JP3848376B2 - 印面作成方法及び印面作成装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、印面作成方法及び印面作成装置に関する。更に詳しくは、家庭で又は文具店、専門写真店等で任意の絵柄模様の鮮明な印面を簡易に作成する印面作成方法及び印面作成装置に関する。
【0002】
【背景技術】
任意に作成した造形絵柄を版画化して複製することが、趣味の世界として全世界的に広がっている。このように複製され一枚一枚が個性的である版画の作成を迅速に行うことが、趣味人に限られずプロの版画家からも求められている。
凹凸画像を形成するのが容易であるゴム印は、その印面を転写紙に強く押しつけて鮮明な画像を再生しようとすると、印面の凹凸部を分ける境界線領域が変形して逆に鮮明な画像を再生できない。また、カラー転写を行う場合には、同じゴム印を複数個作成しなければならないが、同じものを複数個作成することは困難であり、再生数を多くするためにはインクを何回もつけ直す必要があって煩わしい。
【0003】
1枚の版から1回のインクの塗布により何回も簡単に複製できる新規技術が最近注目されている。本発明者自らの先行技術としては、実開昭61−56070号が知られている。この公報で知られている印面は、発泡エラストマで作成された基板に凹凸画像を彫刻して形成されている。その凸部に筆、マーキングペン等でインクをつけると連続多孔質体のその凸部にインクが内部まで染み込みある程度のインクを貯留するから、このような印面により何回も例えば数十回も同じ画像を再生できる。色塗りは人為的に行うからカラー化が容易である。同じ絵柄を規則正しく又はランダムに同じ転写紙に転写することにより面白い絵柄を作成することができるこのような印面作成方法は、子どもの間で人気がある。
【0004】
販売されている人気キャラクター等が描かれた既成のフィルムと多孔質体の表面を重ねてフラッシュ光を照射し、光が透過した位置の多孔質体の表層部が溶けて微細な孔が潰れ、潰れていない孔部分にインクを染み込ませる方法も知られている。このような方法としては、特開平7−285258号により知られている。このような印面作成用の多孔質体は、特開平6−155698号等により知られ、特にポリオレフィン系フォームが適切であることが知られている。
【0005】
フィルムを用いるこのような方法は、フィルムに描かれている画像のエッジでフラッシュ光が激しく乱反射し、また、フィルムの表裏面間で光が何度も反射を繰り返すため、再生像が不鮮明になることが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような不鮮明さを解消するために、次のような方法を提案することができる。多孔質体表面に熱吸収性インクを筆などの筆記具で塗布した後にその表面に熱線を照射すると、インク塗布部分がその熱線を吸収してその熱線吸収部分が溶解して多孔質表面の孔が潰れ又は閉じる。この方法によると、微細な孔の中までインクを浸透させることが困難であるから、熱吸収媒体の分布密度にむらが生じ、やはり再生画像の不鮮明さを解消できないことが確認された。
【0007】
画像を自由に変更でき、再生画像が鮮明であり、カラー化が容易であり、一人一人の自由な作画を促し、1回の色塗りで何回も連続再生することができる印面作成技術が要求されている。
【0008】
本発明の目的は、鮮明な画像を印面に簡易に作成でき1回のインク補充で何回も再生することができる印面作成方法及びその装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、一人一人の自由な創作画像を創作的なカラー画像として鮮明に再生することができる印面作成方法及びその装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、一人一人の自由な創作画像を鮮明に再生することができる印面を複数体再現することができる印面作成方法及びその装置を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、照射されるフラッシュ光の乱反射光量を少なくすることにより創作画像を鮮明に再生することができる印面作成方法及びその装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、照射されるフラッシュ光の吸収度を高め乱反射光量を少なくすることにより創作画像を鮮明に再生することができる印面作成方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による印面作成方法及びその装置は、多孔質体の概ね平面の印面の孔を塞ぐこと又はその印面の孔を潰すことができる。多孔質体の中には、連続した微細な孔が無数に形成されている。平面状の表面に直交する向きに走る無数の孔は、横方向にも接続しながら立体的な網の目状に分布している。
【0011】
多孔質体の平面状の表面には、微視的に例えば電子顕微鏡で観察すれば、無数の孔の一部は表面で開口し他の一部は表面で開口せず表層により閉じられているが、巨視的に見れば即ち肉眼で見る絵画に必要な分解能のレベルで考えると、表面で開口する孔が一様な密度で連続的に均質に表面に分布していると考えることができる。
【0012】
点状、楕円体状、円柱状のインクが多孔質体表面に噴射される。空気抵抗と表面張力によりその点状、楕円体状、円柱状の液体インクの塊の先頭部は、噴射口から噴射され空中を高速で走っている間は、涙的型に形状化されている。このような形態を持ち高速で飛ぶインクの塊の先頭部は、多孔質体の表面に小さい領域の中心点領域の毛細管中に激突して表層部で数十ミクロンの深さまで潜入しその毛細管の管面を覆う。連続している微細孔は、1層目、2層目を形成して瓢箪状のセルを形成している。その中心点領域の周辺の毛細管即ちそのようなセルの集まりを含む点状領域に噴射され潜入するインクは、その中心点から遠ざかるに従ってセルへの侵入度は浅くなるが、このようなインクの侵入領域は実質的には点領域とみなすことができる。再生した場合、厳密な光量測定器で検出すれば中心の輝点の周囲が僅かにぼやけているが、そのぼやけは肉眼では明確には把握できない。しかし、何となく透かし・ぼやけが入った感じを見る人に与え、この感じはかえって好ましい。
【0013】
このようなインク照射のもっとも重要な利点は、高速度で激突する定量の液体のインクは、横方向即ち多孔質体の表面上で滲み拡散する前に、多孔質体の縦方向の微細孔に縦方向に浸透し多孔質体の表面上で拡散することがない。この非拡散性が、再生像を鮮明にする。光を多孔質体の表面に合わせおかれ表面又は裏面に画像が描かれたフィルムを透過させて多孔質体に光を直接に照射する場合には、光が画像及びそのフィルムの表裏面で反射・拡散するため、再生像の鮮明度が極端に悪くなるが、光の直接照射でなく熱吸収性が高いインクを発熱させて間接的に多孔質体を溶解する本発明では、溶解部が局所化されこの点でも再生像が鮮明化される。シルク印刷その他の印刷により多孔質体表面に画像を形成する場合には、その印刷機器の機械的部分が多孔質体表面を傷つけるが、本発明ではノズルは多孔質体表面に対して無接触であるから多孔質体表面を傷つけることはなく、この点でも再生像が鮮明化される。
【0014】
多孔質体の表面に開口する微細孔に吹き付けられた液状インクは、ある浸透圧で微細孔の奥の方まで浸透し、表面張力によりその孔の孔面をたどって流動して更に奥まで侵入し、インクの水は蒸発し、あるいは、より粘性抵抗が少ない水は染料を囲む水よりも更に奥まで浸透し、インク中の黒色物質部分が孔面に吸着する。このため、元の孔はインクで塞がれずその光吸収物質の壁で形成されるより微細な孔に形成される。このような孔は、光を誘導する導波管の役目をするから、光は孔の奥まで侵入する。このような光の侵入により、厚さが50ミクロン以上の溶解層が形成され、再生像が鮮明に転写される。
【0015】
このような点状のインク照射は、ジェット噴射プリンターの走査により行われる。この走査は、プリンタの噴射口と多孔質体の相対的移動により行われる。ジェット噴射プリンターは、バブルインクジェッタ(登録商標)とそのプリンタメーカにより名づけられている慣用の印刷手段である。
【0016】
インクは染料タイプのものが好ましく、3原色染料の混合インクであり黒色である。フラッシュ光は、クセノン管放電光が好ましい。クセノン管の放電は一瞬の放電による光量が多くて強く波長領域が広い白色光であるので、黒色インクへの吸収量が多い。一度のフラッシュで孔潰しが不十分である場合には、複数回のフラッシュ光を照射することが好ましい。フラッシュ照射の前に、印材を予熱しておくことにより再生像の鮮明度を高めることも考えられている。この場合、その予熱は溶解臨界点直前の温度にしておくことである。予熱のためにも、フラッシュ光を用いることができる。段々と蓄熱された印面が最後の光フラッシュにより精度高く融解する。一度に強い光が当たると、局部領域に照射された光エネルギーが余分に拡散して像の分解能が低下する。強い光を一度に照射すると、溶解面積が余分に拡大して分解能が低下する。複数回の照射により段々に温度上昇する印面の局所部分を形成する原子・分子の熱運動領域の拡散性は低い。
【0017】
