JP3847845B2 - コンドーム用潤滑性薬剤およびそれを利用したコンドーム - Google Patents

コンドーム用潤滑性薬剤およびそれを利用したコンドーム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンドーム用潤滑性薬剤およびその薬剤を付着させたコンドームに関するものであり、詳しくは、スクアレン、その部分水素添加物およびスクアランからなる群より選ばれた1種以上の化合物を使用した、人体に安全でかつ使用中を通じて潤滑性を保ち得る、優れた性能のコンドーム用潤滑性薬剤およびそれを付着させたコンドームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンドーム用潤滑性薬剤としては、シリコーンオイル、グリセリン、ワセリン等が使用されている。しかしながら、シリコーンオイルは人体に悪影響があるとされ、使用が中止される傾向にある。また、グリセリンやワセリンは単独で使用すると潤滑性の点で問題がある。
特開平7−267849号公報には、スクワラン(スクアラン)を使用したコンドーム用の潤滑剤が記載されているが、スクアランの使用量は潤滑剤の成分中5%以内であり、十分にその長所を利用しているとはいえない。
特開平7−227404号公報には、シリコーンオイルに超高分子量ポリエチレンの粉末を配合することにより、装着性や生産工程の操作性を改良することが記載されている。しかし、この発明ではシリコーンオイルを使用しているので好ましくない上に、さらに単に超高分子量ポリエチレンの粉末が使用されているだけであるため、使用中を通して潤滑効果を期待することはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、人体に影響のない材料を用いて、潤滑性や使用感に優れ、使用中を通して適度な潤滑効果が得られるコンドーム用潤滑性薬剤およびそれを付着させたコンドームを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような目的に鑑み鋭意検討した結果、スクアレン類を用いることにより優れた潤滑性薬剤が得られることを見出して発明を完成した。 すなわち、本発明の第1は、スクアレン、その部分水素添加物およびスクアランからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含む粉末状材料からなるコンドーム用潤滑性薬剤、およびそれを付着させたコンドームに関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明においては、スクアレン、その部分水素添加物およびスクアランからなる群より選ばれた1種以上の化合物(以下「スクアレン類」という)を含む粉末状材料を使用する。
本発明において用いるスクアレンは、下記一般式〔I〕で示される多不飽和化合物である。
【0006】
【化1】
Figure 0003847845
【0007】
上記一般式〔I〕の化合物は、オリーブ油、米ぬか油、トウモロコシ油などの植物油および鶏肉、豚肉、一般魚類などの動物油など、各種の動植物原料ならびに人体にも微量含まれているので、これらから採取して使用することができる。しかしながら、アイザメ、ユメザメ、ヘラツノザメ、カスミザメ等の深海鮫の肝油に多量に含有されているため、これらの肝油から採取することが有利である。また、イソプレン等から合成した合成スクアレンも使用することができるが、動植物由来の天然スクアレンが好ましい。
【0008】
本発明で用いるスクアランとは、上記スクアレンの完全水素添加物である。生体内からもスクアランは見出されており、スクアランもまたスクアレンと同様に生体反応生成物とみなし得るといわれている。本発明においてスクアランを使用する際には、天然スクアレンの完全水素添加物を使用することが望ましい。
また、本発明においてはスクアレン、好ましくは天然スクアレンの部分水素添加物も用いることができる。
これら3種の化合物は、適宜に混合して使用してもよい。
なお、上に述べた水素添加化合物は、白金、コバルト、モリブデン、ニッケルまたはこれらの混合物からなる金属触媒により、常法に従い水素添加することにより得られる。特にヨウ素価が3.5g/100g 以下のものは、酸化安定性が高く好ましい。
【0009】
