JP3848833B2 - 半導体層の評価方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体層の評価方法及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高濃度の不純物イオンが注入されて結晶性が乱れたアモルファス領域の特性を光学的に評価する方法及びこれを利用した温度測定や半導体装置の製造方法並びに評価を自動的に行なうための記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、トランジスタ等の半導体装置の製造工程において、たとえばMOSFETにおけるソース・ドレイン領域や、バイポーラトランジスタにおけるエミッタ拡散層等の形成に際しては、不純物のドープ量やドープする領域の深さ等を正確に制御する手段として、P,As,B等のイオンを加速して半導体基板やポリシリコン層あるいはアモルファスシリコン膜内に注入するイオン注入法が用いられている。近年、半導体装置の微細化の要求に伴い、このイオン注入によって形成される領域の不純物濃度,注入領域の厚み等についてより高精度の制御が求められている。
【0003】
たとえば、単結晶シリコン層内に不純物イオンを注入したときに不純物イオンによって正規の位置からシリコン原子がはじき出されると、この反跳シリコンによりアモルファス領域が形成されることが知られている。そして、従来、この反跳シリコンイオンにより形成されるアモルファス領域の厚み等を測定する手段として、RBS(Rutherford Backscattering Spectrometry)法や、TEM(透過型電子顕微鏡)の断面写真等があった。
【0004】
また、シリコン基板上にイオン注入された不純物のイオン注入エネルギー及びイオン注入量は4端子シート抵抗測定法やサーマルウェーブ法により評価されていた。同様に、イオン注入によりシリコン基板上に形成されるイオン注入層の不純物濃度のシリコンウェハー内における均一性は、4端子シート抵抗測定法やサーマルウェーブ法により測定されていた。
【0005】
一方、光学的評価方法として、直線偏光を基板面に斜め方向から入射して、基板面から反射される楕円偏光の楕円形状を測定することにより、複素屈折率,厚み等の情報を得ようとするエリプソメトリ法も、簡便な評価方法として知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの評価方法を現実の半導体装置の製造工程における特性の評価に適用するには、以下のような問題があり、特に高濃度のイオン注入領域における注入条件等の適否の評価は困難であった。
【0007】
まず、RBS及びTEMは、破壊検査法であり半導体装置の製造ライン内での評価には適していない。
【0008】
また、シート抵抗測定法では、高濃度不純物の注入領域の評価は、イオン注入で生じたダメージのために局部的に増速拡散が起こり、熱処理の影響を多大に受けるため、イオン注入の条件のみについての評価が不可能である。
【0009】
サーマルウェーブ法では、注入層のダメージを測定することによりイオン注入エネルギーやイオン注入濃度を測定するものであるが、高濃度不純物が注入された領域に於いては、ダメージ量が検出感度の飽和領域に入ってしまうために注入量の相違を識別することが困難となる。また、検出値は絶対量ではなく相対値であるために、高濃度注入領域における高い検出感度を期待できない。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体層に高濃度の不純物イオンが注入されて結晶性が乱れたアモルファス領域の厚みや厚みの基板面内分布を非破壊で再現性よく評価しうる半導体層の評価方法,この半導体層の評価方法を利用した半導体装置の製造方法,及び半導体層の評価をコンピュータに実行させるための記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明が講じた手段は、分光エリプソメトリ法によって得られる複素屈折率に関するパラメータやそのスペクトルパターンを不純物イオンが注入された領域の物理量を評価するために利用することにある。
【0012】
本発明の半導体層の評価方法は、基板内において不純物イオンが注入された領域を有する半導体層に、光軸に垂直な面内でp方向(光軸に垂直な面と入射光及び反射光を含む面との交線の方向)とs方向(光軸に垂直な面内で上記p方向に垂直な方向)に対して傾いた直線偏光の測定光を上記半導体層の表面に垂直な方向に対して傾いた方向から入射する第1のステップと、上記半導体層から楕円偏光として反射される上記測定光の反射光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔとしたときに、少なくともcos Δを測定する第2のステップと、上記測定光の波長の変化に伴う上記少なくともcos Δのスペクトルを測定する第3のステップと、上記少なくともcos Δのスペクトルに基づいて、上記不純物イオンが注入された領域の物理量を評価する第4のステップとを備えている。
【0013】
この方法により、楕円偏光として検出される測定光の波長を変化させると、半導体層の複素屈折率に関するパラメータであるcos Δなどが求められる。そして、cos Δなどのスペクトルが不純物イオンが注入された領域の厚みや膜質に関する情報として得られ、イオン注入が行なわれた半導体層の物理量を非破壊で調べることが可能となる。
【0014】
上記半導体層の評価方法において、上記第4のステップでは、上記不純物イオンが注入された領域の透明度、不純物イオンが注入された領域内におけるアモルファス領域の有無,アモルファス層の厚みを評価することができる。
【0015】
上記半導体層内のアモルファス領域の厚みを評価する場合、上記アモルファス領域の厚みと上記少なくともcos Δのスペクトルとの相関関係を予め準備しておくステップをさらに備え、上記第4のステップでは、上記第2のステップで得られた少なくともcos Δのスペクトルを上記相関関係に照らし合わせることにより、上記半導体層内のアモルファス領域の厚みを測定することができる。
【0016】
上記第1〜第4のステップを、上記半導体層内の複数の不純物イオンが注入された領域について行なうことにより、上記半導体層内における上記アモルファス領域の厚みの分布を測定することができる。
【0017】
また、この半導体層の評価方法により、具体的に、以下のような不純物イオンが注入された領域の物理量に関する情報も得られる。すなわち、上記第4のステップでは、上記不純物イオンが注入された領域内のアモルファス領域がイオンビームにより一部回復する状態を評価することができる。上記第4のステップでは、同じ注入条件で注入装置を変えたときの2つの不純物イオンが注入された領域に対する少なくとも上記cos Δのスペクトルに基づいて、注入装置の性能を評価することができる。
【0018】
上記半導体層の評価方法において、上記測定光の反射光のうち上記p成分と上記s成分との振幅比をΨとしたときに、tan Ψを測定するステップと、上記測定光の波長を変化させて、上記tan Ψのスペクトルを測定するステップとをさらに備え、上記不純物イオンが注入された領域の物理量を評価するステップでは、上記tan Ψのスペクトルの形状をも考慮して不純物イオンが注入された領域の物理量を評価することもできる。
【0019】
この方法により、複素屈折率に関する2つのパラメータであるcos Δ及びtan Ψに基づいて不純物イオンが注入された領域に関するより正確な情報が得られることになる。
【0020】
本発明の第1の半導体装置の製造方法は、基板の半導体層に半導体装置を製造するための方法であって、上記半導体層に不純物イオンが注入された領域を形成する第1のステップと、上記イオン注入領域が形成された半導体層に、光軸に垂直な面内でp方向(光軸に垂直な面と入射光及び反射光を含む面との交線の方向)とs方向(光軸に垂直な面内で上記p方向に垂直な方向)に対して傾いた直線偏光の測定光を上記半導体層の表面に垂直な方向に対して傾いた方向から入射して、上記半導体層から楕円偏光として反射される上記測定光の反射光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔとしたときに、測定光の波長の変化に伴う少なくともcos Δのスペクトルを測定する第2のステップと、上記第2のステップで得られた少なくともcos Δのスペクトルに基づいて上記イオン注入領域の物理量を評価する第3のステップとを備えている。
【0021】
上記第1の半導体装置の製造方法において、上記イオン注入領域内のアモルファス領域の厚みと上記少なくともcos Δのスペクトルとの相関関係を予め準備しておくステップをさらに備え、上記第3のステップでは、上記第2のステップで得られた少なくともcos Δのスペクトルを上記相関関係に照らし合わせることにより、上記半導体層内のアモルファス領域の厚みを測定することができる。
【0022】
この方法により、楕円偏光として検出される測定光の波長を変化させると、アモルファス領域の複素屈折率に関するパラメータであるcos Δなどが求められる。そして、cos Δなどのスペクトルの形状がイオン注入領域の物理量つまり乱れの度合いやアモルファス領域の厚み等に関する情報として得られるので、不純物イオンが注入された領域の物理量を非破壊で調べることにより、イオン注入条件が適正か否かの判断や、イオン注入条件が不適正な場合の修正などを行なうことが可能となる。
【0023】
上記第1の半導体装置の製造方法において、上記第3のステップにおける不純物イオンが注入された領域の物理量の評価結果に基づいて、上記第2のステップにおけるイオン注入条件を変更するステップをさらに備えることができる。
【0024】
