JP3846201B2 - 電解槽 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水や井戸水等を電気分解してアルカリイオン水と酸性イオン水とを生成するイオン水生成器の電解槽に関し、更に詳しくは、連続式のうちのユニットセル方式の電解槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水道水や井戸水等を電気分解してアルカリイオン水と酸性イオン水とを生成するイオン水生成器には、電解槽を用いたものが一般的に使用されている。
【0003】
電解槽は、電解隔膜(隔壁)を介して、内部に陰極を有する陰極室と、内部に陽極を有する陽極室とをそれぞれ形成してあり、更に陰極室と陽極室とには、水の流入口と流出口とを両端部にそれぞれ設けてあり、流入口から流入した水が電解隔膜で仕切られた陰極室と陽極室とで電気分解されて、陰極室側からアルカリイオン水が、陽極室側から酸性イオン水が生成されるものである。
【0004】
このような電解槽は、その構造によってバッチ式と連続式の二つの方式に大きく分類される。バッチ式は、電解槽で生成されたアルカリイオン水と酸性水とを該電解槽に保存する方式であり(実開昭50−64643参照)、連続式は、電解槽の陰極室と陽極室とに水を連続的に流出入して、アルカリイオン水と酸性イオン水とを連続的に得られる方式である。この二つの方式のうち連続式の方が、連続してアルカリイオン水を得られる便利さから、浄水機能を付加することも併せて主流となっている。
【0005】
連続式の電解槽においては、短時間で効率よくpH(水素イオン濃度を現す指標)の大きいアルカリイオン水やpHの小さい酸性イオン水を生成するために、あるいは電解槽の小型化を図るために、種々の構造の流水式の電解槽が提案されており、その代表的なものとして、ユニットセル方式がある。
【0006】
ユニットセル方式は、電解槽本体の箱(セル)と、電解槽本体の箱(セル)内部に配置される隔膜付き隔膜箱とで構成され、隔膜箱内部に陽極室(又は陰極室)が形成されると共に、隔膜箱外部で且つ電解槽本体の箱(セル)内部に陰極室(又は陽極室)が形成される方式である(実開平2−95589,特開平3−38293参照)。そして、このユニットセル方式の電解槽に関しては、高効率化を図るための工夫が種々提案されており、例えば、特開平9−253649で開示されている、電解槽の隔膜の両側に一対の枠部材によって死水域のない蛇行形状の電解液流路を形成して電解効率を向上させるものや、特開平7−308673で開示されている、原水導入口と電解室との間に原水導入室を設けると共に、原水導入口を基点とし幅方向で通路面積が変化する流速調整通路を原水導入室と電解室との間に設けて、電解室を通過する原水の電解室を通過する原水速度分布を均一化して電解効率を高めるもの等が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平9−253649で開示されているものにあっては、蛇行形状の電解液流路形状では単位容積当たりの電極の有効面積が小さいために電解槽の小型化が図れず、更に、電解液流路形状が蛇行しているため、圧力損失が大きくて電解槽内部を流れる電解液の流量が低下するという問題点があった。
【0008】
また、上記特開平7−308673で開示されているものにあっては、原水導入室を設けたことによって、その容積の分だけ電解槽が大きくなって小型化が図れないという問題点があった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型化が図れると共に、内部を流れる水の流量が低下することなく電解効率を高めることができる電解槽を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る電解槽は、内部に陰極11を有する陰極室1と内部に陽極21を有する陽極室2とを電解隔膜3を介して形成して、陰極室1と陽極室2とのそれぞれの一側に水の流入口41を設けると共に他側に水の流出口42を設け、電解隔膜3を支持すると共に陰極室1と陽極室2の流入口41側から流出口42側に至る方向を長手方向とする整流リブ5が形成された隔膜支持体6を設けて、整流リブ5によって仕切られる流水路7を陰極室1と陽極室2とに形成し、整流リブ5の流入口41側端部に該整流リブ5によって仕切られている隣合う流水路7に水が流動可能となる流動部51を形成して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、整流リブ5によってそれぞれ陰極室1と陽極室2とを流れる水を整流することができるものである。