また、スクアレンやスクアランは、体内で速やかに吸収、消化および代謝が進行するといわれている。したがって、スクアレン、スクアラン等が粘膜や傷口等から体内に侵入しても、吸収および消化され易く、蓄積されることによる問題は少ない。
本発明に使用するスクアレン、スクアラン、およびスクアレンの部分水素添加物は、生体内に存在する物質であるため人体に無害である。
【0010】
本発明において、スクアレン類を含む粉末状材料とは、人体に悪影響を及ぼさないものであれば、いかなるものでもよいが、代表的なものを挙げれば、
(1)スクアレン類がマイクロカプセル内に保持されているもの、
(2)スクアレン類が環状分子内に吸着されているもの、
(3)スクアレン類が多孔質の粉末に吸着されているもの等がある。
以上の方法の内、代表的なものを以下に説明する。
【0011】
(1)のマイクロカプセルを利用するものとしては、例えば、スクアレン類10〜85重量%、タンパク質またはタンパク質アルカリ金属塩2〜70重量%、糖または糖複合体5〜70重量%ならびに乳化剤および/または安定剤0.1〜20重量%を配合し粒子分散体として、これを乾燥したものが挙げられる。
上記の粉末材料の製造においては、通常スクアレン類からなる油相部とタンパク質を溶解した水相部とを混合する方法が用いられる。
すなわち、スクアレン類と少量の乳化剤を配合して油相部を製造する。乳化剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、モノグリセリド、レシチン等があるが、本発明においては食品添加物として認められているものを使用することが好ましい。これらの乳化剤は、スクアレン類100重量部に対して1〜20重量部の範囲で使用する。必要に応じて、キサンタンガム、植物硬化油等の安定剤を配合することができる。
次に、水相部として、カゼインまたはカゼインアルカリ金属塩等のタンパク質と、デキストリン、サイクロデキストリン、乳糖、ショ糖等または糖複合体とを配合し、全配合物の重量の1〜3倍量の水に溶解し、40〜70℃に保つ。この際、糖複合体としてコンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、λ、ι、κ−カラギーナン等の酸性多糖類を配合すれば、坑ウイルス作用を期待することができる。この水相部には、必要に応じて、安定剤としての微結晶セルロースおよび乳化剤等を配合することができる。
次いで、上記油相部を攪拌しながら水相部に添加するが、この際、油相部は予め水相部と同じ温度に加熱しておくことが好ましい。また、油相部と水相部とは予め十分に粒子分散体とした後、加圧や超音波などの条件下でさらに細かい粒子としておく。特に好ましい方法としては、加圧式ホモジナイザーを使用し、圧力100〜200kg/cm2および攪拌回転数5,000〜10,000rpm の条件で 10〜20分間処理する。
得られた粒子分散体中の粒子を乾燥して粉末とする。乾燥の方法としては、凍結乾燥、噴霧乾燥等が用いられる。
上記の方法による粒子は、粒子の外層がタンパク質、糖または糖複合体、乳化剤および/または安定剤で構成され、粒子の内側にスクアレン類が存在すると考えられる。
上記の粉末については、前記の通り粉末100重量%中にスクアレン類が10〜85重量%含まれていることが好ましい。
【0012】
(1)の形態を有する他のものとしては、スクアレン類を海藻類または植物から得られる重合体で被覆したものがある。
具体的には、上記と同様に、スクアレン類および界面活性剤からなる油相部と、海藻類または植物から得られる重合体を溶解した水相部とを混合して製造する。すなわち、まずスクアレン類と少量の乳化剤を配合して油相部を製造する。用いる乳化剤の種類および量は上記と同様である。ただし、必要に応じて、キサンタンガム、植物硬化油、蜜蝋等の安定剤を配合することができる。この時の温度は、60℃から80℃が好ましい。
次に、水相部としては、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース等の海草類または植物から得られる重合体を水に溶解する。必要に応じ、安定剤として微結晶セルロースを加えてもよい。
次いで、上記油相部を攪拌しながら水相部に添加する。添加方法および乾燥方法は前記と全く同様である。
得られた粒子は、粒子の外層が海草類または植物から得られる重合体で構成され、粒子の内側にスクアレン類が存在すると考えられる。
