JP6458612B2 - 半導体ウェーハの製造方法および半導体ウェーハの評価方法 - Google Patents

半導体ウェーハの製造方法および半導体ウェーハの評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体ウェーハの製造方法および半導体ウェーハの評価方法に関する。
半導体デバイスの製造に用いられる半導体ウェーハの表面に各種イオンを照射しイオンを注入すること(イオン注入処理、イオンインプランテーション(Ion implantation)、イオンインプラ等と呼ばれる。)が広く行われている。
イオン注入された半導体ウェーハについては、従来、以下のような評価が行われていた。
(1)四探針法によって抵抗率測定を行い、測定された抵抗率から注入されたドーパントイオン量を求めることにより、イオン注入処理によるドーパントイオンの注入量(「ドーズ量」とも呼ばれる。)を評価する方法;
(2)測定対象試料にショットキー電極を作製し、C−V測定(容量−電圧測定)を行い、測定結果から注入されたドーパントイオン量を求めることにより、イオン注入処理によるドーパントイオンのドーズ量を評価する方法;
(3)二次イオン質量分析法(SIMS)により、イオン注入により注入されたイオンのドーズ量を評価する方法(例えば特許文献1参照)。
特開平7−245275号公報
イオン注入処理では、通常、イオン注入装置において予めドーズ量の設定を行う。しかるに実際の製造工程では、各種要因により、必ずしも設定した通りのドーズ量でイオン注入が行われるとは限らない。ここでドーズ量不足またはドーズ量過多となってしまった半導体ウェーハを次工程(例えば、半導体ウェーハ出荷前の洗浄や半導体ウェーハ上へのデバイス形成工程等)に付してしまうと、得られる半導体ウェーハや半導体デバイスは、最終的な製品出荷前検査において不良品と判定されてしまう。これでは、最終的に不良品となってしまうにもかかわらず時間や費用をかけて各種処理を施すという無駄が生じてしまう。
また、イオン注入された半導体ウェーハには、イオン注入によるダメージ(結晶性の乱れ等)が生じると言われている。そこで、イオン注入後にダメージを回復するための回復熱処理が通常行われている。しかし、この回復熱処理によるダメージの回復が十分ではない半導体ウェーハを次工程に付すと、上記と同様に無駄が生じてしまう。
そこで、実際の製造工程において、製造ラインにイオン注入処理後の半導体ウェーハを評価(いわゆるインラインモニタリング)する工程を設け、設定した通りの、または設定した値に近いドーズ量でイオン注入が行われたと判定された半導体ウェーハを次工程に付すことができれば、上記の無駄を生じることなく、生産性よく半導体ウェーハや半導体デバイスを量産することができる。同様に、実際の製造工程において、製造ラインにイオン注入処理後に回復熱処理が施された半導体ウェーハを評価する(インラインモニタリング)工程を設け、製品に許容される程度にダメージが回復したと判定された半導体ウェーハを次工程に付すことができれば、上記の無駄を生じることなく、生産性よく半導体ウェーハや半導体デバイスを量産することができる。
または、そのようなインラインモニタリングを行うことで、ドーズ量不足の半導体ウェーハを製造ラインからいったん取り出し、不足しているドーズ量を補うべく追加のイオン注入を行った後に製造ラインに戻すことにより、半導体ウェーハ製造や半導体デバイス製造における不良品率を低減することも可能となる。同様に、ダメージ回復が不十分な半導体ウェーハを製造ラインからいったん取り出し、追加の回復熱処理を施した後に製造ラインに戻すことにより、半導体ウェーハ製造や半導体デバイス製造における不良品率を低減することも可能となる。
上記のようなインラインモニタリングを行うための評価方法は、測定対象試料(イオン注入後や回復熱処理後の半導体ウェーハ)を破壊せず、かつ測定対象試料に接触しない方法(非破壊・非接触法)であることが望ましい。しかるに、前述の従来行われていた評価方法は、いずれも測定対象試料を破壊するか、または測定対象試料に分析機器(例えば探針等)を接触させなければ実施することができないため、インラインモニタリングに適用することは困難である。
そこで本発明の目的は、イオン注入処理後や回復熱処理後の半導体ウェーハを、非破壊かつ非接触に評価する(インラインモニタリング)工程を含む半導体ウェーハの製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、非破壊かつ非接触な手法であるフォトルミネッセンス(Photoluminescence;以下、「PL」とも記載する。)測定により得られる測定結果が、イオン注入処理により注入されたイオンのドーズ量や、回復熱処理後に残存するダメージの程度と良好に相関するという、従来知られていなかった新たな知見を得た。かかる知見に基づき本発明者らは更なる検討を重ねた結果、本発明を完成させた。
即ち、上記目的は、下記手段によって達成された。
[1]半導体ウェーハの製造方法であって、
半導体ウェーハの表面に向かってイオンを照射しイオン注入処理を施すこと、および、
予め設定した範囲内のイオン注入量でイオン注入が行われたと判定された半導体ウェーハを次工程に付すこと、
を含み、
