JP3848387B2 - 4,6−ジ−t−ブチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン誘導体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、LDLの酸化的変性を防ぐ化合物、さらに詳しくは、動脈硬化症、心筋梗塞等の治療剤として有用な化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
粥状動脈硬化症は狭心症、心筋梗塞、脳卒中等の虚血性疾患の主要な原因である。この粥状動脈硬化症の発症、進展機序に、生体内での反応によって修飾を受けたLDL(変性LDL、変性Low Density Lipoprotein)がスカベンジャー受容体などを介してマクロファージ細胞内に無秩序に取り込まれコレステロールの過剰な蓄積をおこす、というスカベンジャー経路などによるマクロファージ泡沫化現象が深く関わっている。
【0003】
LDLの修飾は内皮細胞、平滑筋細胞、マクロファージなどによっておこり、スカベンジャー経路などによってマクロファージに取り込まれるようになる。またこれらの細胞によるLDLの修飾は、Cu2+によるLDLの酸化的変性と類似していることが知られている。
【0004】
LDLはおもにコレステロールエステル、リン脂質、アポB−100から構成される。酸化的変性により、発生した脂質ラジカルによるフラグメンテーションなどのアポB−100の変化、脂質過酸化生成物質とアポB−100中のリジン残基の遊離アミノ基との反応やフォスファチジルコリンのリソ体への変換などがおこる。また脂質過酸化反応の結果としてLDL中にチオバルビツール酸反応性物質(TBARS:Thiobarbituric Acid Reactive Substance)の生成量の増加が認められる。このような酸化的変性をうけたLDL(酸化LDL)がスカベンジャー経路などによるコレステロール蓄積、マクロファージ泡沫化を起こす。
【0005】
そこで抗酸化作用、脂質過酸化抑制作用を有する化合物は、LDLの酸化的変性を防ぐことによって動脈硬化病変の発生、進展を阻止することができ、動脈硬化症の治療剤となり得る。
また脳卒中や心筋梗塞などの虚血性臓器疾患では、虚血部位の血液再灌流時に種々の活性酸素が発生し、脂質過酸化反応による細胞膜破壊などにより組織障害が増悪される。抗酸化作用を持つ化合物は種々の活性酸素や過酸化脂質を除去することにより、虚血病変部の組織障害を防ぐことができ、虚血性臓器障害の治療薬となり得る。
【0006】
ビタミンEは天然の抗酸化剤として知られており、これを基本骨格とした抗酸化剤の研究もなされているが未だ抗酸化剤として満足できるものは得られていない。
【0007】
一般式(I)で示される本発明の化合物のうち一部の化合物は英国公開公報GB2224028号中にその上位概念が示されているが、抗酸化作用および動脈硬化治療剤としての用途等については何ら言及されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は動脈硬化症をはじめ心筋梗塞、脳卒中などの虚血性臓器障害の治療に有効な抗酸化剤およびその化合物を製造するために有用な中間体を提供することである。
【0009】
本発明者らは、特開平2−121975号公報記載の化合物など既存の抗酸化剤の効力が十分でない原因は、その脂質過酸化阻害作用の反応特異性が低いために標的部位到達前にその活性が失われてしまうためであると考え、より反応特異性の高い効率的な抗酸化剤の開発を目的として鋭意研究を重ねた結果、一般式(I):
【化6】
(式中、
R1 は、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を示し;
R2 は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示し;
R3 およびR4 は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示すかまたは、R3 とR4 が一緒になって、酸素原子、イオウ原子または窒素原子を含んでもよい5〜8員のスピロ環を形成し;そして
nは、0から2の整数を示す。)
で表される化合物が当初の目的を達成することを見いだし本発明を完成させた。さらに一般式(II):
【化7】
〔式中、
R1 は、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を示し;
R2 は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示し;
R5 は、一般式 (III):
【化8】
一般式 (IV):
【化9】
または一般式 (V):
【化10】
(式中、R8 、R9 およびR10は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示す。)により表される基であり;そして
R6 およびR7 は、同一でも異なっていてもよく、低級アルキル基を示す。〕で表される化合物は、文献未記載の新規化合物であり、一般式(I)で表される化合物を合成する際に有用な合成中間体であることを見いだした。
【0010】
すなわち、本発明の一般式(I)で示される化合物は以下に示す3つの特徴を有する。
▲1▼脂溶性の抗酸化剤であり生体膜、脂質中で脂質過酸化を効率的に抑制する。▲2▼酸化に関わる多種のフリーラジカルの中で、脂質過酸化の連鎖反応を担うラジカル種と効率的に反応し、脂質過酸化を強く抑制する。
▲3▼脂質中での特異的な脂質過酸化阻害作用を発現させるために、水溶液中でのいわゆる活性酸素(スーパーオキサイド、1重項酸素など)との反応性が低い。
【0011】
一般式(I)で示される本発明の化合物はフェノール性水酸基の両オルト位にt−ブチル基を有する化合物であり、文献未記載の新規化合物である。本発明化合物のうち一部のものは英国公開公報GB2224028号にその上位概念が示されているが該公報には、本発明の化合物は具体的に記載されていない。
【0012】
本発明はフェノール性水酸基の両オルト位にt−ブチル基を有する一般式(I)で示される化合物が、試験例にも示すように格段に優れた効果を有することに基づくものであり、一般式(I)で示される化合物または、これらの医薬上許容される塩を提供するものである。また、本発明は、これらの光学活性体も包含する。
【0013】
本発明において、式中の低級アルキル基とは炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状のアルキル基を示し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基なとが挙げられる。アシル基としては、アセチル基、ホルミル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基などが挙げられ、好ましくはアセチル基が挙げられる。
【0014】
置換基を有していてもよいアルキル基とは炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖状のアルキル基を示し、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
【0015】
置換基を有していてもよいアルケニル基とは炭素数2〜20の直鎖または分枝鎖状のアルケニル基を示し、たとえば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ゲラニル基、ファルネシル基などが挙げられる。
置換基としてはハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基などが挙げられる。
【0016】
例えば、本発明の化合物の具体例として以下の様な化合物が挙げられる。
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジ−n−ペンチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
【0017】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジエチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジ−n−プロピル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジ−i−プロピル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジ−n−ブチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2,ジ−i−アミル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
【0018】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジ−n−ヘキシル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジ−n−ヘプチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジ−n−オクチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジフェニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジベンジル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
【0019】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8,12−トリメチル−トリデカ−3(E),7(E),11−トリエニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−n−オクチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
