JP3844330B2 - フォトサイリスタ素子および双方向フォトサイリスタ素子 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商用周波数ラインなどで使用されるフォトサイリスタ素子および双方向フォトサイリスタ素子に関し、特に、光感度および動作応答速度の向上と、ノイズ特性の向上とを両立させることができるフォトサイリスタ素子および双方向フォトサイリスタ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、いわゆる点弧用SSR(ソリッド・ソテート・リレー)として、例えばN型シリコン基板等の上に双方向サイリスタを形成し、これに光を照射することによってゲート・トリガ信号を与えて制御する双方向フォトサイリスタ素子が広く用いられている。
【0003】
このSSRは、一般に、スイッチングによる発生ノイズが少ないが、印加されるAC電源電圧が高いところでスイッチングすると雑音が発生し、制御機器に悪影響を及ぼす。このため、AC電源電圧が低いところ(ゼロクロスポイント)でのみでSSRがスイッチングすることが望まれており、この実現のためには、一般に、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられている。
【0004】
図6は従来のゼロクロス機能付きの双方向フォトサイリスタ素子の概略的な構成を示す断面図である。なお、ここでは片側部のフォトサイリスタ素子30部分が示されている。
【0005】
このプレーナ型フォトサイリスタ素子を構成するN型シリコン基板1は、不純物濃度が一般に1013atoms/cm3〜1015atoms/cm3であり、双方向フォトサイリスタ素子が形成される部分の周辺にはN型のチャンネルストッパー領域12が設けられている。
【0006】
このN型シリコン基板(Nsub)1の表面にP型のアノード拡散領域2が形成され、これにAl等からなる電極層6を介してアノード端子Aが接続されている。このアノード拡散領域2の左側に一定の間隔を開けて、P型のPゲート拡散領域3が設けられ、その中にN型のカソード拡散領域4が形成されている。Pゲート拡散領域3およびカソード拡散領域4には、電極層6を介してカソード端子Kが接続されている。このアノード拡散領域2、シリコン基板1およびPゲート拡散領域3からPNPトランジスタTr1が構成され、シリコン基板1、Pゲート拡散領域3およびカソード拡散領域4によってNPNフォトトランジスタTr2が構成され、両トランジスタTr1およびTr2によってPNPN構造を有するサイリスタが構成されている。なお、5はP型拡散により形成されるゲート抵抗RGKである。
【0007】
これらの左側に、NPN型のフォトトランジスタTr4を構成する拡散領域7、8が形成されている。さらにその左側に、MOSFETTr3を構成するP型のウエル拡散領域9が形成され、その表面側にN型のソース拡散領域10およびドレイン拡散領域11が形成されている。このMOSFETTr3はゼロクロス機能を実現するために設けられ、フォトトランジスタTr4はMOSFETTr3のゲートを駆動するために設けられている。
【0008】
これらのP型拡散領域またはN型拡散領域は、不純物イオン注入方式や熱拡散方式により形成される。
【0009】
上記N型シリコン基板1の裏面にはAu等からなる電極層13が設けられている。また、N型シリコン基板1の表面には電気的な接続のためにAl等からなる配線層(電極層)6が設けられ、電気的な絶縁が必要とされる部分にはSiO2膜等からなるパッシベーション膜14が形成されている。さらに、フォトサイリスタとして光信号を入力するためのPゲート拡散領域(受光部)3と、MOSFETTr3のゲートを光制御するためのフォトトランジスタTr4のP型拡散領域(ベース領域)7では、ここでは図示していないが、配線層(電極層)6を除去することなどにより開口されている。
【0010】
図7は、図6の双方向フォトサイリスタ素子の片側部であるフォトサイリスタ素子30の等価回路図である。
【0011】
ここでは、アノード端子Aとカソード端子Kとの間にPNPトランジスタTr1およびNPNフォトトランジスタTr2が接続されている。トランジスタTr1のエミッタ領域(P型アノード拡散領域2)はアノード端子Aに接続され、トランジスタTr1のベース領域(N型シリコン基板1)はトランジスタTr2のコレクタ領域(N型シリコン基板1)に接続され、トランジスタTr1のコレクタ領域(サイリスタとしてのPゲート拡散領域3)はトランジスタTr2のベース領域(Pゲート拡散領域3)と接続されていると共に、抵抗RGK5を介してカソード端子Kに接続されている。トランジスタTr2のエミッタ領域(N型拡散領域4)はカソード端子Kに接続されている。そして、抵抗RGK5の両側にゼロクロス機能のためのMOSFETTr3のソースS(ソース拡散領域10)およびドレインD(ドレイン拡散領域11)が接続されている。また、N型シリコン基板1とPゲート拡散領域3との間には、接合容量Cj1が形成されている。
【0012】
さらに、MOSFETTr3を駆動するVP回路25が設けられ、MOSFETTr3のゲートGは、VP回路25を構成するフォトトランジスタTr4のエミッタ領域(N型拡散領域8)に接続され、そのフォトトランジスタTr4のコレクタ領域(N型シリコン基板1)はトランジスタTr1のベース領域(N型シリコン基板1)およびトランジスタTr2のコレクタ領域(N型シリコン基板1)に接続されている。また、フォトトランジスタTr4のコレクタ領域(N型シリコン基板1)とベース領域(P型拡散領域7)との間には接合容量Cj2が形成されている。さらに、MOSFETTr3のゲートGには、クランプダイオードZD(図6には図示していない)が接続されている。
【0013】
この構成では、NPNフォトトランジスタTr2に光が照射されることによって、NPNフォトトランジスタTr2がオン状態になってサイリスタに電流が流れる。このとき、Pゲート拡散領域3に誤って過大な電流が流れこまないように、例えば100kΩ程度の抵抗RGK5によって保護している。
【0014】
また、サイリスタのPゲート拡散領域3とカソード拡散領域4との間に設けられたMOSFETTr3は、フォトトランジスタTr4を介してN型シリコン基板1の電位によって制御される。そして、VP回路25からの駆動電圧VG、またはアノードA−カソードK間の電圧VA-KによってMOSFETTr3のゲートに印加される電圧がMOSFETTr3の閾値電圧を超えると、MOSFETTr3がON状態になり、サイリスタのPゲート拡散領域3とカソード拡散領域4との間が短絡される。これにより、サイリスタの動作が制御され、ゼロクロス機能が実現される。なお、上記駆動電圧VGについては外部からの電位入力はなく、テストパッドである。
【0015】
さらに、MOSFETTr3のゲートGは、クランプダイオードZDに接続されているので、フォトサイリスタ素子30のアノードA−カソードK間に高電圧が印加されても、MOSFETTr3のゲートGとソースSとの間の電圧がある一定電圧以上に高くならないように電圧がクランプされる。
【0016】
