JP3846774B2 - 撮影用照明装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、在来の写真フィルムを用いるカメラ、ディジタルカメラ等と称される電子カメラ、およびビデオカメラ等による撮影に際し被写体に照明光を照射するための撮影用照明装置の改良に係り、特に、高感度フィルムを用いた撮影や電子カメラを用いた撮影に好適な撮影用照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、写真フィルム、いわゆる銀塩フィルムの感度が向上し、ISO感度800〜1600等の高感度フィルムが、一般消費者にも容易に入手し得るようになった。このため、銀塩フィルムを用いる在来のカメラ、いわゆる銀塩カメラ、によっても高感度フィルムによる高感度撮影が容易に行なえるようになった。さらにデジタルスチルカメラ等と称される電子カメラにおいてもCCD(電荷結合素子)撮像素子等のような撮像素子の感度が向上してきている。このため、被写体照明に従来の大光量ストロボやフラッドランプのような大光量がかならずしも必要でなくなってきた。
さらに、発光ダイオード(LED)の輝度の向上も目覚しく、しかも光の3原色である赤色、緑色および青色の各色の発光ダイオードが入手できるようになり、各種照明に利用されるようになってきた。
このような発光ダイオードを、カメラ撮影用の照明の光源として採用した従来の技術の一例が、特開平11−133490号公報に示されている。
【0003】
特開平11−133490号公報に示された構成においては、電源として、公称1.5Vの乾電池を2本用いる時には、これらを直列に接続してなる電池電源から電力を供給して発光ダイオードを発光させる。また、1.5Vの電池を1本しか使用しない場合には昇圧回路を用いて発光ダイオードを発光させるようにしている。
また、電気二重層コンデンサを用いて発光ダイオードを発光させる技術が特開平11−008932号公報に示されている。電気二重層コンデンサは、電解質溶液中に電極を浸漬すると、電極の電荷によってこの電荷とは反対極性の電荷を持ったイオンが電極近傍に分布し、電気二重層を形成することを基本原理としている。電気二重層コンデンサは、この基本原理から、化学反応を伴わずに、イオンの吸着脱離により電荷の蓄積、放電を行なうため、小型大容量のコンデンサを容易に実現することができ、二次電池のように過充電や過放電により特性の劣化を生じることがないという長所がある。特開平11−008932号公報には、太陽電池の起電力を電気二重層コンデンサに蓄え、蓄えた電気を電源として発光ダイオードを発光させる技術が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在入手可能な白色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードを写真撮影に必要な光量で発光させようとすると、順方向電圧は3.5V以上となる。このため、公称1.5Vの乾電池2本では、たとえ直列に接続しても充分な光量を得ることができない。また、発光ダイオードは、その発光色によって順方向電流が異なるため、赤色発光ダイオードの順方向電圧は約2Vと低く、公称1.5Vの乾電池2本を直列接続した場合には、わざわざ昇圧回路により昇圧する必要がない。また、特開平11−008932号公報には、単に、太陽電池の起電力を電気二重層コンデンサに蓄えて発光ダイオードの発光に利用することが示されているに過ぎず、小型大容量の電気二重層コンデンサを、電源電圧の昇圧に利用すること、および撮影照明用の発光ダイオードの電源に利用することなどについては、何ら記載されていない。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、カメラ等において使用頻度が高く且つ使用装置の小型化が容易に実現できる電池である公称1.5Vの乾電池2個および公称3Vのリチウム電池1個等の公称3Vの電池電源を用いて、発光ダイオードを発光させ、写真等の撮影の照明に使用するにあたり、電池電源による電源電圧よりも順方向電圧の高い発光ダイオードを、シャッタが開いている間だけ、昇圧回路を作動させて発光させることによって、公称3Vの電池電源を用いて、発光ダイオードを撮影照明用に充分な光量で発光させることを可能とする撮影用照明装置を提供することを目的としている。
特に、本発明の請求項1の目的は、電池電源による電源電圧よりも順方向電圧の高い発光ダイオードをシャッタが開いている間だけ発光させるための昇圧回路を、簡単な制御信号により作動させて、回路の簡素化およびそれによる部品点数と製造コストの削減を実現し得る撮影用照明装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の請求項2の目的は、特に、カメラの撮影準備およびシャッタレリーズを所望に応じて適正に操作することを可能とするとともに、それに応じて前記コンデンサの充電開始を制御し、速写性を損なうことなく、適正に前記コンデンサの充電を開始させ得る撮影用照明装置を提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、前記第2のスイッチング手段のオフによる前記コンデンサの充電停止を制御し、速写性を損なうことなく、しかもレリーズ時のシャッタ駆動系の負荷と前記コンデンサの充電とが重なることを防止し得る撮影用照明装置を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、撮影照明用の発光ダイオードの発光タイミングを前記シャッタ羽根の開閉動作に対応させ、発光エネルギを効率よく利用することを可能とする撮影用照明装置を提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、制御系を含む回路構成を簡単にすることができ、部品点数およびコストを削減し得る撮影用照明装置を提供することにある。
【0007】
本発明の請求項6の目的は、特に、順方向電圧の低い赤色発光ダイオードと他の色の発光ダイオードとの両方を昇圧回路の出力で共通に駆動することができ、回路構成を簡素化することができ、部品点数およびコストを削減し得る撮影用照明装置を提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に、制御系を含む回路構成を簡単にすることができ、部品点数およびコストを削減し得るとともに、発光ダイオードの発光時の電流の無駄な消費も低減し得る撮影用照明装置を提供することにある。
本発明の請求項8の目的は、特に、実用的で且つ好適な構成を容易に実現し得る撮影用照明装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、上述した目的を達成するために、
公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なう撮影用照明装置において、
小型大容量のコンデンサと、
前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧に蓄積された前記コンデンサの蓄積電圧を前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給する昇圧回路であって、該昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および制御端子を備えた第2のスイッチング手段の被制御路を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第3のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子および前記第2のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有する昇圧回路と、
制御端子を備え、被制御路が前記各発光ダイオードの通電路に挿入されて、前記昇圧回路の前記制御手段により制御される第4のスイッチング手段と
を具備し、且つ前記制御手段は、
前記シャッタが開く前に、前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後に、前記第2のスイッチング手段をオフとし、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第4のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うように構成したことを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、
第1段目のオン動作によりカメラの撮影準備を行い、第2段目のオン動作によりシャッタレリーズ動作を行なわせるための2段動作式のレリーズスイッチをさらに備え、且つ
前記制御手段は、前記レリーズスイッチに応答し、該レリーズスイッチの前記第1段目がオン動作された場合、および前記レリーズスイッチの第1段目のオンにより前記発光ダイオードによる照明の必要性の有無が判断されてその結果必要と判断された場合のいずれかにおいて、前記制御信号により前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサを充電させることを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、
前記制御手段が、
前記レリーズスイッチの第2段目のオン動作時、
前記レリーズスイッチの第1段目のオン動作から所定時間経過した後、および通電によってシャッタ羽根を開閉するアクチュエータを有する場合のその通電の直前、
のうちのいずれかのタイミングにおいて、前記第2のスイッチング手段をオフとすることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、前記制御手段が、前記シャッタ羽根がほぼ開放付近に達した時点で、前記第1のスイッチング手段をオンとし、且つ該シャッタ羽根が閉じ始めた時点で前記第1のスイッチング手段をオフとすることを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、
公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なう撮影用照明装置において、
前記電池電源をオン/オフ制御する電源スイッチと、
小型大容量のコンデンサと、
前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧に蓄積された前記コンデンサの蓄積電圧を前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給する昇圧回路であって、該昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および抵抗を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第2のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記抵抗との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有する昇圧回路と、