2,4,6−トリターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−7−n−プロピル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン、
【0020】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−2−スピロ−1’−シクロペンタン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−2−スピロ−1’−シクロヘキサン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン、
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−2−スピロ−1’−シクロオクタン、
4,6−ジターシャリーブチル−2−メチル−5−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン、
【0021】
2,4,6−トリターシャリーブチル−5−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン、
4,6−ジターシャリーブチル−2−オクチル−5−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−(N,N−ジメチルアミノメチル)−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8−ジメチル−ノナ−3(E),7−ジエニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8−ジメチルノニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
【0022】
本発明の化合物はたとえば以下のようにして合成できる。
【0023】
(方法A)
【化13】
(式中、R1は水素原子、低級アルキル基またはアシル基を示し、R2は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示し、R6、R7は同一でも異なってもよく、低級アルキル基を示し、
R8、R9は同一でも異なってもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示し、またはR8とR9が一緒になって酸素原子、イオウ原子、窒素原子などのヘテロ原子を含んでいてもよい5〜8員環のスピロ環を形成してもよい)
【0024】
(方法B)
【化14】
(式中、R1、R2、R6、R7は前記と同一の意味を示し、R8、R9、R10は同一でも異なってもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示す)
【0025】
(方法C)
【化15】
(式中、R1、R2、R6、R7、R8、R9、R10は前記と同一の意味を示す)
【0026】
(方法D)
【化16】
(式中、R1、R2、R6、R7、R8、R9、R10は前記と同一の意味を示し、R11、R12は同一でも異なってもよく、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状アルキル基を示し、R13は炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖状アルキル基を示し、R14は低級アルキル基を示し、R15は低級アルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示し、R16は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示す)
【0027】
方法Aにおいて式(1)の化合物のフェノール性水酸基を保護することにより式(2)の化合物を得、式(2)の化合物をヨードトリメチルシランなどを用いることにより、脱メチル化し式(3)の化合物を得る。式(3)の化合物を酢酸と硫酸の混合液中N−ヒドロキシメチル−2−クロロアセトアミドと室温で撹拌することにより式(4)の化合物と式(5)の化合物の混合物を得る。式(4)と式(5)の混合物をエタノールと濃塩酸の混合溶液中加熱還流して式(6)の化合物を得る。式(7)の化合物を得る反応は、式(6)の化合物を酸性水溶液に溶解しヘキサメチレンテトラミンを加え加熱することにより行う。好ましくは酢酸水溶液に溶解しヘキサメチレンテトラミンを加え加熱還流した後に塩酸水溶液を加えて加熱還流することにより行う。式(7)の化合物をグリニアール反応に付し式(8)の化合物を得る。式(8)の化合物から式(9)の化合物を得る反応は、式(8)の化合物を例えばピリジン中塩化チオニルと室温で反応させ脱水することにより行う。式(9)の化合物から式(10)の化合物を得る工程は、N,N−ジアルキルチオカルバモイルクロライドでチオカルバモイル化することにより行う。式(10)の化合物をジフェニルエーテル等の溶媒中加熱還流して式(11)の化合物を得る。式(11)の化合物をクロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル等の溶媒中三フッ化ホウ素エーテラート等のルイス酸を加え室温で反応させることにより式(12)の化合物を得る。式(12)の化合物を脱保護することにより式(13)の化合物を得る。
【0028】
方法Bにおいて式(3)の化合物に水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基存在下、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトンなどの溶媒中、3−クロロ−2−メチル−1−プロペンなどのアルケニルハライドを反応させることにより式(14)の化合物を得、これをN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなどの溶媒中、加熱することにより転位反応を行い、式(15)の化合物を得る。式(15)の化合物をN,N−ジアルキルチオカルバモイルクロライドでチオカルバモイル化することにより式(16)の化合物を得、これをジフェニルエーテル等の溶媒中加熱還流することにより式(17)の化合物を得る。式(17)の化合物を脱保護と同時に閉環反応を行い、式(18)の化合物を得る。
【0029】
方法Cにおいて、方法B中の式(17)から式(19)の化合物を得る反応は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール等と水との混合溶媒中、触媒量の四酸化オスミウムと過ヨウ素酸ナトリウム等で室温にて反応させることにより行う。式(19)の化合物をベンゼン、トルエン等の溶媒中、触媒量のパラトルエンスルホン酸、またはクロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル等の溶媒中三フッ化ホウ素エーテラート等のルイス酸等と加熱還流することにより式(20)の閉環体を得る。式(20)の化合物を脱保護することにより式(21)を得る。また、式(20)の化合物を酢酸等の溶媒中、過酸化水素等と反応させて酸化することにより式(22)の化合物を得る。次いで、酢酸エチル、メタノール、エタノール等の溶媒中、パラジウムカーボン等を触媒として用い接触還元することにより式(23)を得る。式(23)の化合物をテトラヒドロフラン等の溶媒中、水素化リチウムアルミニウム等と反応させて脱保護と同時に還元することにより式(24)を得る。
【0030】
方法Dにおいて、式(25)の化合物を方法B中の式(17)の化合物から得る反応は、ジエチルエーテル等と水との混合溶媒中、よう素、および炭酸水素ナトリウム等の塩基存在下、室温にて反応させることにより行う。式(25)から以下の4つの方法に従って、各種誘導体へと導くことができる。即ち、
1.式(25)の化合物をN,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、炭酸カリウム等の塩基存在下、アンモニア、一級アミン、二級アミン等のアルキルアミンと室温にて反応させることにより式(26)の化合物を得る。式(26)の化合物を脱保護することにより式(27)の化合物を得る。
2.式(25)の化合物をN,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、水素化ナトリウム等の塩基存在下、アルキルアルコール等と反応させることにより式(28)の化合物を得る。式(28)の化合物を脱保護することにより式(29)の化合物を得る。
3.式(25)の化合物をN,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の溶媒中、酢酸ナトリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩等と反応させることにより式(30)の化合物を得る。式(30)の化合物を脱保護することにより式(31)の化合物を得る。
4.式(25)の化合物をテトラヒドロフラン等の溶媒中、n−ブチルリチウム等の塩基存在下、1−(p−トルエンスルホニル)アルキル、1−ベンゼンスルホニルアルキル等と反応させ、併せて脱保護することにより式(32)の化合物を得る。式(32)の化合物をテトラヒドロフラン等の溶媒中、塩化パラジウム[1,4−ビス(ジフェニルホスホノ)ブタン]錯体等の触媒存在下、リチウムトリエチルボロヒドリド等と反応、若しくはメタノール等の溶媒中、ナトリウムアマルガム等と反応させることにより式(33)の化合物を得る。
【0031】
【実施例】
以下に実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
また、実施例化合物を表示した。
【0032】
【化17】
【0033】
【化18】
【0034】