前記イオン注入処理と前記次工程との間に、前記イオン注入処理後の半導体ウェーハの前記表面においてフォトルミネッセンス測定を行うことを更に含み、
前記判定を、前記フォトルミネッセンス測定の測定結果に基づき行う、前記半導体ウェーハの製造方法。
[2]前記イオン注入処理後の半導体ウェーハに、イオン注入によるダメージを回復するための回復熱処理を施すことを含み、
前記フォトルミネッセンス測定を、前記回復熱処理後に行う、[1]に記載の半導体ウェーハの製造方法。
[3]前記測定結果は、フォトルミネッセンス強度である[1]または[2]に記載の半導体ウェーハの製造方法。
[4]前記フォトルミネッセンス強度は、前記半導体ウェーハ表面の全面または一部領域において測定されるフォトルミネッセンス強度である[1]〜[3]のいずれかに記載の半導体ウェーハの製造方法。
[5]半導体ウェーハの製造方法であって、
半導体ウェーハの表面に向かってイオンを照射しイオン注入処理を施すこと、
前記イオン注入処理後の半導体ウェーハに、イオン注入によるダメージを回復するための回復熱処理を施すこと、および、
予め設定した水準までダメージが回復したと判定された半導体ウェーハを次工程に付すこと、
を含み、
前記回復熱処理と前記次工程との間に、前記イオン注入処理においてイオンが照射された半導体ウェーハの前記表面においてフォトルミネッセンス測定を行うことを更に含み、
前記判定を、前記フォトルミネッセンス測定の測定結果に基づき行う、前記半導体ウェーハの製造方法。
[6]前記測定結果は、フォトルミネッセンス強度である[5]に記載の半導体ウェーハの製造方法。
[7]前記注入されるイオンは、ドーパントイオン、アルゴンイオンおよび炭素イオンからなる群から選択される[1]〜[6]のいずれかに記載の半導体ウェーハの製造方法。
[8]前記半導体ウェーハは、シリコンウェーハである[1]〜[7]のいずれかに記載の半導体ウェーハの製造方法。
[9]イオン注入処理が施された半導体ウェーハの評価方法であって、
前記イオン注入処理は、半導体ウェーハ表面に向かってイオンを照射することにより行われ、
前記イオン注入処理後の半導体ウェーハの前記表面においてフォトルミネッセンス測定を行い、該測定結果に基づき前記イオン注入処理におけるイオン注入量を評価する、前記半導体ウェーハの評価方法。
[10]前記フォトルミネッセンス測定が行われる半導体ウェーハは、前記イオン注入処理後に、イオン注入によるダメージを回復するための回復熱処理が施された半導体ウェーハである、[9]に記載の半導体ウェーハの評価方法。
[11]半導体ウェーハの評価方法であって、
評価対象の半導体ウェーハは、該半導体ウェーハ表面に向かってイオンを照射することによりイオン注入処理が施され、かつ該イオン注入処理後に、イオン注入によるダメージを回復するための回復熱処理が施された半導体ウェーハであり、
前記回復熱処理後の半導体ウェーハの前記表面においてフォトルミネッセンス測定を行い、該測定結果に基づき前記回復熱処理によるダメージの回復の程度を評価する、前記半導体ウェーハの評価方法。
[12]前記注入されるイオンは、ドーパントイオン、アルゴンイオンおよび炭素イオンからなる群から選択される[9]〜[11]のいずれかに記載の半導体ウェーハの評価方法。
[13]前記半導体ウェーハは、シリコンウェーハである[9]〜[12]のいずれかに記載の半導体ウェーハの評価方法。
本発明によれば、イオン注入によるドーズ量や回復熱処理によるダメージの回復をインラインモニタリングにより評価することができ、これにより高品質な半導体ウェーハや半導体デバイスを量産することが可能となる。
強励起顕微フォトルミネッセンス法に基づく測定装置の概略図である。 n型シリコンウェーハについて、実ドーズ量評価のために作成した検量線の具体例を示す。 後述の具体例に示すp型シリコンウェーハにおけるホウ素イオンのイオン注入処理後および回復熱処理後に得たマッピング画像を示す。 p型シリコンウェーハについて、実ドーズ量評価のために作成した検量線の具体例を示す。 後述の具体例に示すp型シリコンウェーハにおけるアルゴンイオンのイオン注入処理後および回復熱処理後に得たマッピング画像を示す。
本発明の一態様にかかる半導体ウェーハの製造方法は、
半導体ウェーハの表面に向かってイオンを照射しイオン注入処理を施すこと、および、
予め設定した範囲内のイオン注入量でイオン注入が行われたと判定された半導体ウェーハを次工程に付すこと、
を含み、
前記イオン注入処理と前記次工程との間に、前記イオン注入処理後の半導体ウェーハの前記表面においてフォトルミネッセンス測定を行うことを更に含み、
前記判定を、前記フォトルミネッセンス測定の測定結果に基づき行う。
本発明の一態様にかかる半導体ウェーハの評価方法は、
イオン注入処理が施された半導体ウェーハの評価方法であって、
前記イオン注入処理は、半導体ウェーハ表面に向かってイオンを照射することにより行われ、
前記イオン注入処理後の半導体ウェーハの前記表面においてフォトルミネッセンス測定を行い、該測定結果に基づき前記イオン注入処理におけるイオン注入量を評価する。
本発明の他の一態様にかかる半導体ウェーハの製造方法は、
半導体ウェーハの表面に向かってイオンを照射しイオン注入処理を施すこと、
