JP3849003B2 - 圧送装置およびそれを用いた圧送装置付き便器 - Google Patents

圧送装置およびそれを用いた圧送装置付き便器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は大便器、浴槽、洗面用シンク等の各種給排水設備機器からの排水処理時に圧送装置のエア噛みによる騒音、振動の防止に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、便器、浴槽、洗面所等の水廻り機器からの排水は、配管の勾配を利用して排出する重力式排水が一般的であった。しかしながら、重力式排水においては、基本的に地下や屋内のライフスタイルの変化に柔軟に対応した水廻り機器の設置はできないのが実状である。そこで、最近は、屎尿や雑排水をポンプの利用により強制的に粉砕し、細管にて圧送する圧送装置の技術開発が進められている。図15は、従来の圧送装置の概略図である。ここで、圧送装置50の動作形態について説明する。便器11の洗浄が行われると、便器11から汚物混じりの排水が排出され、本体容器1の流入口2を通して捕捉部8に連結された連結管10の中をとおり、粉砕部7にて粉砕される。その後、捕捉部8に備えられた小穴9を通して排出され、本体容器1の底部に落下し、圧送部4が駆動すると本体容器1の底部に貯溜された汚物混じりの排水は、吸込口5から吸込まれ、圧送管6の中を通り、本体容器1の排出口3を通して外部に圧送排水されることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図15に示すように本体容器1内において、上部に粉砕部7、下部に圧送部4を備え、一つのモーターにてそれらを同時に作動させる圧送装置50において、粉砕部7を通過した汚水は、本体容器1内下部に貯溜している汚水中に落下する。この時、汚水の落下に伴い、空気の巻き込みが発生する。この貯溜水中に巻き込まれた空気12は、圧送部4の吸込口5より吸込まれ、圧送部4ではエア噛みを発生させ、騒音が発生すると同時に圧送部4に接続された圧送管6を通して建物側に騒音、振動を伝播することになる。これは、使用者に不快感を与えるだけでなく、同じ建物内で生活を共にする他の生活者に対しても不快感を与え、更にはエア噛みにより圧送部の排水性能低下をもたらすことになるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、給排水設備機器から排出された汚物混じりの排水が、本体容器内の粉砕部にて粉砕され、捕捉部の小穴を通して、本体容器内の底部に貯溜されている排水中に落下し、空気の巻き込みが発生する。この貯溜水中に巻き込まれた空気が圧送部駆動時に吸込口より吸込まれ、エア噛みが発生し、騒音、振動が発生することを防止するための圧送装置及びその圧送装置を用いた便器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記課題を解決するためになされた請求項第1項記載の発明は、給排水設備機器からの汚物混じりの排水が流入してくる流入口と、外部への排出口を本体容器に備え、前記本体容器内には、汚物等を粉砕する粉砕部と、前記粉砕部に汚物等を捕捉する小穴が配置された捕捉部と、粉砕した汚物混じりの排水を前記排出口を通して前記本体容器外に圧送排出する圧送部を備え、前記粉砕部と前記圧送部が上下に配置された圧送装置において、前記捕捉部に備えられた最下部の小穴の下方に周方向に連続的に形成された空気巻き込み防止板を備えたことを特徴とする圧送装置を提供する。ここでいう空気巻き込み防止板は、本体容器内に上部に粉砕部、下部に圧送部を備えた圧送装置において、粉砕部を通過した汚水は、捕捉部の小穴を通過して本体容器内下部に貯溜している汚水中に圧送部の吸込口より、より遠くに落下するようにしてやり、貯溜されている汚水中に巻き込んだ空気による圧送部のエア噛みの発生を防止するものである。本発明によれば、周方向に連続的に空気巻き込み防止板を設けたことにより、粉砕部にて粉砕された汚物まじりの排水は、捕捉部の小穴を通して飛散しながら落下するが、空気巻き込み防止板により圧送部の吸込口より更に遠くへ落下させることができる。よって、落下した排水により、本体容器内の底部に貯溜されている排水中に空気の巻き込みが発生したとしても圧送部の吸込口より空気が吸込まれることがなく、圧送部のエア噛みによる騒音、振動を防止することができる。