JP3845916B2 - ロック機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はロック機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子手帳などの電子機器には、機器本体に電池ボックスを着脱可能に装着し、この装着した電池ボックスをロック機構によって係脱可能にロックする構造のものがある。
このような電子機器のロック機構は、従来、機器本体にフック部材をスライド可能に取り付け、このフック部材に設けられた複数のロック部で機器本体に装着された電池ボックスを係脱自在にロックするとともに、機器本体にスライドスイッチを設け、このスライドスイッチによって電池ボックスと機器本体内の電気回路との電気的な接続をオン−オフ状態のいずれかに切り換えることができる構造になっている。
【0003】
このロック機構では、機器本体から電池ボックスを取り外す際には、スライドスイッチをオフ状態にした後、フック部材をスライドさせてロック部による電池ボックスのロックを解除する必要があり、また電池ボックスを取り付ける際には、フック部材をスライドさせてロック部により電池ボックスをロックし、電池ボックスが確実に装着されているかを確認した後、スライドスイッチをオン状態にする必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなロック機構では、フック部材とスライドスイッチとが別々に動作する構造であると、フック部材とスライドスイッチとをそれぞれ別々に操作しなければならないため、操作手順を間違えてしまうことがある。例えば、電池ボックスを取り外す際に、スライドスイッチをオフ状態にする前に、誤ってフック部材のロック部による電池ボックスのロックを解除してしまったり、あるいは電池ボックスを取り付ける際に、フック部材のロック部によって電池ボックスをロックする前に、誤ってスライドスイッチをオン状態にしたりする恐れがある。
【0005】
また、フック部材とスライドスイッチとが連動する構造であると、フック部材を操作するだけで、フック部材による電池ボックスのロックとその解除、およびスライドスイッチの切り換えが同時にできるため、操作性はよいが、電池ボックスを取り付ける際に、フック部材のロック部によって電池ボックスが確実に装着されているかを確認することができず、このため電池ボックスが確実に装着していなくても、スライドスイッチがオン状態になってしまうという不都合がある。特に、このようなロック機構では、いずれの構造においても、フック部材の操作部とスライドスイッチの操作部とが離れているため、各操作部を一目で確認することができず、いずれか一方を見落としてしまうという不都合がある。
【0006】
この発明の課題は、操作手順を間違えることがなく、電池ボックスなどの分離体を確実にロックすることができるとともに、第1、第2の各フック部材の操作状態を一目で確認することができるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るロック機構は、分離体が着脱可能に取り付けられる機器本体と、第1操作部と第1ロック部を有し、当該第1操作部をユーザがスライド操作することにより前記機器本体内をスライドし、前記分離体の第1係合部に当該第1ロック部が係脱可能に係合する第1フック部材と、前記第1フック部材を前記分離体の係合部に係合する方向に付勢する弾性部材と、第2操作部と第2ロック部を有し、当該第2操作部をユーザがスライド操作することにより前記機器本体内をスライドし、前記分離体の第2係合部に係脱可能に係合するとともに、スライドに伴い機器本体のオンオフを切り換える第2フック部材とを備え、前記機器本体は、前記第1操作部と第2操作部がスライド可能に挿入される長孔を有し、ユーザが前記第1操作部と第2操作部を前記長孔内で前記弾性部材が付勢する方向と反対方向にスライドさせることにより、前記分離体の第1、第2係合部から前記第1、第2ロック部が離脱して前記分離体が機器本体から脱着可能となると共に機器本体のスイッチがオフとなるロック解除状態となり、このロック解除状態からユーザが操作した指を離すと、前記第2フック部材の位置はそのままで装置本体のオフ状態を維持しつつ、前記第1フック部材は前記弾性体の付勢力により第1ロック部が第1係合部との係合位置にスライドして戻る中間状態となり、前記分離体を装着した後の中間状態からユーザが前記第2操作部を元の位置にスライドすることで、第2ロック部が第2係合部に契合すると共に装置本体がオンとなるロック状態となるように構成したことを特徴とる。
