JP3842720B2 - 靭性に優れた溶接用鋳鋼 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物などの大型構造物に用いられる溶接用鋳鋼に関するものであり、殊にその組織を適切に制御することによって靭性を向上させた溶接用鋳鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築物などの大型構造物には、鋼材の使用が必要不可欠なものとなっている。こうした鋼材を建築構造物に適用するには、熱延鋼板を施工現場にて溶接して組み立てるのが一般的である。しかしながら、複雑な形状をした建築構造物に適用する場合には、その製作に熟練した技術が必要になり、コスト高や工期が長引く等の原因となっている。
【0003】
こうしたことから近年では、複雑な形状をした建築構造物を鋳鋼で製造することによって、その作製を容易にし、工期短縮やコスト削減などを図ることが行われている。こうした溶接構造用鋳鋼品としては、JIS G 5102に規定されているものが知られている。
【0004】
ところで、建築構造物に用いられる溶接構造用鋳鋼品においては、高強度であることは勿論であるが、耐震性という観点から靭性にも優れていることが要求される。しかしながら、特に溶接構造物として要求される480MPa以上の引張強度を有するもの(JIS G 5102:SCW480)では、一般的に靭性値が非常に低いという欠点がある。
【0005】
また厚肉の鋳鋼品では、表面部と中心部で冷却速度が異なり、複雑な形状の製品では部位によって肉厚が異なるので、冷却速度の差が発生することになる。例えば、肉厚が1/2になれば中心部の冷却速度は約3倍になると言われている。
【0006】
従来の溶接構造用鋳鋼品では、冷却速度が変化すると、靭性が大きく変化するので、複雑な形状をした鋳鋼品では、その部位によっては靭性値が大きく異なってくるという欠点がある。特に、立方晶系のB1型析出物を形成するV等の合金元素を多量に含有する場合には、冷却速度大きくなると焼戻し時に微細な整合析出物が生成し、靭性が劣化するという現象が発生する。こうした状況の下で、安定して高靭性を発揮することのできる鋳鋼品の実現が望まれているのが実状である。
【0007】
鋳鋼品の靭性を改善する技術もこれまでにも様々開発されており、例えばAl、希土類元素およびCaを脱酸剤として用い、靭性に悪影響を及ぼす介在物を低減させることによって、優れた靭性を確保することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、介在物の低減だけでは十分な靭性が確保されているとは言えない。
【0008】
また、鋳鋼の組織を適切に制御することによって、優れた靭性を確保する技術として、(フェライト+ベイナイト)の二相組織に少量の焼戻しマルテンサイトを存在させた三相組織を形成させることによって、高い強度と優れた靭性を確保する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながらこの技術では、上記のような組織を形成するために焼入れ処理を2回行う必要があり、生産性が低下するという問題がある。しかもこの技術では、0.05〜1.5%程度のVを含有させるものであるので、VC整合析出物が生成する恐れがあり、特に冷却速度が大きくなったときには靭性劣化が顕著に表れる。
【0009】
更に、0.01〜0.05%程度のNbを添加すると共に、二段の焼きならし処理によって結晶粒を微細化させて靭性を改善する技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながらこの技術では、高価なNbを添加する必要があるばかりでなく、焼きならし処理を二段で行う必要があるので、工程増加による生産性低下が発生する。
【0010】
ところで、新規材料の開発に関してはJIS規格以外の材料を使用するには別途認可を受ける必要があることから、JIS規格の成分範囲内で冷却速度に依存することがなく、安定して高靭性が発揮できるような溶接構造用鋳鋼の開発が望まれているのも事実である。
【0011】
こうした観点からして、これまでにも様々な技術が提案されているが、いずれも近年の要求に必ずしも対応できているものとはいえない。例えば各種窒化物によるピン止め効果を用いて旧オーステナイト粒の微細化を図ることで、材質のばらつきを低減し、更に焼きならし処理を組み合わせることで高靭性化を図る技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながらこの技術は、基本成分としてMoを多量に添加するものであり、炭素当量CeqがJIS規格よりも大きなものとなり、しかも窒化物形成元素(V,Nb,Ti等)によって整合析出物が形成し易くなるという欠点がある。