また、粉砕部にて粉砕された汚物まじりの排水は、捕捉部の小穴を通して飛散しながら落下するが、捕捉部に備えられた最下部の小穴の下方に空気巻き込み防止板を備えたことにより圧送部の吸込口より更に遠くへ落下させることができる。よって、落下した排水により、本体容器内の底部に貯溜されている排水中に空気の巻き込みが発生したとしても圧送部の吸込口より空気が吸込まれることがなく、圧送部のエア噛みによる騒音、振動を防止することができる。更に捕捉部の最下部小穴の下方に空気巻き込み防止板を備えたことにより組立てが行い易く、捕捉部と空気巻き込み防止板を一体とした場合には、より組立てが行い易くなり施工性、メンテナンス性が向上する。ここで、捕捉部と空気巻き込み防止板は、一体であっても別体であっても構わない。
【0006】
請求項第2項記載の発明は、前記空気巻き込み防止板は、半径方向の外方向に向かって下方に傾斜したことを特徴とする請求項第1項に記載の圧送装置を提供する。本発明によれば、粉砕部にて粉砕された汚物まじりの排水は、捕捉部の小穴を通して飛散しながら落下するが、半径方向の外方向に向かって下方に傾斜した空気巻き込み防止板を設けたことにより、圧送部の吸込口より更に遠くへ落下させることができ、更に汚物まじりの排水は、空気巻き込み防止板の傾斜に沿って、流下するために本体容器内の底部に貯溜されている排水中に勢いよく流入することがないために空気の巻き込みの発生が少なくなり、本体容器内の底部に貯溜されている排水中に空気の巻き込みが発生したとしても圧送部の吸込口より空気が吸込まれることがなく、圧送部のエア噛みによる騒音、振動を防止することができる。
【0009】
請求項第項記載の発明は、給排水設備機器からの汚物混じりの排水が流入してくる流入口と、外部への排出口を本体容器に備え、前記本体容器内には、汚物等を粉砕する粉砕部と、前記粉砕部に汚物等を捕捉する小穴が配置された捕捉部と、粉砕した汚物混じりの排水を前記排出口を通して前記本体容器外に圧送排出する圧送部を備え、前記粉砕部と前記圧送部が別々に配置された圧送装置において、前記粉砕部から飛散した排水が前記圧送部にかからないように前記粉砕部と前記圧送部の間に飛散防止板を設けたことを特徴とする圧送装置を提供する。本発明によれば、粉砕部にて汚物等を粉砕し、捕捉部を通して汚物まじりの排水が飛散するが、粉砕部と圧送部との間に飛散防止板を設けたために排水が圧送部まで飛散することがなくなる。よって、飛散した排水が、本体容器内の底部に貯溜されている排水中に落下することにより発生した空気が圧送部の吸込口から流入することはなくなり圧送部のエア噛みによる騒音、振動を防止することができる。
【0010】
請求項第4項記載の発明は、汚物を受けるボール部と、前記ボール部が接続される本体容器と、前記本体容器内には、前記ボール部からの汚物等を粉砕する粉砕部と、粉砕した汚物混じりの排水を排出口を通して前記本体容器外に圧送排出する圧送部を備えた圧送装置を用いた便器において、前記圧送部にエア抜き穴を設け、その下流側にトラップを設けたことを特徴とする圧送装置付き便器を提供する。ここでいう圧送部とは、本体容器内の貯溜水を圧送排出するために必要なものであり、吸込口、吐出口、インペラを備えた渦室と圧送管のことである。本発明によれば、圧送部にエア抜き穴を設けたことにより粉砕部より排出された汚物まじりの排水が、本体容器内に貯溜された排水中に落下することにより、空気の巻き込みが発生し、圧送部の吸込口より流入し、エア噛みが発生するが、圧送管にエア抜き穴を設けている為、早期にエアが圧送管から排出されるため、エア噛みによる騒音、振動が建物内を圧送管を通して伝播することを防止することができる。また、エア抜き穴は、渦室内にあっても圧送管にあってもよく、特に限定されるものではなく、効果的に圧送部でのエア噛みを防止できるものであれば問題ないことは言うまでもない。また、本発明のボール部には、常時封水が存在しておらず、本体容器の底部に貯溜水が存在はしているが、この貯溜水の量は、一定ではなく、下水からの臭い等を確実に遮断することができないが、圧送部のエア抜き穴の下流側にトラップを設けたことにより圧送管の途中に確実に封水を保持することができる。よって下水からの臭いを確実に防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って詳細に説明する。なお、この発明は、それによって限定されるものではない。
