JP3844421B2 - むくみ測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、むくみ度を測定するむくみ測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、長時間の立ち仕事等により疲労した下肢、特に脹脛にむくみが発生することが多く、このようなむくみは、重力の影響により水分やリンパ液が体幹部へと戻れずに滞留してしまうことが原因とされる。また、長時間の座り仕事や足の組みっぱなしにおいても同様なむくみが見られ、この場合は、脚部を長時間曲げているために関節部分等での血液やリンパ液の流れが悪くなるため、水分やリンパ液が体幹部へと戻ることができないことが原因と考えられる。このように、同一の体勢が続く仕事等による疲労に伴いむくみが生ずる。いずれの場合でも、基本的には重力が大きく作用し、そのために水分の滞留が起こることから、1日の生活の中での起床している時間においては、程度の差こそあれ、むくみは発生し、また、蓄積されていく。
【0003】
しかし、誰にでも起こりうるこのようなむくみであるが、通常、翌日には回復する。これは、睡眠等により体を横にして寝る、つまり横臥位を取るため、むくんでいた部分の水分が全身へと拡散するためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようにむくみは、起床時より発生し徐々に蓄積され、ある時期に極大となり、就寝後回復し始め、翌日起床時には、ほぼ前日の起床時の状態に回復するようなサイクルとなる。しかし、このむくみの程度については、その日の活動状況による変化や個人差等があり、各人一様ではなく、また、そのむくみの程度の感じ方もまたそれぞれである。
【0005】
したがって、ある人の場合には、翌日になってもむくみがとれず、疲労が蓄積されてしまっているのに、そのことをあまり感じずに、無理を続けてしまい健康を害してしまうことになってしまうこともある。また、足のむくみ等を感じながらも、翌日には普通に回復するであろうと楽観視して、重大な病因の前兆であるようなことを見逃してしまうこともある。
【0006】
このような可能性をなくすためには、各人のむくみ度を客観的に決定できればよい。そして、むくみ度に応じて、足のマッサージを行って、むくみを解消できればよい。
【0007】
既に、両足間で測定された生体電気インピーダンス値に基づいて下半身のむくみ度を決定する装置が考案されている。しかしながら、この既に考案されている装置では、生体電気インピーダンス値の測定は、両足間で、両足裏の爪先部分及びかかと部分に電極を接触させて立位で行われるため、測定精度が低くなってしまう。何故なら、足の裏は、歩行中、常に体重を受けているため、皮膚の最外層にある角層が硬くなる角質化が生じてしまっていることが多い。角質化された足の裏は、電流が流れにくく、生体電気インピーダンス値の測定が困難であり、測定値の誤差要因となってしまうのである。また、両足裏に電極を接触させて行う両足間での生体電気インピーダンス値の測定では、その測定経路に両足首が含まれることになる。この部位は、腿や膝、脹脛といった他の脚部の部位に比べてかなり細く、インピーダンスが高いため、測定値に大きく影響を与え、結果、測定精度が低くなってしまうのである。
【0008】
また、前述の既に考案されている装置には、足のマッサージを行う機能は備えられていない。すなわち、むくみ度は測定できても、むくみを解消することはできないのである。
【0009】
もし、むくみ測定装置に足のマッサージを行う機能が備えられるならば、そのような装置は、近年重要視されている「エコノミークラス症候群」の予防にも有効な装置となることが期待される。エコノミークラス症候群とは、飛行機の狭い座席に長時間座り続けて足を動かさないことから生じる血栓症等の血液循環障害のことであり、最悪の場合には死に至るケースもあるとされている。この血栓症等の初期症状の1つとしては、脚部、特に下腿部に生じるむくみが挙げられている。そして、この血栓症等を予防するには、適度に筋肉を動かして足の血行をよくすることが有効であるとされており、上半身だけでなく、適度に足を動かすことで、発症を防ぐことが可能とされているのである。
【0010】
従って、本発明は、前述したような事情を鑑みて、むくみ度をより正確に測定することができるようなむくみ測定装置を提供することを目的とする。また、むくみ度の測定だけでなく、足のマッサージを行って、むくみを解消できるようなむくみ測定装置を提供することも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの観点によるならば、被験者の両脹脛が載置される一対の脹脛載置部と、脹脛載置部に載置された脹脛のそれぞれに接触するように脹脛載置部のそれぞれに設けられた一対の測定用電流印加電極と、測定用電流印加電極より膝側の位置で脹脛載置部に載置された脹脛のそれぞれに接触するように脹脛載置部のそれぞれに設けられた一対の電圧測定電極と、一対の測定用電流印加電極間に測定用交流電流を供給する交流電流供給手段と、一対の電圧測定電極間の電圧を測定する電圧測定手段と、供給された交流電流と測定された電圧とから算出される生体電気インピーダンス値に基づいて被験者のむくみ度を算出するむくみ度演算手段と、算出されたむくみ度、又は、算出されたむくみ度に基づく被験者のむくみ度の判定結果の少なくとも一方を出力する出力手段とを備えるむくみ測定装置が提供される。