【0008】
したがって、この発明によれば、例えば分離体を取り外す際には、第1、第2フック部材の第1、第2操作部をスライドしてロックを解除すると、分離体の脱着が可能になると共にスイッチをオフにすることができ、また分離体を取り付けた後には、第1フック部材がその弾性部材の付勢力によって分離体をロックする位置に復帰して分離体をロックしても、第2フック部材は移動しないため、分離体が確実に取り付けられているかを確認してから、第2フック部材を操作することができ、このため操作手順を間違えることがなく、分離体が確実にロックされているかを確認することができる。しかも第1、第2フック部材の各操作部は同じ本体長孔の1か所に集約されていることにより、第1、第2の各フック部材の操作状態を一目で確認することができる。
【0009】
この場合、請求項2に記載のごとく、第1操作部と第2操作部とが、分離体が機器本体に対しロックされているときに互いに接近して一体的な状態となり、分離体が機器本体に対し分離されたときに互いに離間する分離状態になる構造であれば、第1、第2の各フック部材の操作状態をより一層、確実に確認することができる。
また、請求項3に記載のごとく、分離体を係脱可能にロックする第1フック部材のロック部が、分離体の装着動作に伴って弾性部材の弾性力に抗して移動し、分離体が装着する際にクリック感をもって分離体をロックする構造であれば、分離体が装着する際のクリック感によって分離体が確実に取り付けられたかを確認することができる。
【0010】
また、請求項4に記載のごとく、分離体が電池を収納する電池ボックスであり、第2フック部材が電池ボックスと機器本体内の電気回路との電気的な接続を切り換えるメインスイッチを有し、このメインスイッチが第2操作部の操作に応じて切り換わる構造であることが望ましい。
さらに、請求項5に記載のごとく、機器本体には増設用メモリを収容するメモリ収容部に蓋体がビスにより取り付けられ、分離体には蓋体のビスを覆い隠すための突起部が設けられている構造であれば、第1フック部材を操作して分離体を機器本体から取り外さなければ、蓋体のビスを取り外すことができないため、誤って電源を入れた状態のまま、増設用メモリを取り外したり取り付けたりして、増設用メモリを破損するのを防ぐことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図10を参照して、この発明のロック機構を電子手帳に適用した一実施形態について説明する。
図1は電子手帳の使用状態における斜視図、図2は図1の電子手帳から電池ボックスを取り外した状態の背面側斜視図、図3は図2の電子手帳を表裏反転した状態の背面側斜視図である。
これらの図において、1は機器本体である。この機器本体1は、図1に示すように、キー入力部2が設けられた第1ケース3と、表示部4が設けられた第2ケース5とがヒンジ部6によって折畳可能に連結された構造になっている。この場合、キー入力部2は、テンキー、アルファベットキー、ファンクションキー、カーソルキー、電源スイッチキーなどの各種のキーが多数配列された構造になっている。表示部4は、液晶表示装置などのフラットタイプのディスプレイであり、キー入力部2と電気的に接続され、キー入力部2で入力された情報を表示する構造になっている。
この機器本体1の背面には、図2に示すように、乾電池や充電池などの電池7を収容した電池ボックス(分離体)8が着脱可能に装着されるようになっている。すなわち、図2の状態で機器本体1の表裏を反転させた図3に示す状態の第1ケース3の背面には、電池ボックス8が装着するボックス装着部9が両側のヒンジ部6間に位置して設けられている。
【0012】
このボックス装着部9内には、ロック機構10が設けられている。ロック機構10は、図4に示すように、第1フック部材11と、第2フック部材12とからなっている。