【0012】
一方、化学成分組成を制御することによってその主組織をベイナイト化し、高強度および高靭性を達成する技術も提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、ベイナイトを主組織にするためには多量(1.2〜2.5%程度)のNiを含有させる必要があり、この含有量は前記JIS G 5102のSCW480で規定されるNi含有量(0.05%以下)を大きく外れるものである。
【0013】
【特許文献1】
特公平1−36527号公報 特許請求の範囲
【特許文献2】
特開平5−78780号公報 特許請求の範囲
【特許文献3】
特開昭64−42555号公報 特許請求の範囲
【特許文献4】
特開平8−176728号 公開公報の第3頁右欄第20〜25行
【特許文献5】
特開2001−181783号 特許請求の範囲
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、冷却速度の変動があっても安定して高靭性が達成されると共に、JIS規格に沿った化学成分内で良好な生産性を維持しつつ良好な強度および靭性を発揮する溶接用鋳鋼を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し得た本発明の溶接用鋳鋼とは、フェライトの他、パーライトおよび/またはベイナイトを含む混合組織からなると共に、フェライト分率:40〜85面積%、パーライト分率:30面積%以下、ベイナイト分率:30面積%以下であり、且つフェライト中に存在する直径:30nm以下の微細整合析出物が、被検面積1μm2当たり平均50個以下である点に要旨を有するものである。尚、本発明において、「整合析出物」とは、全ての界面が整合界面(母相と析出物の格子が完全に1対1に対応する界面)である析出物の意味である。
【0016】
上記した本発明の溶接用鋳鋼における具体的な化学成分としては、C:0.08〜0.15%,Si:0.8%以下(0%を含まない),Mn:0.5〜1.5%,Ni:0.1〜0.5%,Cr:0.4%以下(0%を含まない),Mo:0.3%以下(0%を含まない),Al:0.05%以下(0%を含まない)およびV:0.05%以下(0%を含まない)を夫々含有するものが挙げられる。
【0017】
また、本発明のこの溶接用鋳鋼においては、必要によって、Cu:0.1〜2%を含有させることや、下記(1)式で示される炭素当量Ceq(%)を0.45%以下にすることも有効であり、これによって溶接用鋳鋼の特性を更に向上させることができる。
Figure 0003842720
但し、[C],[Mn],[Si],[Ni],[Cr],[Mo]および[V]は、夫々C,Mn,Si,Ni
,Cr,MoおよびVの含有量(質量%)を示す。
【0018】
本発明の上記目的は、C:0.08〜0.15%,Si:0.8%以下(0%を含まない),Mn:0.5〜1.5%,Cr:0.4%以下(0%を含まない)およびV:0.005〜0.20%を夫々含有すると共に、組織がフェライトの他、パーライトおよび/またはベイナイトを含む混合組織からなり、且つフェライト分率:40〜85面積%、パーライト分率:30面積%以下、ベイナイト分率:30面積%以下であり、更に下記(2)式および(3)式の関係を満足する溶接用鋳鋼によっても達成することができる。
TS=-0.447[フェライト分率(%)]+25.6[Si]+2.57PPr+124.2>100‥(2)
vE0=-5.8[パーライト分率(%)]-14.6PPr+218.4>100 ‥(3)
但し、PPrは、下記(4)式または(5)式によって求められる値であり、
[Si],[V],[C],[Mn],[Cu]および[Cr]は、夫々Si,V,C,Mn,Cuおよ
びCrの含有量(質量%)を示す。
【0019】
[Cu含有量[Cu]が0.5%以下のとき]
Pr=[V]×[456-3.35[フェライト分率(%)]-650[C]-50.8[Mn]
-75.7[Cu]-76.4[Cr]-275[V]]‥(4)
[Cu含有量[Cu]が0.5%を超えるとき]
Pr=([Cu]-0.5)+[V]×[456-3.35[フェライト分率(%)]-650[C]-50.8[Mn]
-75.7[Cu]-76.4[Cr]-275[V]]‥(5)