この場合も、粉末100重量%中にスクアレン類が10〜85重量%含まれていることが好ましい。
【0013】
(2)の環状分子を利用するものは、サイクロデキストリンやクラウンエーテル等の環状分子にスクアレン類を吸着させ包接化合物として使用する。
以下、サイクロデキストリンを使用する場合について説明する。
サイクロデキストリンは、主に澱粉に酵素を作用させて製造され、ブドウ糖が6分子(α型)、7分子(β型)または8分子(γ型)の環を形成した構造からなり、環の内側が親油性、外側が親水性を有する物質である。本発明においては、上記α型、β型およびγ型の他に、分岐型糖からなるサイクロデキストリンや、修飾されたサイクロデキストリンも使用することができる。
サイクロデキストリン100重量部に対して、スクアレン類5〜100重量部、好ましくは20〜80重量部を使用する。
まず、サイクロデキストリンを20〜70℃程度の水に溶解する。この際サイクロデキストリンの濃度を30〜80重量%程度とすることが好ましい。次にこの中へ、適当量のスクアレン類を攪拌しながら徐々に添加する。その後、十分に攪拌し、均一化する。均一化する際の典型的な条件としては、攪拌回転数 5,000〜10,000rpm、圧力1,000〜10,000hPa、および10〜20分間の範囲を用いる。その際必要に応じ、界面活性剤、オイル、タンパク質等を加えてもよい。得られた溶液を、任意の方法、例えば凍結乾燥、噴霧乾燥等により乾燥して粉末化する。
【0014】
(3)の多孔質粉末を利用するものとしては、多孔質シリカ、水溶性シリカ、ゼオライト、けいそう土、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、多孔質ポリスチレン等にスクアレン類を吸着させたものが挙げられる。この場合、使用する多孔質粉末は、食品添加物であることが好ましい。また、多孔質粉末100重量部に対し、スクアレン類を50〜500重量部の範囲で使用する。必要に応じて、粉末化した後または粉末化の過程において、キチンやキトサン等でコーティングしてもよい。
製造方法については任意である。例えば、上記の多孔質粉末にスクアレン類を等量程度配合し、攪拌して放置する方法や、攪拌した後、凍結乾燥して粉砕する方法等が考えられる。
【0015】
上記で得られた粉末状材料の粒径は、平均1〜250μm、好ましくは5〜 100μm程度である。
これらの粉末状材料は、体液による溶解、皮膚や粘膜との接触による圧力や摩擦等によりスクアレン類を放出する。その結果、使用中を通じて徐々にスクアレン類が放出され、潤滑性を保つことができる。
特に前記(1)の方法によるるものは、スクアレン類が外気に接触する機会が少ないため、酸化等による変性が少ないという効果が期待され、スクアレン類を多量に含有させることができるので好ましい。
【0016】
本発明においては、上記の粉末材料を潤滑性薬剤としてコンドームに付着させる。
潤滑性薬剤としては、粉末状材料を付着させるだけでも十分に使用し得ると考えられるが、粉末状材料にさらに付着助剤を配合してもよい。付着助剤は、人体に対して影響のない液体であれば用いることができるが、通常は潤滑効果のあるものを使用することが好ましい。潤滑効果のあるものは、初期の潤滑を補助する効果を示す。具体的には、アボガド油、アルギン酸プロピレングリコール、アーモンド油、オリーブ油、カルボキシビニルポリマー、グリセリン、ゴマ油、スクアレン類、大豆油、流動パラフィン、エチレングリコールまたはその重合体、プロピレングリコールまたはその重合体、パーム油、ヒマシ油、ミンク油、ワセリン、ポリビニルアルコール、オレフィンオリゴマー、ローズオイル、各種ハーブ油、ポリアクリルアミド、ソルビトール、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ビタミンA油、ホホバ油、馬油、ゼラチン、蜂蜜、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、コレステロール、コレステロール脂肪酸エステル、リゾリン脂質類、液状イソプレンゴムや液状天然ゴムなどのゴム類、ビタミンE、レシチン等が挙げられる。また、これらの物質は不純物として水を含むものであってもよい。