【実施例1】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジ−n−ペンチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
1)4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチルアニソールの合成
4−ヒドロキシ−3,5−ジターシャリーブチルアニソール23.6gを150mlの無水酢酸に溶かし、濃硫酸を0.5ml加え、70℃で2時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、これを酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ濃縮した。析出した固体をメタノール−水(2:1)より再結晶したところ4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチルアニソールが白色の固体として24.5g(収率88%)得られた。
【0035】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.06(s,18H),2.02(s,3H),3.47(s,3H),6.53(s,2H)
Mass:278(M+)
m.p.:96.6℃
【0036】
2)4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチルフェノールの合成
4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチルアニソール0.50gを2mlのジクロロメタンに溶かして氷冷後、ヨードトリメチルシラン0.31mlを滴下した。ゆっくりと室温まで戻し2日間撹拌後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。これをジエチルエーテルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(15%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチルフェノールが白色の固体として0.38g(収率80%)得られた。
【0037】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.27(s,18H),2.27(s,3H),5.22(bs,1H),6.67(s,2H)
Mass:222(M+)
m.p.:156.9℃
【0038】
3)4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(クロロアセチルアミノメチル)フェノールと6−アセトキシ−5,7−ジターシャリーブチル−3−(2−クロロアセチル)−2,3−ジヒドロ−1,3,4H−ベンゾキサジンの合成
4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチルフェノール29gを酢酸と硫酸の9:1の混合溶液200mlに溶かしN−ヒドロキシメチル−2−クロロアセトアミド34gを加え室温で48時間撹拌した。次いで反応液を水に注ぎ、1N水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、そのまま次の反応に用いた。この時、濃縮物の一部をシリカゲルクロマトグラフィー(20%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、生成物は4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(クロロアセチルアミノメチル)フェノールと6−アセトキシ−5,7−ジターシャリーブチル−3−(2−クロロアセチル)−2,3−ジヒドロ−1,3,4H−ベンゾキサジンであった。
【0039】
4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(クロロアセチルアミノメチル)フェノール(無色油状物質)
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.30(s,9H),1.43(s,9H),2.28(s,3H),4.00(s,2H),4.73(d,2H,J=6.0Hz),6.88(s,1H),7.54(t,1H,J=6.0Hz)
Mass:369(M+)
【0040】
6−アセトキシ−5,7−ジターシャリーブチル−3−(2−クロロアセチル)−2,3−ジヒドロ−1,3,4H−ベンゾキサジン(無色油状物質)
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.30(s,9H),1.47(s,9H),2.30(s,3H),4.17(s,2H),5.00(s,2H),5.33(s,2H),6.83(s,1H)
Mass:381(M+)
【0041】
4)4−アセトキシ−2−アミノメチル−3,5−ジターシャリーブチルフェノールの合成
実施例1−3で得られた濃縮物をエタノールと濃塩酸の10:3の混合溶液550mlに溶かし2時間加熱還流した。冷却後、反応液を水に注ぎ1N水酸化ナトリウム水溶液で中和した後酢酸エチルで抽出した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、そのまま次の反応に用いた。この時、濃縮物の一部をシリカゲルクロマトグラフィー(20%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、主生成物は4−アセトキシ−2−アミノメチル−3,5−ジターシャリーブチルフェノールであった。
【0042】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.27(s,9H),1.37(s,9H),2.25(s,3H),4.22(s,2H),5.18(bs,3H),6.85(s,1H)
Mass:293(M+)
【0043】
5)5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒドの合成
実施例1−4で得られた濃縮物を酢酸と水11:3の混合溶液636mlに溶かし、ヘキサメチレンテトラミン19.3gを加え4時間加熱還流した。次いで4.5N塩酸85mlを加え、20分間加熱還流した。冷却後、反応液を水に注ぎ1N水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム)にて精製したところ、5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒドが淡黄色固体として19.0g得られた。
【0044】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.35(s,9H),1.54(s,9H),2.35(s,3H),6.92(s,1H),10.67(s,1H),12.32(s,1H)
IR(cm−1):2976,1758
Mass:292(M+)
m.p.:79.0℃
【0045】
6)4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(1−ヒドロキシ−2−n−ペンチルヘプチル)フェノールの合成
窒素雰囲気下、マグネシウム10gに常法より得られた6−ブロモウンデカン96.4gのテトラヒドロフラン300ml溶液を加えグリニアール試薬を調製した。ここに5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒド40gのテトラヒドロフラン200ml溶液を滴下した。室温で2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(1−ヒドロキシ−2−n−ペンチルヘプチル)フェノールが白色の固体として24.4g(収率39%)得られた。
【0046】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:0.91(m,6H),1.29(s,9H),1.33(br,16H),1.40(s,9H),2.17(m,1H),2.28(s,3H),5.22(m,1H),6.77(s,1H),7.89(s,1H)
Mass:448(M+)
【0047】
7)4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−n−ペンチル−1−ヘプテニル)フェノールの合成
4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(1−ヒドロキシ−2−n−ペンチルヘプチル)フェノール23.0gにピリジン100gを加え、氷冷下チオニルクロリド4.6mlを滴下した。室温にて1時間撹拌した後、ピリジンを減圧下留去した。次いで濃縮物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−n−ペンチル−1−ヘプテニル)フェノールが無色油状物質として19.1g(収率87%)得られた。
【0048】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:0.72−0.99(m,6H),1.12−1.97(m,14H),1.30(s,9H),1.33(s,9H),2.25(m,2H),2.27(s,3H),5.35(d,1H),6.14(s,1H),6.85(s,1H)
Mass:430(M+)
【0049】
8)O−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−n−ペンチル−1−ヘプテニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメートの合成