本発明のこの溶接用鋳鋼においては、必要によって、Ni:0.1〜0.5%,Mo:0.3%以下(0%を含まない)およびAl:0.05%以下(0%を含まない)を夫々含有させることや、上記(1)式で示される炭素当量Ceq(%)を0.45%以下にすることも有効であり、これによって溶接用鋳鋼の特性を更に向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記SCW480に準じるような化学成分組成を有する鋳鋼においても、強度と靭性の両特性を満足させることができるための要件について様々な角度から検討した。その結果、フェライトを主体とする組織に、所定量のパーライトおよび/またはベイナイトを析出させた混合組織としたもので、前記フェライト組織中に存在する直径:30nm以下の微細整合析出物の個数を被検面積1μm2当たり平均50個以下となるようにすれば、上記目的が見事に達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0021】
本発明の鋳鋼では、上記混合組織における各組織分率を適切な範囲内に制御する必要があるが、まず各組織分率を規定した理由について説明する。
【0022】
フェライト分率:40〜85面積%
本発明の溶接用鋳鋼では、フェライト分率を40〜85面積%とする必要がある。フェライトは強度に影響を与える因子であり、その分率を適切な範囲にすることによって、適切な強度を確保することができる。フェライト相が少なくなりすぎると、相対的にパーライトの分率が多くなって強度が大きくなり過ぎて靭性が却って劣化することになる。こうしたことから、フェライト分率は40面積%以上とする必要がある。
【0023】
一方、フェライト相が多くなり過ぎると、相対的にパーライト(若しくはパーライト+ベイナイト)が少なくなって、十分な強度が確保できなくなる。こうしたことから、フェライト分率は85面積%以下とする必要がある。尚、このフェライト分率の好ましい範囲は、60〜80面積%程度であり、この範囲で本発明の効果が最も発揮される。
【0024】
パーライト分率:30面積%以下
パーライトを適切な量で組織中に存在させることによって、適切な強度を確保しつつ優れた靭性を発揮させることができる。即ち、パーライトをその分率が、30面積%までの範囲で存在させることによって、適切な強度を確保しつつ優れた靭性を発揮する鋳鋼が実現できるのである。即ち、パーライト分率が30面積%を超えると、強度が高くなり過ぎて優れた靭性を発揮することができなくなる。尚、パーライトによるこうした効果を発揮させるためには、その分率は20面積%以上とするのが好ましい。
【0025】
ベイナイト分率:30面積%以下
ベイナイトは鋳鋼の強度・靭性バランスを向上させるのに有効である。こうした効果はその量が増加するにつれて大きくなるが、あまり過剰になって30面積%を超えると割れ易くなって溶接性が悪くなる。
【0026】
本発明の鋳鋼では、上記の条件を満足させると同時に、所定大きさ、性質の析出物の個数を適切に制御する必要がある。ここで、測定対象とする析出物を「整合析出物」としたのは、非整合析出物に比べ、整合析出物の靭性劣化が激しいためである。また、「大きさを30nm(ナノメータ)以下」としたのは、整合析出物でもこのサイズを超える大きさになると靭性がそれほど低下しなくなるためである。更に、析出物数を被検面積1μm2当たり平均50個以下としたのは、析出物数がこの値よりも少ないと靭性劣化効果がなくなるためである。
【0027】
本発明の溶接用鋳鋼は、基本的に前記SCW480の化学成分組成を想定したものであり、具体的には、C:0.08〜0.15%,Si:0.8%以下(0%を含まない),Mn:0.5〜1.5%,Ni:0.1〜0.5%,Cr:0.4%以下(0%を含まない),Mo:0.3%以下(0%を含まない),Al:0.05%以下(0%を含まない)およびV:0.05%以下を夫々含有するものが挙げられるが、これらの元素の範囲限定理由は下記の通りである。
【0028】
C:0.08〜0.15%
Cは、パーライトを適切な量に形成して強度を付与するのに有効な元素であり、0.08%未満ではパーライトが少なくなって(即ち、フェライト相が多くなって)強度不足を招くことになる。一方、C含有量が0.15%を超えて過剰になると、パーライト分率が増加して靭性が却って劣化することになる。尚、C含有量の好ましい下限は0.09%であり、好ましい上限は0.12%である。
【0029】
Si:0.8%以下(0%を含まない
Siは脱酸剤として含有されるが、多量に含有させない限り組織にはそれほど影響を及ぼすことはない。但し、0.8%を超えて含有させると、Siのマクロ偏析が生じて靭性が却って劣化することになる。