この方法により、分光エリプソメトリ法による測定結果をイオン注入工程にフィードバックすることで、製造工程の改善を図ることが可能となる。
【0025】
上記第1の半導体装置の製造方法において、上記第3のステップにおける不純物イオンが注入された領域の物理量の評価結果に基づいて、上記不純物イオンが注入された領域を有する基板の合否を判定するステップをさらに備えることができる。
【0026】
この方法により、半導体装置の製造工程の途中における良否判定が可能になることで、不良品の工程の中止や追加注入などによりスループットの向上を図ることができる。
【0027】
本発明の第2の半導体装置の製造方法は、基板の半導体層に半導体装置を製造するための方法であって、上記半導体層に不純物イオンが注入された領域を形成する第1のステップと、上記不純物イオンが注入された領域を所定温度に保持する処理を行なう第2のステップと、上記半導体層に、光軸に垂直な面内でp方向(光軸に垂直な面と入射光及び反射光を含む面との交線の方向)とs方向(光軸に垂直な面内で上記p方向に垂直な方向)に対して傾いた直線偏光の測定光を上記半導体層の表面に垂直な方向に対して傾いた方向から入射して、上記半導体層から楕円偏光として反射される上記測定光の反射光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔとしたときに、測定光の波長の変化に伴う少なくともcos Δのスペクトルを測定する第3のステップと、上記第3のステップで得られた少なくともcos Δのスペクトルに基づいて上記不純物イオンが注入された領域の物理量を評価する第4のステップとを備えている。
【0028】
この方法により、楕円偏光として検出される測定光の波長を変化させると、半導体層の複素屈折率に関するパラメータであるcos Δなどが求められる。そして、cos Δなどのスペクトルの形状が不純物イオンが注入された領域の物理量つまり乱れの度合いやアモルファス領域の厚み等に関する情報として得られるので、不純物イオンが注入された領域の物理量を非破壊で調べることにより、その後の加熱処理条件が適正か否かの判断や、加熱処理条件が不適正な場合の修正などを行なうことが可能となる。
【0029】
上記第2の半導体装置の製造方法において、上記不純物イオンが注入された領域内のアモルファス領域の厚みと上記少なくともcos Δのスペクトルとの相関関係を予め準備しておくステップをさらに備え、上記第4のステップでは、上記第2のステップで得られた少なくともcos Δのスペクトルを上記相関関係に照らし合わせることにより、上記不純物イオンが注入された領域内のアモルファス領域の厚みを測定することができる。
【0030】
この方法により、アモルファス領域の厚みがわかるので、例えばアニールなどの処理による活性化の進行度合いや、どの程度の条件で基板のアニールを施すのが適切かなどの判断が可能になる。
【0031】
上記第2の半導体装置の製造方法において、上記第1のステップの後で上記第2のステップの前に、上記第3及び第4のステップと同じ処理を行なって、上記第2のステップを行なう前の上記アモルファス領域の厚みを評価するステップと、上記第2のステップを行なう前後のアモルファス領域の厚みの変化を求めるステップとをさらに備えることができる。
【0032】
上記第2の半導体装置の製造方法において、上記第4のステップでは、上記測定光の入射光と反射光との強度の比に基づいて上記不純物イオンが注入された領域による測定光の反射率を演算し、該反射率から上記不純物イオンが注入された領域の膜質を評価することができる。
【0033】
本発明の第3の半導体装置の製造方法は、基板の半導体層に半導体装置を製造するための方法であって、上記半導体層に不純物イオンを注入して結晶性の乱れたアモルファス領域を形成する第1のステップと、上記アモルファス領域を所定温度に保持することを伴う処理を行なう第2のステップと、上記半導体層に光軸に垂直な面内でp方向(光軸に垂直な面と入射光及び反射光を含む面との交線の方向)とs方向(光軸に垂直な面内で上記p方向に垂直な方向)に対して傾いた直線偏光の測定光を上記半導体層の表面に垂直な方向に対して傾いた方向から入射して、上記半導体層から楕円偏光として反射される上記測定光の反射光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔとしたときに、上記第2のステップにおける上記処理の前後における少なくともcos Δのスペクトルを測定する第3のステップと、上記少なくともcos Δのスペクトルの変化に基づき、上記第2のステップ中の上記処理の前後における上記アモルファス領域の厚みの変化を測定する第4のステップと、上記アモルファス領域の上記処理の前後における厚みの変化及び上記熱保持処理の時間から算出される回復レートから上記熱保持処理の温度を測定する第5のステップとを備えている。
【0034】
上記第3の半導体装置の製造方法において、熱保持処理における熱保持処理の温度と、アモルファス領域の厚みの減少との相関関係を求めておくステップをさらに備え、上記第4のステップでは、上記相関関係に基づいて上記熱保持処理の温度を測定することができる。
【0035】
以下のように、上記半導体層の評価方法に関する手順をコンピュータに自動的に行なわせるための記録媒体に関する発明も得られる。
【0036】
本発明の記録媒体は、基板内において不純物イオンが注入されて結晶性の乱れたアモルファス領域を有する半導体層に室温よりも高温の所定温度に保持する処理を施し、半導体層に光軸に垂直な面内でp方向(光軸に垂直な面と入射光及び反射光を含む面との交線の方向)とs方向(光軸に垂直な面内で上記p方向に垂直な方向)に対して傾いた直線偏光の測定光を上記半導体層の表面に垂直な方向に対して傾いた方向から入射して、上記半導体層から楕円偏光として反射される上記測定光の反射光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔとしたときに、上記測定光の波長の変化に伴う少なくともcos Δのスペクトルから上記半導体層の物理量を評価するために使用される記録媒体であって、上記アモルファス領域の厚みと上記少なくともcos Δのスペクトルの相関関係を記憶させる第1の手順と、特定の注入条件で形成された上記アモルファス領域の分光エリプソメトリによる測定結果である少なくともcos Δのスペクトルを入力する第2の手順と、相関関係を取り出して、上記第2のステップで得られた少なくともcos Δのスペクトルを上記相関関係に照らし合わせることにより、上記半導体層内のアモルファス領域の厚みを測定する第3の手順とをコンピュータに実行させるプログラムを記録したものである。
【0037】
上記第1の手順では、特定のイオン注入量における注入エネルギーとアモルファス領域の厚みとの関係をイオン注入量ごとに第1の相関関係として、特定のイオン注入量におけるcos Δのスペクトルと注入エネルギーとの関係を第2の相関関係として記憶させておき、上記第3の手順では、上記第2の手順で入力されたcos Δのスペクトルを上記第2の相関関係に照らし合わせることにより上記半導体層に注入されたイオンの注入エネルギーを求めた後、この注入エネルギーを上記第1の相関関係に照らし合わせることにより、上記半導体層内のアモルファス領域の厚みを測定することができる。
【0038】
また、上記第1の手順では、特定の注入エネルギーにおけるイオン注入量とアモルファス領域の厚みとの関係を注入エネルギーごとに第1の相関関係として、特定の注入エネルギーにおけるcos Δのスペクトルとイオン注入量との関係を第2の相関関係として記憶させておき、上記第3の手順では、上記第2の手順で入力されたcos Δのスペクトルを上記第2の相関関係に照らし合わせることにより上記半導体層に注入されたイオンの注入量を求めた後、このイオン注入量を上記第1の相関関係に照らし合わせることにより、上記半導体層内のアモルファス領域の厚みを測定することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
図33は、以下に説明する各実施形態の各具体例の内容を示す一覧表としてまとめた図表である。
【0040】
まず、本発明の基本原理の裏付けとなる各実施形態に係る半導体の評価方法について、図面を参照しながら説明する。
【0041】
図1は、本発明の実施形態に係る評価の対象となる半導体装置(nチャネル型MOSトランジスタ)のイオン注入工程における構造を示す断面図である。同図に示すように、ウエハ状態で行われるMOSトランジスタの製造工程において、シリコン基板11(シリコンウエハ)上には、LOCOS膜からなる素子分離12が形成され、この素子分離12で囲まれる活性領域内にゲート絶縁膜13,ゲート電極14が形成されている。そして、イオン注入工程で、As+ イオン等の不純物イオンがシリコン基板11内に注入され、nチャネル型MOSトランジスタの高濃度ソース・ドレイン領域15が形成される。そして、シリコン基板11の他の領域には、高濃度不純物のイオン注入条件の適否等を測定するためのモニター領域16が形成されており、このモニター領域16にもソース・ドレイン領域15と同時にAs+ イオンが注入される。なお、pチャネル型MOSトランジスタのソース・ドレイン領域を形成する際には、別のモニター領域にB+ を注入してボロンイオンの注入条件を測定する。
【0042】
図2は、上記nチャネル型MOSトランジスタのソース・ドレイン領域15へのイオン注入の条件をモニター領域16を利用して測定するための分光エリプソメータの構成を概略的に示す側面図である。Xe光源20から出力されるXe光を偏光子21により直線偏光に変えて、基板面に垂直な方向に対して角度θ0 でシリコン基板11(モニター領域16)に入射させ、楕円偏光として反射される光を検光子22を経た後分光器23に入射させて、分光しながら、ディテクター24により各波長における複素屈折率N=n−ikを測定するように構成されている。ただし、入射光の直線偏光の軸は、p方向(光軸に垂直な面と入射光及び反射光を含む面との交線の方向)と、s方向(光軸に垂直な面内でp方向に垂直な方向)に対して傾いている。
