JP3848139B2

JP3848139B2 - Air filter media

Info

Publication number: JP3848139B2
Application number: JP2001361016A
Authority: JP
Inventors: 信之坂爪; 栄子目黒; 智彦楚山
Original assignee: Hokuetsu Paper Mills Ltd
Current assignee: Hokuetsu Paper Mills Ltd
Priority date: 2001-11-27
Filing date: 2001-11-27
Publication date: 2006-11-22
Anticipated expiration: 2021-11-27
Also published as: JP2003159507A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体製造などの各種クリーンルーム、ビル空調用、空気清浄の用途などに使用されるガラス繊維を主体としたエアフィルタ用濾材に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、極細ガラス繊維、又はチョップドガラス繊維主体のエアフィルタ用濾材は、ガラス繊維自体に接着力が無く、濾材強度が出ないため、従来より水系の合成樹脂系バインダーやポリビニルアルコール繊維状バインダーなどを単独使用、あるいは併用して強度付与させている。このうち、ポリビニルアルコール繊維状バインダーは、濾材製造時では、原料ガラス繊維に混合して水に分散し、湿式抄紙でシート化する「内添法」で使用され、繊維状であるため、抄紙時のシートへの歩留まりが良く、合成樹脂系バインダーのようにバインダーを含浸させるための後工程を必要としないなどの利点がある。ところが、ポリビニルアルコール繊維状バインダーにおいては、製造時の乾燥工程で、シート中の熱水にいったん溶解するため、同工程の中でシートの厚みの外側方向に、次第にバインダーが移動するいわゆる「マイグレーション」を起こしやすい。
【０００３】
この結果、シート表面に樹脂だまりができて、濾材の目をふさぎ、圧力損失を増大させたり、シート内部のバインダー不足が原因で、シートの剛性が低下する。また、これをひだ折りプリーツ加工を行い、濾材をユニットとして組み立てる際、割れ、層剥離、折り山姿不良等のトラブルを起こすことが知られている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記欠点や問題点を解決し、ガーレー剛度が高く、圧力損失が低く、ひだ折りプリーツ加工特性、特に剥離強度の良好なエアフィルタ用濾材を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来の様に、繊維状バインダーを完全溶融させると、前述のごとく問題が生ずるが、これを半溶融状態、即ち繊維の形態を保持させた状態に制御して、バインダーとして用いることにより、これらの問題点を解決できる事を見出した。
【０００６】
即ち、本発明は、坪量２５〜１５０ｇ／ｍ²の不織布からなるエアフィルタ用濾材において、構成繊維を接着させるポリビニルアルコール繊維状バインダーが完全溶解することなく繊維形態を保持しながら膨潤し、濾材の厚さ方向に均一に存在していることを特徴とする、エアフィルタ用濾材に関する。
【０００７】
本発明の好ましい実施態様においては、膨潤後のポリビニルアルコール繊維状バインダーの繊維径が７．５〜１１０μｍである。本発明の別の好ましい実施態様においては、ポリビニルアルコール繊維状バインダーの繊維径が膨潤前の繊維径の１．１〜７．０倍である。濾材中のポリビニルアルコール繊維状バインダーが濾材重量を基準として０．１〜１０重量％であるのが有利である。
【０００８】
本発明のエアフィルタ用濾材はガラス繊維を主体とした不織布であるのが有利である。エアフィルタ用濾材は、例えば平均繊維径６μｍ以下の極細ガラス繊維またはチョップドガラス繊維を主体とするが、必要に応じてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアラミド、アクリル、ビニロン、レーヨンなどの有機繊維が配合されていてもよい。
【０００９】
エアフィルタ用濾材の製造工程におけるバインダーの付与方法には、繊維シート形成後に付与する外添法と、原料繊維の分散工程で添加する内添法があるが、本発明においては、ポリビニルアルコール繊維状バインダーを均一に分散させるために、内添法で行なう必要がある。また、本発明の濾材を製造する際には、ポリビニルアルコール繊維状バインダーを含んだ湿紙の乾燥前の含水率が後述の理由から５０〜８０重量％である必要がある。
【００１０】
即ち、本発明のエアフィルタ用濾材は、原料繊維を水中でスラリー化し、このスラリー化工程の際にポリビニルアルコール繊維状バインダーを添加し、得られるスラリーを抄紙機で抄紙し、５０〜８０重量％の含水率の湿紙を形成しそして乾燥することを特徴とする方法によって製造される。この方法も本発明の対象である。
【００１１】
本発明を以下に更に詳細に説明する。
