JP2001230291A - 半導体層の評価方法,半導体装置の製造方法及び記録媒体 - Google Patents
半導体層の評価方法,半導体装置の製造方法及び記録媒体Info
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Abstract
たときの結晶性の乱れた領域の厚みや結晶性の乱れの程
度を非破壊で測定しうる評価方法を提供する。 【解決手段】 シリコン基板(11)中の不純物イオン
が注入されて結晶性が乱れた領域に、Xe光源(20)
から偏光子(21)によって直線偏光された測定光を斜
め方向から入射する。そして、楕円偏光となった反射光
のうちp方向の成分とs方向の成分との位相差をΔとし
両者の振幅比をΨとしたときに、測定光の変化に伴うco
s Δ,tan Ψのスペクトルを測定する。そして、予め破
壊検査等によってcos Δ等のスペクトルのパターンとア
モルファス領域の厚みとを関係づけておくか、cos Δ等
のパターンの特徴的な部分に着目することで、アモルフ
ァス領域の厚みや結晶性の乱れの程度を評価する。
Description
ンが注入されて結晶性が乱れたアモルファス領域の特性
を光学的に評価する方法及びこれを利用した温度測定や
半導体装置の製造方法並びに評価を自動的に行なうため
の記録媒体に関するものである。
の製造工程において、たとえばMOSFETにおけるソ
ース・ドレイン領域や、バイポーラトランジスタにおけ
るエミッタ拡散層等の形成に際しては、不純物のドープ
量やドープする領域の深さ等を正確に制御する手段とし
て、P,As,B等のイオンを加速して半導体基板やポ
リシリコン層あるいはアモルファスシリコン膜内に注入
するイオン注入法が用いられている。近年、半導体装置
の微細化の要求に伴い、このイオン注入によって形成さ
れる領域の不純物濃度,注入領域の厚み等についてより
高精度の制御が求められている。
オンを注入したときに不純物イオンによって正規の位置
からシリコン原子がはじき出されると、この反跳シリコ
ンによりアモルファス領域が形成されることが知られて
いる。そして、従来、この反跳シリコンイオンにより形
成されるアモルファス領域の厚み等を測定する手段とし
て、RBS(Rutherford Backscattering Spectrometr
y)法や、TEM(透過型電子顕微鏡)の断面写真等が
あった。
不純物のイオン注入エネルギー及びイオン注入量は4端
子シート抵抗測定法やサーマルウェーブ法により評価さ
れていた。同様に、イオン注入によりシリコン基板上に
形成されるイオン注入層の不純物濃度のシリコンウェハ
ー内における均一性は、4端子シート抵抗測定法やサー
マルウェーブ法により測定されていた。
基板面に斜め方向から入射して、基板面から反射される
楕円偏光の楕円形状を測定することにより、複素屈折
率,厚み等の情報を得ようとするエリプソメトリ法も、
簡便な評価方法として知られている。
の評価方法を現実の半導体装置の製造工程における特性
の評価に適用するには、以下のような問題があり、特に
高濃度のイオン注入領域における注入条件等の適否の評
価は困難であった。
あり半導体装置の製造ライン内での評価には適していな
い。
物の注入領域の評価は、イオン注入で生じたダメージの
ために局部的に増速拡散が起こり、熱処理の影響を多大
に受けるため、イオン注入の条件のみについての評価が
不可能である。
ジを測定することによりイオン注入エネルギーやイオン
注入濃度を測定するものであるが、高濃度不純物が注入
された領域に於いては、ダメージ量が検出感度の飽和領
域に入ってしまうために注入量の相違を識別することが
困難となる。また、検出値は絶対量ではなく相対値であ
るために、高濃度注入領域における高い検出感度を期待
できない。
のであり、その目的は、半導体層に高濃度の不純物イオ
ンが注入されて結晶性が乱れたアモルファス領域の厚み
や厚みの基板面内分布を非破壊で再現性よく評価しうる
半導体層の評価方法,この半導体層の評価方法を利用し
た半導体装置の製造方法,及び半導体層の評価をコンピ
ュータに実行させるための記録媒体を提供することにあ
る。
に、本発明が講じた手段は、分光エリプソメトリ法によ
って得られる複素屈折率に関するパラメータやそのスペ
クトルパターンを不純物イオンが注入された領域の物理
量を評価するために利用することにある。
おいて不純物イオンが注入された領域を有する半導体層
に、光軸に垂直な面内でp方向(光軸に垂直な面と入射
光及び反射光を含む面との交線の方向)とs方向(光軸
に垂直な面内で上記p方向に垂直な方向)に対して傾い
た直線偏光の測定光を上記半導体層の表面に垂直な方向
に対して傾いた方向から入射する第1のステップと、上
記半導体層から楕円偏光として反射される上記測定光の
反射光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔとした
ときに、少なくともcos Δを測定する第2のステップ
と、上記測定光の波長の変化に伴う上記少なくともcos
Δのスペクトルを測定する第3のステップと、上記少な
くともcos Δのスペクトルに基づいて、上記不純物イオ
ンが注入された領域の物理量を評価する第4のステップ
とを備えている。
る測定光の波長を変化させると、半導体層の複素屈折率
に関するパラメータであるcos Δなどが求められる。そ
して、cos Δなどのスペクトルが不純物イオンが注入さ
れた領域の厚みや膜質に関する情報として得られ、イオ
ン注入が行なわれた半導体層の物理量を非破壊で調べる
ことが可能となる。
4のステップでは、上記不純物イオンが注入された領域
の透明度、不純物イオンが注入された領域内におけるア
モルファス領域の有無,アモルファス層の厚みを評価す
ることができる。
を評価する場合、上記アモルファス領域の厚みと上記少
なくともcos Δのスペクトルとの相関関係を予め準備し
ておくステップをさらに備え、上記第4のステップで
は、上記第2のステップで得られた少なくともcos Δの
スペクトルを上記相関関係に照らし合わせることによ
り、上記半導体層内のアモルファス領域の厚みを測定す
ることができる。
層内の複数の不純物イオンが注入された領域について行
なうことにより、上記半導体層内における上記アモルフ
ァス領域の厚みの分布を測定することができる。
体的に、以下のような不純物イオンが注入された領域の
物理量に関する情報も得られる。すなわち、上記第4の
ステップでは、上記不純物イオンが注入された領域内の
アモルファス領域がイオンビームにより一部回復する状
態を評価することができる。上記第4のステップでは、
同じ注入条件で注入装置を変えたときの2つの不純物イ
オンが注入された領域に対する少なくとも上記cos Δの
スペクトルに基づいて、注入装置の性能を評価すること
ができる。
定光の反射光のうち上記p成分と上記s成分との振幅比
をΨとしたときに、tan Ψを測定するステップと、上記
測定光の波長を変化させて、上記tan Ψのスペクトルを
測定するステップとをさらに備え、上記不純物イオンが
注入された領域の物理量を評価するステップでは、上記
tan Ψのスペクトルの形状をも考慮して不純物イオンが
注入された領域の物理量を評価することもできる。
のパラメータであるcos Δ及びtanΨに基づいて不純物
イオンが注入された領域に関するより正確な情報が得ら
れることになる。
基板の半導体層に半導体装置を製造するための方法であ
って、上記半導体層に不純物イオンが注入された領域を
形成する第1のステップと、上記イオン注入領域が形成
された半導体層に、光軸に垂直な面内でp方向(光軸に
垂直な面と入射光及び反射光を含む面との交線の方向)
とs方向(光軸に垂直な面内で上記p方向に垂直な方
向)に対して傾いた直線偏光の測定光を上記半導体層の
表面に垂直な方向に対して傾いた方向から入射して、上
記半導体層から楕円偏光として反射される上記測定光の
反射光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔとした
ときに、測定光の波長の変化に伴う少なくともcos Δの
スペクトルを測定する第2のステップと、上記第2のス
テップで得られた少なくともcos Δのスペクトルに基づ
いて上記イオン注入領域の物理量を評価する第3のステ
ップとを備えている。
て、上記イオン注入領域内のアモルファス領域の厚みと
上記少なくともcos Δのスペクトルとの相関関係を予め
準備しておくステップをさらに備え、上記第3のステッ
プでは、上記第2のステップで得られた少なくともcos
Δのスペクトルを上記相関関係に照らし合わせることに
より、上記半導体層内のアモルファス領域の厚みを測定
することができる。
る測定光の波長を変化させると、アモルファス領域の複
素屈折率に関するパラメータであるcos Δなどが求めら