【0030】
Mn:0.5〜1.5%
Mnは、脱酸剤および焼入れ性向上元素として添加されるが、オーステナイト生成元素であるのでフェライト分率を抑制する作用も発揮する。また、焼入れ性向上によって、ベイナイトの生成を促進して強度・靭性バランスを良好なものとする。これらの効果を発揮させるためには、Mnは0.5%以上含有させることが好ましい。しかしながら、その含有量が過剰になると、Mnの偏析が大きくなって靭性を却って劣化させることになるので、1.5%以下とすべきである。尚、Mn含有量のより好ましい下限は1.0%であり、より好ましい上限は1.4%である。
【0031】
Ni:0.1〜0.5%
Niは、Mnと同様にオーステナイト生成元素であるのでフェライト分率を抑制する作用も発揮する。また、焼入れ性向上によって、ベイナイトの生成を促進して強度・靭性バランスを良好なものとする。更に、Niを固溶させることによって、鋳鋼の靭性を向上させる作用を発揮する。これらの効果を発揮させるためには、Niは0.1%以上含有させることが好ましい。しかしながら、その含有量が過剰になって0.5%を超えると、コスト高を招くことになる。尚、Ni含有量のより好ましい下限は0.3%であり、より好ましい上限は0.5%である。
【0032】
Cr:0.4%以下(0%を含まない)
Crは、焼入れ性を向上させて強度を確保する上で有用な元素である。こうした効果は、その含有量が増加するにつれて増大するが、過剰に含有されると強度が高くなり過ぎて靭性が却って劣化することになるので、0.4%以下とすべきである。
【0033】
Mo:0.3%以下(0%を含まない)
Moは上記Crと同様に、焼入れ性を向上させて強度を確保する上で有用な元素である。こうした効果は、その含有量が増加するにつれて増大するが、過剰に含有されると強度が高くなり過ぎて靭性が却って劣化することになるので、0.3%以下とすべきである。
【0034】
Al:0.05%以下(0%を含まない)
Alは脱酸剤として含有されるが、過剰に含有されると鋳鋼に高温割れが発生しやすくなるので、0.05%以下とするのが良い。尚、Al含有量のより好ましい上限は0.03%程度である。
【0035】
V:0.05%以下(0%を含まない)
Vは、強度を確保する上で有効な元素であるが、過剰に含有されると、整合析出物が生成し易くなって靭性が却って悪化することになるので、0.05%以下とするのが良い。即ち、本発明では、靭性を劣化させる原因となる整合析出物をできるだけ少なくするためにVの含有量を極力抑えつつ、前述した組織に調整することによって、高強度・高靭性の鋳鋼が実現できたのである。また、これによって、焼入れ時の冷却速度に影響されることなく、良好な靭性がばらつきを生じさせることなく確保できるのである。
【0036】
本発明の鋳鋼における基本的な化学成分組成は上記の通りであり、残部は不可避不純物からなるものであるが、必要によって、Cu:0.1〜2%を含有させることや、下記(1)式で示される炭素当量Ceq(%)を0.45%以下にすることも有効であり、これによって溶接用鋳鋼の特性を更に向上させることができる。これらの要件による作用効果は、下記の通りである。
Figure 0003842720
但し、[C],[Mn],[Si],[Ni],[Cr],[Mo]および[V]は、夫々C,Mn,Si,Ni
,Cr,MoおよびVの含有量(質量%)を示す。
【0037】
Cu:0.1〜2%
Cuは、Niと同様に焼入れ性を向させるのに有効な元素であり、パーライトの形成を抑制すると共に、ベイナイトの形成を促進することによって、靭性の向上に寄与する元素である。また、固溶強化によって、鋳鋼の降伏応力を上昇させるのにも有効に作用する。これらの効果を発揮させるには、Niは0.1%以上含有させるのが好ましい。しかしながら、Cu含有量が過剰になって2%を超ええると、赤熱脆性のために高温割れが発生し易くなるばかりか、Cuを含む整合析出物の量が増加して靭性を却って劣化させることになる。
【0038】
Ceq ( ) ≦0.45%
炭素当量Ceqは、溶接割れに影響を与える因子であり、この値を0.45%以下に制御することによって溶接割れを防止することができる。
【0039】
本発明の鋳鋼は、その組織を適切に制御することによって、その目的を達成するものであるが、こうした組織に制御するための製造方法について説明する。即ち、本発明の鋳鋼を製造するには、まず850〜1000℃程度の温度で焼きならしした後、1〜600℃/min程度の冷却速度で冷却を行ない、その後所定の条件で焼戻し処理を行うようにすれば良い。