【0012】
本発明の一つの実施の形態によれば、前記脹脛載置部は、脹脛を収容可能な断面略U字型の溝部を備える。
【0013】
本発明の別の実施の形態によれば、むくみ測定装置は、被験者の足をマッサージするマッサージ手段を更に備える。マッサージ手段は、前記脹脛載置部に載置された脹脛を左右方向に往復動させて被験者の足を左右方向に往復動させるように、前記脹脛載置部を往復動させることができるように構成されていてもよい。また、前記脹脛載置部に載置された脹脛に振動による刺激を与えるように、前記脹脛載置部を振動させることができるように構成されていてもよい。
【0014】
本発明の別の観点によるならば、被験者の両脹脛が載置される一対の脹脛載置部と、脹脛載置部に載置された脹脛のそれぞれに接触するように脹脛載置部のそれぞれに設けられた一対の測定用電流印加電極と、測定用電流印加電極より膝側の位置で脹脛載置部に載置された脹脛のそれぞれに接触するように脹脛載置部のそれぞれに設けられた一対の電圧測定電極とを備えるプレートと、一対の測定用電流印加電極間に測定用交流電流を供給する交流電流供給手段と、一対の電圧測定電極間の電圧を測定する電圧測定手段と、供給された交流電流と測定された電圧とから算出される生体電気インピーダンス値に基づいて被験者のむくみ度を算出するむくみ度演算手段と、算出されたむくみ度、又は、算出されたむくみ度に基づく被験者のむくみ度の判定結果の少なくとも一方を出力する出力手段と、前記プレートを左右方向に往復動させて、前記脹脛載置部に載置された脹脛を左右方向に往復動させて被験者の足を左右方向に往復動させるようにするスライド運動発生手段とを備えるむくみ測定装置が提供される。
【0015】
本発明の一つの実施の形態によれば、むくみ測定装置は、前記脹脛載置部を振動させて、該脹脛載置部に載置された脹脛に振動による刺激を与えるようにする振動発生手段を更に備える。
【0016】
前記電流供給手段は、複数の周波数の測定用交流電流を選択的に供給できるものであってもよく、又は、単一の周波数の測定用交流電流を供給するものであってもよい。
【0017】
本発明の別の実施の形態によれば、前記脹脛載置部に載置される被験者の足位置が適切な個所となるように足載置位置決定手段を更に備える。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態および実施例について、本発明をより詳細に説明する。
【0019】
先ず、本発明の原理について説明するに、本発明によれば、1日1日の活動状況に応じて身体に生じる体水分分布の変動によるむくみを、脹脛間の生体電気インピーダンス測定により検出することで、その度合を調べる。このような脹脛間の測定によるならば、その測定経路には、最もむくみの生じ易い脹脛は含まれるが、インピーダンスの高い足首は含まれない。また、測定用の電極は角質化の生じ易い足の裏ではなく、角質化のない脹脛に接触される。
【0020】
次に、本発明において用いる生体電気インピーダンス測定法について説明するに、先ず複数周波数の交流電流を測定電流とする多周波生体電気インピーダンス測定が考えられる。この多周波生体電気インピーダンス測定によれば、生体電気インピーダンス値のみならず、生体の各種パラメータ、細胞外液抵抗、細胞内液抵抗および細胞膜容量等を基に、体水分量、全身における細胞内液量および細胞外液量等、あるいは、測定された部位における水分量、細胞内液量および細胞外液量等を求めることができる。
【0021】
これは、生体の電気インピーダンスは、通常、添付図面の図1に示すような、細胞外液抵抗Re、細胞内液抵抗Riおよび細胞膜容量Cmからなる集中定数による等価回路で説明されるが、実際には、生体を構成する個々の細胞が、その形状や性質の差異により、それぞれ定数の異なる回路で表されるため、その集合体である生体では、集中定数による等価回路を測定した場合のようにインピーダンスベクトル軌跡が半円とならずに、コール−コールの円弧則に従う円弧となる。
【0022】
従って、生体の電気インピーダンスは、一般的に、図2に示すような円弧状の軌跡を描くことになる。ここで、横軸は、電気インピーダンスのレジスタンス成分を表し、縦軸は、電気インピーダンスのリアクタンス成分を示している。生体電気インピーダンスのリアクタンス成分は、容量性であるため、負の値となり、そのベクトル軌跡は、図2のように実軸の下側になる。
【0023】
図3における、Ro、RinfおよびZcは、それぞれ、周波数0Hzにおける生体電気インピーダンス値、周波数無限大における生体電気インピーダンス値および周波数Fcにおける生体電気インピーダンス値である。RoおよびRinfについては、それぞれ、リアクタンスの値が零となるため、レジスタンス成分のみとなる。また、周波数Fcは、リアクタンス成分の絶対値が最大となる周波数であり、Zcは、その周波数での生体電気インピーダンス値である。ここでは、このリアクタンス成分の絶対値が最大となる周波数を特性周波数と呼ぶこととする。これらの値、もしくは、これらの近似される値から、身体の組成である体水分量、細胞内液量、細胞外液量、除脂肪量、細胞内外液比等が算出される。
【0024】