第1フック部材11は、細長いほぼ平板状に形成され、ボックス装着部9に設けられた壁面9aと第1ケース3内に設けられた板状のガイド部3aとの間にスライド可能に配置されている。この第1フック部材11には、ボックス装着部9の壁面9aに設けられた開口部9bからボックス装着部9内に突出する2つのロック部13が設けられている。各ロック部13は、それぞれ同じ向きで「L」字状に形成され、ボックス装着部9に電池ボックス8が装着された際、図6(a)に示すように、電池ボックス8に逆「L」字状に設けられた2つの係合部14にそれぞれ係脱可能に係合する構造になっている。
【0013】
この場合、ボックス装着部9に電池ボックス8が装着される際に、各ロック部13および各係合部14が相互に当接する各先端部には、図9(a)に示すように、各ロック部13および各係合部14の相対的な移動を円滑にするための各傾斜部13a、14aが形成されている。
また、この第1フック部材11は、図6(a)に示すように、その右端部と第1ケース3内の固定ピン15とに架け渡されたコイルバネ(弾性部材)16のバネ力によって右側、つまりロック部13が電池ボックス8の係合部14に係合する方向に向けて付勢されている。さらに、第1フック部材11の左端部には、図5および図6(a)、(b)に示すように延出部11aが延設されており、この延出部11aの先端部上には、半円柱状の第1操作釦17が一体に設けられている。この第1操作釦17は、第1ケース3に設けられた長孔18内に移動可能に挿入されている。
【0014】
一方、第2フック部材12は、図4および図5に示すように、ほぼ四角形の平板状に形成され、第1フック部材11の左方におけるボックス装着部9の壁面9aと第1ケース3内に設けられた枠状のガイド部3bとの間にスライド可能に配置されている。この第2フック部材12には、枠状のガイド部3bに弾接した状態で移動する弾性突起19が一体に形成されているとともに、ボックス装着部9の壁面9aに設けられた開口部9cからボックス装着部9内に突出するロック部20が設けられている。ロック部20は、第1フック部材11のロック部13と同様、「L」字状に形成され、ボックス装着部9に電池ボックス8が装着された際、図6(a)に示すように、電池ボックス8に逆「L」字状に設けられた係合部21に係脱可能に係合する構造になっている。
【0015】
また、第2フック部材12の下面には、図5および図6(b)に示すように、その下方に設けられた基板22の上面に接触しながら移動する接点バネ23が設けられている。この接点バネ23は、金属などの導電性およびバネ性を有する板状部材を「く」字状に折り曲げたものであり、その中間が第2フック部材12の下面に固定され、両側の各下端部が基板22の上面に接触する構造になっている。この場合、基板22の上面には、接点バネ23の右側の下端部が常に接触した状態で移動する共通電極24と、接点バネ23の左側の下端部がその移動に応じて接触する切換用の第1、第2接点電極25、26とが設けられている。この接点バネ23および基板22がスライドスイッチを構成し、接点バネ23が共通電極24と第1接点電極25とに接触したときに、電池ボックス8と機器本体1内の電気回路とを接続するオン状態となり、接点バネ23が共通電極24と第2接点電極26とに接触したときに、電池ボックス8と機器本体1内の電気回路との接続を断つオフ状態となる構造になっている。
【0016】
さらに、第2フック部材12の上面には、図5および図6(a)、(b)に示すように、半円柱状の第2操作釦27が上方に突出して設けられている。この第2操作釦27は、第1ケース3に設けられた長孔18内に、第1操作釦17の左側に位置した状態で、移動可能に挿入されている。この第2フック部材12の上面右側には、第1フック部材11の延出部11aが移動可能に配置され、この延出部11a上の第1操作釦17と第2操作釦27とを当接可能にするための段差部28が設けられている。この段差部28の上面には、スイッチのオフ状態を表す「OFF」マークが第2操作釦27に接近して設けられており、第2操作釦27の左側に位置する第2フック部材12の上面には、スイッチのオン状態を表す「ON」マークが第2操作釦27に接近して設けられている。