【0012】
【実施例1】
本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を図1に示す。
図1に示した圧送装置の一実施例の内部上面図を図2に示す。
圧送装置の一実施例の内部上面図を図3に示す。
圧送装置の一実施例の内部上面図を図4に示す。
圧送装置の一実施例の内部上面図を図5に示す。
圧送装置の一実施例の概略構成図を図6に示す。
図1について説明する。圧送装置50は、本体容器1、流入口2、排出口3、モーター15の上部に取り付けられた粉砕部7、捕捉部8、捕捉部8に備えられた小穴9、モーター15の下部に取り付けられた圧送部4、吸込口5、圧送管6、空気巻き込み防止板20にて構成されている。ここで、モーター15は、一つのもので、その軸が両側に突出しており、上側の軸にて粉砕部7を駆動し、下側の軸にて圧送部4を駆動する形態となっている。圧送装置50は、便器11と連結管10により流入口2を通して捕捉部8と接続され、圧送管6は、排出口3を通して図示しない外部の排水管に接続されている。また、捕捉部8の小穴9の形状は、円形、楕円、四角形等、特に限定されるものではなく、汚物混じりの排水の排出状況、付着状況等により適宜選択されることが望ましい。また、圧送管6は、排出口3を通して図示しない外部の排水管に接続されており、その排水管の配管形態によって途中に図示しない逆止弁を設けてもよい。また、本体容器1は、図示しない蓋と内容物が収められる図示しない箱体と取り外し可能となっていることが望ましい。また、連結管10は、便器11の図示しない排出口と本体容器1の流入口2を接続し、次に流入口2と捕捉部8を接続する二つに分割された形態、あるいは、便器11の図示しない排出口と捕捉部8を接続する形態であってもよい。但し、どちらの場合においても本体容器1と連結管10との水密性は十分に確保されていることは言うまでもない。また、粉砕部7は、カッター状のものが好ましく、汚物混じりの排水を粉砕できるものであれば何でもよい。また、圧送部4は、モーター15の下方の軸に取り付けられたインペラとそれが収められる渦室にて構成され、吸込口5より排水が吸込まれ、圧送管6へと排出される。また、圧送管6は、Φ30mm以下の小口径のものが好ましく、材質は、鋼管、樹脂管等何でもよく、設置される建築側の状況等に合せて適宜選択されることが望ましい。また、粉砕部7及び圧送部4の駆動は、図示しない圧送装置50に備えられた水位スイッチ、水位センサ、タイマー等にてON/OFFされる形態が好ましく、長期の使用において問題ないものであれば、これに限定されるものではない。また、本体容器1内の底部には、圧送部4の吸込口5に捕捉部8の小穴9を通過した排水が集まるように傾斜等を設けてもよい。そうすることにより本体容器1内の底部に粉砕部7にて粉砕された汚物混じりの排水がスムーズに吸込口5に流れ込むため、よどみ等の発生により停滞し、蓄積することを防止することができ、衛生性を保つことができる。また、空気巻き込み防止板20は、捕捉部8に備えられた小穴9の下方のモーター15に周方向に連続的に形成されている。
次に排水の状態を示しながら本実施例を説明する。
便器11の洗浄が実施されると汚物混じりの排水が、便器11から排出され、本体容器1の流入口2をとおる連結管10の中をとおり捕捉部8に流入する。捕捉部8に流入した排水は、粉砕部7にて粉砕され、捕捉部8に設けられた小穴9より排出される。捕捉部の小穴9を通過した排水は、本体容器内下部の貯溜水中に落下するが、空気巻き込み防止板20により、圧送部4の吸込口5より遠くに落下するようになるため、落下した排水により、空気の巻き込みが発生したとしても圧送部4の吸込口5より空気が吸込まれることがなく、圧送部4のエア噛みによる騒音、振動を防止することができる。また、図1では、周方向に連続的に形成された空気巻き込み防止板20をモーター15に取り付けられており、モーター15と一体構造となっていても構わない。次に、図2には、図1に示した圧送装置の上面図を示している。ここで、空気巻き込み防止板20は、図2に示すように捕捉部8、あるいはモーター15に対して周方向に連続的に形成されている。ここで、空気巻き込み防止板20は、大きさ、材質、形状等、特に限定されるものではなく、効果的に圧送部4でのエア噛みを防止できるものであれば何でもよいことはいうまでもない。