むくみは、間質液(血管外の組織細胞間に存在する体液)が異常に多く溜まった状態であり、この間質液は、細胞外液の1つの要素であるため、細胞外液が異常に多く溜まった状態とも言える。同時に、細胞外液は、体水分の1つの要素でもあるため、体水分が多くなったとも言える。従って、間質液や細胞外液量、体水分量の変動から、むくみの変動を把握することができる。
【0025】
しかし、前述したように、日常生活において周期的に発生するむくみは、その発生原因の主たるものが重力であることから、その発生部位は、主に、心臓から離れた四肢の末端付近である。従って、前記間質液または細胞外液または体水分の増加も、むくみの発生している部位である四肢の末端付近でのみ生じる。すなわち、特に日常生活において周期的に発生するむくみの変動を把握するためには、両足間や両手間といった四肢の末端付近で、間質液や細胞外液量、体水分量の変動を測定する必要がある。
【0026】
本発明において、単一周波数の交流電流を測定電流とする生体電気インピーダンス測定方法を用いる場合にも、測定された生体電気インピーダンス値より、測定部位間の体水分量を推定することが可能である。人体の体水分量の変動は、主に、細胞外液量の変動であり、体水分量の変動を捉えることは、細胞外液量の変動を捉えることでもある。前述のように、間質液の変動は、細胞外液量の変動として現われるので、単一周波数の測定電流で生体電気インピーダンスの測定を行う場合でも、むくみの変動を把握することが可能である。なお、単一周波数の交流電流を用いて、人体の体水分を推定する技術は、一般的に知られた既知のものであるので、ここでは詳しく説明しない。
【0027】
ここで、むくみが発生する前の生体のある部分の間質液量をW1とし、便宜上、むくみが発生する前の間質液が図4の(a)に示すように、長さL、断面積S1の円柱状に存在するものとし、また、その間質液の抵抗率はρであるとする。このとき間質液の両端間の抵抗R1は、
R1=ρ・L/S1
むくみが発生することで、間質液量がW2に変化した場合を考える。このとき、円柱状の間質液の形状も変化するが、図4の(b)のように長さLは変化せず、断面積のみがS1からS2に変化するとすると、間質液の両端の抵抗R2は、R2=ρ・L/S2
また、円柱の長さが一定であることから、間質液と円柱の断面積は、比例関係にあるため、W1およびW2は、R1、R2を用いて
W1=k/R1 (1)
W2=k/R2(kは定数) (2)
と表され、間質液の変化量をΔWとすると、
ΔW=W2−W1
式(1)、(2)より、
以上のように、間質液の抵抗を計測することで、間質液の変動量が算出される。また、前記したように、この間質液の変動は、測定部位での細胞外液量や体水分量の変動としても計測されることから、細胞外液抵抗や生体電気インピーダンスからも求めることができる。
【0028】
そして、このように算出される間質液の変動量を、その基準値と比較することにより、むくみの度合を判定することができる。この基準値としては、被験者固有の基準値を用いることが好ましい。一般に、間質液の変動量には、個人間での体格、体質や生活活動強度等の相違による個人差があるからである。例えば、間質液の変動量の計測を事前にある期間行ない、そのデータの平均値を算出して、被験者の基準値とし、その基準値と計測される間質液の変動量を比較することにより、被験者のむくみ度を判定することができる。このように被験者固有のデータを基準値として用いることにより、各被験者自身のむくみ度をより的確に判定することができる。基準値を算出するためのデータは、被験者の平均的な生活状態において計測されるのが好ましい。
【0029】
図5は、本発明のむくみ測定装置の第一実施例の外観を概略的に示す図である。図5に示すように、本測定装置10は、ほぼ箱型のハウジング11を備える。ハウジング11の上面には、本測定装置10の左右方向に並行に延びる1対のスライド溝12a、12bが形成され、また、スライド台21が備えられている。スライド台21の上面には、両脹脛が載置される1対の脹脛載置部22a、22bが設けられている。脹脛載置部22a、22bは、脹脛が収容される溝部23a、23bを備える。溝部23a、23bは、本測定装置10の前面から後面に延び、断面略U字型で、後面に行く程、溝の幅は狭くなり、また、溝の深さは浅くなるように形成されている。すなわち、溝部23a、23b及び脹脛載置部22a、22bは、本測定装置10の前面側に膝、後面側に足首を向けて脹脛載置部22a、22bに載置される脹脛の形状に合うような形状になっている。
【0030】
脹脛載置部22a、22bには、測定用電流印加電極24a、24bと電圧測定電極25a、25bが設けられている。各電極の上面は、前述したように脹脛の形状に合うような形状になっている脹脛載置部22a、22bと略同一面をなしている。電圧測定電極25a、25bは、測定用電流印加電極24a、24bよりも本測定装置10の前面側に位置する。すなわち、電圧測定電極25a、25bは、測定用電流印加電極24a、24bよりも、本測定装置10の前面側に膝、後面側に足首を向けて脹脛載置部22a、22bに載置される脹脛の膝側で接触するように位置する。ハウジング11の前面には、表示部13とキースイッチ14が備えられ、また、右側面には、電源スイッチ15とACコード16が備えられている。
【0031】
