JP3843143B2 - 包装容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、環状オレフィン系共重合体から形成された包装容器に関するもので、より詳細には、透明性、耐衝撃性、ガスバリアー性、耐環境応力亀裂性に優れた環状オレフィン系共重合体製包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
環状オレフィン系共重合体は、透明性に優れ、耐熱性や機械的特性にも優れたオレフィン系樹脂として、透明包装材料の分野で着目されている。
【0003】
環状オレフィン系共重合体から、ボトル等の中空成形容器を製造することも既に知られており、特開平3−726号公報には、環状オレフィンとエチレンとを付加重合して成る共重合体から成形されたブロー成形品が記載されている。また、特開平7−80919号公報には、環状オレフィン成分5乃至60モル%を有するポリオレフィンから成る延伸ブロー成形品が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、樹脂成形品を、内容品を充填した場合のような特定の環境下におくと、亀裂(クラック)が発生することが一般に知られており、この現象は、応力亀裂(ストレスクラッキング)或いは環境応力亀裂として知られている。この現象は、樹脂製包装材料においては是非とも避けなければならないものである。
【0005】
環状オレフィン系共重合体のボトル等の成形品は、延伸による分子配向を付与しないと、落下強度等がかなり低く、一方、延伸により分子配向を付与したものでは、応力亀裂が発生しやすいという欠点のあることが分かった。
【0006】
即ち、ボトル等の延伸成形品に微小な傷が入ると、経時によりこれがクラックとして広がるのであり、特にガラス転移点の高い環状オレフィン系共重合体では、この傾向が顕著であった。このストレスクラッキングの発生により、容器の透明性が失われたり、ガスバリアー性の低下、耐衝撃性の低下が生じるので、ストレスクラッキングの発生は是非とも避けなければならない重要な課題である。
【0007】
従って、本発明の目的は、環状オレフィン系共重合体を延伸成形した包装容器において、環境応力亀裂を防止し、透明性、耐衝撃性、ガスバリアー性等に優れ、偏肉がなく一様に分子配向が行われている環状オレフィン系共重合体製包装容器を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、オレフィンと環状オレフィンとの共重合体の樹脂ペレットを用いて成る延伸成形体から成る包装容器において、前記樹脂ペレットには高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルの少なくとも一つが外部添加されており、前記共重合体を下記式
Y≧1.4X−25
及び
Y≦0.9X+70
式中、Xは前記共重合体のガラス転移点(℃)であって、60乃至150℃の値であり、Yは延伸温度(℃)である。
を満足する延伸温度で延伸成形して成り、且つ該成形体は最も分子配向された方向において50×10−6以上300×10−6以下の複屈折率(Δn)を有することを特徴とする包装容器が提供される。
ここで、
Δn=(成形体壁面内で最も高い屈折率)−(成形体壁に垂直な方向の屈折率)
を意味する。因みに、成形体壁面で最も高い屈折率の方向とは延伸方向であることが多い。
【0009】
【作用】
本発明では、環状オレフィン系共重合体のガラス転移点に関連して、延伸成形時の温度を上記式(1)及び(2)の両方を満足する範囲とすることが、器壁の環境応力亀裂を防止して、透明性、耐衝撃性、ガスバリアー性等を向上させ、偏肉がなく一様に分子配向を行う上で重要である。
【0010】
図1を参照されたい。図1は、環状オレフィン系共重合体のガラス転移点を横軸、延伸温度を縦軸として、延伸成形性をプロットしたものであり、図1において、直線(A)は下記式
Y=1.4X−25 ‥(1’)
に対応するものであり、一方直線(B)は下記式
Y=0.9X+70 ‥(2’)
に対応するものである。
【0011】
図1から、直線(A)よりも下側の領域では、環境応力亀裂が発生し、更にマイクロボイド等が器壁に発生し、一方直線(B)よりも上側の領域では、延伸むらによる偏肉或いは分子配向の不均一さが発生するのに対して、直線(A)及び(B)で囲まれた領域、即ち前記式(1)及び(2)を満足する温度領域では、環境応力亀裂の発生や延伸むらの発生なしに、良好な延伸成形性を維持しつつ、諸特性に優れた延伸成形包装容器を製造しうることが明らかとなる。
【0012】
また、図1を参照すると、延伸成形可能温度は、環状オレフィン系共重合体のガラス転移点が低い場合に比較的広いが、このガラス転移点が高くなるほど、狭くなっていることも分かる。
【0013】
本発明において、環状オレフィン系共重合体のガラス転移点の上限を150℃と規定したのは、上記の意味、即ちガラス転移点が150℃を越える場合には実質的に安定した延伸成形が困難となるためであり、一方環状オレフィン系共重合体のガラス転移点の下限を60℃と特定したのは、ガラス転移点が60℃を下回ると、包装容器としての諸性能、特に耐熱性、透明性、強度等が低下したり、内容物色素や香味成分の器壁への吸着性の増大等が生じて、上記範囲にある場合に比して、好ましくなるためである。
【0014】
本発明によれば、環状オレフィン系共重合体のガラス転移点に関連して、特定の延伸成形温度を用いることにより、環境応力亀裂の発生を防止し、かつ、延伸むらを防止しながら、環状オレフィン系共重合体から成る器壁の有効な分子配向が可能となるものである。
【0015】
器壁の分子配向の程度は、後述する複屈折率で評価できる。本発明の包装容器では、最も分子配向された方向において、50×10-6以上300×10-6以下の複屈折率(Δn)を示す。複屈折率が50×10-6を下回ると落下強度等が低下し、また複屈折率が300×10-6を上回ると、過延伸による環境応力亀裂の発生やマイクロクラックの発生等があるので好ましくない。
