JP3845899B2 - 半導体モジュールを用いたパワー回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば電気自動車等の電源部に採用される半導体モジュールを用いたパワー回路に関し、特に主電池電圧検出回路や平滑コンデンサの放電回路等の補助回路が併せ設けられるパワー回路に採用されて好適なモジュール構造の具現に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に、電気自動車システムの駆動系並びに制御系の各回路を示す。
この電気自動車システムにおいて、バッテリ10は、主電池として400V(ボルト)程度の高電圧を出力する直流電源である。その直流出力電圧は、インバータパワー回路21によって3相交流に逆変換され、該変換されたU相、V相、及びW相の3相交流電流によって、交流モータからなる走行モータ30が回転駆動されるようになる。
【0003】
一方、走行モータ30にはその出力軸に適宜の回転数センサ(図示せず)が設けられ、その検出されるモータ回転数情報Nmが、マイクロコンピュータ等からなる電子制御装置40に取り込まれるようになる。またこの電子制御装置40には、アクセルペダル50に設けられたこれも図示しないアクセルセンサによって検出されるアクセル位置情報ACLも併せ取り込まれ、電子制御装置40では、この取り込まれるアクセル位置情報ACLに対応したモータ出力が得られるよう、上記モータ回転数情報Nmを監視しつつ、上記インバータパワー回路21による直流−交流変換動作を制御する。
【0004】
電子制御装置40による同制御は、インバータ制御回路22を介して行われ、電子制御装置40からその制御信号として上記生成すべき3相交流電流の各相に対応したパルス幅変調信号PWMU、PWMV、及びPWMWがインバータ制御回路22に送られる。これによりインバータ制御回路22では、その駆動回路221を通じて上記インバータパワー回路21を構成する各半導体モジュール211、212、及び213のスイッチング素子を同信号PWMU、PWMV、PWMWの内容に対応してオン/オフせしめ、もって、電流供給線31a、31b、及び31cの各々に、U相、V相、及びW相からなる3相交流電流を発生せしめる。
【0005】
ここで、上記半導体モジュール211、212、及び213に採用されるスイッチング素子としては通常、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等のトランジスタやその他のパワートランジスタ、或いはサイリスタ等が用いられる。
【0006】
また、インバータパワー回路21には、上記半導体モジュール211、212、213の他、そのスイッチング素子のスイッチング動作に際して直流入力に生じる電流及び電圧リプルを平滑化するための平滑コンデンサ214が併せ設けられる。
【0007】
基本的にはこうした構成を有する電気自動車システムにあって、通常は、上記半導体モジュール211、212、213にある各スイッチング素子をその破壊等から保護するために、上記バッテリ10の出力電圧をインバータ制御回路22に設けた電圧検出回路222によって検出し、過電圧が検出される場合には、同電圧検出回路222から上記駆動回路221に対し遮断指令を発してそれらスイッチング素子の駆動を停止させるようにしている。
【0008】
また、インバータパワー回路21の動作時に上記平滑コンデンサ214に充電された電荷は、同パワー回路21が停止し且つ、バッテリ10から電気的に遮断されるシステム停止時には放電されることが望ましいため、通常は、抵抗器からなる放電回路23を設けてその充電された電荷を放電するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、電圧検出回路222や放電回路23を設けることで、上記パワー回路としての信頼性は大幅に高められるようになる。
【0010】
ただし従来、それら電圧検出回路222や放電回路23は、上記パワー回路にリード線によって接続されているために、生産コストの低減を困難にするとともに、信頼性の面でも不安を残すこととなっていた。図10に、同電気自動車システムに採用されている従来のインバータパワー回路部分について、その組み付け構造を模式的に示す。
【0011】
すなわち同図10に示されるように、該パワー回路において、平滑コンデンサ214は、直流電源端子板24を通じて半導体モジュール211〜213の給電電極11及び12に直付けされるが、インバータ制御回路22に設けられている上記電圧検出回路222は、リード線13及び14によって該給電電極11及び12に電気的に接続され、上記放電回路23も、リード線15及び16によって同給電電極11及び12に電気的に接続されるようになっている。