孔であるセル、毛細管中に侵入しているインクは、多くの光を吸収して熱を持つ。その熱が100度C以上特には150度C前後即ち200度C以下で溶ける多孔質体の材料を溶かし、溶けた部分の連続気孔は溶解した材料により埋められ潰れる。溶けた材料は孔に浸透して溶けた部分は溶けていない表面より僅かに陥没する。その陥没の深さは、数十ミクロンに達しない。
【0018】
溶けていない表面の多孔質部分に、転写用のインクを塗りつける。人の手で行うことが好ましいこの塗りつけは、自由でありカラー化することができる。塗られたインクは、多孔質体中に染み込みその多孔質体中に貯留される。毛細管とインクとの間の表面張力が強く、インクが連続気孔中で混ざり合う現象は見出されていない。従って、1枚の印面からきれいなカラー画像を何度も再現することができる。例えば、数十回再生できる。
【0019】
印材が多孔質弾性体的な物理的性質(僅かにでも弾性変位する性質)を有しているから、この多孔質体は1回の押印の度にインクを送り出すポンプの機能を有する。印面には凹凸面は実質上形成されない。鮮明な画像が印面に形成されている凹凸面では、その凹面と凸面の境目が切り立っているが、押印した場合に変形しやすく凸面により複製された画像はかえって鮮明さを失うが、本発明では、印面が実質的に平面であるから、強く押印しても、印面の画像部分の変形がほとんどない。ある程度の押圧力は、気孔の膨張収縮を促しインクの連続供給を可能にする。
【0020】
パソコンから絵模様等の情報を出力して、この出力の信号に基づいてインク等の溶液を吐出するインク吐出描画機器により印面にインクを吹き付けることが好ましい。手書きの画像を光学的読みとり装置により白黒画像としてパソコンに入力することが可能である。パソコンに入力された画像の修正、アレンジを簡単に行うことができる。
【0021】
インク吐出描画器即ちインクジェッタは市販されているが、これをアレンジして多孔質体と組み合わせた新しい機器を作成することが望まれる。紙送り機構に代えた多孔質体送り機構とインクジェッタをひとまとめにしたプリンタが新たに作成される。多孔質体送り機構を備える原板作成機は、セッティング部から一つずつ取り出して走査用移動部に送る送り部、その送り部に位置するインク・ジェッティング・ノズル、この送り部から印刷ずみ原板を取り出してそれにフラッシュ照射する照射部、この照射部から照射ずみ原板を取り出す取出部から構成されている。
【0022】
このような原板作成機を個人で購入して専用に使用することは専門のデザイナーにとっては好ましいが、子ども、企業にとっては、1台の原板作成機を持つ専門店で原板を作成してもらうことが好ましい場合が多い。この場合、電話回線で画像を送り原板を送り届けてもらうシステムが構築されることが好ましい。専用店には、有線・無線の通信回線に接続された画像記憶装置又は原画を入力することができる入力装置を備えた画像記憶装置に接続された原板作成機が設備されている。
【0023】
孔を塞ぎ埋める場合は、印面の変形量が極めて微小である。孔を潰す場合は、孔を塞ぐ場合に比べて描画の輪郭線がわずかであるがぼやける。下記する実施の形態に限れば、孔を潰す方が実施しやすい。しかし、孔を塞ぐ技術の開発によっては、孔を塞ぎながら潰して、像の鮮明度と実施の容易性との両利点を活用することも好ましい。
【0024】
上記工程により作成された印面は、熱溶解層部分は、顕微鏡レベルの観察によると、凹凸面に形成されている。このような凹凸面を平坦にしてスキン層に形成することは、外見の美観上好ましく、また、その表層部分の微細孔を完全に消去することができる。このようなスキン層を形成するためには、インクが吹き付けられた多孔質体の印面に硬質の透明固体例えばガラス板を押し当てた状態でその透明固体を透過させて光照射する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本発明による印面作成方法又はそのシステムの実施形態を示している。そのシステムは、ユーザー端末機集合1と印板作成システム2から構成されている。ユーザー端末機集合1は、ユーザー端末機A,B…,Zを含む。ユーザー端末機A−Zは、個人の家庭、企業事務所等が所有するパソコンである。これら端末機には、光学読取用機器a,…zが属している。個人が作成した紙面上の情報例えば、芸術的画像、写真、デザイン画、各種レターフォーム(以下、2次元面上情報Jという)などである。光学読取用機器a,…zにより読みとられた各2次元面上情報は、各ユーザー端末機A−Zに入力される。
【0026】
ユーザー端末機集合1から無線・有線の一般電話回線、通信ネットワークなどにより通信を受ける印板作成システム2は、印板を作成する専門業者の印板作成室である。ユーザー端末機集合1と印板作成システム2との間の通信は、双方向であることが望ましい。この印板作成室には、ユーザーの2次元面上情報Jを受信するための受信装置3、画像処理機能を備えるコンピュータ4、印板作成機5を備えている。更に、専門店側光学読取機6を備えていることが好ましい。
【0027】
受信装置3は、個人の2次元面上情報を記憶する記憶手段7を備えている。コンピュータ4は、記憶手段7から個々の2次元面上情報Jを取り出し一時的に記憶するROM、2次元面上情報Jを印板作成機5に送り出して2次元面上情報Jを印板上に再現するために必要な全ての計算機能を備えるCPU内蔵ハード機器8、そのROM、ハード機器8を操作するための入力手段であるキーボード9を備えている。コンピュータ4は、2次元面上情報Jを操作者が確認するためのディスプレイ11を有している。ユーザーから紙面で送られてきた2次元面上情報Jは、専門店側光学読取機6により記憶手段7に入力される。
【0028】
印板作成機5は、X軸送り機構12とY軸方向送り機構13を含む。X軸送り機構12は、インクジェッタのノズル14の移動距離を制御している。Y軸方向送り機構13は、ベルトコンベア15を備えている。ベルトコンベア15は、一方方向にエンドレスに運動する搬送路上で回転運動し、その搬送路は、Y軸方向に一方方向に1次元運動する部分を含んでいる。ベルトコンベア15は、その1点が、機械本体16上に設定されたY軸上のY軸機械原点YOで停止する。Y軸機械原点YOは、ハード機器8内に設定されるY軸プログラム原点に対して相対化されている。
【0029】
X軸送り機構12により制御される操作用往復動体(後述される)は、機械本体16上に設定されたX軸上のX軸機械原点OXで引き返して往復運動する。X軸機械原点XOは、ハード機器8内に設定されるX軸プログラム原点に対して相対化されている。印板作成機5は、更にフラッシュ手段17を含む。フラッシュ手段17は、ベルトコンベア15の前方部を覆うカバーを備えている。
【0030】
図2は、印板用基板18を示している。印板用基板18は、基板本体19と多孔質体21を含む。基板本体19は、多孔質体21を一時的に保持するためのホルダーとしても用いることができる。基板本体19は、木材、硬質ゴム、各種エンジニアリング・プラスティックス等で形成され、スポンジ状に形成されることができる。スポンジ状に形成された多孔質体21は、柔らかいが磨耗に対してはきわめて強靱であるような下記材料が用いられている。多孔質体21は、発泡体であり内部に連続気孔が網の目状に立体的に形成されている。多孔質体21は、連続気孔が主として厚み方向即ち深さ方向に形成されているものが用いられるのが好ましい。その製造工程により、主として厚み方向に気孔が連続するものを生産することができる。このような連続気孔は、表面で必ずしも開放されているとは限らない。
【0031】
多孔質体21の材料は、融点が50〜150度Cのポリオレフィン系熱可塑性樹脂であることが好ましいが、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド等も使用可能であり、弾性体であることは必要ではない。
【0032】
インクジェッタは、紙面上に情報を出力してハード情報化するたための慣用手段として知られている。インクジェッタが有するノズル14は、一定速度・一定量の液体状のインクをジェット化して噴射することができる。噴射されるインクは、短い距離であるがその飛翔中即ちノズルから噴射され印板に当たるまでの間に、そのノズル形状、表面張力及び空気抵抗により、涙滴状、長楕円体状に形成される。即ち、そのインクの先頭部は、滑らかであるが先鋭化されている。
【0033】
インクとしては、染料インクであることが好ましい。特に、黒色化されていることが好ましい。黒色化のためには、赤色、黄色又は緑色、青色の染料即ち3原色染料が用いられるのが好ましい。染料は、よく知られているように炭素原子と窒素原子の2重、3重結合を持つジアゾ有機化学物質であり無数に知られている。その多重結合から特有の波長の光を吸収し逆に誘導放出の原理により放出される。従って、光吸収物質は照射点領域の光を孔の奥まで浸透させることができる。染料は、水に溶解する色素であることが好ましいが、わずかにアルコール、エチレングリコールなどの有機溶媒を含んでいても弊害はない。具体的には、紙面に情報を再現するジェット・プリンタ(バブルジェットプリンタ・登録商標、例えば日本国東京都のキャノン社製)に使用されているインクが、その粘度、後述する光吸収量、水分含有量の点で、本発明の好ましい実施形態として用いられている。
【0034】