制御端子を備え、被制御路が前記各発光ダイオードの通電路に挿入されて、前記昇圧回路の前記制御手段により制御される第3のスイッチング手段と
を具備し、且つ前記制御手段は、
前記電源スイッチがオンとなっている間は、前記シャッタが開く前に、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第3のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うように構成したことを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、
公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なう撮影用照明装置において、
小型大容量のコンデンサと、
前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧に蓄積された前記コンデンサの蓄積電圧を前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび2個直列に接続された前記赤色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給する昇圧回路であって、該昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および制御端子を備えた第2のスイッチング手段の被制御路を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第3のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子および前記第2のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有する昇圧回路と、
エミッタ−コレクタ間が前記各発光ダイオードの通電路に挿入され且つベース電極が前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との接続点に接続されたトランジスタからなる第4のスイッチング手段と
を具備し、且つ前記制御手段は、
前記シャッタが開く前に、前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後に、前記第2のスイッチング手段をオフとし、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第4のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うように構成したことを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、
公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なう撮影用照明装置において、
小型大容量のコンデンサと、
前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧に蓄積された前記コンデンサの蓄積電圧を前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび2個直列に接続された前記赤色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給する昇圧回路であって、該昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および抵抗を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第2のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記抵抗との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有する昇圧回路と、
エミッタ−コレクタ間が前記各発光ダイオードの通電路に挿入され且つベース電極が前記第1のスイッチング手段と前記抵抗との接続点および前記抵抗の中間点のいずれか一方に接続されたトランジスタからなる第3のスイッチング手段とを具備し、且つ前記制御手段は、
前記電源スイッチがオンとなっている間は、前記シャッタが開く前に、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第3のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うように構成したことを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係る撮影用照明装置は、前記小型大容量のコンデンサが、電気二重層を用いたコンデンサを含むことを特徴としている。
【0013】
【作用】
すなわち、本発明の請求項1による撮影用照明装置は、公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なうものであって、前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧に蓄積された小型大容量のコンデンサの蓄積電圧を、昇圧回路により、前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給し、該昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および制御端子を備えた第2のスイッチング手段の被制御路を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第3のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子および前記第2のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有し、さらに、制御端子を備えた第4のスイッチング手段を有し、該第4のスイッチング手段は、被制御路が前記各発光ダイオードの通電路に挿入されて、前記昇圧回路の前記制御手段により制御され、且つ前記制御手段は、前記シャッタが開く前に、前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後に、前記第2のスイッチング手段をオフとし、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第4のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うように構成する。
このような構成により、カメラ等において使用頻度が高く且つ使用装置の小型化が容易に実現できる電池である公称1.5Vの乾電池2個および公称3Vのリチウム電池1個等の公称3Vの電池電源を用いて、発光ダイオードを撮影照明用に充分な光量で発光させ、写真等の撮影の照明に使用することができ、特に、電池電源による電源電圧よりも順方向電圧の高い発光ダイオードをシャッタが開いている間だけ発光させるための昇圧回路を、簡単な制御信号により作動させて、回路の簡素化、およびそれによる部品点数と製造コストの削減を実現することができる。
【0014】
また、本発明の請求項2による撮影用照明装置は、第1段目のオン動作によりカメラの撮影準備を行い、第2段目のオン動作によりシャッタレリーズ動作を行なわせるための2段動作式のレリーズスイッチをさらに備え、且つ前記制御手段は、前記レリーズスイッチに応答し、該レリーズスイッチの前記第1段目がオン動作された場合、および前記レリーズスイッチの第1段目のオンにより前記発光ダイオードによる照明の必要性の有無が判断されてその結果必要と判断された場合のいずれかにおいて、前記制御信号により前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサを充電させる。
このような構成により、特に、カメラの撮影準備およびシャッタレリーズを所望に応じて適正に操作することを可能とするとともに、それに応じて前記コンデンサの充電開始を制御し、速写性を損なうことなく、適正に前記コンデンサの充電を開始させることが可能となる。
【0015】
本発明の請求項3による撮影用照明装置は、前記制御手段が、前記レリーズスイッチの第2段目のオン動作時、前記レリーズスイッチの第1段目のオン動作から所定時間経過した後、および通電によってシャッタ羽根を開閉するアクチュエータを有する場合のその通電の直前、のうちのいずれかのタイミングにおいて、前記第2のスイッチング手段をオフとする。
このような構成により、特に、前記第2のスイッチング手段のオフによる前記コンデンサの充電停止を制御し、速写性を損なうことなく、しかもレリーズ時のシャッタ駆動系の負荷と前記コンデンサの充電とが重なることを防止することができる。
本発明の請求項4による撮影用照明装置は、前記制御手段が、前記シャッタ羽根がほぼ開放付近に達した時点で、前記第1のスイッチング手段をオンとし、且つ該シャッタ羽根が閉じ始めた時点で前記第1のスイッチング手段をオフとする。
このような構成により、特に、撮影照明用の発光ダイオードの発光タイミングを前記シャッタ羽根の開閉動作に対応させ、発光エネルギを効率よく利用することが可能となる。
【0016】
本発明の請求項5による撮影用照明装置は、公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なうものであって、前記電池電源をオン/オフ制御する電源スイッチを備え、前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧に蓄積された小型大容量のコンデンサの蓄積電圧を、昇圧回路によって、前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給し、前記昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および抵抗を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第2のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記抵抗との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有し、さらに、制御端子を備えた第3のスイッチング手段を有し、該第3のスイッチング手段は、被制御路が前記各発光ダイオードの通電路に挿入されて、前記昇圧回路の前記制御手段により制御されるとともに、前記制御手段は、前記電源スイッチがオンとなっている間は、前記シャッタが開く前に、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第3のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うように構成する。