れる。そして、cos Δなどのスペクトルの形状がイオン
注入領域の物理量つまり乱れの度合いやアモルファス領
域の厚み等に関する情報として得られるので、不純物イ
オンが注入された領域の物理量を非破壊で調べることに
より、イオン注入条件が適正か否かの判断や、イオン注
入条件が不適正な場合の修正などを行なうことが可能と
なる。
て、上記第3のステップにおける不純物イオンが注入さ
れた領域の物理量の評価結果に基づいて、上記第2のス
テップにおけるイオン注入条件を変更するステップをさ
らに備えることができる。
よる測定結果をイオン注入工程にフィードバックするこ
とで、製造工程の改善を図ることが可能となる。
て、上記第3のステップにおける不純物イオンが注入さ
れた領域の物理量の評価結果に基づいて、上記不純物イ
オンが注入された領域を有する基板の合否を判定するス
テップをさらに備えることができる。
途中における良否判定が可能になることで、不良品の工
程の中止や追加注入などによりスループットの向上を図
ることができる。
基板の半導体層に半導体装置を製造するための方法であ
って、上記半導体層に不純物イオンが注入された領域を
形成する第1のステップと、上記不純物イオンが注入さ
れた領域を所定温度に保持する処理を行なう第2のステ
ップと、上記半導体層に、光軸に垂直な面内でp方向
(光軸に垂直な面と入射光及び反射光を含む面との交線
の方向)とs方向(光軸に垂直な面内で上記p方向に垂
直な方向)に対して傾いた直線偏光の測定光を上記半導
体層の表面に垂直な方向に対して傾いた方向から入射し
て、上記半導体層から楕円偏光として反射される上記測
定光の反射光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔ
としたときに、測定光の波長の変化に伴う少なくともco
s Δのスペクトルを測定する第3のステップと、上記第
3のステップで得られた少なくともcos Δのスペクトル
に基づいて上記不純物イオンが注入された領域の物理量
を評価する第4のステップとを備えている。
る測定光の波長を変化させると、半導体層の複素屈折率
に関するパラメータであるcos Δなどが求められる。そ
して、cos Δなどのスペクトルの形状が不純物イオンが
注入された領域の物理量つまり乱れの度合いやアモルフ
ァス領域の厚み等に関する情報として得られるので、不
純物イオンが注入された領域の物理量を非破壊で調べる
ことにより、その後の加熱処理条件が適正か否かの判断
や、加熱処理条件が不適正な場合の修正などを行なうこ
とが可能となる。
て、上記不純物イオンが注入された領域内のアモルファ
ス領域の厚みと上記少なくともcos Δのスペクトルとの
相関関係を予め準備しておくステップをさらに備え、上
記第4のステップでは、上記第2のステップで得られた
少なくともcos Δのスペクトルを上記相関関係に照らし
合わせることにより、上記不純物イオンが注入された領
域内のアモルファス領域の厚みを測定することができ
る。
がわかるので、例えばアニールなどの処理による活性化
の進行度合いや、どの程度の条件で基板のアニールを施
すのが適切かなどの判断が可能になる。
て、上記第1のステップの後で上記第2のステップの前
に、上記第3及び第4のステップと同じ処理を行なっ
て、上記第2のステップを行なう前の上記アモルファス
領域の厚みを評価するステップと、上記第2のステップ
を行なう前後のアモルファス領域の厚みの変化を求める
ステップとをさらに備えることができる。
て、上記第4のステップでは、上記測定光の入射光と反
射光との強度の比に基づいて上記不純物イオンが注入さ
れた領域による測定光の反射率を演算し、該反射率から
上記不純物イオンが注入された領域の膜質を評価するこ
とができる。
基板の半導体層に半導体装置を製造するための方法であ
って、上記半導体層に不純物イオンを注入して結晶性の
乱れたアモルファス領域を形成する第1のステップと、
上記アモルファス領域を所定温度に保持することを伴う
処理を行なう第2のステップと、上記半導体層に光軸に
垂直な面内でp方向(光軸に垂直な面と入射光及び反射
光を含む面との交線の方向)とs方向(光軸に垂直な面
内で上記p方向に垂直な方向)に対して傾いた直線偏光
の測定光を上記半導体層の表面に垂直な方向に対して傾
いた方向から入射して、上記半導体層から楕円偏光とし
て反射される上記測定光の反射光のうち上記p成分とs
成分との位相差をΔとしたときに、上記第2のステップ
における上記処理の前後における少なくともcos Δのス
ペクトルを測定する第3のステップと、上記少なくとも
cos Δのスペクトルの変化に基づき、上記第2のステッ
プ中の上記処理の前後における上記アモルファス領域の
厚みの変化を測定する第4のステップと、上記アモルフ
ァス領域の上記処理の前後における厚みの変化及び上記
熱保持処理の時間から算出される回復レートから上記熱
保持処理の温度を測定する第5のステップとを備えてい
る。
て、熱保持処理における熱保持処理の温度と、アモルフ
ァス領域の厚みの減少との相関関係を求めておくステッ
プをさらに備え、上記第4のステップでは、上記相関関
係に基づいて上記熱保持処理の温度を測定することがで
きる。
関する手順をコンピュータに自動的に行なわせるための
記録媒体に関する発明も得られる。
物イオンが注入されて結晶性の乱れたアモルファス領域
を有する半導体層に室温よりも高温の所定温度に保持す
る処理を施し、半導体層に光軸に垂直な面内でp方向
(光軸に垂直な面と入射光及び反射光を含む面との交線
の方向)とs方向(光軸に垂直な面内で上記p方向に垂
直な方向)に対して傾いた直線偏光の測定光を上記半導
体層の表面に垂直な方向に対して傾いた方向から入射し
て、上記半導体層から楕円偏光として反射される上記測
定光の反射光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔ
としたときに、上記測定光の波長の変化に伴う少なくと
もcos Δのスペクトルから上記半導体層の物理量を評価
するために使用される記録媒体であって、上記アモルフ
ァス領域の厚みと上記少なくともcos Δのスペクトルの
相関関係を記憶させる第1の手順と、特定の注入条件で
形成された上記アモルファス領域の分光エリプソメトリ
による測定結果である少なくともcos Δのスペクトルを
入力する第2の手順と、相関関係を取り出して、上記第
2のステップで得られた少なくともcos Δのスペクトル
を上記相関関係に照らし合わせることにより、上記半導
体層内のアモルファス領域の厚みを測定する第3の手順
とをコンピュータに実行させるプログラムを記録したも
のである。
における注入エネルギーとアモルファス領域の厚みとの
関係をイオン注入量ごとに第1の相関関係として、特定
のイオン注入量におけるcos Δのスペクトルと注入エネ
ルギーとの関係を第2の相関関係として記憶させてお
き、上記第3の手順では、上記第2の手順で入力された
cos Δのスペクトルを上記第2の相関関係に照らし合わ
せることにより上記半導体層に注入されたイオンの注入
エネルギーを求めた後、この注入エネルギーを上記第1
の相関関係に照らし合わせることにより、上記半導体層
内のアモルファス領域の厚みを測定することができる。
ネルギーにおけるイオン注入量とアモルファス領域の厚
みとの関係を注入エネルギーごとに第1の相関関係とし
て、特定の注入エネルギーにおけるcos Δのスペクトル
とイオン注入量との関係を第2の相関関係として記憶さ
せておき、上記第3の手順では、上記第2の手順で入力
されたcos Δのスペクトルを上記第2の相関関係に照ら
し合わせることにより上記半導体層に注入されたイオン
の注入量を求めた後、このイオン注入量を上記第1の相
関関係に照らし合わせることにより、上記半導体層内の
アモルファス領域の厚みを測定することができる。
形態の各具体例の内容を示す一覧表としてまとめた図表
である。
実施形態に係る半導体の評価方法について、図面を参照
しながら説明する。
象となる半導体装置(nチャネル型MOSトランジス
タ)のイオン注入工程における構造を示す断面図であ
る。同図に示すように、ウエハ状態で行われるMOSト
ランジスタの製造工程において、シリコン基板11(シ
リコンウエハ)上には、LOCOS膜からなる素子分離
12が形成され、この素子分離12で囲まれる活性領域
内にゲート絶縁膜13,ゲート電極14が形成されてい
る。そして、イオン注入工程で、As+ イオン等の不純
物イオンがシリコン基板11内に注入され、nチャネル
型MOSトランジスタの高濃度ソース・ドレイン領域1
5が形成される。そして、シリコン基板11の他の領域
には、高濃度不純物のイオン注入条件の適否等を測定す
るためのモニター領域16が形成されており、このモニ
