JP3848716B2 - メタノール製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素よりメタノールを製造する方法、特にメタノール製造装置より廃水発生を少なくし、且つ、ボイラ用水を節減する改良されたメタノール製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平1−180841号公報に示されているように、炭化水素からメタノールを製造する方法は、一般に次の工程より行われる。
(1)ガス状の炭化水素または液状の炭化水素を気化したものと水蒸気を、改質炉でニッケル系触媒下、800〜1000℃で反応させ、水素、一酸化炭素、および二酸化炭素を主成分とする合成ガスを製造する合成ガス製造工程、
(2)銅系メタノール合成触媒上で、上記合成ガスを、圧力50〜150気圧、温度200〜300℃で反応させ、反応ガスから生成粗メタノールを液状で回収する合成工程、
(3)液状の粗メタノールを一塔ないし二塔以上の蒸留塔で蒸留し、精製メタノールと、メタノールよりも沸点の低い有機化合物(以下、低沸点有機化合物と記す。)、有機酸およびメタノールよりも沸点の高い有機化合物(以下、高沸点有機化合物と記す。)を含む廃水を分離する蒸留工程。
【0003】
合成ガス製造工程では、通常、原料の炭化水素の炭素数の約3倍程度の水蒸気を供給する必要がある。例えば、CH4 1m3 に対し、H2 O3m3 を添加することになる。このように、メタノール製造では多くの水蒸気が必要であり、各製造工程で発生する熱を利用して、高純度の水より水蒸気を回収し、プロセスに用いられる。
【0004】
合成工程では、合成ガス中の一酸化炭素からメタノールが、また、二酸化炭素からメタノールと水が生成する。この水は、メタノールと共に液状の粗メタノールに含まれ、次の蒸留工程で分離される。分離された水は、利用されることなく、系外へ排出されている。
【0005】
従来の合成ガス製造工程におけるプロセス用水蒸気を削減する方法が、特開昭51−115505号、特開昭55−139492号、特開昭60−245997号、特開昭57−18640号、特開平1−180841号等の各公報に記載されている。
【0006】
上記のごとくメタノール製造装置においては、高価な高品質の水を大量にボイラ用水として必要であるが、蒸留工程で分離される水は、次のごとき成分が含まれ、活用が難しいため、利用されることなく廃棄されている。
▲1▼多数の高沸点有機化合物
例えば、炭素数3以上の高級アルコールおよび炭素数14〜60のパラフィン類
▲2▼ギ酸などの有機酸塩およびエステル
▲3▼アルカリ金属塩
【0007】
上記有機塩およびエステルは、酸性が強く腐食性が高い。このため、例えば、特開昭57−18640号公報に記載されているごとく、蒸留工程で、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物や炭酸塩が中和用に添加され、金属塩が廃水中に含まれる。
これらの不純物を蒸留工程の廃水から除去することは極めて困難であり、メタノールプロセスのボイラ用水として活用するためには多くの費用を要するので、この廃水は利用されることなく廃棄されている。
また、この廃水は上記のごとく成分が含まれるので社会的に有害であり、生物処理等による排水処理が必要とされる。
このように蒸留工程よりの廃水は、多くの有機化合物等を含み排水処理が必要であり、そのために多くの費用を要する。また、この排水をプロセスに利用できれば、高価なボイラ用水が削減されることになるので、その回収が望まれている。
【0008】
本発明者らは、特開平1−180841号公報で前記蒸留工程でアルカリ金属塩を添加しないプロセスでのプロセス用水蒸気削減法を提案し、蒸留塔と炭化水素の加湿器の構成材料をニッケルおよびクロムを有するステンレス材料に変更することと、有機酸の加湿器内での濃縮による濃度上昇を防ぐため、供給される廃水量を従来プロセスの1/10から1/20に設定することで、前記有機酸による材料腐食を回避しながら、前記廃水を活用する手段を明らかにしている。