【0040】
上記製造方法において、焼きならしは組織の均一化を図るために行うものであり、その温度が850℃未満になると均一化に長時間を要し、1000℃を超えると組織の粗大化が発生し易くなる。この温度の好ましい範囲は、900〜950℃程度である。尚、この焼きならし処理は、1回でもその効果が発揮されるものであるが、組織の均質化、微細化という観点から複数回(例えば、2回)行うことも有効である。
【0041】
焼きならし後の冷却では、その冷却速度を変化させることによって、その組織を制御することができ、冷却速度が小さくなるとフェライト変態が進行し易くなってフェライト分率が増大し、冷却速度が小さくなるとフェライト変態が抑制されてベイナイトが生成し易くなる傾向がある。上記冷却速度が1℃/min未満になると、フェライト分率が大きくな過ぎて所定の強度を確保することができない。即ち、冷却速度を1℃/min以上とすることによって、フェライト分率が増加するのを適切に抑制して強度を確保することができるのである。
【0042】
この冷却速度に関して、肉厚が50mmを超えるような部位を持つ大型鋳鋼品では、上記のような冷却速度を確保することが困難であり、通常は1℃/min未満になる。しかしながら、大型の水焼入れ設備を用いることによって、例えば厚み210mmの厚肉品の中心部でも、冷却速度25℃/min程度の冷却速度が達成され、所定の強度を確保することができるのである。一方、冷却速度の上限については、設備上の制約から600℃/min程度となる。
【0043】
尚、Cuを含有する場合には、焼入れ性が向上しているので、冷却速度が小さくても(例えば、0.01℃/min以上)、ベイナイト生成、フェライトやパーライトの抑制が達成されて、希望する特性(強度および靭性)を実現することができる。
【0044】
焼戻しは、凝固や変態時に発生した歪を除去するために行われるものであるが、そのときの加熱温度が500℃未満では十分な歪除去を行うことができず、700℃よりも高温になると軟化が進行して十分な強度が確保できなくなる。この温度の好ましい範囲は、560〜640℃程度である。尚、この焼戻し処理は、1回でもその効果が発揮されるものであるが、靭性確保という観点から複数回(例えば、2回)行うことも有効である。
【0045】
ところで、鋳鋼品の表面部と中心部では冷却速度が異なるので、中心部で十分な冷却速度を確保するために水冷すると、表面部の冷却速度は大きくなる。また、Vを多量に含有している場合には、中心部では適度な冷却速度が保たれて焼戻し時の整合析出物の析出が抑制されて靭性が確保できても、表面部では冷却速度が大きくなって焼戻し時に整合析出物が微細に析出しやすくなって靭性が劣化することになる。本発明では、V等の整合析出物を形成する添加元素を減らして析出物量を減少させることによって、焼入れ時の冷却における整合析出物量を減少させることができ、これによって冷却速度が変化したのときの靭性のばらつきを抑制できるのである。
【0046】
上記のように本発明では、組織と析出物の析出形態を制御することによって、靭性に優れた溶接用鋳鋼が実現できたのであるが、本発明者らはこうした靭性向上機構について、別の角度から検討した。そしてまず強度TSの支配因子がフェライト分率、Si量による固溶強化、および析出物による析出強化であることに着目し、更に検討を進めた。即ち、析出物数はTEM観察によって測定できるのであるが、測定に時間やコストがかかる。そこで、析出物測定を簡略化するという観点から、析出条件に及ぼす成分組成、プロセスを考慮することによって、析出物の析出状況をパラメータ化することを試みた。その結果、上記各要件をパラメータとすれば、上記(2)式および(3)式の如くTSを整理できることを明らかにしたのである。
【0047】
まず、上記(2)式および(3)式を導き出した経緯について説明する。本発明で対象とする溶接用鋳鋼においては、成分とプロセスが決まれば金属組織が決定される。換言すれば、金属組織と成分が分かればプロセスが推定できるはずである。そこで、プロセス(特に、冷却速度)を組織、成分で回帰し、それと析出に関連するVやCuの含有量を考慮することによって、析出パラメータを設定した。こうして設定された析出パラメータの式が下記(4)式および(5)式である。尚、(4)式および(5)式は、Cu含有量の違いによって区別されるものであるが、これはCu含有量が0.5%を超えると焼戻し時にCuが微細に析出するようになるという観点から場合分けしたものである。
【0048】
[Cu含有量[Cu]が0.5%以下のとき]