【0043】
次に、本実施形態で使用した分光エリプソメトリの測定原理について説明する。上記図2に示すシリコン基板11へのXe光の入射光とシリコン基板の法線とのなす角をθ0 とすると、各波長における試料の複素屈折率N=n−ikは、下記式(1),(2)で表される。
【0044】
2-k2=sin2θ0[1+[tan2θ0(cos22Ψ-sin22Ψsin2Δ)]/(1+sin2ΨcosΔ)2](1)
2nk=(sin2θ0tan2θ0sin4ΨsinΔ)/(1+sin2ΨcosΔ)2 (2)
ここで、Ψはp成分とs成分との間の振幅反射率比を、Δは上記p成分とs成分との間の位相差をそれぞれ示す。すなわち、反射光のtan Ψ,cos Δを測定することにより、式(1),(2)から各波長における試料の物性を表す複素屈折率Nが求められる。
【0045】
ここで、本発明者等は、試料の複素屈折率Nそのものを求めなくても、この反射光のtan Ψ,cos Δを分光してスペクトルを測定することで、イオン注入条件に関する重要な情報が得られることを以下のような過程によって見出した。
【0046】
以下の各図に示すデータを得るに際し、シリコン基板は予めp型不純物がドープされたp型シリコン基板を用い、その抵抗率は10.0〜15.0(Ω・cm)、基板面の結晶方位は(100)である。また、注入イオン種としてはAs+ を用い、注入エネルギーを20〜80(keV)の間で変え、注入量を2〜4×1015cm-2の間で変えている。また、分光は、250〜800nmの範囲で行っている。
【0047】
図3(a),(b)は、イオン注入を行っていないシリコン基板からの反射光のtan Ψ及びcos Δのスペクトルをそれぞれ示す(図3(b)においては、スペクトル線3A)。一方、図4(a),(b)は、高濃度不純物のイオン注入を行った後のシリコン基板からの反射光のtan Ψ及びcos Δのスペクトルをそれぞれ示す。図4(b)のcos Δのスペクトル線のヴァリー位置の波長450nmを図3bのcos Δのスペクトル線3Aのヴァリー位置の波長400nmと比較するとわかるように、シリコン単結晶に不純物をドープすると、cos Δのスペクトル形状は、未注入のときのスペクトル線3Aに比べヴァリー位置が長波長領域(450nm〜850nm)で負の側に移動する傾向を示す。したがって、イオン注入によってtan Ψ,cos Δのスペクトルが変化していることは明らかである。
【0048】
そして、図3(b)に示すように、一般的に、シリコン単結晶に不純物をドープすると、cos Δのスペクトル形状は、未注入のときのスペクトル線3Aに対してドーズ量を増大させるほどより負の側に移動する傾向を示す(スペクトル線3B,3C)。したがって、単結晶シリコン基板については、ある波長(たとえば630nm)におけるtan Ψ,cos Δを測定することで、イオン注入におけるドーズ量等の条件をある程度把握することができる。
【0049】
一方、図5はアモルファスシリコン層に対して注入エネルギーを変えたときのcos Δのスペクトル形状の変化を、図6はアモルファスシリコン層に対して注入エネルギーを変えたときのtan Ψのスペクトル形状の変化をそれぞれ示す。不純物イオン(As+ )のドーズ量は4×1015cm-2である。
【0050】
図5及び図6からわかるように、アモルファスシリコン層へのイオン注入の場合、ある波長(たとえば630nm)におけるcos Δ,tan Ψを測定しても、注入エネルギーが増大しても、cos Δ,tan Ψの測定値の変化に規則性はないので、この測定結果からイオン注入エネルギーを把握できない。
【0051】
このように、従来、高濃度不純物のイオン注入によって形成される不純物拡散領域についてエリプソメトリ法によってはイオン注入エネルギー等の条件の適否を評価することができなかった。
【0052】
(第1の実施形態)
以下、分光エリプソメトリ法を使用することによって得られる情報の例である各具体例について説明する。
【0053】
−第1の具体例−
本具体例では、分光エリプソメトリ法によるcos Δ(又はtan Ψ)のスペクトルを相関関係と比較してアモルファス領域の厚みを測定する方法について説明する。本明細書及び請求の範囲の記載において、「スペクトル」は、スペクトルパターンとして把握されるものであってもよいし、波長対cos Δ(又はtan Ψ)の数値(表)として把握されるものであってもよいものとする。
【0054】
以下の図7,図8に示すデータを得るに際し、シリコン基板は予めp型不純物がドープされたp型シリコン基板を用い、その抵抗率は10.0〜15.0(Ω・cm)、基板面の結晶方位は(100)である。また、注入イオン種としてはAs+ を用い、注入エネルギーを20〜80(keV)の間で変え、注入量を2〜4×1015cm-2の間で変えている。また、分光は、250〜800nmの範囲で行っている。
【0055】
図7は、注入量を4×1015cm-2と一定にした場合のアモルファス領域の厚みの注入エネルギー依存性を示すデータである。同図において、横軸は注入エネルギー(keV)を示し、縦軸はアモルファス領域の厚み(nm)を示す。この図7のデータは、図5,図6に示す注入エネルギー条件(20,30,40,50(keV))について、TEMでアモルファス領域の厚みを測定して、そのときのcos Δ,tan Ψのスペクトル形状とアモルファス領域の厚みの測定結果との相関関係を調べておくことにより求めたものである。図7には、TEMによる注入エネルギーとアモルファス領域の厚みとの関係も示されている。図7からわかるように、本実施形態に係る分光エリプソメトリ法によって求められるアモルファス領域の厚みはTEMによる実測結果に近く、非破壊で高精度の測定を行うことができる。つまり、インラインでの検査(図2に示すようなプロセスとプロセスとの間における検査をいう)に適した評価方法を提供することができる。
【0056】
図8は、イオン注入エネルギーを40(keV)と一定にした場合のアモルファス領域の厚みの注入量依存性を示すデータである。同図において、横軸は注入量(×1015cm-2)を示し、縦軸はアモルファス領域の厚み(nm)を示す。この図8のデータは、注入量(ドーズ量)を2.0,2.5,3.0,3.5,4.0×1015cm-2の5段階で変化させたときの厚みをTEMで測定し、そのときのcos Δ,tan Ψのスペクトル形状とアモルファス領域の厚みの測定結果との相関関係を予め調べておくことにより求めたものである。
【0057】
図30(a)は、注入量Dを一定として注入エネルギーEを種々の値E1,E2,E3,…に変化させたときのアモルファス領域の厚みd11,d12,d13,…を、各注入量D1,D2,D3,…ごとに求めたものをまとめたマトリックスである。このマトリックスに示されるイオン注入の注入量を一定としたときの注入エネルギーEとアモルファス領域の厚みdとの関係を第1の相関関係とする。これは、図7に示すようなアモルファス領域の膜厚の注入エネルギー依存性としてまとめてもよい。
【0058】
あるいは、注入エネルギーEを一定として注入量を種々の値D1,D2,D3,…に変化させたときのアモルファス領域の厚みd11,d21,d31,…を、各注入エネルギーE1,E2,E3,…ごとに求めたものと解釈してもよい。その場合には、このマトリックスに示されるイオン注入の注入エネルギーを一定としたときの注入量Dとアモルファス領域の厚みdとの関係が第1の相関関係となる。これは、図8に示すようなアモルファス領域の膜厚の注入量依存性としてまとめてもよい。
【0059】
図30(b)は、注入量Dを一定として注入エネルギーEを種々の値E1,E2,E3,…に変化させたときのcos Δのスペクトルパターン(又は測定波長対cos Δの数値の関係表)を、各注入量D1,D2,D3,…ごとに求めたものをまとめたマトリックスである。このマトリックスに示される注入エネルギーEとcos Δのスペクトルとの関係を第2の相関関係とする。
【0060】
あるいは、注入エネルギーEを一定として注入量を種々の値D1,D2,D3,…に変化させたときのcos Δのスペクトルを、各注入エネルギーE1,E2,E3,…ごとに求めたものと解釈してもよい。その場合には、このマトリックスに示される注入量Dを一定としたときの注入エネルギーとcos Δのスペクトルとの関係が第2の相関関係となる。
【0061】
本具体例において、上記図5,図7,図8及び図30(a),(b)のデータを利用することにより、以下のような方法によってアモルファス領域の厚みを知ることができる。
【0062】
第1の方法は、もっとも簡便な方法であって、あるアモルファス領域に対する分光エリプソメトリ法による測定を行なって得られたcos Δ(又はtan Ψ)のスペクトルパターン(又は測定波長対cos Δの数値の関係表)を、図30(b)中の各注入条件における波長対cos Δ(又はtan Ψ)との関係(第2の相関関係)に照らし合わせ、もっともよく一致するものを選んでアモルファス領域の厚みを求める方法である。これは、スペクトル形状であってもよいし、波長の値とcos Δの値との数値同士を対応させた表であってもよい。これは、注入イオンが定まると、注入量や注入エネルギーに応じて固有のcos Δ(又はtan Ψ)のスペクトル形状が得られる点に着目したもので、スペクトル形状を用いる場合には例えば指紋照合システムの応用が可能である。
【0063】
第2の方法は、図31に示す方法であって、イオン注入における注入量がわかっている場合に第1,第2の相関関係を利用してアモルファス領域の厚みを求める方法である。
【0064】