窒素雰囲気下、60%油性水素化ナトリウム0.14gをN,N−ジメチルホルムアミド10mlに懸濁させ、氷冷下ごの懸濁液に4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−n−ペンチル−1−ヘプテニル)フェノール1.25gのN,N−ジメチルホルムアミド10ml溶液を滴下し室温で1時間撹拌した。次いで反応液を氷冷し、N,N−ジメチルチオカルバモイルクロリド0.43gのN,N−ジメチルホルムアミド10ml溶液を滴下した。室温で1時間撹拌後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出、有機層を水,飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、O−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−n−ペンチル−1−ヘプテニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメートが無色油状物質として0.79g(収率53%)得られた。
【0050】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:0.75(t,3H,J=6.6Hz),0.91(t,3H,J=6.8Hz),1.11−1.82(m,14H),1.33(s,9H),1.35(s,9H),2.08(t,2H,J=7.8Hz),2.32(s,3H),3.21(s,3H),3.43(s,3H),6.14(s,1H),6.89(s,1H)
Mass:517(M+)
【0051】
9)S−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−n−ペンチル−1−ヘプテニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメートの合成
窒素雰囲気下、O−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−n−ペンチル−1−ヘプテニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメート0.7gをジフェニルエーテル10mlに溶かし16時間加熱還流させた。冷後、反応液をシリカゲルクロマトグラフィー(20%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、S−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−n−ペンチル−1−ヘプテニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメートが無色油状物質として0.2g(収率29%)得られた。
【0052】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:0.74(t,3H,J=6.8Hz),0.91(t,3H,J=7.0Hz),1.08−1.76(m,14H),1.33(s,9H),I.35(s,9H),2.12(t,2H,J=7.4Hz),2.31(s,3H),3.04(s,6H),6.31(s,1H),7.41(s,1H)
Mass:517(M+)
【0053】
10)5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2,2−ジ−n−ペンチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、S−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−n−ペンチル−1−ヘプテニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメート0.2gにBF3エーテラート10mlを加え室温で3時間撹拌した。次いで反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2,2−ジ−n−ペンチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが無色油状物質として0.1g(収率57%)得られた。
【0054】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:0.88(m,6H),1.29(s,9H),1.30(br,12H),1.38(s,9H),1.76(m,4H),2.28(s,3H),3.26(d,1H,J=15.2Hz),3.33(d,1H,J=15.2Hz),7.07(s,1H)
Mass:446(M+)
【0055】
11)4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジ−n−ペンチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、リチウムアルミニウムヒドリド0.07gをテトラヒドロフラン10mlに懸濁させ5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2,2−ジ−n−ペンチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン0.85gのテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下した。3時間加熱還流した後室温に戻し、10%塩酸水を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン)にて精製したところ、4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジ−n−ペンチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが無色油状物質として0.55g(収率72%)得られた。
【0056】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:0.88(t,6H,J=6.8Hz),1.29(br,12H),1.39(s,9H),1.52(s,9H),1.73(m,4H),3.33(s,2H),5.08(s,1H),6.95(s,1H)
IR(cm−1):3648,2952
Mass:404(M+)
【0057】
【実施例2】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
1)4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−1−(2−プロペニルオキシ)ベンゼンの合成
実施例1−2で得られた4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチルフェノール10gと炭酸カリウム15.6gを300mlのアセトンに溶かし、3−ブロモ−1−プロペン0.39mlを加え一昼夜還流した。反応液を減圧下濃縮しこれに水を加え、ジエチルエーテルで抽出、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−1−(2−プロペニルオキシ)ベンゼンが無色油状物質として11.0g、定量的に得られた。
【0058】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.30(s,18H),2.27(s,3H),4.47(d,2H,J=5.0Hz),5.05−5.57(m,2H),5.68−6.37(m,1H),6.81(s,2H)
Mass:304(M+)
【0059】
2)4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−プロペニル)フェノールの合成
4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−1−(2−プロペニルオキシ)ベンゼン11.0gをN,N−ジメチルアニリン50mlに溶かし、窒素雰囲気下18時間加熱還流した。室温に戻した後、減圧下濃縮しこれをシリカゲルクロマトグラフィー(15%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−プロペニル)フェノールが白色の固体として8.84g(収率77%)得られた。
【0060】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.30(s,9H),1.42(s,9H),2.28(s,3H),3.52−3.84(m,2H),4.88−5.42(m,3H),5.68−6.45(m,1H),6.79(s,1H)
Mass:304(M+)
m.p.:103.6℃
【0061】
3)O−{4−アセトキシ−3,5−ジダーシャリーブチル−2−(2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメートの合成
窒素雰囲気下、60%油性水素化ナトリウム0.32gをN,N−ジメチルホルムアミド10mlに懸濁させ、氷冷下この懸濁液に4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−プロペニル)フェノール2.0gのN,N−ジメチルホルムアミド10ml溶液を滴下し室温で1時間撹拌した。次いで反応液を氷冷し、N,N−ジメチルチオカルバモイルクロリド0.99gのN,N−ジメチルホルムアミド10ml溶液を滴下した。室温で1時間撹拌後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出、有機層を水,飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、O−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメートが白色の固体として2.05g(収率79%)得られた。