このような構成により、特に、制御系を含む回路構成を簡単にすることができ、部品点数およびコストを削減することができる。
【0017】
本発明の請求項6による撮影用照明装置は、公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なうものであって、前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧に蓄積された小型大容量のコンデンサの蓄積電圧を、昇圧回路によって、前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび2個直列に接続された前記赤色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給し、前記昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および制御端子を備えた第2のスイッチング手段の被制御路を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第3のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子および前記第2のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有し、さらに、トランジスタからなる第4のスイッチング手段を有し、該第4のスイッチング手段は、エミッタ−コレクタ間が前記各発光ダイオードの通電路に挿入され且つベース電極が前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との接続点に接続されるとともに、前記制御手段は、前記シャッタが開く前に、前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後に、前記第2のスイッチング手段をオフとし、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第4のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うように構成する。
このような構成により、特に、順方向電圧の低い赤色発光ダイオードと他の色の発光ダイオードとの両方を昇圧回路の出力で共通に駆動することができ、回路構成を簡素化することができ、部品点数およびコストを削減することができる。
【0018】
本発明の請求項7による撮影用照明装置は、公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なうものであって、前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧に蓄積された小型大容量のコンデンサの蓄積電圧を、昇圧回路によって、前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび2個直列に接続された前記赤色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給し、前記昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および抵抗を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第2のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記抵抗との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有し、さらにトランジスタからなる第3のスイッチング手段を有し、該第3のスイッチング手段は、エミッタ−コレクタ間が前記各発光ダイオードの通電路に挿入され且つベース電極が前記第1のスイッチング手段と前記抵抗との接続点および前記抵抗の中間点のいずれか一方に接続されるとともに、前記制御手段は、前記電源スイッチがオンとなっている間は、前記シャッタが開く前に、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第3のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うように構成する。
【0019】
このような構成により、特に、制御系を含む回路構成を簡単にすることができ、部品点数およびコストを削減し得るとともに、発光ダイオードの発光時の電流の無駄な消費も低減することができる。
本発明の請求項8による撮影用照明装置は、前記小型大容量のコンデンサが、電気二重層を用いたコンデンサを含んでいる。
このような構成により、特に、実用的で且つ好適な構成を容易に実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の撮影用照明装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の(請求項1に対応する)第1の実施の形態に係る撮影用照明装置の回路構成を示している。図1に示す撮影用照明装置は、例えば在来の銀塩カメラに組み込まれているものとする。
図1に示す撮影用照明装置は、電池電源BP1、トランジスタQ1、トランジスタQ2、トランジスタQ3、制御手段SC1、ダイオードD1、コンデンサC1、白色発光ダイオード(白色LED)LW1、青色発光ダイオード(青色LED)LB1、緑色発光ダイオード(緑色LED)LG1、赤色発光ダイオード(赤色LED)LR1および抵抗R1〜R8を具備している。トランジスタQ1、トランジスタQ2、制御手段SC1、ダイオードD1、コンデンサC1、抵抗R1および抵抗R2は、昇圧回路VP1を構成する。
【0021】
電池電源BP1は、例えば、公称1.5Vの乾電池2個の直列接続、または公称3Vのリチウム電池1個等のように、電池を用いて公称3Vの電源電圧を得るように構成している。トランジスタQ1は、この場合pnpトランジスタであり、制御端子を有する第1のスイッチング手段を構成する。トランジスタQ1は、ベース(ベース電極)を制御端子とし、エミッタ(エミッタ電極)−コレクタ(コレクタ電極)間を被制御路としている。トランジスタQ2は、この場合npnトランジスタであり、制御端子を有する第2のスイッチング手段を構成する。トランジスタQ2は、ベースを制御端子とし、コレクタ−エミッタを被制御路としている。これらトランジスタQ1の被制御路であるエミッタ−コレクタ間と、トランジスタQ2の被制御路であるコレクタ−エミッタ間とを互いに直列接続として、電池電源BP1のプラス側とマイナス側との間に接続している。すなわち、電池電源BP1のプラス側にトランジスタQ1のエミッタを接続し、トランジスタQ1のコレクタをトランジスタQ2のコレクタに接続し、そしてトランジスタQ2のエミッタを電池電源BP1のマイナス側に接続している。トランジスタQ1のベースは、抵抗R1を介して制御手段SC1の第1の制御信号出力φ1(ここから出力される第1の制御信号もφ1としてあらわすものとする)に接続され、トランジスタQ2のベースは、抵抗R2を介して制御手段SC1の第2の制御信号出力φ2(ここから出力される第2の制御信号もφ2としてあらわすものとする)に接続される。
【0022】
ダイオードD1は、第3のスイッチング手段としてコンデンサC1と直列に接続され、これらダイオードD1とコンデンサC1の直列回路は、電池電源BP1のプラス側と、前記トランジスタQ1の被制御路とトランジスタQ2の被制御路との接続点との間に接続される。すなわち、ダイオードD1のアノードが電池電源BP1のプラス側(トランジスタQ1のエミッタに接続されている)に接続され、ダイオードD1のカソード側に一端が接続されたコンデンサC1の他端が、トランジスタQ1のコレクタとトランジスタQ2のコレクタとの接続点に接続される。コンデンサC1としては、例えば電気二重層を用いた電気二重層コンデンサのような、小型大容量のコンデンサを用いる。
白色発光ダイオードLW1、青色発光ダイオードLB1、緑色発光ダイオードLG1および赤色発光ダイオードLR1は、それぞれ所定の順方向電圧以上の電圧にて順方向に通電されると、白色、青色、緑色および赤色に発光する発光ダイオードである。
【0023】
白色発光ダイオードLW1は、アノード側が抵抗R5を介して、ダイオードD1のカソードとコンデンサC1との接続点に接続され、青色発光ダイオードLB1は、アノード側が抵抗R6を介して、ダイオードD1のカソードとコンデンサC1との接続点に接続され、そして緑色発光ダイオードLG1は、アノード側が抵抗R7を介して、ダイオードD1のカソードとコンデンサC1との接続点に接続される。さらに、赤色発光ダイオードLR1は、アノード側が抵抗R8を介して、電池電源BP1のプラス側に接続される。
トランジスタQ3は、この場合npnトランジスタであり、制御端子を有する第4のスイッチング手段を構成する。トランジスタQ3は、ベースを制御端子とし、コレクタ−エミッタ間を被制御路としている。トランジスタQ3の被制御路であるコレクタ−エミッタ間は、白色発光ダイオードLW1、青色発光ダイオードLB1、緑色発光ダイオードLG1および赤色発光ダイオードLR1のカソードと電池電源BP1のマイナス側との間に介挿されている。すなわち、白色発光ダイオードLW1、青色発光ダイオードLB1、緑色発光ダイオードLG1および赤色発光ダイオードLR1のカソードをトランジスタQ3のコレクタに共通に接続し、トランジスタQ3のエミッタを電池電源BP1のマイナス側に接続している。
【0024】
トランジスタQ3のベースは、抵抗R3を介して制御手段SC1の第3の制御信号出力φ3(ここから出力される第3の制御信号もφ3としてあらわすものとする)に接続される。トランジスタQ3のベースとエミッタとの間には、抵抗R4が接続される。トランジスタQ3は、制御手段SC1より、シャッタ開閉機構(図示していない)に連動して与えられる制御信号φ3により、シャッタ開放時にオンとなって、白色発光ダイオードLW1、青色発光ダイオードLB1、緑色発光ダイオードLG1および赤色発光ダイオードLR1のカソードを電池電源BP1のマイナス側に共通接続する。
制御手段SC1は、第1、第2および第3の制御信号出力φ1、φ2およびφ3を発生し、それぞれ抵抗R1、R2およびR3を介して、トランジスタQ1、Q2およびQ3の各ベースにそれぞれ供給する。制御手段SC1は、第1および第2の制御信号出力φ1およびφ2により、トランジスタQ1およびQ2を作動させて、昇圧回路VP1の動作を制御し、第3の制御信号出力φ3により、トランジスタQ3を作動させて、白色発光ダイオードLW1、青色発光ダイオードLB1、緑色発光ダイオードLG1および赤色発光ダイオードLR1の駆動発光を制御する。