【0017】
したがって、第2操作釦27と第1操作釦17とは、第1ケース3に設けられた長孔18内で、各対向面同士が互いに当接すると、図6(a)に示すように、あたかもほぼ円形状の一体的な釦状態となり、この状態で各操作釦17、27が長孔18の右側に位置すると、その左側の長孔18内に「ON」マークが現れる。また、第2操作釦27と第1操作釦17とは、各対向面が互いに離間して長孔18内の左右両側に位置すると、図6(b)に示すように、相互に分離された状態となり、この離間した間に「OFF」マークが現れる。
【0018】
ところで、電池ボックス8が装着するボックス装着部9内の両側面には、図3に示すように、電池ボックス8の両側面に設けられた各電源電極30が接触する接続電極31がそれぞれ設けられている。これら各接続電極31は、リード線(図示せず)により第2フック部材12の基板22の共通電極24および第1接点電極25に接続され、接点バネ23を介して機器本体1内の電気回路(図示せず)に電気的に接続される。また、第1ケース3の裏面(図3では上面)には、機能を増設するための増設用メモリを収容するメモリ収容部33が設けられており、このメモリ収容部33には、蓋体34がビス35によって取り付けられている。そして、電池ボックス8には、この電池ボックス8がボックス装着部9に装着された際に、蓋体34のビス35上に位置し、このビス35を覆い隠す突起部36が設けられている。
【0019】
次に、このような電子手帳のロック機構10の作用について説明する。
まず、図6(a)に示すように、機器本体1のボックス装着部9に電池ボックス8が装着されてロックされている状態では、第1フック部材11がコイルバネ16のバネ力によって右側に付勢され、これにより各ロック部13が電池ボックス8の各係合部14に係合して電池ボックス8をロックするとともに、第1操作釦17が第1ケース3の長孔18内の右側に位置している。一方、第2フック部材12は、その第2操作釦27が右側に向けて操作され、これによりロック部20が電池ボックス8の係合部21に係合して電池ボックス8をロックしている。
【0020】
このときには、図6(b)に示すように、第2操作釦27が右側に移動して第1操作釦17に当接し、接点バネ23が基板22の共通電極24と第1接点電極25とに接触し、これにより電池ボックス8と機器本体1内の電気回路とが電気的に接続されている。また、このように第1、第2操作釦17、27が互いに当接した状態では、図6(a)に示すように、これら各操作釦17、27がほぼ円形状の一体的な釦状態となり、その左側の長孔18内に「ON」マークが現れる。これにより、電池ボックス8がロックされ、かつ第2フック部材12のスライドスイッチがオン状態であることが一目で判る。
【0021】
この状態で、ボックス装着部9から電池ボックス8を取り外す場合には、図7(a)に示すように、第1フック部材11の第1操作釦17を指などでコイルバネ16のバネ力に抗して左側に向けて操作する。すると、第1フック部材11が左側にスライドし、その各ロック部13が電池ボックス8の各係合部14から離脱し、各ロック部13による各係合部14のロックが解除される。これと同時に、第1操作釦17の操作に伴って第2フック部材12の第2操作釦27が左側に向けて操作され、第2フック部材12も左側にスライドし、そのロック部20が電池ボックス8の係合部21から離脱し、ロック部20による係合部21のロックが解除される。これにより、電池ボックス8をボックス装着部9から取り外すことができる。このときには、第2フック部材12が左側に移動するので、図7(b)に示すように、接点バネ23が基板22の共通電極24と第2接点電極26とに接触することになり、このため電池ボックス8と機器本体1内の電気回路との電気的な接続が断たれ、オフ状態になる。
【0022】