【0012】
このため、同パワー回路組み付け時における上記リード線13、14、或いは15、16の噛み込みによってその被覆の劣化や断線を招く懸念があり、また、電気自動車の走行時における振動等によっても、それらリード線の断線を招く懸念がある。
【0013】
また、同リード線13、14、或いは15、16としては通常、高耐圧電線を使用する必要があることから、配線作業にかかるコストに加え、それらリード線自体のコストも無視できないものとなっている。
【0014】
一方、上記電圧検出回路222が配設されるインバータ制御回路22にあっては、こうした高電位の信号を処理するために、それら信号間の絶縁距離を大きくとる必要がある。このため、同制御回路22も自ずと大型化されることとなっていた。
【0015】
また更に、上記放電回路23に用いられる抵抗器はその発熱も大きい。したがって同図10に示されるように、これを半導体モジュール211〜213と共通の冷却プレート25に取り付けるとなると、該冷却プレート25そのものも大型化せざるを得ず、ひいては同パワー回路自身の小型化も大きく阻害されることとなっていた。
【0016】
なお、上述した電気自動車システムに限らず、上記形態の半導体モジュールを用いてパワー回路を構成するに、電圧検出回路や放電回路等の補助回路を設けてその信頼性の向上を図ろうとするものにあっては、こうした実情も概ね共通したものとなっている。
【0017】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、上述したリード線の配線を不要として電圧検出回路や放電回路等の補助回路を配設することのできる構造を有する半導体モジュールを用いることで、より信頼性が高く、しかもコスト的にも有利で且つ小型化にも適した構造を有するパワー回路を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
こうした目的を達成するため、この発明では、(A)内蔵する半導体スイッチング素子への各給電電極が表面に露呈して配設された非導体外囲器と、この外囲器の内部若しくは上部に前記半導体スイッチング素子への各給電電極と各々接合される電極を有して組み付けられる基板と、この基板に形成されて前記電極間に電気的に接続された抵抗器を通じて前記半導体スイッチング素子への各給電電極と並列接続される平滑コンデンサの充電電荷を放電する放電回路とを有する第1の半導体モジュール。
(B)内蔵する半導体スイッチング素子への各給電電極が表面に露呈して配設された非導体外囲器と、この外囲器の内部若しくは上部に前記半導体スイッチング素子への各給電電極と各々接合される電極を有して組み付けられる基板と、この基板に形成されて前記電極間に印加される給電電圧の電圧レベルが適正か否かを検出する電圧検出回路とを有する第2の半導体モジュール。
を具えるとともに、これら第1及び第2の半導体モジュールの各1乃至複数を電源に並列接続してなる構造によれば、同第1及び第2の半導体モジュール自身による上述した構造を通じて、上記放電回路や電圧検出回路をリード線なしで電源に接続することができるようになり、これら放電回路や電圧検出回路が併せ配設されることとも相まって、その信頼性は大幅に高められるようになる。
【0027】
また、こうしてリード線の配線が不要になることで、その生産コストが好適に低減されるようになるとともに、上記第1の半導体モジュールにあって放電回路を構成する抵抗器が放熱面積の広い基板に直接形成されることで、同パワー回路としての小型化も併せ図られるようになる。
【0028】
また因みに、上記第1の半導体モジュール2個と上記第2の半導体モジュール1個とが並列接続されることで前述した3相交流インバータのパワー回路が形成される。そしてその際、電圧検出回路からの検出信号は上述のように、低電位の信号として適宜の線材若しくはコネクタを介してインバータ制御回路に入力されるようになることから、該制御回路においてそれら信号間の絶縁距離を大きくとる必要もなくなり、同制御回路も併せてその小型化が図られるようになる。
【0029】
また、上記電圧検出回路についてはこれを更に、請求項記載の発明によるように、
・前記電極間に印加される給電電圧を所定に分圧する分圧回路。
・この分圧された電圧を前記給電電圧の電圧レベルが過電圧である旨を判定するための過電圧判定用基準値と比較する比較回路。
・この比較回路による比較出力をアイソレートするアイソレータ。