ポリビニルアルコール繊維状バインダーを内添法で使用する際に、シートが乾燥工程に入り、シートが保持する水の温度が溶解温度に達すると、繊維状バインダーはその表面から溶融し、混合した他の繊維との交点に付着し、シートの水分が蒸発するとともに固化し、強度を発揮する。その際、繊維状バインダーの直径は、溶融前後で太くなる現象、つまり「膨潤」が見られ、この現象と本発明の効果とで高い相関があることを本発明者等は発見した。
【００１２】
即ち、半溶融状態であるポリビニルアルコール繊維状バインダーの直径は、溶融前に比べ１．１倍〜７倍に膨潤しており、この膨潤状態に制御できれば繊維状バインダーが乾燥工程でマイグレーションを起こさないことが分かった。繊維状バインダーは７倍より多く膨潤すると完全溶解してマイグレーションを起し、膨潤度が１．１倍より小さいと、ほとんど溶解部分がなく、バインダー効果が発揮されない。この膨潤状態は、電子顕微鏡下、あるいは後述の如く、繊維状バインダーを着色して実態顕微鏡下で観察することができ、膨潤前の繊維直径との関係から膨潤度を算出することができる。また、膨潤度１．１倍以下の繊維状バインダーは、電子顕微鏡や実態顕微鏡での観察で、繊維状バインダーとガラス繊維、あるいは繊維状バインダー同志との交点での融着が見られない。
【００１３】
本発明で用いられるポリビニルアルコール繊維状バインダー直径は、通常７μｍから１５μｍのものが用いられるが、これらは繊維状バインダーとして一般的なものである。ちなみに、１５μｍ以上のものは単位重量当たりの本数が少なくなるため、接着交点が少なくバインダー効果が低く、一方、７μｍ以下のものは、ポリビニルアルコール繊維状バインダーの製造コストが高くなってしまう。これらを前述の膨潤度１．１〜７．０倍に制御することにより、本発明の効果を発揮させることができる。ポリビニルアルコール繊維状バインダーの膨潤後の直径は、７．５〜１１０μｍの範囲内となり得る。
【００１４】
また、本発明で用いられるポリビニルアルコール繊維状バインダーには、構造式、溶解温度の異なるさまざまなタイプのものがあり、本発明の効果を発揮させるためこれら選定に注意しなければならない。ポリビニルアルコール繊維状バインダーについて各種溶解温度のものが知られているが、自身の溶解温度が低過ぎると、湿熱効果により乾燥工程で完全溶解してしまい、マイグレーションを起こし、剛度が低下し、圧力損失が増加してしまう。また、溶解温度が高過ぎると、繊維間の接着力が低くなり、濾材強度が低くなる。
【００１５】
繊維の形態保持をさせる方法としては、特に１つに限定するものではないが、例えば、湿紙の水分にも充分に注意する必要がある。好ましい溶解温度は、抄紙機の乾燥能力、条件等の関係で選定されるが、通常５０℃〜８０℃である。水分が少な過ぎると、溶解せず繊維間の接着力が少なくなり、濾材強度が低くなる。また、水分が高過ぎると、完全溶解してしまい、マイグレーションを起こし、剛度が低下し、圧力損失が増加してしまう。本発明では、乾燥工程に入る直前の湿紙の水分を５０％〜８０％、好ましくは５５％〜７０％にすることが望ましい。
【００１６】
また、熱水溶解温度の高いポリビニルアルコール繊維状バインダーを選定するのも一つの方法である。その他、ポリビニルアルコール繊維状バインダーが、熱水に溶解するのにある程度の時間がかかるのを利用し、湿紙を高温で急加熱し、一気に水分をとばす方法、あるいは、前述の通り乾燥工程に入る前に、湿紙の水分をプレス脱水や真空吸引で十分に減らしておいて、乾燥させる方法などが挙げられる。ただし、いずれの方法も条件が厳しすぎると、繊維が全く溶解、膨張しないで、バインダー効果を発揮しなくなるので、条件設定には十分注意しなければならない。
【００１７】
ポリビニルアルコール繊維状バインダーの含有量は、望ましくは０．１重量％〜１０重量％であるが、０．５重量％〜７重量％がより望ましい。ポリビニルアルコール繊維状バインダーの含有量が対濾材重量０．１重量％未満では効果が少なく、１０重量％を超えると、エアフィルタ用濾材の圧力損失を著しく増加させてしまう。
【００１８】
ポリビニルアルコール繊維状バインダーは、単独で内添法により用いて本発明の目的を達成させることができるが、濾材に通常要求される耐水性、撥水性、耐薬品性を付与させたい場合は、更に合成樹脂系バインダーラテックスあるいは撥水剤を併用することが望ましい。これらの濾材中におけるポリビニルアルコール繊維状バインダーとの合計含有量は１０重量％以下、好ましくは７重量％以下である。多くの合成樹脂系バインダーラテックスは、繊維間で膜状物を形成し、圧力損失の上昇を起こしやすいため、その量は少ない程よい。
【００１９】
合成樹脂系バインダーラテックスとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル系ラテックス、酢ビ系ラテックス、ウレタン系ラテックス、エポキシ系ラテックス、ＳＢＲ系ラテックス、ＮＢＲ系ラテックス、オレフィン系ラテックス等を単独、又は２種類以上併用できるが、基材との接着性が良く、膜状物を形成し難いものを選定するべきである。
【００２０】