【0016】
本発明によれば、以上のように、特定の延伸条件を用いることにより、環境応力亀裂を防止し、透明性、耐衝撃性、ガスバリアー性等に優れ、偏肉がなく一様に分子配向が行われている環状オレフィン系共重合体製包装容器を提供することができる。
【0017】
【発明の好適態様】
本発明において、環状オレフィン系共重合体としては、オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体(COC)が使用される。
【0018】
共重合体を構成するオレフィンとしては、エチレンが好適であるが、他にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1ーヘキセン、1−オクテン、3ーメチル1−ペンテン、1−デセン等の炭素数3乃至20のα−オレフィンが、単独或いはエチレンとの組み合わせで使用される。
【0019】
環状オレフィンとしては、基本的には、エチレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する脂環族炭化水素化合物、特にビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−エン骨格を有する炭化水素化合物であり、具体的には次のものが挙げられるが、勿論これに限定されるものではない。
【0020】
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体;例えば下記化学式(1)
【化1】
式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、或いはアルキリ
デン基であり、nは1〜4の数である(以下同様である)、
で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体。特に、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン。
【0021】
トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン誘導体;例えば、下記化学式(2)
【化2】
で表されるトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン誘導体。特に、
トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン
2−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン
5−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン。
【0022】
トリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−ウンデセン誘導体;例えば、下記化学式(3)
【化3】
で表されるトリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−ウンデセン誘導体。特に、
トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−ウンデセン
10−メチルトリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−ウンデセン。
【0023】
テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン誘導体、例えば、下記化学式(4)
【化4】
で表されるテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン誘導体。特に、
テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
2,7−ジメチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン。
【0024】
ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン誘導体;例えば、下記化学式(5)
【化5】
で表されるペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン誘導体。特に、
ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン
1,3−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン
1,6−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン
14,15−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン。
【0025】
ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体、例えば下記化学式(6)
【化6】
で表されるペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体。特に、
ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセンメチル置換ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセン。
【0026】
ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導体、例えば下記化学式(7)
【化7】
で表されるペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導体。特に、
ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン。