ノズルのX軸座標xとベルトコンベア15の移動する機械原点のY軸プログラム座標yは、ハード機器8により制御される。ノズルは実質的に連続移動するが、座標(x、y)でノズルから一定量・一定速度の液的インクが、噴射される。この噴射は、デジタル的に定量でよい。1回の噴射量を制御することは実際的ではない。ベルトコンベア15上に置かれてベルトコンベア15と同体に停止している多孔質体21の表面は、実質的に一定速度でX軸方向に移動するノズルから一定量・一定速度のインクを受け取る。X軸上でのノズルの1回の往復運動が終わると、ベルトコンベア15は一定長さだけ前方に歩進する。従って、座標点(x,y)は、正方形格子を形成することができる。基板本体19の多孔質体21は、格子点上に黒色のインクを受け取る。
【0035】
図3は、抽象化されたインク照射を示している。多孔質体21の表面に現れている孔の開口面断面積は、大小の点で多様である。平均的大きさの開口断面積の孔22としてその分布を示せば、図3のようにほぼ均一に分布している。インクの照射跡は、円形23に形成される。図には現れていないが、電子顕微鏡写真によれば、1つの円形領域に1000〜2000個程度の孔が属していることが観測される。孔間の平均長さは、30ミクロン程度である。図3にみられる複数の円形の中心点は正方形格子点上にあり、その円形の直径は0.1mm以下である。
【0036】
フラッシュ手段17は、発光源を含む。発光源は、内部に正極・陰極を持つ電球でありコンデンサが瞬間的に高圧電流を放電して発光するクセノン放電管であり、クセノンガスを内封している。クセノン管が発する光は、熱線領域を含み可視領域に広がるスペクトラムを示し、目には白色光として映る。図4は、電球メーカにより電圧・電流・放電時間等の点で特別仕様で設計されたクセノン管の発光スペクトラムを示している。図4で、横軸は波長、縦軸は相対強度(%表示)を示している。300nmを越える領域から可視光領域を越えて赤外領域に及び、目には白色光に映る。このようなスペクトラムを示す光は、黒色インクの化学物質とよく反応しその化学物質に熱振動を激しく起こさせることができる。
【0037】
図5及び図6は、印板作成システム2の印板作成機5を具体化した装置を示している。基台30上に、先に説明したベルトコンベア15が位置づけられている。ベルトコンベア15は、第1サーボモータV1の出力軸に連結された駆動軸43により間欠的に回転運動して歩進する。ベルトコンベア15上に載置された印板用基板18の前端面は、印板用基板18の種類により異なるが、その種類ごとに図1に示すY軸機械原点YOに対して位置決めされている。ベルトコンベア15の両側には、案内板40が設けられている。印板用基板18は、案内板40に案内され概ね平行移動して直進する。
【0038】
インクジェッタ41は、慣用手段であり、走査用往復動体42と先に述べたノズル14とを含む。走査用往復動体42は、往復動作する無端状ベルト42aにより駆動される。ノズル14は、走査用往復動体42に対して固定され保持されている。走査用往復動体42は、ノズル14の他に、インクタンク、細いインク供給管、このインク供給管の一部を瞬間的に高温化するためのセラミックヒータ等を備えている。インク供給管の中のインクの一部がセラミックヒータにより局所的に加熱され瞬間的に気化し、気化した蒸気の蒸気圧によりセラミックヒータより前方にあるインクが瞬間的に高速化されノズルから一定量のインク(セラミックヒータとノズル先端までの間のインク)がノズル14から吐出される。このような噴射機構のインクジェッタは、バブルジェッタ等のトレードマークのもとでプリンタに用いられている公知慣用の技術がそのまま用いられている。
【0039】
走査用往復動体42は、無端状ベルト42aを介して第2サーボモータV2により駆動されている。第2サーボモータV2と走査用往復動体42が、先に述べたX軸送り機構12を構成している。第1サーボモータV1とベルトコンベア15が、先に述べたY軸送り機構13を構成している。
【0040】
ベルトコンベア15の前方部分は、ケーシングカバー45により覆われている。ケーシングカバー45内に、クセノン放電管46が設けられている。計算により割り出されたシリンドリカルな反射曲面47を有する反射鏡48が、クセノン放電管46の上方に設けられている。クセノン放電管46の内部には、クセノンガスその他のガスが封入されている。クセノン放電管46は、高圧コンデンサーが一瞬に放電する高圧多電流により大量のフラッシュ光を放出する。
【0041】
放出された光は、反射鏡48の下面で反射して、下方の印板用基板18の多孔質体21の表面を概ね均等な光強度で照射される。ベルトコンベア15で印板用基板18の停止位置を変更した後にこのような照射を行うことが好ましい。ベルトコンベア15は、ケーシングカバー45の中を通り抜けて延びている。ベルトコンベア15の前端から、画像が転写された印板用基板18が取り出される。ノズル14と多孔質体21の表面との間には、一定幅の隙間が設けられている。ノズル14は、多孔質体21の表面を痛めることなく走査される。
【0042】
図7は、インクジェッタ41により多孔質体21の表面がインクの照射を受けた状態を電子顕微鏡により拡大して撮影した写真から抽象化して作図した図面である。ノズル14から高圧蒸気により吐出されたインクの塊50は、涙的状態になって空中を飛び多孔質体21の表面の座標点P(x、y)に衝突する。斜線部は、多孔質体21の気孔を形成するソリッドの部分である。インク照射部51のインクの一部は、その衝突時の瞬間直後には多孔質体21の表面で拡散して薄く盛り上がっている。その盛上部は、図3に示す円形部23の円領域に概ね均等に拡散している。そのインクの一部は、微細孔の入り口付近に10ミクロン〜30ミクロンほど潜り込んで潜込層52を形成している。インク照射直後に、照射前のインク全体の粘度よりも低い水が潜込層52から滲出して更に200ミクロンほど深く潜入し水潜入層53を形成している。噴射されジェット化された黒色インクは、十分な速度を持って微細孔に突入し中に十分に潜り込む。この速度は、粘性の高いインクの潜り込みを助長する。盛上部と潜込層52の1照射領域のインク量は、インクジェッタにより高精度で制御され好ましい一定量になっている。
【0043】
このように微細孔に浸透したインクの成分の水は、インク成分である光吸収物質を取り囲む近傍水よりも粘性抵抗がより小さいので、微細孔の壁面をより円滑に流動して微細孔の中でより深く浸透する傾向を示す。このような水により深くまで浸透する水は、濃度がより高いインク部分を先導する。図8に示すように、先導水に引っ張られてインク高濃度部分もより深く孔内に浸透し、微細孔の壁面に沿って表面張力で更に進行し、壁面に付着したインク高濃度部分によって再度より小さい断面積の微細孔が形成され、この微細孔は再び多孔質体の原表面で開口する。
【0044】
図9は、図7の多孔質体21にフラッシュ光を照射した後の状態を示している。図7の潜込層52は、フラッシュ光をよく吸収し100度C以上、現実には150度C以上200度C以下に温度が上昇して溶解する。溶解した多孔質体材料は、微細孔に更に侵入して再度固体化して再固体化層54を形成する。このような溶解と再侵入により、多孔質体21の表層の一部が陥没して、陥没部55が形成されている。陥没部55の微細孔56は、再固体化層54により埋められ又は潰れて開口が消滅している。水潜入層52の水は、前記温度近くまで上昇し蒸発して気孔からは消滅している。再固体化層54は、概ね照射光がインク層中に浸透したところまで形成される。
【0045】
この陥没の深さは、約10ミクロンである。陥没していない原表面57にマーキングペンにより色塗りが行われる。カラーインクは、染料インクでも顔料インクでもよい。カラーインクは、原表面の微細孔に表面張力・毛細管現象により深く浸透して浸透層58を形成する。このような印面59を紙面に押し当てると、実質的には陥没部の表面も原表面57も紙面に接触するかもしれないが、陥没部の境界線の変形は実質的にはない。原表面57の微細孔に保留されているカラーインクが紙面に転写される。このような転写により、人の顏の画像が誰のものであるか判定できる程度の厳密な転写が行われる。
【0046】
図10は、再び開口した微細孔に照射された光の波が、その微細孔を導波管としてより深くまで侵入して、その微細孔の壁面に付着したインク成分により多く吸収され多孔質体のより多くの分量が溶解して50ミクロンの厚さにまで達する再固体化層54を形成した状態を示している。このような再固体化層54により、微細孔はより完全に塞がれることになる。
【0047】
ハード機器8は、キーボード9からの操作により、2次元現像の座標のネガ・ポジ値を容易に反転することができ、画像修正を容易にしている。ネガ・ポジの両転写像を多孔質体21に形成することにより、地色が現れないカラー画像を形成することができる。単色による画像再生時には、多孔質体21の裏面側から転写用インクを注入することができる。この場合には、転写回数を多くすることができる。
【0048】
図11及び図12は、自動印板作成機の動作用フローチャートである。ユーザーからの注文信号が受信手段3に入ったら(ステップ1)、受信手段3の受付口を開いて(ステップ2)、ユーザー情報及び注文されている2次元画像情報Jを記憶部に記憶する(ステップS3,S4)。注文信号がなければ(ステップS5)、印板作成スイッチをキーボード9から入れ、ハード手段8の動作を開始させる(ステップS6)。キーボード9から又は記憶部の記憶データのどちらかを優先して印板サイズをハード手段9にデータ入力する(ステップS7)。