前記イオン注入処理後の半導体ウェーハに、イオン注入によるダメージを回復するための回復熱処理を施すこと、および、
予め設定した水準までダメージが回復したと判定された半導体ウェーハ上を次工程に付すこと、
を含み、
前記回復熱処理と前記次工程との間に、前記イオン注入処理においてイオンが照射された半導体ウェーハの前記表面においてフォトルミネッセンス測定を行うことを更に含み、
前記判定を、前記フォトルミネッセンス測定の測定結果に基づき行う。
本発明の他の一態様にかかる半導体ウェーハの評価方法は、
評価対象の半導体ウェーハは、該半導体ウェーハ表面に向かってイオンを照射することによりイオン注入処理が施され、かつ該イオン注入処理後に、イオン注入によるダメージを回復するための回復熱処理が施された半導体ウェーハであり、
前記回復熱処理後の半導体ウェーハの前記表面においてフォトルミネッセンス測定を行い、該測定結果に基づき前記回復熱処理によるダメージの回復の程度を評価する。
上記の製造方法および評価方法は、いずれも、イオン注入処理が施された半導体ウェーハを非破壊かつ非接触な手法であるPL測定により評価することを含む。これにより、イオン注入処理により注入されたイオンのドーズ量や、回復熱処理後に残存するダメージの程度を非破壊かつ非接触に評価することができる。
以下、本発明の半導体ウェーハの製造方法および半導体ウェーハの評価方法について、更に詳細に説明する。
[評価対象半導体ウェーハ]
評価対象半導体ウェーハは、例えばシリコンウェーハである。ただし、評価対象半導体ウェーハは、シリコンウェーハに限定されるものではなく、デバイス作製に通常用いられる各種半導体ウェーハであることができる。
半導体ウェーハの導電型は、p型であってもn型であってもよい。評価対象半導体ウェーハがいずれの導電型の半導体ウェーハであっても、本発明によれば、イオン注入によるドーズ量や回復熱処理後に残存するダメージの程度を非破壊かつ非接触に評価することができる。なお評価対象半導体ウェーハのサイズは、例えば直径200mm、300mm、450mmであることができるが、これより小さくても大きくてもよく、特に限定されるものではない。
[イオン注入処理]
イオン注入処理は、半導体ウェーハの表面に向かってイオンを照射することにより行われる。イオン注入処理は、公知のイオン注入装置によって行えばよい。半導体ウェーハ表面に注入され注入されるイオンとしては、半導体ウェーハに通常注入される各種イオン、例えば、ドーパントイオン(ホウ素(B)イオン、リン(P)イオン、ヒ素(As)イオン、アンチモン(Sb)イオン等)、アルゴンイオン、炭素イオン、シリコンイオン、ゲルマニウムイオン、水素イオン、ヘリウムイオン、酸素イオン、窒素イオン、フッ素イオン等を挙げることができる。また、半導体ウェーハ表面にクラスターイオンを照射することもできる。クラスターイオンとは、原子や分子の集合体(クラスター)からなるイオンであり、クラスターイオンを照射することにより、一度のイオン照射により複数種のイオンを半導体ウェーハに注入することができる。一例として、
炭素およびドーパント元素の両方を含む化合物をイオン化したクラスターイオンを照射することにより、炭素イオンとドーパントイオンを一度のイオン照射により半導体ウェーハに注入することができる。
イオン注入処理では、通常、イオン注入装置において予めドーズ量(以下、「設定ドーズ量」と記載する。)の設定を行う。設定ドーズ量は、例えばドーパントイオンを注入するのであれば所望の抵抗率に応じて設定することができる。また、各種イオンの設定ドーズ量は、イオン注入により半導体ウェーハに付与すべき性質(例えばゲッタリング能)や改質の程度に応じて設定すればよい。ただし先に記載したように、設定ドーズ量とイオン注入処理における実際のイオン注入量(以下、「実ドーズ量」ともいう。)は、必ずしも一致するとは限らない。そこで本発明の一態様にかかる製造方法では、PL測定により実ドーズ量を評価し、予め設定した範囲内のドーズ量でイオン注入が行われたと判定された半導体ウェーハを、次工程に付す。前述のように、これにより、先に記載したような無駄が発生することを防ぐことができる。更に、最終的に不良品と判定されてしまう半導体ウェーハや半導体デバイスの割合(不良品率)を低減することも可能となる。加えて、前述のように、ドーズ量不足の半導体ウェーハに追加のイオン注入を行った後に製造ラインに戻すことによって、不良品率を低減することができる。
PL測定による実ドーズ量評価については、更に後述する。
[回復熱処理]
上記イオン注入処理では、通常、半導体ウェーハ中で、エネルギーをもったイオンが半導体ウェーハを構成する原子(例えばシリコンウェーハ中のケイ素原子)と衝突することで結晶性が乱れる現象が発生する(ダメージの発生)。このダメージは、熱処理(回復熱処理)によって回復することができる。回復熱処理は、例えば、900℃以上1200℃以下の温度で10秒以上1時間以下程度行うことができる。なお本明細書において、回復熱処理等の各種処理に関して記載する温度は、かかる処理が行われる雰囲気温度をいうものとする。回復熱処理は、異なる熱処理条件での2回以上の熱処理を含んでもよい。回復熱処理は、例えば、RTA(Rapid Thermal Annealing)炉やRTO(Rapid Thermal Oxidation)炉等の急速昇降温熱処理装置や、バッチ式熱処理装置(縦型熱処理装置、横型熱処理装置)を用いて行うことができる。