【0011】
また、流出口42と流入口41より流出入する水の方向が整流リブ5の長手方向と略同一となるように流出口42と流入口41とを設け、隔膜支持体6に整流リブ5を複数形成して、該複数形成した整流リブ5のうち流入口41より遠い整流リブ5ほど流動部51を長く形成することが好ましい。このような構成とすることで、整流リブ5によって仕切られる流水路7のうち、流入口41に近い流水路7ほど流入口41より流入された水が多く流れるといった片寄りを軽減して、それぞれの流水路7を流れる水の量がばらつくのを一層防止することができるものである。
【0012】
また、流入口41より流入する水が直接流水路7に流入するのを妨げる邪魔板61を流入口41近傍に設けることが好ましい。このような構成とすることで、整流リブ5によって仕切られる流水路7のうち、流入口41に近い流水路7ほど流入口41より流入された水が多く流れるといった片寄りを尚一層軽減して、それぞれの流水路7を流れる水の量がほぼ均等になるようにすることができるものである。
【0013】
また、流出口42と流入口41より流出入する水の方向が整流リブ5の長手方向と略直交するように流出口42と流入口41とを設け、隔膜支持体6に整流リブ5を複数形成して、該複数形成した整流リブ5のうち流入口41より遠い整流リブ5ほど流動部51を短く形成することが好ましい。このような構成とすることで、整流リブ5によって仕切られる流水路7のうち、流入口41に近い流水路7ほど流入口41より流入された水が多く流れるといった片寄りを軽減して、それぞれの流水路7を流れる水の量がばらつくのを一層防止することができるものである。
【0014】
また、複数の整流リブ5に形成する流動部51間に平坦面62を形成することが好ましい。このような構成とすることで、整流リブ5に形成してある流動部51を跨いで隣の流水路7に流動する水が、電解隔膜3のたわみによって流れが不安定になるのを抑えることができるものである。
【0015】
また、平坦面62を整流リブ5の流動部51でのリブ突出高さと略面一に形成することが好ましい。このような構成とすることで、整流リブ5に形成してある流動部51を跨いで隣の流水路7に流動する水が、電解隔膜3のたわみや整流リブ5による凹凸によって流れが不安定になるのを抑えることができるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図4に基づいて、第2の実施形態を図5乃至図8に基づいて、第3の実施形態を図9乃至図11に基づいてそれぞれ詳細に説明する。
[第1の実施形態]
本実施形態における電解槽は、電解槽の本体容器外殻となると共に陰極室1の外殻となる電解槽ケーシング8と、電解槽ケーシング8の内部に配置されて、陰極室1の内殻となると共に陽極室2の外殻となる隔膜ケース部9とで主体が構成される。
【0017】
電解槽ケーシング8は、図1及び図2に示すように、正面視矩形状をしていると共に側面視では幅(すなわち厚み)が正面視の幅よりも短い略箱状をしたものである。電解槽ケーシング8の内部に配置される隔膜ケース部9は、図1乃至図3に示すように、正面視で外郭が電解槽ケーシング8外郭よりも若干小さい矩形状をしていると共に、側面視での幅も電解槽ケーシング8の側面視での幅よりも短い略箱状をしたもので、電解槽ケーシング8の内面と隔膜ケース部9の外面との間には、陰極室1となる隙間が形成されるように配置される。
【0018】
電解槽ケーシング8の下端部には、陽極室2に水を流入するための陽極室2側の流入口41bが下方に向けて設けてあると共に、陰極室1に水を流入するための陰極室1側の流入口41aが下方に向けて設けてあり、電解槽ケーシング8の上端部には、陰極室1より水を流出するための陰極室1側の流出口42aが上方に向けて設けてあると共に、陽極室2より水を流出するための陽極室2側の流出口42bが上方に向けて設けてある。
【0019】
隔膜ケース部9は、上述したように、電解槽ケーシング8の内部に配置されて電解槽ケーシング8の内部を陰極室1と陽極室2とに仕切るものであるが、これは、電解隔膜3と該電解隔膜3を支持する隔膜支持体6とからなるものである。