ター領域16にもソース・ドレイン領域15と同時にA
s+ イオンが注入される。なお、pチャネル型MOSト
ランジスタのソース・ドレイン領域を形成する際には、
別のモニター領域にB+ を注入してボロンイオンの注入
条件を測定する。
スタのソース・ドレイン領域15へのイオン注入の条件
をモニター領域16を利用して測定するための分光エリ
プソメータの構成を概略的に示す側面図である。Xe光
源20から出力されるXe光を偏光子21により直線偏
光に変えて、基板面に垂直な方向に対して角度θ0 でシ
リコン基板11(モニター領域16)に入射させ、楕円
偏光として反射される光を検光子22を経た後分光器2
3に入射させて、分光しながら、ディテクター24によ
り各波長における複素屈折率N=n−ikを測定するよ
うに構成されている。ただし、入射光の直線偏光の軸
は、p方向(光軸に垂直な面と入射光及び反射光を含む
面との交線の方向)と、s方向(光軸に垂直な面内でp
方向に垂直な方向)に対して傾いている。
メトリの測定原理について説明する。上記図2に示すシ
リコン基板11へのXe光の入射光とシリコン基板の法
線とのなす角をθ0 とすると、各波長における試料の複
素屈折率N=n−ikは、下記式(1),(2)で表さ
れる。
Δは上記p成分とs成分との間の位相差をそれぞれ示
す。すなわち、反射光のtan Ψ,cos Δを測定すること
により、式(1),(2)から各波長における試料の物
性を表す複素屈折率Nが求められる。
Nそのものを求めなくても、この反射光のtan Ψ,cos
Δを分光してスペクトルを測定することで、イオン注入
条件に関する重要な情報が得られることを以下のような
過程によって見出した。
リコン基板は予めp型不純物がドープされたp型シリコ
ン基板を用い、その抵抗率は10.0〜15.0(Ω・
cm)、基板面の結晶方位は(100)である。また、
注入イオン種としてはAs+を用い、注入エネルギーを
20〜80(keV)の間で変え、注入量を2〜4×1
015cm-2の間で変えている。また、分光は、250〜
800nmの範囲で行っている。
ていないシリコン基板からの反射光のtan Ψ及びcos Δ
のスペクトルをそれぞれ示す(図3(b)においては、
スペクトル線3A)。一方、図4(a),(b)は、高
濃度不純物のイオン注入を行った後のシリコン基板から
の反射光のtan Ψ及びcos Δのスペクトルをそれぞれ示
す。図4(b)のcos Δのスペクトル線のヴァリー位置
の波長450nmを図3bのcos Δのスペクトル線3A
のヴァリー位置の波長400nmと比較するとわかるよ
うに、シリコン単結晶に不純物をドープすると、cos Δ
のスペクトル形状は、未注入のときのスペクトル線3A
に比べヴァリー位置が長波長領域(450nm〜850
nm)で負の側に移動する傾向を示す。したがって、イ
オン注入によってtan Ψ,cos Δのスペクトルが変化し
ていることは明らかである。
に、シリコン単結晶に不純物をドープすると、cos Δの
スペクトル形状は、未注入のときのスペクトル線3Aに
対してドーズ量を増大させるほどより負の側に移動する
傾向を示す(スペクトル線3B,3C)。したがって、
単結晶シリコン基板については、ある波長(たとえば6
30nm)におけるtan Ψ,cos Δを測定することで、
イオン注入におけるドーズ量等の条件をある程度把握す
ることができる。
して注入エネルギーを変えたときのcos Δのスペクトル
形状の変化を、図6はアモルファスシリコン層に対して
注入エネルギーを変えたときのtan Ψのスペクトル形状
の変化をそれぞれ示す。不純物イオン(As+ )のドー
ズ量は4×1015cm-2である。
ァスシリコン層へのイオン注入の場合、ある波長(たと
えば630nm)におけるcos Δ,tan Ψを測定して
も、注入エネルギーが増大しても、cos Δ,tan Ψの測
定値の変化に規則性はないので、この測定結果からイオ
ン注入エネルギーを把握できない。
注入によって形成される不純物拡散領域についてエリプ
ソメトリ法によってはイオン注入エネルギー等の条件の
適否を評価することができなかった。
トリ法を使用することによって得られる情報の例である
各具体例について説明する。
はtan Ψ)のスペクトルを相関関係と比較してアモルフ
ァス領域の厚みを測定する方法について説明する。本明
細書及び請求の範囲の記載において、「スペクトル」
は、スペクトルパターンとして把握されるものであって
もよいし、波長対cos Δ(又はtan Ψ)の数値(表)と
して把握されるものであってもよいものとする。
し、シリコン基板は予めp型不純物がドープされたp型
シリコン基板を用い、その抵抗率は10.0〜15.0
(Ω・cm)、基板面の結晶方位は(100)である。
また、注入イオン種としてはAs+ を用い、注入エネル
ギーを20〜80(keV)の間で変え、注入量を2〜
4×1015cm-2の間で変えている。また、分光は、2
50〜800nmの範囲で行っている。
にした場合のアモルファス領域の厚みの注入エネルギー
依存性を示すデータである。同図において、横軸は注入
エネルギー(keV)を示し、縦軸はアモルファス領域
の厚み(nm)を示す。この図7のデータは、図5,図
6に示す注入エネルギー条件(20,30,40,50
(keV))について、TEMでアモルファス領域の厚
みを測定して、そのときのcos Δ,tan Ψのスペクトル
形状とアモルファス領域の厚みの測定結果との相関関係
を調べておくことにより求めたものである。図7には、
TEMによる注入エネルギーとアモルファス領域の厚み
との関係も示されている。図7からわかるように、本実
施形態に係る分光エリプソメトリ法によって求められる
アモルファス領域の厚みはTEMによる実測結果に近
く、非破壊で高精度の測定を行うことができる。つま
り、インラインでの検査(図2に示すようなプロセスと
プロセスとの間における検査をいう)に適した評価方法
を提供することができる。
eV)と一定にした場合のアモルファス領域の厚みの注
入量依存性を示すデータである。同図において、横軸は
注入量(×1015cm-2)を示し、縦軸はアモルファス
領域の厚み(nm)を示す。この図8のデータは、注入
量(ドーズ量)を2.0,2.5,3.0,3.5,
4.0×1015cm-2の5段階で変化させたときの厚み
をTEMで測定し、そのときのcos Δ,tan Ψのスペク
トル形状とアモルファス領域の厚みの測定結果との相関
関係を予め調べておくことにより求めたものである。
入エネルギーEを種々の値E1,E2,E3,…に変化
させたときのアモルファス領域の厚みd11,d12,d1
3,…を、各注入量D1,D2,D3,…ごとに求めた
ものをまとめたマトリックスである。このマトリックス
に示されるイオン注入の注入量を一定としたときの注入
エネルギーEとアモルファス領域の厚みdとの関係を第
1の相関関係とする。これは、図7に示すようなアモル
ファス領域の膜厚の注入エネルギー依存性としてまとめ
てもよい。
注入量を種々の値D1,D2,D3,…に変化させたと
きのアモルファス領域の厚みd11,d21,d31,…を、
各注入エネルギーE1,E2,E3,…ごとに求めたも
のと解釈してもよい。その場合には、このマトリックス
に示されるイオン注入の注入エネルギーを一定としたと
きの注入量Dとアモルファス領域の厚みdとの関係が第
1の相関関係となる。これは、図8に示すようなアモル
ファス領域の膜厚の注入量依存性としてまとめてもよ
い。
入エネルギーEを種々の値E1,E2,E3,…に変化
させたときのcos Δのスペクトルパターン(又は測定波
長対cos Δの数値の関係表)を、各注入量D1,D2,
D3,…ごとに求めたものをまとめたマトリックスであ
る。このマトリックスに示される注入エネルギーEとco
s Δのスペクトルとの関係を第2の相関関係とする。
注入量を種々の値D1,D2,D3,…に変化させたと
きのcos Δのスペクトルを、各注入エネルギーE1,E
2,E3,…ごとに求めたものと解釈してもよい。その
場合には、このマトリックスに示される注入量Dを一定
としたときの注入エネルギーとcos Δのスペクトルとの
関係が第2の相関関係となる。
及び図30(a),(b)のデータを利用することによ
り、以下のような方法によってアモルファス領域の厚み
を知ることができる。
て、あるアモルファス領域に対する分光エリプソメトリ
法による測定を行なって得られたcos Δ(又はtan Ψ)
のスペクトルパターン(又は測定波長対cos Δの数値の
関係表)を、図30(b)中の各注入条件における波長
対cos Δ(又はtan Ψ)との関係(第2の相関関係)に
照らし合わせ、もっともよく一致するものを選んでアモ
ルファス領域の厚みを求める方法である。これは、スペ
クトル形状であってもよいし、波長の値とcosΔの値と
