JP3847598B2 - 車輪用転がり軸受装置 - Google Patents
車輪用転がり軸受装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3847598B2 JP3847598B2 JP2001321699A JP2001321699A JP3847598B2 JP 3847598 B2 JP3847598 B2 JP 3847598B2 JP 2001321699 A JP2001321699 A JP 2001321699A JP 2001321699 A JP2001321699 A JP 2001321699A JP 3847598 B2 JP3847598 B2 JP 3847598B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring member
- outer ring
- bolt insertion
- wheel
- component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
- Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪用転がり軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車輪用転がり軸受装置には、図11および図12に示すように、外輪部材50に転動体を介してハブホイール51およびこのハブホイール51に軸心52回りに回転一体に連結された等速ジョイントの椀形外輪部材53を有するものがある。
【0003】
前記ハブホイール51の外周面には、図示しないブレーキディスクロータおよびタイヤホイールを取付けるためのハブフランジ54が形成され、外輪部材50の外周面には、車体側に組付けられて前記外輪部材50を外嵌するよう設けられるナックル55に取付けられる取付けフランジ56が形成されている。
【0004】
ところで、前記椀形外輪部材53の径が大きいと、それに応じてナックル55に形成する挿通穴57を大きくしなければならず、従ってナックル55が大型化してしまう。このことから、ナックル55を径方向で上部ナックル55Aと下部ナックル55Bとに分割し、上部ナックル55Aと下部ナックル55Bとで外輪部材50を挟み込むようにしている。そして前記下部ナックル55Bには、ロアーボールジョイントの取付け部55Cが形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の車輪用転がり軸受装置では、ナックル55は組付けの都合上、上部ナックル55Aと下部ナックル55Bとに分割しており、部品点数が増加している。また、下部ナックル55Bには、ロアーボールジョイントの取付け部55Cが形成されており、上部ナックル55Aと下部ナックル55Bとを外輪部材50に嵌合した後は、上部ナックル55Aと下部ナックル55Bとを一体化(例えばボルト・ナットを用いる)する作業が必要になるため、装置の組付けに時間がかかり、生産性の低下の原因になっている。
【0006】
そこで本発明は、上記課題を解決し得る車輪用転がり軸受装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明における車輪用転がり軸受装置は、車輪を取り付けるための内輪部材が、外輪部材に転動体を介して軸心周りに回転自在に支持され、前記外輪部材が支持部材を介して車体に非回転に支持される車輪用転がり軸受装置であって、前記支持部材は、前記外輪部材の径方向一側から嵌合可能なように一方を開放した略馬蹄形の第一構成部材と、この第一構成部材と径方向他側で対になるロアーボールジョイントの取付け部である第二構成部材とから構成され、この第二構成部材のみが前記外輪部材の径方向他側に単一の素材から鍛造によって一体的に形成され、前記第一構成部材は、前記外輪部材と第一構成部材とを取り付けるための複数のボルト挿通孔を備え、前記ボルト挿通孔は、前記内輪部材よりも径方向上側に複数形成された第1のボルト挿通孔と、前記内輪部材よりも径方向下側に複数形成された第2のボルト挿通孔とからなり、前記内輪部材の軸心から前記第2のボルト挿通孔の中心までの距離d1が、前記内輪部材の軸心から前記第1のボルト挿通孔の中心までの距離d2よりも大きくされるとともに、前記第2のボルト挿通孔の中心は、前記内輪部材の軸心を中心として前記距離d1を半径とする仮想円の外側に配置された。
また、前記外輪部材と前記第二構成部材は、軸受鋼または構造用合金鋼または炭素鋼からなる単一の素材から、鍛造により形成されていることが好ましい。
また、前記外輪部材の内周面の外輪軌道面には、表面硬化処理により硬化層が形成されていることが好ましい。
【0008】
上記構成のように、支持部材の構成要素として、一方を開放した略馬蹄形の第一構成部材を設けたことによれば、この第一構成部材に、外輪部材を径方向一側から嵌合するようにすることで、第一構成部材と外輪部材とを容易に結合することができ、第一構成部材と径方向他側で対になる第二構成部材を外輪部材の径方向他側に一体的に設けた構成によれば、第一構成部材と外輪部材とを結合すれば、第一構成部材と第二構成部材とを結合する工程が省略でき、従って、車輪用転がり軸受装置の製造のための作業性が向上するとともに、生産性が向上する。
【0009】