【0020】
隔膜支持体6は、正面視矩形状をした枠状のもので合成樹脂で成形してあり、隔膜支持体6の前端側と後端側とに正面視矩形状をした電解隔膜3をそれぞれ超音波溶着によって水密に接着して略箱状の隔膜ケース部9を形成し、前後の電解隔膜3と枠状をした隔膜支持体6とで囲まれる隔膜ケース部9の内部を陽極室2とするものである。枠状をした隔膜支持体6の下端部には、電解槽ケーシング8に設けてある陽極室2側の流入口41bに対応する位置に隔膜ケース流入口41cが下方に向けて設けてあると共に、隔膜支持体6の上端部には、電解槽ケーシング8に設けてある陽極室2側の流出口42bに対応する位置に隔膜ケース流出口42cが上方に向けて設けてあり、電解槽ケーシング8の内部に配置する際に陽極室2側の流入口41bと隔膜ケース流入口41cとを接続すると共に陽極室2側の流出口42bと隔膜ケース流出口42cとを接続して、電解槽ケーシング8に設けてある陽極室2側の流入口41bより流入した水が陽極室2内に上方に流入されて、陽極室2から流出される水が電解槽ケーシング8に設けてある陽極室2側の流出口42bから上方に流出されるようにしてある。
【0021】
このような隔膜ケース部9は、電解槽ケーシング8の内部に配置された際、上述したように前後の電解隔膜3と隔膜支持体6とで囲まれる空間を陽極室2とすると共に、前側の電解隔膜3aと電解槽ケーシング8の前側の内壁8aとで囲まれる空間及び、後側の電解隔膜3bと電解槽ケーシング8の後側の内壁8bとで囲まれる空間を陰極室1とするものである。そして、電解槽ケーシング8の下端部に設けてある陰極室1側の流入口41aより流入した水は陰極室1内に上方に流入されて、陰極室1から流出される水は電解槽ケーシング8の上端部に設けてある陰極室1側の流出口42aから上方に流出されるようにしてある。
【0022】
そして、陰極室1の内部には陰極11を配設すると共に、陽極室2の内部には陽極21を配設するものである。陽極21は、隔膜ケース部9の内部に収納される正面視矩形状をした一枚の電極板で、前後の電解隔膜3の略中間に位置するように配設される。陰極11は、電解槽ケーシング8の内面と隔膜ケース部9の外面との間に収納される正面視矩形状をした電極板で、隔膜ケース部9の前後両側にそれぞれ一枚ずつ、すなわち、前側の電解隔膜3aと電解槽ケーシング8の前側の内壁8aとの略中間に一枚配設すると共に、後側の電解隔膜3bと電解槽ケーシング8の後側の内壁8bとの略中間に一枚配設される。このような陽極21と陰極11は、電解槽ケーシング8の内部を陰極室1と陽極室2とに仕切っている隔膜ケース部9の電解隔膜3を介して対向配置されてある。
【0023】
また、隔膜ケース部9には、それぞれの電解隔膜3の前後面両側に、陰極11又は陽極21と電解隔膜3とが密着しないようにすると共に、それぞれ陰極室1と陽極室2とを流れる水を整流するための整流リブ5が複数配設してある。本実施形態においては、上下方向を長手方向とする整流リブ5三本を横方向に互いに等間隔離して枠状をした隔膜支持体6の上片と下片とに架設し、電解隔膜3に溶着してあるが、整流リブ5の本数等は適宜決定するものであり、特にこれに限定されるものではない。整流リブ5は、それぞれ陰極11又は陽極21と電解隔膜3との間に配置されて、陰極室1と陽極室2の内部をそれぞれ複数の流水路7に仕切るものであり、本実施形態においては、三本の整流リブ5によって四本の流水路7に仕切ってある。
【0024】
また更に、整流リブ5の水の流入口41側端部には、該整流リブ5によって仕切られている両側の隣り合う流水路7間に水が流動可能となるように、整流リブ5を切欠した流動部51が形成してある。流動部51は、陰極11又は陽極21と電解隔膜3との間に配置される整流リブ5の陰極11又は陽極21側を切欠して、切欠した部分(すなわち流動部51)のリブ突出高さを切欠していない部分のリブ突出高さよりも低くすることで形成してある。このようにすることで、流入口41より流入される水が、流入口41と連通されている流水路7aだけでなく他の流水路7にも流入可能となる。そして、複数の整流リブ5に形成される流動部51は、流入口41よりも遠い整流リブ5に形成される流動部51ほど、切欠する上下方向長さhを長くしてあり(h1<h2<h3)、このようにすることで、流入口41に近い流水路7ほど流入口41より流入された水が多く流れる、といった片寄りを軽減することができる。
【0025】