【0025】
このような構成において、昇圧回路VP1の電源入力端Vinには、電池電源BP1が接続され、公称3Vの電源電圧が印加される。昇圧回路VP1の昇圧出力端Voutからは電源電圧のほぼ2倍の電圧が出力される。該昇圧出力端Voutには、写真撮影の照明に用いるための1個以上の白色発光ダイオードLW1、並びに、赤色発光ダイオードLR1、青色発光ダイオードLB1および緑色発光ダイオードLG1の三原色の発光ダイオードのうち、順方向電圧の高いものが接続されている。すなわち、該昇圧出力端Voutには、白色発光ダイオードLW1、並びに、青色発光ダイオードLB1および緑発光ダイオードLG1が接続されている。なお、順方向電圧の低い赤色発光ダイオードLR1は、電池電源BP1に直接接続される。
【0026】
図1においては、昇圧回路VP1の昇圧出力端Voutに、白色発光ダイオードLW1、青色発光ダイオードLB1および緑色発光ダイオードLG1が各1個ずつ接続されるものとして示されているが、実際には、撮影の照明用として全て白色発光ダイオードLW1を用いるならば、青色発光ダイオードLB1、緑色発光ダイオードLB1および赤色発光ダイオードLR1の組み合わせによる三原色発光ダイオードは不要である。逆に三原色の発光ダイオードだけを使用するなら、白色発光ダイオードLW1は不要である。もちろん、図1に示されるように白色発光ダイオードLW1と三原色の発光ダイオードLB1、LG1およびLR1の組みとを混在させて使用してもかまわない。
また、図1においては、各発光ダイオードLW1、LB1、LG1およびLR1が、各1個ずつ設けられているが、各発光ダイオードLW1、LB1、LG1およびLR1とも複数個ずつ使用しても良いし、三原色発光ダイオードLB1、LG1およびLR1の各色毎に発光ダイオード単体の発光量が異なる場合は、各色毎に使用個数を変えて、光量のバランスを整えるようにしても構わない。
【0027】
また、図1においては、赤色発光ダイオードLR1を電源に直接接続するようにしているが、赤色発光ダイオードLR1を昇圧回路VP1の昇圧出力端Voutに接続するようにしても良い。撮影に際し、照明用の発光ダイオードLW1、LB1、LG1およびLR1の通電制御を行うトランジスタQ3は、制御手段SC1により、図示していないシャッタと連動して制御され、シャッタが開いている間だけオンとなり、撮影照明用の発光ダイオードLW1、LB1、LG1およびLR1をシャッタが開いている間だけ発光させるようにしている。なお、撮影の際に照明用の発光ダイオードの発光が不要である場合には、制御手段SC1によって、昇圧回路VP1の作動を禁止するか、トランジスタQ3がオンとならないようにすればよい。図1に示す撮影用照明装置は、在来の銀塩カメラに組み込まれているものとして説明したが、実質的に同様の構成を用いて電子カメラ等の他の撮影手段に適用することもできる。
【0028】
次に、昇圧回路VP1の動作について図2を参照して具体的に説明する。
(1)第2の制御信号φ2のレベルが“L”→“H”と変化すると、トランジスタQ2がオンとなるため、コンデンサC1はほぼ電源電圧まで充電される。
(2)コンデンサC1が充電された後、第2の制御信号φ2が“H”→“L”と変化するとトランジスタQ2がオフとなり、コンデンサC1への充電が停止する。
(3)次に、第1の制御信号φ1が“H”→“L”と変化するとトランジスタQ1がオンとなり、コンデンサC1のマイナス側の電位を電源電圧まで押し上げる。この結果、コンデンサC1のプラス側の電位は電源電圧のほぼ2倍の電圧まで上昇する。第1の制御信号φ1を“H”→“L”と変化させるのと同時に、第3の制御信号φ3を“L”→“H”と変化させると、トランジスタQ3がオンとなる。この結果、電池電源BP1の電源電圧と、コンデンサC1の充電電圧とが加算されて、ほぼ2倍に昇圧された電圧が負荷である撮影の照明用の発光ダイオードLW1、LB1、LG1およびLR1に供給され、電流が流れて発光する。
【0029】
上述したように、3Vの電池を電源に用いて、電源電圧より順方向電圧の高い、白色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードを、シャッタが開いている間だけ、充分な輝度で発光させることができる。この場合、特に、シャッタが開く前に電気二重層コンデンサのような小型大容量コンデンサに蓄えた電荷を、シャッタが開いている間、電源電池に加算昇圧するようにすることで、簡単な制御信号で昇圧を行うことを可能とし、回路の簡素化を実現するとともに、部品点数およびコストの削減を実現することができる。このため、電圧の高い電池を用いたり、電池の本数を増やしたりすることなく、カメラ等の小型化に貢献することができる。また、上述のように、赤色発光ダイオードは、電源から直接電流を流すようにすれば、昇圧回路を通すよりも電源効率を上げることができる。
【0030】
このように、発光ダイオードを写真等の撮影の照明用として用いる場合には、ストロボ等のように1msecにも満たない短い発光時間でなく、シャッタが開いている間中、継続的に発光させることができるため、発光ダイオードそのものの輝度はストロボ等よりも低くて良い。それでも、発光時間は、シャッタが開いている時間であるから、通常の場合、10msec〜数十msecとなり、通常の照明に比べれば充分に短時間であり、その分だけ、連続発光に比べて大電流を流すことができ、大きな光量を取り出すことが可能となる。このように、1回の発光時間が数十msecと短く、この期間だけ発光ダイオードに電流を供給するのに、大容量コンデンサに蓄えた電荷を使用するため、発光ダイオードの発光中に昇圧動作を繰り返し行う必要が無くなり、制御およびそのための回路構成が共に簡単となる。さらにこの場合、コンデンサの電圧を電源電池の電源電圧に加算するようにして昇圧回路を構成せているため、コンデンサの耐電圧を下げることができ、小型のコンデンサを使用することが可能となる。
【0031】
図3は、本発明の(請求項2〜請求項4に対応する)第2の実施の形態に係る撮影用照明装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
この実施の形態においては、図1の構成に加えて、第1段目のオン動作によりカメラの撮影準備を行い、第2段目のオン動作によりシャッタレリーズ動作を行なわせるための2段動作式のレリーズスイッチ(図示していない)をさらに備えており、その作動情報が、昇圧回路VP1の制御手段SC1に与えられている。この実施の形態においては、制御手段SC1は、前記レリーズスイッチに応答し、
(a)前記レリーズスイッチの前記第1段目がオン動作された場合、および
(b)前記レリーズスイッチの第1段目のオンにより前記発光ダイオードによる照明の必要性の有無が判断されてその結果必要と判断された場合
のいずれかにおいて、前記制御信号により前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサを充電させる(請求項2に対応する)。
【0032】
また、制御手段SC1は、
(a)前記レリーズスイッチの第2段目のオン動作時、
(b)前記レリーズスイッチの第1段目のオン動作から所定時間経過した後、および
(c)通電によってシャッタ羽根を開閉するアクチュエータを有する場合のその通電の直前、
のうちのいずれかのタイミングにおいて、前記第2のスイッチング手段をオフとする(請求項3に対応する)。
さらに、制御手段SC1は、上述の制御において、前記第1のスイッチング手段をオンとするタイミングを、前記シャッタ羽根がほぼ開放付近に達した時点とし、且つ前記第1のスイッチング手段をオフとするタイミングを前記シャッタ羽根が閉じ始めた時点とするように制御する(請求項4に対応する)。
【0033】
すなわち、前記レリーズスイッチの第1段目がオンとなった場合、または前記レリーズスイッチの第1段目のオンによって図示していないカメラ等の諸機能が作動して測光や測距が行なわれ、その結果、撮影時に照明が必要と判断された場合のいずれかには、図1に示した制御信号φ2が“L”→“H”に変化してコンデンサC1の充電を開始する。
この場合の充電に必要な時間はコンデンサC1の静電容量(例えば、C1F(ファラッド)とする)と充電回路に含まれる抵抗で決まる。この充電回路に含まれる抵抗は、電池電源BP1の内部抵抗と、ダイオードD1と、トランジスタQ2のオン抵抗と、コンデンサC1の内部抵抗との総和であり、通常の場合、数Ω〜十数Ω程度の比較的小さな値である。また、コンデンサC1の静電容量は、撮影照明用の発光ダイオードに流す電流およびその時間によって決定されるが、充電時間としては数十msec〜1sec程度になる。
【0034】
前記レリーズスイッチの第1段目がオンとなってから第2段目がオンとなるまでの時間が上述の充電時間よりも長い場合には、前記レリーズスイッチの第2段目がオンとなった時点か、またはシャッタアクチュエータ(図示せず)への通電の直前に充電を停止させるようにすればよい。シャッタアクチュエータへの通電の直前にコンデンサC1の充電を停止するのは、電池電源BP1の負荷ができるだけ重ならないようにして、電源電圧の変動を極力小さく抑えるためである。
また、前記レリーズスイッチの第1段目がオンとなってから第2段目がオンとなるまでの時間が上述した充電時間よりも短い場合には、前記レリーズスイッチの第1段目がオンとなった後、充電時間に相当する所定の時間を経過してからレリーズ動作を行なわせることにより、撮影照明用の発光ダイオードの光量を確保することができる。
【0035】
そして、撮影照明用の発光ダイオードの発光をもっとも効率よく利用することの可能な発光タイミングは、シャッタが可能な限り全開に近くなった時点からシャッタが閉じ始めるまでの間である。そのために、撮影照明用の発光ダイオードの発光開始は、シャッタが開放になる時点に最も近いタイミングに合わせるのが良い。そのようなタイミングは、シャッタ羽根駆動用アクチュエータの通電タイミングに基づいて得るか、高輝度での露出精度を上げるために従来から用いられているシャッタが開き始める付近を検出するためのシャッタ羽根位置検出手段を利用して得るかすると良い。これらのタイミングを示す信号からシャッタが開放近くになるまでの時間を待って制御手段SC1からトランジスタQ1をオンとするための制御信号φ1を出力し、撮影照明用の発光ダイオードを点灯させる。
【0036】
次に、撮影照明用の発光ダイオードを消灯させるタイミングは、シャッタが閉じ始めてから閉じ終わるまでの間に行なわせる。このタイミングは、通常の場合、シャッタアクチュエータへの通電のオフから所定の時間経過後として得るか、シャッタ羽根に連動するスイッチ(図示せず)によって得る信号を使用して決定する。