しかしながら、上記方法では、廃水量は少なくなり、ボイラ用水を削減できるものの、加湿器と蒸留塔の材料を炭素鋼に比べ高級なステンレス鋼を用いるため、コスト高となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の課題を解決するためになされたものであり、回収が望まれているアルカリ金属塩が添加されている蒸留工程の廃水を利用し、炭化水素を加湿し、プロセス用水蒸気、即ち高価なボイラ用水を削減する方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、炭化水素よりメタノールを製造するに際し、
(1)(a)炭化水素を水蒸気と反応させて、水素、一酸化炭素および二酸化炭素を主成分とする合成ガスを発生させ、(b)メタノール合成触媒上で合成ガスを反応させ、反応ガスから生成した粗メタノールを液状で回収し、(c)回収された粗メタノールを蒸留して、精製メタノールと、低沸点有機化合物、高沸点有機化合物および有機酸を含む廃水に分離する工程からなり、(c)工程でアルカリ金属塩あるいは水酸化物による中和工程を行った廃水を炭化水素と接触させて炭化水素を加湿し、次に、(a)工程の合成ガスから分離される凝縮水と接触させ増湿し、(a)工程へ供給することを特徴とするメタノール製造法、
(2)(c)工程でアルカリ金属塩あるいは水酸化物による中和工程を行った廃水を炭化水素と接触させて炭化水素を加湿する場合に、(c)工程において蒸留塔の中段より高沸点有機化合物および/または低沸点有機化合物を抜き出した液を廃水と共に炭化水素の加湿に用いる(1)のメタノール製造法、および
(3)(c)工程でアルカリ金属塩あるいは水酸化物による中和工程を行った廃水を炭化水素と接触させて炭化水素を加湿する場合に、予め250〜430℃に加熱した炭化水素を、廃水と断熱的に接触させて加湿する(1)のメタノール製造法を提供する。
(4)(c)工程でアルカリ金属塩あるいは水酸化物による中和工程を行った廃水を炭化水素と接触させて炭化水素を加湿する場合に、予め250〜430℃に加熱した炭化水素を、廃水とともに、(c)工程の蒸留塔の中段より抜き出した液と断熱的に接触させて加湿する(1)のメタノール製造法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、炭化水素からメタノールを製造する方法は、例えば、上述の特開平1−180841号公報に示されている工程を用いることができる。即ち、次の工程である。
(1)ガス状の炭化水素または液状の炭化水素を気化したものと水蒸気を、改質炉(合成ガス製造炉)でニッケル系触媒下、800〜1000℃で反応させ、水素、一酸化炭素、および二酸化炭素を主成分とする合成ガスを製造する合成ガス製造工程、
(2)銅系メタノール合成触媒上で、上記合成ガスを、圧力50〜150気圧、温度200〜300℃で反応させ、反応ガスから生成粗メタノールを液状で回収する合成工程、
(3)液状の粗メタノールを一塔ないし二塔以上の蒸留塔で蒸留し、精製メタノールと、メタノールよりも沸点の低い有機化合物(以下、低沸点有機化合物と記す)、有機酸およびメタノールよりも沸点の高い有機化合物(以下、高沸点有機化合物と記す)を含む廃水を分離する蒸留工程。
【0012】
本発明における原料の炭化水素は、気体状の天然ガス、および液体状のLPG、ナフサ、軽質油などが用いられる。
炭化水素と水蒸気の反応においては、炭化水素と共に合成工程よりのパージガスを一部原料に用いる場合、水蒸気と共に二酸化炭素を原料に添加する場合、酸素含有ガスを添加して部分酸化を行う場合も含まれる。
合成ガス製造工程より、水素、一酸化炭素、および二酸化炭素を主成分とする合成ガスが製造される。
【0013】