Pr=[V]×[456-3.35[フェライト分率(%)]-650[C]-50.8[Mn]
-75.7[Cu]-76.4[Cr]-275[V]]‥(4)
[Cu含有量[Cu]が0.5%を超えるとき]
Pr=([Cu]-0.5)+[V]×[456-3.35[フェライト分率(%)]-650[C]-50.8[Mn]
-75.7[Cu]-76.4[Cr]-275[V]]‥(5)
そして、上記で求めた析出パラメータと、フェライト分率やSi含有量で引張強度の回帰式を作成し、強度パラメータ(PTS)とした。こうして求めたのが下記(2)式である。
TS=-0.447[フェライト分率(%)]+25.6[Si]+2.57PPr+124.2>100‥(2)
但し、[Si],[V],[C],[Mn],[Cu]および[Cr]は、夫々Si,V,C,Mn,CuおよびCrの含有量(質量%)を示す。
【0049】
一方、靭性を支配する因子はパーライト分率と整合析出物であるので、パーライト分率と析出パラメータで、0℃での靭性値の回帰式を作成し、これを靭性パラメータ(PvE0)とした。こうして求めたのが下記(3)式である。
vE0=-5.8[パーライト分率(%)]-14.6PPr+218.4>100 ‥(3)
尚、上記強度パラメータ(PTS)および靭性パラメータ(PvE0)は、920℃3時間の焼ならし処理後、各冷却速度で冷却し、その後600℃で6時間の焼戻し処理をしたときの予測式である。
【0050】
上記のように設定した強度パラメータ(PTS)および靭性パラメータ(PvE0)が同時に一定の条件を満足するように製造することによって、強度および靭性のいずれにも優れた鋳鋼品が得られるのである。例えば強度パラメータ(PTS)が、100を超える場合には、引張強度が480MPa以上となり、靭性パラメータ(PvE0)が100を超える場合には、0℃におけるシャルピー吸収エネルギー(vE0℃)が100J以上になる。
【0051】
但し、上記(2)式および(3)式を満足する場合であっても、その組織および化学成分を適切な範囲に調整する必要がある。組織については、上記と同様である。また化学成分については少なくとも上記各式に関与する成分であるC,Si,Mn,Cu,Cr,Vについては、上記規定した範囲内に制御するのが良いが、特にVについては少なくとも0.005%以上含有させるのが良い。但し、上記各式を満足させることによって靭性の向上が図れるので、V含有量が0.05%を超えることがあっても良好な靭性を確保できる場合がある。こうした観点からして、Vは例えば、0.20%程度まで許容できる。
【0052】
この溶接用鋳鋼においては、必要によって、Ni:0.1〜0.5%,Mo:0.3%以下(0%を含まない)およびAl:0.05%以下(0%を含まない)を夫々含有させることも有効であり、これらの含有によって上述した作用効果が発揮される。またこの鋳鋼においても、先に開発した鋳鋼と同様に、上記(1)式で示される炭素当量Ceq(%)を0.45%以下にすることも有効であり、これによって溶接用鋳鋼の特性を更に向上させることができる。
【0053】
こうした化学成分の範囲内で、上記(2)式および(3)式の関係を満足するための製造条件(焼きならし後の冷却条件)としては、下記(6)式および(7)式の関係を満足するように制御すれば良いことを、本発明者らは見出している。
Figure 0003842720
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に特徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0054】
【実施例】
下記表1に示す各化学成分組成に鋳込んだ鋳鋼に熱処理シミュレータを用いて熱処理を施した。このとき、920℃で3時間の焼きならし処理後、各冷却速度(CR)で冷却し、その後600℃で6時間の焼戻し処理を施した。
【0055】
【表1】
Figure 0003842720
【0056】
得られた鋳鋼における組織の分率測定、整合析出物の測定、引張試験、シャルピー衝撃試験を下記の条件で行った。
【0057】
(組織の分率の測定)
試料を鏡面仕上げに研磨した後、ナイタールで腐食し、光学顕微鏡を用いて観察し(倍率:100倍)、白いコントラストで観察される領域をフェライト、黒っぽい単一コントラストで観察される領域をパーライト、それ以外をベイナイトとして各面積率を測定し、10視野分の平均値を各組織の面積率(分率)とした。
【0058】
(整合析出物の測定)