このようにして、小型大容量のコンデンサC1を、レリーズスイッチの第1段目のオンから、該レリーズスイッチの第2段目のオンまで、またはシャッタ羽根を開閉するアクチュエータに通電する直前まで、あるいはレリーズスイッチの第1段目のオンから第2段目のオンまで間隔が極めて短い場合には該レリーズスイッチの第1段目のオンから所定時間経過した時点まで、の間で充電することにより、速写性を損なうことなく、しかもレリーズ後のシャッタ駆動用アクチュエータの負荷と小型大容量のコンデンサの充電とが同時に重ならないようにすることができる。さらに、撮影照明用の発光ダイオードを発光させるタイミングを、シャッタがほぼ開放している期間に合わせることにより、撮影照明用の発光ダイオードの発光エネルギーを効率よく利用することが可能となる。
【0037】
図4は、本発明の(請求項5に対応する)第3の実施の形態に係る撮影用照明装置の概略構成を示しており、図5にその動作のタイミングチャートを示している。
図4に示す撮影用照明装置は、電池電源BP2、トランジスタQ11、トランジスタQ13、制御手段SC2、ダイオードD11、コンデンサC11、電源スイッチPSW1、白色発光ダイオードLW2、青色発光ダイオードLB2、緑色発光ダイオードLG2、赤色発光ダイオードLR2および抵抗R11〜R18を具備している。トランジスタQ11、制御手段SC2、ダイオードD11、コンデンサC11、抵抗R11および抵抗R12は、昇圧回路VP2を構成する。
図4において、電池電源BP2、トランジスタQ11、トランジスタQ13、ダイオードD11、コンデンサC11、白色発光ダイオードLW2、青色発光ダイオードLB2、緑色発光ダイオードLG2、赤色発光ダイオードLR2、抵抗R11および抵抗R13〜R18は、図1における電池電源BP1、トランジスタQ1、トランジスタQ3、ダイオードD1、コンデンサC1、白色発光ダイオードLW1、青色発光ダイオードLB1、緑色発光ダイオードLG1、赤色発光ダイオードLR1、抵抗R1および抵抗R3〜R8とそれぞれほぼ同様の構成である。
【0038】
図4においては、図1におけるトランジスタQ2に代えて抵抗R12を、トランジスタQ11のコレクタと電池電源BP2のマイナス側との間に介挿し、ダイオードD11のカソード側に一端が接続されたコンデンサC11の他端を、トランジスタQ11のコレクタと抵抗R12との接続点に接続している。また、電池電源BP2のプラス側に、該電池電源BP2に直列に当該カメラ等の電源スイッチPSW1を挿入しており、図1のトランジスタQ2の代わりに充電開始を制御している。このため、昇圧回路VP2の制御手段SC2は、図1の制御手段VP1の第1の制御信号φ1および第3の制御信号φ3に相当する第1の制御信号φ1および第3の制御信号φ3を、第1の制御信号出力(φ1)および第3の制御信号出力(φ3)から抵抗R11および抵抗R13を介してトランジスタQ11およびトランジスタQ13のベースにそれぞれ供給する。
【0039】
この場合も、電池電源BP2は、例えば、公称1.5Vの乾電池2個の直列接続、または公称3Vのリチウム電池1個等のように、電池を用いて公称3Vの電源電圧を得るように構成している。トランジスタQ11は、この場合pnpトランジスタであり、制御端子を有する第1のスイッチング手段を構成する。トランジスタQ11は、ベース(ベース電極)を制御端子とし、エミッタ(エミッタ電極)−コレクタ(コレクタ電極)間を被制御路としている。このトランジスタQ11の被制御路であるエミッタ−コレクタ間と、抵抗R12とを互いに直列接続として、電池電源BP2のプラス側とマイナス側との間に接続している。すなわち、電池電源BP2のプラス側にトランジスタQ11のエミッタを接続し、トランジスタQ11のコレクタを抵抗R12の一端に接続し、そして抵抗R12の他端を電池電源BP2のマイナス側に接続している。トランジスタQ11のベースは、抵抗R11を介して制御手段SC1の第1の制御信号出力φ1(第1の制御信号φ1)に接続される。
【0040】
ダイオードD11は、第2のスイッチング手段としてコンデンサC11と直列に接続され、これらダイオードD11とコンデンサC11の直列回路は、電池電源BP2のプラス側と、前記トランジスタQ11の被制御路と抵抗R12との接続点との間に接続される。すなわち、ダイオードD11のアノードが電池電源BP2のプラス側(トランジスタQ11のエミッタに接続されている)に接続され、ダイオードD11のカソード側に一端が接続されたコンデンサC11の他端が、トランジスタQ11のコレクタと抵抗R12との接続点に接続される。この場合もコンデンサC11としては、例えば電気二重層を用いた電気二重層コンデンサのような、小型大容量のコンデンサを用いる。
【0041】
白色発光ダイオードLW2、青色発光ダイオードLB2、緑色発光ダイオードLG2および赤色発光ダイオードLR2は、それぞれ所定の順方向電圧以上の電圧にて順方向に通電されると、白色、青色、緑色および赤色に発光する発光ダイオードである。白色発光ダイオードLW2は、アノード側が抵抗R15を介して、ダイオードD11のカソードとコンデンサC11との接続点に接続され、青色発光ダイオードLB2は、アノード側が抵抗R16を介して、ダイオードD11のカソードとコンデンサC11との接続点に接続され、そして緑色発光ダイオードLG2は、アノード側が抵抗R17を介して、ダイオードD11のカソードとコンデンサC11との接続点に接続される。さらに、赤色発光ダイオードLR2は、アノード側が抵抗R18を介して、電池電源BP2のプラス側に接続される。
【0042】
トランジスタQ13は、この場合npnトランジスタであり、制御端子を有する第3のスイッチング手段を構成する。トランジスタQ13は、ベースを制御端子とし、コレクタ−エミッタ間を被制御路としている。トランジスタQ13の被制御路であるコレクタ−エミッタ間は、白色発光ダイオードLW2、青色発光ダイオードLB2、緑色発光ダイオードLG2および赤色発光ダイオードLR2のカソードと電池電源BP2のマイナス側との間に介挿されている。すなわち、白色発光ダイオードLW2、青色発光ダイオードLB2、緑色発光ダイオードLG2および赤色発光ダイオードLR2のカソードをトランジスタQ13のコレクタに共通に接続し、トランジスタQ13のエミッタを電池電源BP2のマイナス側に接続している。トランジスタQ13のベースは、抵抗R13を介して制御手段SC2の第3の制御信号出力φ3(第3の制御信号φ3)に接続される。トランジスタQ13のベースとエミッタとの間には、抵抗R14が接続される。トランジスタQ13は、制御手段SC2より、シャッタ開閉機構(図示していない)に連動して与えられる第3の制御信号φ3により、シャッタ開放時にオンとなって、白色発光ダイオードLW2、青色発光ダイオードLB2、緑色発光ダイオードLG2および赤色発光ダイオードLR2のカソードを電池電源BP2のマイナス側に共通接続する。
【0043】
制御手段SC2は、第1および第3の制御信号出力φ1およびφ3を発生し、それぞれ抵抗R11およびR13を介して、トランジスタQ1およびQ3の各ベースにそれぞれ供給する。制御手段SC2は、第1の制御信号出力φ1により、トランジスタQ1を作動させて、昇圧回路VP2の動作を制御し、第3の制御信号出力φ3により、トランジスタQ13を作動させて、白色発光ダイオードLW2、青色発光ダイオードLB2、緑色発光ダイオードLG2および赤色発光ダイオードLR2の駆動発光を制御する。
電源スイッチPSW1は、当該カメラ等の電源をオン/オフ操作するために設けられているが、この電源スイッチPSW1は、実質的に、図1におけるトランジスタQ2の代わりにコンデンサC11に対する充電も制御している。
【0044】
このような構成における動作を図5に示すタイミングチャートを参照して説明する。電源スイッチPSW1をオンとすると、各部の動作が開始され、それぞれの機能が有効になるとともに、電池電源BP2からダイオードD11および抵抗R12を通してコンデンサC11を充電する。抵抗R12の値を小さくすると充電時間は短くなるが、白色発光ダイオードLW2、青色発光ダイオードLB2および緑色発光ダイオードLG2が発光する時に電池電源BP2から抵抗R12へ流れる無駄な電流も増加してしまう。そこで、抵抗R12に流す電流は発光ダイオードLW2、LB2およびLG2に流す電流の10%程度にしておけば、充電時間も1秒程度で済み、無駄な電流も実用上差し支えない範囲内に収まる。
シャッタの開動作に連動して、第1の制御信号φ1が“L”になるとトランジスタQ11がオンとなり、コンデンサC11の充電電圧が電源電圧に加算され、撮影照明用の発光ダイオードLW2、LB2およびLG2の順方向電圧以上になって、発光ダイオードLW2、LB2およびLG2を発光させる。
【0045】
このようにして、図1における第2のスイッチング手段としてのトランジスタQ2を抵抗R12で置き換えることによって、制御および制御のための回路構成を簡単にすることができ、部品点数およびコストの削減を図ることができる。なお、スイッチング手段を抵抗で置き換えることによって、充電時間が多少長くなる。
しかしながら、充電をカメラ等の電源のオンによって開始させるようにすることによって、充分に長い充電時間を確保することができ、実用上問題はない。また、発光ダイオードLW2、LB2およびLG2の発光時に、抵抗R12を通して無駄な電流が若干流れるが、この電流も発光電流の10%以下に抑制することは容易であり。実用上問題にはならない。
上述したように、コンデンサの充電をカメラ等の電源スイッチをオンとすることによって開始させ、充電開始制御用のスイッチング素子を抵抗で置き換えたため、さらに制御それ自体および制御のための回路構成を共に簡略化することができる。
【0046】
図6は、本発明の(請求項6に対応する)第4の実施の形態に係る撮影用照明装置の回路構成を示しており、図7にその動作のタイミングチャートを示している。
図6に示す撮影用照明装置は、電池電源BP3、トランジスタQ21、トランジスタQ22、トランジスタQ23、制御手段SC3、ダイオードD21、コンデンサC21、白色発光ダイオードLW3、青色発光ダイオードLB3、緑色発光ダイオードLG3、赤色発光ダイオードLR31、赤色発光ダイオードLR32および抵抗R21〜R28を具備している。トランジスタQ21、トランジスタQ22、制御手段SC3、ダイオードD21、コンデンサC21、抵抗R21および抵抗R22は、昇圧回路VP3を構成する。
【0047】
図6において、電池電源BP3、トランジスタQ21、トランジスタQ22、ダイオードD21、コンデンサC21、白色発光ダイオードLW3、青色発光ダイオードLB3、緑色発光ダイオードLG3、抵抗R21、抵抗R22および抵抗R24〜R27は、図1における電池電源BP1、トランジスタQ1、トランジスタQ2、ダイオードD1、コンデンサC1、白色発光ダイオードLW1、青色発光ダイオードLB1、緑色発光ダイオードLG1、抵抗R1、抵抗R2および抵抗R4〜R7とそれぞれほぼ同様の構成である。