【0049】
この印板サイズの入力時には、インクジェッタ41のノズル14の2次元座標値(X,Y)が入力され、更に、下記する初期値s及びkが零にリセットされ、下記する歩進回数値M、下記するデジタル化座標点の数Nは、サイズ入力に連動して自動的に設定される。コンベア15上に固定された定点がY軸方向原点に復帰する(ステップS8)。次いで、この明細書では説明されない何らかの手段により印板用基板がコンベア15上の所定位置に載置される(ステップS9)。この何らかの手段としては、コンベア15上にX軸方向に引かれた目印ラインに印板用基板の前端縁を人が合わせてその基板を手で置く人的手段を含む。
【0050】
ステップS11〜ステップS17は、インクジェッタによる2次元描画プロセスを示している。印板用基板に対して基台31上に固定され設定された座標系で座標点(X[k,s],Y[k,s])にインクが噴射される。X軸はN等分されN個の点に分割されている。コンベア15が停止した状態でsは最初は0である。kは、1からNまで変化する。kの数に対応して、インクジェッタのノズル14がインクを噴射するかどうかが、データとしてステップS7で既にハード手段に入力されている。
【0051】
座標点(X[k,1],Y[k,1])上にインクが噴射される(ステップS11)。sの値は1ずつ増加して(ステップS13)、sが値Nになれば(ステップS14)、コンベア15が定まった微小距離だけ歩進する(ステップS15)。kが1ずつ増加し(ステップS16)、ステップS11〜ステップS16が繰り返され、kが値Mになれば(ステップS17)、コンベア15が一定距離前進して、照射部で停止する(ステップS18)。次いで、クセノン管46が放電する(ステップS19)。コンベア15が前進して(ステップS20)、インク吹付完了ずみ印板基板が取り出される。コンベア15は前進して一周し又は後退して機械原点に戻り次の印板作成まで待機する。
【0052】
上に説明した印板作成機は、印板用原板を導入する導入部(前記説明では、人的手段で基板をコンベア上に載置する領域部分)から光照射を受けて作成された印板の導出部までの搬送路が連続して形成され、途中に移動載置部、停止・歩進部(間欠移動部であるインク照射部)、インク照射部から光照射部への転送部、インク照射部から完成ずみ印板を取り出す取出部が設けられ、全自動で印板を作成できる自動化システム又は半自動化システムが構築されている。
【0053】
このような機器は、個人で所有できるように価格が低廉化するまでは、全国の拠点に配置され、パソコン通信により個人の画像を受け取って完成させた印板を郵便などで送ることにより、アーチストの活躍の領域を広げることができる。店頭で注文を受けた場合には、専門店側光学読取機6により客が持参した画像を記憶部に入力する。
【0054】
印板は、基板19を取り除いたものとしても提供することができる。印板は、円筒形に作成することができる。この場合は、同じ画像を等間隔で繰り返して転写することができるから、繰り返し画像を創作するのに適している。本発明が用いる多孔質体は既述の物質が選ばれ、ゴム印に用いられているゴム材に比較して柔らかいがそれに比較してはるかに磨耗しにくく耐久性がある。長期的に使用して磨耗した場合には、ほぼ同じ画像の印板を作成できるから、永久的に使用することができる。画像の分解能が高く再生画像は、ゴム印に比べて人の顔を判別できる程度にはるかに鮮明である。転写用インクとして水性インクを用いることにより、水洗いが可能である。転写用インクをインクジェッタにより吹き付けることも可能である。手書きで転写用インクを多孔質体表面に塗る場合には、個人の技量に従ってぼかしがある画像を再生することができる。その塗り方によって、作品を更に創作化することもできる。
【0055】
本発明による印板は、個人の嗜好により自由に作成する版画に適している。更に、印、印鑑、スタンプとしても用いることができる。この場合は、多孔質体の裏面側にインクタンクを備えさせると好都合である。個人の名刺、手紙のフォームを作成するための押し印としても用いることができる。印刷機の輪転機の部分にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明による印面作成装置の電子機器のブロック図である。
【図2】図2は、本発明による印面作成用基板を示す正面図である。
【図3】図3は、多孔質体の表面を示す平面図である。
【図4】図4は、フラッシュ光のスペクトラムを示すグラフである。
【図5】図5は、印面作成装置の平面図である。
【図6】図6は、図1の正面図である。
【図7】図7は、インク照射後の多孔質体の断面の電子顕微鏡撮影写真を抽象化した断面図である。
【図8】図8は、インク照射後の多孔質体の断面の他の電子顕微鏡撮影写真を抽象化した断面図である。
【図9】図9は、光照射後の多孔質体の断面の電子顕微鏡撮影写真を抽象化した断面図である。
【図10】図10は、光照射後の多孔質体の断面の他の電子顕微鏡撮影写真を抽象化した断面図である。
【図11】図11は、印面作成方法の動作を示すフローチャートの一部である。
【図12】図12は、印面作成方法の動作を示すフローチャートの残部である。
【符号の説明】
1…ユーザー端末機集合
2…印板作成システム
A,B,Z…ユーザー端末機
3…受信装置
4…コニピュータ
5…印板作成機
6…専門店側光学読取機
12…X軸送り機構
13…Y軸方向送り機構
14…ノズル
15…ベルトコンベア
17…フラッシュ手段
18…印板用基板
19…基板本体
21…多孔質体
41…インクジェッタ
42…走査用往復体
46…クセノン放電管
48…反射鏡
50…インクの塊
51…インク照射部
52…潜込層
53…水潜入層
【技術分野】
本発明は、印面作成方法及び印面作成装置に関する。更に詳しくは、家庭で又は文具店、専門写真店等で任意の絵柄模様の鮮明な印面を簡易に作成する印面作成方法及び印面作成装置に関する。
【0002】
【背景技術】
任意に作成した造形絵柄を版画化して複製することが、趣味の世界として全世界的に広がっている。このように複製され一枚一枚が個性的である版画の作成を迅速に行うことが、趣味人に限られずプロの版画家からも求められている。
凹凸画像を形成するのが容易であるゴム印は、その印面を転写紙に強く押しつけて鮮明な画像を再生しようとすると、印面の凹凸部を分ける境界線領域が変形して逆に鮮明な画像を再生できない。また、カラー転写を行う場合には、同じゴム印を複数個作成しなければならないが、同じものを複数個作成することは困難であり、再生数を多くするためにはインクを何回もつけ直す必要があって煩わしい。
【0003】
1枚の版から1回のインクの塗布により何回も簡単に複製できる新規技術が最近注目されている。本発明者自らの先行技術としては、実開昭61−56070号が知られている。この公報で知られている印面は、発泡エラストマで作成された基板に凹凸画像を彫刻して形成されている。その凸部に筆、マーキングペン等でインクをつけると連続多孔質体のその凸部にインクが内部まで染み込みある程度のインクを貯留するから、このような印面により何回も例えば数十回も同じ画像を再生できる。色塗りは人為的に行うからカラー化が容易である。同じ絵柄を規則正しく又はランダムに同じ転写紙に転写することにより面白い絵柄を作成することができるこのような印面作成方法は、子どもの間で人気がある。
【0004】
販売されている人気キャラクター等が描かれた既成のフィルムと多孔質体の表面を重ねてフラッシュ光を照射し、光が透過した位置の多孔質体の表層部が溶けて微細な孔が潰れ、潰れていない孔部分にインクを染み込ませる方法も知られている。このような方法としては、特開平7−285258号により知られている。このような印面作成用の多孔質体は、特開平6−155698号等により知られ、特にポリオレフィン系フォームが適切であることが知られている。
【0005】
フィルムを用いるこのような方法は、フィルムに描かれている画像のエッジでフラッシュ光が激しく乱反射し、また、フィルムの表裏面間で光が何度も反射を繰り返すため、再生像が不鮮明になることが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような不鮮明さを解消するために、次のような方法を提案することができる。多孔質体表面に熱吸収性インクを筆などの筆記具で塗布した後にその表面に熱線を照射すると、インク塗布部分がその熱線を吸収してその熱線吸収部分が溶解して多孔質表面の孔が潰れ又は閉じる。この方法によると、微細な孔の中までインクを浸透させることが困難であるから、熱吸収媒体の分布密度にむらが生じ、やはり再生画像の不鮮明さを解消できないことが確認された。
【0007】
画像を自由に変更でき、再生画像が鮮明であり、カラー化が容易であり、一人一人の自由な作画を促し、1回の色塗りで何回も連続再生することができる印面作成技術が要求されている。
【0008】