そして更に、水の流入口41よりも若干内側に入った位置には、流入口41より流入される水の流入方向にほぼ直交するように邪魔板61を配置してあり、このようにすることで、流入口41より流入される水が流入口41と連通されている流水路7aに直接流入するのを妨げて、流入口41に近い流水路7ほど流入口41より流入された水が多く流れる、といった片寄りを尚一層軽減して、各流水路7にほぼ均等に水が流入されるようにすることができる。
【0026】
以上述べたような本実施形態の電解槽にあっては、電解槽ケーシング8の下端部に下方に向けてそれぞれ設けてある陽極室2側の流入口41b又は陰極室1側の流入口41aから上方に向けて流入した水は、図4に示すように、それぞれ水の流入口41よりも若干内側に入った位置に配置してある邪魔板61にほぼ垂直にあたって進路を横方向に変え、流入口41よりも遠いほど切欠して形成してある流動部51の上下方向長さhが長い複数の整流リブ5によって、各流水路7にほぼ均等に水が流入されて、電解隔膜3で仕切られた陰極室1と陽極室2とで通電された陰極11と陽極21とによって電気分解され、陰極室1側からアルカリイオン水が、陽極室2側から酸性イオン水が効率良く生成されるものである。
【0027】
表1に、本実施形態の電解槽と、邪魔板61及び流動部51を設けない電解槽とを、電解効率ξ(%)について比較した結果を示す。流量は、動水圧0.1MPaでの値を示すものである。
【0028】
【表1】
【0029】
ここで、電解効率ξ(%)は、単位電流あたりで生成する0H-イオンの割合を示すものであり、Faradayの法則に基づく物質移動量W(g)と、実際の物質移動量W’(g)とを用いて、ξ=(w’/w)×100で定義される。
【0030】
この結果からもわかる通り、本実施形態のように邪魔板61及び流動部51を設けた電解槽は、陰極11及び陽極21を構成するそれぞれの電極板の面積を有効に利用することができると共に、陰極室1と陽極室2とを流れる水の流量が低下することなく、電解効率ξ(%)を十分に高めることができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、図5乃至図8に基づいて説明する。本実施形態における電解槽は、基本的に第1の実施形態と同じであり、主に異なる点について述べる。
【0031】
本実施形態における電解槽は、電解槽ケーシング8に設ける陽極室2側の流入口41bと陰極室1側の流入口41aとを、第1の実施形態のように電解槽ケーシング8の下端部に陽極室2側の流入口41bと陰極室1側の流入口41aとを下方に向けて設けるのではなく、図5に示すように、電解槽ケーシング8の両側端部の下端部に陽極室2側の流入口41bと陰極室1側の流入口41aとをそれぞれ外側方に向けて設け、隔膜ケース部9の隔膜支持体6に設ける隔膜ケース流入口41cについても、第1の実施形態のように隔膜支持体6の下端部に下方に向けて設けるのではなく、図6乃至図8に示すように、隔膜支持体6の側端部の下端部の、電解槽ケーシング8に設けてある陽極室2側の流入口41bに対応する位置に外側方に向けて設けるものである。
【0032】
また更に、整流リブ5に形成する流動部51についても、第1の実施形態のように流入口41よりも遠い整流リブ5に形成される流動部51ほど切欠する上下方向長さhを長くするものではなく、図7及び図8に示すように、流入口41よりも遠い整流リブ5に形成される流動部51ほど切欠する上下方向長さhを短くする(h1>h2>h3)ものである。
【0033】
以上のようにすることで、電解槽ケーシング8の両側端部の下端部にそれぞれ外側方に向けて設けてある陽極室2側の流入口41b又は陰極室1側の流入口41aから内側方に向けて流入した水は、図8に示すように、流入口41よりも遠いほど切欠して形成してある流動部51の上下方向長さhが短い複数の整流リブ5によって、各流水路7にほぼ均等に水が流入されて、電解隔膜3で仕切られた陰極室1と陽極室2とで通電された陰極11と陽極21とによって電気分解され、陰極室1側からアルカリイオン水が、陽極室2側から酸性イオン水が効率良く生成されるもので、陰極11及び陽極21を構成するそれぞれの電極板の面積を有効に利用することができると共に、陰極室1と陽極室2とを流れる水の流量が低下することなく、電解効率を十分に高めることができる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について、図9乃至図11に基づいて説明する。本実施形態における電解槽は、基本的に第1の実施形態と同じであり、主に異なる点について述べる。