図6は、図5に示したむくみ測定装置の構成を示すブロック図である。図6に示すように、本むくみ測定装置10は、マイクロコンピュータ51を備える。マイクロコンピュータ51は、測定及び判定に関する制御及び演算処理等を行うCPU、制御及び演算用プログラム、定数等を記憶するROM、演算結果や外部より読み込んだプログラム、パラメータ等を一時的に記憶するRAM、他にタイマー、IOポート等を備える。
【0032】
本測定装置10は、更に、測定状況や測定結果等を表示する表示部13、測定開始命令やマッサージ命令といった本測定装置10に対する制御命令の入力等を行うためのキースイッチ14、外部機器への測定結果の出力、外部機器からの制御命令及びパラメータの入力等、外部との入出力を行うための外部入出力インターフェイス66、測定に関するパラメータ等を記憶、読み出し、更新可能な不揮発性の補助記憶装置67、マイクロコンピュータ51から出力された信号を生体印加用信号に成形するフィルタ回路52、フィルタ回路52から出力された信号を一定の実効値にする交流電流出力回路53、交流電流出力回路53の出力の一端子に接続された、被験者を流れる電流を検出するための基準抵抗54、基準抵抗54を介して交流電流出力回路53の出力の一端子に接続された、被験者に測定電流を印加するための測定用電流供給電極24a、交流電流出力回路53の出力の一端子に接続された、被験者に測定電流を印加するための測定用電流供給電極24b、基準抵抗54の両端の電圧を検出する差動増幅器55、被験者の2点の電位を検出するための電圧測定電極25a、25b、それらの電極間の電位差を検出する差動増幅器56、差動増幅器55、56の出力をマイクロコンピュータ51の制御により選択出力する切替器57、切替器57からの出力であるアナログ信号をデジタル信号に変換し、マイクロコンピュータ51へ出力するA/D変換器58を備える。
【0033】
更に、本測定装置10は、マイクロコンピュータ51の制御により、スライド台21に振動(バイブレーション)を与える振動発生部91を備える。振動発生部91の機構は公知であり、例えば特開平9−103458号公報や特開2000−185083号公報に記載されているような機構とすることができる。また、本測定装置10は、マイクロコンピュータ51の制御により、スライド台21をスライド溝23a、23bに沿って本測定装置10の左右方向に往復動させるスライド運動発生部92を備える。スライド運動発生部92の機構も公知であり、例えば特開平8−47514号公報や特開平8−57002号公報に記載されているような機構とすることができる。
【0034】
次に、本実施例におけるむくみ度の測定及びマッサージの手順について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。先ず、ステップ1で、電源スイッチ15が押下されると、停止状態から動作可能状態に移行する。そして、ステップ2で、測定開始命令が入力されたか否かを判断し、また、ステップ8で、マッサージ命令が入力されたか否かを判断する。
【0035】
ステップ2で、測定開始命令が入力されたと判断すると、ステップ3で、マッサージ前の被験者の生体電気インピーダンスの測定を開始する。測定時には、被験者は、仰臥位又は座位で、本測定装置10の前面側に膝、後面側に足首を向けて、脹脛載置部22a、22bに脹脛を載置する。載置された脹脛は、測定用電流印加電極24a、24bに接触し、また、測定用電流印加電極24a、24bより膝側の位置で電圧測定電極25a、25bに接触する。被験者の脹脛は、脹脛の形状に合うように形成された溝部23a、23bに収容され、脹脛の形状に合うように形成された脹脛載置部22a、22bに安定した状態で載置される。また、被験者の脹脛は、脹脛の形状に合うように形成された脹脛載置部22a、22bとほぼ同一面をなすように設けられた各電極24a、24b、25a、25bに密接した状態で載置される。
【0036】
ステップ3では、このような測定姿勢の被験者について、複数周波数の交流電流を流すことによりマッサージ前の被験者の生体電気インピーダンス測定を行う。測定用電流印加電極24a、24bは、脹脛に接触しているので、交流電流は、足首を含まない脹脛間に、すなわち、一方の脹脛から一方の腿、下腹部、他方の腿、そして、他方の脹脛へと流れる。この多周波生体電気インピーダンス測定の詳細については、後で説明する。
【0037】
続いて、ステップ4では、ステップ3で測定された生体電気インピーダンス値に基づいて、マッサージ前の被験者のむくみ度を算出し、そして算出されたむくみ度に基づいてマッサージ前の被験者のむくみ度を判定する。このむくみ度の算出及び判定の詳細については後で説明する。
【0038】
ステップ5では、被験者のむくみ度の測定結果を表示部13に表示する。その表示例を図8に示す。この表示例では、マッサージ前の測定結果である旨が明示され、被験者のむくみ度の測定結果として、ステップ4で行われたむくみ度の判定結果、むくんでいると判定された場合にはマッサージを行うよう促すメッセージ、更に、ステップ3で測定された生体電気インピーダンス値から算出されたむくみに関連する各種値が表示される。
【0039】