まず、ステップST61で、TEMにより、注入量Dを一定として注入エネルギーEを種々の値E1,E2,E3,…に変化させたときのアモルファス領域の厚みdを、各注入量D1,D2,D3,…ごとに求め、これを図30(a)に示す第1の相関関係として記憶しておく。
【0065】
次に、ステップST62で、一定の注入量で形成されたアモルファス領域から得られるcos Δのスペクトルと注入エネルギーEとの関係を第2の相関関係として作成し、図30(b)に示す第2の相関関係として記憶しておく。
【0066】
次に、ステップST63で、既知の注入量で形成されたアモルファス領域について分光エリプソメトリ法による測定を行なってcos Δのスペクトルパターンを求める。これは、波長の値とcos Δの値との数値同士を対応させた表であってもよい。例えばこのときに、図5に示すスペクトルパターンSA5が得られたとする。
【0067】
次に、ステップST64で、スペクトルパターンSA5を第2の相関関係に照らし合わせることで、注入エネルギーEがわかる。例えば、図5に示す例では、スペクトルS5Aを与える注入エネルギーEは35keVであったとする。
【0068】
次に、ステップST65で、求めた注入エネルギーEを第1の相関関係に照らし合わせて、アモルファス領域の厚みdを求める。例えば、注入エネルギーEが35keVとわかった場合、図30(b)の表又は図7を参照してアモルファス領域の厚みを62nmと決定することができる。一般的には、アモルファス領域の厚みを5nm刻み程度に決定すればよいことが多いので、アモルファス領域の厚みを近似的に60nmとしてもよい。実際には、図7に示すように、エリプソメトリの実測データから膜厚が計算されるようにフィッティングしておけば、この方法によっても、第1の方法と同様に、測定データから装置内での計算によってアモルファス領域の厚みが瞬時に算出される。計算結果も、TEMによる実測値とほぼ一致していることは明らかである。
【0069】
第3の方法は、図32に示す方法であって、イオン注入における注入エネルギーがわかっている場合に第1,第2の相関関係を利用してアモルファス領域の厚みを求める方法である。
【0070】
まず、ステップST71で、TEMにより、注入エネルギーEを一定として注入量を種々の値D1,D2,D3,…に変化させたときのアモルファス領域の厚みdを、各注入エネルギーE1,E2,E3,…ごとに求め、これを第1の相関関係として記憶しておく。
【0071】
次に、ステップST72で、一定の注入エネルギーで形成されたアモルファス領域から得られるcos Δのスペクトルと注入量との関係を第2の相関関係として作成し、図30(b)に示す第2の相関関係として記憶しておく。
【0072】
次に、ステップST73で、既知の注入エネルギーで形成されたアモルファス領域について分光エリプソメトリ法による測定を行なってcos Δのスペクトルパターンを求める。これは、波長の値とcos Δの値との数値同士を対応させた表であってもよい。
【0073】
次に、ステップST74で、cos Δのスペクトルパターンを第2の相関関係に照らし合わせることで、注入量Dがわかる。
【0074】
次に、ステップST75で、求めた注入量Dを第1の相関関係に照らし合わせて、アモルファス領域の厚みdを求める。すなわち、図30(b)の表又は図8を参照してアモルファス領域の厚みを決定することができる。実際には、図8に示すように、エリプソメトリの実測データから膜厚が計算されるようにフィッティングしておけば、この方法によっても、第1の方法と同様に、測定データから装置内での計算によってアモルファス領域の厚みが瞬時に算出される。
【0075】
第4の方法は、図7に示すアモルファス領域の厚みの注入エネルギー依存性と、図5に示す注入エネルギーとスペクトル形状との関係とを組み合わせる方法である。反射光のcos Δのスペクトルのうち所定の波長領域においては、スペクトルの極大値を示す波長がわかれば、アモルファス領域の厚みがほぼ推定できる。第1の相関関係を上記第2の方法と同様に設定し、この極大値を示す波長と注入エネルギーEとの関係を各イオン注入量ごとに第2の相関関係として記憶しておけば、図31に示すフローチャートと同様の手順で、簡便にアモルファス領域の厚みを求めることも可能である。
【0076】
第5の方法は、図8に示すアモルファス領域の厚みの注入量依存性と図3(b)に示す注入量−スペクトルパターンの関係とを組み合わせる方法である。反射光のcos Δのスペクトルのうち所定の波長領域においては、スペクトル中のcos Δの極大値がわかれば、アモルファス領域の厚みがほぼ推定できる。第1の相関関係を上記第3の方法と同様に設定し、このcos Δの極大値と注入量との関係を各イオンエネルギーごとに第2の相関関係として記憶しておけば、図32に示すフローチャートと同様の手順で、簡便にアモルファス領域の厚みを求めることも可能である。
【0077】
−第2の具体例(アモルファス領域の厚みの面内分布)
図9(a),(b),(c)は、同じウエハに対して分光エリプソメトリ法,サーマルウェーブ法,シート抵抗法により測定して得られたアモルファス領域のウエハ面内均一性を示す図である。As+ を注入エネルギー40(keV),ドーズ量5×1015cm-2の条件で注入したときの測定結果を示す。同図(a)に示す本実施形態に係る分光エリプソメトリ法では、アモルファス領域の厚みが69nmであり面内均一性は0.153%である。また、同図(a)のうち(−)で示す厚みが薄くなっている部分がアモルファス化している領域である。同図(b)はサーマルウェーブ法によるイオン注入量の面内均一性を示し、四角の部分が平均値の領域を示す。同図(c)はシート抵抗法によるイオン注入量の面内均一性を示す図である。各図における等高線は、いずれも0.5%の差が生じる境界を示している。ここで、サーマルウェーブ値は、相対量であり、必ずしもイオン注入量を正確に反映しているかどうかはわからない。図9(c)に示すデータでは、イオン注入量の面内均一性が非常に悪くなっている。抵抗法を用いる場合、シート抵抗を測定するためには注入された不純物を活性する熱処理が必要であり、この熱処理により面内均一性が悪化しているものと思われる。
【0078】
それに対し、本実施形態による分光エリプソメトリ法によるアモルファス領域の厚みの面内均一性測定によれば、非破壊でありながらアモルファス領域の厚みのウエハ面内でのばらつきを、熱処理の要因を混在させることなく、注入条件のみの要因によるばらつきとして把握することができる。
【0079】
−第3の具体例−
本具体例は、本発明の分光エリプソメトリ法によって測定されるtan Ψ,cos Δのスペクトル線の特徴的な形状から得られる情報に関するものである。
【0080】
図10は不純物イオンを注入していないシリコン基板に対する分光エリプソメトリ法によるtan Ψ,cos Δのスペクトル線を示し、図11〜図15はそれぞれ各図に示す条件でシリコン基板に不純物イオンを注入した領域に対する分光エリプソメトリ法によるtan Ψ,cos Δのスペクトル線をそれぞれ示す。
【0081】
ここで、図10に示す不純物を注入していないシリコン基板に対するcos Δのスペクトル線には、3つの特徴的な領域Ra,Rb,Rcがある。Raはスペクトル線が右下がりに変化する減少領域である。Rbはcos Δの値が極小となるある程度幅のある極小領域である。Rcはスペクトル線が右上がりに変化する増大領域である。また、減少領域Raにおいて、ハンプ部Rhが存在するのが特徴的である。そして、上記各図におけるこの特徴的な領域の形状と、イオン注入をした後の分光エリプソメトリ法によるcos Δ,tan Ψのスペクトル線の形状とを比較することで、以下の情報が得られる。
(1) ドーズ量の相違によるスペクトル線形状の相違
同じ注入装置を用いたときの注入量の相違とcos スペクトル形状の相違との関連について論ずる。図11と図12とを比較すると、 cos Δのスペクトルにおける減少領域Raにおける勾配が図11の方が緩やかであり、かつ減少領域Ra中に現れるべきハンプ部Rhが図11でより不明確になっている。図10に示したように、注入されていない基板のcos Δのスペクトル線にはハンプ部Rhが明確に現れているのに対し、図11ではハンプ部Rhが明確に現れていない。このことから、図11の条件つまり不純物イオンの注入量が多い方がシリコン基板をアモルファス化させやすい条件であることがわかる。また、図13と図14とを比較しても、イオン注入量の多い条件である図14において減少領域Raの勾配が緩やかでかつハンプ部Rhが不明確になっており、上記と同じ結論が得られる。
(2) 注入装置の性能の比較
図12と図13とを比較すると、図13のスペクトル線の減少領域Raにおけるハンプ部Rhがより不明瞭であり、かつ図13の方が増大領域Rcの勾配が緩やかである。図10に示したとおり、注入されていない基板のcos Δのスペクトル線には、ハンプ部Rhが明確に現れ、かつ、増大領域Rcの勾配がきつくなっていることがわかる。そして、図12と図13とに示すイオン注入条件は、注入装置が異なる点を除けば同じであることから、B社のイオン注入装置の方がシリコン基板をアモルファス化させやすいことがわかる。言い換えると、本実施形態の方法により、イオン注入装置の性能の評価ができることになる。
(3) 電流密度依存性
図14と図15とを比較すると、図14のスペクトル線の方が図15のスペクトル線よりも減少領域Ra及び増大領域Rcの勾配がやや緩やかである。このことは、たとえば図14における波長300nmにおけるcos Δの値よりも図15における同じ波長におけるcos Δの値が小さいことからわかる。したがって、図15に示す条件の方がシリコン基板をアモルファス化させにくいことがわかる。ここで、図14に示す条件と図15に示す条件とを比較すると、図15に示す条件は電流密度が大きい点だけが両者の相違点である。すなわち、図15に示すような大電流によるイオン注入を行った場合、イオン注入によってアモルファス領域が結晶状態に回復しようとするいわゆるビームアニール効果が生じていることがわかる。