の数値同士を対応させた表であってもよい。これは、注
入イオンが定まると、注入量や注入エネルギーに応じて
固有のcos Δ(又はtan Ψ)のスペクトル形状が得られ
る点に着目したもので、スペクトル形状を用いる場合に
は例えば指紋照合システムの応用が可能である。
て、イオン注入における注入量がわかっている場合に第
1,第2の相関関係を利用してアモルファス領域の厚み
を求める方法である。
り、注入量Dを一定として注入エネルギーEを種々の値
E1,E2,E3,…に変化させたときのアモルファス
領域の厚みdを、各注入量D1,D2,D3,…ごとに
求め、これを図30(a)に示す第1の相関関係として
記憶しておく。
で形成されたアモルファス領域から得られるcos Δのス
ペクトルと注入エネルギーEとの関係を第2の相関関係
として作成し、図30(b)に示す第2の相関関係とし
て記憶しておく。
で形成されたアモルファス領域について分光エリプソメ
トリ法による測定を行なってcos Δのスペクトルパター
ンを求める。これは、波長の値とcos Δの値との数値同
士を対応させた表であってもよい。例えばこのときに、
図5に示すスペクトルパターンSA5が得られたとする。
ターンSA5を第2の相関関係に照らし合わせることで、
注入エネルギーEがわかる。例えば、図5に示す例で
は、スペクトルS5Aを与える注入エネルギーEは35k
eVであったとする。
ネルギーEを第1の相関関係に照らし合わせて、アモル
ファス領域の厚みdを求める。例えば、注入エネルギー
Eが35keVとわかった場合、図30(b)の表又は
図7を参照してアモルファス領域の厚みを62nmと決
定することができる。一般的には、アモルファス領域の
厚みを5nm刻み程度に決定すればよいことが多いの
で、アモルファス領域の厚みを近似的に60nmとして
もよい。実際には、図7に示すように、エリプソメトリ
の実測データから膜厚が計算されるようにフィッティン
グしておけば、この方法によっても、第1の方法と同様
に、測定データから装置内での計算によってアモルファ
ス領域の厚みが瞬時に算出される。計算結果も、TEM
による実測値とほぼ一致していることは明らかである。
て、イオン注入における注入エネルギーがわかっている
場合に第1,第2の相関関係を利用してアモルファス領
域の厚みを求める方法である。
り、注入エネルギーEを一定として注入量を種々の値D
1,D2,D3,…に変化させたときのアモルファス領
域の厚みdを、各注入エネルギーE1,E2,E3,…
ごとに求め、これを第1の相関関係として記憶してお
く。
ネルギーで形成されたアモルファス領域から得られるco
s Δのスペクトルと注入量との関係を第2の相関関係と
して作成し、図30(b)に示す第2の相関関係として
記憶しておく。
ネルギーで形成されたアモルファス領域について分光エ
リプソメトリ法による測定を行なってcos Δのスペクト
ルパターンを求める。これは、波長の値とcos Δの値と
の数値同士を対応させた表であってもよい。
クトルパターンを第2の相関関係に照らし合わせること
で、注入量Dがわかる。
Dを第1の相関関係に照らし合わせて、アモルファス領
域の厚みdを求める。すなわち、図30(b)の表又は
図8を参照してアモルファス領域の厚みを決定すること
ができる。実際には、図8に示すように、エリプソメト
リの実測データから膜厚が計算されるようにフィッティ
ングしておけば、この方法によっても、第1の方法と同
様に、測定データから装置内での計算によってアモルフ
ァス領域の厚みが瞬時に算出される。
域の厚みの注入エネルギー依存性と、図5に示す注入エ
ネルギーとスペクトル形状との関係とを組み合わせる方
法である。反射光のcos Δのスペクトルのうち所定の波
長領域においては、スペクトルの極大値を示す波長がわ
かれば、アモルファス領域の厚みがほぼ推定できる。第
1の相関関係を上記第2の方法と同様に設定し、この極
大値を示す波長と注入エネルギーEとの関係を各イオン
注入量ごとに第2の相関関係として記憶しておけば、図
31に示すフローチャートと同様の手順で、簡便にアモ
ルファス領域の厚みを求めることも可能である。
域の厚みの注入量依存性と図3(b)に示す注入量−ス
ペクトルパターンの関係とを組み合わせる方法である。
反射光のcos Δのスペクトルのうち所定の波長領域にお
いては、スペクトル中のcosΔの極大値がわかれば、ア
モルファス領域の厚みがほぼ推定できる。第1の相関関
係を上記第3の方法と同様に設定し、このcos Δの極大
値と注入量との関係を各イオンエネルギーごとに第2の
相関関係として記憶しておけば、図32に示すフローチ
ャートと同様の手順で、簡便にアモルファス領域の厚み
を求めることも可能である。
の面内分布) 図9(a),(b),(c)は、同じウエハに対して分
光エリプソメトリ法,サーマルウェーブ法,シート抵抗
法により測定して得られたアモルファス領域のウエハ面
内均一性を示す図である。As+ を注入エネルギー40
(keV),ドーズ量5×1015cm-2の条件で注入し
たときの測定結果を示す。同図(a)に示す本実施形態
に係る分光エリプソメトリ法では、アモルファス領域の
厚みが69nmであり面内均一性は0.153%であ
る。また、同図(a)のうち(−)で示す厚みが薄くな
っている部分がアモルファス化している領域である。同
図(b)はサーマルウェーブ法によるイオン注入量の面
内均一性を示し、四角の部分が平均値の領域を示す。同
図(c)はシート抵抗法によるイオン注入量の面内均一
性を示す図である。各図における等高線は、いずれも
0.5%の差が生じる境界を示している。ここで、サー
マルウェーブ値は、相対量であり、必ずしもイオン注入
量を正確に反映しているかどうかはわからない。図9
(c)に示すデータでは、イオン注入量の面内均一性が
非常に悪くなっている。抵抗法を用いる場合、シート抵
抗を測定するためには注入された不純物を活性する熱処
理が必要であり、この熱処理により面内均一性が悪化し
ているものと思われる。
ソメトリ法によるアモルファス領域の厚みの面内均一性
測定によれば、非破壊でありながらアモルファス領域の
厚みのウエハ面内でのばらつきを、熱処理の要因を混在
させることなく、注入条件のみの要因によるばらつきと
して把握することができる。
定されるtan Ψ,cosΔのスペクトル線の特徴的な形状
から得られる情報に関するものである。
リコン基板に対する分光エリプソメトリ法によるtan
Ψ,cos Δのスペクトル線を示し、図11〜図15はそ
れぞれ各図に示す条件でシリコン基板に不純物イオンを
注入した領域に対する分光エリプソメトリ法によるtan
Ψ,cos Δのスペクトル線をそれぞれ示す。
ないシリコン基板に対するcos Δのスペクトル線には、
3つの特徴的な領域Ra,Rb,Rcがある。Raはス
ペクトル線が右下がりに変化する減少領域である。Rb
はcos Δの値が極小となるある程度幅のある極小領域で
ある。Rcはスペクトル線が右上がりに変化する増大領
域である。また、減少領域Raにおいて、ハンプ部Rh
が存在するのが特徴的である。そして、上記各図におけ
るこの特徴的な領域の形状と、イオン注入をした後の分
光エリプソメトリ法によるcos Δ,tan Ψのスペクトル
線の形状とを比較することで、以下の情報が得られる。 (1) ドーズ量の相違によるスペクトル線形状の相違 同じ注入装置を用いたときの注入量の相違とcos スペク
トル形状の相違との関連について論ずる。図11と図1
2とを比較すると、 cos Δのスペクトルにおける減少
領域Raにおける勾配が図11の方が緩やかであり、か
つ減少領域Ra中に現れるべきハンプ部Rhが図11で
より不明確になっている。図10に示したように、注入
されていない基板のcos Δのスペクトル線にはハンプ部
Rhが明確に現れているのに対し、図11ではハンプ部
Rhが明確に現れていない。このことから、図11の条
件つまり不純物イオンの注入量が多い方がシリコン基板
をアモルファス化させやすい条件であることがわかる。
また、図13と図14とを比較しても、イオン注入量の
多い条件である図14において減少領域Raの勾配が緩
やかでかつハンプ部Rhが不明確になっており、上記と
同じ結論が得られる。 (2) 注入装置の性能の比較 図12と図13とを比較すると、図13のスペクトル線
の減少領域Raにおけるハンプ部Rhがより不明瞭であ
り、かつ図13の方が増大領域Rcの勾配が緩やかであ
る。図10に示したとおり、注入されていない基板のco
s Δのスペクトル線には、ハンプ部Rhが明確に現れ、
かつ、増大領域Rcの勾配がきつくなっていることがわ
かる。そして、図12と図13とに示すイオン注入条件
は、注入装置が異なる点を除けば同じであることから、
B社のイオン注入装置の方がシリコン基板をアモルファ