【0027】
ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体、例えば下記化学式(8)
【化8】
で表されるペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体。特に、
ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン
11−メチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン
11−エチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン
10,11−ジメチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン。
【0028】
ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン誘導体、例えば、下記化学式(9)
【化9】
で表されるペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン誘導体。特に、
ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン
1,3−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン
1,6−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン
15,16−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン。
【0029】
ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン誘導体、例えば下記化学式(10)
【化10】
で表されるヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン誘導体。特に、
ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン
12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン
12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン
12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン
1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン。
【0030】
ヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .14.7 .111.17 .03.8 .012.16 ]−5−エイコセン誘導体、例えば、下記化学式(11)
【化11】
で表されるヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .14.7 .111.17 .03.8 .012.16 ]−5−エイコセン誘導体。特に、
ヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .14.7 .111.17 .03.8 .012.16 ]−5−エイコセン。
【0031】
ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .110.17 .112.15 .02.7 .011.16 ]−4−エイコセン誘導体、例えば、下記化学式(12)
【化12】
で表されるヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .110.17 .112.15 .02.7 .011.16 ]−4−エイコセン誘導体。特に、
ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .110.17 .112.15 .02.7 .011.16 ]−4−エイコセン
ジメチル置換ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .110.17 .112.15 .02.7 .011.16 ]−4−エイコセン。
【0032】
ヘプタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン誘導体、例えば、下記化学式(13)
【化13】
で表されるヘプタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン誘導体。特に、
ヘプタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン。
【0033】
ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン誘導体、例えば下記化学式(14)
【化14】
で表されるヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン誘導体。特に、
ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン
15−メチル−ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン
トリメチル置換ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン。
【0034】
オクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン誘導体、例えば、下記化学式(15)
【化15】
で表されるオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン誘導体。特に、
オクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン
15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン
15−エチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .013.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン。
【0035】
ノナシクロ[10.9.1.14.7 .113.20 .115.18 .02.10 .03.8 .012.21 .014.19 ]−5−ペンタコセン誘導体、例えば下記化学式(16)
【化16】
で表されるノナシクロ[10.9.1.14.7 .113.20 .115.18 .02.10 .03.8 .012.21 .014.19 ]−5−ペンタコセン誘導体。特に、
ノナシクロ[10.9.1.14.7 .113.20 .115.18 .02.10 .03.8 .012.21 .014.19 ]−5−ペンタコセン
ドリメチル置換ノナシクロ[10.9.1.14.7 .113.20 .115.18 .02.10 .03.8 .012.21 .014.19 ]−5−ペンタコセン。
【0036】
ノナシクロ[10.10.1.15.8 .114.21 .116.19 .02.11 .04.9 .013.22 .015.20 ]−6−ヘキサコセン誘導体、例えば、下記化学式(17)
【化17】
で表されるノナシクロ[10.10.1.15.8 .114.21 .116.19 .02.11 .04.9 .013.22 .015.20 ]−6−ヘキサコセン誘導体。特に、
ノナシクロ[10.10.1.15.8 .114.21 .116.19 .02.11 .04 .9 .013.22 .015.20 ]−6−ヘキサコセン。
【0037】
環状オレフィンの他の例として、次のものを挙げることもできる。
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−メチル−5−フェニル[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−ベンジル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(エチルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(イソプロピルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(β−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(α−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(アントラセニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5,6−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン
1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン
8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−メチル−8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−ベンジル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−トリル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−(エチルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−(イソプロピルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17. 10 ]−3−ドデセン
8,9−ジフェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−(ビフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−(β−ナフチル)テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−(αナフチル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−(アントラセニル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
(シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物)にシクロペンタジエンをさらに付加した化合物
11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13 ]−4−ペンタデセン
11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14 ]−4−ヘキサデセン
11−フェニル−ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14 ]−4−ヘプタデセン
14,15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .14.7 .111.17 .03.8 .012.16 −5−エイコセン]
【0038】
この共重合体(COC)は、前述したガラス転移点に関連して、50乃至20モル%、特に45乃至22モル%の環状オレフィンと残余のエチレンとから誘導されているのが好ましい。ガラス転移点(Tg)は、60乃至150℃の範囲にあるのが一層好適である。
