されている熱応動板10が連結子を中心に回転しようとしても、熱応動板の左右両端に位置する境界部10Bが支持部6Cに当接するのでその回転は防止される。またこの時、熱応動板10は弾性板7とほぼ平行に配置されるが、段部7Aを通して一方は弾性板7の上に、他方は弾性板の下に位置することになる。
【0021】
こうして基板6上に駆動部ユニット12がまとめられることにより、基板6の固着部6Aをハウジング2の中央突起2Aの内面に溶接などにより固着する事で駆動部ユニット全体がハウジング2に装着固定される。
【0022】
蓋板3には導電端子ピン5A、5Bの端部に固定接点13A、13Bがそれぞれ金属製の固定接点支持体14A、14Bを介して固定されている。この固定接点13A、13Bは各々前述の可動接点9A、9Bと接触または開離する位置に配置され、また蓋板3の金属板4と各々の固定接点支持体14A、14Bとの間には、それぞれセラミックスなどの絶縁板15が挟持されている。この絶縁板15は固定接点支持体によって弾性的に挟まれて固定されており、各固定接点支持体と金属板との電気絶縁性能を上げると共に、可動接点からの圧力を受けても固定接点の位置が変わらない様にすることができる。
【0023】
ハウジング2と蓋板3のそれぞれに部品を装着した後に、前述した様にハウジング2の開口端部に蓋板3の周縁に設けられたフランジ4Cを固着することにより気密容器を構成し、可動接点9A、9Bと固定接点13A、13Bとがそれぞれ開閉可能なサーマルプロテクタ1が構成される。さらにこのように気密容器を構成した後にハウジング2の中央突起2Aを外側から押圧して僅かに変形させることにより、中央突起2Aに固着された基板6及び弾性板7及び熱応動板10を介してヒーター8に固着された可動接点9A、9Bと固定接点13A、13Bの接触圧力を調整し、熱応動板の動作特性を微調整することができる。
【0024】
次にこのサーマルプロテクタ1の動作について図1及び図7を参照しながら説明する。所定の動作温度以下の状態においては、皿状に絞り成型された熱応動板10は図示下向きに凸となる如く湾曲している。この状態において、熱応動板10の両端部は基板6の支持部6C切り欠き上側に当接し、連結子11Aを介してヒーター8を図示下方に押し下げ、このヒーター8に固着された可動接点9A及び9Bを固定接点13A、13Bに接触させている。
【0025】
この状態において、サーマルプロテクタ1内の電路としては、金属板4とそれぞれの導電端子ピン5Aまたは5Bとの間の電路、つまり金属板4−ハウジング2−基板6−弾性板7−ヒーター8−可動接点9A(9B)−固定接点13A(13B)−固定接点支持体14A(14B)−導電端子ピン5A(5B)と、両導電端子ピン間の電路、つまり導電端子ピン5A−固定接点支持体14A−固定接点13A−可動接点9A−ヒーター8−可動接点9B−固定接点13B−固定接点支持体14B−導電端子ピン5Bの合計3電路が構成されている。
【0026】
このサーマルプロテクタ1は三相電動圧縮機の保護に使用される場合には所謂Y結線三相電動機巻線の中性点に接続される。またその取付位置は適宜選択できるが、本発明の場合はその形状が従来のものと比較して細長いので、電動機巻線上に配置しやすくなっている。
【0027】
通電電流の増加に伴なうヒーター8の発熱量の増加や周囲の温度上昇により熱応動板10が所定の動作温度に達して反転すると、熱応動板は基板の支持部6Cに支えられた両端を支点にして湾曲方向を図示上方に変化する。この時、熱応動板10は連結子11Aと連結板11Bで連結されたヒーター8を引き上げ、ヒーター8に固着された可動接点9A、9Bは固定接点13A、13Bから開離されて前述の電路は全て開放される。
【0028】
本発明によれば基本的に熱応動板10は電動機に流れる電流の通路とならないために熱応動板を駆動するための熱は発熱部材であるヒーター8など周囲の部品から与えられるものとなる。そのため明らかに熱応動板よりも発熱部材の方が高温になると共に周囲の部品もまた熱応動板と同様に発熱部材によって加熱されるので、熱応動板が過熱されて動作すると熱応動板の熱は周囲に逃げ難く、従来の直熱型のものと比較して復帰時間を充分に長くすることができる。その結果、作動サイクルは長くなり、時間あたりの動作回数を減らすことができ、電動機が拘束状態となったときなどの動作寿命を確実に延ばすことができる。
【0029】
また本発明においては発熱部材を独立して設けることにより、バイメタルなどの熱応動板と異なり種々広範囲な材料から最適な抵抗値を有するものを選定することができる。さらに熱応動板は従来の直熱型のものにおいては各電路の抵抗値を揃える必要がありその形状が制限されるが、本発明においては有効な急跳反転動作を得るために絞り成型用のある程度一様な平面部分を有していればよいのでその形状の自由度が増す。また発熱部材は剛性が充分に得られるのであれば適切な発熱量及び発熱の分布に必要な形状とすることが可能である。よって保護すべき電動機などの対象機器の特性や取付位置の形状に合わせたサーマルプロテクタを得ることがより容易になる。
【0030】