次に図3について説明する。図3では、別パターンの空気巻き込み防止板20を備えた圧送装置の一実施例の内部上面図を示している。この圧送装置50では、本体容器1にリブ17を備えており、空気巻き込み防止板20は、切り欠き部19を備えている。その他の部分については、図1の圧送装置50と、同様である。空気巻き込み防止板20に切り欠き部19を備えることにより、図3に示すように本体容器1内にリブ17が存在するような形状や本体容器1内の空間が様々な形状であったとしても容易に取付けることができる。また、図3では、周方向に連続的に形成された空気巻き込み防止板20をモーター15に取り付けており、モーター15と一体構造となっていても構わない。
次に図4について説明する。図4では、更に別パターンの空気巻き込み防止板20を備えた圧送装置の一実施例の内部上面図を示している。この圧送装置50の空気巻き込み防止板20は、一部寸断された形状の切り欠き部19を備えている。その他の部分については、図1の圧送装置50と、同様である。空気巻き込み防止板20に備えられた切り欠き部19の形状が一部寸断された形状とすることにより、その寸断部分を境として、上下に広げるような形態にてモーター15にはめ込み、ビス止め等にてモーター15に固定する等、簡単に取り付けることが可能となり、施工性、メンテナンス性が向上する。この場合、空気巻き込み防止板20は、変形させ易い弾性体であることが好ましく、樹脂材料が好適に利用できる。また、図4では、一部寸断された空気巻き込み防止板20をモーター15に取り付けており、モーター15と一体構造となっていても構わない。
更に空気巻き込み防止板20の別パターンとして図5について説明する。図5では、別パターンの空気巻き込み防止板20を備えた圧送装置の一実施例の内部上面図を示している。この圧送装置50では、周方向に非連続的に空気巻き込み防止板20が備えられている。その他の部分については、図1の圧送装置50と、同様である。図5では、粉砕部7にて粉砕された汚物混じりの排水は、捕捉部8に備えられた小穴9より図5に示す矢印のように粉砕部7の回転方向に伴い、排出されるため、空気巻き込み防止板20は、小穴9から排出される方向に非連続的に備えられている。そうすることにより小穴9から排出される排水を少量の面積の空気巻き込み防止板20にて圧送部4の吸込口5より遠くに落下させることが可能となるため、落下した排水により、空気の巻き込みが発生したとしても圧送部4の吸込口5より空気が吸込まれることがなく、圧送部4のエア噛みによる騒音、振動を防止することができる。また、図5では、空気巻き込み防止板20は、周方向に非連続的に形成されており、モーター15に取り付けられる形態でもよく、モーター15と一体構造となっていても構わない。
次に図6について説明する。図6は、基本的に図1と同じであるが、空気巻き込み防止板20が、捕捉部8に備えられた最下部の小穴9の下に取り付けてあることが異なる。また、図6では、空気巻き込み防止板20は、捕捉部8に備えられた最下部の小穴9の下に取り付けてあり、一体構造となっていても構わない。そうすることにより組み立て易く、空気巻き込み防止板20あるいは捕捉部8が破損したとしても捕捉部8を交換するだけで済むことからメンテナンス性が向上する。
【0013】
【実施例2】
上記実施例1と同一又は相当する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、以下の各実施例の説明においても、それ以前に既に説明した実施例と同一又は相当する部分には同一の符号を付し、特に必要でない限り説明を略する。
本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を図7に示す。
図7について説明する。圧送装置50に備えられる空気巻き込み防止板20は、捕捉部8に備えられた小穴9の下方のモーター15に半径方向の外方向に向かって下方に傾斜し、形成されている。
次に排水の状態を示しながら本実施例を説明する。