図6においては、トランジスタQ23のベースは、制御手段23には接続されず、抵抗R23を介して、トランジスタQ21のコレクタとトランジスタQ22のコレクタとの接続点に接続される。このため、制御手段SC3は、第1の制御信号出力φ1および第2の制御信号出力φ2のみを有している(第3の制御信号出力φ3は有していない)。すなわち、トランジスタQ3のベースには、抵抗23の一端が接続され、抵抗23の他端は、トランジスタQ21のコレクタ、トランジスタQ22のコレクタ、およびコンデンサC21の接続点に接続されている。
【0048】
各々赤色発光ダイオードLR1とほぼ同様な、赤色発光ダイオードLR31と赤色発光ダイオードLR32とは、抵抗R28と共に互いに直列に接続され、この直列回路には、昇圧回路VP3の出力が供給される。つまり、抵抗R25と白色発光ダイオードLW3の直列回路、抵抗R26と青色発光ダイオードLB3の直列回路、および抵抗R27と緑色発光ダイオードLG3の直列回路は、互いに並列に接続されているが、これら各直列回路に並列に、上述した抵抗R28、赤色発光ダイオードLR31および赤色発光ダイオードLR32の直列回路が接続されている。さらに具体的には、ダイオードD21のカソードとコンデンサC21の接続点に一端が接続された抵抗R28の他端には、赤色発光ダイオードLR31のアノードが接続され、赤色発光ダイオードLR31のカソードには、赤色発光ダイオードLR32のアノードが接続され、そして赤色発光ダイオードLR32のカソードは、トランジスタQ23のコレクタに接続されている。
このような構成における動作を図7に示すタイミングチャートを参照して説明する。
【0049】
シャッタの開動作に連動して、制御手段SC3から出力される第1の制御信号φ1が“H”→“L”になるとトランジスタQ21がオンとなり、それによってトランジスタQ23もオンとなる。また、トランジスタQ21がオンとなるとコンデンサC21の充電電圧が、電源電池BP3による電源電圧に加算されるので、撮影照明用の発光ダイオードLW3、LB3およびLG3の順方向電圧以上、並びに赤色発光ダイオードLR31とLR32の直列回路の合算された順方向電圧以上になって、発光ダイオードLW3、LB3、LG3、LR31およびLR32を発光する。
なお、この回路ではコンデンサC21が放電されている状態で、電池電源BP3を電池交換等により挿入すると、コンデンサC21の充電が終わるまで、電池電源BP3からダイオードD21、コンデンサC21、抵抗R23およびR245を流れる電流に基づき、電池電源BP3からダイオードD21、コンデンサC21および抵抗R23を通ってトランジスタQ23のベース電流が流れて、トランジスタQ23はオンとなる。
【0050】
しかしながら、このときにも、電池電源BP3の公称3Vの電源電圧よりも、個々の順方向電圧が低い赤色発光ダイオードLR31とLR32を2個直列に接続して、合成順方向電圧が電池電圧よりも高くなるようにしているため、発光ダイオードLW3、LB3、LG3、LR31およびLR32には電流が流れず、発光しない。
このように、赤色発光ダイオードLR31とLR32を2個直列に接続することによって、赤色発光ダイオードLR31とLR32の直列回路の合成順方向電圧を高くし、白色発光ダイオードLW3、青色発光ダイオードLB3、緑色発光ダイオードLG3、赤色発光ダイオードLR31および赤色発光ダイオードLR32の通電を制御するスイッチング手段をトランジスタQ23で構成して、そのベース電極を第1のスイッチング手段であるトランジスタQ21のコレクタと第2のスイッチング手段であるトランジスタQ22のコレクタとの接続点に接続することによって、回路構成が簡素化される。
【0051】
上述したように、2個の赤色発光ダイオードLR31およびLR32を直列に接続して、電池電源BP3の電源電圧だけでは、発光ダイオードLW3、LB3、LG3、LR31およびLR32に電流が流れないようにすることにより、コンデンサの充電回路を簡略化することができ、部品点数およびコストを削減することが可能となる。
図8は、本発明の(請求項7に対応する)第5の実施の形態に係る撮影用照明装置の回路構成を示しており、図9にその動作のタイミングチャートを示している。
図8に示す撮影用照明装置は、電池電源BP4、トランジスタQ31、トランジスタQ33、制御手段SC4、ダイオードD31、コンデンサC31、電源スイッチPSW2、白色発光ダイオードLW4、青色発光ダイオードLB4、緑色発光ダイオードLG4、赤色発光ダイオードLR41、赤色発光ダイオードLR42、抵抗R31および抵抗R33〜R38を具備している。トランジスタQ31、制御手段SC4、ダイオードD31、コンデンサC31および抵抗R31は、昇圧回路VP4を構成する。
【0052】
図8において、電池電源BP4、トランジスタQ31、トランジスタQ33、ダイオードD31、コンデンサC31、白色発光ダイオードLW4、青色発光ダイオードLB4、緑色発光ダイオードLG4、赤色発光ダイオードLR41、赤色発光ダイオードLR42、抵抗R31および抵抗R33〜R38は、それぞれ図6における電池電源BP3、トランジスタQ21、トランジスタQ23、ダイオードD21、コンデンサC21、白色発光ダイオードLW3、青色発光ダイオードLB3、緑色発光ダイオードLG3、赤色発光ダイオードLR31、赤色発光ダイオードLR32、抵抗R21および抵抗R23〜R28とほぼ同様の構成である。
【0053】
図8においては、図4の場合とほぼ同様に、図6の構成に対して、トランジスタQ22を省略し、カメラ等の電源スイッチとしてPSW2を追加している。
すなわち、トランジスタQ31のコレクタは、ダイオードD31のカソードに一端が接続されたコンデンサC31の他端と共に抵抗R33に共通に接続されている。抵抗R33の一端はトランジスタQ33のベースに接続され、抵抗R33の他端が、トランジスタQ31のコレクタと、コンデンサC31の前記他端との接続点に接続されている。また、電池電源BP4のプラス側に、該電池電源BP4に直列に当該カメラ等の電源スイッチPSW2を挿入しており、図6のトランジスタQ22の代わりに充電開始を制御している。このため、昇圧回路VP4の制御手段SC4は、図6の制御手段VP3の第1の制御信号φ1に相当する第1の制御信号φ1を、第1の制御信号出力(φ1)から抵抗R31を介してトランジスタQ31のベースに供給する。
【0054】
この場合も、各々赤色発光ダイオードLR31と赤色発光ダイオードLR32とほぼ同様な、赤色発光ダイオードLR41と赤色発光ダイオードLR42とは、抵抗R38と共に互いに直列に接続され、この直列回路には、昇圧回路VP4の出力が供給される。つまり、抵抗R35と白色発光ダイオードLW4の直列回路、抵抗R36と青色発光ダイオードLB4の直列回路、および抵抗R37と緑色発光ダイオードLG4の直列回路は、互いに並列に接続されているが、これら各直列回路に並列に、上述した抵抗R38、赤色発光ダイオードLR41および赤色発光ダイオードLR42の直列回路が接続されている。さらに具体的には、ダイオードD31のカソードとコンデンサC31の接続点に一端が接続された抵抗R38の他端には、赤色発光ダイオードLR41のアノードが接続され、赤色発光ダイオードLR41のカソードには、赤色発光ダイオードLR42のアノードが接続され、そして赤色発光ダイオードLR42のカソードは、トランジスタQ33のコレクタに接続されている。
【0055】
電源スイッチPSW2は、当該カメラ等の電源をオン/オフ操作するために設けられているが、この電源スイッチPSW2は、実質的に、図4におけるトランジスタQ22の代わりにコンデンサC31に対する充電も制御している。
このような構成における動作を図9に示すタイミングチャートを参照して説明する。
電源スイッチPSW2をオンとすると、各部の動作が開始され、それぞれの機能が有効になるとともに、電池電源BP4からダイオードD31および抵抗R33、R34を通して、上述したようにしてトランジスタQ33のベース電流が流れた後は、電池電源BP4からダイオードD31、抵抗R33およびトランジスタQ33のベース−エミッタ間を通してコンデンサC31を充電する。このコンデンサ31の充電中にトランジスタQ33のベース電流が流れてトランジスタQ33がオンとなった際にも、個々の順方向電圧が電池電圧よりも低い2個の赤色発光ダイオードLR41と赤色発光ダイオードLR42を直列に接続して、合成の順方向電圧を電池電圧よりも高くしているため、これら赤色発光ダイオードLR41および赤色発光ダイオードLR42には電流が流れない。また、抵抗R33の値は、通常発光ダイオードに流す電流の1/10程度の電流が流れるように設定するため、コンデンサC31の充電時間についても適当な値となる。
【0056】
シャッタの開動作に連動して、制御手段SC4から出力される第1の制御信号φ1が“H”→“L”になるとトランジスタQ31がオンとなり、それによってトランジスタQ33もオンとなる。また、トランジスタQ31がオンとなることによりコンデンサC31の充電電圧が、電源電池BP4による電源電圧に加算されるので、撮影照明用の発光ダイオードLW4、LB4およびLG4の順方向電圧以上、並びに赤色発光ダイオードLR41とLR42の直列回路の合算された順方向電圧以上になって、発光ダイオードLW4、LB4、LG4、LR41およびLR42を発光させる。
このように、図6の構成における第2のスイッチング手段を、発光ダイオードの通電制御用のトランジスタQ33のベースと抵抗R33と抵抗R34とで置き換えることによって、制御系およびその回路構成を簡単にすることができ、部品点数およびコストが削減される。しかも、図4の構成では、発光ダイオードの発光時に抵抗R12に無駄な電流が流れていたが、図8の構成ではトランジスタQ33のベース電流となるため、無駄が無くなるという効果もある。
【0057】
上述したように、コンデンサの充電をカメラ等の電源スイッチのオン動作によって行なうようにして、充電開始用のスイッチング素子を不要としたため、さらに制御動作およびそのための回路構成共に簡略化することができる。しかも、2個の赤色発光ダイオードLR31およびLR32を直列に接続して、電池電源BP3の電源電圧だけでは、発光ダイオードLW3、LB3、LG3、LR31およびLR32に電流が流れないようにしているので、さらにコンデンサの充電回路を簡略化することができ、部品点数およびコストを削減することが可能となる。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、カメラ等において使用頻度が高く且つ使用装置の小型化が容易に実現できる電池である公称1.5Vの乾電池2個および公称3Vのリチウム電池1個等の公称3Vの電池電源を用いて、発光ダイオードを発光させ、写真等の撮影の照明に使用するにあたり、電池電源による電源電圧よりも順方向電圧の高い発光ダイオードを、シャッタが開いている間だけ、昇圧回路を作動させて発光させることによって、公称3Vの電池電源を用いて、発光ダイオードを撮影照明用に充分な光量で発光させることを可能とする撮影用照明装置を提供することができる。
【0059】