このように構成された2つのフォトサイリスタ素子30が、図8に示すようにCH(チャンネル)1およびCH2としてサイリスタ部分を相互に逆並列にして接続され、T1端子およびT2端子に接続された交流電源の極性が変わる度に、双方向フォトサイリスタ素子32の表面に直接光を照射すること等により、CH1およびCH2のいずれかが動作し、基本的な光制御型双方向フォトサイリスタ素子32として動作し、いわゆる点弧用SSRとして用いられる。
【0017】
なお、図8において、電源端子をT1およびT2としているのは、交流電源に接続した場合には両電源端子T1およびT2がアノードA端子としてもカソードK端子としても機能するからである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、双方向フォトサイリスタ素子の重要な特性は、光感度(最小トリガ入力電流IFTと称する)および動作応答速度(Tonと称する)と、これらとは相反する臨界オフ電圧上昇率(dv/dt特性と称する)および転流特性等のいわゆるノイズ耐量特性である。これらは、一方の特性を向上させると他方の特性が劣化するというトレードオフの関係にあり、これらの特性を両立させることが双方向フォトサイリスタ素子における最大の課題となっている。
【0019】
サイリスタを構成するNPNフォトトランジスタTr2は、直流電流増幅率(hFEと称する)が高い程、IFT特性やTon特性は良いが、代わりにdv/dt特性や転流特性が低下する。
【0020】
dv/dt特性の値が大きいと、オン状態に移行しやすくなり、例えばACライン上に急峻な立ち上がりのパルス状で尖頭値が2000Vに達するようなパルス状ノイズ電圧が重畳された場合、光照射がなくても誤点弧するという不具合が生じる。この原因は、Pゲート拡散領域3の接合容量を介して流れる変位電流が、トリガ電流として作用して誤動作するためである。
【0021】
ゼロクロス用MOSFETTr3は、一般的に、このdv/dt特性を向上させる効果をも有しており、急峻なパルスに俊敏に反応して、NPNフォトトランジスタTr2のベース領域(Pゲート拡散領域3)とエミッタ領域(カソード拡散領域4)との間を短絡することで高いdv/dt耐量を得ることができる。このdv/dt特性は、MOSFETTr3の動作特性に大きく依存しているため、dv/dt特性を向上させるためには、MOSFETTr3の動作応答速度を上げることと、さらには、MOSFETTr3を駆動するVP回路25の動作応答速度を上げることが重要である。
【0022】
一方、転流特性は、NPNフォトトランジスタTr2の高hFE化に伴い、保持電流(IHと称する)が小さくなる相関上、やはり不利である。この転流特性は、以下に詳細に説明するように、Si基板に残存する過剰キャリアが原因で発生する誤動作である。
【0023】
正常動作では、CH1がオンしている交流の半サィクル期間中に光照射が無くなった時、この半サイクル期間中はフォトサイリスタ素子30におけるPNPN構造部の電流保持機能によりオン状態が続くが、次の半サイクルに入ると、光入射が無い限りCH2はオンしない。
【0024】
しかし、スイッチングする交流回路に負荷Lが存在する場合は、交流電圧の位相よりもオン電流の位相が遅れるので、CH1がオフした時点で、CH2側に急峻な立ち上がりを示す電圧が印加される。
【0025】
このため、N型Si基板1中に残存している正孔がCH2側のPゲート拡散領域へ移動してCH2側の正帰還作用を促し、CH2がオンするという誤動作(転流失敗)を起こすという問題がある。
【0026】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、光感度が高く、高速応答可能で、かつ、高耐ノイズ特性を有するフォトサイリスタ素子および双方向フォトサイリスタ素子を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明のフォトサイリスタ素子は、PNPトランジスタと、該PNPトランジスタの一部を共有するNPNフォトトランジスタとからなるPNPN構造のサイリスタを備えたプレーナ型フォトサイリスタ素子であって、該NPNフォトトランジスタのベース領域がSiGeエピタキシャル層またはSi/SiGe超格子層を含み、そのことにより上記目的が達成される。
【0028】
本発明のフォトサイリスタ素子は、素子裏面がメカニカル研磨されているのが好ましい。
【0029】
本発明のフォトサイリスタ素子は、素子裏面にポリシリコン膜が設けられているのが好ましい。
【0030】
本発明のフォトサイリスタ素子は、前記NPNフォトトランジスタのhFEが50以上2000以下の範囲であり、かつ、前記PNPトランジスタのhFEが0.0005以上0.05以下の範囲であるのが好ましい。
【0031】
本発明のフォトサイリスタ素子は、ゼロクロス機能を実現するためのMOSFETと、該MOSFETを駆動するVP回路を備え、該VP回路を構成するフォトトランジスタのベース領域がSiGe層またはSi/SiGe超格子層を含んでいるのが好ましい。
【0032】
本発明のフォトサイリスタ素子は、前記VP回路を構成するフォトトランジスタのhFEが50以上2000以下の範囲であるのが好ましい。
【0033】
本発明の双方向フォトサイリスタ素子は、本発明のフォトサイリスタ素子を2つ備え、各フォトサイリスタ素子を構成する前記サイリスタが逆並列に接続されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0034】
以下、本発明の作用について説明する。
【0035】
本発明にあっては、サイリスタとしてのPNPN構造を構成するNPNフォトトランジスタのべ一ス領域(サイリスタのPゲート領域)が、SiGeエピタキシャル層またはSi/SiGe超格子層を含む。SiGe層は、Si基板にP型不純物を拡散して形成した拡散領域(従来のフォトサイリスタ素子のPゲート拡散領域)に比べてバンドギャップが狭く、キャリアの注入効率がよい。よって、従来のNPNフォトトランジスタに比べてhFEを高くして、サイリスタの光感度(IFT特性)を向上させることが可能である。また、SiGe層は光吸収係数が高いため、これをPゲート領域に用いることにより、サイリスタの光感度(IFT特性)をより一層向上させることが可能である。さらに、NPNフォトトランジスタのhFEを高くすることにより動作応答速度(Ton特性)も向上し、サイリスタとしての動作応答速度を早くすることが可能である。特に、Si/SiGe超格子構造とすることで、Si基板上のSiGe層の実効膜厚を厚くすることが可能となる。
【0036】
例えば、サイリスタを構成するNPNフォトトランジスタのhFEは、50以上2000以下の範囲とするのが好ましい。50未満では高感度化や高速応答化が不充分となり、2000を超えると保持電流や転流特性が低下して、実使用上、デバイスとして機能しなくなる。
【0037】
また、本発明にあっては、素子裏面をメカニカル研磨するか、またはポリシリコン膜を設けて、いわゆるBSD(Back Side Damage)処理を行うことにより、意識的に裏面に欠陥層を設ける。これにより、Si基板内のキャリアライフタイムを短縮させて、サイリスタを構成するPNPトランジスタのhFEを抑制し、転流特性を向上させることが可能である。
【0038】