ス化させやすいことがわかる。言い換えると、本実施形
態の方法により、イオン注入装置の性能の評価ができる
ことになる。 (3) 電流密度依存性 図14と図15とを比較すると、図14のスペクトル線
の方が図15のスペクトル線よりも減少領域Ra及び増
大領域Rcの勾配がやや緩やかである。このことは、た
とえば図14における波長300nmにおけるcos Δの
値よりも図15における同じ波長におけるcos Δの値が
小さいことからわかる。したがって、図15に示す条件
の方がシリコン基板をアモルファス化させにくいことが
わかる。ここで、図14に示す条件と図15に示す条件
とを比較すると、図15に示す条件は電流密度が大きい
点だけが両者の相違点である。すなわち、図15に示す
ような大電流によるイオン注入を行った場合、イオン注
入によってアモルファス領域が結晶状態に回復しようと
するいわゆるビームアニール効果が生じていることがわ
かる。
と図15とを比較すると、同じイオン注入量によって得
られたスペクトルでありながら、図11のハンプ部Rh
の方が図15におけるハンプ部Rhよりも明確であり、
かつ減少領域Raの勾配も図11の方が少し急である。
さらに、図11における極小領域Rbが平坦になってお
り、アモルファス領域の厚さが薄くなっている。このこ
とから、A社のイオン注入装置の方が、B社のイオン注
入装置の電流密度2000μAによる注入条件よりもビ
ームアニール効果が大きいことがわかる。ただし、A社
のイオン注入装置の電流密度は不明である。 (4) その他 なお、たとえば図10,図11及び図12を比較すると
わかるように、tan Ψのスペクトル形状がなだらかであ
るほど結晶性の乱れ(非晶質化)が進んでいることがわ
かる。したがって、cos Δのスペクトルの形状に加えて
tan Ψのスペクトルの形状をも考察することにより、co
s Δのスペクトルの形状のみからイオン注入条件やアモ
ルファス領域の物理量を判定するよりもさらに正確な判
断を行うことができる。ただし、cos Δのスペクトルパ
ターンの方が特徴的な部分が多く、かつイオン注入条件
による変化も大きいので、一般的にはcos Δのスペクト
ルパターンを観察することだけでも十分である。
s+ イオンを注入した例について説明したが、本発明は
かかる具体例に限定されるものではなく、B+ イオン,
Si+ イオン,P+ イオン等を注入した半導体層につい
ても適用することができる。さらに、半導体層としては
シリコン層だけではなく化合物半導体からなる半導体層
などの他の半導体材料からなる半導体層についても適用
できる。
理時における基板表面の実際の温度を測定するための分
光エリプソメトリ法の応用に関する第2の実施形態につ
いて説明する。
測定する方法)− まず、アニール処理とアモルファス領域の厚みとの関係
を求める。
×1014cm-2の条件で注入されたウエハについて、ウ
エハの保持温度とアモルファス領域の厚みとの関係を示
すデータである。横軸は、デガスチャンバーの電源のパ
ワーを示しており、オフ時は0%であり、最大時は10
0%になっている。デガスチャンバーとは、CVD装置
やスパッタリング装置に付属しているチャンバーであ
り、このデガスチャンバー内でウエハを真空状態で加熱
して保持するものである。このように、デガスチャンバ
ーの電源の表示は、0〜100%で表示はされている
が、チャンバー内に設置された基板の表面温度は正確に
はわからない。縦軸は、サンプルを所定温度で保持した
後のアモルファス領域の厚みである。As+ イオンが注
入された半導体層を有するウエハを用い、Tiスパッタ
リング装置の予備加熱用のデガスチャンバを用い、チャ
ンバー内で基板は真空状態で加熱される。また、アモル
ファス領域の厚みは、図7,図8について説明したのと
同じ方法により測定している。アモルファス領域におけ
る分光エリプソメトリ法により、点A16,B16,C16の
条件でのアモルファス領域の膜厚を測定している。アモ
ルファス領域のデガスチャンバ内への保持時間はいずれ
も30secとし、ウエハの裏面に温度センサが取り付
けられたいわゆるTCウエハを用い、この温度センサに
よっても温度を測定している。ただし、TCウエハによ
ってはウエハの裏面温度がわかるだけで、ウエハの表面
温度がわかるわけではない。同図の点A16はデガスチャ
ンバに保持する時間が「0」の状態,つまりas-implant
のサンプルのデータであり、点B16はデガスチャンバの
電源パワーを定格の40%(TCウエハの測定値である
裏面温度は250℃)としたときのデータであり、点C
16はデガスチャンバの電源パワーを定格の60%(裏面
温度は270℃)としたときのデータであり、点D16は
デガスチャンバの電源パワーを定格の70%(裏面温度
は350℃)としたときのデータである。なお、このよ
うな低温でのアニールの場合、30sec経過後はそれ
程大きな厚みの変化がないものの、厚みの減少がみられ
る。
ed Physics Vol.48,No.10,October1977,p.4237 )に掲
載されているFig.4であって、アモルファス領域の回復
(再結晶)の進行速度とアニール条件との関係を示す図
である。図19において、横軸は温度であり、縦軸はア
モルファス領域から結晶への回復進行速度を表してい
る。この図から、例えばAsイオンが注入されて形成さ
れたアモルファス領域の500℃での回復速度は約60
Å/min.であることがわかる。同図に示すように、アニ
ール温度と回復との間には明確な相関関係があることが
わかっている。ただし、450℃以下の温度における回
復速度については何も示されていない。
イオンの注入により形成されたアモルファス領域につい
ては、アニール温度が450℃程度以下になるとアモル
ファス領域は回復(再結晶)しないと考えられていた。
それに対し、図16に示すデータによると、温度250
〜350℃程度の低温アニールであってもアモルファス
領域の厚みの減少が確認されており、このような低温に
おいてもある程度アモルファス領域の回復(再結晶)が
生じていることがわかった。
TCウエハの裏面に取り付けた温度センサにより行なわ
れてきた。しかし、TCウエハを用いても、ウエハの裏
面の温度はわかるものの、ウエハの表面の温度、つまり
アモルファス領域が熱処理を受けている実際の温度を測
定することはできなかった。また、温度の測定範囲にも
限界があり、ある程度高温(500〜600℃以上)に
なると測定精度が悪化するといわれている。
の具体例で用いる保持時間と回復レートとの相関関係、
あるいは保持時間と厚みの減少量との相関関係を用いれ
ば、ウエハ表面の温度を精度よく測定することができ
る。したがって、デガスチャンバーのように電源パワー
の%表示しかされていないような装置であっても、特定
のパワーでウエハの表面温度が何度になっているのかを
正確に測定することができる。この実験データだけから
ウエハの表面温度がわかるものではないが、既に説明し
た第1の実施形態の厚みの測定を利用して熱処理前後の
厚みがわかれば、保持時間と回復レートとの相関関係、
あるいは保持時間と厚みの減少量との相関関係から熱処
理中の温度を測定することができる。その具体的な方法
については、後に説明する。
内にセットしたウエハ表面の温度測定について説明した
が、その他、CVD装置,スパッタリング装置,アニー
ル装置においても、同様に、ウエハ表面の温度を正確に
測定することができる。また、ウエハの表面温度がわか
るということは、ウエハ面内の温度分布やチャンバー内
のウエハが設置されている領域における温度分布がわか
ることを意味する。
域(アモルファス領域)の膜質との関係を求めるために
行なった第2の具体例に関する実験結果について説明す
る。
ス領域に入射した光の吸収係数との関係を示すデータで
ある。ただし、ウエハやデガスチャンバ内への保持時間
等は図16に示す厚みの測定の際の条件と同じである。
そして、同図の点A17はデガスチャンバに保持する時間
が「0」の状態,つまりas-implantのサンプルのデータ
であり、点B17はデガスチャンバの電源パワーを定格の
40%(裏面温度250℃)としたときのデータであ
り、点C17はデガスチャンバの電源パワーを定格の60
%(裏面温度270℃)としたときのデータであり、点
D17はデガスチャンバの電源パワーを定格の70%(裏
面温度350℃)としたときのデータである。ただし、
かっこ内の温度は、いずれもTCウエハに付設された温
度センサの示す温度である。なお、30sec経過後
は、それ程大きな吸収係数の変化がないものの、変化は
みられる。
の相違によるアモルファス領域の膜質の相違の評価をも
行うことができることがわかった。分光エリプソメトリ
のスペクトル形状を観察するにはある程度の時間が必要
であるが、吸収係数を求めるだけであれば、極めて迅速