便器11の洗浄が実施されると汚物混じりの排水が、便器11から排出され、本体容器1の流入口2をとおる連結管10の中をとおり捕捉部8に流入する。捕捉部8に流入した排水は、粉砕部7にて粉砕され、捕捉部8に設けられた小穴9より排出される。粉砕部7にて粉砕された汚物まじりの排水は、捕捉部の小穴9を通して飛散しながら落下するが、半径方向の外方向に向かって下方に傾斜した空気巻き込み防止板20をモーター15に取り付けたことにより、圧送部4の吸込口5より更に遠くへ落下させることができ、更に汚物まじりの排水は、空気巻き込み防止板20の傾斜に沿って、流下するために本体容器1内の底部の貯溜水中に勢いよく流入することがなくなり空気の巻き込みの発生が少なくなる。よって、本体容器1内の底部の貯溜水中に空気の巻き込みが発生したとしても圧送部4の吸込口5より空気が吸込まれることがなく、圧送部4のエア噛みによる騒音、振動を防止することができる。また、図7では、半径方向の外方向に向かって下方に傾斜した空気巻き込み防止板20をモーター15に取り付けているが、捕捉部8の最下部小穴9の下に取り付けられる形態でもよく、捕捉部8と一体構造となっていても構わない。そうすることにより、より組立てが行い易くなり施工性、メンテナンス性が向上する。ここで、空気巻き込み防止板20は、大きさ、材質、形状等、特に限定されるものではなく、効果的に圧送部4でのエア噛みを防止できるものであれば何でもよいことはいうまでもない。
【0014】
【実施例3】
本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を図8に示す。
本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を図9に示す。
本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を図10に示す。
図8について説明する。捕捉部カバー21は、捕捉部8に備えられた小穴9において、最下部の小穴より上方に備えられている。
次に排水の状態を示しながら本実施例を説明する。
便器11の洗浄が実施されると汚物混じりの排水が、便器11から排出され、本体容器1の流入口2をとおる連結管10の中をとおり捕捉部8に流入する。ここで、捕捉部8に備えられた最下部の小穴9より上方に捕捉部カバーを配置したことにより粉砕部7にて粉砕された汚物まじりの排水の中で、捕捉部8の最下部以外の小穴9から排出されたものは、捕捉部カバー21に衝突するために本体容器1の内面へ飛散されず、衝突後そのまま落下する。そして、この排水は、捕捉部8の最下部の小穴を通して排出された排水と衝突し、はじき飛ばされながら落下するため、圧送部4の吸込口5より遠くへ落下することになる。従って、上記排水が、本体容器1内の底部の貯溜水中に落下することにより、空気の巻き込みが発生したとしても圧送部4の吸込口5より空気が吸込まれることがなく、圧送部のエア噛みによる騒音、振動を防止することができる。また、捕捉部カバー21を設けたことにより捕捉部8の最下部以外の小穴9から排出された汚物混じりの排水が、飛散して本体容器1の内壁に付着し、堆積あるいは固着して衛生性が損なわれることを防止することができる。ここで、捕捉部カバー21は、大きさ、材質、形状等、特に限定されるものではなく、効果的に圧送部4でのエア噛みを防止できるものであれば何でもよいことはいうまでもない。
次に、図9について説明する。図9では、図8の捕捉部カバー21の変形例であり、他の部分については同様である。捕捉部カバー21は、円錐形状であり下方に向かって広がっている。そうすることにより捕捉部8の最下部以外の小穴9から排出されたものは、捕捉部カバー21に衝突し、鉛直方向ではなく、多少周方向に向かって落下し、そこに捕捉部8の最下部の小穴を通して排出された排水と衝突し、はじき飛ばされながら落下するため、圧送部4の吸込口5より遠くへ落下することになる。従って、上記排水が、本体容器1内の底部に貯溜されている排水中に落下することにより、空気の巻き込みが発生したとしても圧送部4の吸込口5より空気が吸込まれることがなく、圧送部のエア噛みによる騒音、振動を防止することができる。ここで、捕捉部カバー21は、円錐形状としているために圧送部4でのエア噛みが発生しない状況を達成できるのであれば、捕捉部8の最下部の小穴9を覆うような形態であっても問題はない。