【0082】
また、この電流密度依存性に関し、図11と図15とを比較すると、同じイオン注入量によって得られたスペクトルでありながら、図11のハンプ部Rhの方が図15におけるハンプ部Rhよりも明確であり、かつ減少領域Raの勾配も図11の方が少し急である。さらに、図11における極小領域Rbが平坦になっており、アモルファス領域の厚さが薄くなっている。このことから、A社のイオン注入装置の方が、B社のイオン注入装置の電流密度2000μAによる注入条件よりもビームアニール効果が大きいことがわかる。ただし、A社のイオン注入装置の電流密度は不明である。
(4) その他
なお、たとえば図10,図11及び図12を比較するとわかるように、tan Ψのスペクトル形状がなだらかであるほど結晶性の乱れ(非晶質化)が進んでいることがわかる。したがって、cos Δのスペクトルの形状に加えてtan Ψのスペクトルの形状をも考察することにより、cos Δのスペクトルの形状のみからイオン注入条件やアモルファス領域の物理量を判定するよりもさらに正確な判断を行うことができる。ただし、cos Δのスペクトルパターンの方が特徴的な部分が多く、かつイオン注入条件による変化も大きいので、一般的にはcos Δのスペクトルパターンを観察することだけでも十分である。
【0083】
上記各具体例では、不純物イオンとしてAs+ イオンを注入した例について説明したが、本発明はかかる具体例に限定されるものではなく、B+ イオン,Si+ イオン,P+ イオン等を注入した半導体層についても適用することができる。さらに、半導体層としてはシリコン層だけではなく化合物半導体からなる半導体層などの他の半導体材料からなる半導体層についても適用できる。
【0084】
(第2の実施形態)
次に、アニール等の処理時における基板表面の実際の温度を測定するための分光エリプソメトリ法の応用に関する第2の実施形態について説明する。
【0085】
−第1の具体例(基板表面の実際の温度を測定する方法)−
まず、アニール処理とアモルファス領域の厚みとの関係を求める。
【0086】
図16は、As+ イオンが30keV,3×1014cm-2の条件で注入されたウエハについて、ウエハの保持温度とアモルファス領域の厚みとの関係を示すデータである。横軸は、デガスチャンバーの電源のパワーを示しており、オフ時は0%であり、最大時は100%になっている。デガスチャンバーとは、CVD装置やスパッタリング装置に付属しているチャンバーであり、このデガスチャンバー内でウエハを真空状態で加熱して保持するものである。このように、デガスチャンバーの電源の表示は、0〜100%で表示はされているが、チャンバー内に設置された基板の表面温度は正確にはわからない。縦軸は、サンプルを所定温度で保持した後のアモルファス領域の厚みである。As+ イオンが注入された半導体層を有するウエハを用い、Tiスパッタリング装置の予備加熱用のデガスチャンバを用い、チャンバー内で基板は真空状態で加熱される。また、アモルファス領域の厚みは、図7,図8について説明したのと同じ方法により測定している。アモルファス領域における分光エリプソメトリ法により、点A16,B16,C16の条件でのアモルファス領域の膜厚を測定している。アモルファス領域のデガスチャンバ内への保持時間はいずれも30secとし、ウエハの裏面に温度センサが取り付けられたいわゆるTCウエハを用い、この温度センサによっても温度を測定している。ただし、TCウエハによってはウエハの裏面温度がわかるだけで、ウエハの表面温度がわかるわけではない。同図の点A16はデガスチャンバに保持する時間が「0」の状態,つまりas-implantのサンプルのデータであり、点B16はデガスチャンバの電源パワーを定格の40%(TCウエハの測定値である裏面温度は250℃)としたときのデータであり、点C16はデガスチャンバの電源パワーを定格の60%(裏面温度は270℃)としたときのデータであり、点D16はデガスチャンバの電源パワーを定格の70%(裏面温度は350℃)としたときのデータである。なお、このような低温でのアニールの場合、30sec経過後はそれ程大きな厚みの変化がないものの、厚みの減少がみられる。
【0087】
一方、図19は、文献(Journal of Applied Physics Vol.48,No.10,October 1977,p.4237 )に掲載されているFig.4であって、アモルファス領域の回復(再結晶)の進行速度とアニール条件との関係を示す図である。図19において、横軸は温度であり、縦軸はアモルファス領域から結晶への回復進行速度を表している。この図から、例えばAsイオンが注入されて形成されたアモルファス領域の500℃での回復速度は約60Å/min.であることがわかる。同図に示すように、アニール温度と回復との間には明確な相関関係があることがわかっている。ただし、450℃以下の温度における回復速度については何も示されていない。
【0088】
ここで、例えば1×1015cm-2のAs+ イオンの注入により形成されたアモルファス領域については、アニール温度が450℃程度以下になるとアモルファス領域は回復(再結晶)しないと考えられていた。それに対し、図16に示すデータによると、温度250〜350℃程度の低温アニールであってもアモルファス領域の厚みの減少が確認されており、このような低温においてもある程度アモルファス領域の回復(再結晶)が生じていることがわかった。
【0089】
従来のチャンバー内における温度測定は、TCウエハの裏面に取り付けた温度センサにより行なわれてきた。しかし、TCウエハを用いても、ウエハの裏面の温度はわかるものの、ウエハの表面の温度、つまりアモルファス領域が熱処理を受けている実際の温度を測定することはできなかった。また、温度の測定範囲にも限界があり、ある程度高温(500〜600℃以上)になると測定精度が悪化するといわれている。
【0090】
それに対し、本具体例の方法によると、後の具体例で用いる保持時間と回復レートとの相関関係、あるいは保持時間と厚みの減少量との相関関係を用いれば、ウエハ表面の温度を精度よく測定することができる。したがって、デガスチャンバーのように電源パワーの%表示しかされていないような装置であっても、特定のパワーでウエハの表面温度が何度になっているのかを正確に測定することができる。この実験データだけからウエハの表面温度がわかるものではないが、既に説明した第1の実施形態の厚みの測定を利用して熱処理前後の厚みがわかれば、保持時間と回復レートとの相関関係、あるいは保持時間と厚みの減少量との相関関係から熱処理中の温度を測定することができる。その具体的な方法については、後に説明する。
【0091】
なお、この具体例では、デガスチャンバー内にセットしたウエハ表面の温度測定について説明したが、その他、CVD装置,スパッタリング装置,アニール装置においても、同様に、ウエハ表面の温度を正確に測定することができる。また、ウエハの表面温度がわかるということは、ウエハ面内の温度分布やチャンバー内のウエハが設置されている領域における温度分布がわかることを意味する。
【0092】
−第2の具体例−
次に、アニール処理条件と不純物イオンが注入された領域(アモルファス領域)の膜質との関係を求めるために行なった第2の具体例に関する実験結果について説明する。
【0093】
図17は、ウエハの保持温度とアモルファス領域に入射した光の吸収係数との関係を示すデータである。ただし、ウエハやデガスチャンバ内への保持時間等は図16に示す厚みの測定の際の条件と同じである。そして、同図の点A17はデガスチャンバに保持する時間が「0」の状態,つまりas-implantのサンプルのデータであり、点B17はデガスチャンバの電源パワーを定格の40%(裏面温度250℃)としたときのデータであり、点C17はデガスチャンバの電源パワーを定格の60%(裏面温度270℃)としたときのデータであり、点D17はデガスチャンバの電源パワーを定格の70%(裏面温度350℃)としたときのデータである。ただし、かっこ内の温度は、いずれもTCウエハに付設された温度センサの示す温度である。なお、30sec経過後は、それ程大きな吸収係数の変化がないものの、変化はみられる。
【0094】
図17に示す実験結果から、アニール条件の相違によるアモルファス領域の膜質の相違の評価をも行うことができることがわかった。分光エリプソメトリのスペクトル形状を観察するにはある程度の時間が必要であるが、吸収係数を求めるだけであれば、極めて迅速かつ容易に膜質を評価できる。この吸収係数は、アモルファス領域の透明度に左右されるものであり、この値はアモルファス領域の結晶学的な状態を反映している。したがって、例えば製造工程において不良品とはならない吸収係数の範囲を予め求めてそれを適正範囲として準備しておくことにより、実際の製造工程においても、アモルファス領域の吸収係数が適正範囲に入っていれば良品として、吸収係数が適正範囲に入っていなければ不良品として判断することで、極めて迅速に合否判定を行なうことができる。
【0095】
−第3の具体例−
次に、分光エリプソメトリ法を利用したアモルファス領域の厚み測定から得られるアニールにおける厚み及び吸収係数の変化と保持時間との相関関係に関する第3の具体例について説明する。
【0096】
図18(a)は、各種のサンプルについて得られたアニール時間に対する厚みと吸収係数との変化を示すデータである。ただし、○は30keV,4×1015cm-2の条件でイオン注入を行なったウエハの厚みの変化を示し、●は同条件でイオン注入を行なったウエハの吸収係数の変化を示し、△は30keV,3×1014cm-2の条件でイオン注入を行なったウエハの厚みの変化を示し、▲は同条件でイオン注入を行なったウエハの吸収係数の変化を示す。また、いずれも550℃の温度に一定時間の間保持するようにしている。