本発明の目的は、鮮明な画像を印面に簡易に作成でき1回のインク補充で何回も再生することができる印面作成方法及びその装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、一人一人の自由な創作画像を創作的なカラー画像として鮮明に再生することができる印面作成方法及びその装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、一人一人の自由な創作画像を鮮明に再生することができる印面を複数体再現することができる印面作成方法及びその装置を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、照射されるフラッシュ光の乱反射光量を少なくすることにより創作画像を鮮明に再生することができる印面作成方法及びその装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、照射されるフラッシュ光の吸収度を高め乱反射光量を少なくすることにより創作画像を鮮明に再生することができる印面作成方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による印面作成方法及びその装置は、多孔質体の概ね平面の印面の孔を塞ぐこと又はその印面の孔を潰すことができる。多孔質体の中には、連続した微細な孔が無数に形成されている。平面状の表面に直交する向きに走る無数の孔は、横方向にも接続しながら立体的な網の目状に分布している。
【0011】
多孔質体の平面状の表面には、微視的に例えば電子顕微鏡で観察すれば、無数の孔の一部は表面で開口し他の一部は表面で開口せず表層により閉じられているが、巨視的に見れば即ち肉眼で見る絵画に必要な分解能のレベルで考えると、表面で開口する孔が一様な密度で連続的に均質に表面に分布していると考えることができる。
【0012】
点状、楕円体状、円柱状のインクが多孔質体表面に噴射される。空気抵抗と表面張力によりその点状、楕円体状、円柱状の液体インクの塊の先頭部は、噴射口から噴射され空中を高速で走っている間は、涙的型に形状化されている。このような形態を持ち高速で飛ぶインクの塊の先頭部は、多孔質体の表面に小さい領域の中心点領域の毛細管中に激突して表層部で数十ミクロンの深さまで潜入しその毛細管の管面を覆う。連続している微細孔は、1層目、2層目を形成して瓢箪状のセルを形成している。その中心点領域の周辺の毛細管即ちそのようなセルの集まりを含む点状領域に噴射され潜入するインクは、その中心点から遠ざかるに従ってセルへの侵入度は浅くなるが、このようなインクの侵入領域は実質的には点領域とみなすことができる。再生した場合、厳密な光量測定器で検出すれば中心の輝点の周囲が僅かにぼやけているが、そのぼやけは肉眼では明確には把握できない。しかし、何となく透かし・ぼやけが入った感じを見る人に与え、この感じはかえって好ましい。
【0013】
このようなインク照射のもっとも重要な利点は、高速度で激突する定量の液体のインクは、横方向即ち多孔質体の表面上で滲み拡散する前に、多孔質体の縦方向の微細孔に縦方向に浸透し多孔質体の表面上で拡散することがない。この非拡散性が、再生像を鮮明にする。光を多孔質体の表面に合わせおかれ表面又は裏面に画像が描かれたフィルムを透過させて多孔質体に光を直接に照射する場合には、光が画像及びそのフィルムの表裏面で反射・拡散するため、再生像の鮮明度が極端に悪くなるが、光の直接照射でなく熱吸収性が高いインクを発熱させて間接的に多孔質体を溶解する本発明では、溶解部が局所化されこの点でも再生像が鮮明化される。シルク印刷その他の印刷により多孔質体表面に画像を形成する場合には、その印刷機器の機械的部分が多孔質体表面を傷つけるが、本発明ではノズルは多孔質体表面に対して無接触であるから多孔質体表面を傷つけることはなく、この点でも再生像が鮮明化される。
【0014】
多孔質体の表面に開口する微細孔に吹き付けられた液状インクは、ある浸透圧で微細孔の奥の方まで浸透し、表面張力によりその孔の孔面をたどって流動して更に奥まで侵入し、インクの水は蒸発し、あるいは、より粘性抵抗が少ない水は染料を囲む水よりも更に奥まで浸透し、インク中の黒色物質部分が孔面に吸着する。このため、元の孔はインクで塞がれずその光吸収物質の壁で形成されるより微細な孔に形成される。このような孔は、光を誘導する導波管の役目をするから、光は孔の奥まで侵入する。このような光の侵入により、厚さが50ミクロン以上の溶解層が形成され、再生像が鮮明に転写される。
【0015】
このような点状のインク照射は、ジェット噴射プリンターの走査により行われる。この走査は、プリンタの噴射口と多孔質体の相対的移動により行われる。ジェット噴射プリンターは、バブルインクジェッタ(登録商標)とそのプリンタメーカにより名づけられている慣用の印刷手段である。
【0016】
インクは染料タイプのものが好ましく、3原色染料の混合インクであり黒色である。フラッシュ光は、クセノン管放電光が好ましい。クセノン管の放電は一瞬の放電による光量が多くて強く波長領域が広い白色光であるので、黒色インクへの吸収量が多い。一度のフラッシュで孔潰しが不十分である場合には、複数回のフラッシュ光を照射することが好ましい。フラッシュ照射の前に、印材を予熱しておくことにより再生像の鮮明度を高めることも考えられている。この場合、その予熱は溶解臨界点直前の温度にしておくことである。予熱のためにも、フラッシュ光を用いることができる。段々と蓄熱された印面が最後の光フラッシュにより精度高く融解する。一度に強い光が当たると、局部領域に照射された光エネルギーが余分に拡散して像の分解能が低下する。強い光を一度に照射すると、溶解面積が余分に拡大して分解能が低下する。複数回の照射により段々に温度上昇する印面の局所部分を形成する原子・分子の熱運動領域の拡散性は低い。
【0017】
孔であるセル、毛細管中に侵入しているインクは、多くの光を吸収して熱を持つ。その熱が100度C以上特には150度C前後即ち200度C以下で溶ける多孔質体の材料を溶かし、溶けた部分の連続気孔は溶解した材料により埋められ潰れる。溶けた材料は孔に浸透して溶けた部分は溶けていない表面より僅かに陥没する。その陥没の深さは、数十ミクロンに達しない。
【0018】
溶けていない表面の多孔質部分に、転写用のインクを塗りつける。人の手で行うことが好ましいこの塗りつけは、自由でありカラー化することができる。塗られたインクは、多孔質体中に染み込みその多孔質体中に貯留される。毛細管とインクとの間の表面張力が強く、インクが連続気孔中で混ざり合う現象は見出されていない。従って、1枚の印面からきれいなカラー画像を何度も再現することができる。例えば、数十回再生できる。
【0019】
印材が多孔質弾性体的な物理的性質(僅かにでも弾性変位する性質)を有しているから、この多孔質体は1回の押印の度にインクを送り出すポンプの機能を有する。印面には凹凸面は実質上形成されない。鮮明な画像が印面に形成されている凹凸面では、その凹面と凸面の境目が切り立っているが、押印した場合に変形しやすく凸面により複製された画像はかえって鮮明さを失うが、本発明では、印面が実質的に平面であるから、強く押印しても、印面の画像部分の変形がほとんどない。ある程度の押圧力は、気孔の膨張収縮を促しインクの連続供給を可能にする。
【0020】
パソコンから絵模様等の情報を出力して、この出力の信号に基づいてインク等の溶液を吐出するインク吐出描画機器により印面にインクを吹き付けることが好ましい。手書きの画像を光学的読みとり装置により白黒画像としてパソコンに入力することが可能である。パソコンに入力された画像の修正、アレンジを簡単に行うことができる。
【0021】
インク吐出描画器即ちインクジェッタは市販されているが、これをアレンジして多孔質体と組み合わせた新しい機器を作成することが望まれる。紙送り機構に代えた多孔質体送り機構とインクジェッタをひとまとめにしたプリンタが新たに作成される。多孔質体送り機構を備える原板作成機は、セッティング部から一つずつ取り出して走査用移動部に送る送り部、その送り部に位置するインク・ジェッティング・ノズル、この送り部から印刷ずみ原板を取り出してそれにフラッシュ照射する照射部、この照射部から照射ずみ原板を取り出す取出部から構成されている。
【0022】
このような原板作成機を個人で購入して専用に使用することは専門のデザイナーにとっては好ましいが、子ども、企業にとっては、1台の原板作成機を持つ専門店で原板を作成してもらうことが好ましい場合が多い。この場合、電話回線で画像を送り原板を送り届けてもらうシステムが構築されることが好ましい。専用店には、有線・無線の通信回線に接続された画像記憶装置又は原画を入力することができる入力装置を備えた画像記憶装置に接続された原板作成機が設備されている。
【0023】
孔を塞ぎ埋める場合は、印面の変形量が極めて微小である。孔を潰す場合は、孔を塞ぐ場合に比べて描画の輪郭線がわずかであるがぼやける。下記する実施の形態に限れば、孔を潰す方が実施しやすい。しかし、孔を塞ぐ技術の開発によっては、孔を塞ぎながら潰して、像の鮮明度と実施の容易性との両利点を活用することも好ましい。
【0024】
上記工程により作成された印面は、熱溶解層部分は、顕微鏡レベルの観察によると、凹凸面に形成されている。このような凹凸面を平坦にしてスキン層に形成することは、外見の美観上好ましく、また、その表層部分の微細孔を完全に消去することができる。このようなスキン層を形成するためには、インクが吹き付けられた多孔質体の印面に硬質の透明固体例えばガラス板を押し当てた状態でその透明固体を透過させて光照射する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本発明による印面作成方法又はそのシステムの実施形態を示している。そのシステムは、ユーザー端末機集合1と印板作成システム2から構成されている。ユーザー端末機集合1は、ユーザー端末機A,B…,Zを含む。ユーザー端末機A−Zは、個人の家庭、企業事務所等が所有するパソコンである。これら端末機には、光学読取用機器a,…zが属している。個人が作成した紙面上の情報例えば、芸術的画像、写真、デザイン画、各種レターフォーム(以下、2次元面上情報Jという)などである。光学読取用機器a,…zにより読みとられた各2次元面上情報は、各ユーザー端末機A−Zに入力される。