【0039】
この共重合体の分子量は、特に制限はないが、デカリン中135℃で測定して、0.1乃至20dl/gの極限粘度[η]を有するのがよく、また、その結晶化度は、X線回折法で測定して、一般に10%以下、特に5%以下である。
【0040】
上記共重合体(COC)は、オレフィンと環状オレフィンとを、それ自体公知のバナジウム系触媒或いはメタロセン系触媒の存在下にランダム重合させることにより得られる。
【0041】
好適な共重合体(COC)は、三井石油化学株式会社から、APELの商品名で入手しうる。
【0042】
環状オレフィン系共重合体は、単独で用いることが好ましいが、その本質を損なわない範囲、即ち50重量%よりも少ない量、特に30重量%以下の量で、他のオレフィン系樹脂とのブレンド物の形で使用することもできる。他のオレフィン系樹脂としては、オレフィン系ホモポリマーやコポリマーが好適に使用される。例えば、低密度、中密度或いは高密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、プロピレン−エチレン共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。勿論これらのオレフィン系樹脂は単独でも二種以上の組み合わせでも使用することができる。
【0043】
ブレンドするこれらのオレフィン系樹脂は、一般に0.1乃至50g/10min、特に0.2乃至30g/10minのMFR(メルトフローレート)を有しているのよく、成形法に応じて、押出グレードのものや射出グレードのものを適宜選択使用することができる。
【0044】
上記環状オレフィン系共重合体には、それ自体公知の配合剤、例えば顔料、充填剤、酸化防止剤、滑剤、安定剤、紫外線吸収剤等をそれ自体公知の処方に従って配合しうる。
【0045】
環状オレフィン系共重合体から延伸成形体を製造するには、環状オレフィン系共重合体を溶融成形して先ず予備成形体を製造し、次いで前記数式(1)及び(2)を満足する延伸温度で延伸成形を行う。
【0046】
環状オレフィン系共重合体の熱成形に際して、樹脂ペレット当たり滑剤及び/または酸化防止剤兼滑剤を0.01乃至1.00重量%、特に0.01乃至0.50重量%内部添加或いは外部添加するのが、環状オレフィン系共重合体の架橋ゲル化を防止する上で好ましい。内部添加とは環状オレフィン系共重合体ペレット粒子内に滑剤及び/または酸化防止剤兼滑剤が添加されていることを意味するのに対して、外部添加は環状オレフィン系共重合体ペレット粒子外に滑剤及び/または酸化防止剤兼滑剤が添加されていることを意味する。外部添加が好適である。
【0047】
環状オレフィン系共重合体の成形工程では、環状オレフィン系共重合体が溶融するに先立って、そのペレットがスクリューや器壁と、或いはペレット同士が未溶融状態でこすれ合う段階が必ず存在するが、このこすれ合いで架橋ゲルが生成するのである。
【0048】
この架橋ゲルの生成はメカノケミカル的なものであり、固体同士の接触によりラジカルが発生し、このラジカルを通して環状オレフィン系共重合体の架橋を生じるに至ると信じられる。メカノケミカル的に発生する架橋ゲルは、未延伸の状態では比較的目立たないものであっても、延伸成形を行うと、屈折率の違いもあって、特に目立つようになるが、滑剤或いは酸化防止剤兼滑剤の添加によりこれを防止できるようになる。
【0049】
滑剤の適当な例は、これに限定されないが、次の通りである
1. 脂肪族炭化水素系
流動パラフィン
工業用白色鉱油
合成パラフィン
石油系ワックス
ペトロラタム
無臭軽質炭化水素
2. シリコーン
オルガノポリシロキサン
3. 脂肪酸、脂肪族アルコール
高級脂肪酸
動物または植物油脂から得られた脂肪酸及びそれらの脂肪酸を水素添加したもので、炭素数が8〜22のもの
ヒドロキシステアリン酸
直鎖脂肪族一価アルコール
動物または植物油脂またはそれらの脂肪酸エステルを還元または天然ロウを分解蒸留して得られる炭素数4以上のもの
トリデシルアルコール
4. ポリグリコール
ポリエチレングリコール
分子量200〜9500のもの
ポリプロピレングリコール
分子量1000以上のもの
ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ブロック重合体
分子量1900〜9000のもの
5. アマイド、アミン
高級脂肪酸アマイド
オレイルパルミトアマイド
ステアリルエルカミド
2ステアロミドエチルステアレート
エチレンビス脂肪酸アマイド
NN’オレオイルステアリルエチレンジアミン
NN’ビス(2ヒドロキシエチル)アルキル(C12〜C18)アマイド
NN’ビス(ヒドロキシエチル)ラウロアマイド
Nアルキル(C16〜C18)トリメチレンジアミンと反応したオレイン酸
脂肪酸ジエタノールアミン
ジ(ヒドロキシエチル)ジエチレントリアミンモノアセテートのジステアリン酸エステル
6. 一価、多価アルコールの脂肪酸エステル
ステアリン酸n−ブチル
水添ロジンメチルエステル
セバチン酸ジブチル<n−ブチル>
セバチン酸ジオクチル
<2エチルヘキシル、n−オクチル共>
グリセリン脂肪酸エステル
グリセリンラクトステアリル
ペンタエリスリトールのステアリン酸エステル
ペンタエリスリトールテトラステアレートソルビタン脂肪酸エステル
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
ポリエチレングリコールモノステアレート
ポリエチレングリコールジラウレート
ポリエチレングリコールモノオレエート
ポリエチレングリコールジオレエート
ポリエチレングリコールヤシ脂肪酸エステル
ポリエチレングリコールトール油脂肪酸エステル
エタンジオールモンタン酸エステル
1,3ブタンジオールモンタン酸エステル
ジエチレングリコールステアリン酸エステル
プロピレングリコール脂肪酸エステル
7. トリグリセライド、ワックス
水添食用油脂
綿実油及びその他の食用油
アマニ油
パーム油
