JP3846463B2 - 電動過給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス圧力で駆動するターボ過給機と電動機で駆動する電動過給機とを併せ持つ過給装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの出力を向上させるために過給機を用いる方法が知られている。特許文献1には、電動機によって駆動する過給機と、過給機をバイパスするバイパス通路と、バイパス通路を開閉するバイパス弁とを備え、過給開始時にはバイパス弁を全閉にして、過給圧が上昇したときにバイパス弁を開くことによって、速やかに目標過給圧になるよう制御する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−280145号公報
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載されている過給装置は、過給機が電動過給機のみであり、他の過給機と組み合わせる場合に関しての記載はない。ところで、電動過給機と、排気ガスによって駆動するターボ過給機と、前記電動過給機を迂回するバイパス通路と、前記バイパス通路を開閉するバイパス弁と、を備え、過給時に前記バイパス弁の開閉によって吸気通路の切換えを行って2つの過給機による過給を切換える場合には、2つの過給機の過給圧がバランスしていないときにバイパス弁を開くと、エンジンに供給される吸気量が急激に変化することによってトルクショックが発生してしまう。また、バイパス弁の開閉タイミング判定のために新たに圧力センサを設けるとコストが増加してしまう。
【0005】
そこで本発明では、ターボ過給機と電動過給機とを併せ持ち、バイパス弁の開閉によって、これら2つの過給機による過給を切換える過給装置において、バイパス弁を開いたときにトルクショックが発生せず、かつ前記開閉制御のためにコスト増加することのない制御装置とすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の内燃機関の制御装置は、ターボ過給機と、前記ターボ過給機の下流の吸気通路内に設けられた電動過給機と、前記電動過給機を迂回するバイパス通路と、前記バイパス通路を開閉するバイパス弁と、を備えた内燃機関の制御装置において、前記電動過給機の駆動力と前記電動過給機の回転速度とから前記電動過給機の上下流の圧力比を推定する圧力比推定手段と、前記バイパス弁を、前記電動過給機による過給開始時には全閉にし、前記圧力比推定手段によって推定された圧力比に基いて前記電動過給機構の上下流の圧力が略等しいときに開弁するバイパス弁制御手段と、を有する。
【0007】
【作用・効果】
本発明によれば、電動過給機の上下流の圧力が略等しいと推定された時にバイパス弁を開くので、バイパス弁を開いたときにバイパス通路内を空気が流れることがなく、エンジンへ供給される空気量が急激に変化することが無いのでトルクショックの発生を防止できる。
【0008】
また、圧力検出手段を新たに設けることなく電動過給機の上下流の圧力差を推定するので、コスト増加を防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
第1実施形態の構成を図1に示す。
【0011】
図1は車両に搭載した本発明のシステム構成を示す図であり、11はエンジン、3はエンジン11の排気ガスによって駆動するターボ過給機である。
【0012】
ターボ過給機3の上流の吸気通路7にはエアクリーナ1と、エアクリーナ1から吸入した吸入空気量Qaを計測するエアフロメータ(AFM)2を設置する。
【0013】
ターボ過給機3の下流の吸気通路8には、モータ4bによってコンプレッサ4aを駆動して過給を行う電動過給機4と、電動過給機4を迂回して吸気通路8と電動過給機4より下流の吸気通路9をつなぐバイパス通路10およびバイパス通路10を開閉するバイパス弁6を設置する。
【0014】
なお、本実施形態において電動過給機4はルーツタイプの容積型過給機とする。
【0015】