加えて外輪部材と第二構成部材とを一体ものとして形成すれば、第二構成部材を外輪部材にボルト・ナット等の結合手段によって一体的に結合した場合に比べて、剛性が向上する。
【0010】
また、前記第二構成部材がロアーボールジョイントの取付け部とした構成によっても、上記と同様に車輪用転がり軸受装置の製造のための作業性が向上するとともに、生産性が向上し、第二構成部材を外輪部材にボルト・ナット等の結合手段によって一体的に結合した場合に比べて、剛性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る車輪用転がり軸受装置の構成を説明する。図1は車輪用転がり軸受装置の全体断面図、図2は支持部材を取付ける前の斜視図、図3は支持部材を取付けた後の斜視図、図4は支持部材の第一構成部材の正面図、図5は使用形態を示す模式図である。
【0012】
本発明の実施の形態に係る車輪用転がり軸受装置1は、駆動輪操舵側に用いられるものであり、外輪部材2と、この外輪部材2に二列の玉3,4(転動体の一例)を介して軸心5回りに回転可能に支持される内輪部材6と、前記外輪部材2を、図示しない車体側へ非回転に支持するための支持部材(以下「ナックル」という)7とを有している。
【0013】
前記外輪部材2の外周面には、径方向外向きに突出した取付けフランジ8が形成されている。
【0014】
前記内輪部材6は、ハブホイール9と、このハブホイール9の中心穴9aにスプライン嵌合する軸部10が一体形成された等速ジョイントの椀形外輪部材11とから構成されている。前記ハブホイール9の、外輪部材2から車両アウタ側に突出した部分の外周面には、径方向外向きに突出するハブフランジ12が形成され、このハブフランジ12の周方向所定位置に、図示しないブレーキディスクロータおよびタイヤホイールを取付けるためのハブボルト13が圧入されている。
【0015】
前記各列の玉3,4は、それぞれ冠形保持器14によって周方向等配位置に保持され、一方列の玉3は、ハブホイール9の外周面を内輪軌道面とし、他方列の玉4は前記等速ジョイントの椀形外輪部材11の外周面を内輪軌道面としている。そして各列の玉3,4は、前記外輪部材2の内周面を共通の外輪軌道面とし、この車輪用転がり軸受装置1は、複列アンギュラ玉軸受の構成となっている。
【0016】
またこの車輪用転がり軸受装置1は、前記外輪部材2と内輪部材6との間の環状軸受空間15を車両アウタ側でシールするためのシール部材16と、外輪部材2と内輪部材6との間の環状軸受空間15を車両インナ側でシールするためのシール部材17とを有している。
【0017】
前記環状軸受空間15を車両アウタ側でシールするためのシール部材16は、図示しないが外輪部材2の内周面に嵌着された芯金およびこの芯金に固定されてハブホイール9の外周面に接触するリップを有する合成ゴム製の弾性シールとを備えている。
【0018】
前記環状軸受空間15を車両インナ側でシールするためのシール部材17は、外輪部材2の内周面に嵌着されるとともに芯金を兼用して等速ジョイントの椀形外輪部材11側に延長した延長部20を有する第一環体21と、この第一環体21に固定されて等速ジョイントの椀形外輪部材11の周面に摺接するリップ部を有する合成ゴム製の弾性シール19体と、等速ジョイントの椀形外輪部材11の外周面に嵌着されて前記延長部20がわずかな隙間を置いて挿入される断面コ字形の第二環体22とから構成されている。
【0019】
すなわち、延長部20と第二環体22とでラビリンスを構成して泥水等が環状軸受空間15に侵入するのを確実に防止している。また両シール部材16,17によって環状軸受空間15に封入されたグリース等の潤滑剤が外部に漏れることが防止される。
【0020】
次に前記ナックル7の構成を説明する。このナックル7は、図2および図4に示すように、前記外輪部材2を車体側へ非回転に支持するために、前記外輪部材2の上側(径方向一側)から嵌合可能なように、一方すなわち下側を開放するよう形成した略馬蹄形の第一構成部材23と、この第一構成部材23と径方向他側で対になる第二構成部材24とから構成されている。
【0021】
前記第一構成部材23は、複数の取付け部25(サスペンション、ブレーキキャリパ、ステアリング等が連結される)と、前記外輪部材2の上側から外嵌するとともに、前記外輪部材2の取付けフランジ8に、車両インナ側で重ねられる下側開放の支持部26とから構成されている。
【0022】
そしてこの支持部26は、前記取付け部25が径方向外向きに突出するようこれを一体的に形成した半円状部27と、この半円状部27の両側から下方に延長された一対の延長部28とから形成されている。
【0023】
これら延長部28の間の径方向離間距離は、半円状部27の内径Dに等しく形成され、この内径は外輪部材2の直径に一致している。
【0024】
前記取付けフランジ8の周方向所定位置にボルト挿通孔29が形成され、このボルト挿通孔29に周方向で位相が一致する別のボルト挿通孔30が、前記半円状部27および延長部28に振り分けて形成されている。すなわち前記半円状部27には、内輪部材6の軸心5を中心とする仮想円上に、二個の第一ボルト挿通孔30aが径方向対称位置に形成され、延長部28にはそれぞれ一個の第二ボルト挿通孔30bが形成されている。
【0025】