【0034】
本実施形態における電解槽は、第1の実施形態の隔膜ケース部9において、複数の整流リブ5に形成される流動部51間に平坦面62を形成したものである。
【0035】
流動部51は、第1の実施形態においても説明したように、陰極11又は陽極21と電解隔膜3との間に配置される整流リブ5の陰極11又は陽極21側を切欠して、切欠した部分(すなわち流動部51)のリブ突出高さを切欠していない部分のリブ突出高さよりも低くしたもので、本実施形態における平坦面62はこの流動部51のリブ突出高さ、すなわち、切欠していない部分のリブ突出高さよりも低い切欠した部分(すなわち流動部51)のリブ突出高さと略面一となるように形成してある。
【0036】
平坦面62の正面視形状としては、図9に示すように、中央の整流リブ5に形成される流動部51の上端部を上辺とする矩形状や、図10に示すように、各整流リブ5に形成される流動部51の上端部を直線で結んで上斜辺とする転倒した台形状や、図11に示すように、右側の整流リブ5に形成される流動部51の上端部を上辺とする矩形が、上辺が段違いとなるように組み合わさった形状、といったものが挙げられる。
【0037】
以上のようにすることで、電解槽ケーシング8の下端部に下方に向けてそれぞれ設けてある陽極室2側の流入口41b又は陰極室1側の流入口41aから上方に向けて流入した水は、第1の実施形態においても説明したように、それぞれ水の流入口41よりも若干内側に入った位置に配置してある邪魔板61にほぼ垂直にあたって進路を横方向に変え、流入口41よりも遠い整流リブ5ほど切欠して形成してある流動部51の上下方向長さhが長い複数の整流リブ5によって、各流水路7にほぼ均等に水が流入されるのであるが、平坦面62を形成してあることで、整流リブ5に形成してある流動部51を跨いで隣の流水路7に流動する水が、電解隔膜3のたわみによって流れが不安定になるのを抑えることができて、各流水路7に流入される水の量の片寄りを更に軽減して、より一層各流水路7に均等に水が流入されるようにできる。
【0038】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、内部に陰極を有する陰極室と内部に陽極を有する陽極室とを電解隔膜を介して形成して、陰極室と陽極室とのそれぞれの一側に水の流入口を設けると共に他側に水の流出口を設け、電解隔膜を支持すると共に陰極室と陽極室の流入口側から流出口側に至る方向を長手方向とする整流リブが形成された隔膜支持体を設けて、整流リブによって仕切られる流水路を陰極室と陽極室とに形成し、整流リブの流入口側端部に該整流リブによって仕切られている隣合う流水路に水が流動可能となる流動部を形成したので、整流リブによってそれぞれ陰極室と陽極室とを流れる水を整流することで、陰極室と陽極室とを流れる水の流量が低下することなく電解効率を十分に高めて、陰極室側からアルカリイオン水を、陽極室側から酸性イオン水を効率良く生成することができるものである。
【0039】
また請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて流出口と流入口より流出入する水の方向が整流リブの長手方向と略同一となるように流出口と流入口とを設け、隔膜支持体に整流リブを複数形成して、該複数形成した整流リブのうち流入口より遠い整流リブほど流動部を長く形成したので、整流リブによって仕切られる流水路のうち、流入口に近い流水路ほど流入口より流入された水が多く流れるといった片寄りを軽減して、それぞれの流水路を流れる水の量がばらつくのを一層防止して、内部を流れる水の流量が低下することなく電解効率を高めることができるものである。
【0040】
また請求項3記載の発明にあっては、上記請求項2記載の発明の効果に加えて流入口より流入する水が直接流水路に流入するのを妨げる邪魔板を流入口近傍に設けたので、整流リブによって仕切られる流水路のうち、流入口に近い流水路ほど流入口より流入された水が多く流れるといった片寄りを尚一層軽減して、それぞれの流水路を流れる水の量がほぼ均等になるようにして電解効率を一層高めることができるものである。
【0041】