蒸留工程では、合成工程よりの粗メタノールを第一塔に供給し、塔頂から低沸点有機化合物および二酸化炭素等の溶解ガスを分離し、塔底からのメタノールと水、および有機酸を含む高沸点有機化合物を第二蒸留塔に供給して、この塔頂部より精製メタノール、塔底部より有機酸を含む高沸点有機化合物および水を分離する二塔方式が一般的である。また、これを一塔で行う方式、および、三塔以上の蒸留塔で分離する方式も行われている。
【0014】
本発明において気体状の炭化水素と接触させる高沸点有機化合物および有機酸を含む廃水は、上記二塔方式の第二蒸留塔の塔底部より分離される廃水、または一塔ないし三塔以上の蒸留塔で分離する方式の蒸留塔の塔底部より分離される廃水であるが、更に蒸留塔の中段より高沸点有機化合物ないし低沸点有機化合物を抜き出し、廃水と共に炭化水素の加湿に用いる場合も含まれる。
これらの蒸留塔の中段より抜き出された高沸点有機化合物ないし低沸点有機化合物は、通常焼却処分処理されるが、本発明の方法ではこの焼却処理が不要となる。また、これらの有機化合物が合成ガス製造工程に供されるので、原料の炭化水素の原単位が向上する。
【0015】
本発明に用いる加湿装置は、特に限定されないが、たとえば、特開昭55−139492号公報に示される如くに、水の加熱と蒸留を同時に行う熱交換型の加湿器を用いることがコスト上有利である。
【0016】
合成工程からの粗メタノール中には副反応生成物のギ酸メチルが含まれており、次式による加水分解によりギ酸が生成するので装置腐食の原因となる。
【化1】
Figure 0003848716
この腐食を防止するため、通常第一蒸留塔の供給段近くにアルカリ添加が行われる。アルカリの種類としては、通常、アルカリ金属塩あるいはアルカリ金属水酸化物が用いられる。具体的には、アルカリ金属塩として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられ、アルカリ水酸化物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。特に効果およびコストの面から水酸化ナトリウムが用いられる。
水酸化ナトリウムの添加により中和されて、ギ酸は次式のごとくギ酸ナトリウムとなる。
【化2】
Figure 0003848716
このため、蒸留工程よりの廃水には、このようなナトリウム塩や未反応のナトリウム金属水酸化物が含まれることになり、この廃水利用を困難にしている。
【0017】
炭化水素を加湿することは、合成ガス製造工程および合成工程における150〜300℃の低温の熱源を有効に利用することができ、プロセス用水蒸気が削減されることになるので、前述のごとくその採用が検討されている。
蒸留工程の廃水を炭化水素の加湿に利用することは、上記のごとく廃水中に未反応のアルカリ金属水酸化物が含まれるため、加湿器から排出されるガスのミスト中にもアルカリ金属水酸化物が同伴し、予熱器および反応管にこのミストが付着しアルカリ腐食をもたらす原因になる。このアルカリ金属水酸化物の付着量は微量であるが、メタノール製造装置が長期間連続運転されるので大きな障害となる。
このためアルカリ金属水酸化物の代わりに有機アルカリを使用する方法が考えられる。多くの有機アルカリ(例えばアミン類)はニッケル系触媒により合成工程に対して無害なガスに分解されるが、一般に中和効果が小さいので使用量が多くなり、無機アルカリに比較して高価であることもあり実用的でない。
【0018】
本発明では、炭化水素を加湿する際に、まず、蒸留工程からの廃水に接触させ、次に、合成ガスから分離される凝縮水と接触させるため、前記廃水での加湿時に炭化水素に同伴されるミストが、前記凝縮水で洗浄されると同時に、凝縮水中に溶解した炭酸で前記ミスト中に含有されているアルカリ金属水酸化物が中和され、アルカリ金属炭酸塩が生成される。このため、炭化水素中に同伴される前記凝縮水のミスト中には、極微量のアルカリ金属炭酸塩が含有されることになる。