このようにして、電池ボックス8を取り外した後に、第1操作釦17から指などを離して外力を取り除くと、図8(a)に示すように、コイルバネ16のバネ力によって第1フック部材11が右側に移動し、各ロック部13が電池ボックス8の各係合部14をロックする位置に復帰するとともに、第1操作釦17も同方向に移動し、第1ケース3の長孔18の右側に位置することになる。このときには、第2フック部材12は、弾性突起19が枠状のガイド部3bに弾接しているので、第1フック部材11に伴って移動することがない。このため、第2操作釦27は図8(b)に示すように左側に位置し、電池ボックス8と機器本体1内の電気回路との電気的な接続を断ったオフ状態を維持することになる。この状態では、第1操作釦17と第2操作釦27とが、図8(a)に示すように、互いに離間し、相互に分離された状態となり、この離間した間に「OFF」マークが現れる。これにより、第2フック部材12のスライドスイッチがオフ状態であることが一目で判る。
【0023】
この後、電池ボックス8内の電池7を交換し、この電池ボックス8をボックス装着部9に装着する場合には、電池ボックス8をボックス装着部9に押し込む。すると、図9(a)に示すように、電池ボックス8の各係合部14が第1フック部材11の各ロック部13に当接する。このときには、各係合部14の傾斜部14aが各ロック部13の傾斜部13aに当接するので、電池ボックス8の押し込み操作に伴って各係合部14の傾斜部14aが各ロック部13の傾斜部13aに沿って滑らかに移動し、これにより第1フック部材11がコイルバネ16のバネ力に抗して左側に移動し、第1操作釦17が第2操作釦27に接近する。なお、第2フック部材12は、左側に位置しているので、電池ボックス8の装着時に係合部21がロック部20に当接することはなく、そのままの状態を維持し続ける。
【0024】
そして、電池ボックス8の各係合部14が第1フック部材11の各ロック部13の先端部を乗り越えると、今度は、図10(a)に示すように、コイルバネ16のバネ力によって第1フック部材が右側に引き寄せられ、これに伴って各ロック部13が各係合部14に係合し、電池ボックス8をロックする。このときには、各ロック部13がクリック感をもって各係合部14に係合するので、電池ボックス8が確実にロックされたかを各ロック部13のクリック感によって確認することができる。また、このときには、第2フック部材は第1フック部材11と共に移動せず、そのままの状態を維持する。このため、第1操作釦17と第2操作釦27とは、図10(b)に示すように、互いに離間し、相互に分離された状態となり、この離間した間に「OFF」マークが現れる。これにより、電池ボックス8がロックされても、第2フック部材12のスライドスイッチがオフ状態であることが一目で判る。
【0025】
この状態で、第2フック部材12の第2操作釦27を右方向に操作して第2フック部材12を同方向にスライドさせると、図6(a)に示すように、そのロック部20が電池ボックス8の係合部21に係合し、接点バネ23が基板22の共通電極24と第1接点電極25とに接触し、これにより電池ボックス8と機器本体1内の電気回路とが電気的に接続される。このときには、第2操作釦27が第1操作釦17に当接し、各操作釦17、27がほぼ円形状の一体的な釦状態となり、その左側の長孔18内に「ON」マークが現れ、電池ボックス8がロックされ、かつ第2フック部材12のスライドスイッチがオン状態であることが一目で判る。
【0026】
このように、この電子手帳のロック機構10によれば、第1、第2フック部材11、12の各操作部17、27が、その操作方向を一致させた状態で、第1ケース3の長孔18内の1か所に集約されているので、電池ボックス8を取り外す際には、第1フック部材11の第1操作部17を操作して電池ボックス8に対するロックを解除すると、この第1操作部17の操作に伴って第2操作部27が移動し、第2フック部材12による電池ボックス8のロックを解除するとともに、スイッチをオフ状態に切り換えることができ、また電池ボックス8を取り付ける際には、第1フック部材11がそのコイルバネ16のバネ力によって電池ボックス8をロックする位置に復帰して電池ボックス8をロックしても、第2フック部材12は移動しないため、電池ボックス8が確実に取り付けられているかを確認してから、第2フック部材12を操作することができ、このため操作手順を間違えることがなく、電池ボックス8を確実にロックすることができ、しかも第1、第2フック部材11、12の各操作部17、27が1か所に集約されていることにより、第1、第2フック部材11、12の操作状態を一目で確認することができる。