ただし、例えば、設定ドーズ量と実ドーズ量が大きく異なる場合等には、予め決定していた熱処理条件で回復熱処理を行ったとしても、製品に許容されるレベルまでダメージが回復しないことが起こり得る。また、予め決定していた熱処理条件が適切ではなかった場合や、回復熱処理を行う雰囲気内の内部の温度ムラによっても、製品に許容されるレベルまでダメージが回復しないことが起こり得る。ここで本発明の一態様にかかる製造方法では、PL測定により回復熱処理後のダメージを評価し、予め設定した水準までダメージが回復したと判定された半導体ウェーハを、次工程に付す。前述のように、これにより、先に記載したような無駄が発生することを防ぐことができる。更に、最終的に不良品と判定されてしまう半導体ウェーハや半導体デバイスの割合(不良品率)を低減することも可能となる。加えて、前述のように、ダメージ回復が不十分な半導体ウェーハを製造ラインからいったん取り出し、追加の回復熱処理を施した後に製造ラインに戻すことにより、半導体ウェーハ製造や半導体デバイス製造における不良品率を低減することも可能となる。
PL測定によるダメージ回復評価については、更に後述する。
[フォトルミネッセンス(PL)測定による実ドーズ量評価、ダメージ回復評価]
本発明では、上記のイオン注入処理や回復熱処理が施された半導体ウェーハの、上記イオン注入処理においてイオンが照射された表面において、PL測定を行う。本発明者らが見出した新たな知見によれば、実ドーズ量とPL強度との間、およびダメージの程度とPL強度との間には、以下の相関が見られた。
(1)実ドーズ量が多いほどPL強度が高くなる場合と、実ドーズ量が多いほどPL強度が低下する場合がある。例えば、n型シリコンウェーハとp型シリコンウェーハとを対比すると、n型は前者となる傾向があり、p型は後者となる傾向がある。
(2)ダメージが多く含まれているほど、PL強度は低下する傾向がある。
そこで本発明では、上記相関を利用し、一態様では、PL測定により得られたPL強度の値を用いて、実ドーズ量評価やダメージ回復評価を行うことができる。また、他の一態様では、PL強度の面内分布を示すマッピング画像を目視または公知の画像解析ソフトにより解析することにより、実ドーズ量評価やダメージ回復評価を行うことができる。
それら評価の具体的態様は更に後述する。ただし後述する具体的態様は例示であって、本発明はこれらに限定されず、PL測定の測定結果に基づき実ドーズ量評価やダメージ回復評価を行う各種態様が、本発明に包含される。
<PL測定の測定方法>
本発明におけるPL測定は、通常行われる各種PL測定であればよい。操作の簡便性の観点からは、温度制御が不要な室温フォトルミネッセンス法(室温PL法)により、PL測定を行うことが好ましい。シリコンウェーハを例にとると、室温PL法では、試料ウェーハ表面から入射させた、シリコンのバンドギャップよりエネルギーの大きな励起光により表面近傍で発生させた電子正孔対(すなわちキャリア)が、ウェーハ内部に拡散しながら発光して消滅していく。この発光は、バンド端発光と呼ばれ、室温(例えば20〜30℃)での波長が約1.15μmの発光強度を示す。通常、フォトルミネッセンス法では、励起光として可視光が使用される。したがって、PL強度としては、波長950nm以上の光強度を測定すれば励起光から分離することができるため高感度な測定が可能となる。この点からは、PL強度としてバンド端発光強度を測定することが好ましい。
室温PL法によるPL強度の測定に使用可能な装置の一例としては、強励起顕微フォトルミネッセンス法に基づいた測定方法を挙げることができる。強励起顕微フォトルミネッセンス法とは、可視光レーザーによりシリコン中のキャリアを励起させ、さらに励起されたキャリアが直接、バンドギャップ間で再結合する際に発生する発光(バンド端発光)強度を検出するものである。図1は、強励起顕微フォトルミネッセンス法に基づく測定装置の概略図であり、同図において、10は測定装置、1はレーザー光源、2はハーフミラー、3はフォトルミネッセンス検出器、4はオートフォーカス用検出器、5はバンドパスフィルター、6は入力計、7は出力計、8は表面散乱光検出器、Wは測定対象試料(半導体基板)である。測定対象試料Wは、図示しないX・Yステージ上に載置されており、X・Yステージが作動することで、励起レーザー光がウェーハ面のX方向、Y方向にスキャニングされる。これにより評価対象半導体ウェーハ表面の面内各部においてPL強度を測定することができる。PL測定は、評価対象試料表面の全面において行ってもよく、一部領域において行ってもよい。一態様では、実ドーズ量評価やダメージ回復評価に用いる測定結果は、評価対象試料表面の全面の各部において測定されたPL強度の平均値であることができる。他の一態様では、上記評価に用いる測定結果は、評価対象試料表面の一部領域において測定されたPL強度(当該領域の1箇所で測定されたPL強度または当該領域の2箇所以上の複数箇所で測定されたPL強度の平均値)であることができる。また、PL強度の数値によらずに、PL強度の面内分布を示すマッピング画像を目視または公知の画像解析ソフトにより解析することにより(例えば濃淡の程度を予め準備しておいた標準試料のマッピング画像の濃淡と比較することにより)、実ドーズ量やダメージ回復の程度を評価してもよい。