電動過給機4は、モータ4bにより駆動されるため、回転数がエンジン11の回転数に依存せず、過給圧が高まるまでの時間がターボ過給機3よりも短い。
【0016】
そこでこの特性を生かして、エンジン11が低回転域にある状況や、過給に遅れが生じるターボラグといったターボ過給機3が過給を行えない状況で、ターボ過給機3の過給が高まるまでの過給を賄うために電動過給機4を稼働させる。
【0017】
電動過給機4と連動してバイパス通路10を開閉するバイパス弁6は、アクチュエータ6bとアクチュエータ6bによって駆動される開閉弁6aとで構成される。
【0018】
これら電動過給機4とバイパス弁6を関連付けて制御するためにコントロールユニット(ECM)5が備えられる。
【0019】
ECM5にはスロットルバルブ(加速要求検出手段)16からの加速要求検出信号Th、モータ4bの駆動電流Imおよび駆動電圧Vm、AFM2で測定した吸入空気量Qa、電動過給機4の回転シャフト4cの近傍に配置した回転速度センサ15が検出するコンプレッサ4aの回転速度Nm等が読み込まれる。
【0020】
なお、スロットルバルブ16の開度が予め定めた閾値を超えた場合に、車両が加速要求状態であると判断する。ただし、前記閾値は一定の値、もしくはエンジン回転数に応じて徐々に大きくなるように決められる値となっている。
【0021】
ECM5は、入力された上記各値に基いて電動過給機4のモータ4bおよびバイパス弁6のアクチュエータ6bを制御する。
【0022】
加速要求信号ThがECM5に読み込まれると、ECM5はモータ4bに駆動指令を送る。このときバイパス弁6は開いたままである。そのまま加速が継続するとモータ4bの回転速度Nが上昇し、エンジン11が吸入する空気量Qaと電動コンプレッサ4aを通過する空気量Qsが等しくなる。このときバイパス通路9を流れる空気量はゼロである。ECM5はこの状態を検知してバイパス弁6を閉じる。このままバイパス弁6を開いていると、電動過給機4の下流の吸気通路12の圧力が上流の圧力よりも高くなり、空気がバイパス通路9を逆流してしまい、エンジン11に供給されなくなるためである。
【0023】
エンジン11が吸入する空気量Qaはエアフロメータ2によって検出する。
【0024】
電動過給機4を通過する空気量Qsはモータ4bの回転速度Nによっておおよそ次式(1)のように定まる。
【0025】
Qs=変換係数A×コンプレッサー回転速度N ・・・(1)
変換係数A:コンプレッサ4bが一回転毎に送り出す空気量等
上記のエンジン11が吸入する空気量Qaと電動過給機4を通過する空気量が一致した瞬間に、バイパス弁6が完全に閉じていることが理想である。この時のモータ4bの回転数を目標回転速度NTとすると、モータ4bが目標回転速度NTになった瞬間にバイパス弁6を閉じればよい。
【0026】
しかし、バイパス弁6に閉弁信号が入力されてから完全に閉じるまでには一定の遅れ時間Tが生じる。したがって、本実施形態では、ECM5がこの遅れ時間Tを考慮してバイパス弁6に指令信号を送るようになっている。
【0027】
ここで、図2を参照して本実施形態の制御について説明する。図2はECM5が各センサの検出値に基いて実行する制御のフローチャートであり、バイパス弁6を開閉した際にバイパス通路10に空気が流れないタイミングでバイパス弁6の開閉を行うものである。
【0028】
ステップS100では、車両が加速中であるか否かの判定を行う。
【0029】
ステップS100で車両が加速中でない場合にはステップS103でバイパス弁6を開き、ステップS104で電動過給機4を停止する。
【0030】
加速中である場合は、ステップS101に進み、電動過給機4が稼動中か否かの判定を行う。
【0031】
ステップS101で電動過給機4が稼動中であると判定した場合には、ステップS105に進み、バイパス弁6が開いているか否かの判定を行う。
【0032】
なお、ステップS101で電動過給機4が停止中である場合はステップS102に進み、電動過給機4を稼働させる。
【0033】
ステップS105でバイパス弁6が開いていると判定した場合は、ステップS106に進み、エンジン吸入空気量Qaから、前述した電動過給機4の目標回転速度NTを求める。