例えば、サイリスタを構成するPNPトランジスタのhFEは、0.0005以上0.05以下の範囲とするのが好ましい。0.0005未満ではデバイスの光感度が不充分であり、0.05を超えると転流特性が不十分である。
【0039】
さらに、本発明にあっては、ゼロクロス機能を実現するためのMOSFETを駆動するVP回路において、フォトトランジスタのべ一ス領域が、SiGeエピタキシャル層またはSi/SiGe超格子層を含む。これにより、従来のVP回路を構成するフォトトランジスタに比べてhFEを高くして、VP回路の動作応答速度を早くすることが可能である。また、MOSFETを駆動するVP回路の動作応答速度を早くできる結果、MOSFETの動作応答速度を早くすることができ、dv/dt特性を向上させることが可能である。さらに、SiGe層は光吸収係数が高いため、これを用いることにより、フォトトランジスタ(サイリスタを構成するNPNフォトトランジスタおよびVP回路のフォトトランジスタを含む)の光感度(IFT特性)をより一層向上させることが可能である。
【0040】
例えば、VP回路を構成するNPNフォトトランジスタのhFEは、50以上2000以下の範囲とするのが好ましい。50未満ではMOSFET駆動のための高速応答化が不十分である。また、VP回路を構成するNPNフォトトランジスタとサイリスタを構成するNPNフォトトランジスタと同時に作製することから、サイリスタの性能を考慮すると、2000未満であるのが好ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0042】
(実施形態1)
図1は本実施形態1のゼロクロス機能付きのフォトサイリスタ素子の概略的な構成を示す断面図である。ここでは、本実施形態の双方向フォトサイリスタ素子32aの片側部であるフォトサイリスタ素子30aの構成が示されている。また、図2はそのフォトサイリスタ素子30aの等価回路図である。さらに、図3はそのフォトサイリスタ素子30aを相互に逆並列に接続した本実施形態1の双方向フォトサイリスタ素子32aの等価回路図である。
【0043】
本実施形態1のフォトサイリスタ素子30aにおいて、図6および図7に示した従来の双方向フォトサイリスタ素子30と異なる点は、
(1)サイリスタのPNPN構造部を構成するNPNフォトトランジスタTr2のベース領域(サイリスタのPゲート領域)3aに、SiGe層を用いたこと、
(2)Si基板1の裏面に、メカニカル研磨面17を設けたこと、および
(3)ゼロクロス用MOSFETTr3を駆動するVP回路25において、フォトトランジスタTr4のベース領域7aに、SiGe層を用いたことである。その他の構成は、従来のフォトサイリスタ素子30と同様である。
【0044】
このように構成された2つのフォトサイリスタ素子30aが、図3に示すように、CH1およびCH2としてサイリスタ部分を相互に逆並列にして接続され、いわゆる点弧用SSRとして用いられる双方向フォトサイリスタ素子32aが形成されている。
【0045】
本実施形態の双方向フォトサイリスタ素子32aは、例えば以下のようにして作製することができる。
【0046】
まず、図4(a)に示すように、N型Si基板1上に、気相成長法や超高真空化学気相成長法(UHV−CVD)等により、PH3等からなるN型エピタキシャル層1aを成長して、NPNフォトトランジスタTr2のベース領域3aを形成する領域、およびフォトトランジスタTr4のベース領域7aを形成する領域を選択的にパターニングし、エッチングすることにより凹部35を形成する。
【0047】
次に、 図4(b)に示すように、上記凹部35に、気相成長法や超高真空化学気相成長法等により、B2H4等からなる第1のP型エピタキシャル層21を成長させた後、その上にP型Si/SiGe超格子層13aおよび17aを形成する。
【0048】
なお、SiとSiGeとは格子定数が異なるため、一般的にはSi上にSiGeを厚く成長させることはできないが、超格子構造とすることで、SiGeの実効膜厚を厚くすることができる。所望の厚さは、例えばデバイスの耐圧600V以上を得るためには、超格子層全体で13μm以下である。ここで、凹部35が拡散領域2、9よりも浅くなっているのは、作製上の制限からである。
【0049】
次に、 図4(c)に示すように、気相成長法等により、B2H4等からなる第2のP型エピタキシャル層23を成長させ、その後、SiO2等の酸化膜14aで全体を覆う。
【0050】
次に, 図4(d)に示すように、N型Si基板1に、PNPトランジスタTr1のアノードとなるP型拡散領域2、MOSFETTr3のウエル拡散領域9およびゲート抵抗RGK5(図4には示していない)を形成する。これらは、B(ホウ素)をイオン注入方式や熱拡散方式により拡散させることにより形成することができる。本実施形態では、ゲート抵抗RGK5が約100kΩになるように拡散を行った。
【0051】
次に、 図4(e)に示すように、NPNフォトトランジスタTr2のベース領域(Pゲート領域)3a内と、MOSFETTr3のウエル拡散領域9内と、VP回路25のフォトトランジスタTr4のベース領域7a内に、カソードとなるN型拡散領域4、ソースおよびドレインとなるN型拡散領域10および11、エミッタ領域となるN型拡散領域8を形成する。このとき、N型のチャンネルストッパー領域12も同時に形成する。これらは、P(リン)をイオン注入方式や熱拡散方式により拡散させることにより形成することができる。
【0052】
その後、図1に示すように、電気的に絶緑が必要な部分にはSiO2等からなるパッシベーション膜14を形成し、電気的な接続のためにAl等からなる配線層(電極層)6を形成する。基板裏面には、研磨面17またはポリシリコン膜の上にAu等からなる電極層13を形成する。
【0053】
なお、図4では双方向フォトサイリスタ素子32aの片側部分であるフォトサイリスタ素子30aについて示しているが、図3に示したように、2つのフォトサイリスタ素子30aをCH1およびCH2として、サイリスタ部分が相互に逆並列に接続されるように形成することにより、双方向フォトサイリスタ素子32aを作製する。これは、同一基板上に同時に2つのフォトサイリスタ素子を形成することにより作製される。このようにして作製された双方向フォトサイリスタ素子32aの表面に直接光を照射すること等により、基本的な光制御型双方向フォトサイリスタ素子32aとして動作する、いわゆる点弧用SSRとして用いることができる。
【0054】
このようにして得られる本実施形態の双方向フォトサイリスタ素子32aにおいては、サイリスタのPNPN構造を構成するNPNフォトトランジスタTr2のべ一ス領域3aが、SiGe超格子層13aを含んでいる。SiGe層は、Si基板にP型拡散を行って形成した従来のNPNフォトトランジスタのベース領域に比べてバンドギャップが狭いので、キャリアの注入効率がよく、hFEを高めることができる。図7に示した従来例ではNPNフォトトランジスタTr2のhFEが約40であったのに対して、本実施形態ではNPNフォトトランジスタTr2のhFEを約150にすることができた。これにより、本実施形態の双方向フォトサイリスタ素子32aの光感度(IFT)特性および動作応答速度(Ton)特性を向上させることができた。また、SiGe層は光吸収係数が高いため、これをPゲート領域3aに用いることにより、サイリスタの光感度をより一層向上させることができた。
【0055】
また、Si基板1の裏面に、メカニカル研磨面17を設けることにより、Si基板1内のキャリアライフタイムを大幅に短縮させて、PNPトランジスタTr1のhFEを抑制することができる。図1に示した従来例ではPNPトランジスタTr1のhFEが約0.03であったのに対して、本実施形態ではPNPトランジスタTr1のhFEを約0.01にすることができた。これにより、本実施形態の双方向フォトサイリスタ素子32aの転流特性を向上させることができた。
【0056】
さらに、VP回路25を構成するフォトトランジスタTr4のべ一ス領域7aがSiGe超格子層17aを含んでいるので、NPNフォトトランジスタTr1と同様に、フォトトランジスタTr4のhFEを高くすることができる。図7に示した従来例ではVP回路25を構成するフォトトランジスタTr4のhFEが約40であったのに対して、本実施形態ではVP回路25を構成するフォトトランジスタTr4のhFEを約150にすることができた。これにより、本実施形態では、VP回路25を構成するNPNフォトトランジスタTr4の動作応答速度が早くなり、MOSFETTr3の動作応答速度が早くなるので、dv/dt耐量を向上させることができた。
【0057】
なお、上記NPNフォトトランジスタTr2およびTr4のベース領域3aおよび7aは、Si基板1上に超高真空化学気相成長法(UHV−CVD)を用いてSiGe層(ここでは超格子構造ではないSiGe層)を選択的に気相成長させることによっても形成することができる。この方法は、プロセス的には簡単であるが、厚さ(縦方向の距離、P型層の深さ)をあまり厚くすることができない。よって、素子設計に制限があるが、実現は可能である。
【0058】
(実施形態2)
図5は、実施形態2の双方向フォトサイリスタ素子の構成を示す断面図である。ここでは、双方向フォトサイリスタ素子の片側部であるフォトサイリスタ素子30bの構成を示している。
【0059】
このフォトサイリスタ素子30bは、Si基板1の裏面に、メカニカル研磨面17の代わりにポリシリコン膜18が設けられている。その他の構成は、実施形態1のフォトサイリスタ素子30aと同じであり、図3に示すように、2つのフォトサイリスタ素子30bをCH1およびCH2として、サイリスタ部分を相互に逆並列に接続することにより、双方向フォトサイリスタ素子32aとして用いることができる。
【0060】
この構成によっても、Si基板1内のキャリアライフタイムを大幅に短縮させて、PNPトランジスタTr1のhFEを抑制することができる。図1に示した従来例ではPNPトランジスタTr1のhFEが約0.03であったのに対して、本実施形態ではPNPトランジスタTr1のhFEを約0.01にすることができた。これにより、双方向フォトサイリスタ素子の転流特性を向上させることができた。
【0061】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ベース領域にSiGeエピタキシャル層またはSi/SiGe超格子層を用いることにより、サイリスタを構成するNPNフォトトランジスタのhFEを高くして、サイリスタの光感度(IFT特性)および動作応答速度(Ton特性)を向上させることができる。また、サイリスタのPゲート領域の光吸収係数が高いため、サイリスタの光感度をより一層向上させることができる。
【0062】
また、本発明によれば、素子裏面をメカニカル研磨するか、またはポリシリコン膜を設けることにより、サイリスタを構成するPNPトランジスタのhFEを抑制し、転流特性を向上させることが可能である。
【0063】
さらに、本発明によれば、ゼロクロス機能を実現するためのMOSFETを駆動するVP回路において、NPNフォトトランジスタのべ一ス領域にSiGeエピタキシャル層またはSi/SiGe超格子層を用いることにより、VP回路を構成するNPNフォトトランジスタのhFEを高くして、VP回路の動作応答速度を早くすることができる。さらに、MOSFETの動作応答速度を早くすることができるので、dv/dt特性を向上させることができる。
【0064】
従って、本発明によれば、光感度が高く、高速応答可能で、かつ、高耐ノイズ特性を有する双方向フォトサイリスタ素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の双方向フォトサイリスタ素子の概略構成を示す断面図である。
【図2】実施形態1の双方向フォトサイリスタ素子の片側部であるフォトサイリスタ素子の等価回路図である。
【図3】実施形態1および実施形態2の双方向フォトサイリスタ素子の等価回路図である。
【図4】実施形態1の双方向フォトサイリスタ素子の製造工程を説明するための断面図である。
【図5】実施形態2の双方向フォトサイリスタ素子の概略構成を示す断面図である。
【図6】従来の双方向フォトサイリスタ素子の概略構成を示す断面図である。
【図7】従来の双方向フォトサイリスタ素子の片側部であるフォトサイリスタ素子の等価回路図である。
【図8】従来の双方向フォトサイリスタ素子の等価回路図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
1a N型エピタキシャル層
2 アノード拡散領域
3 Pゲート拡散領域
3a Pゲート領域
4 カソード拡散領域
5 ゲート抵抗RGK
6、13 電極層
7 P型拡散領域
7a フォトトランジスタTr4のベース領域
8 N型拡散領域
9 ウエル拡散領域
10 ソース拡散領域
11 ドレイン拡散領域
12 チャンネルストッパー領域
13a、17a Si/SiGe超格子層
14 パッシベーション膜
14a 酸化膜
17 研磨面
18 ポリシリコン膜
21 第1のP型エピタキシャル層
23 第2のP型エピタキシャル層
35 凹部
25 VP回路
30、30a、30b フォトサイリスタ素子
32、32a 双方向フォトサイリスタ素子
A アノード端子
K カソード端子
Tr1 PNPトランジスタ
Tr2 NPNフォトトランジスタ
Tr3 MOSFET
Tr4 フォトトランジスタ
G ゲート
S ソース
D ドレイン
Cj1 シリコン基板とPゲート拡散領域、またはシリコン基板とPゲート領域との間の接合容量
Cj2 フォトトランジスタTr4のコレクタ領域とベース領域との間の接合容量
ZD クランプダイオード
T1、T2 双方向フォトサイリスタ素子の電源端子
【発明の属する技術分野】
本発明は、商用周波数ラインなどで使用されるフォトサイリスタ素子および双方向フォトサイリスタ素子に関し、特に、光感度および動作応答速度の向上と、ノイズ特性の向上とを両立させることができるフォトサイリスタ素子および双方向フォトサイリスタ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、いわゆる点弧用SSR(ソリッド・ソテート・リレー)として、例えばN型シリコン基板等の上に双方向サイリスタを形成し、これに光を照射することによってゲート・トリガ信号を与えて制御する双方向フォトサイリスタ素子が広く用いられている。
【0003】
このSSRは、一般に、スイッチングによる発生ノイズが少ないが、印加されるAC電源電圧が高いところでスイッチングすると雑音が発生し、制御機器に悪影響を及ぼす。このため、AC電源電圧が低いところ(ゼロクロスポイント)でのみでSSRがスイッチングすることが望まれており、この実現のためには、一般に、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられている。
【0004】
図6は従来のゼロクロス機能付きの双方向フォトサイリスタ素子の概略的な構成を示す断面図である。なお、ここでは片側部のフォトサイリスタ素子30部分が示されている。
【0005】
このプレーナ型フォトサイリスタ素子を構成するN型シリコン基板1は、不純物濃度が一般に1013atoms/cm3〜1015atoms/cm3であり、双方向フォトサイリスタ素子が形成される部分の周辺にはN型のチャンネルストッパー領域12が設けられている。
【0006】
このN型シリコン基板(Nsub)1の表面にP型のアノード拡散領域2が形成され、これにAl等からなる電極層6を介してアノード端子Aが接続されている。このアノード拡散領域2の左側に一定の間隔を開けて、P型のPゲート拡散領域3が設けられ、その中にN型のカソード拡散領域4が形成されている。Pゲート拡散領域3およびカソード拡散領域4には、電極層6を介してカソード端子Kが接続されている。このアノード拡散領域2、シリコン基板1およびPゲート拡散領域3からPNPトランジスタTr1が構成され、シリコン基板1、Pゲート拡散領域3およびカソード拡散領域4によってNPNフォトトランジスタTr2が構成され、両トランジスタTr1およびTr2によってPNPN構造を有するサイリスタが構成されている。なお、5はP型拡散により形成されるゲート抵抗RGKである。
【0007】
これらの左側に、NPN型のフォトトランジスタTr4を構成する拡散領域7、8が形成されている。さらにその左側に、MOSFETTr3を構成するP型のウエル拡散領域9が形成され、その表面側にN型のソース拡散領域10およびドレイン拡散領域11が形成されている。このMOSFETTr3はゼロクロス機能を実現するために設けられ、フォトトランジスタTr4はMOSFETTr3のゲートを駆動するために設けられている。
【0008】
これらのP型拡散領域またはN型拡散領域は、不純物イオン注入方式や熱拡散方式により形成される。
【0009】
上記N型シリコン基板1の裏面にはAu等からなる電極層13が設けられている。また、N型シリコン基板1の表面には電気的な接続のためにAl等からなる配線層(電極層)6が設けられ、電気的な絶縁が必要とされる部分にはSiO2膜等からなるパッシベーション膜14が形成されている。さらに、フォトサイリスタとして光信号を入力するためのPゲート拡散領域(受光部)3と、MOSFETTr3のゲートを光制御するためのフォトトランジスタTr4のP型拡散領域(ベース領域)7では、ここでは図示していないが、配線層(電極層)6を除去することなどにより開口されている。
【0010】
図7は、図6の双方向フォトサイリスタ素子の片側部であるフォトサイリスタ素子30の等価回路図である。
【0011】
ここでは、アノード端子Aとカソード端子Kとの間にPNPトランジスタTr1およびNPNフォトトランジスタTr2が接続されている。トランジスタTr1のエミッタ領域(P型アノード拡散領域2)はアノード端子Aに接続され、トランジスタTr1のベース領域(N型シリコン基板1)はトランジスタTr2のコレクタ領域(N型シリコン基板1)に接続され、トランジスタTr1のコレクタ領域(サイリスタとしてのPゲート拡散領域3)はトランジスタTr2のベース領域(Pゲート拡散領域3)と接続されていると共に、抵抗RGK5を介してカソード端子Kに接続されている。トランジスタTr2のエミッタ領域(N型拡散領域4)はカソード端子Kに接続されている。そして、抵抗RGK5の両側にゼロクロス機能のためのMOSFETTr3のソースS(ソース拡散領域10)およびドレインD(ドレイン拡散領域11)が接続されている。また、N型シリコン基板1とPゲート拡散領域3との間には、接合容量Cj1が形成されている。
【0012】
さらに、MOSFETTr3を駆動するVP回路25が設けられ、MOSFETTr3のゲートGは、VP回路25を構成するフォトトランジスタTr4のエミッタ領域(N型拡散領域8)に接続され、そのフォトトランジスタTr4のコレクタ領域(N型シリコン基板1)はトランジスタTr1のベース領域(N型シリコン基板1)およびトランジスタTr2のコレクタ領域(N型シリコン基板1)に接続されている。また、フォトトランジスタTr4のコレクタ領域(N型シリコン基板1)とベース領域(P型拡散領域7)との間には接合容量Cj2が形成されている。さらに、MOSFETTr3のゲートGには、クランプダイオードZD(図6には図示していない)が接続されている。
【0013】
この構成では、NPNフォトトランジスタTr2に光が照射されることによって、NPNフォトトランジスタTr2がオン状態になってサイリスタに電流が流れる。このとき、Pゲート拡散領域3に誤って過大な電流が流れこまないように、例えば100kΩ程度の抵抗RGK5によって保護している。
【0014】
また、サイリスタのPゲート拡散領域3とカソード拡散領域4との間に設けられたMOSFETTr3は、フォトトランジスタTr4を介してN型シリコン基板1の電位によって制御される。そして、VP回路25からの駆動電圧VG、またはアノードA−カソードK間の電圧VA-KによってMOSFETTr3のゲートに印加される電圧がMOSFETTr3の閾値電圧を超えると、MOSFETTr3がON状態になり、サイリスタのPゲート拡散領域3とカソード拡散領域4との間が短絡される。これにより、サイリスタの動作が制御され、ゼロクロス機能が実現される。なお、上記駆動電圧VGについては外部からの電位入力はなく、テストパッドである。
【0015】
さらに、MOSFETTr3のゲートGは、クランプダイオードZDに接続されているので、フォトサイリスタ素子30のアノードA−カソードK間に高電圧が印加されても、MOSFETTr3のゲートGとソースSとの間の電圧がある一定電圧以上に高くならないように電圧がクランプされる。
【0016】
このように構成された2つのフォトサイリスタ素子30が、図8に示すようにCH(チャンネル)1およびCH2としてサイリスタ部分を相互に逆並列にして接続され、T1端子およびT2端子に接続された交流電源の極性が変わる度に、双方向フォトサイリスタ素子32の表面に直接光を照射すること等により、CH1およびCH2のいずれかが動作し、基本的な光制御型双方向フォトサイリスタ素子32として動作し、いわゆる点弧用SSRとして用いられる。
【0017】
なお、図8において、電源端子をT1およびT2としているのは、交流電源に接続した場合には両電源端子T1およびT2がアノードA端子としてもカソードK端子としても機能するからである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、双方向フォトサイリスタ素子の重要な特性は、光感度(最小トリガ入力電流IFTと称する)および動作応答速度(Tonと称する)と、これらとは相反する臨界オフ電圧上昇率(dv/dt特性と称する)および転流特性等のいわゆるノイズ耐量特性である。これらは、一方の特性を向上させると他方の特性が劣化するというトレードオフの関係にあり、これらの特性を両立させることが双方向フォトサイリスタ素子における最大の課題となっている。