これら第二ボルト挿通孔30bは、その中心が、前記内輪部材6の軸心5を中心とした支持部26上の仮想円から離れる位置で、かつ前記内輪部材6の軸心5までの距離d1が、半円状部27に形成した第一ボルト挿通孔30aの中心から内輪部材6の軸心5までの距離d2よりも大きくなる位置に配置されている。
【0026】
さらに具体的には、第二ボルト挿通孔30bはその中心が、半円状部27と延長部28との水平境界線における、仮想円31上の接点32から下方に延長される接線33上に配置されている。なお、各第二ボルト挿通孔30bは、延長部28上で前記接点32から可及的に離間した位置に形成されている。
【0027】
図1の符号38は、取付けフランジ8のボルト挿通孔29およびボルト挿通孔30を挿通して、取付けフランジ8にナックル7の第一構成部材23を固定するための取付けボルトを示す。
【0028】
前記第二構成部材24は、ロアーボールジョイント(図示せず)の取付け部であり、この第二構成部材24は、側面視略L字形に形成されてその基端部が前記外輪部材2に一体ものとして形成されている。この第二構成部材24の先端部には、ロアーボールジョイントのボールスタッドを挿通支持する支持孔34が形成されている。
【0029】
なお、前記外輪部材2およびナックル7は、軸受鋼(SUJ2規格)あるいは構造用合金鋼(SCM規格)あるいは炭素鋼を用いて、鍛造により形成されている。
【0030】
また、前記外輪部材2の内周面である玉3,4の外輪軌道面には,高周波焼入れ等の表面硬化処理が施されている。そしてこの表面硬化処理により形成された硬化層は軌道間で連続してもいいし、不連続であってもよい。
【0031】
図5に示すように、前記車輪用転がり軸受装置1は、駆動シャフトアッセンブリ35に組込まれるように、車両のデファレンシャル36に連結され、この駆動シャフトアッセンブリ35は、駆動シャフト37(動力伝達軸)の車両アウタ側に等速ジョイントJ1を取付け、駆動シャフト37の車両インナ側(デファレンシャル36側)に別の等速ジョイントJ2を取付けた構成である。
【0032】
上記構成の車輪用転がり軸受装置1において、外輪部材2に、一方列の玉3を介してハブホイール9を組込み、このハブホイール9の中心穴9aに軸部10を挿通するようにして、椀形外輪部材11を他方列の玉4を介して外輪部材2に組込み、軸部10の端部をハブホイール9の端面に対してかしめることで、ハブホイール9と椀形外輪部材11とを軸心5回りに回転一体に結合する。そして、駆動シャフトアッセンブリ35を組立て、外輪部材9にナックル7の第一構成部材23を組付ける。このとき、第一構成部材23は、下側を開放するよう略馬蹄形に形成しているので、車輪用転がり軸受装置1の外輪部材2を第一構成部材23の下方から(第一構成部材23を外輪部材9の上方から)嵌合するようにし、取付けボルト34を、取付けフランジ8のボルト挿通孔29およびボルト挿通孔30を挿通して締付けることで、外輪部材2とナックル7の第一構成部材23とを組付ける。
【0033】
このように、本発明の実施の形態によれば、ロアーボールジョイントの取付け部である第二構成部材24を車輪用転がり軸受装置1の外輪部材2に一体ものとして形成し、ナックル7の第一構成部材23のみを外輪部材2に組付けるようにしたことにより、従来のように、ナックル55を径方向で上部ナックル55Aと下部ナックル55Bとに分割した場合に比べて、車輪用転がり軸受装置1全体としての部品点数を減らすことができる。また、ナックル55を径方向で上部ナックル55Aと下部ナックル55Bとに分割した従来の場合では、両者を接合するためのボルト・ナットが必要であったが、本発明の実施の形態ではこのような接合用のボルト・ナットも省略することができ、装置全体の軽量化を図ることができる。
【0034】
また、第二構成部材24は、ロアーボールジョイントの取付け部であり、この第二構成部材24は、外輪部材2に一体ものとして形成しているので、第一構成部材23を外輪部材9に取付けるのみで、その後にこの第一構成部材23と第二構成部材24とを結合する必要がないため、作業性、生産性が向上する。
【0035】
加えて外輪部材2と第二構成部材24とを一体ものとして形成することにより、従来のように下部ナックル55Bを取付けフランジ8にボルト・ナットで組付けた場合に比べて、接合部の剛性を向上させることができる。
【0036】
さらに、ナックル7における第二ボルト挿通孔30bは、その中心が、内輪部材6の軸心5を中心とした支持部26上の仮想円から離れる位置で、かつ内輪部材6の軸心5までの距離d1が、半円状部27に形成した第一ボルト挿通孔30aの中心から内輪部材6の軸心5までの距離d2よりも大きくなる位置に配置されている。
【0037】
このように、内輪部材6の軸心5までの距離d1を、半円状部27に形成した第一ボルト挿通孔30aの中心から内輪部材6の軸心5までの距離d2よりも大きくなる位置に配置したことにより、距離d1を距離d2よりも大きくした分だけ軸心5方向に垂直に働くねじりモーメント荷重に対する剛性を向上させることができる。
【0038】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば下記(3)〜(5)に示すように、本発明の範囲内で種々の応用や変形が考えられる。
【0039】