【0034】
ステップS107では、後述するフローに従って遅れ時間T経過後の予測回転速度NFを求めてステップS108に進む。
【0035】
ステップS107でECM5が行う制御を図3に示したフローチャートを用いて説明する。
【0036】
ステップS201では、電動過給機4のシャフト4c近傍に設けた回転センサ13によって検出した、現在のモータ4bの回転速度Nを読み込む。
【0037】
ステップS202では、前記回転センサ13の検出値から実際のモータ4bの回転上昇速度ΔNを読み込む。
【0038】
ステップS203では、モータ4bの電流値I、電圧値Vを読み込む。
【0039】
ステップS204では、図4に示す回転上昇予測値のテーブルを検索して、遅れ時間Tの間に上昇する回転速度ΔNMAPを求める。図4のテーブルは、回転速度Nが高くなるほど回転上昇予測値が小さくなっている。これは、図5に示した一般的な電動機の特性図からわかるように、モータは回転速度が高くなるほどトルクが低下する特性を持つので、回転速度が高くなるほど一定時間に上昇する回転数が少なくなるからである。
【0040】
ステップS205では、モータ4bの回転上昇速度がモータ4bにかかる負荷の変化や経時劣化等によって変化することを考慮して、回転上昇実速度ΔNを逐次検出し、この検出値から回転上昇予測値ΔNMAPの補正を行い、ΔN1とする。
【0041】
ステップS206では、モータ4bの回転上昇速度が電流値Iにより変化することを考慮して、検出した電流値Iを用いてステップS205で求めた回転上昇予測値ΔN1を補正してΔN2とする。
【0042】
ステップS207ではモータ4bの回転上昇速度が電圧値Vにより変化することを考慮して、検出した電圧値Vを用いてステップS206で求めた回転上昇予測値ΔN2を補正してΔN3とする。
【0043】
ステップS208では、ステップS201で読み込んだモータ4bの回転速度Nに、上記で求めた回転上昇速度ΔN3と遅れ時間Tを積算して求めた上昇予測値ΔNEを加えて遅れ時間T後の予測回転速度NFを求める。
【0044】
以上のように予測回転速度NFを求め、図2のステップS108へと進む。
【0045】
なお、ステップS205〜S207において補正を行っているが、必ずしもすべての補正を行う必要はなく、いずれか1つのみ、もしくは2つでもかまわない。
【0046】
ステップS108では上記予測回転速度NFが目標回転速度NT以上であるか否かの判定を行い、予測回転速度NFが目標回転速度NTと一致もしくはそれ以上であった場合はステップS109に進み、バイパス弁6を閉じる。予測回転速度NFが目標回転速度NTより低い場合はバイパス弁6を開いたまま、ステップS100に戻る。
【0047】
ステップS105でバイパス弁6が閉じていた時には、ステップS110に進み、後述する方法によって圧力比を推定する。
【0048】
ステップS111では、バイパス弁6を開弁するか否かの判定を行う。開弁すると判定したときはステップS112に進み開弁指令を出力し、ステップS113に進む。開弁しないと判定したときにはそのままステップS113に進む。
【0049】
ステップS113では、電動過給機4を停止する。
【0050】
ここで、ステップS110、S111で行う、電動過給機4の上下流の圧力比の推定方法、およびバイパス弁6を開弁するか否かの判定方法について図4を参照して詳しく説明する。
【0051】
図4はステップS110で行う圧力比推定のサブルーチンである。
【0052】
ECM5は、入力された各センサの検出値に基いて、電動過給機4の上流と下流の吸気通路内の圧力比(ε=P2/P1)を推定する。
【0053】
ステップS300ではモータ4bの駆動電流Imおよび電圧Vmを読込む。
【0054】
ステップS301では、上記駆動電流Im、駆動電圧Vmに基いて次式(1)によってモータ4bの駆動力Fを算出する。
【0055】
F=Vm×Im×補正係数 ・・・(1)
ステップS302でモータ回転速度センサ15が正常に機能しているか否かの判定を行う。例えば、モータ4bの駆動電流Imおよび電圧Vmが駆動時と同等の値であるにもかかわらず、回転速度センサ15の検出信号がゼロである場合に回転速度センサ15は故障していると判断する。