・このアイソレートされた比較出力を外部出力する出力回路。
といった各回路を有する構成とすることで、感電や漏電が懸念される比較的電圧の高い部分を上記第2の半導体モジュール内に封じ込めることができるようにもなり、ひいては同パワー回路としての信頼性や安全性を更に高めることができるようにもなる。
【0030】
また、請求項記載の発明によるように、上記パワー回路において、
・前記第1及び第2の半導体モジュールの各外囲器には、前記各半導体スイッチング素子を駆動する駆動回路が併せ組み込まれる。
といった構造を採用することとすれば、いわゆるIPMにより構成されるパワー回路にあっても、上記放電回路や電圧検出回路をリード線なしで電源に接続することができるようになり、やはりその信頼性を大きく高めることができるようになる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1に、この発明にかかる半導体モジュールを用いたパワー回路についてその一実施形態を示す。
【0032】
この実施形態は、同パワー回路を、前述した電気自動車システムに採用されている3相交流インバータに適用したものであり、以下、図1を参照して、同実施形態にかかるパワー回路の構造について説明する。
【0033】
この3相交流インバータ1にあって、冷却プレート8上に配設されている半導体モジュール2a、2b、及び3はそれぞれ、前述のIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等からなる半導体スイッチング素子を2素子ずつ内蔵しており、それら各モジュールが平滑コンデンサ4a〜4cとともに直流電源端子板5a及び5bにより電気的に並列接続されて、等価的には先の図9に示されるインバータパワー回路21が構成されるようになる。なお、上記電源端子板5a及び5bは、図示しない層間絶縁材によってその正極端子板(5a)と負極端子板(5b)とが分離される積層型端子板となっている。
【0034】
また、同インバータ1にあって、上記平滑コンデンサ4a〜4cの背面には、図示しない電子制御装置(図9に示される電子制御装置40に相当)から付与されるパルス幅変調信号に基づいて上記半導体モジュール2a、2b、3に内蔵されている各スイッチング素子の駆動を制御するインバータ制御回路(基板)6が設けられている。この制御回路(基板)6は、絶縁性材料からなる制御回路固定ホルダ7によって、上記電源端子板5a及び5bに固定される。
【0035】
一方、上記半導体モジュール2a、2b、及び3にあって、半導体モジュール2a及び2bには各々、その給電電極206及び207間に接続された抵抗器を通じて上記平滑コンデンサ4a〜4cの充電電荷を放電する放電回路61が併せ搭載され、半導体モジュール3には、その給電電極306及び307間に印加される給電電圧の電圧レベルが適正か否かを検出する電圧検出回路62が併せ搭載されている。
【0036】
図2及び図3は、上記半導体モジュール2a、2bの具体構造並びにその等価回路を、また図4及び図5は、上記半導体モジュール3の具体構造並びにその等価回路をそれぞれ示したものであり、次に、これら図2〜図5を併せ参照して、上記半導体モジュール2a、2b、及び3の構造について更に詳述する。
【0037】
まず、図2に示す半導体モジュール2a、2bにおいて、その外囲器201には、上記IGBT等からなるスイッチング素子が1組(2素子)内蔵されており、その蓋202には、それらスイッチング素子への各給電電極206及び207が露呈して配設されている。
【0038】
また、蓋202の上部には回路アッセンブリ収納室208が設けられており、該収納室208に上記放電回路61が基板上に形成された放電回路アッセンブリ(放電回路基板)203が収納される。
【0039】
この放電回路アッセンブリ203は、上記内蔵されるスイッチング素子への各給電電極206及び207と各々機械的且つ電気的に接合される電極204及び205を有して上記収納室208に組み付けられるものであり、同電極204及び205が上記給電電極206及び207と上記電源端子板5a及び5b(図1)との間に挟まれ、それら電極と共締めされるかたちで先の図1の態様での組み付けが行われることにより、上記放電回路61は、前述したリード線による配線を不要として、主電池(図示せず)による電源供給ラインに接続されるようになる。
【0040】