12−ヒドロオキシステアリン酸のグリセリンエステル
水添魚油
牛 脂
スパームアセチワックス
モンタンワックス
カルナバワックス
密 蝋
木 蝋
一価脂肪族アルコールと脂肪族飽和酸エステル
<例:硬化鯨油ラウリルステアレート、ステアリルステアレート>
ラノリン
8. 高級脂肪酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛及びアルミニウムの塩(金属石鹸)
9. 低分子量オレフィン樹脂
低分子量ポリエチレン
低分子量ポリプロピレン
酸化ポリエチレン
10. フッ素系樹脂
ポリ4フッ化エチレン
4フッ化エチレン/6フッ化プロピレン共重合体
ポリ塩化3フッ化エチレン
ポリフッ化ビニル
11. その他
プロピレングリコールアルギネート
ジアルキルケトンアクリルコポリマー
(例えばモンサント社製モダフロー等)
【0050】
これらの内でも、外部滑剤に属する高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルが好適である。
【0051】
酸化防止剤兼滑剤としては、分子量の比較的大きい酸化防止剤が使用される。その適当な例は、決してこれに限定されないが、次の通りであり、これらは単独で或いは滑剤との組み合わせで使用される。
【0052】
フェノール系酸化防止剤:例えば、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン。
【0053】
硫黄系酸化防止剤:例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオンネート類及びペンタエリスリト−ルテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類。
【0054】
ホスファイト系酸化防止剤:例えば、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等。
【0055】
これらの内でも、分子量100以上の立体障害性フェノール類、特にテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが、本発明の目的に好適である。
【0056】
樹脂ペレットとしては少なくとも0.5以上のアスペクト比と3.5mm以上の長軸方向寸法を有するペレット、特に球状乃至球状に近い形状のペレットが好適である。本明細書において、アスペクト比とは、長径/短径の比或いは長さ/径の比として定義されるが、前者の場合1を下回ることはないが、後者の場合、1よりも小さい値をとりうる。ペレットの寸法があまりに小さくなる場合、こすれ合い防止の効果が少なくなり、架橋ゲルの発生傾向が大きくなる。ペレットの形状は、球状、ダイス状、円柱状、角柱状等の任意の形状をとりうるが、特に球状乃至球状に近い形状のペレットが、ペレット同士のこすれ合いの程度を軽減する上で望ましい。
【0057】
樹脂ペレットに対する滑剤乃至酸化防止剤兼滑剤の外部添加は、樹脂ペレットに秤量した粉末状の酸化防止剤兼滑剤を添加し、両者を穏やかに撹拌混合するだけでよく、この混合は、それ自体公知の撹拌器や混合機、例えばリボンフレンダー、コニカルブレンダー、ヘンシェルミキサーのような各種混合機を用いて行うことができる。また、この混合は、押出機や射出機のフィード中に行うこともできる。また、内部添加はそれ自体公知の手段で行うことができる。
【0058】
添加混合物を、押出機や射出機に供給し、溶融混練した後、任意の形状に成形する。この際、300℃以下の温度、特に285乃至200℃の温度で溶融混練することが、架橋ゲルの生成を押さえる点で望ましい。
例えばリボンフレンダー、コニカルブレンダー、ヘンシェルミキサーのような各種混合機を用いて行うことができ、一方メルトブレンドは単軸または二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて行うことが出来る。
【0059】
押出機としては、任意のスクリュウを備えた押出機が好適に使用される。ダイスとしては、フラットダイやリングダイを使用することができ、例えばシートの成形には、Tダイ法が使用される。また、押し出されたパリソンを中空成形することにより、ボトル、チューブ、タンク等の中空成形容器が成形される。
【0060】
射出機としては、射出プランジャまたはスクリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノズル、スプルー、ゲートを通して前記混合物を射出型中に射出する。これにより、樹脂が射出型キャビティ内に流入し、冷却固化されてプリフォーム等の予備成形品等が得られる。
【0061】
本発明は、コールドパリソン法のように、一旦予備成形体を製造し、この予備成形体を最終成形品に延伸成形する用途に特に有用である。例えば、射出成形により、試験管状の有底プリフォームを成形し、この有底プリフォームに気体を吹き込むと共に軸方向に引っ張り延伸して二軸延伸成形ボトルとする。また、シートに熱成形後、これを円盤状に打ち抜いてブランクを形成し、このブランクを、プラグアシスト成形、圧空成形、真空成形して、器壁が高さ方向に分子配向したカップ状容器とする。
【0062】
延伸成形は、上記の予備成形体を、前記数式(1)及び(2)を満足する延伸温度に予備加熱し、次いで延伸成形を行う。予備加熱は、加熱空気、赤外線加熱、誘電加熱等により行うことができる。
【0063】
延伸成形は、容器の器壁が最も分子配向された方向において50×10-6以上300×10-6以下の複屈折率(Δn)を有するようなものであればよく、このため、延伸倍率は面積で1.5乃至10倍、特に2.0乃至9.5倍の範囲が適当である。
【0064】
本発明は、各種プラスチック包装容器、例えばボトル、カップ、チューブ、プラスチック缶等として有用である。
【0065】
【実施例】
本発明を次の例で説明する。
実施例及び比較例における測定方法及び評価方法は以下の通りである。
【0066】
(成形方法)