【0097】
図18(a)に示す○,△のデータを結ぶ直線の傾きから、以下のことがわかる。
【0098】
△のデータについて見ると、アニール開始から10sec経過するまでの間の厚み変化は、(44.8−32)nm/10sec=77nm/minである。この回復(再結晶)速度は、図19に示す550℃における回復速度20nm/minに比べるとはるかに大きい。そして、アニール開始後10secを経過したときから60sec経過時の50secの間における回復速度は、(32−15)nm/50sec=17nm/50sec=20.4nm/minである。この値は図19に示す550℃における回復速度20nm/minにほぼ等しい。また、60sec経過時から180sec経過時までの120sec間における回復速度は、15(nm)/120(sec)=7.5nm/minであり、非常に小さい。そして、120sec経過時にアモルファス領域は消失している。
【0099】
○のデータについてみると、回復速度の変化は、上述の△のデータにほぼ等しい。さらに、注目すべきは、ドーズ量が3×1014cm-2という低濃度のイオン注入により形成されたアモルファス領域はアニール時間の経過につれて進行し最終的にはほぼ「0」になるのに対し、ドーズ量が4×1015cm-2という高濃度のイオン注入で形成されたアモルファス領域の厚みは、50sec程度経過した後にはほとんど一定になっている。言い換えると、50sec程度経過した後はほとんど回復が進行しない。これは、残存酸素量と関係があると思われる。
【0100】
また、●や▲のデータについてみると、○や△の変化に比較的類似した変化をしていることがわかる。これは、吸収係数の値を見ることによっても、膜質の変化だけでなくある程度厚みの変化を把握できることを示している。
【0101】
図18(b)は、図18(a)のデータ(550℃アニール)から、アニールの経過時間と、アモルファス領域の厚みと、回復レートとをそれぞれまとめたテーブルである。このテーブルは△のデータについてのものであるが、○のデータについても同様のテーブルを作成しておくことができる。図18(b)のようなテーブルをいろいろなアニール温度ごとに用意しておくことによって、回復速度及び保持時間からアニール温度を知ることができる。
【0102】
以上のように、本具体例により、所定のアニール温度におけるアモルファスから結晶への回復の速度の時間変化を求めることができるとともに、アニール温度をも検知することができる。
【0103】
−第4の具体例−
次に、図19に示すデータと同様のアニール温度と不純物イオンが注入された領域(アモルファス領域)の回復による厚みの変化との関係を、550℃以下,特に450℃以下の低温アニールについて求めた第4の具体例について説明する。
【0104】
図20(a)は、保持時間がほぼ「0」に近い条件下におけるフラッシュアニール、つまり、昇温後すぐに電源をオフするような条件下でウエハのアニールを行なったときのアモルファス領域の回復速度の温度依存性を示すデータである。図20(a)のデータは、As+ イオンが30keV,3×1014cm-2の条件で注入されたウエハについて求めたものである。同図に示すように、アモルファス領域の回復による厚みの減少量は、アニール温度に対してほぼリニアに変化していることがわかる。なお、図20(a)に示す条件下で形成された不純物イオンが注入された領域(アモルファス領域)の回復は、アニール温度が低くなるにつれてこれ以上アニール時間を長くしてもあまり進行しないという傾向が顕著に見られた。
【0105】
図20(a)において、点B20,C20,D20,E20,F20は、それぞれ250℃,270℃,350℃,450℃,550℃でアニールをしている。アモルファス領域の回復膜厚は、それぞれ0.4nm,1.8nm,2.8nm,6.2nm,9nmとなっている。点B20,C20,D20の3つのポイントでは、アニール温度が低く、アモルファスから結晶への回復に際しては特異な現象を示している。
【0106】
図20(b)は、点D20の条件による通常のアニールにおけるアモルファス膜厚の経時変化を示す図である。同図に示すように、点D20の条件で長時間保持しても、極めて短時間のうちに2.8nmの厚みだけ減少した後は、これ以上の結晶化は進行せず、アモルファス領域の膜厚は一定のままである。点B20,C20の条件における通常のアニールにおいても、同様の現象が見られる。すなわち、アニール温度が低い場合には、瞬時にアモルファスの膜厚が減少するが、それ以降、結晶化は進行しない。この現象を利用すれば、アモルファスから結晶に進行しにくい450℃以下の温度で処理する装置において、例えばAs+ イオンを、30keV,3×1014cm-2の条件で注入することにより形成したアモルファス領域を、その装置内に所望の時間保持して、処理の前後におけるアモルファス領域の膜厚の減少量を求めることにより、図20(a)に基づき正確なアニール温度を求めることができる。
【0107】
この図20(a)に示すようなデータを、各イオン注入条件で作成したアモルファス領域(具体的には、MOSFETのソース・ドレイン領域)について作成しておくことにより、450℃以下の低温アニールについても、エリプソメトリ法によるアモルファス領域の厚みの測定結果からアニール温度を測定することが可能である。例えば、フラッシュアニールを行なう条件下では、アニール前後におけるアモルファス領域の厚みの変化が約6nmであったとすると、アニール温度は約440℃であることがわかる。
【0108】
すなわち、このような測定結果を利用して、現実の厚みの変化量と処理条件とをこのようなデータと照らし合わせることで、現実のアニール温度がわかることになる。そして、このデータからアニール条件の正確な設定が可能となる。
【0109】
また、加熱用電力を一定にしてアニールを行なうとともに、この加熱用電力をパラメータとして温度−厚みの相関関係を求めることも可能である。
【0110】
なお、450℃以上の比較的短時間のアニールについては、図19に示すデータを利用して、エリプソメータにより測定したアモルファス領域の厚みの減少量とアニール時間とから求まる回復レートに基づいて、アニール温度を求めることができる。ただし、アモルファス領域の回復の状態は、図18に示すように、イオン注入条件やアニール温度によって多様に変化している。したがって、図19に示すデータは、必ずしも正確な温度の測定には適していないこともあるので、図20に示すようなアモルファス領域の厚みの減少量の温度依存性を各イオン注入条件について予め求めておくことが好ましい。特に、アニール時間が変わる場合には、図18に示すようなアニール時間の経過に対するアモルファス領域の厚みの変化特性を予め求めておくことが好ましい。
【0111】
次に、上記第1〜第4の具体例に示されるデータを利用して、以下のような温度測定が可能である。
【0112】
図27は、図20のデータを利用して、アニール中におけるウエハ表面の温度を測定するための手順を示すフローチャートである。
【0113】
まず、ステップST31で、厚みがd0 のアモルファス領域を形成する。次に、ステップST32で、ある一定温度Tの下である一定時間tの間熱処理(アニール)を行なって、そのときのアモルファス領域の厚みd1 を測定する。そして、ステップST33で、アモルファス領域の厚みの減少量d0 −d1 を計算する。最後に、ステップST34で、図20の減少量と計算値とを比べると上記一定温度Tがわかることになる。
【0114】
図28は、図18のデータを利用して、一定温度のアニール中における回復レートからウエハ表面の温度を測定するための手順を示すフローチャートである。
【0115】
まず、ステップST41で、厚みがd0 のアモルファス領域を形成する。次に、ステップST42で、ある一定温度Tのもとで、ある一定時間tをt1 ,t2 ,t3 と変えて熱処理(アニール)を行なって、そのときのアモルファス領域の厚みd1 ,d2 ,d3 を測定する。そして、ステップST43で、アモルファス領域の回復レートr(=d0 −d1 /t1 ,d0 −d2 /t2 ,d0 −d3 /t3 を計算する。最後に、ステップST44で、図18(又は図19)の回復レートと計算の結果得られた回復レートrとを比べると、一定温度Tがわかることになる。また、回復レートを見るときにいずれかの時点における膜厚がわかるので、図18(a)を利用しても、アモルファス領域の厚みの減少量がわかればアニール温度がわかる。例えば、初期厚みが44.8nmということと、10秒間のアニール後の厚みが32nmということとが測定からわかった場合には、各アニール温度について予め準備している図18(a)のようなデータと照らし合わせることにより、550℃のアニールであると判断することができる。
【0116】
図29は、図18のデータを多くのアニール温度について準備しておくことにより、一定時間のアニール中における回復レートからウエハ表面の温度を測定するための手順を示すフローチャートである。
【0117】
まず、ステップST51で、厚みがd0 のアモルファス領域を形成する。次に、ステップST52で、ある一定時間tのもとで、ある一定温度TをT1 ,T2 ,T3 と変えて熱処理(アニール)を行なって、そのときのアモルファス領域の厚みd1 ,d2 ,d3 を測定する。そして、ステップST53で、アモルファス領域の回復レートr(=d0 −d1 /t,d0 −d2 /t,d0 −d3 /tを計算する。最後に、ステップST54で、図18のような回復レートを示す多くのデータのうち計算の結果得られた回復レートrにもっともよく一致する回復レートを示す温度を選択することで、一定温度Tがわかることになる。
【0118】
−第5の具体例−