【0062】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.33(s,9H),1.43(s,9H),2.30(s,3H),3.27(s,3H),3.42(s,3H),3.62(m,2H),4.72−5.05(m,2H),5.63−6.18(m,1H),6.95(s,1H)
Mass:391(M+)
m.p.:134.3℃
【0063】
4)S−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメートの合成
窒素雰囲気下、O−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメート1.0gをジフェニルエーテル10mlに溶かし16時間加熱還流させた。冷後、反応液をシリカゲルクロマトグラフィー(20%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、S−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメートが白色の固体として0.74g(収率74%)得られた。
【0064】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.33(s,9H),1.43(s,9H),2.31(s,3H),3.05(bs,6H),3.88(d,2H,J=5.0Hz),4.71(d,1H,J=17.2Hz),5.00(d,1H,J=10.2Hz),5.83−6.00(m,1H),7.42(s,1H)
Mass:391(M+)
m.p.:133.6℃
【0065】
5)4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、リチウムアルミニウムヒドリド0.14gをテトラヒドロフラン10mlに懸濁させ、S−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメート0.7gのテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下した。3時間加熱還流した後室温に戻し、窒素雰囲気下、反応液に酢酸10mlを注意深く加え、さらに30分間加熱還流した。冷後、10%塩酸水を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが白色の固体として0.35g(収率70%)得られた。
【0066】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.39(s,9H),1.42(d,3H,J=6.6Hz),1.52(s,9H),3.17(m,1H),3.64(m,1H),3.80(m,1H),5.11(s,1H),7.01(s,1H)
IR(cm−1):3620,2956
Mass:278(M+)
m.p.:96.7℃
【0067】
【実施例3】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
1)4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−1−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)ベンゼンの合成
窒素雰囲気下、60%油性水素化ナトリウム0.18gをN,N−ジメチルホルムアミド10mlに懸濁させ、氷冷下この懸濁液に実施例1−2で合成した4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチルフェノール1.0gを5mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶かして滴下し30分撹拌した。次いで反応液を室温に戻した後、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン0.45mlを滴下した。室温で2時間撹拌後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液15mlを加え、これをジエチルエーテルで抽出、有機層を水,飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−1−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)ベンゼンが無色油状物質として1.08g(収率90%)得られた。
【0068】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.30(s,18H),1.83(s,3H),2.30(s,3H),4.37(s,2H),5.02(br,2H),6.83(s,2H)
Mass:318(M+)
【0069】
2)4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−メチル−2−プロペニル)フェノールの合成
4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−1−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)ベンゼン24.0gをN,N−ジメチルアニリン100mlに溶かし、窒素雰囲気下18時間加熱還流した。室温に戻した後、減圧下濃縮しこれをシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−メチル−2−プロペニル)フェノールが白色の固体として6.66g(収率28%)得られた。
【0070】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.30(s,9H),1.37(s,9H),1.88(s,3H),2.28(s,3H),3.34(br,2H),4.60(bs,1H),4.88(bs,1H),5.02(bs,1H),6.79(s,1H)Mass:318(M+)
m.p.:102.0℃
【0071】
3)O−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメートの合成
窒素雰囲気下、60%油性水素化ナトリウム0.75gをN,N−ジメチルホルムアミド20mlに懸濁させ、氷冷下この懸濁液に4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−メチル−2−プロペニル)フェノール4.57gのN,N−ジメチルホルムアミド20ml溶液を滴下し室温で1時間撹拌した。次いで反応液を氷冷し、N,N−ジメチルチオカルバモイルクロリド1.82gのN,N−ジメチルホルムアミド20ml溶液を滴下した。室温で1時間撹拌後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出、有機層を水,飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、O−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメートが白色の固体として3.04g(収率52%)得られた。
【0072】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.33(s,9H),1.40(s,9H),1.77(s,3H),2.31(s,3H),3.25(s,3H),3.29−3.60(m,2H),3.45(s,3H),4.29(bs,1H),4.76(bs,1H),6.96(s,1H)
Mass:405(M+)
m.p.:152.1℃
【0073】
4)S−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメートの合成
窒素雰囲気下、O−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメート1.0gをジフェニルエーテル10mlに溶かし16時間加熱還流させた。冷後、反応液をシリカゲルクロマトグラフィー(20%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、S−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメートが白色の固体として0.57g(収率57%)得られた。
【0074】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.33(s,9H),1.40(s,9H),1.83(s,3H),2.31(s,3H),3.06(bs,6H),3.70(m,2H),4.00(bs,1H),4.74(bs,1H),7.41(s,1H)
Mass:405(M+)
m.p.:132.1℃
【0075】
5)4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、リチウムアルミニウムヒドリド0.1gをテトラヒドロフラン10mlに懸濁させ、S−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメート0.5gのテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下した。3時間加熱還流した後室温に戻し、窒素雰囲気下、反応液に酢酸10mlを注意深く加え、さらに30分間加熱還流した。冷後、10%塩酸水を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが白色の固体として0.25g(収率70%)得られた。
【0076】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.39(s,9H),1.51(s,6H),1.52(s,9H),3.34(s,2H),5.11(s,1H),6.98(s,1H)
IR(cm−1):3644,2956
Mass:292(M+)
m.p.:79.0℃
【0077】