本発明の濾材は、一般紙や湿式不織布を製造するための抄紙機、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜ワイヤー式抄紙機などの湿式抄紙機で製造できる。乾燥にはシリンダードライヤー、ヤンキードライヤー、スルードライヤー、赤外線ドライヤーなどの乾燥機を用いることができる。また、２種類以上の乾燥機を使用し、本発明の濾材を乾燥することは何ら差し支えない。
【００２１】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における坪量、シートの厚さ、ガーレー剛度、剥離強度及び圧力損失は以下の方法で測定した。
【００２２】
本発明で測定を行った坪量、シートの厚さは、ＪＩＳＬ−１０９６に準拠して行った。ガーレー剛度については、ＴＡＰＰＩＳＴＡＮＤＡＲＤＴ５４３ｐｍ−８４に準拠して行ったが、サンプルの長さ２．５インチ、幅１インチにて測定を行った。剥離強度は、ＴＡＰＰＩＵＭ５６９に準拠して測定を行った。圧力損失は（Ｐａ）、ＪＩＳＢ９９０８に準じて測定され、濾材に空気を風速５．３ｃｍ／秒で通気させた時の通気抵抗を測定した。シート乾燥前後のポリビニルアルコール繊維状バインダーの直径は、紙パルプの種類とその試験法（紙パルプ技術協会編、“紙パルプの種類とその試験法”のＰＶＡのヨウ素硼酸試験、昭和４１年、ｐ３０１）を用いて着色を行い、その着色された繊維の直径を実体顕微鏡にて任意に１０本測定し、それらの繊維径の平均値を算出した。プリーツ加工適性については、加工機に通した時の割れ、剥離、折姿の状況を目視にて判定した。
【００２３】
実施例１：
平均繊維径６μｍ以下の極細ガラス繊維９０重量％とチョップドガラス繊維１０重量％及び対濾材重量０．５重量％のポリビニルアルコール繊維状バインダー（ＳＰＧ０５６、クラレ（株）製、７．３μｍ×３ｍｍ）をパルパーにて、ｐＨ３．５の酸性水を用いて離解し、水性スラリーを作成して、これらのスラリーから標準角型手抄き抄紙機を用いて、シートを形成した。これにアクリル系ラテックス（ＳＦＡ−３３、大日本インキ（株）製）を湿紙に付与し、湿紙の水分を５５％にし、その後１３０℃のロータリードライヤーにて一気に乾燥し、坪量７０ｇ／ｍ²、バインダー樹脂分６．２重量％で、シート乾燥後の膨潤したポリビニルアルコール繊維状バインダーの繊維径が８．１μｍのシートを得た。
【００２４】
実施例２：
湿紙の水分を７０％にした以外は実施例１を繰り返した。シート乾燥後のポリビニルアルコール繊維状バインダーの繊維径は４０μｍであり、坪量７０ｇ／ｍ²、バインダー樹脂分５．８重量％のシートを得た。
【００２５】
実施例３：
ポリビニルアルコール繊維状バインダー（ＶＰＢ１０１クラレ（株）製：１２．９μｍ×３ｍｍ）を６．０重量％とし、湿紙の水分を５５％にした以外は、実施例１を繰り返した。坪量７０ｇ／ｍ²、バインダー樹脂分６．５重量％で、シート乾燥後のポリビニルアルコール繊維状バインダーの繊維径が１４．２μｍのシートを得た。
【００２６】
実施例４：
ポリビニルアルコール繊維状バインダー（ＶＰＢ１０１、クラレ（株）製、１２．９μｍ×３ｍｍ）を６．０重量％とし、湿紙の水分を７０％とした以外は実施例２を繰り返した。坪量７０ｇ／ｍ²、バインダー樹脂分６．８重量％のシートを得た。シート乾燥後のポリビニルアルコール繊維状バインダーの繊維径が８８．７μｍのシートを得た。
【００２７】
比較例１：
平均繊維径６μｍ以下の極細ガラス繊維９０重量％とチョップドガラス繊維１０重量％及び対濾材重量０．５重量％のポリビニルアルコール繊維状バインダー（ＳＰＧ０５６、クラレ（株）製、７．３μｍ×３ｍｍ）をパルパーにて、ｐＨ３．５の酸性水を用いて離解し、水性スラリーを作成して、これらのスラリーから標準角型手抄き抄紙機を用いて、シートを形成した。これにアクリル系ラテックス（ＳＦＡ−３３、大日本インキ（株）製）を湿紙に付与し、湿紙の水分を３５％とし、その後１３０℃のロータリードライヤーで一気に乾燥し、坪量７０ｇ／ｍ²、バインダー樹脂分６．１重量％で、シート乾燥後のポリビニルアルコール繊維状バインダーの繊維径が７．３μｍのシートを得た。
【００２８】
比較例２：
平均繊維径６μｍ以下の極細ガラス繊維９０重量％とチョップドガラス繊維１０重量％及び対濾材重量６．０重量％のポリビニルアルコール繊維状バインダー（ＳＰＧ０５６、クラレ（株）製、７．３μｍ×３ｍｍ）をパルパーにて、ｐＨ３．５の酸性水を用いて離解し、水性スラリーを作成して、これらのスラリーから標準角型手抄き抄紙機を用いて、シートを形成した。これにアクリル系ラテックス（ＳＦＡ−３３、大日本インキ（株）製）を湿紙に付与し、湿紙の水分を９５％とし、その後１３０℃のロータリードライヤーで一気に乾燥し、坪量７０ｇ／ｍ²、バインダー樹脂分６．８重量％で、シート乾燥後のポリビニルアルコール繊維状バインダーが、繊維形態をなしていないシートを得た。
【００２９】
比較例３：
湿紙の水分を３５％とした以外は実施例３を繰り返した。シート乾燥後のポリビニルアルコール繊維状バインダーの繊維径は１３μｍであり、得られるシートは坪量７０ｇ／ｍ²で、バインダー樹脂分６．７重量％であった。
【００３０】
比較例４：
湿紙の水分を９０％とした以外は実施例３を繰り返した。シート乾燥後のポリビニルアルコール繊維状バインダーは繊維形態をなしていない。得られたシートは坪量７０ｇ／ｍ²で、バインダー樹脂分６．９重量％であった。