上記の標準試料としては、例えば、公知の評価方法(ここでの評価方法は、破壊や接触を伴うものであってもよく、一例として前述の従来の評価法が挙げられる。)により、所望量のイオンが注入されたことや製品に許容される程度までダメージが回復したことが確認された試料と同じ処理が施された半導体ウェーハを用いることができる。または、設定ドーズ量と実ドーズ量が大きく相違しないことが予め確認されたイオン注入処理条件によりイオン注入が行われた試料であれば、かかる試料を標準試料として用いて設定ドーズ量を検量線作成のために用いてもよい。なお上記マッピング画像は、PL強度の高〜低を、例えば黒〜白の輝度(明暗の度合い)に割り当てることでマッピング画像の明暗によりPL強度の高低が示されている。
ところで、PL測定では、測定対象試料表面に励起光を照射し、この励起光により励起された電子正孔対(キャリア)が再結合する際に生じる発光を検出する。一般的なPL測定では、測定感度向上のための前処理として、励起光が照射される測定対象試料表面を不活性化するパッシベーション処理が行われる。かかるパッシベーション処理としては、一般に熱処理等の公知の処理が行われる。本発明においても、一態様ではそのようなパッシベーション処理を施してもよい。ただし、回復熱処理後にPL測定を行う場合には、回復熱処理がパッシべーション処理を兼ねることができるため、回復熱処理後にパッシベーション処理を行わずにPL測定を行ってもよく、工程の簡略化や短時間化の観点からは、回復熱処理後にパッシベーション処理を行わずにPL測定を行うことが好ましい。
<実ドーズ量評価の具体的態様>
一態様では、先に記載したような標準試料を準備し、この標準試料のPL測定を行い得られた測定結果と対比することにより、実ドーズ量評価やダメージ回復評価を行うことができる。例えば、標準試料として、回復熱処理によって、PL強度に影響を及ぼさないと見なすことができるほどダメージが回復した試料を準備すれば、標準試料において測定されるPL強度は、実ドーズ量ときわめて良好に相関していると言える。したがって、一態様では、上記標準試料と同様に、PL強度に影響を及ぼさないと見なすことができるほど回復熱処理によりダメージが回復された半導体ウェーハ(評価対象ウェーハ)のPL強度を、上記標準試料において測定されたPL強度と対比し、評価対象ウェーハのPL強度が、上記標準試料において測定されたPL強度±Xの範囲内であるならば、標準試料と同様の実ドーズ量であると判定することができる。ここで上記のXは、製品に求められる品質を考慮し、任意に設定することができる。高品質な製品が求められるほどXは小さな値に設定することが好ましい。
また、他の一態様では、そのような標準試料として、ドーズ量の異なる標準試料を2つ以上、好ましくは3つ以上準備し、これら標準試料のPL強度を測定し、測定された値から作成した検量線を用いて、上記評価対象ウェーハのPL強度から実ドーズ量を評価してもよい。なお本発明における実ドーズ量の評価は、ドーズ量の具体的数値を求めることに限定されず、ドーズ量がある範囲内にあると評価することも包含される。また、評価対象ウェーハに実際に注入されたイオン量の正確な値を求めることまでは要さず、予想される実ドーズ量を評価できればよい。
イオン注入処理後であって回復熱処理前の半導体ウェーハには、通常、イオン注入によるダメージが多く含まれているため、PL測定の測定結果がダメージの影響を強く受ける傾向がある。そのようなダメージの影響を低減するためには、実ドーズ量の評価のためのPL測定は、回復熱処理後に行うことが好ましい。
一態様では、検量線は、以下のように作成することもできる。
ドーズ量の異なる複数の試料に同条件での回復熱処理を施した後、PL強度を測定する。回復熱処理によるダメージの回復の程度は、必ずしもウェーハ面内で均一であるとは限らず、十分に回復していると見なすことができる領域と、回復が不均一、不十分または不均一かつ不十分な領域とがウェーハ面内に共存している場合もある。これら領域は、例えば、PL測定により得られたマッピング画像において判別することができる。具体例は後述する。このような場合には、回復熱処理によりダメージが十分に回復していると見なすことができる一部領域におけるPL強度を用いて検量線を作成する。これにより、ダメージの影響を低減して検量線を作成することができるため、検量線による実ドーズ量の評価の信頼性を高めることができる。
なお、上記いずれの態様においても、検量線は、公知のフィッティング法により線形近似した直線であってもよく、公知のフィッティング法により曲線近似した曲線であってもよい。
<ダメージ回復評価の具体的態様>
先に記載したように、半導体ウェーハにイオン注入によるダメージが多く含まれているほど、PL強度は低下する傾向がある。そこで、一態様では、以下のようにダメージ回復を評価することができる。
イオン注入処理による実ドーズ量が同水準であることが予め確認された半導体ウェーハを試料として準備する。なお実ドーズ量が同水準であることは、例えば、先に標準試料に関して記載した手法により確認することができる。これら試料に、異なる条件で回復熱処理を施した後、PL測定を行う。次に、これら試料を用いて半導体デバイスを作製し、製品に行われる評価を実施する。これにより製品として出荷可能と判定された試料のPL強度を、予め設定した水準までダメージが回復したと判定するための閾値として採用し、実際のダメージ回復評価を行うことができる。