試料を直径:3mm、厚さ:0.5mmの円盤状に切り出し、エメリー紙で30μmまで研磨した後、Twin Jet法に従って電子顕微鏡用サンプルを作製し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した(加速電圧:200kV)。ここで、整合析出物は、g1 *ベクトルを励起させて観察した際に、「こ」の字状のコントラストで示されるものを指している(例えば、「結晶電子顕微鏡学−材料研究者のために−」、内田老鶴圃出版、第149〜151頁)。
【0059】
そして、5000倍で観察した組織写真のなかで、g1 *ベクトルが励起されて、整合析出物が最もはっきり観察される点を中心に5cm×5cmの正方形に撮り、その中に含まれる整合析出物(直径:30nm以下のもの)の数をカウントし、10視野の平均値を整合析出物数とした。
【0060】
(引張試験)
JIS Z2201に従って引張試験片(2mmVノッチ試験片)を作成し、JIS Z2241に準拠して引張強度(TS)を測定した。
【0061】
(シャルピー衝撃試験)
JIS Z2202に従ってシャルピー衝撃試験片(2mmVノッチ試験片)を作成し、JIS Z2242に準拠して0℃におけるシャルピー吸収エネルギー(v0℃)を測定した。
【0062】
これらの測定結果を、一括して下記表2に示す。また、鋼種C,L,Nについては、製造パラメータ(PFTS、PFvE0)、強度パラメータ(PTS)、靭性パラメータ(PvE0)および析出パラメータPPrについて、下記表3に示す。
【0063】
これらの結果から次の様に考察できる。まず鋼種Aでは、焼きならし後の冷却速度(CR)が1℃/min未満のときには、フェライト分率が増加して強度が不足するが、冷却速度(CR)が1℃以上となると組織が適切に制御されて目標値である強度:480MPa、シャルピー吸収エネルギー(v0℃):100Jを満たすものとなっている。
【0064】
鋼種Bでは、Cuが添加されているので、冷却速度が0.1℃/minであっても、フェライト分率が抑制されて、所定の強度および靭性が達成されている。
【0065】
鋼種Cでは、V含有量が0.05%未満であるので、冷却速度が50℃/minでも整合析出物が50個以下した析出しておらず、良好な靭性が確保されている。但し、冷却速度が非常に小さいときにはフェライト変態が進行し、且つPTSも100未満となっているので、所定の強度(480MPa)が確保されていない。
【0066】
鋼種Dでは、Cを比較的多く含有するものであるので、強度が向上しているが靭性が若干低下することになる。但し、本発明で規定する範囲内であるので、目標値(100J)は確保できている。
【0067】
鋼種Eのものでは、Cの含有量が比較的少なくなっているので、フェライト分率が増加して強度が若干低下する傾向を示すが、目標値は確保できている。
【0068】
鋼種Fでは、C含有量が本発明の好ましい範囲よりも少なくなっているので、フェライト分率が大きくなって強度が不足気味である。
【0069】
鋼種Gでは、C含有量が本発明の好ましい範囲より多くなっているので、パーライト分率が大きくなって靭性が不足気味である。
【0070】
鋼種Hでは、Mn含有量が本発明の好ましい範囲よりも多くなっているので、パーライト分率が増大し、靭性が不足している。
【0071】
鋼種Iでは、Mn含有量が本発明の好ましい範囲よりも少なくなっているので、フェライト分率が増大し、強度が不足している。
【0072】
鋼種Jでは、Ni含有量が本発明の好ましい範囲よりも少なくなっているので、フェライト変態が進行し、強度が不足している。また、Ni固溶による靭性改善効果が低下するので、靭性が若干不足している。
【0073】
鋼種Kでは、Cu含有量が本発明の好ましい範囲よりも多くなっているので、整合析出物量が増大して靭性が低下している。また、鋳込み時の割れが発生している。尚、この「割れ発生」とは、鋳込み時に目視間または磁粉探傷によって確認できる深さ・長さが夫々1mm以上の割れが発生したことを意味する。
【0074】
鋼種Lでは、Vを0.11%含むものであるので、整合析出が発生し易く、冷却速度が大きいときに靭性が劣化している。但し、冷却速度が小さい場合は、PTSが100を満たさなくても、析出物量が少なくなって、良好な靭性が得られている。
【0075】
鋼種Mでは、組織が適切に調整されることによって優れた強度と靭性が達成されているが、Alを多く含むものであるので、割れが発生している。
【0076】
鋼種Nでは、V含有量が本発明で規定する範囲よりも多めに含有されているので、析出物量が多くなっているが、CやCuの含有量、冷却条件を適切に制御することによって、靭性パラメータ(PvE0)が100をこえるので、100J以上の靭性値が得られている。
【0077】
【表2】
Figure 0003842720
【0078】
【表3】
Figure 0003842720
【0079】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、冷却速度に変動があっても安定して高靭性が達成されると共に、JIS規格に沿った化学成分内で良好な生産性を維持しつつ良好な靭性を発揮する溶接用鋳鋼が実現できた。

Claims (7)

  1. Al:0.05%以下(0%を含まない)を含有し、フェライトの他、パーライトおよび/またはベイナイトを含む混合組織からなると共に、フェライト分率:40〜85面積%、パーライト分率:30面積%以下、ベイナイト分率:30面積%以下であり、且つフェライト中に存在する直径:30nm以下の微細整合析出物が、被検面積1μm当たり平均50個以下であることを特徴とする靭性に優れた溶接用鋳鋼。
  2. C:0.08〜0.15%(質量の意味、以下同じ),Si:0.8%以下(0%を含まない),Mn:0.5〜1.5%,Ni:0.1〜0.5%,Cr:0.4%以下(0%を含まない),Mo:0.3%以下(0%を含まない),Al:0.05%以下(0%を含まない)およびV:0.05%以下(0%を含まない)を夫々含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなる請求項1に記載の溶接用鋳鋼。
  3. 更に、Cu:0.1〜2%を含有するものである請求項2に記載の溶接用鋳鋼。
  4. 下記(1)式で示される炭素当量Ceq(%)が0.45%以下である請求項2または3に記載の溶接用鋳鋼。
    Ceq(%)=[C]+([Mn]/6)+([Si]/24)+([Ni]/40)
    +([Cr]/5)+([Mo]/4)+([V]/14)‥‥(1)
    但し、[C],[Mn],[Si],[Ni],[Cr],[Mo]および[V]は、夫々C,Mn,Si,Ni,Cr,MoおよびVの含有量(質量%)を示す。
  5. C:0.08〜0.15%,Si:0.8%以下(0%を含まない),Mn:0.5〜1.5%,Cr:0.4%以下(0%を含まない),Cu:0.1〜2%,およびV:0.005〜0.20%を夫々含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなると共に、組織がフェライトの他、パーライトおよび/またはベイナイトを含む混合組織からなり、且つフェライト分率:40〜85面積%、パーライト分率:30面積%以下、ベイナイト分率:30面積%以下であり、更に下記(2)式および(3)式の関係を満足するものであることを特徴とする靭性に優れた溶接用鋳鋼。
    TS=-0.447[フェライト分率(%)]+25.6[Si]+2.57PPr+124.2>100‥(2)
    vE0=-5.8[パーライト分率(%)]-14.6PPr+218.4>100 ‥(3)
    但し、PPrは、下記(4)式または(5)式によって求められる値であり、[Si],[V],[C],[Mn],[Cu]および[Cr]は、夫々Si,V,C,Mn,CuおよびCrの含有量(質量%)を示す。
    [Cu含有量[Cu]が0.5%以下のとき]
    Pr=[V]×[456-3.35[フェライト分率(%)]-650[C]-50.8[Mn]
    -75.7[Cu]-76.4[Cr]-275[V]]‥(4)
    [Cu含有量[Cu]が0.5%を超えるとき]
    Pr=([Cu]-0.5)+[V]×[456-3.35[フェライト分率(%)]-650[C]-50.8[Mn]
    -75.7[Cu]-76.4[Cr]-275[V]]‥(5)
  6. Ni:0.1〜0.5%,Mo:0.3%以下(0%を含まない)およびAl:0.05%以下(0%を含まない)を夫々含有するものである請求項5に記載の溶接用鋳鋼。
  7. 下記(1)式で示される炭素当量Ceq(%)が0.45%以下である請求項4または5に記載の溶接用鋳鋼。
    Ceq(%)=[C]+([Mn]/6)+([Si]/24)+([Ni]/40)
    +([Cr]/5)+([Mo]/4)+([V]/14)‥‥(1)
    但し、[C],[Mn],[Si],[Ni],[Cr],[Mo]および[V]は、夫々C,Mn,Si,Ni,Cr,MoおよびVの含有量(質量%)を示す。
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