(1)図6に示す参考例は、外輪部材2を形成した後に、外輪部材2に形成した取付け用フランジ8の一部8aを含むように、軸受鋼(SUJ2規格)あるいは構造用合金鋼(SCM規格)あるいは炭素鋼で、鋳造により第二構成部材24が外輪部材2に一体的に形成されている。他の構成は、上記実施の形態と同様であるので省略する。そしてこの構成においても上記実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0040】
(2)図7に示す参考例は、外輪部材2の外周面の所定箇所に、ナックル7の第二構成部材24の取付け面に埋まり込む係止片2aが形成され、この係止片2aを含むように、軸受鋼(SUJ2規格)あるいは構造用合金鋼(SCM規格)あるいは炭素鋼で、鋳造により第二構成部材24が外輪部材2に一体的に形成されている。他の構成は、上記実施の形態と同様であるので省略する。そしてこの構成においても上記実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0041】
(3)図8に示した車輪用転がり軸受装置1は、従動輪操舵側に用いられるもので、外輪部材2の外周面に、径方向外向きに突出する取付けフランジ8が形成され、この取付けフランジ8に、ナックル7の第一構成部材23が取付けボルト38を介して固定され、外輪部材2は、第一構成部材23を介して車体側に非回転に支持される。外輪部材2の外周面の下部にナックル7の第二構成部材24が、軸受鋼(SUJ2規格)あるいは構造用合金鋼(SCM規格)あるいは炭素鋼で、鍛造によって一体形成されている。
【0042】
前記外輪部材2に、2列の玉3,4を介して回転輪が軸心5回りに回転可能に支持され、回転輪は、ハブホイール9およびこのハブホイール9の車両インナー側に嵌着された内輪部材40とから構成され、前記ハブホイール9の車両インナー側端部が内輪部材40に対してかしめられ、ハブホイール9の外周面に、ブレーキディスクロータおよびタイヤホイールを取付けるためのハブフランジ12が径方向外向きに突出して形成されている。そしてこの構成においても上記実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0043】
(4)図9に示した車輪用転がり軸受装置1は、駆動輪操舵側に用いられるもので、外輪部材2の外周面に、径方向外向きに突出する取付けフランジ8が形成され、この取付けフランジ8に、ナックル7の第一構成部材23が取付けボルト38を介して固定され、外輪部材2は、ナックル7を介して車体側に非回転に支持される。外輪部材2の外周面に下部にナックル7の第二構成部材24が、軸受鋼(SUJ2規格)あるいは構造用合金鋼(SCM規格)あるいは炭素鋼で、鍛造によって一体形成されている。
【0044】
前記外輪部材2に2列の玉3,4を介して回転輪が軸心軸心5回りに回転可能に支持され、回転輪は、ハブホイール9およびこのハブホイール9の車両インナー側に嵌着された内輪部材40とから構成され、ハブホイール9の外周面に、ブレーキディスクロータおよびタイヤホイールを取付けるためのハブフランジ12が径方向外向きに突出して形成されている。
【0045】
前記ハブホイール9には、図示しない動力伝達軸を挿通するための中心穴9Aが形成されている。そしてこの構成においても上記実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0046】
(5)図10に示した車輪用転がり軸受装置1は、従動輪操舵側に用いられるもので、外輪部材2の外周面に、径方向外向きに突出する取付けフランジ8が形成され、この取付けフランジ8に、ナックル7の第一構成部材23が取付けボルト38を介して固定され、外輪部材2は、ナックル7を介して車体側に非回転に支持される。外輪部材2の外周面に下部にナックル7の第二構成部材24が、軸受鋼(SUJ2規格)あるいは構造用合金鋼(SCM規格)あるいは炭素鋼で、鍛造によって一体形成されている。
【0047】
前記外輪部材2に、2列の円錐ころ3A,4Aを介して回転輪が軸心5回りに回転可能に支持され、回転輪は、ハブホイール9および軸心5方向に対で設けられてこのハブホイール9を挿通した内輪部材40A,40Bとから構成され、前記ハブホイール9の車両インナー側端部が内輪部材40Bに対してかしめられ、ハブホイール9の外周面に、ブレーキディスクロータおよびタイヤホイールを取付けるためのハブフランジ12が径方向外向きに突出して形成されている。そしてこの構成においても上記実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0048】
なお、上記各実施の形態では、軸受鋼(SUJ2規格)あるいは構造用合金鋼(SCM規格)あるいは炭素鋼で、外輪部材2の外周面に下部にナックル7の第二構成部材24を、鍛造あるいは鋳造によって一体形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、外輪部材2とナックル7とを、FCD等の鋳鉄あるいはアルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽合金を用いて形成し、外輪部材2とナックル7の第二構成部材24を鍛造あるいは鋳造により一体形成するようにしてもよい。この場合も、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明は、外輪部材を車体に非回転に支持する支持部材の構成要素として、一方を開放した略馬蹄形の第一構成部材を設けたものであるので、この第一構成部材に、外輪部材を径方向一側から嵌合するようにすることで、第一構成部材と外輪部材とを容易に結合することができる。