【００３１】
比較例５：
平均繊維径６μｍ以下の極細ガラス繊維９０重量％とチョップドガラス繊維１０重量％及び対濾材重量１１．０重量％のポリビニルアルコール繊維状バインダー（ＳＰＧ０５６、クラレ（株）製、７．３μｍ×３ｍｍ）をパルパーにて、ｐＨ３．５の酸性水を用いて離解し、水性スラリーを作成して、これらのスラリーから標準角型手抄き抄紙機を用いて、シートを形成した。これにアクリル系ラテックス（ＳＦＡ−３３、大日本インキ（株）製）を湿紙に付与し、湿紙の水分を５５％とし、その後１３０℃のロータリードライヤーで一気に乾燥し、坪量７０ｇ／ｍ²、バインダー樹脂分１３．０重量％で、シート乾燥後のポリビニルアルコール繊維状バインダーの繊維径が８．１μｍのシートを得た。
【００３２】
シート物性を表１にまとめて示す。
【００３３】
【表１】

【００３４】
上記実施例１〜４で示した濾材は、ガーレー剛度ならびに剥離強度が高く、圧力損失の上がりも少なく、プリーツ加工特性が良好なエアーフィルター用濾材であった。
【００３５】
比較例１では、圧力損失は上昇していないが、ガーレー剛度、剥離強度が低く、ひだ折プリーツ加工適性が悪い。
【００３６】
比較例２では、圧力損失の上昇が著しく、ガーレー剛度、剥離強度は低い。また、ひだ折プリーツ加工適性が悪い。
【００３７】
比較例３では、圧力損失は上昇していないが、ガーレー剛度、剥離強度は低い。また、ひだ折プリーツ加工適性が悪い。
【００３８】
比較例４では、圧力損失の上昇が著しく、ガーレー剛度、剥離強度が低い。また、ひだ折プリーツ加工適性が悪い。
【００３９】
比較例５では、圧力損失の上昇が激しく、ガーレー剛度、剥離強度は高い。また、ひだ折プリーツ加工適性が悪い。
【００４０】
【発明の効果】
本発明は、エアフィルタ用濾材について、内添法におけるポリビニルアルコール繊維状バインダーの溶融の度合いを制御することにより、エアフィルタ用濾材としての適性を損なうことのない、新規な濾材を提供するものである。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a filter medium for air filters mainly composed of glass fibers used for various clean rooms such as semiconductor manufacturing, building air conditioning, and air cleaning.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, filter materials for air filters mainly composed of ultrafine glass fibers or chopped glass fibers have no adhesive strength to the glass fibers themselves, and the strength of the filter media does not come out, so water-based synthetic resin binders and polyvinyl alcohol fibrous binders have been conventionally used. It is used alone or in combination to give strength. Of these, the polyvinyl alcohol fibrous binder is mixed with the raw glass fiber and dispersed in water at the time of producing the filter medium, and is used in the “internal addition method” in which a sheet is formed by wet papermaking. There is an advantage that the yield to the sheet is good and a post-process for impregnating the binder is not required like a synthetic resin binder. However, in the polyvinyl alcohol fibrous binder, since it is once dissolved in hot water in the sheet in the drying process at the time of manufacture, so-called “migration” in which the binder gradually moves in the outer direction of the thickness of the sheet in the same process. It is easy to cause.