【実施例4】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェンの合成
1)S−(4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−ホルミルメチルフェニル)−N,N−ジメチルチオカルバメートの合成
実施例2−4で合成したS−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメート1.0gをテトラヒドロフラン−水(3:1)の混合溶液20mlに溶かし、四酸化オスミウム50mgと過ヨウ素酸ナトリウム1.1gを加え室温にて一昼夜撹拌した。次いで反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(20%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、S−(4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−ホルミルメチルフェニル)−N,N−ジメチルチオカルバメートが白色の固体として0.52g(収率52%)得られた。
【0078】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.30(s,9H),1.43(s,9H),2.33(s,3H),3.01(s,6H),4.10(bs,2H),7.47(s,1H),9.62(bs,1H)
Mass:393(M+)
【0079】
2)5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチルベンゾ[b]チオフェンの合成
S−(4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−ホルミルメチルフェニル)−N,N−ジメチルチオカルバメート0.5gをベンゼン15mlに溶かし触媒量のパラトルエンスルホン酸を加え1時間加熱還流した。冷後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチルベンゾ[b]チオフェンが無色油状物質として0.3g(収率78%)得られた。
【0080】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.37(s,9H),1.54(s,9H),2.31(s,3H),7.28(d,1H,J=6.0Hz),7.62(d,1H,J=6.0Hz),7.72(s,1H)
Mass:304(M+)
【0081】
3)4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェンの合成
窒素雰囲気下、リチウムアルミニウムヒドリド0.11gをテトラヒドロフラン10mlに懸濁させ5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチルベンゾ[b]チオフェン0.9gのテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下した。3時間加熱還流した後室温に戻し、10%塩酸水を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン)にて精製したところ、4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェンが淡黄色の固体として0.7g(収率90%)得られた。
【0082】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.48(s,9H),1.71(s,9H),5.64(s,1H),7.31(d,1H,J=5.9Hz),7.66(s,1H),7.72(d,1H,J=5.9Hz)
IR(cm−1):3644,2952
Mass:262(M+)
m.p.:107.4℃
【0083】
【実施例5】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
1)5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチルジオキソベンゾ[b]チオフェン−1,1−ジオキシドの合成
実施例4−2で合成した5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチルベンゾ[b]チオフェン0.3gを酢酸2mlに溶かし、35%過酸化水素水2.2mlを加え1時間加熱還流した。冷後、水を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(50%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチルベンゾ[b]チオフェン−1,1−ジオキシドが白色の固体として0.3g(収率89%)得られた。
【0084】
1H NMR (60MHz,CDCl3)
δppm:1.35(s,9H),1.43(s,9H),2.33(s,3H),6.63(d,1H,J=7.0Hz),7.56(s,1H),7.68(d,1H,J=7.0Hz)
Mass:336(M+)
m.p.:195.0℃
【0085】
2)5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−1,1−ジオキシドの合成
5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチルベンゾ[b]チオフェン−1,1−ジオキシド0.3gの酢酸エチル10ml溶液に10%パラジウムカーボン0.03gを加え、水素雰囲気下、一昼夜撹拌した。パラジウムカーボンを濾別後濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(50%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−1,1−ジオキシドが白色の固体として0.27g(収率90%)得られた。
【0086】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.35(s,9H),1.44(s,9H),2.36(s,3H),3 33−3.69(m,4H),7.65(s,1H)
Mass:338(M+)
m.p.:182.0℃
【0087】
3)4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、リチウムアルミニウムヒドリド0.15gをテトラヒドロフラン10mlに懸濁させ5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−1,1−ジオキシド0.27gのテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下した。3時間加熱還流した後室温に戻し、10%塩酸水を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン)にて精製したところ、4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが淡黄色の固体として10mg得られた。
【0088】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.41(s,9H),1.54(s,9H),3.22(t,2H,J=7.6Hz),3.53(t,2H,J=7.6Hz),5.13(s,1H),7.08(s,1H)
IR(cm−1):3640,2956
Mass:264(M+)
m.p.:82.0℃
【0089】
【実施例6】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−2−スピロ−1’−シクロヘキサンの合成
実施例1と同様な方法にて標題の化合物を合成した。
【0082】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.39(s,9H),1.45−1.65(m,10H),1.53(s,9H),3.34(s,2H),5.10(s,1H),6.96(s,1H)
IR(cm−1):3644,3620,2924
Mass:332(M+)
m.p.:128.5℃
【0090】
【実施例7】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−(N,N−ジメチルアミノメチル)−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
1)5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2−ヨードメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
実施例3−4で合成したS−{4−アセトキシ−3,5−ジターシャリーブチル−2−(2−メチル2−プロペニル)フェニル}−N,N−ジメチルチオカルバメート40gをジエチルエーテル−水(3:1)の混合溶液400mlに溶かし、炭酸水素ナトリウム16.6gおよびヨウ素37.7gを加え30分間室温で撹拌した。次いで反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮したところ、5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2−ヨードメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが淡黄色油状物質として45.3g(収率99%)得られた。
【0091】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.29(s,9H),1.42(d,9H,J=0.7Hz),1.69(d,3H,J=6.9Hz),2.30(d,3H,J=2.0Hz),3.17(dd,1H,J=15.2Hz,J=1.3Hz),3.52−3.72(m,2H),3.79(d,1H,J=15.2Hz),7.07(d,1H,J=4.3Hz)