なお、同回路アッセンブリ203は、回路アッセンブリ保持突起209によりその上下位置が規制された状態でその収納室208内に接着剤若しくはネジ等により固定された後、その上面に、ウレタン等の絶縁樹脂、或いはシリコンゲル等が充填される。こうして絶縁樹脂、或いはシリコンゲル等が充填されることにより、同回路アッセンブリ203内への異物混入等が防止されるとともに、上記放電回路61を構成する抵抗器の温度上昇も同回路アッセンブリ(基板)203全域に伝熱されて平均化されるようになる。すなわち、先の図10に示した従来のパワー回路のように、冷却プレートの拡大を図らずとも、放電回路61としての十分な放熱面積が確保されるようになる。また、こうした放電回路61を有する半導体モジュール2a及び2bが電気的に並列接続されることで、それら各回路に必要とされる抵抗器としても従来のものに比べてより小型のものを用いることができるようになる。
【0041】
その他、同半導体モジュール2a、2bにおいて、電極210は、図示しない走行モータ(図9に示される走行モータ30に相当)の電流供給端子に接続される当該半導体モジュールの出力電極であり、電極ピンP21〜P24は、上述したインバータ制御回路6(図1)に接続される当該半導体モジュールの制御電極ピンである。上記内蔵されるスイッチング素子並びにその給電電極206(204)及び207(205)も含め、上記放電回路61やこれら各電極の電気的な接続関係を等価回路として図3に参考までに示す。
【0042】
他方、図4に示す半導体モジュール3においても、その外囲器301には、上記IGBT等からなるスイッチング素子が1組(2素子)内蔵されており、その蓋302には、それらスイッチング素子への各給電電極306及び307が露呈して配設されている。
【0043】
また、蓋302の上部にも回路アッセンブリ収納室308が設けられており、該収納室308に上記電圧検出回路62が基板上に形成された電圧検出回路アッセンブリ(電圧検出回路基板)303が収納される。
【0044】
この電圧検出回路アッセンブリ303は、上記内蔵されるスイッチング素子への各給電電極306及び307と各々機械的且つ電気的に接合される電極304及び305を有して上記収納室308に組み付けられるものであり、ここでも同電極304及び305が上記給電電極306及び307と上記電源端子板5a及び5b(図1)との間に挟まれ、それら電極と共締めされるかたちで先の図1の態様での組み付けが行われることにより、上記電圧検出回路62は、前述したリード線による配線を不要として、主電池(図示せず)による電源供給ラインに接続されるようになる。
【0045】
そして、同回路アッセンブリ303も、回路アッセンブリ保持突起309によりその上下位置が規制された状態でその収納室308内に接着剤若しくはネジ等により固定された後、その上面に、ウレタン等の絶縁樹脂、或いはシリコンゲル等が充填される。こうして絶縁樹脂、或いはシリコンゲル等が充填されることにより、同回路アッセンブリ303にあっても、その回路内への異物混入等は好適に防止されるようになる。
【0046】
その他、同半導体モジュール3においても、電極310は、図示しない走行モータ(図9に示される走行モータ30に相当)の電流供給端子に接続される当該半導体モジュールの出力電極であり、電極ピンP31〜P34は、上述したインバータ制御回路6(図1)に接続される当該半導体モジュールの制御電極ピンである。また、信号ハーネス311は、上記電圧検出回路62に対する電源の供給や同回路62による検出信号を出力するために同じく上述したインバータ制御回路6(図1)に接続されるハーネスである。上記内蔵されるスイッチング素子並びにその給電電極306(304)及び307(305)も含め、上記電圧検出回路62やこれら各電極の電気的な接続関係を、ここでも等価回路として図5に参考までに示す。
【0047】
図6は、半導体モジュール3に搭載されている上記電圧検出回路62についてその具体構成を示したものであり、次に、この図6を参照して、同電圧検出回路62の構成、並びに機能を更に詳述する。
【0048】
同図6に示される電圧検出回路62において、分圧回路621は、主電池であるバッテリ10から当該半導体モジュール3の上記給電電極306(304)及び307(305)に対して印加される約400Vほどの電圧を数Vの電圧に分圧する回路である。この分圧された電圧は比較回路622に入力される。
【0049】
比較回路622は、上記分圧回路621から入力される電圧を過電圧判定用基準値設定回路623を通じて設定される基準値Vrefと比較し、同入力される電圧がこの過電圧判定用基準値Vrefを超えているとき、上記バッテリ10の出力電圧が異常(過電圧)であるとして、その旨示す過電圧検出信号を出力する回路である。この出力された過電圧検出信号は、例えばフォトカプラ等の光結合素子からなるアイソレータ624によりアイソレート(信号絶縁)されて、出力バッファ625に加えられるようになる。