[0003]
As a result, a resin pool is formed on the surface of the sheet, closing the eyes of the filter medium, increasing the pressure loss, and reducing the rigidity of the sheet due to insufficient binder inside the sheet. Further, it is known that when this is subjected to pleat fold processing and the filter medium is assembled as a unit, troubles such as cracks, delamination, and folded mountain shape defects are caused.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the above-mentioned drawbacks and problems, and to provide a filter medium for an air filter that has high Gurley stiffness, low pressure loss, and good pleat pleating characteristics, particularly excellent peel strength.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
When the present inventors completely melt the fibrous binder as in the prior art, the problem arises as described above, but this is controlled as a semi-molten state, that is, a state in which the shape of the fiber is maintained, and used as a binder. It was found that these problems can be solved.
[0006]
That is, the present invention relates to a filter medium for an air filter made of a nonwoven fabric having a basis weight of 25 to 150 g / m ² , which swells while maintaining the fiber form without completely dissolving the polyvinyl alcohol fibrous binder to which the constituent fibers are bonded. It is related with the filter medium for air filters characterized by existing uniformly in the thickness direction.
[0007]
In a preferred embodiment of the present invention, the fiber diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder after swelling is 7.5 to 110 μm. In another preferred embodiment of the present invention, the fiber diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder is 1.1 to 7.0 times the fiber diameter before swelling. Advantageously, the polyvinyl alcohol fibrous binder in the filter medium is 0.1 to 10% by weight based on the weight of the filter medium.
[0008]
The air filter medium of the present invention is advantageously a non-woven fabric mainly composed of glass fibers. The filter medium for air filters is mainly composed of ultrafine glass fibers or chopped glass fibers having an average fiber diameter of 6 μm or less, for example, and organic fibers such as polyethylene, polypropylene, polyester, polyaramid, acrylic, vinylon, and rayon are blended as necessary. It may be.
[0009]
The method for applying the binder in the process for producing the filter medium for the air filter includes an external addition method that is applied after the fiber sheet is formed and an internal addition method that is added in the dispersion step of the raw material fibers. In order to disperse the binder uniformly, it is necessary to carry out by an internal addition method. Moreover, when manufacturing the filter medium of this invention, the moisture content before drying of the wet paper containing a polyvinyl alcohol fibrous binder needs to be 50 to 80 weight% from the reason mentioned later.
[0010]
That is, the filter medium for an air filter of the present invention is made by slurrying raw material fibers in water, adding a polyvinyl alcohol fibrous binder during the slurrying process, and papermaking the resulting slurry with a paper machine, 50 to 80% by weight Produced by a method characterized in that a wet paper with a water content of 5% is formed and dried. This method is also the subject of the present invention.
[0011]
The present invention is described in further detail below.
When the polyvinyl alcohol fibrous binder is used in the internal addition method, when the sheet enters the drying process and the temperature of the water held by the sheet reaches the dissolution temperature, the fibrous binder is melted from the surface and mixed with the other It adheres to the intersection with the fibers, solidifies as the moisture of the sheet evaporates, and exhibits strength. At that time, the inventors discovered that the diameter of the fibrous binder was thickened before and after melting, that is, “swelling”, and this phenomenon and the effect of the present invention have a high correlation.