【0050】
また、第一構成部材と径方向他側で対になる第二構成部材を、外輪部材の径方向他側に一体的に設けた構成であるので、従来のように支持部材(ナックル)を径方向で分割した場合に必要であった両者を接合するためのボルト・ナットが不要になり、部品点数を減らして装置全体の軽量化を図ることができる。
【0051】
加えて、外輪部材と第二構成部材とを一体的に設けたので、第一構成部材と外輪部材とを結合すれば、第一構成部材と第二構成部材とを結合する必要がなく、従って、車輪用転がり軸受装置の製造のための作業性を向上させることができるとともに、生産性を向上させることができ、外輪部材と第二構成部材とを一体ものとして形成した場合には、第二構成部材を外輪部材にボルト・ナット等の結合手段によって一体的に結合した場合に比べて、剛性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る車輪用転がり軸受装置の全体断面図である。
【図2】 同じく支持部材を取付ける前の斜視図である。
【図3】 同じく支持部材を取付けた後の斜視図である。
【図4】 同じく支持部材の第一構成部材の正面図である。
【図5】 同じく使用形態を示す模式図である。
【図6】 参考例の実施の形態を示す車輪陽転がり軸受装置の全体断面図である。
【図7】 参考例の実施の形態を示す車輪陽転がり軸受装置の全体断面図である。
【図8】 別の実施の形態を示す車輪陽転がり軸受装置の全体断面図である。
【図9】 別の実施の形態を示す車輪陽転がり軸受装置の全体断面図である。
【図10】 別の実施の形態を示す車輪陽転がり軸受装置の全体断面図である。
【図11】 従来の車輪用転がり軸受装置の全体断面図である。
【図12】 同じくナックルを取付ける前の全体斜視図である。
【符号の説明】
1 車輪用転がり軸受装置
2 外輪部材
7 ナックル
8 取付けフランジ
9 ハブホイール
11 椀形外輪部材
23 第一構成部材
25 取付け部
26 支持部
24 第二構成部材
34 支持孔
35 駆動シャフトアッセンブリ
Claims (3)
- 車輪を取り付けるための内輪部材が、外輪部材に転動体を介して軸心周りに回転自在に支持され、前記外輪部材が支持部材を介して車体に非回転に支持される車輪用転がり軸受装置であって、
前記支持部材は、前記外輪部材の径方向一側から嵌合可能なように一方を開放した略馬蹄形の第一構成部材と、この第一構成部材と径方向他側で対になるロアーボールジョイントの取付け部である第二構成部材とから構成され、この第二構成部材のみが前記外輪部材の径方向他側に単一の素材から鍛造によって一体的に形成され、
前記第一構成部材は、前記外輪部材と第一構成部材とを取り付けるための複数のボルト挿通孔を備え、
前記ボルト挿通孔は、前記内輪部材よりも径方向上側に複数形成された第1のボルト挿通孔と、前記内輪部材よりも径方向下側に複数形成された第2のボルト挿通孔とからなり、
前記内輪部材の軸心から前記第2のボルト挿通孔の中心までの距離d1が、前記内輪部材の軸心から前記第1のボルト挿通孔の中心までの距離d2よりも大きくされるとともに、前記第2のボルト挿通孔の中心は、前記内輪部材の軸心を中心として前記距離d1を半径とする仮想円の外側に配置されたことを特徴とする車輪用転がり軸受装置。 - 前記外輪部材と前記第二構成部材は、軸受鋼または構造用合金鋼または炭素鋼からなる単一の素材から、鍛造により形成されていることを特徴とする請求項1記載の車輪用転がり軸受装置。
- 前記外輪部材の内周面の外輪軌道面には、表面硬化処理により硬化層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車輪用転がり軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001321699A JP3847598B2 (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | 車輪用転がり軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001321699A JP3847598B2 (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | 車輪用転がり軸受装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003120686A JP2003120686A (ja) | 2003-04-23 |
JP3847598B2 true JP3847598B2 (ja) | 2006-11-22 |
Family
ID=19138877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001321699A Expired - Fee Related JP3847598B2 (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | 車輪用転がり軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3847598B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20080062351A (ko) * | 2006-12-29 | 2008-07-03 | 한국프랜지공업 주식회사 | 자동차의 볼 조인트 어셈블리 |