ステップ6では、ステップ3で算出された生体電気インピーダンス等の各種値や、ステップ4で算出及び判定されたむくみ度を、マイクロコンピュータ51のタイマーから取得される測定日時と共に補助記憶装置67に記憶する。ステップ7では、マッサージ命令又は測定終了命令が入力されたか否かを判断し、測定終了命令が入力されたと判断すると、動作可能状態から停止状態となる。また、マッサージ命令が入力されたと判断すると、被験者の足のマッサージを開始する。すなわち、ステップ9で、振動発生部91は、所定の時間、スライド台21に振動を与え、脹脛載置部22a、22bに載置された脹脛に振動による刺激を与えるようにする。続いて、ステップ10で、スライド運動発生部92は、所定の時間、スライド台21をスライド溝23a、23bに沿って本測定装置10の左右方向に往復動させ、脹脛載置部22a、22bに載置された脹脛を左右方向に往復動させて被験者の足を左右方向に往復動させるようにする。
【0040】
ステップ11で、マッサージ終了命令が入力されるまで、ステップ9及びステップ10のマッサージが繰り返される。ステップ11で、マッサージ終了命令が入力されたと判断すると、ステップ12で、測定開始命令又は測定終了命令が入力されたか否かを判断する。測定終了命令が入力されたと判断すると、ステップ17で、動作可能状態から停止状態となる。また、測定開始命令が入力されたと判断すると、ステップ13で、マッサージ後の被験者の生体電気インピーダンスの測定を行い、ステップ14で、測定された生体電気インピーダンスに基づいてマッサージ後の被験者のむくみ度を算出し、また、算出されたむくみ度に基づいてマッサージ後の被験者のむくみ度を判定する。そして、ステップ15で、被験者のむくみ度の測定結果を表示部13に表示する。その表示例を図9に示す。図9に示されるように、マッサージ後の測定結果である旨が明示されることを除いては、図8と同様の内容が表示される。これらのステップ13から15は、前述のステップ3から5と同様に行われる。
【0041】
ステップ16では、マッサージ開始命令又は測定終了命令が入力されたか否かを判断する。測定終了命令が入力されたと判断すると、ステップ17で、動作可能状態から停止状態となる。また、マッサージ開始命令が入力されたと判断すると、再び、前述のステップ9に戻り、マッサージを行う。
【0042】
このように、本測定装置10によるならば、被験者は、むくみ度の測定を行って、むくみが生じているか否かを確認し、むくんでいる場合には、マッサージを行ってむくみを解消することができる。そして、マッサージ後には、再びむくみ度の測定を行ってむくみが解消されたか否かを確認し、むくみが解消されていない場合には、再びマッサージやむくみ度の測定を繰り返すことができる。
【0043】
次に、前述のステップ3で行われる多周波生体電気インピーダンス測定について説明する。多周波生体電気インピーダンス測定は、nつの異なる周波数Fi(i=1からnであり、nは所定の設定値である。)の交流電流の各々についてn回に渡って生体電気インピーダンス値の測定を行うものである。i=1が初期設定されて、第1回目の生体電気インピーダンス値の測定が所定の周波数F1について開始される。すなわち、マイクロコンピュータ51のROM、又は、補助記憶装置67や外部入出力インターフェイス66からマイクロコンピュータ51のRAMに記憶された測定制御パラメータ(以下、これらを測定制御パラメータと略記する。)に基づいて出力信号周波数がフィルタ回路52に設定され、その周波数の出力信号がフィルタ回路52から交流電流出力回路53へ出力される。交流電流出力回路53は電流値を設定可能な定電流出力回路で構成されている。測定制御パラメータに基づいて出力電流値が交流電流出力回路53に設定され、その出力電流値の交流電流出力は、測定用電流印加電極24a、24bを介して被験者に印加される。
【0044】
この時、被験者の体内を流れる電流が基準抵抗54及び差動増幅器55により検出される。その検出されたアナログ信号は切替器57を介してA/D変換器58に出力され、A/D変換器58によりデジタル信号に変換される。その出力結果は、マイクロコンピュータ51のRAM4に記憶される。同時に、被験者の2点の電位が電圧測定電極25a、25bを介して差動増幅器56に入力され、差動増幅器56により、入力された電位の差分である電位差信号が切替器57を介してA/D変換器58に出力される。その出力されたアナログの電位差信号はA/D変換器58によりデジタル信号に変換され、その出力結果は、マイクロコンピュータ51のRAMに記憶される。そして、このようにして測定される電流値と電圧値から、マイクロコンピュータ51により、体電気インピーダンス値が算出されて、そのRAMに記憶される。
【0045】
第1回目の生体電気インピーダンス値の測定が終了すると、i=i+1と更新され、iが所定の設定値nを超えていないかが判断される。iがnを超えているならば生体電気インピーダンス値の測定は全て終了となり、超えていなければ、次の新たな周波数の交流電流について生体電気インピーダンス値の測定が行われる。
【0046】
以上のようにして多周波生体インピーダンス測定を行うと、次に、本測定装置10は、複数の異なる周波数の交流電流の各々について測定した生体電気インピーダンス値から、インピーダンスベクトル軌跡、および、それに関するパラメータの値を算出する。インピーダンスベクトル軌跡は、前述したような理由から、半円とならずに、図2に示すような円弧状の軌跡を描くことになる。求めるベクトル軌跡が円弧であるという過程から、周波数Fi(i=1からn)の交流電流の各々について測定された生体電気インピーダンス値Z1、Z2、・・・、Znは図3に示すようになる。以下では、図3におけるインピーダンスベクトル平面の実軸(横軸)をX軸とし、虚軸(縦軸)をY軸として記述する。
【0047】
座標上にプロットされたZi(i=1からn)から、以下の相関関数が得られる。
(X−a)2+(Y−b)2=r2 (式1)
式1において、aは円の中心のX座標、bは円の中心のY座標、rは円の半径であり、式1は、すなわち、n点間の近似相関式である。そして、式1より、
が得られ、更に、R0>Rinfであるから、
が得られる。これより、図1の等価回路におけるReおよびRiは、
Re=R0
Ri=R0・Rinf/(R0−Rinf)
として求められる。
【0048】
以上の演算により、細胞内外液合成抵抗Rinf(=Ri//Re)、細胞外液抵抗Re、細胞内液抵抗Riが求められ、そして、細胞内外液抵抗比Ri/Reが求められる。これらの値は、性別、身長、体重、年齢等の個人パラメータの値なしに求められる値である。
【0049】
また、求められたインピーダンスベクトル軌跡、および、それに関するパラメータであるR0およびRinf、または、ReおよびRiの値と、被験者が所定の操作で予め本測定装置10に入力した性別、身長、体重、年齢の値といった個人パラメータに基づいて、既知の計算方法により、細胞内液量ICW、細胞外液量ECW、細胞内外液量比ICW/ECW、体水分量TBW(=ICW+ECW)等の値が求められる。例えば、細胞内液量ICW、細胞外液量ECW、体水分量TBWの値は、Ri、Re、身長Ht、体重Wの値を用いて以下の式により求められる。
ICW=Ki1Ht2/Ri+Ki2W+Ki3
ECW=Ke1Ht2/Re+Ke2W+Ke3
TBW=ICW+ECW
(但し、Ki1、Ki2、Ki3、Ke1、Ke2、Ke3は係数)
続いて、前述のステップ4で行われるむくみ度の算出、及び、算出されたむくみ度に基づく被験者のむくみ度の判定について、図10に示すフローチャートを用いて説明する。先ず、ステップ4−1で、ある所定期間の朝と夕方又は夜(以下、単に夜とする)とに測定された被験者の生体電気インピーダンス値から、朝に測定された生体電気インピーダンス値の平均値Zamと、夜に測定された生体電気インピーダンス値の平均値Zpmとを、被験者固有の基準データとして算出する。
【0050】
本実施例では、前日から5日前迄の5日間に朝と夜に測定された被験者の生体電気インピーダンス値から、朝に測定された5つの生体電気インピーダンス値の平均値Zamと、夜に測定された5つの生体電気インピーダンス値の平均値Zpmとを、被験者固有の基準データとして算出する。これらの基準データの算出に用いられる測定データは、先に行われた測定においてステップ3で測定されてステップ6で補助記憶装置67に測定日時と共に記憶されたものである。基準データの算出時には、補助記憶装置67に記憶された測定日に基づいて基準データの算出に用いる測定データを選定し、また、補助記憶装置67に記憶された測定時刻と所定の測定時刻判定基準値とを比較することにより朝の測定データか、夜の測定データかを区別する。尚、基準データ算出には、ステップ3で測定されたマッサージ前の生体電気インピーダンス値のみが用いられ、ステップ13でマッサージ後に測定された生体電気インピーダンス値は用いられないことを注記しておく。
【0051】
次に、ステップ4−2で、算出されたZamとZpmの差Zapを、被験者固有の基準データとして求める。
Zap=Zam−Zpm
このZapは、朝と夜の被験者の生体電気インピーダンス差の平均値であり、1日の中で発生する間質液の変動分の平均値を表すものである。従って、このZapと、ある1日に測定された朝と夜の被験者の生体電気インピーダンス差とを比較することにより、その1日の間質液の変動が通常より多いか少ないかを判定することができる。すなわち、その被験者のむくみ度を判定できることになる。
【0052】
続いて、ステップ4−3で、現在時刻をマイクロコンピュータ51のタイマーから取得し、現在時刻と、所定の測定時刻判定基準値とを比較することにより、今回の測定が朝の測定であるか、夜の測定であるかを判断する。朝の測定であると判断される場合には、ステップ4−4で、朝のむくみ度M1を以下のように算出する。
M1=(Z1−Zam)/Zap
ここで、Z1は、今回測定された朝の生体電気インピーダンス値である。
【0053】
ステップ4−5では、朝のむくみ度M1に基づいて、今回の測定時点における被験者のむくみ度を判定する。すなわち朝のむくみ度M1は、今回測定された朝の被験者のむくみの状態が、被験者の基準となる朝のむくみの状態よりもむくみのある状態か無い状態かを表す。朝のむくみ度M1が正の値であれば、基準よりもむくみが有り、負であれば基準と比べてむくんでいないと判定することができる。
【0054】
前述のステップ4−3で、夜の測定であると判断される場合には、ステップ4−6で、朝と夜の生体電気インピーダンス差ΔZを算出する。
ΔZ=Z1−Z2
ここで、Z2は今回測定された夜の生体電気インピーダンス値、Z1は今回の測定が行われた日の朝に測定された朝の生体電気インピーダンス値である。算出されたΔZは、朝から夜の間の間質液の変動分を表すものである。このΔZを用いて、1日のむくみ度M2を、以下のように算出する。
M2=(ΔZ−Zap)/Zap
ステップ4−7では、1日のむくみ度M2に基づいて、今回の測定時点における被験者のむくみ度を判定する。すなわち1日のむくみ度M2が正の値であれば、基準よりもむくみが有り、負であれば基準と比べてむくんでいないと判定することができる。
【0055】
本実施例では、基準データ(Zap、Zam)を用いて算出される値(M1、M2)をむくみ度としているが、生体電気インピーダンス値をむくみ度として、例えば、被験者の通常の生活状態における朝あるいは夜の生体電気インピーダンス値を複数日にわたって複数回測定し、それらから朝あるいは夜の平均値を算出して基準値として記憶しておき、その朝あるいは夜の基準値と測定された朝あるいは夜の生体電気インピーダンス値とを比較することで、むくみ度を判定する構成としてもよい。また、細胞外液量、体水分量、細胞内外液比、その他の生体電気インピーダンス測定により得られる他のパラメータ自体、又は、それらの内のいずれかを用いて算出される値をむくみ度としてもよい。
【0056】
本実施例では、多周波生体電気インピーダンス測定により被験者のむくみ度を算出するが、前述したように、身体の間質液の変動量、細胞外液の変動量、又は、体水分の変動量が求められるならば、単一周波数の交流電流を用いた生体電気インピーダンス測定によりむくみ度を算出しても良い。この場合には、簡単な回路構成で装置を実現することが可能であり、測定時間の短縮を図ることも可能である。
【0057】
本実施例では、むくみ度の測定結果として、むくみ度の判定結果が表示されるが、算出されたむくみ度の数値自体を表示するようにしてもよい。
【0058】
本実施例では、むくみ度の測定結果を表示により出力するが、他の方法で出力してもよい。例えばむくみ度の測定結果を印刷や、音声により出力してもよい。
【0059】
本実施例では、被験者によりマッサージ終了命令が入力される迄マッサージを続ける構成になっているが、測定されたむくみ度に基づいて、測定されたむくみ度を解消するために必要なマッサージ時間を決定し、決定されたマッサージ時間だけマッサージを行う構成としてもよい。
【0060】
また、被験者が足を適切な位置に載せるように、足位置決定手段を設けた構成としても良い。図5に示したむくみ測定装置10の溝部23a、23bに両足を載せることにより、左右方向における位置は制御可能である。しかし、前後方向には足は可動であるため、脹脛の適切な位置に電極が接触しない場合も考えられる。従って、前後方向においても両足が適切な載置位置となるように、例えば溝部の奥側に足の裏を接触させる足裏接触板を設けて、前後方向の位置も制御する構成としてもよい。更に、この足裏接触板を前後方向に可動式とし、入力された身長に応じて制御する構成とすれば、被験者の足の長さも考慮されて足位置が適切に載置されるものとなり、より正確なむくみ測定が可能となる。
【0061】
図11は、本発明のむくみ測定装置の第2実施例の外観を概略的に示す図である。本図において、第1実施例のむくみ測定装置と同一部分には、同一の符号を付している。本測定装置80は、第1実施例のむくみ測定装置からマッサージ機能を取り除き、脹脛間でのむくみ度の測定のみを行えるようにして、より簡易な構成とした装置である。本測定装置80には、スライド台21やスライド溝12a、12bは備えられておらず、脹脛載置部22a、22b等はハウジング11の上面に設けられている。また、本測定装置80は、図6に示される第1実施例のむくみ測定装置の構成から振動発生部91とスライド運動発生部92を取り除いた構成になっている。
【0062】
【発明の効果】
本発明のむくみ測定装置によれば、脹脛間で生体電気インピーダンスを測定するので、測定経路には、最もむくみが生じ易い脹脛は含まれるが、インピーダンスの高い足首は含まれず、また、測定用の電極は、角質化が生じ易い足の裏ではなく、角質化していない脹脛に接触されることとなる。従って、より正確なむくみ度の算出が可能となる。
【0063】
脹脛載置部及び溝部は脹脛の形状に合わせた形状となっており、電極は、脹脛の形状に合わせた形状の脹脛載置部と略同一面をなすように設けられているので、脹脛を電極に密接させて安定して載置した状態で、生体電気インピーダンスを測定することができる。従って、これによっても、より正確なむくみ度の算出が可能となる。
【0064】
横臥位又は座位で測定を行えるため、直立姿勢が困難な被験者であっても、むくみが生じやすい下半身での測定を行うことができる。
【0065】
マッサージ機能が備えられているので、被験者はむくみ度を測定するだけなく、マッサージを行ってむくみを解消することができる。
【0066】
このような装置を飛行機内や飛行場に設置すれば、測定したむくみの程度に応じて効果的にマッサージを行ってむくみを解消することができ、近年、問題視されている「エコノミークラス症候群」のような血液循環障害の発症を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための人体の組織内細胞の電気的等価回路を示す図である。
【図2】本発明において用いる生体電気インピーダンス測定を説明するための人体の生体電気インピーダンスベクトル軌跡を示す図である。