[0012]
That is, the diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder which is in a semi-molten state is swollen 1.1 to 7 times compared with that before melting, and if the swollen state can be controlled, the fibrous binder will not cause migration in the drying process. I understood that. When the fibrous binder swells more than 7 times, it completely dissolves to cause migration, and when the swelling degree is less than 1.1 times, there is almost no dissolved portion and the binder effect is not exhibited. This swollen state can be observed under an electron microscope or under a real microscope by coloring the fibrous binder as described later, and the degree of swelling can be calculated from the relationship with the fiber diameter before swelling. Further, the fibrous binder having a swelling degree of 1.1 times or less does not show fusion at the intersection between the fibrous binder and the glass fiber or the fibrous binder, as observed with an electron microscope or a real microscope.
[0013]
The diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder used in the present invention is usually 7 μm to 15 μm, and these are common as fibrous binders. Incidentally, since the number per unit weight is less than 15 μm, the bonding effect is low and the binder effect is low. On the other hand, those having a thickness of 7 μm or less increase the production cost of the polyvinyl alcohol fibrous binder. The effects of the present invention can be exhibited by controlling these to a degree of swelling of 1.1 to 7.0 times. The swollen diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder can be in the range of 7.5 to 110 μm.
[0014]
In addition, there are various types of polyvinyl alcohol fibrous binders used in the present invention having different structural formulas and melting temperatures, and care must be taken in selecting these in order to exert the effects of the present invention. Polyvinyl alcohol fibrous binders with various melting temperatures are known, but if their own melting temperature is too low, they will completely dissolve in the drying process due to the moist heat effect, causing migration, lowering stiffness, pressure loss Will increase. Moreover, when melt | dissolution temperature is too high, the adhesive force between fibers will become low and filter medium intensity | strength will become low.
[0015]
The method for maintaining the form of the fiber is not particularly limited to one, but for example, sufficient attention should be paid to the moisture of the wet paper. The preferred melting temperature is selected in relation to the drying capacity and conditions of the paper machine, but is usually 50 ° C to 80 ° C. When there is too little moisture, it will not melt | dissolve but the adhesive force between fibers will decrease, and filter media intensity | strength will become low. On the other hand, if the moisture is too high, it will be completely dissolved, causing migration, decreasing the stiffness, and increasing the pressure loss. In the present invention, it is desirable that the moisture content of the wet paper immediately before entering the drying step is 50% to 80%, preferably 55% to 70%.
[0016]
It is also one method to select a polyvinyl alcohol fibrous binder having a high hot water dissolution temperature. In addition, utilizing the fact that the polyvinyl alcohol fibrous binder takes a certain amount of time to dissolve in hot water, the wet paper is rapidly heated at a high temperature, and the moisture is removed at once, or the drying process is started as described above. There may be mentioned a method in which the moisture of the wet paper is sufficiently reduced by press dehydration or vacuum suction before being dried. However, if the conditions are too strict for any of the methods, the fibers will not dissolve or expand at all, and the binder effect will not be exhibited.
[0017]
The content of the polyvinyl alcohol fibrous binder is desirably 0.1% by weight to 10% by weight, and more desirably 0.5% by weight to 7% by weight. If the content of the polyvinyl alcohol fibrous binder is less than 0.1% by weight of the filter medium, the effect is small, and if it exceeds 10% by weight, the pressure loss of the filter medium for the air filter is remarkably increased.
[0018]
The polyvinyl alcohol fibrous binder can be used alone by the internal addition method to achieve the object of the present invention, but if it is desired to impart the water resistance, water repellency and chemical resistance normally required to the filter medium, It is desirable to use a synthetic resin binder latex or a water repellent in combination. The total content of the polyvinyl alcohol fibrous binder in these filter media is 10% by weight or less, preferably 7% by weight or less. Many synthetic resin-based binder latexes form a film-like material between fibers and easily cause an increase in pressure loss. Therefore, the smaller the amount, the better.
[0019]
The synthetic resin binder latex is not particularly limited. For example, acrylic latex, vinyl acetate latex, urethane latex, epoxy latex, SBR latex, NBR latex, olefin latex and the like are used alone. Alternatively, two or more types can be used in combination, but those having good adhesion to the substrate and difficult to form a film-like material should be selected.
[0020]
The filter medium of the present invention can be produced by a paper machine for producing general paper or wet nonwoven fabric, for example, a wet paper machine such as a long net paper machine, a circular net paper machine, or an inclined wire type paper machine. For drying, a dryer such as a cylinder dryer, a Yankee dryer, a through dryer, or an infrared dryer can be used. Moreover, it is safe to use two or more types of dryers to dry the filter medium of the present invention.