以上では、実ドーズ量評価およびダメージ回復評価についてそれぞれ説明したが、本発明では、同一半導体ウェーハについて、実ドーズ量の評価とダメージ回復評価を併せて行うこともできる。
[上記評価後の半導体ウェーハに施される次工程]
本発明の半導体ウェーハの製造方法では、以上説明した評価によって予め設定した範囲内のイオン注入量でイオン注入が行われたと判定された半導体ウェーハや回復熱処理により予め設定した水準までダメージが回復したと判定された半導体ウェーハは、次工程に付される。
また、本発明の半導体ウェーハの評価方法によりイオン注入処理におけるイオン注入量が評価された半導体ウェーハや回復熱処理によるダメージの回復の程度が評価された半導体ウェーハも、評価の結果、次工程に付してよいと判定されたものは、次工程に付すことができる。ここで次工程に付してよいと判定する判定基準は、製品に求められる品質に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。
次工程としては、特に限定されるものではなく、例えば、半導体ウェーハ出荷前の洗浄や半導体ウェーハ上へのデバイス形成工程等の半導体ウェーハに通常施される各種処理を挙げることができる。かかる次工程については、公知技術を何ら制限なく適用することができる。
なお先に記載したように、上記評価の結果、次工程に付してよいと判定されなかった半導体ウェーハには、追加のイオン注入工程や追加の回復熱処理を施すことができ、施すことが好ましい。
以上説明した本発明の半導体ウェーハの製造方法および半導体ウェーハの評価方法によれば、高品質な半導体ウェーハや半導体デバイスを量産することが可能となる。更に、先に記載したように不良品率を低減することも可能となる。
以下、本発明を具体例を示し更に説明する。ただし本発明は、以下に示す具体例に限定されるものではない。
なお以下に記載のPL強度は相対値で示し、単位は任意単位(arbitrary unit:a.u.)である。
また、以下で実施したイオン注入処理は、設定ドーズ量と実ドーズ量が大きく相違しないことが予め確認されたイオン注入処理である。
以下のPL測定では、図1に示す装置として、Nanometrics社製のPL測定装置SiPHERを用い、500μmピッチでバンド端フォトルミネッセンス発光強度マップ測定を行った。特記しない限り、PL測定の測定結果は、測定レーザーとして波長532nmの光源を利用して得られた結果である。
1.回復熱処理の違いによるPL強度変化の確認
(1)イオン注入対象試料の準備
直径200mmのp型のシリコンウェーハ(抵抗:約10Ω・cm)を複数準備した。
(2)イオン注入処理
市販のイオン注入装置を用いて、表1に示すイオン(アルゴンイオン、ホウ素イオンまたは炭素イオン)を、複数のシリコンウェーハのそれぞれに異なる設定ドーズ量(イオン注入なしの水準を含む)で注入した。
(3)イオン注入処理後のPL測定
上記(2)のイオン注入処理後のシリコンウェーハに、イオン注入処理でアルゴンイオンを照射した表面にパッシベーション処理(熱処理)を施した後に、同表面でPL測定を行った。
(4)回復熱処理
上記(3)の後の各シリコンウェーハに、横型熱処理炉において1000℃で30分間回復熱処理を施した。
(5)回復熱処理後のPL測定
上記(4)の回復熱処理後のシリコンウェーハの、上記(2)のイオン注入処理でアルゴンイオンを照射した表面において、PL測定を行った。なお上記(4)の回復熱処理がパッシベーション処理を兼ねることができるため、ここでは更なるパッシベーション処理は行わなかった。以下に記載の回復熱処理後のPL測定についても、同様である。
以上のPL測定において、各シリコンウェーハの上記表面の全面において測定したPL強度の平均値を、表1に示す。
表1に示すように、イオン注入無しの水準1において、回復熱処理前後でPL強度は変化しなかった。これに対し、イオンを注入した水準2〜5では、回復熱処理後のPL強度は、回復熱処理前のPL強度より高かった。また、アルゴンイオンを注入した水準2と水準3とを対比すると、回復熱処理後のPL強度は、ドーズ量が少ない水準2が、水準3より高い値を示した。水準2は、水準3よりドーズ量が少なくイオン注入によって発生したダメージが少ないため、同じ回復熱処理を施した水準3よりPL強度が高くなったと考えられる。加えて、水準5では、回復熱処理後のPL強度が、イオン注入無しの水準1のPL強度と同じ値であることから、水準5では回復熱処理によってダメージがイオン注入前の状態まで回復したことも確認できる。
以上の結果から、PL強度によりダメージ回復の程度が評価可能であることが確認できる。
2.実ドーズ量評価のための検量線の作成例1
(1)イオン注入対象試料の準備
直径200mmのn型のシリコンウェーハ(抵抗:約10Ω・cm)を複数準備した。
(2)イオン注入処理
市販のイオン注入装置を用いて、リンイオンを、複数のシリコンウェーハのそれぞれに表2に示す異なる設定ドーズ量で注入した。
(3)回復熱処理