【0056】
ステップS302で回転速度センサ15が正常であると判定された場合はステップS303に進み、回転速度検出信号Nmから次式(2)に従って電動過給機4のコンプレッサ4aの回転速度Nsを算出する。
【0057】
Ns=増速比×Nm ・・・(2)
上式において増速比は、モータ4bとコンプレッサ4aとの間に増速ギヤ等を介している場合にはその増速ギヤ等の増速比を用い、モータ4bとコンプレッサ4aとがシャフト4cによって直結されている場合には増速比=1とする。
【0058】
そしてステップS304に進んで、回転速度NmとステップS301で算出したモータ4bの駆動力Fとから圧力比ε1を算出する。具体的には、図8に示すようなマップを検索することによって算出する。なお図8のマップは圧力比ε1をモータ回転速度Nmとモータ駆動力Fとに割付けたものであり、モータ駆動力が同じ場合には圧力比ε1が大きくなるほどモータ回転速度が低くなっている。
【0059】
ステップS302で回転速度センサ15が故障していると判定された場合には、ステップS305に進んで吸入空気量Qaを読込み、ステップS306で吸入空気量QaとステップS301で算出したモータ4bの駆動力Fとから圧力比ε2を算出する。具体的には図9に示すようなマップを検索することによって算出する。なお図9のマップは圧力比ε2を吸入空気量Qaとモータ4b駆動力Fとに割付けたものであり、モータ駆動力が同じ場合には圧力比ε2が大きくなるほど吸入空気量Qaが少なくなっている。
【0060】
上記のようにステップS110で圧力比ε1もしくはε2を算出したら、ステップS111で、前記圧力比ε1もしくはε2に基いてバイパス弁6を開弁するか否かの判定を行う。判定方法は、圧力比ε1もしくはε2が略1.0であれば開弁、そうでない場合には閉弁のままとする。
【0061】
なお、本実施形態では、通常は回転速度Nmとモータ4bの駆動力Fとから推定した圧力比ε1により開弁するか否かを判定し、回転速度センサ15が故障した時等に吸入空気量Qaとモータ4bの駆動力Fとから推定した圧力比ε2を用いて判定を行っている。
【0062】
ここで、圧力比ε1を圧力比ε2より優先して使用する理由について説明する。
【0063】
電動過給機4は、駆動力Fが一定であっても吸入空気量Qaや上下流の圧力差といった回転に対する負荷の大きさにより回転速度Nmが変化する。圧力比ε2の推定は、前述したように吸入空気量Qaとモータ4bの駆動力Fとに基づいて行っており、吸入空気がAFM2通過後にターボ過給機3により加圧されることは考慮していない。したがって、加速中にターボ過給機3の回転速度が変化することによって電動過給機4に供給される空気の圧力が変化し、これにより電動過給機4の回転速度Nmが変化しても、圧力比ε2の推定には反映されないので、精度の高い推定とはいえない。
【0064】
一方、圧力比ε1の推定では、電動過給機4の回転速度Nmを直接検出しているので、ターボ過給機3の過給圧が変化しても推定の精度に影響を与えない。
【0065】
以上のことから、圧力比ε1の方が圧力比ε2に比べて推定の精度が高いことがわかる。したがって、バイパス弁6の開弁判定においては圧力比ε1を優先し、ε2はあくまでも回転速度センサ15の故障時等に使用することとする。
【0066】
次に、加速要求が検出されてからバイパス弁6に開弁指令が出されるまでの各値の変化を図5のタイムチャートにまとめる。また、図7にモータの特性図を示す。
【0067】
t0で加速要求を検出すると、バイパス弁3を閉じるとともに、モータ4bを駆動して電動過給機4による過給を開始する。モータ4b駆動開始直後はモータ回転速度が低いので図7の特性図から明らかなようにモータ駆動電流Imは大きく、回転速度が上昇するに従って駆動電圧Vmも上昇するのでモータ駆動力Fも増加する。そして回転速度が高くなると、回転速度の上昇に対する駆動電圧Vmの上昇割合は小さくなるので、モータ駆動力Fの増加率も小さくなる。
【0068】