さらに、本発明において粉末状材料を製造する際、スクアレン類の一部が液状で残っている場合は、液状のスクアレン類自体が付着助剤の作用を示す。
本発明においては、上記の粉末状材料100重量に対して付着助剤200重量部以下、好ましくは20〜150重量部の範囲で使用する。200重量部を超えると、スクアレン類が十分に効果を発揮せず保湿性等が低下する。
本発明において上記の粉末状材料と付着助剤とを混合したものは、液状、グリース状、クリーム状、ゼリー状などのいずれの形態であってもよい。その粘度は25℃で100〜1,000cP程度が好ましい。
【0017】
本発明の潤滑性薬剤には、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、メンソール、ビタミンE、酸化防止剤、増量剤、キチンやキトサン等の坑菌剤、防腐剤、殺精剤、消炎剤、界面活性剤等の乳化剤を添加することができる。これらの添加剤はいずれも油溶性のものが好ましい。一般的には、粉末状材料中のスクアレン類の重量の1/3まで添加することができる。
【0018】
上記成分の配合方法は任意である。例えば、上記粉末状材料、または粉末状材料と付着助材とを粘度調整剤に配合してからコンドームに付着してもよいし、予め粘度調整剤をコンドームに塗布した後、粉末状材料等を付与してもよい。
【0019】
本発明の第2は上記潤滑性薬剤を付着させたコンドームである。
対象となるコンドームとしては、ラテックス等の天然ゴム製コンドーム、SBRラテックス等の合成ゴム製コンドーム、コラーゲン製コンドーム、またはポリウレタン等のプラスチック製のコンドーム等が挙げられる。これらのコンドームは、表面を放射線、オゾン、プラズマ、電子線等で処理したもの、あるいは潤滑性薬剤の保持を良好にするため表面にモノマーを付加したものであってもよい。
【0020】
上記潤滑性薬剤をコンドームに付着させる方法は任意である。本発明の潤滑性薬剤をコンドームに対し噴霧してもよいし、コンドームを潤滑性薬剤の中に漬漬してもよい。あるいは、刷毛などで塗布してもよい。通常はコンドームの両面に本発明の潤滑性薬剤を付着させることが望ましい。
本発明の潤滑性薬剤は、コンドーム1個あたり0.05〜20gの範囲の量で全体に均一に付着させることが好ましい。
具体的な付着方法について例を挙げれば、液体状であれば、コンドームの鋳型をポリイソプレン溶液にディッピングし、架橋し乾燥させてコンドームを成形した後、本発明の潤滑性薬剤を噴霧、ドロッピング、ディッピング等の各種の手段により付着させる方法や、成形したコンドームを鋳型上で円盤状に巻き上げ、それに潤滑性薬剤をドロッピングして毛細管現象により全体に浸透させる方法等がある。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
<潤滑性薬剤の製造例>
(1)粉末A
水200部を65℃の温度に保ち、その中へ表1に示す▲2▼水相部の成分を溶解させた。次いで、同表の▲1▼油相部の成分混合物を少量ずつ添加し、予備的に分散させた。その後、加圧式ホモジナイザーを用いて圧力150kg/cm2で細かい粒子に分散させ、噴霧式乾燥機により乾燥することにより、さらさらした粉末状組成物を得た。
(2)粉末B
表1に示す▲1▼油相部および▲2▼水相部の組成を用いて、粉末Aの場合と同様の操作により、さらさらした粉末状組成物を得た。
(3)粉末C
表1に示す組成を用いて、粉末Aの場合と同様の操作により、ベタついた粉末状組成物を得た。
(4)粉末D
サイクロデキストリン30重量%の水溶液1000gに、深海鮫肝油から採取したスクアレン210gを配合し、65℃において十分に攪拌した。その後、加圧式ホモジナイザーを用いて圧力150kg/cm3で処理し、噴霧式乾燥機で乾燥して、さらさらした粉末状組成物を得た。
(5)粉末E
多孔質シリカ(食添グレード)100gに、深海鮫肝油より採取したスクアレン50gを配合し攪拌した。凍結した後に粉砕して粉末とし、次いでキトサンによりコーティングを行った。
(6)粉末F
表1に示す組成を用いて、粉末Aの場合と同様の操作により、さらさらした粉末状組成物を得た。
(7)粉末G
表1に示す組成を用いて、粉末Aの場合と同様の操作により、べたついた粉末状組成物を得た。
(8)粉末H
表1に示す組成を用いて、粉末Aの場合と同様の操作により、さらさらした粉末状組成物を得た。
(9)粉末I