【0026】
ユーザー端末機集合1から無線・有線の一般電話回線、通信ネットワークなどにより通信を受ける印板作成システム2は、印板を作成する専門業者の印板作成室である。ユーザー端末機集合1と印板作成システム2との間の通信は、双方向であることが望ましい。この印板作成室には、ユーザーの2次元面上情報Jを受信するための受信装置3、画像処理機能を備えるコンピュータ4、印板作成機5を備えている。更に、専門店側光学読取機6を備えていることが好ましい。
【0027】
受信装置3は、個人の2次元面上情報を記憶する記憶手段7を備えている。コンピュータ4は、記憶手段7から個々の2次元面上情報Jを取り出し一時的に記憶するROM、2次元面上情報Jを印板作成機5に送り出して2次元面上情報Jを印板上に再現するために必要な全ての計算機能を備えるCPU内蔵ハード機器8、そのROM、ハード機器8を操作するための入力手段であるキーボード9を備えている。コンピュータ4は、2次元面上情報Jを操作者が確認するためのディスプレイ11を有している。ユーザーから紙面で送られてきた2次元面上情報Jは、専門店側光学読取機6により記憶手段7に入力される。
【0028】
印板作成機5は、X軸送り機構12とY軸方向送り機構13を含む。X軸送り機構12は、インクジェッタのノズル14の移動距離を制御している。Y軸方向送り機構13は、ベルトコンベア15を備えている。ベルトコンベア15は、一方方向にエンドレスに運動する搬送路上で回転運動し、その搬送路は、Y軸方向に一方方向に1次元運動する部分を含んでいる。ベルトコンベア15は、その1点が、機械本体16上に設定されたY軸上のY軸機械原点YOで停止する。Y軸機械原点YOは、ハード機器8内に設定されるY軸プログラム原点に対して相対化されている。
【0029】
X軸送り機構12により制御される操作用往復動体(後述される)は、機械本体16上に設定されたX軸上のX軸機械原点OXで引き返して往復運動する。X軸機械原点XOは、ハード機器8内に設定されるX軸プログラム原点に対して相対化されている。印板作成機5は、更にフラッシュ手段17を含む。フラッシュ手段17は、ベルトコンベア15の前方部を覆うカバーを備えている。
【0030】
図2は、印板用基板18を示している。印板用基板18は、基板本体19と多孔質体21を含む。基板本体19は、多孔質体21を一時的に保持するためのホルダーとしても用いることができる。基板本体19は、木材、硬質ゴム、各種エンジニアリング・プラスティックス等で形成され、スポンジ状に形成されることができる。スポンジ状に形成された多孔質体21は、柔らかいが磨耗に対してはきわめて強靱であるような下記材料が用いられている。多孔質体21は、発泡体であり内部に連続気孔が網の目状に立体的に形成されている。多孔質体21は、連続気孔が主として厚み方向即ち深さ方向に形成されているものが用いられるのが好ましい。その製造工程により、主として厚み方向に気孔が連続するものを生産することができる。このような連続気孔は、表面で必ずしも開放されているとは限らない。
【0031】
多孔質体21の材料は、融点が50〜150度Cのポリオレフィン系熱可塑性樹脂であることが好ましいが、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド等も使用可能であり、弾性体であることは必要ではない。
【0032】
インクジェッタは、紙面上に情報を出力してハード情報化するたための慣用手段として知られている。インクジェッタが有するノズル14は、一定速度・一定量の液体状のインクをジェット化して噴射することができる。噴射されるインクは、短い距離であるがその飛翔中即ちノズルから噴射され印板に当たるまでの間に、そのノズル形状、表面張力及び空気抵抗により、涙滴状、長楕円体状に形成される。即ち、そのインクの先頭部は、滑らかであるが先鋭化されている。
【0033】
インクとしては、染料インクであることが好ましい。特に、黒色化されていることが好ましい。黒色化のためには、赤色、黄色又は緑色、青色の染料即ち3原色染料が用いられるのが好ましい。染料は、よく知られているように炭素原子と窒素原子の2重、3重結合を持つジアゾ有機化学物質であり無数に知られている。その多重結合から特有の波長の光を吸収し逆に誘導放出の原理により放出される。従って、光吸収物質は照射点領域の光を孔の奥まで浸透させることができる。染料は、水に溶解する色素であることが好ましいが、わずかにアルコール、エチレングリコールなどの有機溶媒を含んでいても弊害はない。具体的には、紙面に情報を再現するジェット・プリンタ(バブルジェットプリンタ・登録商標、例えば日本国東京都のキャノン社製)に使用されているインクが、その粘度、後述する光吸収量、水分含有量の点で、本発明の好ましい実施形態として用いられている。
【0034】
ノズルのX軸座標xとベルトコンベア15の移動する機械原点のY軸プログラム座標yは、ハード機器8により制御される。ノズルは実質的に連続移動するが、座標(x、y)でノズルから一定量・一定速度の液的インクが、噴射される。この噴射は、デジタル的に定量でよい。1回の噴射量を制御することは実際的ではない。ベルトコンベア15上に置かれてベルトコンベア15と同体に停止している多孔質体21の表面は、実質的に一定速度でX軸方向に移動するノズルから一定量・一定速度のインクを受け取る。X軸上でのノズルの1回の往復運動が終わると、ベルトコンベア15は一定長さだけ前方に歩進する。従って、座標点(x,y)は、正方形格子を形成することができる。基板本体19の多孔質体21は、格子点上に黒色のインクを受け取る。
【0035】
図3は、抽象化されたインク照射を示している。多孔質体21の表面に現れている孔の開口面断面積は、大小の点で多様である。平均的大きさの開口断面積の孔22としてその分布を示せば、図3のようにほぼ均一に分布している。インクの照射跡は、円形23に形成される。図には現れていないが、電子顕微鏡写真によれば、1つの円形領域に1000〜2000個程度の孔が属していることが観測される。孔間の平均長さは、30ミクロン程度である。図3にみられる複数の円形の中心点は正方形格子点上にあり、その円形の直径は0.1mm以下である。
【0036】
フラッシュ手段17は、発光源を含む。発光源は、内部に正極・陰極を持つ電球でありコンデンサが瞬間的に高圧電流を放電して発光するクセノン放電管であり、クセノンガスを内封している。クセノン管が発する光は、熱線領域を含み可視領域に広がるスペクトラムを示し、目には白色光として映る。図4は、電球メーカにより電圧・電流・放電時間等の点で特別仕様で設計されたクセノン管の発光スペクトラムを示している。図4で、横軸は波長、縦軸は相対強度(%表示)を示している。300nmを越える領域から可視光領域を越えて赤外領域に及び、目には白色光に映る。このようなスペクトラムを示す光は、黒色インクの化学物質とよく反応しその化学物質に熱振動を激しく起こさせることができる。
【0037】
図5及び図6は、印板作成システム2の印板作成機5を具体化した装置を示している。基台30上に、先に説明したベルトコンベア15が位置づけられている。ベルトコンベア15は、第1サーボモータV1の出力軸に連結された駆動軸43により間欠的に回転運動して歩進する。ベルトコンベア15上に載置された印板用基板18の前端面は、印板用基板18の種類により異なるが、その種類ごとに図1に示すY軸機械原点YOに対して位置決めされている。ベルトコンベア15の両側には、案内板40が設けられている。印板用基板18は、案内板40に案内され概ね平行移動して直進する。
【0038】
インクジェッタ41は、慣用手段であり、走査用往復動体42と先に述べたノズル14とを含む。走査用往復動体42は、往復動作する無端状ベルト42aにより駆動される。ノズル14は、走査用往復動体42に対して固定され保持されている。走査用往復動体42は、ノズル14の他に、インクタンク、細いインク供給管、このインク供給管の一部を瞬間的に高温化するためのセラミックヒータ等を備えている。インク供給管の中のインクの一部がセラミックヒータにより局所的に加熱され瞬間的に気化し、気化した蒸気の蒸気圧によりセラミックヒータより前方にあるインクが瞬間的に高速化されノズルから一定量のインク(セラミックヒータとノズル先端までの間のインク)がノズル14から吐出される。このような噴射機構のインクジェッタは、バブルジェッタ等のトレードマークのもとでプリンタに用いられている公知慣用の技術がそのまま用いられている。
【0039】
走査用往復動体42は、無端状ベルト42aを介して第2サーボモータV2により駆動されている。第2サーボモータV2と走査用往復動体42が、先に述べたX軸送り機構12を構成している。第1サーボモータV1とベルトコンベア15が、先に述べたY軸送り機構13を構成している。
【0040】