かつ容易に膜質を評価できる。この吸収係数は、アモル
ファス領域の透明度に左右されるものであり、この値は
アモルファス領域の結晶学的な状態を反映している。し
たがって、例えば製造工程において不良品とはならない
吸収係数の範囲を予め求めてそれを適正範囲として準備
しておくことにより、実際の製造工程においても、アモ
ルファス領域の吸収係数が適正範囲に入っていれば良品
として、吸収係数が適正範囲に入っていなければ不良品
として判断することで、極めて迅速に合否判定を行なう
ことができる。
域の厚み測定から得られるアニールにおける厚み及び吸
収係数の変化と保持時間との相関関係に関する第3の具
体例について説明する。
得られたアニール時間に対する厚みと吸収係数との変化
を示すデータである。ただし、○は30keV,4×1
015cm-2の条件でイオン注入を行なったウエハの厚み
の変化を示し、●は同条件でイオン注入を行なったウエ
ハの吸収係数の変化を示し、△は30keV,3×10
14cm-2の条件でイオン注入を行なったウエハの厚みの
変化を示し、▲は同条件でイオン注入を行なったウエハ
の吸収係数の変化を示す。また、いずれも550℃の温
度に一定時間の間保持するようにしている。
直線の傾きから、以下のことがわかる。
から10sec経過するまでの間の厚み変化は、(4
4.8−32)nm/10sec=77nm/minで
ある。この回復(再結晶)速度は、図19に示す550
℃における回復速度20nm/minに比べるとはるか
に大きい。そして、アニール開始後10secを経過し
たときから60sec経過時の50secの間における
回復速度は、(32−15)nm/50sec=17n
m/50sec=20.4nm/minである。この値
は図19に示す550℃における回復速度20nm/m
inにほぼ等しい。また、60sec経過時から180
sec経過時までの120sec間における回復速度
は、15(nm)/120(sec)=7.5nm/m
inであり、非常に小さい。そして、120sec経過
時にアモルファス領域は消失している。
化は、上述の△のデータにほぼ等しい。さらに、注目す
べきは、ドーズ量が3×1014cm-2という低濃度のイ
オン注入により形成されたアモルファス領域はアニール
時間の経過につれて進行し最終的にはほぼ「0」になる
のに対し、ドーズ量が4×1015cm-2という高濃度の
イオン注入で形成されたアモルファス領域の厚みは、5
0sec程度経過した後にはほとんど一定になってい
る。言い換えると、50sec程度経過した後はほとん
ど回復が進行しない。これは、残存酸素量と関係がある
と思われる。
や△の変化に比較的類似した変化をしていることがわか
る。これは、吸収係数の値を見ることによっても、膜質
の変化だけでなくある程度厚みの変化を把握できること
を示している。
(550℃アニール)から、アニールの経過時間と、ア
モルファス領域の厚みと、回復レートとをそれぞれまと
めたテーブルである。このテーブルは△のデータについ
てのものであるが、○のデータについても同様のテーブ
ルを作成しておくことができる。図18(b)のような
テーブルをいろいろなアニール温度ごとに用意しておく
ことによって、回復速度及び保持時間からアニール温度
を知ることができる。
ニール温度におけるアモルファスから結晶への回復の速
度の時間変化を求めることができるとともに、アニール
温度をも検知することができる。
物イオンが注入された領域(アモルファス領域)の回復
による厚みの変化との関係を、550℃以下,特に45
0℃以下の低温アニールについて求めた第4の具体例に
ついて説明する。
近い条件下におけるフラッシュアニール、つまり、昇温
後すぐに電源をオフするような条件下でウエハのアニー
ルを行なったときのアモルファス領域の回復速度の温度
依存性を示すデータである。図20(a)のデータは、
As+ イオンが30keV,3×1014cm-2の条件で
注入されたウエハについて求めたものである。同図に示
すように、アモルファス領域の回復による厚みの減少量
は、アニール温度に対してほぼリニアに変化しているこ
とがわかる。なお、図20(a)に示す条件下で形成さ
れた不純物イオンが注入された領域(アモルファス領
域)の回復は、アニール温度が低くなるにつれてこれ以
上アニール時間を長くしてもあまり進行しないという傾
向が顕著に見られた。
20,E20,F20は、それぞれ250℃,270℃,35
0℃,450℃,550℃でアニールをしている。アモ
ルファス領域の回復膜厚は、それぞれ0.4nm,1.
8nm,2.8nm,6.2nm,9nmとなってい
る。点B20,C20,D20の3つのポイントでは、アニー
ル温度が低く、アモルファスから結晶への回復に際して
は特異な現象を示している。
のアニールにおけるアモルファス膜厚の経時変化を示す
図である。同図に示すように、点D20の条件で長時間保
持しても、極めて短時間のうちに2.8nmの厚みだけ
減少した後は、これ以上の結晶化は進行せず、アモルフ
ァス領域の膜厚は一定のままである。点B20,C20の条
件における通常のアニールにおいても、同様の現象が見
られる。すなわち、アニール温度が低い場合には、瞬時
にアモルファスの膜厚が減少するが、それ以降、結晶化
は進行しない。この現象を利用すれば、アモルファスか
ら結晶に進行しにくい450℃以下の温度で処理する装
置において、例えばAs+ イオンを、30keV,3×
1014cm-2の条件で注入することにより形成したアモ
ルファス領域を、その装置内に所望の時間保持して、処
理の前後におけるアモルファス領域の膜厚の減少量を求
めることにより、図20(a)に基づき正確なアニール
温度を求めることができる。
各イオン注入条件で作成したアモルファス領域(具体的
には、MOSFETのソース・ドレイン領域)について
作成しておくことにより、450℃以下の低温アニール
についても、エリプソメトリ法によるアモルファス領域
の厚みの測定結果からアニール温度を測定することが可
能である。例えば、フラッシュアニールを行なう条件下
では、アニール前後におけるアモルファス領域の厚みの
変化が約6nmであったとすると、アニール温度は約4
40℃であることがわかる。
て、現実の厚みの変化量と処理条件とをこのようなデー
タと照らし合わせることで、現実のアニール温度がわか
ることになる。そして、このデータからアニール条件の
正確な設定が可能となる。
行なうとともに、この加熱用電力をパラメータとして温
度−厚みの相関関係を求めることも可能である。
ールについては、図19に示すデータを利用して、エリ
プソメータにより測定したアモルファス領域の厚みの減
少量とアニール時間とから求まる回復レートに基づい
て、アニール温度を求めることができる。ただし、アモ
ルファス領域の回復の状態は、図18に示すように、イ
オン注入条件やアニール温度によって多様に変化してい
る。したがって、図19に示すデータは、必ずしも正確
な温度の測定には適していないこともあるので、図20
に示すようなアモルファス領域の厚みの減少量の温度依
存性を各イオン注入条件について予め求めておくことが
好ましい。特に、アニール時間が変わる場合には、図1
8に示すようなアニール時間の経過に対するアモルファ
ス領域の厚みの変化特性を予め求めておくことが好まし
い。
データを利用して、以下のような温度測定が可能であ
る。
ニール中におけるウエハ表面の温度を測定するための手
順を示すフローチャートである。
アモルファス領域を形成する。次に、ステップST32
で、ある一定温度Tの下である一定時間tの間熱処理
(アニール)を行なって、そのときのアモルファス領域
の厚みd1 を測定する。そして、ステップST33で、
アモルファス領域の厚みの減少量d0 −d1 を計算す
る。最後に、ステップST34で、図20の減少量と計
算値とを比べると上記一定温度Tがわかることになる。
定温度のアニール中における回復レートからウエハ表面
の温度を測定するための手順を示すフローチャートであ
る。
アモルファス領域を形成する。次に、ステップST42
で、ある一定温度Tのもとで、ある一定時間tをt1 ,
t2,t3 と変えて熱処理(アニール)を行なって、そ
のときのアモルファス領域の厚みd1 ,d2 ,d3 を測
定する。そして、ステップST43で、アモルファス領
域の回復レートr(=d0 −d1 /t1 ,d0 −d2 /
t2 ,d0 −d3 /t3 を計算する。最後に、ステップ
ST44で、図18(又は図19)の回復レートと計算
の結果得られた回復レートrとを比べると、一定温度T
がわかることになる。また、回復レートを見るときにい
ずれかの時点における膜厚がわかるので、図18(a)
を利用しても、アモルファス領域の厚みの減少量がわか
ればアニール温度がわかる。例えば、初期厚みが44.