表1に示す組成を用いて、粉末Aの場合と同様の操作により、さらさらした粉末状組成物を得た。
(10)粉末J
表1に示す組成を用いて、粉末Aの場合と同様の操作により、さらさらした粉末状組成物を得た。
【0022】
【表1】
Figure 0003847845
【0023】
<コンドームの製造>
天然ゴム製ラテックス製コンドームおよびポリエーテル系ウレタン製コンドームを製造し、各実施例に記載された潤滑性薬剤をコンドームの表裏に塗布した。
【0024】
<使用結果の判定方法>
25名の男性モニターに使用させ、以下の2つの質問に対する回答の結果を集計する。
比較としては、グリセリンとワセリンの混合物を使用した潤滑性薬剤を塗布した従来品を用いた。
質問1:従来品と比べてどうか
A:従来品よりも使用感、装着感等がよい
B:従来品と比べ使用感、装着感等が変わらない(判らないも含む)
C:従来品の方が使用感、装着感等がよい
質問2:潤滑性は十分な時間保持されたか
A:従来品より保持された
B:従来品と変わらない(判らないも含む)
C:従来品の方が保持されている
【0025】
<実施例1、比較例1>
表2に示す組成物0.5gをそれぞれ水に濡れた手にとり、両手でこすり、どちらが長く潤滑性を保つかを調べた。
10人の試験者でこれを行い評価した。結果は以下の通りである。
実施例1が長いと答えた者 8名
比較例1が長いと答えた者 2名
なお、いずれの組成物においても、試験者たちの手の肌につやが出るなど、実験目的以外に予想外の反応が見られた。このことからも、スクアレン類が身体に接触する材料として優れていることが判る。
【0026】
<実施例2〜7>
表2に示す組成の潤滑性薬剤を用いて、前記の方法によりコンドームの製造を行い、使用結果の判定を行った。結果を表3および4に示す。
【0027】
【表2】
Figure 0003847845
【0028】
【表3】
Figure 0003847845
【0029】
【表4】
Figure 0003847845
【0030】
<実施例8〜12>
表5に示す組成の潤滑性薬剤を製造した。
実施例8〜12ではモニターによる試験は行わなかったが、その潤滑性はコンドーム用として十分に使用できることが明かとなった。
【0031】
【表5】
Figure 0003847845
【0032】
【発明の効果】
本発明により、生体適合性を有するスクアレン類を多く含むため安全で、優れた潤滑効果があり、かつ保湿効果も有するコンドーム用潤滑性薬剤、およびそれを使用したコンドームを提供することができる。
また、本発明の潤滑性薬剤は、粉末と共にスクアレン類を含み、スクアレン類が粉末から徐々に放出されるため、使用期間中適度の潤滑性を得ることができる。
さらに、粉末を配合するため、コンドームを製造する際の操作性が良好である。
なお、スクアレン類は細胞活性効果や消炎作用あるいは男女ホルモンの活性化能があるといわれるため、コンドーム用の潤滑性薬剤として好ましい物質である。

Claims (6)

  1. スクアレン、その部分水素添加物およびスクアランからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含む粉末状材料からなるコンドーム用潤滑性薬剤。
  2. 前記粉末状材料に付着助剤を配合した請求項1に記載のコンドーム用潤滑性薬剤。
  3. 前記粉末状材料が、スクアレン、その部分水素添加物およびスクアランからなる群より選ばれた1種以上の化合物10〜85重量%、タンパク質2〜70重量%、糖または糖複合体5〜70重量%ならびに乳化剤および/または安定剤0.1〜20重量%を主成分としてなることを特徴とする請求項1または2に記載のコンドーム用潤滑性薬剤。
  4. 前記粉末状材料が、スクアレン、その部分水素添加物およびスクアランからなる群より選ばれた1種以上の化合物をサイクロデキストリンに包接してなることを特徴とする請求項1または2に記載のコンドーム用潤滑性薬剤。
  5. 前記粉末状材料が、スクアレン、その部分水素添加物およびスクアランからなる群より選ばれた1種以上の化合物を多孔質粉末に吸着させてなることを特徴とする請求項1または2に記載のコンドーム用潤滑性薬剤。
  6. 請求項1〜5のコンドーム用潤滑性薬剤を付着させたコンドーム。
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