次に、分光エリプソメトリを利用したウエハ内あるいはチャンバ内の温度分布の測定に関する第5の具体例について説明する。
【0119】
図21は、図16の点A16に示す状態のウエハ内におけるアモルファス領域の面内均一性を示す厚み分布図である。このときの平均厚みは44.785nmで上記図16の点A16における厚み値と等しい。ウエハの各点における厚みは平均値と比べて厚みが大きい(+で表示)か、厚みが小さいか(−で表示)を示している。また、図22は、図16の点C16に示す状態のウエハ内におけるアモルファス領域の厚み分布図である。図21と同様に、ウエハの各点における厚みは平均値と比べて厚みが大きい(+で表示)か、厚みが小さいか(−で表示)を示している。このときの平均厚みは43.059nmで、図16の点C16における厚み値と等しい。図22に示される厚み分布の状態は、図21に示される厚み分布状態とは全く変わっていることがわかる。図23は、図22に示す各測定点の厚みから図21に示す各測定点の厚みを差し引いた値の分布図で、30sec間における各測定点の厚みの変化を示す。厚みの減少量は、アモルファスから結晶へ変化した膜厚のことであり、減少量がウエハ面内で平均値(太線で表示)に対してどのように分布しているのかを示している。
【0120】
このように、減少した膜厚の分布を求めることによって、ウエハ面内での温度分布を知ることができる。もう少し詳しく説明すると、アニール時間は30秒であり、また、平均膜厚の変化もA16(44.785nm)−C16(43.059nm)であることから、減少した膜厚は(44.785−43.059)=1.726nmとなり、図20からアニール温度(ここでは、275℃)を求めることができるのと同時に、ウエハ面内での膜厚の減少量の分布からウエハ面内での温度分布もわかる。
【0121】
−第6の具体例−
次に、分光エリプソメトリを利用したウエハ内あるいはチャンバ内の膜質の分布の測定に関する第6の具体例について説明する。
【0122】
図24は、図16の点A16に示す状態のウエハ内におけるアモルファス領域の吸収係数の分布図である。吸収係数が大きいということは、アモルファス領域の透明度が高い(結晶に近いアモルファス)ということを意味するので、吸収係数からアモルファス領域の膜質がわかる。膜質とは、アモルファスの中でも不規則性が小さくより結晶に近いアモルファスもあれば、不規則性が大きくアモルファスの程度が大きいものもあるので、その相違を判断するための尺度である。また、図25は、図16の点C16に示す状態のウエハ内におけるアモルファス領域の吸収係数の分布図である。
【0123】
本具体例においても、吸収係数の分布からアニールによるアモルファス領域の膜質の回復状態の分布がわかることになる。すなわち、従来、低温アニールにおけるアモルファス領域の膜質の回復状態の面内均一性の評価は不可能であったが、本発明により、アモルファス領域の膜質の面内不均一性を評価することができる。
【0124】
そして、この吸収係数の値やウエハ面内での吸収係数の分布を利用して、例えばシリサイドを形成する領域(MOSトランジスタのソース・ドレイン領域)の膜質を評価できる。
【0125】
例えばサリサイドプロセスにおいては、下地となる半導体層(ソース領域,ドレイン領域,ゲート領域)の膜質がシリサイド化の反応性に影響を与えるので、シリサイド化を行なう前の半導体層の膜質を把握することが重要となる。したがって、チタン膜をイオン注入された半導体層(例えばソース・ドレイン領域)の上に堆積する前に、半導体層の吸収係数を測定しておき、後に形成されるシリサイドのグレイン・サイズや、シリサイド化の進行状態との関係を把握しておくことにより、シリサイドプロセスを適正化するための管理を行なうことができる。
【0126】
(第3の実施形態)
本実施形態では、上記第1の実施形態又は上記第2の実施形態の第1〜第6の具体例を利用した製造工程の管理方法について説明する。
【0127】
−第1の具体例−
図26(a),(b)は、上記第1の実施形態に係るアモルファス領域の厚みの測定を利用して、イオン注入工程の管理を行なう2つの方法を示すフローチャートである。
【0128】
図26(a)に示す方法によると、ステップST11において半導体層を有する基板の洗浄を行ない、ステップST12において半導体層内にイオン注入を行なって半導体層内にアモルファス領域を形成する。次に、ステップST13においてアモルファス領域の厚みが適正範囲内にあるか否かを判別する。そして、この判別において、アモルファス領域の厚みが適正範囲内にあれば、次の工程であるステップST14に進み、イオン活性化のための熱処理を行なう。一方、ステップST13の判別において、アモルファス領域の厚みが適正範囲内になければ、その基板をロットアウトにする。
【0129】
この方法により、不良の基板の工程を進めることによる以後の無駄な処理を回避することができる。
【0130】
図26(b)に示す方法によると、ステップST21において半導体層を有する基板の洗浄を行ない、ステップST22において半導体層内にイオン注入を行なって半導体層内にアモルファス領域を形成する。次に、ステップST23においてアモルファス領域の厚みが注入条件を変更しなくてもよい最適範囲内か否かを判別する。そして、この判別において、アモルファス領域の厚みが最適範囲内であれば、何も措置をとることなく、次の工程であるステップST24に進み、イオン活性化のための熱処理を行なう。一方、ステップST23の判別において、アモルファス領域の厚みが最適範囲内になければ、ステップST22における注入条件をアモルファス領域の厚みが最適範囲内になるように変更する(注入エネルギーを大きくする)。
【0131】
この方法により、イオン注入工程におけるイオン注入条件をできるだけ最適状態に保持することができ、歩留まりの向上とアモルファス領域の厚みのばらつきの低減による後の工程の安定化とを図ることができる。
【0132】
なお、上記ステップST23においてアモルファス領域の厚みが下限値以上か否かを判別し、アモルファス領域の厚みが下限値以上であれば、次の工程であるステップST24に進み、アモルファス領域の厚みが下限値よりも小さければ、ステップST22に戻って、追加注入を行なうようにしてもよい。
【0133】
−第2の具体例−
本具体例では、成膜工程の管理方法について説明する。この場合、以下のような2つの方法に分けられる。
【0134】
第1の方法は、基板のアモルファス領域の上にCVDあるいはスパッタリングを行なってポリシリコン膜,金属膜,絶縁膜等を堆積した後、例えばウエットエッチングにより膜を除去する。そして、CVDあるいはスパッタリングを行なう前と行なった後における分光エリプソメトリ測定を行ない、処理前後のアモルファス領域の厚みなどを比較することで、CVDやスパッタリング中の温度や温度分布がわかる。もし、膜の除去時に下地のアモルファス領域への影響があるとしても、実験を重ねることにより、下地への影響によるデータの誤差を補正すればよい。すなわち、アモルファス領域が除去されるときのエッチングレートで、アモルファス領域の削られた厚みを算出できる。何回か実験を行なって、アモルファス領域が削られる厚みを確認し、それを差し引くことで、正確なCVD温度,スパッタリング温度を検出することができる。
【0135】
第2の方法は、形成される膜が測定光に対して透明なものである場合(例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜)には、アモルファス領域の上に透明な膜を形成した状態で、つまり2層膜の状態でアモルファス領域の厚みを測定することにより、成膜中の基板表面温度を検知する方法である。
【0136】
従来、CVDやスパッタリング中における基板の表面温度については有効な検知手段がなかったが、上記第2の実施形態の第1〜第6の具体例を用いることにより、高温CVDから低温CVDに至る広い種類のCVDにおける基板表面温度の検知が可能となった。したがって、CVDを行なう際の温度を適正に維持するための温度、具体的にはプラズマパワーなどを適正に設定することが可能になる。また、CVD中におけるチャンバ内の温度分布を検知することもできる。
【0137】
なお、上記第1,第2のいずれの方法においても、高温の加熱処理を伴う場合には、上記図19のデータを利用することが可能である。
【0138】
また、レジストをアッシングする際にも、300℃程度に昇温されるので、その際の温度をアモルファス領域の厚みの測定から検知することも可能である。
【0139】
(その他の実施形態)
上記各実施形態におけるアモルファス領域の厚みや膜質,アニール温度の測定は、その手順を記録媒体に記録しておくことにより自動的に行なうことができる。
【0140】
例えば、第1の実施形態の第1の具体例で説明した第1〜第5の方法の手順(例えば図31,図32に示す手順)をコンピュータで読みとり可能な記録媒体にプログラムとして記録しておくことにより、イオン注入によってアモルファス化された領域の厚みを自動的に検出することができる。
【0141】
さらに、第2の実施形態に示すアモルファス領域の厚みを利用した温度測定を行なう手順(例えば図27〜29の手順)をコンピュータで読みとり可能な記録媒体にプログラムとして記録しておくことにより、工程中の自動的に温度を検出することができる。
【0142】
本発明は、電子機器に搭載される各種トランジスタ,半導体メモリなどの半導体装置を製造するために利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施形態における評価に使用した半導体ウエハの一部における構造を示す断面図である。
【図2】発明の実施形態における評価に使用した評価装置の構成を概略的を示す図である。
【図3】(a),(b)は、発明の実施形態で行った実験によるデータであって、低濃度のアモルファス領域におけるtan Ψ及びcos Δのスペクトルをそれぞれ示す図である。