なお、上述の実施例では基板6の支持部6Cから連結子11Aを介してヒーター8に至る部分で熱応動板10に電流がバイパスする構造となっているが、熱応動板10と支持部6C及び連結子11Aまたは連結板11Bとの間には全て接触抵抗が存在するために溶接などで固着した部分に比べてその抵抗値は比較的高くなり、バイパス電流による影響は少ない。また特に発熱部材の抵抗値を高くすることにより電流がバイパスする比率が比較的高くなる場合や、電動機の拘束電流が大きい場合などには、必要ならば連結子と熱応動板との接触部分や基板6の支持部6Cにセラミックスのような電気絶縁性材料を使用して金属同士が接触しないようにすることにより、このバイパス電流を実質的になくすこともできる。
【0031】
【発明の効果】
本発明のサーマルプロテクタによれば、熱応動板と発熱部材を別回路にした事により、例えば拘束電流などの過電流が流れた際に発熱部材からの熱は熱応動板を加熱すると同時に周囲の各部品も加熱するので、サーマルプロテクタ全体の温度が従来のものよりも高くなる。そのため何らかの原因でこのサーマルプロテクタが動作した場合には従来のものよりも熱応動板の熱は周囲に奪われ難くなり、その結果として非通電状態である復帰時間が長くなり、その間に電動機の温度をより下げる事ができる。
【0032】
さらに電動機の電流に対する保護特性を従来のものとそろえて動作時間をほぼ同等にすると、電動機の拘束状態が継続してサーマルプロテクタのオン−オフが繰り返される場合には、従来のものよりもその通電時間と非通電時間の比が大きくなる。これにより電流遮断による電動機巻線温度の低下時間が長くなり、その結果何らかの原因で拘束状態が続いた時にも電動機巻線温度を比較的低い値で平衡させて焼損を防止することができる。また上記の如く作動サイクル中の非通電時間が長くなることにより作動サイクルが長くなり、拘束状態が続いた時の合計動作回数が減少するので、サーマルプロテクタとしての寿命日数は長くなる。
【0033】
また熱応動板は電路に直列に設置されず電流による発熱に寄与しないので、三相電動機に使用される場合であっても必ずしも円形や正三角形を意識する必要は無く、比較的アスペクト比の大きい熱応動板を使用することによりサーマルプロテクタの容器全体も細長い形状とすることができ、電動機の巻線上に取りつけるのにより適した形状のサーマルプロテクタを得ることができる。
【0034】
また本発明によれば電動機巻線への電流を熱応動板に直接通電せず発熱部材で熱応動板を加熱する所謂傍熱型としたことにより、従来の所謂直熱型のものと比較して、電源電圧の変動とそれに伴なう拘束時等の電流値の変動に対する動作時間の変動の敏感さは従来のものよりも大幅に抑えられる。よって使用される環境下での電力事情などによる電圧変動に対しても安定した特性を広い電圧範囲で有するサーマルプロテクタの製造が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーマルサーマルプロテクタの縦断面図
【図2】図1のサーマルプロテクタの外観斜視図
【図3】図1のサーマルプロテクタの部品を説明するための分解斜視図
【図4】図1のサーマルプロテクタの部品を説明するための分解斜視図
【図5】図1のサーマルプロテクタの部品を説明するための分解斜視図
【図6】図1のサーマルプロテクタの部品を説明するための分解斜視図
【図7】図1に示したサーマルプロテクタの動作時の縦断面図
【符号の説明】
1:サーマルプロテクタ
2:ハウジング
3:蓋板
4:金属板
5A、5B:導電端子ピン
6:基板
6C:支持部
7:弾性板
8:発熱部材(ヒーター)
9A、9B:可動接点
10:熱応動板
11A:連結子
13A、13B:固定接点
14A、14B:固定接点支持体
Claims (2)
- 金属製ハウジングと蓋板で容器を構成し、
この蓋板は金属板を有し、
この金属板には貫通孔が穿たれ2本の導電端子ピンがそれぞれ金属板とは電気的に絶縁されながら挿通固定されており、
各々の導電端子ピンの前記気密容器内部側先端には固定接点が接続固定されており、
前記ハウジングの内面には充分な剛性を有する金属製の基板が導電的に固定され、
この基板は中央部に固着部を有すると共に両端近傍に後述の熱応動板の両端を保持する支持部を有し、
基板の固着部には金属製の環状の弾性板が固定され、
この弾性板はその環状部の内側に前記基板の支持部が収容されており、
この弾性板の可動部には発熱部材が固着され、
この発熱部材には2個の可動接点が前記固定接点と対向して開閉動作可能な位置関係に配置されるとともに発熱部材のほぼ中央に熱応動板が連結され、
この熱応動板は浅い皿状に成型され所定の温度で湾曲方向を急跳反転するように設定されたものであり、
さらに熱応動板の両端部は前記基板の支持部によって上下移動を規制され、
通常は熱応動板がその中央部で発熱部材を介して可動接点を固定接点に押しつけて接触状態としており、熱応動板が所定の温度以上になるとその反転方向を変える事により可動接点は発熱部材と共に固定接点から引き離される様に構成されていることを特徴とするサーマルプロテクタ。 - 熱応動板が発熱部材または基板の少なくとも一方と電気絶縁されていることを特徴とする請求項1に記載のサーマルプロテクタ。
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