KR102214033B1 (ko) * | 2017-03-29 | 2021-02-09 | 현대모비스 주식회사 | 차량용 휠 베어링 및 이를 구비하는 너클 장치 |
JP6672578B2 (ja) * | 2018-03-28 | 2020-03-25 | ダイハツ工業株式会社 | ステアリングナックル |
-
2001
- 2001-10-19 JP JP2001321699A patent/JP3847598B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003120686A (ja) | 2003-04-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6357557B1 (en) | Vehicle wheel hub and brake rotor and method for producing same | |
KR101484812B1 (ko) | 휠 베어링 유닛 | |
JPH08169206A (ja) | 車両車輪用の軸受装置 | |
KR20030036170A (ko) | 주입성형부에 임베디드된 베어링 레이스를 갖는 휠마운팅 | |
JP5050306B2 (ja) | 車軸用軸受装置 | |
JP2000234624A5 (ja) | ||
US20010012419A1 (en) | Weel bearing assembly | |
JP3847598B2 (ja) | 車輪用転がり軸受装置 | |
JP2002235757A (ja) | 車輪用軸受装置 | |
JP2013086514A (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット | |
JP2011051474A (ja) | 車輪用軸受装置 | |
JP4013618B2 (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP4038982B2 (ja) | 車両用ハブユニット | |
JP3954279B2 (ja) | 車輪支持構造 | |
JP2007062628A (ja) | 懸架装置の支持構造 | |
JP4639548B2 (ja) | 車両用軸受装置の支持体 | |
JP7365769B2 (ja) | 車輪用軸受装置 | |
JP4182166B2 (ja) | 車輪支持構造 | |
JP2004306681A (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット | |
JP2004116716A (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP3919058B2 (ja) | 車輪支持構造 | |
EP1470936A1 (en) | Bearing unit for vehicle wheel | |
JP4671008B2 (ja) | 車輪用軸受装置 | |
JP4024983B2 (ja) | 車輪軸受装置 | |
JP2005299685A (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040301 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050525 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050621 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050822 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060322 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060519 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060629 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20060705 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060810 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060823 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100901 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110901 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120901 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |