JP3845098B2 - 速乾性水性樹脂組成物及びこれを用いた塗料 - Google Patents

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Description

本発明は、揮発性有機溶剤(VOC)を多量に使用することなく低温・高湿度の条件下でも速乾性を有し、貯蔵安定性に優れた速乾性水性樹脂組成物、これを用いた速乾性塗料用樹脂、及びこれを用いた塗料に関するものである。
近年、VOC使用規制強化の流れや社会の環境保護意識の急速な高まりの中で、溶剤系樹脂から水性樹脂への転換が進められている。しかし、水性樹脂は、溶剤系樹脂に比べると乾燥し難く、特に低温・高湿度条件下では得られる塗膜が乾燥するまでにかなりの時間を要するという問題がある。
特に、建築分野の外装用塗料、路面表示塗料に水性樹脂が用いられる場合、低温・高湿度条件下では、得られる塗膜が完全に乾燥するまでに長時間を要し、この乾燥段階で降雨があった場合は、この塗膜が流れてしまうという問題があった。
この問題を解決するために、塗料中に含まれる溶剤の蒸発速度を高める方法が提案されている。例えば、メタノール等の低沸点溶剤を水性樹脂に含有させる方法が挙げられる。この方法では、一般の水性樹脂に比べ乾燥速度は速くなるが、低沸点溶剤を多量に加える必要があり、引火性の危険、及びVOCによる人体・環境への影響(オゾン層破壊・大気汚染等)などの問題がある。
この問題を解決する別の方法としては、水性樹脂のゲル化による方法が提案されている。この方法は、揮発性塩基により非イオン化されたカチオン性官能基含有樹脂と、アニオン性官能基含有樹脂とを水性樹脂中に共存させ、塗装施工直後に該揮発性塩基が蒸発することにより該カチオン性官能基含有樹脂がイオン化し、これと該アニオン性官能基含有樹脂との間に生じるイオン結合によるゲル化現象を利用したものである。この方法を応用した速乾性水性樹脂組成物は、特許文献1、特許文献2、特許文献3等において開示されているが、実際にはこれらの組成物の初期乾燥は遅く、速乾性が不十分であった。
特許第3049642号公報 特開2002−309158号公報 特開平10−60308号公報
従って、本発明の目的は、上記のような危険性や問題を抱える揮発性有機溶剤(VOC)を多量に使用することなく、低温・高湿度条件下でも速乾性を有し、貯蔵安定性に優れた速乾性水性樹脂組成物、これを用いた速乾性塗料用樹脂、及びこれを用いた塗料を提供することにある。
本発明は上記の課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、(a)アニオン性樹脂エマルジョン、(b)アミン誘導体とオキシハロゲン化合物とを反応させて得られる水溶性カチオン性樹脂、及び(c)揮発性塩基を用いることにより、揮発性有機溶剤(VOC)を多量に使用することなく、極めて優れた速乾性及び長期貯蔵安定性を併せ持つ速乾性水性樹脂組成物、これを用いた速乾性塗料用樹脂、及びこれを用いた塗料を見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、(a)不飽和単量体100重量部に対して0.1〜20.0重量部のカルボキシル基(カルボン酸基)含有不飽和単量体、スルホン酸基含有不飽和単量体、又はリン酸基含有不飽和単量体の1種又は2種以上を含み、不飽和単量体100重量部に対して0.1〜10.0重量部のアニオン性界面活性剤を使用して得られるアニオン性樹脂エマルジョン、(b)モノメチルアミン、モノエチルアミン、アンモニア、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、2−アミノエタノール、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ポリ(ジメチルアミノエチル)メタクリレートから選ばれる少なくとも1種又は2種類以上オキシハロゲン化合物とを反応させて得られる水溶性カチオン性樹脂、及び(c)揮発性塩基を含む速乾性水性樹脂組成物、及びこれを用いた塗料に関するものである。
(a)アニオン性樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、0.5〜10.0重量%の(b)水溶性カチオン性樹脂(固形分)を使用することが好ましい。
(a)アニオン性樹脂エマルジョン、(b)アミン誘導体とオキシハロゲン化合物とを反応させて得られる水溶性カチオン性樹脂、及び(c)揮発性塩基を含む組成物のpHは、7.5〜12.0の範囲に維持されることが好ましい。
本発明の速乾性水性樹脂組成物は、(a)アニオン性樹脂エマルジョン、(b)アミン誘導体とオキシハロゲン化合物とを反応させて得られる水溶性カチオン性樹脂、及び(c)揮発性塩基を配合した速乾性水性樹脂組成物であり、VOCを多量に用いることなく、優れた貯蔵安定性や低温高湿度条件下における優れた速乾性を発揮することが出来る。
本発明の速乾性水性樹脂組成物についてさらに詳細に説明する。