ベルトコンベア15の前方部分は、ケーシングカバー45により覆われている。ケーシングカバー45内に、クセノン放電管46が設けられている。計算により割り出されたシリンドリカルな反射曲面47を有する反射鏡48が、クセノン放電管46の上方に設けられている。クセノン放電管46の内部には、クセノンガスその他のガスが封入されている。クセノン放電管46は、高圧コンデンサーが一瞬に放電する高圧多電流により大量のフラッシュ光を放出する。
【0041】
放出された光は、反射鏡48の下面で反射して、下方の印板用基板18の多孔質体21の表面を概ね均等な光強度で照射される。ベルトコンベア15で印板用基板18の停止位置を変更した後にこのような照射を行うことが好ましい。ベルトコンベア15は、ケーシングカバー45の中を通り抜けて延びている。ベルトコンベア15の前端から、画像が転写された印板用基板18が取り出される。ノズル14と多孔質体21の表面との間には、一定幅の隙間が設けられている。ノズル14は、多孔質体21の表面を痛めることなく走査される。
【0042】
図7は、インクジェッタ41により多孔質体21の表面がインクの照射を受けた状態を電子顕微鏡により拡大して撮影した写真から抽象化して作図した図面である。ノズル14から高圧蒸気により吐出されたインクの塊50は、涙的状態になって空中を飛び多孔質体21の表面の座標点P(x、y)に衝突する。斜線部は、多孔質体21の気孔を形成するソリッドの部分である。インク照射部51のインクの一部は、その衝突時の瞬間直後には多孔質体21の表面で拡散して薄く盛り上がっている。その盛上部は、図3に示す円形部23の円領域に概ね均等に拡散している。そのインクの一部は、微細孔の入り口付近に10ミクロン〜30ミクロンほど潜り込んで潜込層52を形成している。インク照射直後に、照射前のインク全体の粘度よりも低い水が潜込層52から滲出して更に200ミクロンほど深く潜入し水潜入層53を形成している。噴射されジェット化された黒色インクは、十分な速度を持って微細孔に突入し中に十分に潜り込む。この速度は、粘性の高いインクの潜り込みを助長する。盛上部と潜込層52の1照射領域のインク量は、インクジェッタにより高精度で制御され好ましい一定量になっている。
【0043】
このように微細孔に浸透したインクの成分の水は、インク成分である光吸収物質を取り囲む近傍水よりも粘性抵抗がより小さいので、微細孔の壁面をより円滑に流動して微細孔の中でより深く浸透する傾向を示す。このような水により深くまで浸透する水は、濃度がより高いインク部分を先導する。図8に示すように、先導水に引っ張られてインク高濃度部分もより深く孔内に浸透し、微細孔の壁面に沿って表面張力で更に進行し、壁面に付着したインク高濃度部分によって再度より小さい断面積の微細孔が形成され、この微細孔は再び多孔質体の原表面で開口する。
【0044】
図9は、図7の多孔質体21にフラッシュ光を照射した後の状態を示している。図7の潜込層52は、フラッシュ光をよく吸収し100度C以上、現実には150度C以上200度C以下に温度が上昇して溶解する。溶解した多孔質体材料は、微細孔に更に侵入して再度固体化して再固体化層54を形成する。このような溶解と再侵入により、多孔質体21の表層の一部が陥没して、陥没部55が形成されている。陥没部55の微細孔56は、再固体化層54により埋められ又は潰れて開口が消滅している。水潜入層52の水は、前記温度近くまで上昇し蒸発して気孔からは消滅している。再固体化層54は、概ね照射光がインク層中に浸透したところまで形成される。
【0045】
この陥没の深さは、約10ミクロンである。陥没していない原表面57にマーキングペンにより色塗りが行われる。カラーインクは、染料インクでも顔料インクでもよい。カラーインクは、原表面の微細孔に表面張力・毛細管現象により深く浸透して浸透層58を形成する。このような印面59を紙面に押し当てると、実質的には陥没部の表面も原表面57も紙面に接触するかもしれないが、陥没部の境界線の変形は実質的にはない。原表面57の微細孔に保留されているカラーインクが紙面に転写される。このような転写により、人の顏の画像が誰のものであるか判定できる程度の厳密な転写が行われる。
【0046】
図10は、再び開口した微細孔に照射された光の波が、その微細孔を導波管としてより深くまで侵入して、その微細孔の壁面に付着したインク成分により多く吸収され多孔質体のより多くの分量が溶解して50ミクロンの厚さにまで達する再固体化層54を形成した状態を示している。このような再固体化層54により、微細孔はより完全に塞がれることになる。
【0047】
ハード機器8は、キーボード9からの操作により、2次元現像の座標のネガ・ポジ値を容易に反転することができ、画像修正を容易にしている。ネガ・ポジの両転写像を多孔質体21に形成することにより、地色が現れないカラー画像を形成することができる。単色による画像再生時には、多孔質体21の裏面側から転写用インクを注入することができる。この場合には、転写回数を多くすることができる。
【0048】
図11及び図12は、自動印板作成機の動作用フローチャートである。ユーザーからの注文信号が受信手段3に入ったら(ステップ1)、受信手段3の受付口を開いて(ステップ2)、ユーザー情報及び注文されている2次元画像情報Jを記憶部に記憶する(ステップS3,S4)。注文信号がなければ(ステップS5)、印板作成スイッチをキーボード9から入れ、ハード手段8の動作を開始させる(ステップS6)。キーボード9から又は記憶部の記憶データのどちらかを優先して印板サイズをハード手段9にデータ入力する(ステップS7)。
【0049】
この印板サイズの入力時には、インクジェッタ41のノズル14の2次元座標値(X,Y)が入力され、更に、下記する初期値s及びkが零にリセットされ、下記する歩進回数値M、下記するデジタル化座標点の数Nは、サイズ入力に連動して自動的に設定される。コンベア15上に固定された定点がY軸方向原点に復帰する(ステップS8)。次いで、この明細書では説明されない何らかの手段により印板用基板がコンベア15上の所定位置に載置される(ステップS9)。この何らかの手段としては、コンベア15上にX軸方向に引かれた目印ラインに印板用基板の前端縁を人が合わせてその基板を手で置く人的手段を含む。
【0050】
ステップS11〜ステップS17は、インクジェッタによる2次元描画プロセスを示している。印板用基板に対して基台31上に固定され設定された座標系で座標点(X[k,s],Y[k,s])にインクが噴射される。X軸はN等分されN個の点に分割されている。コンベア15が停止した状態でsは最初は0である。kは、1からNまで変化する。kの数に対応して、インクジェッタのノズル14がインクを噴射するかどうかが、データとしてステップS7で既にハード手段に入力されている。
【0051】
座標点(X[k,1],Y[k,1])上にインクが噴射される(ステップS11)。sの値は1ずつ増加して(ステップS13)、sが値Nになれば(ステップS14)、コンベア15が定まった微小距離だけ歩進する(ステップS15)。kが1ずつ増加し(ステップS16)、ステップS11〜ステップS16が繰り返され、kが値Mになれば(ステップS17)、コンベア15が一定距離前進して、照射部で停止する(ステップS18)。次いで、クセノン管46が放電する(ステップS19)。コンベア15が前進して(ステップS20)、インク吹付完了ずみ印板基板が取り出される。コンベア15は前進して一周し又は後退して機械原点に戻り次の印板作成まで待機する。
【0052】
上に説明した印板作成機は、印板用原板を導入する導入部(前記説明では、人的手段で基板をコンベア上に載置する領域部分)から光照射を受けて作成された印板の導出部までの搬送路が連続して形成され、途中に移動載置部、停止・歩進部(間欠移動部であるインク照射部)、インク照射部から光照射部への転送部、インク照射部から完成ずみ印板を取り出す取出部が設けられ、全自動で印板を作成できる自動化システム又は半自動化システムが構築されている。
【0053】
このような機器は、個人で所有できるように価格が低廉化するまでは、全国の拠点に配置され、パソコン通信により個人の画像を受け取って完成させた印板を郵便などで送ることにより、アーチストの活躍の領域を広げることができる。店頭で注文を受けた場合には、専門店側光学読取機6により客が持参した画像を記憶部に入力する。
【0054】
印板は、基板19を取り除いたものとしても提供することができる。印板は、円筒形に作成することができる。この場合は、同じ画像を等間隔で繰り返して転写することができるから、繰り返し画像を創作するのに適している。本発明が用いる多孔質体は既述の物質が選ばれ、ゴム印に用いられているゴム材に比較して柔らかいがそれに比較してはるかに磨耗しにくく耐久性がある。長期的に使用して磨耗した場合には、ほぼ同じ画像の印板を作成できるから、永久的に使用することができる。画像の分解能が高く再生画像は、ゴム印に比べて人の顔を判別できる程度にはるかに鮮明である。転写用インクとして水性インクを用いることにより、水洗いが可能である。転写用インクをインクジェッタにより吹き付けることも可能である。手書きで転写用インクを多孔質体表面に塗る場合には、個人の技量に従ってぼかしがある画像を再生することができる。その塗り方によって、作品を更に創作化することもできる。
【0055】