すなわち、本発明の請求項1の撮影用照明装置によれば、公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なうものであって、前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧が蓄積される小型大容量のコンデンサの蓄積電圧を、昇圧回路により、前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給し、該昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および制御端子を備えた第2のスイッチング手段の被制御路を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第3のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子および前記第2のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有し、さらに、制御端子を備えた第4のスイッチング手段を有し、該第4のスイッチング手段は、被制御路が前記各発光ダイオードの通電路に挿入されて、前記昇圧回路の前記制御手段により制御され、且つ前記制御手段は、前記シャッタが開く前に、前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後に、前記第2のスイッチング手段をオフとし、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第4のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うようにすることにより、特に、電池電源による電源電圧よりも順方向電圧の高い発光ダイオードをシャッタが開いている間だけ発光させるための昇圧回路を、簡単な制御信号により作動させて、回路の簡素化、およびそれによる部品点数と製造コストの削減を実現することができる。
【0060】
また、本発明の請求項2の撮影用照明装置によれば、第1段目のオン動作によりカメラの撮影準備を行い、第2段目のオン動作によりシャッタレリーズ動作を行なわせるための2段動作式のレリーズスイッチをさらに備え、且つ前記制御手段は、前記レリーズスイッチに応答し、該レリーズスイッチの前記第1段目がオン動作された場合、および前記レリーズスイッチの第1段目のオンにより前記発光ダイオードによる照明の必要性の有無が判断されてその結果必要と判断された場合のいずれかにおいて、前記制御信号により前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサを充電させることにより、特に、カメラの撮影準備およびシャッタレリーズを所望に応じて適正に操作することを可能とするとともに、それに応じて前記コンデンサの充電開始を制御し、速写性を損なうことなく、適正に前記コンデンサの充電を開始させることが可能となる。
【0061】
本発明の請求項3の撮影用照明装置によれば、前記制御手段が、前記レリーズスイッチの第2段目のオン動作時、前記レリーズスイッチの第1段目のオン動作から所定時間経過した後、および通電によってシャッタ羽根を開閉するアクチュエータを有する場合のその通電の直前、のうちのいずれかのタイミングにおいて、前記第2のスイッチング手段をオフとすることにより、特に、前記第2のスイッチング手段のオフによる前記コンデンサの充電停止を制御し、速写性を損なうことなく、しかもレリーズ時のシャッタ駆動系の負荷と前記コンデンサの充電とが重なることを防止することができる。
本発明の請求項4の撮影用照明装置によれば、前記制御手段が、前記シャッタ羽根がほぼ開放付近に達した時点で、前記第1のスイッチング手段をオンとし、且つ該シャッタ羽根が閉じ始めた時点で前記第1のスイッチング手段をオフとすることにより、特に、撮影照明用の発光ダイオードの発光タイミングを前記シャッタ羽根の開閉動作に対応させ、発光エネルギを効率よく利用することが可能となる。
【0062】
本発明の請求項5の撮影用照明装置によれば、公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なうものであって、前記電池電源をオン/オフ制御する電源スイッチを備え、前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧を蓄積するための小型大容量のコンデンサの蓄積電圧を、昇圧回路によって、前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給し、前記昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および抵抗を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第2のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記抵抗との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有し、さらに、制御端子を備えた第3のスイッチング手段を有し、該第3のスイッチング手段は、被制御路が前記各発光ダイオードの通電路に挿入されて、前記昇圧回路の前記制御手段により制御されるとともに、前記制御手段は、前記電源スイッチがオンとなっている間は、前記シャッタが開く前に、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第3のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うようにすることにより、特に、制御系を含む回路構成を簡単にすることができ、部品点数およびコストを削減することができる。
【0063】
本発明の請求項6の撮影用照明装置によれば、公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なうものであって、前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧を蓄積するための小型大容量のコンデンサの蓄積電圧を、昇圧回路によって、前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび2個直列に接続された前記赤色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給し、前記昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および制御端子を備えた第2のスイッチング手段の被制御路を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第3のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子および前記第2のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有し、さらに、トランジスタからなる第4のスイッチング手段を有し、該第4のスイッチング手段は、エミッタ−コレクタ間が前記各発光ダイオードの通電路に挿入され且つベース電極が前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との接続点に接続されるとともに、前記制御手段は、前記シャッタが開く前に、前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後に、前記第2のスイッチング手段をオフとし、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第4のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うようにすることにより、特に、順方向電圧の低い赤色発光ダイオードと他の色の発光ダイオードとの両方を昇圧回路の出力で共通に駆動することができ、回路構成を簡素化することができ、部品点数およびコストを削減することができる。
【0064】
本発明の請求項7の撮影用照明装置によれば、公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なうものであって、前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧を蓄積するための小型大容量のコンデンサの蓄積電圧を、昇圧回路によって、前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび2個直列に接続された前記赤色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給し、前記昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および抵抗を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第2のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記抵抗との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有し、さらにトランジスタからなる第3のスイッチング手段を有し、該第3のスイッチング手段は、エミッタ−コレクタ間が前記各発光ダイオードの通電路に挿入され且つベース電極が前記第1のスイッチング手段と前記抵抗との接続点および前記抵抗の中間点のいずれか一方に接続されるとともに、前記制御手段は、前記電源スイッチがオンとなっている間は、前記シャッタが開く前に、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第3のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うようにすることにより、特に、制御系を含む回路構成を簡単にすることができ、部品点数およびコストを削減し得るとともに、発光ダイオードの発光時の電流の無駄な消費も低減することができる。
本発明の請求項8の撮影用照明装置によれば、前記小型大容量のコンデンサが、電気二重層を用いたコンデンサを含む構成により、特に、実用的で且つ好適な構成を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る撮影用照明装置の要部の構成を示す回路構成図である。
【図2】図1の撮影用照明装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る撮影用照明装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る撮影用照明装置の要部の構成を示す回路構成図である。
【図5】図4の撮影用照明装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る撮影用照明装置の要部の構成を示す回路構成図である。