[(a)アニオン性樹脂エマルジョン]
本発明の(a)アニオン性樹脂エマルジョンは、通常の乳化重合に従って製造することが出来る。(a)アニオン性樹脂エマルジョンの製造に用いるアニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸モノエステル、アルキルベンゼンスルホン酸、脂肪族スルホン酸、脂肪族カルボン酸、脂肪族リン酸などのアンモニウム塩などの、揮発性塩基由来の対イオンを持つものが使用できる。また、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)も、併用することは可能である。さらには、ラジカル重合性を持つ反応性のアニオン性界面活性剤を使用しても構わない。一方、ノニオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニル等)、両性界面活性剤(例えば、ラウリルベタイン等)などを速乾性・貯蔵安定性に留意しながら併用することも、特に制限されない。
該アニオン性界面活性剤の使用量は、(a)アニオン性樹脂エマルジョンに使用する不飽和単量体100重量部に対して、0.1〜10.0重量部であることが好ましい。0.1〜10.0重量部の場合には、(b)水溶性カチオン性樹脂との混和時における粗粒発生や、貯蔵安定性に何ら問題なく、速乾性を与えることができる。
(a)アニオン性樹脂エマルジョンは、使用する不飽和単量体100重量部に対して、0.1〜20.0重量部のカルボキシル基(カルボン酸基)含有不飽和単量体、スルホン酸基含有不飽和単量体、又はリン酸基含有不飽和単量体を用いてもよい。0.1重量部〜20.0重量部の場合には、速乾性が発揮され、貯蔵安定性の低下の問題はない。ここでのカルボキシル基(カルボン酸基)含有不飽和単量体、スルホン酸基含有不飽和単量体、又はリン酸基含有不飽和単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、ビニルスルホン酸、モノ(2−(メタ)アクロイルオキシエチル)リン酸などを挙げることができる。
(a)アニオン性樹脂エマルジョンに使用できる不飽和単量体を具体的に挙げるとすれば、例えば、スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基含有アルキル(メタ)アクリル酸エステル(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど)、グリシジル基含有アルキル(メタ)アクリル酸エステル(例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなど)、置換アミノ基含有アルキル(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど)などが挙げられ、その他(メタ)アクリル酸誘導体(例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど)などが挙げられる。
さらに、必要に応じて、シアン化ビニル化合物(例えば、(メタ)アクリルニトリル)、ビニルエステル化合物(例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル(商品名)など)、モノオレフィン化合物(例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、クロロプレンなど)などを併用してもよい。
(a)アニオン性樹脂エマルジョンの製造に使用されるラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性無機過酸化物又は過硫酸塩、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。なお、これらのラジカル重合開始剤と、金属イオン及び酒石酸、蟻酸、蓚酸、亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤との併用による、一般にレドックス重合法として公知の方法によっても、(a)アニオン性樹脂エマルジョンの製造は可能である。
(a)アニオン性樹脂エマルジョンの製造には、必要に応じて連鎖移動剤も使用できる。例えば、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、2−メルカプトエタノール、β−メルカプトプロピオン酸などが挙げられる。
さらにまた、不飽和単量体の一部として、複数の不飽和二重結合を有する架橋性不飽和単量体を用いることができる。この架橋性不飽和単量体としては、例えばN,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの化合物は、速乾性及び貯蔵安定性に留意する限り、特に限定されるものではない。