[0021]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be specifically described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples. The basis weight, sheet thickness, Gurley stiffness, peel strength, and pressure loss in Examples and Comparative Examples were measured by the following methods.
[0022]
The basis weight measured in the present invention and the thickness of the sheet were measured according to JIS L-1096. The Gurley stiffness was measured according to TAPPI STANDARD T543pm-84, but the measurement was performed with a sample length of 2.5 inches and a width of 1 inch. The peel strength was measured according to TAPPI UM569. The pressure loss was measured according to (Pa), JIS B9908, and the ventilation resistance was measured when air was passed through the filter medium at a wind speed of 5.3 cm / sec. The diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder before and after the drying of the sheet is determined according to the type of paper pulp and its test method (Paper Pulp Technology Association, “Paper Pulp Type and Test Method”, PVA iodine boric acid test, Showa 41, p301. 10), the diameter of the colored fibers was arbitrarily measured with a stereomicroscope, and the average value of the fiber diameters was calculated. About the pleat processing aptitude, the condition of the crack, peeling, and folding shape when passing through a processing machine was judged visually.
[0023]
Example 1:
Polyvinyl alcohol fibrous binder (SPG 056, manufactured by Kuraray Co., Ltd., 7.3 μm × 3 mm) having 90% by weight of ultrafine glass fiber having an average fiber diameter of 6 μm or less, 10% by weight of chopped glass fiber, and 0.5% by weight of filter media Was disaggregated with acidic water having a pH of 3.5 using a pulper to prepare aqueous slurries, and sheets were formed from these slurries using a standard square hand-made paper machine. Acrylic latex (SFA-33, manufactured by Dainippon Ink Co., Ltd.) was applied to the wet paper, the water content of the wet paper was 55%, and then dried at once with a rotary dryer at 130 ° C., and the basis weight was 70 g / A sheet having a fiber diameter of 8.1 μm with a m ² , binder resin content of 6.2% by weight and a swollen polyvinyl alcohol fibrous binder after drying the sheet was obtained.
[0024]
Example 2:
Example 1 was repeated except that the moisture content of the wet paper was 70%. The fiber diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder after drying the sheet was 40 μm, and a sheet having a basis weight of 70 g / m ² and a binder resin content of 5.8% by weight was obtained.
[0025]
Example 3:
Example 1 was repeated except that the polyvinyl alcohol fibrous binder (VPB101 Kuraray Co., Ltd .: 12.9 μm × 3 mm) was 6.0% by weight and the moisture content of the wet paper was 55%. A sheet having a basis weight of 70 g / m ² and a binder resin content of 6.5% by weight and a fiber diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder after sheet drying of 14.2 μm was obtained.
[0026]
Example 4:
Example 2 was repeated except that the polyvinyl alcohol fibrous binder (VPB101, manufactured by Kuraray Co., Ltd., 12.9 μm × 3 mm) was 6.0% by weight and the moisture content of the wet paper was 70%. A sheet having a basis weight of 70 g / m ² and a binder resin content of 6.8% by weight was obtained. The sheet | seat whose fiber diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder after sheet | seat drying is 88.7 micrometers was obtained.
[0027]
Comparative Example 1:
Polyvinyl alcohol fibrous binder (SPG 056, manufactured by Kuraray Co., Ltd., 7.3 μm × 3 mm) having 90% by weight of ultrafine glass fiber having an average fiber diameter of 6 μm or less, 10% by weight of chopped glass fiber, and 0.5% by weight of filter media Was disaggregated with acidic water having a pH of 3.5 using a pulper to prepare aqueous slurries, and sheets were formed from these slurries using a standard square hand-made paper machine. Acrylic latex (SFA-33, manufactured by Dainippon Ink Co., Ltd.) is applied to the wet paper, the water content of the wet paper is set to 35%, and then dried at once with a rotary dryer at 130 ° C., and the basis weight is 70 g / m. ^{2. A} sheet having a binder resin content of 6.1% by weight and a fiber diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder after sheet drying of 7.3 μm was obtained.