【0027】
特に、このロック機構では、第1操作部17と第2操作部27とが、電池ボックス8が機器本体1に対しロックされているときに互いに当接して一体的な釦状態となり、電池ボックス8が機器本体1に対し分離されたときに互いに離間する分離状態になるので、第1、第2フック部材11、12の操作状態をより一層、確実に確認することができる。
また、電池ボックス8を係脱可能にロックする第1フック部材11の各ロック部13が、電池ボックス8の装着動作に伴ってコイルバネ16のバネ力に抗して移動し、電池ボックス8が装着する際にクリック感をもって電池ボックス8の各係合部14に係合してロックするので、電池ボックス8が装着する際のクリック感によって電池ボックス8が確実に取り付けられたかを確認することができる。さらに、機器本体1には増設用メモリを収容するメモリ収容部33に蓋体34がビス35によって取り付けられ、電池ボックス8には蓋体34のビス35を覆い隠すための突起部36が設けられているので、第1フック部材11を操作して電池ボックス8を機器本体1から取り外さなければ、蓋体34のビス35を取り外すことができないため、誤って電源を入れた状態のままで、増設用メモリを取り外したり取り付けたりして、増設用メモリを破損するのを確実に防ぐことができる。
【0028】
なお、上記実施形態では、第1フック部材11を付勢する弾性部材として、コイルバネ16を用いた場合について述べたが、これに限らず、例えば板バネやゴムなどの弾性部材を用いてもよい。
また、上記実施形態では、第2フック部材12のスイッチのオン状態またはオフ状態を「ON」、「OFF」で表したが、これに限らず、例えば「入」、「切」で表してもよく、また赤色、青色などの色で表してもよい。
【0029】
また、上記実施形態では、第1、第2操作釦17、27をそれぞれ単なる半円柱状に形成したがこれに限らず、例えば図11に示すように、第1、第2操作釦17、27を半円柱状に形成し、その対向面のうち、第1操作釦17の対向面に突出部17aを形成し、第2操作釦27の対向面に第1操作釦17の突出部17aが嵌合する凹部27aを設け、第1、第2操作釦17、27が互いに接近したときに突出部17aが凹部27aに嵌合し、互いに離間したときに突出部17aが凹部27aから離脱するように構成してもよく、また突出部と凹部を逆に形成してもよい。
【0030】
また、上記実施形態では、機器本体1に対し着脱可能に装着される分離体として、電池ボックス8について述べたが、これに限らず、メモリパッケージなどであってもよい。
さらに、上記実施形態では、電子手帳に適用した場合について述べたが、これに限らず、卓上型電子式計算機、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータなどの電子機器に広く適用することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、分離体を取り外す際には、第1、第2フック部材の第1、第2操作部をスライドしてロックを解除すると、分離体の脱着が可能になると共にスイッチをオフにすることができ、また分離体を取り付けた後には、第1フック部材がその弾性部材の付勢力によって分離体をロックする位置に復帰して分離体をロックしても、第2フック部材は移動しないため、分離体が確実に取り付けられているかを確認してから、第2フック部材を操作することができ、このため操作手順を間違えることがなく、分離体が確実にロックされているかを確認することができる。しかも第1、第2フック部材の各操作部は同じ本体長孔の1か所に集約されていることにより、第1、第2の各フック部材の操作状態を一目で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を電子手帳に適用した一実施形態の使用状態における斜視図。
【図2】図1の電子手帳から電池ボックスを取り外した状態の背面側斜視図。
【図3】図2の電子手帳を表裏反転した状態の背面側斜視図。
【図4】図3のロック機構の一部分解した斜視図。