8nmということと、10秒間のアニール後の厚みが3
2nmということとが測定からわかった場合には、各ア
ニール温度について予め準備している図18(a)のよ
うなデータと照らし合わせることにより、550℃のア
ニールであると判断することができる。
ル温度について準備しておくことにより、一定時間のア
ニール中における回復レートからウエハ表面の温度を測
定するための手順を示すフローチャートである。
アモルファス領域を形成する。次に、ステップST52
で、ある一定時間tのもとで、ある一定温度TをT1 ,
T2,T3 と変えて熱処理(アニール)を行なって、そ
のときのアモルファス領域の厚みd1 ,d2 ,d3 を測
定する。そして、ステップST53で、アモルファス領
域の回復レートr(=d0 −d1 /t,d0 −d2 /
t,d0 −d3 /tを計算する。最後に、ステップST
54で、図18のような回復レートを示す多くのデータ
のうち計算の結果得られた回復レートrにもっともよく
一致する回復レートを示す温度を選択することで、一定
温度Tがわかることになる。
チャンバ内の温度分布の測定に関する第5の具体例につ
いて説明する。
エハ内におけるアモルファス領域の面内均一性を示す厚
み分布図である。このときの平均厚みは44.785n
mで上記図16の点A16における厚み値と等しい。ウエ
ハの各点における厚みは平均値と比べて厚みが大きい
(+で表示)か、厚みが小さいか(−で表示)を示して
いる。また、図22は、図16の点C16に示す状態のウ
エハ内におけるアモルファス領域の厚み分布図である。
図21と同様に、ウエハの各点における厚みは平均値と
比べて厚みが大きい(+で表示)か、厚みが小さいか
(−で表示)を示している。このときの平均厚みは4
3.059nmで、図16の点C16における厚み値と等
しい。図22に示される厚み分布の状態は、図21に示
される厚み分布状態とは全く変わっていることがわか
る。図23は、図22に示す各測定点の厚みから図21
に示す各測定点の厚みを差し引いた値の分布図で、30
sec間における各測定点の厚みの変化を示す。厚みの
減少量は、アモルファスから結晶へ変化した膜厚のこと
であり、減少量がウエハ面内で平均値(太線で表示)に
対してどのように分布しているのかを示している。
ことによって、ウエハ面内での温度分布を知ることがで
きる。もう少し詳しく説明すると、アニール時間は30
秒であり、また、平均膜厚の変化もA16(44.785
nm)−C16(43.059nm)であることから、減
少した膜厚は(44.785−43.059)=1.7
26nmとなり、図20からアニール温度(ここでは、
275℃)を求めることができるのと同時に、ウエハ面
内での膜厚の減少量の分布からウエハ面内での温度分布
もわかる。
チャンバ内の膜質の分布の測定に関する第6の具体例に
ついて説明する。
エハ内におけるアモルファス領域の吸収係数の分布図で
ある。吸収係数が大きいということは、アモルファス領
域の透明度が高い(結晶に近いアモルファス)というこ
とを意味するので、吸収係数からアモルファス領域の膜
質がわかる。膜質とは、アモルファスの中でも不規則性
が小さくより結晶に近いアモルファスもあれば、不規則
性が大きくアモルファスの程度が大きいものもあるの
で、その相違を判断するための尺度である。また、図2
5は、図16の点C16に示す状態のウエハ内におけるア
モルファス領域の吸収係数の分布図である。
アニールによるアモルファス領域の膜質の回復状態の分
布がわかることになる。すなわち、従来、低温アニール
におけるアモルファス領域の膜質の回復状態の面内均一
性の評価は不可能であったが、本発明により、アモルフ
ァス領域の膜質の面内不均一性を評価することができ
る。
の吸収係数の分布を利用して、例えばシリサイドを形成
する領域(MOSトランジスタのソース・ドレイン領
域)の膜質を評価できる。
地となる半導体層(ソース領域,ドレイン領域,ゲート
領域)の膜質がシリサイド化の反応性に影響を与えるの
で、シリサイド化を行なう前の半導体層の膜質を把握す
ることが重要となる。したがって、チタン膜をイオン注
入された半導体層(例えばソース・ドレイン領域)の上
に堆積する前に、半導体層の吸収係数を測定しておき、
後に形成されるシリサイドのグレイン・サイズや、シリ
サイド化の進行状態との関係を把握しておくことによ
り、シリサイドプロセスを適正化するための管理を行な
うことができる。
第1の実施形態又は上記第2の実施形態の第1〜第6の
具体例を利用した製造工程の管理方法について説明す
る。
モルファス領域の厚みの測定を利用して、イオン注入工
程の管理を行なう2つの方法を示すフローチャートであ
る。
プST11において半導体層を有する基板の洗浄を行な
い、ステップST12において半導体層内にイオン注入
を行なって半導体層内にアモルファス領域を形成する。
次に、ステップST13においてアモルファス領域の厚
みが適正範囲内にあるか否かを判別する。そして、この
判別において、アモルファス領域の厚みが適正範囲内に
あれば、次の工程であるステップST14に進み、イオ
ン活性化のための熱処理を行なう。一方、ステップST
13の判別において、アモルファス領域の厚みが適正範
囲内になければ、その基板をロットアウトにする。
ることによる以後の無駄な処理を回避することができ
る。
プST21において半導体層を有する基板の洗浄を行な
い、ステップST22において半導体層内にイオン注入
を行なって半導体層内にアモルファス領域を形成する。
次に、ステップST23においてアモルファス領域の厚
みが注入条件を変更しなくてもよい最適範囲内か否かを
判別する。そして、この判別において、アモルファス領
域の厚みが最適範囲内であれば、何も措置をとることな
く、次の工程であるステップST24に進み、イオン活
性化のための熱処理を行なう。一方、ステップST23
の判別において、アモルファス領域の厚みが最適範囲内
になければ、ステップST22における注入条件をアモ
ルファス領域の厚みが最適範囲内になるように変更する
(注入エネルギーを大きくする)。
イオン注入条件をできるだけ最適状態に保持することが
でき、歩留まりの向上とアモルファス領域の厚みのばら
つきの低減による後の工程の安定化とを図ることができ
る。
ルファス領域の厚みが下限値以上か否かを判別し、アモ
ルファス領域の厚みが下限値以上であれば、次の工程で
あるステップST24に進み、アモルファス領域の厚み
が下限値よりも小さければ、ステップST22に戻っ
て、追加注入を行なうようにしてもよい。
この場合、以下のような2つの方法に分けられる。
上にCVDあるいはスパッタリングを行なってポリシリ
コン膜,金属膜,絶縁膜等を堆積した後、例えばウエッ
トエッチングにより膜を除去する。そして、CVDある
いはスパッタリングを行なう前と行なった後における分
光エリプソメトリ測定を行ない、処理前後のアモルファ
ス領域の厚みなどを比較することで、CVDやスパッタ
リング中の温度や温度分布がわかる。もし、膜の除去時
に下地のアモルファス領域への影響があるとしても、実
験を重ねることにより、下地への影響によるデータの誤
差を補正すればよい。すなわち、アモルファス領域が除
去されるときのエッチングレートで、アモルファス領域
の削られた厚みを算出できる。何回か実験を行なって、
アモルファス領域が削られる厚みを確認し、それを差し
引くことで、正確なCVD温度,スパッタリング温度を
検出することができる。
して透明なものである場合(例えばシリコン酸化膜やシ
リコン窒化膜)には、アモルファス領域の上に透明な膜
を形成した状態で、つまり2層膜の状態でアモルファス
領域の厚みを測定することにより、成膜中の基板表面温
度を検知する方法である。
基板の表面温度については有効な検知手段がなかった
が、上記第2の実施形態の第1〜第6の具体例を用いる
ことにより、高温CVDから低温CVDに至る広い種類
のCVDにおける基板表面温度の検知が可能となった。
したがって、CVDを行なう際の温度を適正に維持する
ための温度、具体的にはプラズマパワーなどを適正に設
定することが可能になる。また、CVD中におけるチャ
ンバ内の温度分布を検知することもできる。
いても、高温の加熱処理を伴う場合には、上記図19の
データを利用することが可能である。
300℃程度に昇温されるので、その際の温度をアモル
ファス領域の厚みの測定から検知することも可能であ
る。
けるアモルファス領域の厚みや膜質,アニール温度の測
定は、その手順を記録媒体に記録しておくことにより自
動的に行なうことができる。
説明した第1〜第5の方法の手順(例えば図31,図3
2に示す手順)をコンピュータで読みとり可能な記録媒
体にプログラムとして記録しておくことにより、イオン
注入によってアモルファス化された領域の厚みを自動的
に検出することができる。
ス領域の厚みを利用した温度測定を行なう手順(例えば
図27〜29の手順)をコンピュータで読みとり可能な
記録媒体にプログラムとして記録しておくことにより、
工程中の自動的に温度を検出することができる。
ンジスタ,半導体メモリなどの半導体装置を製造するた
めに利用することができる。
ウエハの一部における構造を示す断面図である。
置の構成を概略的を示す図である。
験によるデータであって、低濃度のアモルファス領域に
おけるtan Ψ及びcos Δのスペクトルをそれぞれ示す図
である。
験によるデータであって、高濃度のアモルファス領域に
おけるtan Ψ及びcos Δのスペクトルをそれぞれ示す図
である。
って、高濃度のイオン注入をその注入エネルギーを変え