Mass:460(M+)
【0092】
2)5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2−(N,N−ジメチルアミノメチル)−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2−ヨードメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン2.0gをN,N−ジメチルホルムアミド−水(3:1)の混合溶液40mlに溶かし、N,N−ジメチルアミン塩酸塩2.47gおよび炭酸カリウム4.2gを加え室温で一昼夜撹拌した。次いで反応液に水を加えヘキサンで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(33%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2−(N,N−ジメチルアミノメチル)−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが無色油状物質として1.6g(収率98%)得られた。
【0093】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.29(s,9H),1.39(s,9H),1.54(d,3H,J=18.5Hz),2.29(s,3H),2.34(s,3H),2.37(s,3H),2.56(d,1H,J=5.9Hz),2.66(d,1H,J=4.9Hz),3.21(dd,1H,J=15.2Hz,J=5.9Hz),3.44(dd,1H,J=17.5Hz,J=15.2Hz),7.08(d,1H,J=3.3Hz)
Mass:377(M+)
【0094】
3)4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−(N,N−ジメチルアミノメチル)−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、リチウムアルミニウムヒドリド0.16gをテトラヒドロフラン10mlに懸濁させ5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2−(N,N−ジメチルアミノメチル)−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン1.6gのテトラヒドロフラン30ml溶液を滴下した。3時間加熱還流した後室温に戻し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(20%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−(N,N−ジメチルアミノメチル)−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが無色油状物質として1.29g(収率91%)得られた。
【0095】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.39(s,9H),1.52(s,3H),1.53(s,9H),2.35(s,6H),2.52(d,1H,J=13.5Hz),2.58(d,1H,J=13.5Hz),3.19(d,1H,J=15.2Hz),3.55(d,1H,J=15.2Hz),5.09(s,1H),6.96(s,1H)
IR(cm−1):3640,2960
Mass:335(M+)
【0096】
【実施例8】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
1)5−アセトキシ−2−アセトキシメチル−4,6−ジターシャリーブチル−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
実施例7−1で合成した5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2−ヨードメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン2.0gをヘキサメチルホスホリックトリアミド30mlに溶かし、酢酸ナトリウム0.71gを加え室温で一昼夜撹拌した。次いで反応液に水を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(20%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ5−アセトキシ−2−アセトキシメチル−4,6−ジターシャリーブチル−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが無色油状物質として1.0g(収率59%)得られた。
【0097】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.29(s,9H),1.38(d,9H,J=1.0Hz),1.56(d,3H,J=3.3Hz),2.05(d,3H,J=15.2Hz),2.29(s,3H),3.24(dd,1H,J=25.4Hz,J=15.2Hz),3.57(dd,1H,J=18.1Hz,J=15.2Hz),4.16(dd,1H,J=37.3Hz,J=11.2Hz),4.18(s,1H),7.08(d,1H,J=1.7Hz)
Mass:392(M+)
【0098】
2)4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、リチウムアルミニウムヒドリド0.14gをテトラヒドロフラン10mlに懸濁させ5−アセトキシ−2−アセトキシメチル−4,6−ジターシャリーブチル−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン0.6gのテトラヒドロフラン20ml溶液を滴下した。3時間加熱還流した後室温に戻し、10%塩酸水を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(20%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが無色油状物質として0.39g(収率84%)得られた。
【0099】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.39(s,9H),1.52(s,9H),1.53(s,3H),1.98(t,1H,J=6.6Hz),3.25(d,1H,J=15.5Hz),3.46−3.60(m,2H),3.59(d,1H,J=15.5Hz),5.15(s,1H),6.96(s,1H)
IR(cm−1):3640,3432,2956
Mass:308(M+)
【0100】
【実施例9】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8−ジメチル−ノナ−3(E),7−ジエニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
1)4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8−ジメチル−2−p−トルエンスルホニル−ノナ−3(E),7−ジエニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
[Gosselin,P.et al.,Synthesis,876,(1984)]に従って合成した3,7−ジメチル−1−(p−トルエンスルホニル)−2(E),6−オクタジエン1.52gをテトラヒドロフラン−ヘキサメチルホスホリックトリアミド(4:1)の混合溶液12mlに溶かし−78℃でn−ブチルリチウム(1.6M n−ペンタン溶液)3.42mlを滴下し、2時間撹拌した。次いで−78℃にて実施例7−1で合成した5−アセトキシ−4,6−ジターシャリーブチル−2−ヨードメチル−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン2.0gのテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下し4時間撹拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8−ジメチル−2−p−トルエンスルホニル−ノナ−3(E),7−ジエニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが淡黄色油状物質として0.5g(ジアステレオマーの混合物)得られた。
【0101】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.12−1.73(m,12H),1.37(s,4.5H),1.38(s,4.5H),1.50(s,9H),1.89−2.08(m,4H),2.42(s,1.5H),2.44(s,1.5H),2.69−2.76(m,2H),3.26−3.51(m,2H),3.95−4.06(m,1H),5.03−5.07(m,2H),5.11(s,0.5H),5.12(s,0.5H),6.89(s,0.5H),6.90(s,0.5H),7.25−7.32(m,2H),7.64−7.76(m,2H)
IR(cm−1):3636,2920
Mass:582(M+)
【0102】