モータ4bの回転速度が上昇すると電動過給機4による過給圧が上昇するので、電動過給機4およびバイパス弁6下流の圧力P2が上昇する。
【0069】
加速中であるためエンジン11の回転速度は上昇し、これに伴って排気ガス流速が上昇するので、ターボ過給機3の回転速度が上昇して圧力P1が上昇する。
【0070】
なお、電動過給機4の回転速度はモータ4bの駆動開始後速やかに上昇するのに対して、ターボ過給機3の回転速度は上述したようにエンジン回転速度が上昇して排気ガス流速が速くなるまで上昇しないので、圧力P1とP2の上昇速度を比べると圧力P2の方が速く上昇する。
【0071】
モータ4bの回転速度はt1で上限に達し、その後は一定となる。モータ4bの回転速度が一定となった後も,ターボ過給機3の回転速度は上昇するので圧力P1は上昇を続け、これによりモータ4bに供給するモータ駆動電流Imが小さくなる。また、エンジン11の回転速度も上昇し続けて要求吸入空気量が増加するのに対して、電動過給機4による過給は一定なので圧力P2は低下する。
【0072】
したがって、圧力P1とP2との圧力差が減少してモータ4bにかかる負荷が小さくなるので、モータ4bの駆動電流は小さくなり、式(1)で表されるモータ4bの駆動力Fは小さくなる。
【0073】
t2で圧力P1と圧力P2とが略等しくなったとき、つまり圧力比ε1、ε2が略1.0になったときにバイパス弁6を開く。
【0074】
バイパス弁6を開くと同時に電動過給機4を停止するので、モータ4bの回転速度、駆動力Fが低下する。またターボ過給機3による過給が継続しているので吸気通路の圧力は上昇し続ける。
【0075】
以上により、本実施形態では加速時にはバイパス弁6を全閉にして電動過給機4による過給を開始するので、過給の過渡応答性が向上する。
【0076】
モータ4bの駆動電流、電圧から算出した駆動力と電動過給機4の回転速度とから電動過給機4およびバイパス弁6の上下流の圧力比を推定し、圧力比が略1.0のとき、つまり上下流の圧力差がほとんどないときにバイパス弁6を開くので、トルクショックの発生を防止することができる。
【0077】
バイパス弁6の開弁タイミングを検出するための特別な装置、例えば圧力センサ等を設ける必要がなく、コストの増加を抑えることができる。
【0078】
圧力比の推定を、モータ4bの駆動力と電動過給機4の回転速度から推定する方法、及びモータ4bの駆動力と吸入空気量Qaから推定する方法の2通りの演算で行うので、少ないパラメータで精度良く推定可能であり、また、一方の演算でエラーが発生しても、他方の演算結果を用いることにより正常なバイパス弁制御を行うことができる。
【0079】
第2実施形態について図6(a)(b)を参照して説明する。
【0080】
図6(a)は開弁動作開始から全開になるまで一定速度で開弁する場合のバイパス弁開度と吸気管内圧との関係を表し、図6(b)は最初は開弁速度が遅く、途中で開弁速度を速くした場合のバイパス弁開度と過給圧との関係を表している。
【0081】
なお、吸気管内圧はバイパス弁6開弁前のバイパス弁6下流の圧力P2に相当する圧力である。
【0082】
本実施形態は、システムの構成及びバイパス弁6の開弁タイミングの判定については第1実施形態と同様であるが、バイパス弁6の開弁制御が異なる。具体的には、バイパス弁6の開弁速度を二段階に分けて、始めは遅く、途中から速くしている。
【0083】
例えば、前述の方法で推定した圧力比ε1と実際の圧力比とに誤差が生じ、上流側の圧力P1が下流側の圧力P2よりも高くなってから開弁動作を開始した場合について説明する。
【0084】
図6(a)は従来の開弁制御と同様の制御を示しており、t00で開弁動作を開始し、t01で全開になるまで一定速度で、かつ短時間に開弁動作を終了している。これによると、開弁動作に伴ってバイパス弁6を設けた部分の吸気断面積が急激に変化することになるので、吸気管内圧が急激に変化し、トルクショックが発生することになる。
【0085】
一方、本実施形態では図6(b)のように、t00で開弁動作開始時の開弁速度を少なくとも図6(a)の開弁速度よりも小さくする。これにより吸気断面積の時間当たりの変化量が小さくなるので、吸気管内圧の変化速度も小さくなっている。