【図7】図6の撮影用照明装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る撮影用照明装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図9】図8の撮影用照明装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
BP1,BP2,BP3,BP4 電池電源
VP1,VP2,VP3,VP4 昇圧回路
SC1,SC2,SC3,SC4 制御手段
LW1,LW2,LW3,LW4 白色発光ダイオード(LED)
LB1,LB2,LB3,LB4 青色発光ダイオード
LG1,LG2,LG3,LG4 緑色発光ダイオード
LR1,LR2,LR31,LR32,LR41,LR42 赤色発光ダイオード(LED)
Q1〜Q3,Q11,Q13,Q21〜Q23,Q31,Q33 トランジスタ
D1,D11,D21,D31 ダイオード
C1,C11,C21,C31 コンデンサ
R1〜R8,R11〜R18,R21〜R28,R31,R33〜R38 抵抗
PSW1,PSW2 電源スイッチ

Claims (8)

  1. 公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なう撮影用照明装置において、
    小型大容量のコンデンサと、
    前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧に蓄積された前記コンデンサの蓄積電圧を前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給する昇圧回路であって、該昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および制御端子を備えた第2のスイッチング手段の被制御路を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第3のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子および前記第2のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有する昇圧回路と、
    制御端子を備え、被制御路が前記各発光ダイオードの通電路に挿入されて、前記昇圧回路の前記制御手段により制御される第4のスイッチング手段と
    を具備し、且つ前記制御手段は、
    前記シャッタが開く前に、前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後に、前記第2のスイッチング手段をオフとし、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第4のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うように構成したことを特徴とする撮影用照明装置。
  2. 第1段目のオン動作によりカメラの撮影準備を行い、第2段目のオン動作によりシャッタレリーズ動作を行なわせるための2段動作式のレリーズスイッチをさらに備え、且つ
    前記制御手段は、前記レリーズスイッチに応答し、該レリーズスイッチの前記第1段目がオン動作された場合、および前記レリーズスイッチの第1段目のオンにより前記発光ダイオードによる照明の必要性の有無が判断されてその結果必要と判断された場合のいずれかにおいて、前記制御信号により前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサを充電させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮影用照明装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記レリーズスイッチの第2段目のオン動作時、
    前記レリーズスイッチの第1段目のオン動作から所定時間経過した後、および通電によってシャッタ羽根を開閉するアクチュエータを有する場合のその通電の直前、
    のうちのいずれかのタイミングにおいて、前記第2のスイッチング手段をオフとする
    ことを特徴とする請求項2に記載の撮影用照明装置。
  4. 前記制御手段は、前記シャッタ羽根がほぼ開放付近に達した時点で、前記第1のスイッチング手段をオンとし、且つ該シャッタ羽根が閉じ始めた時点で前記第1のスイッチング手段をオフとすることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の撮影用照明装置。
  5. 公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なう撮影用照明装置において、
    前記電池電源をオン/オフ制御する電源スイッチと、
    小型大容量のコンデンサと、
    前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧に蓄積された前記コンデンサの蓄積電圧を前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給する昇圧回路であって、該昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および抵抗を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第2のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記抵抗との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有する昇圧回路と、
    制御端子を備え、被制御路が前記各発光ダイオードの通電路に挿入されて、前記昇圧回路の前記制御手段により制御される第3のスイッチング手段と
    を具備し、且つ前記制御手段は、
    前記電源スイッチがオンとなっている間は、前記シャッタが開く前に、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第3のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うように構成したことを特徴とする撮影用照明装置。
  6. 公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なう撮影用照明装置において、
    小型大容量のコンデンサと、
    前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧に蓄積された前記コンデンサの蓄積電圧を前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび2個直列に接続された前記赤色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給する昇圧回路であって、該昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および制御端子を備えた第2のスイッチング手段の被制御路を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第3のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子および前記第2のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有する昇圧回路と、
    エミッタ−コレクタ間が前記各発光ダイオードの通電路に挿入され且つベース電極が前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との接続点に接続されたトランジスタからなる第4のスイッチング手段と
    を具備し、且つ前記制御手段は、
    前記シャッタが開く前に、前記第2のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後に、前記第2のスイッチング手段をオフとし、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第4のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うように構成したことを特徴とする撮影用照明装置。
  7. 公称電圧約3Vの電池を電源として用い、1個以上の白色発光ダイオードと、各1個以上の赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードの三原色の発光ダイオードとのうちの少なくとも一方を使用して撮影視野の照明を行なう撮影用照明装置において、
    小型大容量のコンデンサと、
    前記電池電源の公称電圧とほぼ等しい電圧に蓄積された前記コンデンサの蓄積電圧を前記電池電源の電源電圧に上乗せして昇圧し、前記白色発光ダイオードと、前記青色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび2個直列に接続された前記赤色発光ダイオードとのうちの使用されているものに前記昇圧された出力を供給する昇圧回路であって、該昇圧回路は、制御端子を備えた第1のスイッチング手段の被制御路および抵抗を直列に接続した回路を、前記電池電源の一方の電極と他方の電極との間に接続し、第2のスイッチング手段および前記コンデンサを直列に接続した回路を、前記電池電源の前記一方の電極と前記第1のスイッチング手段と前記抵抗との接続点との間に接続し、前記第1のスイッチング手段の制御端子を制御する制御手段を有する昇圧回路と、
    エミッタ−コレクタ間が前記各発光ダイオードの通電路に挿入され且つベース電極が前記第1のスイッチング手段と前記抵抗との接続点および前記抵抗の中間点のいずれか一方に接続されたトランジスタからなる第3のスイッチング手段とを具備し、且つ前記制御手段は、
    前記電源スイッチがオンとなっている間は、前記シャッタが開く前に、前記コンデンサをほぼ電源電圧まで充電し、その後、シャッタが開いている間は、前記第1のスイッチング手段をオンとして、前記コンデンサの電圧を前記電源電圧に上乗せするとともに、前記第3のスイッチング手段によって、シャッタの開閉動作に連動して前記撮影照明用の発光ダイオードの通電を行うように構成したことを特徴とする撮影用照明装置。
  8. 前記小型大容量のコンデンサは、電気二重層を用いたコンデンサを含むことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の撮影用照明装置。
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