次に、図10について説明する。図10では、図8の捕捉部カバー21の変形例であり、他の部分については同様である。捕捉部カバー21は、上部が狭く、下部が広くなった階段状の円柱形状となっている。そうすることにより捕捉部8の上部の小穴から排出された排水は、捕捉部カバー21の上部の狭い部分に衝突し、落下し、捕捉部8の中部の小穴から排出された排水は、上方から落下してきた排水を飛ばしながら捕捉部カバー21に衝突し、更に落下し、捕捉部8の最下部の小穴から排出された排水にはじき飛ばされながら落下するため、圧送部4の吸込口5より遠くへ落下することになる。従って、上記排水が、本体容器1内の底部の貯溜水中に落下することにより、空気の巻き込みが発生したとしても圧送部4の吸込口5より空気が吸込まれることがなく、圧送部のエア噛みによる騒音、振動を防止することができる。ここで、捕捉部カバー21は、上部が狭く、下部が広がった階段状の円柱形状としているために圧送部4でのエア噛みが発生しない状況を達成できるのであれば、捕捉部8の最下部の小穴9を覆うような形態であっても問題はない。
【0015】
【実施例4】
本発明に係わる捕捉部カバーの取付け構造の詳細図を図11に示す。
図11について説明する。本体容器1は、蓋23と箱体24にて構成される。本体容器1に備えられた蓋23には、ネジ22を用いて、捕捉部カバー21を固定している。そうすることにより、蓋23と捕捉部カバー21を一体としているため、蓋23を本体容器1から取り外すと同時に捕捉部カバー21も取り外すことが可能となり、メンテナンスが行い易い。また、図示しない圧送装置の組立てにおいても蓋23を箱体24に取り付けると同時に捕捉部カバー21を組込むことができ、図示しない圧送装置の組立て性が向上する。図11では、ネジ22にて蓋23と捕捉部カバー21を固定しているが、これに限定されるものではなく、ボルト止め、接着、溶着、はめ込み等、使用時に外れたりするようなことが無ければ何でもよい。但し、捕捉部カバー21を本体容器1の箱体24の底部に固定するような形態にした場合には、捕捉部カバー21に図示しない脚部を設ける必要があり、その場合、図示しない粉砕部より排出された汚物まじりの排水が図示しない脚部に絡みつき、蓄積することにより衛生性が損なわれ、更には圧送部の吸込口への排水の流れを阻害することになる為、圧送機能も低下させることになるため望ましくない。
【0016】
【実施例5】
本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を図12に示す。
圧送装置50は、本体容器1、流入口2、排出口3、モーター15の上部に取り付けられた粉砕部7、捕捉部8、捕捉部8に備えられた小穴9、モーター15の下部に取り付けられた圧送部4、吸込口5、圧送管6、飛散防止板16にて構成されている。ここで、モーター15は、粉砕部7の駆動用と圧送部4の駆動用と別々に用意されたものである。圧送装置50は、便器11と連結管10により流入口2を通して捕捉部8と接続され、圧送管6は、排出口3を通して図示しない外部の排水管に接続されている。また、ここで本体容器1は、蓋と内容物が収められる箱体と取り外し可能となっていることが望ましい。
次に排水の状態を示しながら本実施例を説明する。
便器11の洗浄が実施されると汚物混じりの排水が、便器11から排出され、本体容器1の流入口2をとおる連結管10の中をとおり捕捉部8に流入する。捕捉部8に流入した排水は、粉砕部7にて粉砕され、捕捉部8に設けられた小穴9より排出される。ここで、粉砕部7と圧送部4との間には飛散防止板16が配置されている為に捕捉部8の小穴9から排出された排水は、圧送部4の吸込口5から離れた本体容器1の底部の貯溜水へ落下するため、本体容器1の底部の貯溜水にて空気の巻き込みが発生したとしてもその空気が、圧送部4の吸込口5から流入することはなくなり圧送部4のエア噛みによる騒音、振動を防止することができる。ここで、飛散防止板16は、図中では、平板の形状をしているが、大きさ、材質、形状等、特に限定されるものではなく、効果的に圧送部4でのエア噛みを防止できるものであれば何でもよいことはいうまでもない。また、飛散防止板16を本体容器1の底部に固定する形態とした場合には、その固定部に汚物等が絡まり、衛生性が損なわれると同時に吸込口5への吸込みが悪くなり、圧送部4の性能を低下させることになる。よって、飛散防止板16は、本体容器1の上方に取り付けられていることが好ましい。そうすることにより粉砕部7にて粉砕した汚物混じりの排水がスムーズに吸込口5より吸込まれ、圧送部4にて効率良く、圧送排水される。また、飛散防止板16は、本体容器1と一体であっても別体であっても構わない。また、図12では、粉砕部7と圧送部4を別々のモーター15にて独立して駆動させるようにしているが、一つのモーターでギヤ等を用いて、粉砕部7と圧送部4を同軸上ではない状況にした形態とし、その間に飛散防止板16を配置してもよい。