このアルカリ金属炭酸塩は、加湿器後流の天然ガス予熱器に、付着、堆積する可能性があるものの、予熱器の金属表面温度は600℃未満と低く、雰囲気ガスも炭化水素とスチームの混合ガスで、スチームが炭化水素中の炭素数の約3倍含まれるため、炭化水素の熱分解による炭素析出もほとんどなく、予熱器内でのアルカリ金属炭酸塩による高温腐食も発生しない。
また、加湿器と蒸留塔の材料として従来の炭素鋼を用いても問題ない。
【0019】
また、本発明では、予め250〜430℃に加熱した炭化水素を、アルカリ金属塩あるいは水酸化物を含む廃水と断熱的に接触させて加湿し、次に、熱交換型加湿器を用いて上述の凝縮水により増湿すること構成とすることもできる。
さらに、本発明では、予め250〜430℃に加熱した炭化水素を、アルカリ金属塩あるいは水酸化物を含む廃水とともに、蒸留塔の中段より抜き出した液と断熱的に接触させて加湿し、次に、熱交換型加湿器を用いて上述の凝縮水により増湿すること構成とすることもできる。
また、本発明では、予め250〜430℃に加熱した炭化水素を、アルカリ金属塩あるいは水酸化物を含む廃水を用いず、蒸留塔の中段より抜き出した液と断熱的に接触させて加湿し、次に、熱交換型加湿器を用いて上述の凝縮水により増湿すること構成とすることも可能である。
炭化水素を予め250〜430℃に加熱するのは、加湿器に供給される前に、炭化水素中に含まれるイオウ化合物を除去するためである。
断熱的に接触させるための断熱型加湿器は、廃水等をスプレーにより噴霧することも行われるが、たとえば特開昭60−245997号公報に示されるが如くに、接触効率を高めるために充填搭を設置することが好ましい。
断熱型であるため、後述の実施例で示すように、合成ガスの供給配管を省略でき、合成ガス製造装置も小型化でき、プラントの低コスト化が可能となる。
【0020】
【実施例】
図1の実施例1により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
図1中、流路1は合成工程からの粗メタノールで、第一蒸留塔2の中間部に供給され、また、時には流路3より少量の水が注入される。低沸点有機化合物は塔頂において濃縮され、コンデンサ4で一部凝縮され還流され、残部は溶解ガスと共に系外へ排出される。
第一蒸留塔2の底部は主にメタノールおよび水となり、流路5を経て第二蒸留塔6の中間部に供給される。塔頂部において、コンデンサ7により冷却されて凝縮を生じ、還流によってメタノールが高純度に精製されて、流路8から製品として系外に抜き出される。底部は、主に水となり、少量の高沸点有機化合物、有機物および装置より生ずる微量の無機物が含まれる。
従来のプロセスにおいては、アルカリ金属水酸化物等が第一蒸留塔2に供給され、この底部からの流体にアルカリ金属塩や水酸化物も含まれるため廃水として系外へ排出していた。なお、第一蒸留塔2および第二蒸留塔6にそれぞれリボイラ等が設置してあるが本説明に直接関係がないので省略した。
【0021】
第二蒸留塔6の底部よりの廃水は、流路9を経て第一加湿装置11の循環水流路10に導入され、加湿器11の頂部に供給される。
この加湿器11は熱交換型である。流路12からは予熱された原料の炭化水素ガスが導入され、この廃水と接触し、また、流路13から導入される高温の合成ガスにより加熱され加湿される。この合成ガスは、加湿器11により熱回収された後、流路14から排出されて第二加湿器17に供給される。加湿された炭化水素は流路15から排出され、第二加湿器17へ送られる。
【0022】
第二加湿器17では、循環水流路18へ、合成ガスの凝縮水が流路24を経て導入され、加湿器17の頂部へ供給される。この加湿器も熱交換型で、流路14から導入された合成ガスは熱回収され、流路16から排出され、必要なプロセス用水蒸気量が流路25より添加された後、流路26を経て、改質炉(合成ガス製造炉)29の対流部にある予熱器27と流路28を経てニッケル系触媒が充填された反応管30に入る。