て行ったときのアモルファス領域におけるcos Δのスペ
クトルを示す図である。
って、高濃度のイオン注入をその注入エネルギーを変え
て行ったときのアモルファス領域におけるtan Ψのスペ
クトルを示す図である。
IM,分光エリプソメトリによる測定で得られたイオン
注入エネルギーとアモルファス領域の厚みとの関係を比
較する図である。
て、分光エリプソメトリによる測定で得られたイオン注
入量とアモルファス領域の厚みとの関係を示す図であ
る。
体例のデータであって、分光エリプソメトリによる測定
で得られたアモルファス領域の厚みのウエハ内均一性を
サーマルウェーブ法及びシート抵抗法によるウエハ内均
一性のデータと比較する図である。
用のデータであって、イオン注入を行っていないシリコ
ン単結晶領域におけるcos Δ,tan Ψのスペクトルを示
す図である。
タであって、A社のイオン注入装置を用いて1×1014
cm-2のイオン注入を行ったアモルファス領域における
cos Δ,tan Ψのスペクトルを示す図である。
タであって、A社のイオン注入装置を用いて5×1013
cm-2のイオン注入を行ったアモルファス領域における
cos Δ,tan Ψのスペクトルを示す図である。
タであって、B社のイオン注入装置を用いて5×1013
cm-2のイオン注入を行ったアモルファス領域における
cos Δ,tan Ψのスペクトルを示す図である。
タであって、B社のイオン注入装置を用いて1×1014
cm-2のイオン注入を電流密度615μAで行ったアモ
ルファス領域におけるcos Δ,tan Ψのスペクトルを示
す図である。
タであって、B社のイオン注入装置を用いて1×1014
cm-2のイオン注入を電流密度2000μAで行ったア
モルファス領域におけるcos Δ,tan Ψのスペクトルを
示す図である。
タであって、As+ イオンが注入されたウエハについ
て、ウエハの保持温度とアモルファス領域の厚みとの関
係を示す図である。
タであって、As+ イオンが注入されたウエハについ
て、ウエハの保持温度と不純物イオンが注入された領域
(アモルファス領域)の膜質との関係を示す図である。
施形態の第3の具体例におけるデータであって、各種の
サンプルについて得られたアニール時間に対するアモル
ファス領域の厚みの変化を示す図、及び図18(a)の
データから作成したテーブルを示す図である。
(再結晶)の進行速度とアニール条件との関係を示す図
である。
施形態の第4の具体例におけるデータであって、フラッ
シュアニールを行なったときのアモルファス領域の厚み
の減少量の温度依存性を示すデータ、及び図20(a)
の点D20における条件下で通常のアニールを行なったと
きのアモルファス領域の厚みの経時変化を示す図であ
る。
タであって、図16の点A16に示す状態のウエハ内にお
けるアモルファス領域の厚みの分布を示す図である。
タであって、図16の点C16に示す状態のウエハ内にお
けるアモルファス領域の厚みの分布を示す図である。
タであって、図22に示す各測定点の厚みから図21に
示す各測定点の厚みを差し引いたウエハ内の温度分布を
示す図である。
タであって、図16の点A16に示す状態のウエハ内にお
けるアモルファス領域の吸収係数の分布を示す図であ
る。
タであって、図16の点C16に示す状態のウエハ内にお
けるアモルファス領域の吸収係数の分布を示す図であ
る。
具体例におけるフローチャートであって、イオン注入さ
れたアモルファス領域の合否判定の手順、イオン注入条
件の変更の手順をそれぞれ示すフローチャート図であ
る。
ウエハ表面の温度を測定するための手順を示すフローチ
ャート図である。
中における回復レートからウエハ表面の温度を測定する
ための手順を示すフローチャート図である。
中における回復レートからウエハ表面の温度を測定する
ための手順を示すフローチャート図である。
具体例における第1の相関関係と第2の相関関係とをそ
れぞれ示す図表である。
ン注入における注入量がわかっている場合に第1,第2
の相関関係を利用してアモルファス領域の厚みを求める
方法を示すフローチャート図である。
ン注入における注入エネルギーがわかっている場合に第
1,第2の相関関係を利用してアモルファス領域の厚み
を求める方法を示すフローチャート図である。
してまとめた図表である。
Claims (4)
- 【請求項1】 基板内において不純物イオンが注入され
た領域を有する半導体層に、光軸に垂直な面内でp方向
(光軸に垂直な面と入射光及び反射光を含む面との交線
の方向)とs方向(光軸に垂直な面内で上記p方向に垂
直な方向)に対して傾いた直線偏光の測定光を上記半導
体層の表面に垂直な方向に対して傾いた方向から入射す
る第1のステップと、 上記半導体層から楕円偏光として反射される上記測定光
の反射光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔとし
たときに、少なくともcos Δを測定する第2のステップ
と、 上記測定光の波長の変化に伴う上記少なくともcos Δの
スペクトルを測定する第3のステップと、 上記少なくともcos Δのスペクトルに基づいて、上記不
純物イオンが注入された領域の物理量を評価する第4の
ステップとを備えている半導体層の評価方法。 - 【請求項2】 基板の半導体層に半導体装置を製造する
ための方法であって、 上記半導体層に不純物イオンが注入された領域を形成す
る第1のステップと、 上記不純物イオンが注入された領域が形成された半導体
層に、光軸に垂直な面内でp方向(光軸に垂直な面と入
射光及び反射光を含む面との交線の方向)とs方向(光
軸に垂直な面内で上記p方向に垂直な方向)に対して傾
いた直線偏光の測定光を上記半導体層の表面に垂直な方
向に対して傾いた方向から入射して、上記半導体層から
楕円偏光として反射される上記測定光の反射光のうち上
記p成分とs成分との位相差をΔとしたときに、測定光
の波長の変化に伴う少なくともcos Δのスペクトルを測
定する第2のステップと、 上記第2のステップで得られた少なくともcos Δのスペ
クトルに基づいて上記不純物イオンが注入された領域の
物理量を評価する第3のステップとを備えていることを
特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項3】 基板の半導体層に半導体装置を製造する
ための方法であって、 上記半導体層に不純物イオンが注入された領域を形成す
る第1のステップと、 上記不純物イオンが注入された領域を所定温度に保持す
る処理を行なう第2のステップと、 上記半導体層に、光軸に垂直な面内でp方向(光軸に垂
直な面と入射光及び反射光を含む面との交線の方向)と
s方向(光軸に垂直な面内で上記p方向に垂直な方向)
に対して傾いた直線偏光の測定光を上記半導体層の表面
に垂直な方向に対して傾いた方向から入射して、上記半
導体層から楕円偏光として反射される上記測定光の反射
光のうち上記p成分とs成分との位相差をΔとしたとき
に、測定光の波長の変化に伴う少なくともcos Δのスペ
クトルを測定する第3のステップと、 上記第3のステップで得られた少なくともcos Δのスペ
クトルに基づいて上記不純物イオンが注入された領域の
物理量を評価する第4のステップとを備えていることを
特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項4】 基板内において不純物イオンが注入され
て結晶性の乱れたアモルファス領域を有する半導体層
に、光軸に垂直な面内でp方向(光軸に垂直な面と入射
光及び反射光を含む面との交線の方向)とs方向(光軸
に垂直な面内で上記p方向に垂直な方向)に対して傾い
た直線偏光の測定光を上記半導体層の表面に垂直な方向
に対して傾いた方向から入射して、上記半導体層から楕
円偏光として反射される上記測定光の反射光のうち上記
p成分とs成分との位相差をΔとしたときに、上記測定
光の波長の変化に伴う少なくともcos Δのスペクトルか
ら上記アモルファス領域の物理量を評価するために使用
される記録媒体であって、 上記アモルファス領域の厚みと上記少なくともcos Δの
スペクトルとの相関関係を記憶させる第1の手順と、 特定の注入条件で形成された上記アモルファス領域の分
光エリプソメトリによる測定結果である少なくともcos
Δのスペクトルを入力する第2の手順と、 上記相関関係を取り出して、上記第2のステップで得ら
れた少なくともcos Δのスペクトルを上記相関関係に照
らし合わせることにより、上記半導体層内のアモルファ
ス領域の厚みを測定する第3の手順とをコンピュータに
実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り
可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000374021A JP3848833B2 (ja) | 1997-06-11 | 2000-12-08 | 半導体層の評価方法及び半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP9-153980 | 1997-06-11 | ||
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- 2000-12-08 JP JP2000374021A patent/JP3848833B2/ja not_active Expired - Lifetime
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