【0017】
【実施例6】
本発明に係わる圧送装置を用いた便器の一実施例の概略構成図を図13に示す。
本発明に係わる圧送装置を用いた便器の一実施例の概略構成図を図14に示す。
図13について説明する。圧送装置を用いた便器100は、本体容器1、流入口2、排出口3、モーター15の上部に取り付けられた粉砕部7、捕捉部8、捕捉部8に備えられた小穴9、モーター15の下部に取り付けられた圧送部4、吸込口5、圧送管6、圧送管6の下流側に備えられたエア抜き穴31、エア抜き穴31の下流側に備えられるトラップ32にて構成される圧送装置50と、汚物を受けるボール部30と、ボール部30の排出口に備えられた開閉弁33と、ボール30と捕捉部8を接続する連結管10にて構成されている。ここで、モーター15は、一つのもので、その軸が両側に突出しており、上側の軸にて粉砕部7を駆動し、下側の軸にて圧送部4を駆動する形態となっている。圧送装置50は、ボール部30の排出口と連結管10により流入口2を通して捕捉部8と接続され、圧送管6は、圧送部4に接続され、その下流側にて一端上昇し、その上部近傍にエア抜き穴31が設けてあり、その下流側は、次に下降し、再度上昇する形態のトラップ32を本体容器1の内部にて形成している。そして、圧送管6は、排出口3を通して図示しない外部の排水管に接続されており、その排水管の配管形態によって途中に図示しない逆止弁を設けてもよい。また、本体容器1は、図示しない蓋と内容物が収められる図示しない箱体と取り外し可能となっていることが望ましい。
ボール部30は、通常は、封水で満たされていない状態にあり、ボール部30の図示しない排出口は、開閉弁33にて閉じた状態になっており、本体容器1内からの臭いの漏れを防止している。また、本体容器1内の底部に貯溜水が存在はしているが、この貯溜水の量は、一定ではなく、下水からの臭い等を確実に遮断することができないが、圧送部のエア抜き穴31の下流側にトラップ32を設けたことにより圧送管6の途中に確実に封水を保持することができる。よって下水からの臭いを確実に防止することができる。
次に排水の状態を示しながら本実施例を説明する。
圧送装置を用いた便器100を人が使用開始状態を感知すると、ボール部30内が封水で満たされる。そして、排泄行為が終了し、ボール部30に汚物混じりの排水を受け、図示しない洗浄ボタンが押されると、モーター15が駆動し、粉砕部7及び圧送部4が作動し、本体容器1内の底部の貯溜水は排出が開始され、本体容器1内は、負圧の状態になる。そして、すぐ後に開閉弁33が開き、ボール部30内の汚物混じりの排水が、連結管10を通過し、捕捉部8に流入してくる。そうすると、一部の排水は、捕捉部8の小穴9より先に排出され、一部の排水は、粉砕部7にて粉砕後に捕捉部8の小穴9より排出される。よって、捕捉部8の小穴9を通過した排水は、本体容器1内下部の貯溜水中に落下し、空気の巻き込みが発生する。そして、圧送部4の吸込口5より空気が吸込まれるために圧送部4のエア噛みが発生する。しかし、圧送部4にて圧送排水された空気を巻き込んだ排水は、圧送管6の途中のエア抜き穴31に瞬時に到達し、その穴から一部の排水と共に排水中に巻き込まれた空気が抜けていくために騒音、振動を低減化することができる。また、本体容器1内の排水が排出された後は、清水置換が行われ、本体容器1内の底部には清水が貯溜された状態となる。その後、開閉弁33が閉じ、終了する。ここで述べた排水の流れは、一つのパターンであり、これに限定されるものではない。ここで、圧送管6は、本体容器1の内外にて分割されていることが好ましい。そうすることにより圧送装置50を組み立てる場合、本体容器1内にて圧送部4と圧送管6を接続し、圧送管6の片方を本体容器1の排出口3と接続する。そして、別の圧送管6を本体容器1外にて排出口3と接続し、他方は下水管に繋がる配管に接続する。ここで、圧送管6の接続部分は、ワンタッチコネクタ方式、ホースバンド方式、袋ナット方式等、確実に水密がとれる方式であれば、特に限定されるものではない。