【図3】周波数0Hzおよび周波数無限大における生体インピーダンスと特性周波数における生体インピーダンスの関係を示す図である。
【図4】むくみの人体変化を示す模式図である。
【図5】本発明のむくみ測定装置の第1実施例の概略外観図である。
【図6】図5のむくみ測定装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図5のむくみ測定装置におけるむくみ度の測定及びマッサージの手順を示すフローチャートである。
【図8】図5のむくみ測定装置におけるマッサージ前の測定結果の表示例を示す図である。
【図9】図5のむくみ測定装置におけるマッサージ後の測定結果の表示例を示す図である。
【図10】図5のむくみ測定装置におけるむくみ度の算出及び判定の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明のむくみ測定装置の第2実施例の概略外観図である。
【符号の説明】
10、80・・・むくみ測定装置、11・・・ハウジング、
12a、12b・・・スライド溝、13・・・表示部、
14・・・キースイッチ、15・・・電源スイッチ、16・・・ACコード、
21・・・スライド台、22a、22b・・・脹脛載置部、
23a、23b・・・溝部、24a、24b・・・測定用電流印加電極、
25a、25b・・・電圧測定電極、51・・・マイクロコンピュータ、
52・・・フィルタ回路、53・・・交流電流出力回路、
54・・・基準抵抗、55、56・・・差動増幅器、57・・・切替器、
58・・・A/D変換器、66・・・外部入出力インターフェイス、
67・・・補助記憶装置、91・・・振動発生部、
92・・・スライド運動発生部
Claims (10)
- 被験者の両脹脛が載置される一対の脹脛載置部と、
脹脛載置部に載置された脹脛のそれぞれに接触するように脹脛載置部のそれぞれに設けられた一対の測定用電流印加電極と、
測定用電流印加電極より膝側の位置で脹脛載置部に載置された脹脛のそれぞれに接触するように脹脛載置部のそれぞれに設けられた一対の電圧測定電極と、
一対の測定用電流印加電極間に測定用交流電流を供給する交流電流供給手段と、
一対の電圧測定電極間の電圧を測定する電圧測定手段と、
供給された交流電流と測定された電圧とから算出される生体電気インピーダンス値に基づいて被験者のむくみ度を算出するむくみ度演算手段と、
算出されたむくみ度、又は、算出されたむくみ度に基づく被験者のむくみ度の判定結果の少なくとも一方を出力する出力手段とを備えることを特徴とするむくみ測定装置。 - 前記脹脛載置部は、脹脛を収容可能な断面略U字型の溝部を備える請求項1に記載のむくみ測定装置。
- 被験者の足をマッサージするマッサージ手段を更に備える請求項1または請求項2に記載のむくみ測定装置。
- 前記マッサージ手段は、前記脹脛載置部に載置された脹脛を左右方向に往復動させて被験者の足を左右方向に往復動させるように、前記脹脛載置部を往復動させることができるように構成されている請求項3に記載のむくみ測定装置。
- 前記マッサージ手段は、前記脹脛載置部に載置された脹脛に振動による刺激を与えるように、前記脹脛載置部を振動させることができるように構成されている請求項3または請求項4に記載のむくみ測定装置。
- 被験者の両脹脛が載置される一対の脹脛載置部と、脹脛載置部に載置された脹脛のそれぞれに接触するように脹脛載置部のそれぞれに設けられた一対の測定用電流印加電極と、測定用電流印加電極より膝側の位置で脹脛載置部に載置された脹脛のそれぞれに接触するように脹脛載置部のそれぞれに設けられた一対の電圧測定電極とを備えるプレートと、
一対の測定用電流印加電極間に測定用交流電流を供給する交流電流供給手段と、
一対の電圧測定電極間の電圧を測定する電圧測定手段と、
供給された交流電流と測定された電圧とから算出される生体電気インピーダンス値に基づいて被験者のむくみ度を算出するむくみ度演算手段と、
算出されたむくみ度、又は、算出されたむくみ度に基づく被験者のむくみ度の判定結果の少なくとも一方を出力する出力手段と、
前記プレートを左右方向に往復動させて、前記脹脛載置部に載置された脹脛を左右方向に往復動させて被験者の足を左右方向に往復動させるようにするスライド運動発生手段とを備えることを特徴とするむくみ測定装置。 - 前記脹脛載置部を振動させて、該脹脛載置部に載置された脹脛に振動による刺激を与えるようにする振動発生手段を更に備える請求項6に記載のむくみ測定装置。
- 前記電流供給手段は、複数の周波数の測定用交流電流を選択的に供給できるものである請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のむくみ測定装置。
- 前記電流供給手段は、単一の周波数の測定用交流電流を供給するものである請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のむくみ測定装置。
- 前記脹脛載置部に載置される被験者の足位置が適切な個所となるように足載置位置決定手段を更に備える請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のむくみ測定装置。
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