2)4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8−ジメチル−ノナ−3(E),7−ジエニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8−ジメチル−2−p−トルエンスルホニル−ノナ−3(E),7−ジエニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン0.5gをテトラヒドロフラン4mlに溶かし、0℃にて、[Sugi,Y.et al.,Chem.Lett.,1331,(1982)]に従って合成した塩化パラジウム[1,4−ビス(ジフェニルホスホノ)ブタン]錯体48mgを加え、次いでリチウムトリエチルボロヒドリド(1Mテトラヒドロフラン溶液)3.2mlを滴下し−20℃で一昼夜撹拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(2%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8−ジメチル−ノナ−3(E),7−ジエニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが無色油状物質として0.15g(収率41%)得られた。
【0103】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.39(s,9H),1.47(s,3H),1.52(s,9H),1.59(s,3H),1.61(s,3H),1.67(s,3H),1.70−1.88(m,2H),1.94−2.18(m,6H),3.31(d,1H,J=15.2Hz),3.39(d,1H,J=15.2Hz),5.06−5.19(m,2H),5.10(s,1H),6.97(s,1H)
IR(cm−1):3644,2960
Mass:428(M+)
【0104】
【実施例10】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8−ジメチルノニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの合成
実施例9で得た4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8−ジメチル−ノナ−3(E),7−ジエニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン0.1gの酢酸エチル−酢酸(9:1)の混合溶液20mlに10%パラジウムカーボン0.5gを加え、水素雰囲気下、一昼夜撹拌した。パラジウムカーボンを濾別後濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(4%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8−ジメチルノニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンが無色油状物質として0.09g(収率91%)得られた。
【0105】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:0.86(dd,9H,J=6.6Hz,J=3.0Hz),1.05−1.35(m,12H),1.39(s,9H),1.45(s,3H),1.52(s,9H),1.56−1.83(m,2H),3.30(d,1H,J=15.2Hz),3.36(d,1H,J=15.2Hz),5.10(s,1H),6.97(s,1H)
IR(cm−1):3648,2952
Mass:432(M+)
【0106】
【実施例11】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8,12−トリメチル−トリデカ−3(E),7(E),11−トリエニル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
実施例9と同様な方法にて標題の化合物を合成した。
【0107】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:1.39(s,9H),1.47(s,3H),1.52(s,9H),1.59(s,6H),1.61(s,3H),1.68(s,3H),1.71−1.88(m,2H),1.90−2.19(m,10H),3.31(d,1H,J=15.2Hz),3.38(d,1H,J=15.2Hz),5.00−5.16(m,3H),5.10(s,1H),6.97(s,1H)
IR(cm−1):3644,2960
Mass:496(M+)
【0108】
【実施例12】
4,6−ジターシャリーブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
実施例10と同様な方法にて標題の化合物を合成した。
【0109】
1H NMR (270MHz,CDCl3)
δppm:0.83−0.88(m,12H),0.99−1.28(m,18H),1.39(s,9H),1.45(s,3H),1.52(s,9H),1.55−1.75(m,3H),3.30(d,1H,J=15.2Hz),3.36(d,1H,J=15.2Hz),5.10(s,1H),6.97(s,1H)
IR(cm−1):3648,2952
Mass:502(M+)
【0110】
次に試験例1〜3により、本発明の化合物が、抗酸化剤として著しく優れていることを示す。
【0111】
試験例1 チオバルビツール酸反応性物質量
Havelらの方法(Havel,R.J.et al.,J.Clin.Invest.,34,1345(1955))に従って調製したウサギLDLにCu2+5μMを加えて加温し、生成したチオバルビツール酸反応性物質量(TBARS量)を指標として化合物の抗酸化作用を検討した。
結果を表1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】
試験例2 リノール酸の自動酸化による過酸化脂質ラジカルに対する効果
過酸化脂質ラジカルの増感剤としてウミホタルルシフェリン誘導体(2−メチル−6−(p−メトキシフェニル)−3,7ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3−オン:MCLA)を用い、リノール酸の自動酸化による過酸化脂質ラジカルに対する効果を検討した。MCLA(0.2μM)、リノール酸(10mM)含有n−ブタノール0.5mlを発光測定バイアルにとり、37℃恒温漕中での自動酸化による発光を測定した。
結果を表2に示す。
【0114】
【表2】
【0115】
試験例3 ウサギLDLのAAPHによる蛍光性変性に対する効果
活性酸素を介さない脂質過酸化反応のラジカル開始剤である2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ヒドロクロライド(AAPH)を用い(Sato,K.et al.,Arch.Biochem.Biorhys.,279,402(1990))、ウサギLDLに起こる蛍光性変性に対する化合物の効果を検討した。Havelらの方法(Havel,R.J.et al.,J.Clin.Invest.,34,1345(1955))に従って調製したウサギLDLにAAPH2mMを加え、37℃で24時間加温し、ゲル濾過HPLCにより分離後のLDL分画の蛍光性変性をEx.360nm、Em.430nmにおける蛍光により測定した。
結果を表3に示す。
【0116】
【表3】
【0117】
以上に示した試験例1〜3の結果から、本発明の化合物が優れた抗酸化活性を有することが明らかになった。さらに試験例1のTBARSの実験系ではCu2+から発生する活性酸素が直接のラジカル開始剤であると考えられていることから、この系には水溶性の活性酸素消去剤でも有効であるが、本発明の化合物は、試験例3のAAPHを用いた実験系でも有効であることから、水溶性の活性酸素消去剤では抑えられないCarbon−centeredラジカルによる過酸化連鎖反応をも抑制することが明かとなった。この事実は、本発明の化合物はLDL内部の脂質層に入り込み、効果的な抗酸化作用を示すことを示唆する。
Claims (7)
- 一般式(I):
R1 は、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を示し;
R2 は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示し;
R3 およびR4 は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示すかまたは、R3 とR4 が一緒になって、酸素原子、イオウ原子または窒素原子を含んでもよい5〜8員のスピロ環を形成し、ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、アルコキシ基、およびアリールオキシ基から選択され;そして
nは、0から2の整数を示す。)
で表される化合物またはその医薬上許容される塩。 - R3 およびR4 が、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示し、ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、アルコキシ基、およびアリールオキシ基から選択され、そしてnが0である、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
- R3 およびR4 が、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示し、ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、アルコキシ基、およびアリールオキシ基から選択され、そしてnが2である、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
- R5 が一般式(III) により表される基である、請求項4の化合物またはその医薬上許容される塩。
- R5 が一般式 (IV)により表される基である、請求項4の化合物またはその医薬上許容される塩。
- R5 が一般式 (V)により表される基である、請求項4の化合物またはその医薬上許容される塩。
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