[0028]
Comparative Example 2:
Polyvinyl alcohol fibrous binder (SPG 056, Kuraray Co., Ltd., 7.3 μm × 3 mm) having 90% by weight of ultrafine glass fiber having an average fiber diameter of 6 μm or less, 10% by weight of chopped glass fiber, and 6.0% by weight of filter medium Was disaggregated with acidic water having a pH of 3.5 using a pulper to prepare aqueous slurries, and sheets were formed from these slurries using a standard square hand-made paper machine. Acrylic latex (SFA-33, manufactured by Dainippon Ink Co., Ltd.) is applied to the wet paper to make the moisture of the wet paper 95%, and then dried at once with a rotary dryer at 130 ° C., and the basis weight is 70 g / m. ^{2. A} sheet was obtained in which the binder resin content was 6.8% by weight and the polyvinyl alcohol fibrous binder after drying the sheet was not in fiber form.
[0029]
Comparative Example 3:
Example 3 was repeated except that the wet paper moisture was 35%. The fiber diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder after drying the sheet was 13 μm, and the resulting sheet had a basis weight of 70 g / m ² and a binder resin content of 6.7% by weight.
[0030]
Comparative Example 4:
Example 3 was repeated except that the wet paper moisture was 90%. The polyvinyl alcohol fibrous binder after drying the sheet is not in fiber form. The obtained sheet had a basis weight of 70 g / m ² and a binder resin content of 6.9% by weight.
[0031]
Comparative Example 5:
Polyvinyl alcohol fibrous binder (SPG 056, manufactured by Kuraray Co., Ltd., 7.3 μm × 3 mm) having 90% by weight of ultrafine glass fiber having an average fiber diameter of 6 μm or less, 10% by weight of chopped glass fiber and 11.0% by weight of filter medium Was disaggregated with acidic water having a pH of 3.5 using a pulper to prepare aqueous slurries, and sheets were formed from these slurries using a standard square hand-made paper machine. Acrylic latex (SFA-33, manufactured by Dainippon Ink Co., Ltd.) is applied to the wet paper to make the moisture of the wet paper 55%, and then dried at once with a rotary dryer at 130 ° C., and the basis weight is 70 g / m. ^{2. A} sheet having a binder resin content of 13.0% by weight and a fiber diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder after sheet drying of 8.1 μm was obtained.
[0032]
The sheet physical properties are summarized in Table 1.
[0033]
[Table 1]

[0034]
The filter media shown in Examples 1 to 4 were air filter media having high Gurley stiffness and peel strength, little increase in pressure loss, and good pleating characteristics.
[0035]
In Comparative Example 1, the pressure loss does not increase, but the Gurley stiffness and peel strength are low, and the pleat pleatability is poor.
[0036]
In Comparative Example 2, the pressure loss is remarkably increased, and the Gurley stiffness and peel strength are low. Moreover, the suitability for pleat pleating is poor.
[0037]
In Comparative Example 3, the pressure loss does not increase, but the Gurley stiffness and peel strength are low. Moreover, the suitability for pleat pleating is poor.
[0038]
In Comparative Example 4, the pressure loss is remarkably increased, and the Gurley stiffness and peel strength are low. Moreover, the suitability for pleat pleating is poor.
[0039]
In Comparative Example 5, the pressure loss is greatly increased, and the Gurley stiffness and peel strength are high. Moreover, the suitability for pleat pleating is poor.
[0040]
【The invention's effect】
The present invention provides a novel filter medium that does not impair suitability as a filter medium for an air filter by controlling the degree of melting of the polyvinyl alcohol fibrous binder in the internal addition method for the filter medium for an air filter. is there.

Claims

In air filter media made of nonwoven fabric with a basis weight of 25 to 150 g / m ² , the polyvinyl alcohol fibrous binder that adheres the constituent fibers swells while maintaining the fiber form without being completely dissolved, and is uniform in the thickness direction of the filter media The filter medium for air filters characterized by existing in.

The filter medium for an air filter according to claim 1, wherein the polyvinyl alcohol fibrous binder after swelling according to claim 1 has a fiber diameter of 7.5 to 110 µm.

The filter medium for an air filter according to claim 1, wherein the fiber diameter of the polyvinyl alcohol fibrous binder after swelling according to claim 1 is 1.1 to 7 times the fiber diameter before swelling.

The filter medium for an air filter according to any one of claims 1 to 3, wherein the polyvinyl alcohol fibrous binder in the filter medium is 0.1 to 10% by weight based on the weight of the filter medium.

The air filter medium according to any one of claims 1 to 4, wherein the air filter medium is a nonwoven fabric mainly composed of glass fibers.

A method for producing a filter medium for an air filter according to any one of claims 1 to 5, wherein a raw material fiber is slurried in water, a polyvinyl alcohol fibrous binder is added during the slurrying step, and the resulting slurry The above method is characterized in that paper is made with a paper machine to form a wet paper with a moisture content of 50 to 80% by weight and dried.