反応管30よりの合成ガスは、流路31を経て熱交換器32で流路33よりのボイラ水を加熱し、高圧の水蒸気を発生させた後、流路13を経て加湿器11へ入る。なお、濃縮された廃水の一部は、流路34を経て、また、濃縮された合成ガス凝縮水の一部は、流路35を経て系外に排出される。また、第二加湿器17から排出された凝縮水の一部は、流路35を経て、第一加湿器11の循環水流路10へ供給しても良い。
加湿器17から排出された合成ガスは、流路19を経て熱交換器20で冷却され、流路21から気液分離器23で凝縮水を分離され、流路22から排出される。凝縮水は、流路24を経て、第二加湿器17の循環水流路18へ導入される。
【0023】
流路9の蒸留工程廃水中の主な組成を表1に示す。
表1 蒸留工程廃水の組成一例
2 O 99.98重量%
ギ酸ナトリウム 100ppm
水酸化ナトリウム 6ppm
CH3 OH 100ppm
2 5 OH 2ppm
【0024】
また、流路35からの濃縮された合成ガスの凝縮水の廃水中の主な組成を表2に示す。この時の第一加湿器11での廃水排出量は、流路9の流量の1/10であった。
表2 第二加湿器廃水の組成一例
2 O 99.99重量%
ギ酸ナトリウム 1ppm
炭酸ナトリウム 0.08ppm
【0025】
以上のように、加湿器を二段とし、前段に蒸留工程の廃水を供給し、後段に合成ガスからの凝縮水を供給しながら、炭化水素ガスを加湿することによって、前段で加湿された炭化水素ガス中に同伴されるミストを、後段の加湿器に供給される凝縮水で洗浄し、前段からのナトリウム塩とナトリウム水酸化物を含むミストを除去し、かつ凝縮水中に含まれる炭酸でミスト中の水酸化ナトリウムを中和していることが分かる。
また、第二加湿器中の循環水中のナトリウム塩濃度が低いため、同加湿器から流出する加湿された炭化水素ガス中に同伴するミスト中に含まれるナトリウム塩が非常に少なくなる。
このことから、予熱器や反応器での材料の高温腐食も発生しにくくなる。
【0026】
実施例2
本発明の第二の実施例を図2により詳細に説明する。
図2は、図1の第一加湿器を断熱型加湿器に変更して、蒸留工程よりの廃水を低温で処理する場合を示す図である。
250〜430℃に加熱された炭化水素ガスは、流路41より断熱型加湿器42に導入され、循環水流路43から供給された蒸留工程よりの廃水と接触して加湿される。断熱型加湿器42は、充填層を設置することで接触効率を高めている。断熱型加湿器42において蒸発しなかった廃水は、流路45から系外に排出され循環される。蒸留工程からの廃水は、流路44から循環水流路43へ供給される。濃縮された廃水は、流路54より系外へ排出される。
【0027】
断熱型加湿器42により加湿された炭化水素は、流路46より熱交換型加湿器47に入る。この熱交換型加湿器47では、流路49より合成ガスからの凝縮水が供給され、循環水流路53よりの水とともに流路48を通して加湿器47の上部に供給され、炭化水素を更に加湿し、流路52よりガス改質炉(合成ガス製造炉)に導入される。この熱交換型加湿器の熱源には、図1と同様に、高圧蒸気回収後の合成ガスを用い、流路50より導入され、熱回収された後、流路51より次の工程に送られる。なお、熱交換型加湿器47で濃縮された合成ガスからの凝縮水の一部は、流路55から系外に排出される。また、この流路55よりの水は、流路44へ戻すこともできる。本システムにおいても、実施例1の表1および2に示した廃水組成とほぼ同様の結果が得られた。
【0028】
実施例1に示した効果の他に、本システムでは、実施例1に示された第一加湿器が熱交換型でなく断熱型であるため、合成ガスの供給配管を省略でき、合成ガス製造装置も小型化でき、プラントの低コストが可能となる。
【0029】
【発明の効果】
本発明のメタノール製造法においては、従来利用されることなく排出されていた蒸留工程よりの廃水を有効に使用され、次の利点がある。
(1)メタノール製造装置の廃水の大部分をしめる蒸留工程よりの廃水が減少するので、排水処理の負荷が著しく削減される。
(2)高純度のボイラ用水の使用量が減少する。