【0050】
ここで、過電圧検出信号がこうしてアイソレートされることにより、同電圧検出回路62は、高電圧が印加される回路エリア62Aと制御系の低い電圧で駆動する回路エリア62Bとが電気的に絶縁され、感電や漏電等が懸念される高電圧部分は当該半導体モジュール3内に封じ込められるようになる。そしてこれにより、同パワー回路としての信頼性や安全性も更に高まることとなる。
【0051】
一方、こうしてアイソレートされ、上記出力バッファ625を介してインバータ制御回路6(図1)に出力された過電圧検出信号は、同制御回路6内にある図示しない駆動回路(図9に示される駆動回路221に相当)に加えられ、同駆動回路によるスイッチング素子の駆動動作を停止せしめるよう作用する。
【0052】
なお、上記過電圧検出信号は、上記信号ハーネス311を通じてインバータ制御回路6に出力されることとはなるが、同信号電圧は上述のように、上記バッテリ10の出力電圧に比べれば極めて低い。したがって、上記信号ハーネス311としては耐圧の低い安価なハーネスやコネクタを使用することができるとともに、同過電圧検出信号が入力されるインバータ制御回路6においても、従来のようにそれら信号間の絶縁距離を大きくとる必要がなくなり、同制御回路6も併せてその小型化が図られるようになる。
【0053】
以上説明したように、同実施形態にかかる半導体モジュール、及び同半導体モジュールを用いたパワー回路によれば、
(イ)前述したリード線の配線を全く不要として、半導体スイッチング素子の給電電極(電源ライン)に放電回路61や電圧検出回路62等の補助回路を電気的に接続することができるようになる。そしてこのため、同半導体モジュールを用いたパワー回路としても、これら補助回路が併せ配設されることとも相まって、その信頼性は大幅に高められるようになる。
【0054】
(ロ)また特に、上記放電回路61については、その表面に絶縁樹脂、或いはシリコンゲル等を充填したことで、異物混入等が防止されるとともに、該放電回路61を構成する抵抗器の温度上昇も同回路基板全域に伝熱されて平均化されるようになる。すなわち、冷却プレートの拡大等を図らずとも、同放電回路61としての十分な放熱面積が確保され、同半導体モジュールを用いたパワー回路としても、その小型化が図られるようになる。また、こうした放電回路61を有する半導体モジュールが電気的に並列接続されることで、それら各回路に必要とされる抵抗器としても従来のものに比べてより小型のものを用いることができるようになる。
【0055】
(ハ)他方、上記電圧検出回路62の場合、その検出信号は、適宜の線材若しくはコネクタを介してインバータ制御回路に出力されることとなるが、同信号電圧は、上記電源ラインに印加される電圧に比べて極めて低いため、その線材若しくはコネクタとしても耐圧の低い安価な線材若しくはコネクタを使用することができる。また、こうした検出信号が入力されるインバータ制御回路においても、従来のようにそれら信号間の絶縁距離を大きくとる必要がなくなり、同制御回路も併せてその小型化が図られるようになる。
【0056】
(ニ)更に、上記電圧検出回路62にあっては、高電位部分と低電位部分とをアイソレートしたことで、感電や漏電が懸念される比較的電圧の高い部分を当該モジュール内に封じ込めることができるようになり、ひいてはその信頼性や安全性を更に高めることができるようになる。
等々、多くの優れた効果が奏せられるようになる。
【0057】
なお、上記実施形態にあっては、半導体モジュールに内蔵されたスイッチング素子を外部から駆動する場合について示したが、それら駆動回路をモジュールに内蔵するいわゆるIPM(インテグレーテッド・パワー・モジュール)についても、この発明は同様に適用することができる。図7に、この発明にかかる半導体モジュールをIPMに適用した場合の組み付け構造を、また図8に、その等価回路をそれぞれ示す。
【0058】
すなわち、この図7に示す半導体モジュール70においても、その外囲器701には、上記IGBT等からなるスイッチング素子が1組(2素子)内蔵され、またその上面には、それらスイッチング素子への各給電電極705及び706が露呈して配設されている。
【0059】
そして同半導体モジュール70の場合、上記各スイッチング素子の駆動回路が形成される回路アッセンブリ(基板)703に、上述した放電回路61や電圧検出回路62等の補助回路を併せ形成したものが、上記外囲器701の内部に実装される。すなわち同半導体モジュール70にあって、この回路アッセンブリ703は、駆動回路及び補助回路アッセンブリ(駆動回路及び補助回路基板)として構成されている。