【図5】図3における第2フック部材一部を分解した斜視図。
【図6】ロック機構を示し、(a)は第1、第2フック部材が電池ボックスをロックした状態の概念図、(b)はそのA−A拡大断面図。
【図7】ロック機構を示し、(a)は第1、第2フック部材による電池ボックスのロックを解除した状態の概念図、(b)はそのB−B拡大断面図。
【図8】ロック機構を示し、(a)はロック機構から電池ボックスを取り外した状態の概念図、(b)はそのC−C拡大断面図。
【図9】ロック機構を示し、(a)はロック機構によって電池ボックスをロックする過程の状態を示した概念図、(b)はそのD−D拡大断面図。
【図10】ロック機構を示し、(a)は第1フック部材が電池ボックスをロックした状態の概念図、(b)はそのE−E拡大断面図。
【図11】第1、第2操作釦の変形例を示した拡大平面図。
【符号の説明】
1 機器本体
8 電池ボックス
10 ロック機構
11 第1フック部材
12 第2フック部材
13、20 ロック部
14、21 係合部
16 コイルバネ
17 第1操作釦
22 基板
23 接点バネ
24〜26 電極
27 第2操作釦
32 補助電池
33 メモリ収容部
34 蓋体
35 ビス
36 突起部
Claims (5)
- 分離体が着脱可能に取り付けられる機器本体と、
第1操作部と第1ロック部を有し、当該第1操作部をユーザがスライド操作することにより前記機器本体内をスライドし、前記分離体の第1係合部に当該第1ロック部が係脱可能に係合する第1フック部材と、
前記第1フック部材を前記分離体の係合部に係合する方向に付勢する弾性部材と、
第2操作部と第2ロック部を有し、当該第2操作部をユーザがスライド操作することにより前記機器本体内をスライドし、前記分離体の第2係合部に係脱可能に係合するとともに、スライドに伴い機器本体のオンオフを切り換える第2フック部材とを備え、
前記機器本体は、前記第1操作部と第2操作部がスライド可能に挿入される長孔を有し、
ユーザが前記第1操作部と第2操作部を前記長孔内で前記弾性部材が付勢する方向と反対方向にスライドさせることにより、前記分離体の第1、第2係合部から前記第1、第2ロック部が離脱して前記分離体が機器本体から脱着可能となると共に機器本体のスイッチがオフとなるロック解除状態となり、
このロック解除状態からユーザが操作した指を離すと、前記第2フック部材の位置はそのままで装置本体のオフ状態を維持しつつ、前記第1フック部材は前記弾性体の付勢力により第1ロック部が第1係合部との係合位置にスライドして戻る中間状態となり、
前記分離体を装着した後の中間状態からユーザが前記第2操作部を元の位置にスライドすることで、第2ロック部が第2係合部に契合すると共に装置本体がオンとなるロック状態となるように構成したことを特徴とるロック機構。 - 前記第1操作部と前記第2操作部とは、前記分離体が前記機器本体に対しロックされているときに互いに接近して一体的な状態となり、前記分離体が前記機器本体に対し分離されたときに互いに離間する分離状態になることを特徴とする請求項1記載のロック機構。
- 前記第1フック部材は、前記分離体を係脱可能にロックするロック部が、前記分離体の装着動作に伴って前記弾性部材の弾性力に抗して移動し、前記分離体が装着する際にクリック感をもって前記分離体をロックすることを特徴とする請求項1または2記載のロック機構。
- 前記分離体は電池を収納する電池ボックスであり、前記第2フック部材は前記電池ボックスと前記機器本体内の電気回路との電気的な接続を切り換えるメインスイッチを有し、このメインスイッチが第2操作部の操作に応じて切り換わることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のロック機構。
- 前記機器本体には増設用メモリを収容するメモリ収容部に蓋体がビスにより取り付けられ、前記分離体には前記蓋体の前記ビスを覆い隠すための突起部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のロック機構。
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