(3)蒸留工程の廃水とともに、蒸留塔の中段より高沸点有機化合物ないし低沸点有機化合物が抜き出され炭化水素の加湿に用いられる。これらの高沸点有機化合物ないし低沸点有機化合物は、通常焼却処分処理されるが、本発明の方法ではこの焼却処理が不要となる。また、これらの有機化合物が合成ガス製造工程に供されるので、原料の炭化水素の原単位が向上する。
(4)前段に蒸留工程の廃水を供給し、後段に合成ガスからの凝縮水を供給しながら、炭化水素ガスを加湿することによって、前段で加湿された炭化水素ガス中に同伴されるミストを、後段の加湿器に供給される凝縮水で洗浄し、前段からのナトリウム塩とナトリウム水酸化物を含むミストを除去し、かつ凝縮水中に含まれる炭酸でミスト中の水酸化ナトリウムを中和する。これにより、予熱器や反応器等での材料の高温腐食も発生しにくくなる。
(5)炭化水素を予め250℃〜430℃に加熱し、第一加湿器を断熱型にすれば、さらにプラントの小型化、低コスト化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるメタノール製造法の例を示す図である。
【図2】図1の第一加湿器を断熱型加湿器に変更した場合である。
【符号の説明】
1 流路
2 第一蒸留塔
3 流路
4 コンデンサ
5 流路
6 第二蒸留塔
7 コンデンサ
8 流路
9 流路
10 循環水流路
11 加湿装置
12 流路
13 流路
14 流路
15 流路
16 流路
17 第二加湿器
18 循環水流路
19 流路
20 熱交換器
21 流路
22 流路
23 気液分離器
24 流路
25 流路
26 流路
27 予熱器
28 流路
29 改質炉(合成ガス製造炉)
30 反応管
31 流路
32 熱交換器
33 流路
34 流路
35 流路
41 流路
42 断熱型加湿器
43 循環水流路
44 流路
45 流路
46 流路
47 熱交換型加湿器
48 流路
49 流路
50 流路
51 流路
52 流路
53 循環水流路
54 流路
55 流路

Claims (4)

  1. (a)炭化水素を水蒸気と反応させて、水素、一酸化炭素および二酸化炭素を主成分とする合成ガスを発生させ、
    (b)メタノール合成触媒上で上記合成ガスを反応させ、反応ガスから生成した粗メタノールを液状で回収し、
    (c)回収された上記粗メタノールを蒸留して、精製メタノールと、低沸点有機化合物、高沸点有機化合物および有機酸を含む廃水に分離する工程を含む炭化水素よりメタノールを製造する方法において、
    上記炭化水素を、上記(c)工程においてアルカリ金属塩あるいは水酸化物による中和工程を行った上記廃水と接触させて加湿し、次に、上記(a)工程の合成ガスから分離される凝縮水と接触させ増湿し、上記(a)工程へ供給することを特徴とするメタノール製造法。
  2. 上記炭化水素を、上記(c)工程においてアルカリ金属塩あるいは水酸化物による中和工程を行った上記廃水と接触させて加湿する場合に、上記廃水とともに、上記粗メタノールの蒸留のための蒸留塔の中段より高沸点有機化合物および/または低沸点有機化合物を抜き出した液を用いることを特徴とする請求項1に記載のメタノール製造法。
  3. 上記炭化水素を、上記(c)工程においてアルカリ金属塩あるいは水酸化物による中和工程を行った上記廃水と接触させて加湿する場合に、上記炭化水素を予め250〜430℃に加熱し、上記廃水と断熱的に接触させることを特徴とする請求項1に記載のメタノール製造法。
  4. 上記炭化水素を、上記(c)工程においてアルカリ金属塩あるいは水酸化物による中和工程を行った上記廃水と接触させて加湿する場合に、上記炭化水素を予め250〜430℃に加熱し、上記廃水とともに、上記粗メタノールの蒸留のための蒸留塔の中段より抜き出した液と断熱的に接触させることを特徴とする請求項1に記載のメタノール製造法。
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