本発明の(a)アニオン性樹脂エマルジョンの製造における不飽和単量体の添加方法に関しては、あらかじめ初期に一括して添加しておく方法、初期に不飽和単量体の一部をあらかじめ添加し、その後残りの不飽和単量体を連続滴下する方法、全ての不飽和単量体を連続滴下する方法、不飽和単量体とアニオン性界面活性剤と水とをあらかじめ乳化したものを連続滴下する方法等が挙げられ、これらの方法に従って(a)アニオン性樹脂エマルジョンを製造することができる。
速乾性水性樹脂組成物に対する貯蔵安定性の付与又は樹脂改質のため、酸(例えば、塩酸、酢酸など)、塩基(後にも詳しく述べるが、主としてアンモニア、メチルアミン等の揮発性塩基、その他、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基等を併用)、造膜助剤、レオロジー改良剤、乳化剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、滑り剤、防腐剤、防黴剤、(金属)架橋剤、凍結防止剤などの周知の化合物を添加することは、速乾性及び貯蔵安定性に留意する限り、制限されない。
[(b)水溶性カチオン性樹脂]
本発明に使用する(b)水溶性カチオン性樹脂は、速乾性を発現させるのに最も重要な成分である。これは、少なくとも一つのアミン誘導体とオキシハロゲン化合物との反応から得られる水溶性樹脂である。
アミン誘導体としては、アンモニアなどの無機アミン化合物、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミンなどの1級、2級、3級アルキルアミン、2−アミノエタノールなどのアルコール性水酸基含有アミン、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミンなどのポリアミン類などの有機アミン化合物から選ばれ、少なくとも1種又は2種類以上が使用される。さらには、ポリ(ジメチルアミノエチル)メタクリレートなどのポリ(メタ)アクリレート系アミン化合物等を使用することもできる。
速乾性及び安定性の面から、メチルアミンの使用、又はこれと他のアミン誘導体との併用が好ましい。
オキシハロゲン化合物としては、エピフルオロヒドリン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピチオクロロヒドリン、エピアンドロステロン等を使用することが出来るが、作業性及び経済的な理由から、エピクロロヒドリンが最も好ましい。
(b)水溶性カチオン性樹脂自体の貯蔵安定性を向上させるために、一般的に、酸(例えば、塩酸、酢酸、硫酸など)を添加することが有効である。また、レオロジー改良剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、凍結防止剤などの化合物を添加しても構わない。
アミン誘導体とオキシハロゲン化合物とを反応させて得られる(b)水溶性カチオン性樹脂の使用量は、(a)アニオン性樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して0.5〜10.0重量部の範囲であることが好ましい。
(b)水溶性カチオン性樹脂の使用量が(a)アニオン性樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、0.5〜10.0重量部の場合に、非常に優れた速乾性を与え、かつ貯蔵安定性をも与えることができる。
[(c)揮発性塩基]
本発明では、速乾性水性樹脂組成物の速乾性を損なわず、該組成物に貯蔵安定性を付与するために、(b)水溶性カチオン性樹脂が実質的に非イオン化された状態となるために必要十分な量の(c)揮発性塩基を使用することが必須であり、(c)揮発性塩基として、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、2−メチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、N−メチルモルホリン、エチレンジアミンの1種又は2種以上が用いられる。中でも、安全性及び作業性の面から、アンモニアが最も好ましい。また、これらの(c)揮発性塩基と共に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のような揮発性を持たないアルカリ金属水酸化物や、その他アミノ基含有有機又は無機化合物類を、本来の速乾性を損なわない程度において併用しても差し支えない。(c)揮発性塩基を用い、pHが7.5〜12.0である場合に、特に優れた速乾性及び貯蔵安定性を発揮することができる。
本発明の(a)アニオン性樹脂エマルジョン、(b)アミン誘導体とオキシハロゲン化合物とを反応させて得られる水溶性カチオン性樹脂、及び(c)揮発性塩基を含む速乾性水性樹脂組成物には、体質顔料(例えば、酸化チタン、有機顔料、炭酸カルシウム、カーボンブラック、タルク、クレー、シリカゲル、及びシリケートのような増量剤)、フィラー(例えばガラス、ポリマー微小球、石英、砂など)、染料(例えば、着色剤など)、乳化剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、滑り剤、防腐剤、防黴剤、造膜助剤、(金属)架橋剤、防食防止剤、凍結防止剤、改質剤両性樹脂(例えば、水性ウレタン樹脂、水性シリコン樹脂、水性アクリル樹脂など)、カチオン性樹脂などの添加物を必要に応じて配合することは構わない。