【0019】
サイリスタを構成するNPNフォトトランジスタTr2は、直流電流増幅率(hFEと称する)が高い程、IFT特性やTon特性は良いが、代わりにdv/dt特性や転流特性が低下する。
【0020】
dv/dt特性の値が大きいと、オン状態に移行しやすくなり、例えばACライン上に急峻な立ち上がりのパルス状で尖頭値が2000Vに達するようなパルス状ノイズ電圧が重畳された場合、光照射がなくても誤点弧するという不具合が生じる。この原因は、Pゲート拡散領域3の接合容量を介して流れる変位電流が、トリガ電流として作用して誤動作するためである。
【0021】
ゼロクロス用MOSFETTr3は、一般的に、このdv/dt特性を向上させる効果をも有しており、急峻なパルスに俊敏に反応して、NPNフォトトランジスタTr2のベース領域(Pゲート拡散領域3)とエミッタ領域(カソード拡散領域4)との間を短絡することで高いdv/dt耐量を得ることができる。このdv/dt特性は、MOSFETTr3の動作特性に大きく依存しているため、dv/dt特性を向上させるためには、MOSFETTr3の動作応答速度を上げることと、さらには、MOSFETTr3を駆動するVP回路25の動作応答速度を上げることが重要である。
【0022】
一方、転流特性は、NPNフォトトランジスタTr2の高hFE化に伴い、保持電流(IHと称する)が小さくなる相関上、やはり不利である。この転流特性は、以下に詳細に説明するように、Si基板に残存する過剰キャリアが原因で発生する誤動作である。
【0023】
正常動作では、CH1がオンしている交流の半サィクル期間中に光照射が無くなった時、この半サイクル期間中はフォトサイリスタ素子30におけるPNPN構造部の電流保持機能によりオン状態が続くが、次の半サイクルに入ると、光入射が無い限りCH2はオンしない。
【0024】
しかし、スイッチングする交流回路に負荷Lが存在する場合は、交流電圧の位相よりもオン電流の位相が遅れるので、CH1がオフした時点で、CH2側に急峻な立ち上がりを示す電圧が印加される。
【0025】
このため、N型Si基板1中に残存している正孔がCH2側のPゲート拡散領域へ移動してCH2側の正帰還作用を促し、CH2がオンするという誤動作(転流失敗)を起こすという問題がある。
【0026】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、光感度が高く、高速応答可能で、かつ、高耐ノイズ特性を有するフォトサイリスタ素子および双方向フォトサイリスタ素子を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明のフォトサイリスタ素子は、PNPトランジスタと、該PNPトランジスタの一部を共有するNPNフォトトランジスタとからなるPNPN構造のサイリスタを備えたプレーナ型フォトサイリスタ素子であって、該NPNフォトトランジスタのベース領域がSiGeエピタキシャル層またはSi/SiGe超格子層を含み、そのことにより上記目的が達成される。
【0028】
本発明のフォトサイリスタ素子は、素子裏面がメカニカル研磨されているのが好ましい。
【0029】
本発明のフォトサイリスタ素子は、素子裏面にポリシリコン膜が設けられているのが好ましい。
【0030】
本発明のフォトサイリスタ素子は、前記NPNフォトトランジスタのhFEが50以上2000以下の範囲であり、かつ、前記PNPトランジスタのhFEが0.0005以上0.05以下の範囲であるのが好ましい。
【0031】
本発明のフォトサイリスタ素子は、ゼロクロス機能を実現するためのMOSFETと、該MOSFETを駆動するVP回路を備え、該VP回路を構成するフォトトランジスタのベース領域がSiGe層またはSi/SiGe超格子層を含んでいるのが好ましい。
【0032】
本発明のフォトサイリスタ素子は、前記VP回路を構成するフォトトランジスタのhFEが50以上2000以下の範囲であるのが好ましい。
【0033】
本発明の双方向フォトサイリスタ素子は、本発明のフォトサイリスタ素子を2つ備え、各フォトサイリスタ素子を構成する前記サイリスタが逆並列に接続されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0034】
以下、本発明の作用について説明する。
【0035】
本発明にあっては、サイリスタとしてのPNPN構造を構成するNPNフォトトランジスタのべ一ス領域(サイリスタのPゲート領域)が、SiGeエピタキシャル層またはSi/SiGe超格子層を含む。SiGe層は、Si基板にP型不純物を拡散して形成した拡散領域(従来のフォトサイリスタ素子のPゲート拡散領域)に比べてバンドギャップが狭く、キャリアの注入効率がよい。よって、従来のNPNフォトトランジスタに比べてhFEを高くして、サイリスタの光感度(IFT特性)を向上させることが可能である。また、SiGe層は光吸収係数が高いため、これをPゲート領域に用いることにより、サイリスタの光感度(IFT特性)をより一層向上させることが可能である。さらに、NPNフォトトランジスタのhFEを高くすることにより動作応答速度(Ton特性)も向上し、サイリスタとしての動作応答速度を早くすることが可能である。特に、Si/SiGe超格子構造とすることで、Si基板上のSiGe層の実効膜厚を厚くすることが可能となる。
【0036】
例えば、サイリスタを構成するNPNフォトトランジスタのhFEは、50以上2000以下の範囲とするのが好ましい。50未満では高感度化や高速応答化が不充分となり、2000を超えると保持電流や転流特性が低下して、実使用上、デバイスとして機能しなくなる。
【0037】
また、本発明にあっては、素子裏面をメカニカル研磨するか、またはポリシリコン膜を設けて、いわゆるBSD(Back Side Damage)処理を行うことにより、意識的に裏面に欠陥層を設ける。これにより、Si基板内のキャリアライフタイムを短縮させて、サイリスタを構成するPNPトランジスタのhFEを抑制し、転流特性を向上させることが可能である。
【0038】
例えば、サイリスタを構成するPNPトランジスタのhFEは、0.0005以上0.05以下の範囲とするのが好ましい。0.0005未満ではデバイスの光感度が不充分であり、0.05を超えると転流特性が不十分である。
【0039】
さらに、本発明にあっては、ゼロクロス機能を実現するためのMOSFETを駆動するVP回路において、フォトトランジスタのべ一ス領域が、SiGeエピタキシャル層またはSi/SiGe超格子層を含む。これにより、従来のVP回路を構成するフォトトランジスタに比べてhFEを高くして、VP回路の動作応答速度を早くすることが可能である。また、MOSFETを駆動するVP回路の動作応答速度を早くできる結果、MOSFETの動作応答速度を早くすることができ、dv/dt特性を向上させることが可能である。さらに、SiGe層は光吸収係数が高いため、これを用いることにより、フォトトランジスタ(サイリスタを構成するNPNフォトトランジスタおよびVP回路のフォトトランジスタを含む)の光感度(IFT特性)をより一層向上させることが可能である。