【0060】
なお、この駆動回路及び補助回路アッセンブリ(駆動回路及び補助回路基板)703にあって、その補助回路部分は、図8の等価回路に示されるように、上記外囲器701の上面に露呈して配設される各給電電極705及び706に対して、電気的に内部接続されている。同半導体モジュール70としてのこうした構造によっても、上記放電回路61や電圧検出回路62は、前述したリード線による配線を不要として、主電池(図示せず)による電源供給ラインに接続されるようになる。
【0061】
また、同駆動回路及び補助回路アッセンブリ(駆動回路及び補助回路基板)703にあって、上記併せ形成する補助回路は、上記放電回路61及び電圧検出回路62の少なくとも一方であればよく、場合によっては、それら両回路を併せ形成する構成とすることもできる。
【0062】
因みに、同補助回路として、これら放電回路61及び電圧検出回路62の両方の回路を併せ設ける場合には、同半導体モジュール70として只1種類のモジュールを製造し、これを電気的に並列接続することで、図1、或いは図9に示されるような3相交流インバータを実現することができるようになる。もっともこれは、同半導体モジュール70に限らず、先の図2、或いは図4に例示した半導体モジュール2a、2b、及び3についてもいえることであり、必要であれば、それら放電回路61、或いは電圧検出回路62としての機能を適宜に選択する自動或いは手動の切り換えスイッチ等を併せ設ける構成とすることもできる。
【0063】
そして、このように構成される半導体モジュール70も、その外囲器701の上面に蓋702が施されることで、これに内蔵される上記スイッチング素子や駆動回路及び補助回路アッセンブリ703が埃等の混入から保護され、その信頼性が確保されるようになる。
【0064】
その他、同半導体モジュール70においても、電極707は、図示しない走行モータ(図9に示される走行モータ30に相当)の電流供給端子に接続される当該半導体モジュールの出力電極であり、電極ピン群704は、前記インバータ制御回路に接続される当該半導体モジュールの制御電極ピンである。
【0065】
このように、図7及び図8に示した半導体モジュールによれば、上記(イ)〜(ニ)として示した効果に加え、
(ホ)特にIPMとして構成することで、これに本来内蔵される駆動回路基板(駆動回路アッセンブリ)に上記放電回路61や電圧検出回路62としての機能を追加するだけで済む。
といった利便性も併せ備わることとなる。
【0066】
なお、特に該IPMとして構成する半導体モジュールにあっては、その補助回路として内蔵される電圧検出回路の上記過電圧検出信号に基づき、同モジュール内部で、上記各半導体スイッチング素子の駆動を停止せしめる構成とすることもできる。
【0067】
また、上記何れの半導体モジュールであれ、その採用されるスイッチング素子は、上述したIGBTには限られない。同IGBT以外のパワートランジスタやサイリスタ等も適宜採用することができる。
【0068】
また、特に図2及び図4に例示した半導体モジュールにあっては、それら搭載される補助回路(放電回路61、電圧検出回路62)の上面にウレタン等の絶縁樹脂、或いはシリコンゲル等を充填することとしたが、異物の混入、堆積、更には実装素子の温度上昇が許容される範囲では、それら絶縁樹脂やシリコンゲル等の充填を割愛する構造とすることもできる。
【0069】
また、特に放電回路61が搭載される半導体モジュールにあっては、同回路を構成する抵抗器を、冷却効率の高い半導体スイッチング素子実装面に対し実装する構造とすることで、その放熱効率を更に高めることができるようにもなる。
【0070】
また更に、上記実施形態では、同放電回路61を抵抗器のみによって構成する場合について示したが、他に例えば、半導体スイッチ等を同抵抗器に直列に接続し、システムの停止時にのみ該スイッチをオンとして放電を実行する構成なども適宜採用することができる。
【0071】
そして、この発明にかかる半導体モジュール、及び同半導体モジュールを用いたパワー回路は、上述した電気自動車システムへの適用に限られるものでもない。半導体モジュールを用いてパワー回路を構成するに、電圧検出回路や放電回路等の補助回路を設けてその信頼性の向上を図ろうとするシステムの全てに対し、上記実施形態に準じたかたちで適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の半導体モジュールを用いたパワー回路の一実施形態を示す斜視図。