このようにして得られた速乾性水性樹脂組成物を用いた塗料は、揮発性有機溶剤(VOC)を多量に含んでおらず、低温・高湿度条件下でも速乾性を発揮し、貯蔵安定性にも優れた塗料である。
以下に製造例、実施例、及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明する。
(a)アニオン性樹脂エマルジョンの製造
[製造例1:(a)アニオン性樹脂エマルジョンA]
温度計、冷却器、及び攪拌機を備えた適当な重合装置中に、イオン交換水(170.0g)、及びドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム水溶液(38.0%、1.5g)を入れ、窒素置換を十分行った後75℃に昇温した。約120rpmで攪拌しながら、表1に示した処方の不飽和単量体乳化物の5%を該重合装置中に仕込み、75℃の温度を保った。過硫酸カリウムを1.0g加え、重合反応開始を確認後、残り(95%)の不飽和単量体乳化物、及びイオン交換水49.0gに過硫酸カリウム1.0gを溶解させた2%過硫酸カリウム水溶液を3.5時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で2時間さらに重合反応させ、その後25℃に冷却した。希釈水を38.0g添加し、(a)アニオン性樹脂エマルジョンAを得た(不揮発分50.1%、粘度900mPa・s(60rpm、BL型粘度計)、pH2.7)。
[製造例2:(a)アニオン性樹脂エマルジョンB]
ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム水溶液を51.0gに変更した以外は、製造例1と同様の重合反応を行った。得られた(a)アニオン性樹脂エマルジョンBは、不揮発分49.9%、粘度4000mPa・s(60rpm、BL型粘度計)、pH2.5であった。
[製造例3:(a)アニオン性樹脂エマルジョンC]
カルボキシル基(カルボン酸基)含有不飽和単量体を、アクリル酸(80%)12.5gからメタクリル酸20.0gに変更した以外は、製造例1と同様の重合反応を行った。得られた(a)アニオン性樹脂エマルジョンCは、不揮発分49.8%、粘度2500mPa・s(60rpm、BL型粘度計)、pH2.3であった。
Figure 0003845098
(b)水溶性カチオン性樹脂の製造
[製造例4:(b)水溶性カチオン性樹脂A]
温度計、冷却器、及び攪拌機を備えた適当な反応釜に、モノメチルアミン(40%)を180.0g仕込み、攪拌した。エピクロロヒドリン220.0gを徐々に滴下し、反応温度が40℃以下に保たれるように滴下速度を制御した。滴下終了後、90℃に昇温し、さらに2時間反応させた。これに塩酸(36.0%)29.0gをイオン交換水80.0gで希釈した水溶液を加え、(b)水溶性カチオン性樹脂Aを得た(不揮発性分59.5%、粘度50.0mPa・s(60rpm、BL型粘度計)、pH4.0)。
[製造例5:(b)水溶性カチオン性樹脂B]
製造例4において、モノメチルアミン(40%、180.0g)を用いる代わりに、モノメチルアミン(40%、160.0g)及びモノエチルアミン(70%、15.0g)に変更して、(b)水溶性カチオン性樹脂Bを得た(不揮発性分60.3%、粘度40mPa・s(60rpm、BL型粘度計)、pH4.0)。
Figure 0003845098
[製造例6:(b)水溶性カチオン性樹脂C]
温度計、冷却器、及び攪拌機を備えた適当な反応釜に、脱イオン水414.0g仕込み、攪拌した。窒素雰囲気下、75℃に昇温し、酢酸15.6g、6gの脱イオン水に溶解された硫酸鉄・6水和物の水溶液(0.15%)2.4g、6gの脱イオン水に溶解されたエチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩の水溶液(1.0%)2.1gを攪拌下加えた。ジメチルアミノエチルメタクリレート(180g)及びメタクリル酸(20g)からなる混合物を、t−ブチルハイドロパーオキサイド4.2g、25.5gの脱イオン水に溶解して希釈された酢酸0.3g、及び27.5gの脱イオン水に溶解されたナトリウムスルホキシレートホルムアルデヒド・2水和物2.5gとともに、該反応釜中に2時間にわたり滴下して加えた。その後、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.52g及びナトリウムスルホキシレートホルムアルデヒド・2水和物0.14gのレッドックス対、濃水酸化アンモニウム(アンモニア水)を加え、(b)水溶性カチオン性樹脂をC得た(不揮発性分30.0%、粘度1400mPa・s(60rpm、BL型粘度計)、pH9.0)。