上記(2)の後の各シリコンウェーハに、RTA炉において1000℃で30秒間熱処理(熱処理1)を施した。
その後、下記のPL測定後に、横型熱処理炉において1000℃で10分間熱処理(熱処理2)を施した。
(4)回復熱処理後のPL測定
上記(3)の熱処理1の後、熱処理2の後に、それぞれ、上記(2)のイオン注入処理でリンイオンを照射したシリコンウェーハ表面において、PL測定を行った。PL測定は、測定レーザーとして、波長532nmの光源、波長830nmの光源を用いて、それぞれ行った。
以上のPL測定において、各シリコンウェーハの上記表面の全面において測定したPL強度の平均値(測定レーザー波長:532nm)を、表2に示す。図2には、表2に示す結果をプロットし、最小二乗法により線形近似した近似直線を示す(検量線の作成)。
近似式については、相関係数Rの二乗Rが1に近いほど、近似式の信頼性が高いと判断される。図2に示した線形近似の近似式は、いずれも相関係数Rの二乗Rが0.9以上であり、信頼性が高いと判断できる。
3.実ドーズ量評価のための検量線の作成例2
イオン注入処理および回復熱処理を施すシリコンウェーハとして、直径200mmのp型のシリコンウェーハ(抵抗:約10Ω・cm)を用いて表3に示す設定ドーズ量でホウ素イオンをイオン注入した点以外、上記2.と同様に各種処理およびPL測定を行った。PL測定は、測定レーザー波長532nm、830nmでそれぞれ実施した。図3は、熱処理2後に測定レーザー波長830nmでPL測定を行い得られたマッピング画像(500μm×500μm角)である。
上記2.と同様に、各シリコンウェーハのイオン照射した表面の全面において測定したPL強度の平均値(測定レーザー波長:532nm)を、表3に示す。
なお熱処理2の後のPL測定において得られた図3に示すマッピング画像(500μm×500μm角)では、画像左下の150μm×150μm角の領域(以下、「選択領域」とも記載する。)は、他の領域と比べて画像の濃淡のムラが少ないか、または他の領域と比べて明るかった(白かった)。同画像では、暗い(黒い)ほどPL強度が低く、明るい(白い)ほどPL強度が高いことを示す。前述のように、ダメージが多いほどPL強度は低くなることから、上記の150μm×150μm角の選択領域は、他の領域と比べてダメージがより回復したか、より均一に回復したと考えられる。即ち、上記の選択領域は、他の領域と比べてPL強度へのダメージの影響が少ないと考えられる。そこで、上記選択領域におけるPL強度の平均値(測定レーザー波長:532nm)も求めたところ、表3に示す値であった。
図4には、表3に示す結果をプロットし、最小二乗法により線形近似した近似直線を示す(検量線の作成)。
前述のように、近似式については、相関係数Rの二乗Rが1に近いほど、近似式の信頼性が高いと判断される。図4に示した線形近似の近似式は、いずれも相関係数Rの二乗Rが0.8以上であり、信頼性が高いと判断できる。更に、熱処理1後のPL強度により得られた近似式に比べて熱処理2後のPL強度から得られた近似式の相関係数の二乗Rはより1に近く、熱処理2後の選択領域でのPL強度から得られた近似式の相関係数の二乗Rは1であることから、ダメージの影響を低減するほど、検量線の信頼性を高めることができることが確認できる。中でも、熱処理2後の選択領域でのPL強度から得られた近似式は、相関係数の二乗Rが1であり、ダメージの影響をほぼ含まないと見なすことができる。したがって、あるドーズ量について、熱処理1や熱処理2の後に測定されるPL強度から、この近似式を検量線として算出されるPL強度を引いたPL強度の差分は、イオン注入による影響をほぼ含まず、熱処理1や熱処理2の後に残存しているダメージの影響を反映していると考えられる。一態様では、このような差分に基づき、回復熱処理後に残存しているダメージの程度を判定することができる。なお上記の例では検量線の相関係数の二乗Rは1であるが、この例に限定されるものではない。
5.PL測定時の測定レーザー波長の検討
上記1.の水準1〜3について、回復熱処理後に測定レーザー波長を変更して行ったPL測定により得られたマッピング画像を、図5に示す。
図5上欄は測定レーザー波長830nmでのPL測定により得られたマッピング画像、下欄は測定レーザー波長532nmでのPL測定により得られたマッピング画像である。
図5に示すマッピング画像は、上欄と下欄とを対比すると、下欄がよりコントラストが大きな画像となっている。コントラストが大きいことは、わずかなダメージの違いやイオン注入量の違いも高感度に検出していること、即ち測定感度が高いことを意味する。測定レーザー波長が異なると、測定深さ(光の進入長)は異なる。測定レーザー波長830nmでのPL測定の評価結果は、上記1.のイオン注入処理によりイオン注入された領域よりも深い領域の影響も含むと考えられるのに対し、測定レーザー波長532nmでのPL測定の評価結果は、そのような深い領域の影響が少ないか含まないと考えられる。測定レーザー波長532nmでのPL測定の評価結果は、イオン注入された領域の状態をより反映していることが、上記違いをもたらした理由と本発明者らは推察している。この結果から、本発明者らは、イオン注入される領域の深さにより近い光の進入長をもたらす波長のレーザー光を用いてPL測定を行うことにより、より高感度測定が可能になると考えている。
本発明は、半導体ウェーハの製造分野および半導体デバイスの製造分野において、有用である。

Claims (8)

  1. 半導体ウェーハの製造方法であって、
    イオン注入装置においてドーズ量を設定すること、
    前記イオン注入装置を用いて半導体ウェーハの表面に向かってイオンを照射しイオン注入処理を施すこと、および、
    前記イオン注入装置において設定されたドーズ量通りのドーズ量または前記イオン注入装置において設定されたドーズ量に近いドーズ量でイオン注入が行われたと判定された半導体ウェーハを次工程に付すこと、
    を含み、
    前記イオン注入処理と前記次工程との間に、前記イオン注入処理後の半導体ウェーハの前記表面においてフォトルミネッセンス測定を行うことを更に含み、
    前記判定を、前記イオン注入処理後の半導体ウェーハの前記表面の全面もしくは一部領域の各部において測定されたフォトルミネッセンス強度の平均値、または前記イオン注入処理後の半導体ウェーハの前記表面の一部領域の1箇所で測定されたフォトルミネッセンス強度の値に基づき行い、
    前記半導体ウェーハは、シリコンウェーハである、前記半導体ウェーハの製造方法。
  2. 前記イオン注入処理後の半導体ウェーハに、イオン注入によるダメージを回復するための回復熱処理を施すことを含み、
    前記フォトルミネッセンス測定を、前記回復熱処理後に行う、請求項1に記載の半導体ウェーハの製造方法。
  3. 半導体ウェーハの製造方法であって、
    半導体ウェーハの表面に向かってイオンを照射しイオン注入処理を施すこと、
    前記イオン注入処理後の半導体ウェーハに、イオン注入によるダメージを回復するための回復熱処理を施すこと、および、
    予め設定した水準までダメージが回復したと判定された半導体ウェーハを次工程に付すこと、
    を含み、
    前記回復熱処理と前記次工程との間に、前記イオン注入処理においてイオンが照射された半導体ウェーハの前記表面においてフォトルミネッセンス測定を行うことを更に含み、
    前記判定を、前記回復熱処理後の半導体ウェーハの前記表面の全面もしくは一部領域の各部において測定されたフォトルミネッセンス強度の平均値、または前記回復熱処理後の半導体ウェーハの前記表面の一部領域の1箇所で測定されたフォトルミネッセンス強度の値を、予め設定したフォトルミネッセンス強度の閾値と対比することにより
    前記半導体ウェーハは、シリコンウェーハである、前記半導体ウェーハの製造方法。
  4. 前記注入されるイオンは、ドーパントイオン、アルゴンイオンおよび炭素イオンからなる群から選択される請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体ウェーハの製造方法。
  5. イオン注入処理が施された半導体ウェーハの評価方法であって、
    イオン注入装置においてドーズ量を設定すること、
    前記イオン注入処理は、前記イオン注入装置を用いて半導体ウェーハ表面に向かってイオンを照射することにより行われ、
    前記イオン注入処理後の半導体ウェーハの前記表面においてフォトルミネッセンス測定を行い、前記イオン注入処理後の半導体ウェーハの前記表面の全面もしくは一部領域の各部において測定されたフォトルミネッセンス強度の平均値、または前記イオン注入処理後の半導体ウェーハの前記表面の一部領域の1箇所で測定されたフォトルミネッセンス強度の値に基づき、前記イオン注入装置において設定されたドーズ量通りのドーズ量または前記イオン注入装置において設定されたドーズ量に近いドーズ量で前記イオン注入処理が行われたか否かを評価
    前記半導体ウェーハは、シリコンウェーハである、前記半導体ウェーハの評価方法。
  6. 前記フォトルミネッセンス測定が行われる半導体ウェーハは、前記イオン注入処理後に、イオン注入によるダメージを回復するための回復熱処理が施された半導体ウェーハである、請求項に記載の半導体ウェーハの評価方法。
  7. 半導体ウェーハの評価方法であって、
    評価対象の半導体ウェーハは、該半導体ウェーハ表面に向かってイオンを照射することによりイオン注入処理が施され、かつ該イオン注入処理後に、イオン注入によるダメージを回復するための回復熱処理が施された半導体ウェーハであり、
    前記回復熱処理後の半導体ウェーハの前記表面においてフォトルミネッセンス測定を行い、
    前記回復熱処理後の半導体ウェーハの前記表面の全面もしくは一部領域の各部において測定されたフォトルミネッセンス強度の平均値、または前記回復熱処理後の半導体ウェーハの前記表面の一部領域の1箇所で測定されたフォトルミネッセンス強度の値を、予め設定したフォトルミネッセンス強度の閾値と対比することにより、前記回復熱処理によるダメージの回復の程度を評価
    前記半導体ウェーハは、シリコンウェーハである、前記半導体ウェーハの評価方法。
  8. 前記注入されるイオンは、ドーパントイオン、アルゴンイオンおよび炭素イオンからなる群から選択される請求項のいずれか1項に記載の半導体ウェーハの評価方法。
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