【0040】
例えば、VP回路を構成するNPNフォトトランジスタのhFEは、50以上2000以下の範囲とするのが好ましい。50未満ではMOSFET駆動のための高速応答化が不十分である。また、VP回路を構成するNPNフォトトランジスタとサイリスタを構成するNPNフォトトランジスタと同時に作製することから、サイリスタの性能を考慮すると、2000未満であるのが好ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0042】
(実施形態1)
図1は本実施形態1のゼロクロス機能付きのフォトサイリスタ素子の概略的な構成を示す断面図である。ここでは、本実施形態の双方向フォトサイリスタ素子32aの片側部であるフォトサイリスタ素子30aの構成が示されている。また、図2はそのフォトサイリスタ素子30aの等価回路図である。さらに、図3はそのフォトサイリスタ素子30aを相互に逆並列に接続した本実施形態1の双方向フォトサイリスタ素子32aの等価回路図である。
【0043】
本実施形態1のフォトサイリスタ素子30aにおいて、図6および図7に示した従来の双方向フォトサイリスタ素子30と異なる点は、
(1)サイリスタのPNPN構造部を構成するNPNフォトトランジスタTr2のベース領域(サイリスタのPゲート領域)3aに、SiGe層を用いたこと、
(2)Si基板1の裏面に、メカニカル研磨面17を設けたこと、および
(3)ゼロクロス用MOSFETTr3を駆動するVP回路25において、フォトトランジスタTr4のベース領域7aに、SiGe層を用いたことである。その他の構成は、従来のフォトサイリスタ素子30と同様である。
【0044】
このように構成された2つのフォトサイリスタ素子30aが、図3に示すように、CH1およびCH2としてサイリスタ部分を相互に逆並列にして接続され、いわゆる点弧用SSRとして用いられる双方向フォトサイリスタ素子32aが形成されている。
【0045】
本実施形態の双方向フォトサイリスタ素子32aは、例えば以下のようにして作製することができる。
【0046】
まず、図4(a)に示すように、N型Si基板1上に、気相成長法や超高真空化学気相成長法(UHV−CVD)等により、PH3等からなるN型エピタキシャル層1aを成長して、NPNフォトトランジスタTr2のベース領域3aを形成する領域、およびフォトトランジスタTr4のベース領域7aを形成する領域を選択的にパターニングし、エッチングすることにより凹部35を形成する。
【0047】
次に、 図4(b)に示すように、上記凹部35に、気相成長法や超高真空化学気相成長法等により、B2H4等からなる第1のP型エピタキシャル層21を成長させた後、その上にP型Si/SiGe超格子層13aおよび17aを形成する。
【0048】
なお、SiとSiGeとは格子定数が異なるため、一般的にはSi上にSiGeを厚く成長させることはできないが、超格子構造とすることで、SiGeの実効膜厚を厚くすることができる。所望の厚さは、例えばデバイスの耐圧600V以上を得るためには、超格子層全体で13μm以下である。ここで、凹部35が拡散領域2、9よりも浅くなっているのは、作製上の制限からである。
【0049】
次に、 図4(c)に示すように、気相成長法等により、B2H4等からなる第2のP型エピタキシャル層23を成長させ、その後、SiO2等の酸化膜14aで全体を覆う。
【0050】
次に, 図4(d)に示すように、N型Si基板1に、PNPトランジスタTr1のアノードとなるP型拡散領域2、MOSFETTr3のウエル拡散領域9およびゲート抵抗RGK5(図4には示していない)を形成する。これらは、B(ホウ素)をイオン注入方式や熱拡散方式により拡散させることにより形成することができる。本実施形態では、ゲート抵抗RGK5が約100kΩになるように拡散を行った。
【0051】
次に、 図4(e)に示すように、NPNフォトトランジスタTr2のベース領域(Pゲート領域)3a内と、MOSFETTr3のウエル拡散領域9内と、VP回路25のフォトトランジスタTr4のベース領域7a内に、カソードとなるN型拡散領域4、ソースおよびドレインとなるN型拡散領域10および11、エミッタ領域となるN型拡散領域8を形成する。このとき、N型のチャンネルストッパー領域12も同時に形成する。これらは、P(リン)をイオン注入方式や熱拡散方式により拡散させることにより形成することができる。
【0052】
その後、図1に示すように、電気的に絶緑が必要な部分にはSiO2等からなるパッシベーション膜14を形成し、電気的な接続のためにAl等からなる配線層(電極層)6を形成する。基板裏面には、研磨面17またはポリシリコン膜の上にAu等からなる電極層13を形成する。
【0053】
なお、図4では双方向フォトサイリスタ素子32aの片側部分であるフォトサイリスタ素子30aについて示しているが、図3に示したように、2つのフォトサイリスタ素子30aをCH1およびCH2として、サイリスタ部分が相互に逆並列に接続されるように形成することにより、双方向フォトサイリスタ素子32aを作製する。これは、同一基板上に同時に2つのフォトサイリスタ素子を形成することにより作製される。このようにして作製された双方向フォトサイリスタ素子32aの表面に直接光を照射すること等により、基本的な光制御型双方向フォトサイリスタ素子32aとして動作する、いわゆる点弧用SSRとして用いることができる。
【0054】
このようにして得られる本実施形態の双方向フォトサイリスタ素子32aにおいては、サイリスタのPNPN構造を構成するNPNフォトトランジスタTr2のべ一ス領域3aが、SiGe超格子層13aを含んでいる。SiGe層は、Si基板にP型拡散を行って形成した従来のNPNフォトトランジスタのベース領域に比べてバンドギャップが狭いので、キャリアの注入効率がよく、hFEを高めることができる。図7に示した従来例ではNPNフォトトランジスタTr2のhFEが約40であったのに対して、本実施形態ではNPNフォトトランジスタTr2のhFEを約150にすることができた。これにより、本実施形態の双方向フォトサイリスタ素子32aの光感度(IFT)特性および動作応答速度(Ton)特性を向上させることができた。また、SiGe層は光吸収係数が高いため、これをPゲート領域3aに用いることにより、サイリスタの光感度をより一層向上させることができた。
【0055】
また、Si基板1の裏面に、メカニカル研磨面17を設けることにより、Si基板1内のキャリアライフタイムを大幅に短縮させて、PNPトランジスタTr1のhFEを抑制することができる。図1に示した従来例ではPNPトランジスタTr1のhFEが約0.03であったのに対して、本実施形態ではPNPトランジスタTr1のhFEを約0.01にすることができた。これにより、本実施形態の双方向フォトサイリスタ素子32aの転流特性を向上させることができた。
【0056】