環状オレフィン共重合体の樹脂ペレットを熱溶融させ、プリフォーム(成形前駆体)を射出成形し、このプリフォームを二軸延伸ブロー成形し、成形品を得る。
射出成形及び延伸ブロー成形を行った成形機は、日精ASB機械工業(株)製二軸延伸ブロー成形機、日精ASB−50Hである。
【0067】
(評価方法)
(1)ガラス転移点(Tg)の測定
ガラス転移点の測定には、パーキンエルマー社製のDSC−2型を使用した。
環状オレフィン共重合体の樹脂ペレットを粉砕し、測定パンの中に封入し、測定サンプルとした。
昇温速度は10℃/分で測定した。
(2)成形温度の測定
溶融混練温度 溶融樹脂用温度計を用い、直接樹脂温度を測定した。
延伸温度 放射温度計を用い、延伸成形直前のプリフォーム温度を測定した。
(3)複屈折(Δn)の測定
偏光顕微鏡(Nikon OPTIPHOTO2−POL)にて、セナルモン型コンペンセータを用い、容器の延伸方向と容器壁の厚み方向の複屈折を測定した。測定サンプルは、容器壁を切り出し、断面をミクロトームで薄片にしたものを使用した。
(4)落下試験
成形品の容器に水満注後、口部をヒートシール若しくはキャップで密閉し、室温下で100cmの高さから落下させ、破損の有無を観察した。
(5)経時試験
成形品の容器に外部から応力をかけた後、1ケ月室温にて放置し、クレーズ若しくはクラックの発生を観察した。
【0068】
実施例1
環状オレフィン重合体の樹脂ペレットを熱溶融させプリフォームを射出成形し、環状オレフィン重合体のガラス転移点(Tg)に関して、TgからTg+70℃迄の温度でこのプリフォーム(重量7.5g)を二軸延伸ブロー成形し、成形品を得た。
成形品の形状は、薬用ガラス規格5K瓶と同等の形状で延伸倍率(面積倍率)は4倍である。
各々の樹脂のガラス転移点(Tg)と溶融混練温度及び延伸温度と成形品の状態を以下の表1から表5に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】
以上の結果から下記式
Y≧1.4X−25 及び Y≦0.9X+70
式中、Xは前記共重合体のガラス転移点(℃)であって、60乃至150℃の値であり、Yは延伸温度(℃)である。
を満足する延伸温度で延伸成形した成形品の状態は良好である。
白化したものは、過延伸状態となっており、マイクロボイドが形成されており、各種ガスバリヤー性の低下及びストレスクラッキングが生じやすい。
また、延伸ムラが生じたものは外観が損なわれるだけはなく、成形安定性が得られない。さらにこの延伸温度範囲を大いに逸脱した場合、成形が困難となる。
【0075】
実施例2
請求項1記載の延伸温度範囲内で、環状オレフィン共重合体(Tg=80℃)を用いて、延伸倍率(面積倍率)が4倍になるように成形した。その成形品に対し、複屈折の測定、落下試験、経時試験を行った。その結果を表6に示す。
【0076】
実施例3
請求項1記載の延伸温度範囲内で、環状オレフィン共重合体(Tg=80℃)を用いて延伸倍率(面積倍率)が6倍になるように成形した。その成形品に対し、複屈折の測定、落下試験、経時試験を行った。その結果を表6に示す。
【0077】
実施例4
請求項1記載の延伸温度範囲内で、環状オレフィン共重合体(Tg=80℃)を用いて、延伸倍率(面積倍率)が9倍になるように成形した。その成形品に対し、複屈折の測定、落下試験、経時試験を行った。その結果を表6に示す。
【0078】
比較例1
請求項1記載の延伸温度範囲内で、環状オレフィン重合体(Tg=80℃)を用いて、延伸倍率(面積倍率)が1.4倍になるように成形した。その成形品に対し、複屈折の測定、落下試験、経時試験を行った。その結果を表6に示す。
【0079】
比較例2
請求項1記載の延伸温度範囲内で、環状オレフィン重合体(Tg=80℃)を用いて、延伸倍率(面積倍率)が11倍になるように成形した。その成形品に対し、複屈折の測定、落下試験、経時試験を行った。その結果を表6に示す。
【0080】
【表6】
以上のことより、延伸方向と厚み方向の複屈折が50×10-6以下の成形品では落下強度は不十分であった。また、延伸方向と厚み方向の複屈折が300×10-6以上のものでは成形品に外部から応力をかけた後、放置するとクレーズ著しくはクラックが生じた。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、環状オレフィン系共重合体を延伸成形するに際して、延伸成形時の温度を前記式(1)及び(2)の両方を満足する範囲としたことにより、器壁の環境応力亀裂を防止して、偏肉がなく一様に分子配向を行うことができ、これにより、容器の透明性、耐衝撃性、ガスバリアー性等を顕著に向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】環状オレフィン系共重合体のガラス転移点を横軸、延伸温度を縦軸として、延伸成形性をプロットしたグラフである。
Claims (4)
- オレフィンと環状オレフィンとの共重合体の樹脂ペレットを用いて成る延伸成形体から成る包装容器において、前記樹脂ペレットには高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルの少なくとも一つが外部添加されており、前記共重合体を下記式
Y≧1.4X−25
及び
Y≦0.9X+70
式中、Xは前記共重合体のガラス転移点(℃)であって、60乃至150℃の値であり 、Yは延伸温度(℃)である。
を満足する延伸温度で延伸成形して成り、且つ該成形体は最も分子配向された方向において50×10−6以上300×10−6以下の複屈折率(Δn)を有することを特徴とする包装容器。 - 前記共重合体が50乃至20モル%の環状オレフィンと残余のエチレンとを含有する共重合体である請求項1記載の包装容器。
- 器壁が二軸方向に分子配向されているボトルである請求項1記載の包装容器。
- 器壁が一軸方向に分子配向されているカップである請求項1記載の包装容器。
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