本発明による印板は、個人の嗜好により自由に作成する版画に適している。更に、印、印鑑、スタンプとしても用いることができる。この場合は、多孔質体の裏面側にインクタンクを備えさせると好都合である。個人の名刺、手紙のフォームを作成するための押し印としても用いることができる。印刷機の輪転機の部分にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明による印面作成装置の電子機器のブロック図である。
【図2】図2は、本発明による印面作成用基板を示す正面図である。
【図3】図3は、多孔質体の表面を示す平面図である。
【図4】図4は、フラッシュ光のスペクトラムを示すグラフである。
【図5】図5は、印面作成装置の平面図である。
【図6】図6は、図1の正面図である。
【図7】図7は、インク照射後の多孔質体の断面の電子顕微鏡撮影写真を抽象化した断面図である。
【図8】図8は、インク照射後の多孔質体の断面の他の電子顕微鏡撮影写真を抽象化した断面図である。
【図9】図9は、光照射後の多孔質体の断面の電子顕微鏡撮影写真を抽象化した断面図である。
【図10】図10は、光照射後の多孔質体の断面の他の電子顕微鏡撮影写真を抽象化した断面図である。
【図11】図11は、印面作成方法の動作を示すフローチャートの一部である。
【図12】図12は、印面作成方法の動作を示すフローチャートの残部である。
【符号の説明】
1…ユーザー端末機集合
2…印板作成システム
A,B,Z…ユーザー端末機
3…受信装置
4…コニピュータ
5…印板作成機
6…専門店側光学読取機
12…X軸送り機構
13…Y軸方向送り機構
14…ノズル
15…ベルトコンベア
17…フラッシュ手段
18…印板用基板
19…基板本体
21…多孔質体
41…インクジェッタ
42…走査用往復体
46…クセノン放電管
48…反射鏡
50…インクの塊
51…インク照射部
52…潜込層
53…水潜入層
Claims (30)
- 吹付口を有する吹付手段を前記吹付口が多孔質体の多孔質体表面に接触しないように前記多孔質体表面に対して走査すること、
前記走査の間に前記吹付口から前記多孔質体表面に液状の光吸収物質を吹付けること、
前記多孔質体表面に吹き付けられた光吸収物質を前記多孔質体の微細孔の中まで侵入させ、前記多孔質体中に貯留され、前記前記多孔質体表面には凹凸面を実質的に形成されないこと、
前記光吸収物質が吹き付けられた前記多孔質体表面に光を照射すること、
前記光を吸収し温度上昇した前記光吸収物質によって前記光吸収物質が付着している表面領域を含む光物質付着近傍領域の前記多孔質体の表層部分を溶解し、
前記溶解した前記多孔質体の材料は、前記微細孔に侵入して再度固体化して固体化層を形成し、前記微細孔は前記固体化層により開口が消滅していること
からなることを特徴とする印面作成方法。 - 請求項1において、
前記侵入は前記多孔質体の前記微細孔を形成する孔面をたどって前記光吸収物質が前記微細孔の奥の方へ表面張力により進行する現象を含むことを特徴とする印面作成方法。 - 請求項1において、
前記多孔質体表面に透明固体を押し当て前記透明固体を透過させて前記光を照射することを特徴とする印面作成方法。 - 請求項1において、
前記光吸収物質は液滴状で吹き付けられ、
前記光吸収物質は1吹付点で一定量が一定速度で吹き付けられる
ことを特徴とする印面作成方法。 - 請求項1において、
前記光はクセノン管からフラッシュされた放出光であり、
前記フラッシュは複数回行われる
ことを特徴とする印面作成方法。 - 請求項1において、
前記光吸収物質は液状のインクであり、
前記吹付は前記走査により移動する前記吹付口の前記多孔質体表面上の2次元写像座標値に対応する時間に前記インクを前記吹付口から前記多孔質体表面に噴射することである
ことを特徴とする印面作成方法。 - 請求項6において、
前記インクは黒色化された染料インクであり、前記黒色化は3原色の染料の混合により行われている
ことを特徴とする印面作成方法。 - 請求項1において、更に、
原像を読みとり前記原像を2次元原像座標値として記憶すること、
前記2次元原像座標値を前記多孔質体表面上の前記2次元写像座標値に変換すること、
とからなることを特徴とする印面作成方法。 - 請求項8において、
前記原像はコンピュータグラフィックによりデジタル化されて作成されている
ことを特徴とする印面作成方法。 - 請求項8において、
前記2次元原像座標値と前記2次元写像座標値とはネガ・ポジ関係が反転される
ことを特徴とする印面作成方法。 - 請求項8において、更に、
原像を読みとり前記原像を第一2次元原像座標値として記憶するたの第1記憶と、
前記第一2次元座標値を通信すること、
前記通信により通信された前記第一2次元原像座標値を第二2次元原像座標値として記憶する第二記憶と、
前記第二記憶により記憶されている第二2次元原像座標値を前記2次元写像座標値に変換すること、
とからなることを特徴とする印面作成方法。 - 請求項11において、
前記通信は一般に開放されている公衆電話回線で行われる
ことを特徴とする印面作成方法。 - 請求項1において、更に、
前記溶解により溶解した前記多孔質体表面以外の非溶解表面部分に転写用液体インクを浸透させることとからなり、
前記転写用液体インクは水性である
ことを特徴とする印面作成方法。 - 請求項13において、
前記浸透は前記多孔質体表面の反対の表面側から行われる
ことを特徴とする印面作成方法。 - 請求項13において、
前記転写用液体インクが浸透した前記多孔質体表面は紙に押しつけられ前記原像が前記紙に転写されることになる
ことを特徴とする印面作成方法。 - 請求項15において、
前記転写は何回も行われることになる
ことを特徴とする印面作成方法。 - 請求項1に記載の印面作成方法のための印面作成装置において、
前記多孔質体である多孔質基板を供給するための原板供給手段と、
前記光吸収物質であるインクを噴出させる噴出口を有し前記原板に対してインクを噴射するためのインク・ジェッティング・プリンタと、
前記原板供給手段により供給された原板と前記噴出口とを2次元的に相対移動させるように駆動するための駆動手段と、
前記駆動手段による相対移動と前記インクの噴射を連動させるための連動手段と、
前記インクの噴射を受けた噴射ずみ原板に光照射するための照射手段と
からなることを特徴とする印面作成装置。 - 請求項17において、更に、
前記インクの噴射を受けた印刷ずみ原板を前記照射手段の照射位置まで送る照射位置送り手段
とからなることを特徴とする印面作成装置。 - 請求項18において、
前記照射位置送り手段は、ベルトコンベアである
ことを特徴とする印面作成装置。 - 請求項19において、更に、
前記光照射を受けた照射ずみ原板をその照射位置から取り出すための取出手段
とからなることを特徴とする印面作成装置。 - 請求項17において、更に、
原像を原像2次元座標値としてデジタル化して記憶する原像記憶手段と、
前記原像記憶手段の前記原像2次元座標値に基づいて前記駆動手段を動作させるように前記駆動手段と前記記憶手段とを電気的に接続するための接続手段
とからなることを特徴とする印面作成装置。 - 請求項21において、
前記原像記憶手段は前記原像を送信する通信手段に接続されている
ことを特徴とする印面作成装置。 - 請求項21において、更に、
原像のポジ像をネガ像に変換する変換手段
とからなることを特徴とする印面作成装置。 - 請求項17において、
前記駆動手段は、
前記原板を1次元的に駆動するための第1駆動手段と、
前記噴出口を前記1次元の方向に交叉する方向に1次元的に駆動するための第2駆動手段とを備えている
ことを特徴とする印面作成装置。 - 請求項18において、
前記駆動手段は、
前記原板を1次元的に駆動するための第1駆動手段と、
前記噴出口を前記1次元の方向に交叉する方向に1次元的に駆動するための第2駆動手段とを備えている
ことを特徴とする印面作成装置。 - 請求項1に記載の印面作成方法のための印面作成装置において、
機械本体と、
前記機械本体を覆うケーシングと、
前記機械本体に配備される搬送路と、
前記機械本体に設けられ、前記光吸収物質であるインクを噴射するためのインク噴出口を有するインクジェッタと、
前記機械本体に設けられている光照射手段とからなる印刷用原板作成機において、
前記搬送路により搬送される印刷用原板は多孔質体であり、
前記搬送路は、
前記原板を導入する導入部と、
前記導入部から前記インクジェッタの位置まで送る第1搬送部と、
前記噴出口に対して1次元的に前記原板を歩進的に送る歩進部と、
前記歩進部でインク噴射を受けた原板を前記光照射手段まで送るための第2搬送部と、
前記光照射手段の位置で前記原板が停止して光照射を受ける停止部と、
前記光照射を受けた原板を取り出すための導出部と
からなることを特徴とする印面作成装置。 - 請求項26において、
前記搬送路は共通のベルトコンベアで形成されている
ことを特徴とする印面作成装置。 - 請求項26において、
前記歩進部は前記第1搬送部の一部である
ことを特徴とする印面作成装置。 - 請求項26において、
前記停止部には光の漏洩を防止するためのカバーが設けられている
ことを特徴とする印面作成装置。 - 請求項26において、
前記歩進部は概ね水平な搬送面を有している
ことを特徴とする印面作成装置。
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