【0086】
そして、t02で弁の開度が所定値に達したらバイパス弁6の開弁速度を増加させ、t03で全開となり開弁動作を終了する。このときt02で開弁速度を増加させても、t02からt03までの吸気管内圧の上昇速度はt00からt02までとほとんど変わらない。これは、t02の時点ですでに吸気管内圧とバイパス弁6全開時の過給圧との差圧が小さくなっており、バイパス弁6の上下流の圧力が平衡状態になるまでの変化量が小さいからである。
【0087】
なお、前記弁の開度の所定値は、開弁速度が遅いほど小さく、速いほど大きく設定することになるが、例えば図6(b)に示すように、開弁速度が図6(a)に示す通常の開弁速度の15〜20%である場合には、所定値を略25〜30%の開度に設定する。
【0088】
以上のように本実施形態では、バイパス弁6の開弁開始時の開弁速度を遅くすることによって吸気管内圧の変化を緩やかにしたので、バイパス弁6の上下流の圧力比推定値に誤差が生じた場合にも、開弁に伴うトルクショックの発生を防止することができる。また、弁の開度が所定値に達した時点で開弁速度を速くすることにより、トルクショックを防止しつつ、開弁動作時間が不必要に長くなることを防止している。
【0089】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のシステム構成を表す図である。
【図2】バイパス弁の開弁時期判定用のフローチャートである。
【図3】モータ駆動力とモータ回転速度とから電動過給機の上下流の圧力比を算出するためのマップである。
【図4】モータ駆動力と吸入空気量とから電動過給機の上下流の圧力比を算出するためのマップである。
【図5】第1実施形態のバイパス弁制御を説明するためのタイムチャートである。
【図6】第2実施形態のバイパス弁制御を説明するためのタイムチャートである。
【図7】モータの特性図である。
【図8】圧力比ε1をモータ回転速度とモータ駆動力に割り付けたマップである。
【図9】圧力比ε2を吸入空気量とモータ駆動力に割り付けたマップである。
【符号の説明】
1 エアクリーナ
2 エアフロメータ(AFM)
3 ターボ過給機
4 電動過給機
4a コンプレッサ
4b モータ
5 コントロールユニット(ECM)
6 バイパス弁
7 吸気通路
8 吸気通路(電動過給機上流側)
9 吸気通路(電動過給機下流側)
10 バイパス通路
11 エンジン
15 回転速度センサ
16 スロットルバルブ(加速要求検出手段)
20 排気マニホールド
21 排気管
Claims (3)
- ターボ過給機と、
前記ターボ過給機の下流の吸気通路内に設けられた電動過給機と、
前記電動過給機を迂回するバイパス通路と、
前記バイパス通路を開閉するバイパス弁と、を備えた内燃機関の制御装置において、
前記電動過給機の駆動力を検出する手段と、
前記電動過給機の回転速度を検出する手段と、
前記電動過給機の駆動力と前記電動過給機の回転速度とから前記電動過給機の上下流の圧力比を推定する圧力比推定手段と、
前記バイパス弁を、前記電動過給機による過給開始後に全閉にし、前記圧力比推定手段によって推定された圧力比に基いて、前記電動過給機の上下流の圧力が略等しいと推定されるときに開弁するバイパス弁制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記圧力比推定手段は、前記電動過給機の駆動力及び回転速度とから前記バイパス弁の上下流の圧力比を推定する他に、吸入空気量を検出する手段からの検出値と前記電動過給機の駆動力とからも前記圧力比を推定する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記バイパス弁制御手段は、前記バイパス弁の開弁開始時の開弁速度を少なくとも閉弁速度より遅くする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
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