【図2】この発明の半導体モジュールの一実施形態を示す斜視図。
【図3】同実施形態の半導体モジュールの等価回路を示す回路図。
【図4】この発明の半導体モジュールの他の実施形態を示す斜視図。
【図5】同実施形態の半導体モジュールの等価回路を示す回路図。
【図6】同実施形態に採用される電圧検出回路の構成を示すブロック図。
【図7】この発明の半導体モジュールの更に他の実施形態を示す斜視図。
【図8】同実施形態の半導体モジュールの等価回路を示す回路図。
【図9】電気自動車システムの主にパワー回路の概要を示すブロック図。
【図10】同電気自動車システムの従来のパワー回路部分の組み付け構造を模式的に示す略図。
【符号の説明】
1…パワー回路(インバータパワー回路)、2a、2b…半導体モジュール、201…外囲器、202…蓋、203…放電回路アッセンブリ(放電回路基板)、204、205…放電回路電極、206、207…半導体モジュール給電電極、208…回路アッセンブリ収納室、209…回路アッセンブリ保持突起、210…半導体モジュール出力電極、P21〜P24…半導体モジュール制御電極ピン、3…半導体モジュール、301…外囲器、302…蓋、303…電圧検出回路アッセンブリ(電圧検出回路基板)、304、305…電圧検出回路電極、306、207…半導体モジュール給電電極、308…回路アッセンブリ収納室、309…回路アッセンブリ保持突起、310…半導体モジュール出力電極、311…信号ハーネス、P31〜P34…半導体モジュール制御電極ピン、4a〜4c…平滑コンデンサ、5a、5b…直流電源端子板、6…インバータ制御回路(基板)、7…制御回路固定ホルダ、8…冷却プレート、10…バッテリ(主電池)、11、12…給電電極、13、14、15、16…リード線、21…インバータパワー回路、211〜213…半導体モジュール、214…平滑コンデンサ、22…インバータ制御回路、221…駆動回路、222…電圧検出回路、23…放電回路(抵抗器)、24…直流電源端子板、25…冷却プレート、30…走行モータ、31a〜31c…電流供給線、40…電子制御装置、50…アクセルペダル、61…放電回路、62…電圧検出回路、621…分圧回路、622…比較回路、623…過電圧判定用基準値設定回路、624…アイソレータ、625…出力バッファ、70…半導体モジュール(IPM)、701…外囲器、702…蓋、703…駆動回路及び補助回路アッセンブリ(駆動回路及び補助回路基板)、704…半導体モジュール制御電極ピン、705、706…半導体モジュール給電電極、707…半導体モジュール出力電極。

Claims (3)

  1. 内蔵する半導体スイッチング素子への各給電電極が表面に露呈して配設された非導体外囲器と、この外囲器の内部若しくは上部に前記半導体スイッチング素子への各給電電極と各々接合される電極を有して組み付けられる基板と、この基板に形成されて前記電極間に電気的に接続された抵抗器を通じて前記半導体スイッチング素子への各給電電極と並列接続される平滑コンデンサの充電電荷を放電する放電回路とを有する第1の半導体モジュールと、
    内蔵する半導体スイッチング素子への各給電電極が表面に露呈して配設された非導体外囲器と、この外囲器の内部若しくは上部に前記半導体スイッチング素子への各給電電極と各々接合される電極を有して組み付けられる基板と、この基板に形成されて前記電極間に印加される給電電圧の電圧レベルが適正か否かを検出する電圧検出回路とを有する第2の半導体モジュールと、
    を具え、これら第1及び第2の半導体モジュールの各1乃至複数を電源に並列接続してなる
    ことを特徴とするパワー回路。
  2. 前記第2の半導体モジュールを構成する前記電圧検出回路は、
    前記電極間に印加される給電電圧を所定に分圧する分圧回路と、
    この分圧された電圧を前記給電電圧の電圧レベルが過電圧である旨を判定するための過電圧判定用基準値と比較する比較回路と、
    この比較回路による比較出力をアイソレートするアイソレータと、
    このアイソレートされた比較出力を外部出力する出力回路と、
    を具えて構成される
    請求項1記載のパワー回路。
  3. 請求項1または2記載のパワー回路において、
    前記第1及び第2の半導体モジュールの各外囲器には、前記各半導体スイッチング素子を駆動する駆動回路が併せ組み込まれる
    ことを特徴とするパワー回路。
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