【図4】(a),(b)は、発明の実施形態で行った実験によるデータであって、高濃度のアモルファス領域におけるtan Ψ及びcos Δのスペクトルをそれぞれ示す図である。
【図5】発明の実施形態で行った実験によるデータであって、高濃度のイオン注入をその注入エネルギーを変えて行ったときのアモルファス領域におけるcos Δのスペクトルを示す図である。
【図6】発明の実施形態で行った実験によるデータであって、高濃度のイオン注入をその注入エネルギーを変えて行ったときのアモルファス領域におけるtan Ψのスペクトルを示す図である。
【図7】第1の具体例のデータであって、TEM,TRIM,分光エリプソメトリによる測定で得られたイオン注入エネルギーとアモルファス領域の厚みとの関係を比較する図である。
【図8】第1の実施形態の第1の具体例のデータであって、分光エリプソメトリによる測定で得られたイオン注入量とアモルファス領域の厚みとの関係を示す図である。
【図9】(a)〜(c)は、第1の実施形態の第2の具体例のデータであって、分光エリプソメトリによる測定で得られたアモルファス領域の厚みのウエハ内均一性をサーマルウェーブ法及びシート抵抗法によるウエハ内均一性のデータと比較する図である。
【図10】第1の実施形態の第3の具体例における比較用のデータであって、イオン注入を行っていないシリコン単結晶領域におけるcos Δ,tan Ψのスペクトルを示す図である。
【図11】第1の実施形態の第3の具体例におけるデータであって、A社のイオン注入装置を用いて1×1014cm-2のイオン注入を行ったアモルファス領域におけるcos Δ,tan Ψのスペクトルを示す図である。
【図12】第1の実施形態の第3の具体例におけるデータであって、A社のイオン注入装置を用いて5×1013cm-2のイオン注入を行ったアモルファス領域におけるcos Δ,tan Ψのスペクトルを示す図である。
【図13】第1の実施形態の第3の具体例におけるデータであって、B社のイオン注入装置を用いて5×1013cm-2のイオン注入を行ったアモルファス領域におけるcos Δ,tan Ψのスペクトルを示す図である。
【図14】第1の実施形態の第3の具体例におけるデータであって、B社のイオン注入装置を用いて1×1014cm-2のイオン注入を電流密度615μAで行ったアモルファス領域におけるcos Δ,tan Ψのスペクトルを示す図である。
【図15】第1の実施形態の第3の具体例におけるデータであって、B社のイオン注入装置を用いて1×1014cm-2のイオン注入を電流密度2000μAで行ったアモルファス領域におけるcos Δ,tan Ψのスペクトルを示す図である。
【図16】第2の実施形態の第1の具体例におけるデータであって、As+ イオンが注入されたウエハについて、ウエハの保持温度とアモルファス領域の厚みとの関係を示す図である。
【図17】第2の実施形態の第2の具体例におけるデータであって、As+ イオンが注入されたウエハについて、ウエハの保持温度と不純物イオンが注入された領域(アモルファス領域)の膜質との関係を示す図である。
【図18】(a),(b)は、それぞれ順に、第2の実施形態の第3の具体例におけるデータであって、各種のサンプルについて得られたアニール時間に対するアモルファス領域の厚みの変化を示す図、及び図18(a)のデータから作成したテーブルを示す図である。
【図19】文献に掲載されていアモルファス領域の回復(再結晶)の進行速度とアニール条件との関係を示す図である。
【図20】(a),(b)は、それぞれ順に、第2の実施形態の第4の具体例におけるデータであって、フラッシュアニールを行なったときのアモルファス領域の厚みの減少量の温度依存性を示すデータ、及び図20(a)の点D20における条件下で通常のアニールを行なったときのアモルファス領域の厚みの経時変化を示す図である。
【図21】第2の実施形態の第5の具体例におけるデータであって、図16の点A16に示す状態のウエハ内におけるアモルファス領域の厚みの分布を示す図である。
【図22】第2の実施形態の第5の具体例におけるデータであって、図16の点C16に示す状態のウエハ内におけるアモルファス領域の厚みの分布を示す図である。
【図23】第2の実施形態の第5の具体例におけるデータであって、図22に示す各測定点の厚みから図21に示す各測定点の厚みを差し引いたウエハ内の温度分布を示す図である。
【図24】第2の実施形態の第6の具体例におけるデータであって、図16の点A16に示す状態のウエハ内におけるアモルファス領域の吸収係数の分布を示す図である。
【図25】第2の実施形態の第6の具体例におけるデータであって、図16の点C16に示す状態のウエハ内におけるアモルファス領域の吸収係数の分布を示す図である。
【図26】(a),(b)は、第3の実施形態の第1の具体例におけるフローチャートであって、イオン注入されたアモルファス領域の合否判定の手順、イオン注入条件の変更の手順をそれぞれ示すフローチャート図である。
【図27】第2の実施形態におけるアニール中におけるウエハ表面の温度を測定するための手順を示すフローチャート図である。
【図28】第2の実施形態における一定温度のアニール中における回復レートからウエハ表面の温度を測定するための手順を示すフローチャート図である。
【図29】第2の実施形態における一定時間のアニール中における回復レートからウエハ表面の温度を測定するための手順を示すフローチャート図である。
【図30】(a),(b)は、第1の実施形態の第1の具体例における第1の相関関係と第2の相関関係とをそれぞれ示す図表である。
【図31】第1の実施形態の第1の具体例におけるイオン注入における注入量がわかっている場合に第1,第2の相関関係を利用してアモルファス領域の厚みを求める方法を示すフローチャート図である。
【図32】第1の実施形態の第1の具体例におけるイオン注入における注入エネルギーがわかっている場合に第1,第2の相関関係を利用してアモルファス領域の厚みを求める方法を示すフローチャート図である。
【図33】各実施形態の各具体例の内容を示す一覧表としてまとめた図表である。

Claims (8)

  1. 基板内において、半導体層の不純物イオンが注入されたアモルファス領域に熱保持処理を行う第1ステップと、
    上記半導体層に、光軸に垂直な面内でp方向(光軸に垂直な面と入射光及び反射光を含む面との交線の方向)とs方向(光軸に垂直な面内で上記p方向に垂直な方向)に対して傾いた直線偏光の測定光を上記半導体層の表面に垂直な方向に対して傾いた方向から入射する第のステップと、
    上記半導体層から楕円偏光として反射される上記測定光の反射光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔとしたときに、少なくともcos Δを測定する第のステップと、
    上記測定光の波長の変化に伴う上記少なくともcos Δのスペクトルを測定する第のステップと、
    上記少なくともcos Δのスペクトルに基づいて、上記熱保持処理の温度を測定する第のステップと
    を備えている半導体層の評価方法。
  2. 上記熱保持処理温度の測定を上記基板内の複数のアモルファス領域について行ない、
    上記複数のアモルファス領域における熱保持温度から上記基板内又は処理装置内の温度分布を測定することを特徴とする請求項1に記載の半導体層の評価方法。
  3. 上記熱保持処理の温度が450℃以上である事を特徴とする請求項1又は2に記載の半導体層の評価方法。
  4. 上記アモルファス領域に注入された不純物イオンのドーズ量が2×10 15 cm -2 以上で且つ4×10 15 cm -2 以下である事を特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の半導体層の評価方法。
  5. 基板の半導体層に半導体装置を製造するための方法であって、
    上記半導体層に不純物イオンが注入されたアモルファス領域を形成する第1のステップと、
    上記アモルファス領域に熱保持処理を行なう第2のステップと、
    上記半導体層に、光軸に垂直な面内でp方向(光軸に垂直な面と入射光及び反射光を含む面との交線の方向)とs方向(光軸に垂直な面内で上記p方向に垂直な方向)に対して傾いた直線偏光の測定光を上記半導体層の表面に垂直な方向に対して傾いた方向から入射して、上記半導体層から楕円偏光として反射される上記測定光の反射光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔとしたときに、測定光の波長の変化に伴う少なくともcos Δのスペクトルを測定する第3のステップと、
    上記第3のステップで得られた少なくともcos Δのスペクトルに基づいて、上記熱保持処理の温度を測定する第4のステップと
    を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 上記熱保持処理温度の測定を上記基板内の複数のアモルファス領域について行ない、
    上記複数のアモルファス領域における熱保持温度から上記基板内又は処理装置内の温度分布を測定することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 上記熱保持処理の温度が450℃以上である事を特徴とする請求項又は6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 上記アモルファス領域に注入された不純物イオンのドーズ量が2×10 15 cm -2 以上で且つ4×10 15 cm -2 以下である事を特徴とする請求項5〜7の何れか1つに記載の半導体装置の製造方法。
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