次に図14について説明する。圧送装置を用いた便器100の構成は、基本的に図13と同様であるが、図14の圧送装置を用いた便器100の場合には、エア抜き穴31は、本体容器1の内部にあるが、トラップ32は、本体容器1の外部に配置されている。この形態の場合には、トラップ32を本体容器外に出すことができるために本体容器1をコンパクト化できる。また、トラップ32については、専用の部材としても構わないし、本体容器1から下流側の圧送管6の形状が設置される配管形態によってトラップ形となっており、封水機能を発揮するものであっても特に問題はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を示す。
【図2】 本発明に係わる圧送装置の一実施例の内部上面図を示す。
【図3】 本発明に係わる圧送装置の一実施例の内部上面図を示す。
【図4】 本発明に係わる圧送装置の一実施例の内部上面図を示す。
【図5】 本発明に係わる圧送装置の一実施例の内部上面図を示す。
【図6】 本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を示す。
【図7】 本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を示す。
【図8】 本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を示す。
【図9】 本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を示す。
【図10】 本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を示す。
【図11】 本発明に係わる捕捉部カバーの取付け構造の詳細図を示す。
【図12】 本発明に係わる圧送装置の一実施例の概略構成図を示す。
【図13】 本発明に係わる圧送装置を用いた便器の一実施例の概略構成図を示す。
【図14】 本発明に係わる圧送装置を用いた便器の一実施例の概略構成図を示す。
【図15】 従来の圧送装置の概略図
【符号の説明】
1…本体容器、2…流入口、3…排出口、
4…圧送部、5…吸込口、6…圧送管、
7…粉砕部、8…捕捉部、9…小穴、
10…連結管、11…便器、12…貯溜水中に巻き込まれた空気、
15…モーター、16…飛散防止板、17…リブ、
18…粉砕部の回転方向、19…切り欠き部、
20…空気巻き込み防止板、21…捕捉部カバー、22…ネジ、
23…蓋、24…箱体、
30…ボール部、31…エア抜き穴、32…トラップ、
33…開閉弁、
50…圧送装置、
100…圧送装置を用いた便器

Claims (4)

  1. 給排水設備機器からの汚物混じりの排水が流入してくる流入口と、外部への排出口を本体容器に備え、前記本体容器内には、汚物等を粉砕する粉砕部と、前記粉砕部に汚物等を捕捉する小穴が配置された捕捉部と、粉砕した汚物混じりの排水を前記排出口を通して前記本体容器外に圧送排出する圧送部を備え、前記粉砕部と前記圧送部が上下に配置された圧送装置において、前記捕捉部に備えられた最下部の小穴の下方に周方向に連続的に形成された空気巻き込み防止板を備えたことを特徴とする圧送装置。
  2. 前記空気巻き込み防止板は、半径方向の外方向に向かって下方に傾斜したことを特徴とする請求項第1項に記載の圧送装置。
  3. 給排水設備機器からの汚物混じりの排水が流入してくる流入口と、外部への排出口を本体容器に備え、前記本体容器内には、汚物等を粉砕する粉砕部と、前記粉砕部に汚物等を捕捉する小穴が配置された捕捉部と、粉砕した汚物混じりの排水を前記排出口を通して前記本体容器外に圧送排出する圧送部を備え、前記粉砕部と前記圧送部が別々に配置された圧送装置において、前記粉砕部から飛散した排水が前記圧送部にかからないように前記粉砕部と前記圧送部の間に飛散防止板を設けたことを特徴とする圧送装置。
  4. 汚物を受けるボール部と、前記ボール部が接続される本体容器と、前記本体容器内には、前記ボール部からの汚物等を粉砕する粉砕部と、粉砕した汚物混じりの排水を排出口を通して前記本体容器外に圧送排出する圧送部を備えた圧送装置を用いた便器において、前記圧送部にエア抜き穴を設け、その下流側にトラップを設けたことを特徴とする圧送装置付き便器。
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