また請求項4記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて流出口と流入口より流出入する水の方向が整流リブの長手方向と略直交するように流出口と流入口とを設け、隔膜支持体に整流リブを複数形成して、該複数形成した整流リブのうち流入口より遠い整流リブほど流動部を短く形成したので、整流リブによって仕切られる流水路のうち、流入口に近い流水路ほど流入口より流入された水が多く流れるといった片寄りを軽減して、それぞれの流水路を流れる水の量がばらつくのを一層防止して、内部を流れる水の流量が低下することなく電解効率を高めることができるものである。
【0042】
また請求項5記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて複数の整流リブに形成する流動部間に平坦面を形成したので、整流リブに形成してある流動部を跨いで隣の流水路に流動する水が、電解隔膜のたわみによって流れが不安定になるのを抑えて、内部を流れる水の流量が低下することなく電解効率を高めることができるものである。
【0043】
また請求項6記載の発明にあっては、上記請求項5記載の発明の効果に加えて平坦面を整流リブの流動部でのリブ突出高さと略面一に形成したので、整流リブに形成してある流動部を跨いで隣の流水路に流動する水が、電解隔膜のたわみや整流リブによる凹凸によって流れが不安定になるのを抑えて、内部を流れる水の流量が低下することなく電解効率を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における電解槽の一部破断正面図である。
【図2】同上の実施形態における電解槽を示し、(a)は一部破断側面図であり、(b)は(a)のA部拡大図である。
【図3】同上の実施形態における隔膜支持体の正面図である。
【図4】同上の実施形態における水の流れの状態を示すベクトル線図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における電解槽の一部破断正面図である。
【図6】同上の実施形態における電解槽を示し、(a)は一部破断側面図であり、(b)は(a)のB部拡大図である。
【図7】同上の実施形態における隔膜支持体の正面図である。
【図8】同上の実施形態における水の流れの状態を示すベクトル線図である。
【図9】本発明の第3の実施形態における一隔膜支持体の正面図である。
【図10】同上の実施形態における他の隔膜支持体の正面図である。
【図11】同上の実施形態における更に他の隔膜支持体の正面図である。
【符号の説明】
1 陰極室
11 陰極
2 陽極室
21 陽極
3 電解隔膜
41 水の流入口
42 水の流出口
5 整流リブ
51 流動部
6 隔膜支持体
7 流水路
Claims (6)
- 内部に陰極を有する陰極室と内部に陽極を有する陽極室とを電解隔膜を介して形成して、陰極室と陽極室とのそれぞれの一側に水の流入口を設けると共に他側に水の流出口を設け、電解隔膜を支持すると共に陰極室と陽極室の流入口側から流出口側に至る方向を長手方向とする整流リブが形成された隔膜支持体を設けて、整流リブによって仕切られる流水路を陰極室と陽極室とに形成し、整流リブの流入口側端部に該整流リブによって仕切られている隣合う流水路に水が流動可能となる流動部を形成して成ることを特徴とする電解槽。
- 流出口と流入口より流出入する水の方向が整流リブの長手方向と略同一となるように流出口と流入口とを設け、隔膜支持体に整流リブを複数形成して、該複数形成した整流リブのうち流入口より遠い整流リブほど流動部を長く形成して成ることを特徴とする請求項1記載の電解槽。
- 流入口より流入する水が直接流水路に流入するのを妨げる邪魔板を流入口近傍に設けて成ることを特徴とする請求項2記載の電解槽。
- 流出口と流入口より流出入する水の方向が整流リブの長手方向と略直交するように流出口と流入口とを設け、隔膜支持体に整流リブを複数形成して、該複数形成した整流リブのうち流入口より遠い整流リブほど流動部を短く形成して成ることを特徴とする請求項1記載の電解槽。
- 複数の整流リブに形成する流動部間に平坦面を形成して成ることを特徴とする請求項1記載の電解槽。
- 平坦面を整流リブの流動部でのリブ突出高さと略面一に形成して成ることを特徴とする請求項5記載の電解槽。
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