[(a)、(b)及び(c)のプレミックス調製]
表1に示した(a)アニオン性樹脂エマルジョンA〜Cと、(b)水溶性カチオン性樹脂A〜Cと、(c)としてのアンモニアとを用いて、表3に示す(a)、(b)及び(c)成分を順に加えてプレミックスし、実施例1〜6及び比較例1〜3を得た。
Figure 0003845098
[速乾性の試験方法]
(1)常態での指触乾燥時間
温度23℃、湿度65%の条件下、調製した実施例1〜6及び比較例1〜3を、8ミルのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布し、得られた皮膜表面の粘着感がなくなる時間を測定し、その時間を指触乾燥時間とした。
(2)低温での指触乾燥時間
温度5℃、無風、湿度50%の条件下、上記(1)と同様の評価方法で試験した。
(3)高湿での指触乾燥時間
温度23℃、無風、湿度80%の条件下、上記(1)と同様の評価方法で試験した。
(4)経時安定性
調製した直後の実施例1〜6及び比較例1〜3の粘度、及び60℃の条件下に1ヶ月放置した後の実施例1〜6及び比較例1〜3の粘度の測定(BL型粘度計、60rpm、23℃)を行った。また、この放置後の実施例1〜6及び比較例1〜3について、上記(1)と同様の試験を行った。
上記(1)〜(4)の試験結果を、表4にまとめて示す。
Figure 0003845098
実施例1〜6及び比較例1〜3の内、それぞれの代表として実施例1及び比較例1を用いた塗料の実施例及び比較例を以下に示す。
(A)路面表示用塗料
表3に示されたようにプレミックス調製した実施例1及び比較例1を用いて、表5に示す配合にて、路面表示用塗料をそれぞれ実施例7及び比較例4として調製した。
Figure 0003845098
[評価方法]
(A)路面表示用塗料の評価方法は、速乾性の試験方法と同様に行った。この結果を表6に示す。
Figure 0003845098
(B)内外装薄付け仕上げ用塗料(グロス塗料)
表3に示したようにプレミックス調製した実施例1及び比較例1を用いて、表8に示す配合にて、内外装薄付け仕上げ用塗料として、それぞれ実施例8及び比較例5を作製した。
Figure 0003845098
[評価方法]
(B)内外装薄付け仕上げ用塗料の評価(以下の(5)鏡面光沢度を除く)は、速乾性の試験方法と同様に行った。
(5)鏡面光沢度
温度23℃、湿度65%の条件下、調製した(B)塗料を、8ミルのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布し、同環境下で48時間放置した後、JIS K 5400 7.6鏡面光沢度に準じ、60度及び20度の角度で鏡面光沢度を測定した。
Figure 0003845098
以上より、本発明の速乾性水性樹脂組成物(実施例)は、比較例と比較して、優れた貯蔵安定性や低温高湿度条件下における優れた速乾性を与えることが判った。この水性速乾樹脂組成物を用いた塗料の例として、路面表示用塗料に応用しても、速乾性や貯蔵安定性は損なわれないことが判った。また、内外装薄付け仕上げ用塗料であるグロス塗料に応用しても、比較例と比較して、速乾性や貯蔵安定性を与えながらも、同時に高い鏡面光沢性をも得ることができることも判った。

Claims (4)

  1. (a)不飽和単量体100重量部に対して0.1〜20.0重量部のカルボキシル基(カルボン酸基)含有不飽和単量体、スルホン酸基含有不飽和単量体、又はリン酸基含有不飽和単量体の1種又は2種以上を含み、不飽和単量体100重量部に対して0.1〜10.0重量部のアニオン性界面活性剤を使用して得られるアニオン性樹脂エマルジョン、(b)モノメチルアミン、モノエチルアミン、アンモニア、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、2−アミノエタノール、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ポリ(ジメチルアミノエチル)メタクリレートから選ばれる少なくとも1種又は2種類以上と、オキシハロゲン化合物とを反応させて得られる水溶性カチオン性樹脂、及び(c)揮発性塩基を含む速乾性水性樹脂組成物。
  2. (a)アニオン性樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、0.5〜10.0重量部の(b)水溶性カチオン性樹脂(固形分)を使用する、請求項1に記載の速乾性水性樹脂組成物。
  3. (a)アニオン性樹脂エマルジョン、(b)アミン誘導体とオキシハロゲン化合物とを反応させて得られる水溶性カチオン性樹脂、及び(c)揮発性塩基を含む速乾性水性樹脂組成物のpHが7.5〜12.0の範囲に維持された、請求項1に記載の速乾性水性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の速乾性水性樹脂組成物を用いた塗料
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