さらに、VP回路25を構成するフォトトランジスタTr4のべ一ス領域7aがSiGe超格子層17aを含んでいるので、NPNフォトトランジスタTr1と同様に、フォトトランジスタTr4のhFEを高くすることができる。図7に示した従来例ではVP回路25を構成するフォトトランジスタTr4のhFEが約40であったのに対して、本実施形態ではVP回路25を構成するフォトトランジスタTr4のhFEを約150にすることができた。これにより、本実施形態では、VP回路25を構成するNPNフォトトランジスタTr4の動作応答速度が早くなり、MOSFETTr3の動作応答速度が早くなるので、dv/dt耐量を向上させることができた。
【0057】
なお、上記NPNフォトトランジスタTr2およびTr4のベース領域3aおよび7aは、Si基板1上に超高真空化学気相成長法(UHV−CVD)を用いてSiGe層(ここでは超格子構造ではないSiGe層)を選択的に気相成長させることによっても形成することができる。この方法は、プロセス的には簡単であるが、厚さ(縦方向の距離、P型層の深さ)をあまり厚くすることができない。よって、素子設計に制限があるが、実現は可能である。
【0058】
(実施形態2)
図5は、実施形態2の双方向フォトサイリスタ素子の構成を示す断面図である。ここでは、双方向フォトサイリスタ素子の片側部であるフォトサイリスタ素子30bの構成を示している。
【0059】
このフォトサイリスタ素子30bは、Si基板1の裏面に、メカニカル研磨面17の代わりにポリシリコン膜18が設けられている。その他の構成は、実施形態1のフォトサイリスタ素子30aと同じであり、図3に示すように、2つのフォトサイリスタ素子30bをCH1およびCH2として、サイリスタ部分を相互に逆並列に接続することにより、双方向フォトサイリスタ素子32aとして用いることができる。
【0060】
この構成によっても、Si基板1内のキャリアライフタイムを大幅に短縮させて、PNPトランジスタTr1のhFEを抑制することができる。図1に示した従来例ではPNPトランジスタTr1のhFEが約0.03であったのに対して、本実施形態ではPNPトランジスタTr1のhFEを約0.01にすることができた。これにより、双方向フォトサイリスタ素子の転流特性を向上させることができた。
【0061】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ベース領域にSiGeエピタキシャル層またはSi/SiGe超格子層を用いることにより、サイリスタを構成するNPNフォトトランジスタのhFEを高くして、サイリスタの光感度(IFT特性)および動作応答速度(Ton特性)を向上させることができる。また、サイリスタのPゲート領域の光吸収係数が高いため、サイリスタの光感度をより一層向上させることができる。
【0062】
また、本発明によれば、素子裏面をメカニカル研磨するか、またはポリシリコン膜を設けることにより、サイリスタを構成するPNPトランジスタのhFEを抑制し、転流特性を向上させることが可能である。
【0063】
さらに、本発明によれば、ゼロクロス機能を実現するためのMOSFETを駆動するVP回路において、NPNフォトトランジスタのべ一ス領域にSiGeエピタキシャル層またはSi/SiGe超格子層を用いることにより、VP回路を構成するNPNフォトトランジスタのhFEを高くして、VP回路の動作応答速度を早くすることができる。さらに、MOSFETの動作応答速度を早くすることができるので、dv/dt特性を向上させることができる。
【0064】
従って、本発明によれば、光感度が高く、高速応答可能で、かつ、高耐ノイズ特性を有する双方向フォトサイリスタ素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の双方向フォトサイリスタ素子の概略構成を示す断面図である。
【図2】実施形態1の双方向フォトサイリスタ素子の片側部であるフォトサイリスタ素子の等価回路図である。
【図3】実施形態1および実施形態2の双方向フォトサイリスタ素子の等価回路図である。
【図4】実施形態1の双方向フォトサイリスタ素子の製造工程を説明するための断面図である。
【図5】実施形態2の双方向フォトサイリスタ素子の概略構成を示す断面図である。
【図6】従来の双方向フォトサイリスタ素子の概略構成を示す断面図である。
【図7】従来の双方向フォトサイリスタ素子の片側部であるフォトサイリスタ素子の等価回路図である。
【図8】従来の双方向フォトサイリスタ素子の等価回路図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
1a N型エピタキシャル層
2 アノード拡散領域
3 Pゲート拡散領域
3a Pゲート領域
4 カソード拡散領域
5 ゲート抵抗RGK
6、13 電極層
7 P型拡散領域
7a フォトトランジスタTr4のベース領域
8 N型拡散領域
9 ウエル拡散領域
10 ソース拡散領域
11 ドレイン拡散領域
12 チャンネルストッパー領域
13a、17a Si/SiGe超格子層
14 パッシベーション膜
14a 酸化膜
17 研磨面
18 ポリシリコン膜
21 第1のP型エピタキシャル層
23 第2のP型エピタキシャル層
35 凹部
25 VP回路
30、30a、30b フォトサイリスタ素子
32、32a 双方向フォトサイリスタ素子
A アノード端子
K カソード端子
Tr1 PNPトランジスタ
Tr2 NPNフォトトランジスタ
Tr3 MOSFET
Tr4 フォトトランジスタ
G ゲート
S ソース
D ドレイン
Cj1 シリコン基板とPゲート拡散領域、またはシリコン基板とPゲート領域との間の接合容量
Cj2 フォトトランジスタTr4のコレクタ領域とベース領域との間の接合容量
ZD クランプダイオード
T1、T2 双方向フォトサイリスタ素子の電源端子
Claims (7)
- PNPトランジスタと、該PNPトランジスタの一部を共有するNPNフォトトランジスタとからなるPNPN構造のサイリスタを有するプレーナ型フォトサイリスタ素子であって、
該NPNフォトトランジスタのベース領域がSiGeエピタキシャル層またはSi/SiGe超格子層を含むフォトサイリスタ素子。 - 素子裏面がメカニカル研磨されている請求項1に記載のフォトサイリスタ素子。
- 素子裏面にポリシリコン膜が設けられている請求項1に記載のフォトサイリスタ素子。
- 前記NPNフォトトランジスタのhFEが50以上2000以下の範囲であり、かつ、前記PNPトランジスタのhFEが0.0005以上0.05以下の範囲である請求項2または請求項3に記載のフォトサイリスタ素子。
- ゼロクロス機能を実現するためのMOSFETと、該MOSFETを駆動するVP回路を備え、該VP回路を構成するフォトトランジスタのベース領域がSiGe層またはSi/SiGe超格子層を含む請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のフォトサイリスタ素子。
- 前記VP回路を構成するフォトトランジスタのhFEが50以上2000以下の範囲である請求項5に記載のフォトサイリスタ素子。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のフォトサイリスタ素子を2つ備え、各フォトサイリスタ素子を構成する前記サイリスタが逆並列に接続されている双方向フォトサイリスタ素子。
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