JP3842714B2 - 転炉操業方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉湿ダスト(いわゆる転炉OGダスト)を有効に利用した転炉操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
転炉の排ガスから湿式捕集される湿ダストは鉄分が多量に含まれているためその回収・利用技術が注目されており、特にエネルギー効率の観点から転炉に直接リサイクルする技術が検討、提案されている。かかる転炉での活用を行う代表的な従来技術として以下のようなものが挙げられる。
(1)湿ダストを上底吹転炉に前装入して、底吹不活性ガスによる不活性雰囲気中で、炉体の残熱を利用して脱水した後、溶銑を装入して吹錬を行う方法。(特許文献1参照)
(2)同ダストをミルスケールと混合して乾燥し、この混合物を転炉に装入して精錬を行う方法。(特許文献2参照)
(3)同ダストに石灰を添加して塊成化したものを転炉に装入して精錬を行う方法。(特許文献3参照)
【0003】
しかしながら、(1)の従来技術にあっては、前吹錬の残熱を利用して脱水を行なうものの、転炉操業の中に上記ダストの脱水工程を組み込まなければならないため、全体の操業時間が長くなり、生産性を阻害することになると共に、転炉吹錬時での熱量が不足するという問題があった。また、(2)の従来技術ではミルスケールとの混合装入によって同ダストの装入時の飛散ロスを減らすことができるが、冷却能が大きいミルスケールをこのような使い方をしてしまうと、冷却材として単身で使用できる量が制限されてしまい、全体として不利な操業を強いられるという問題があった。更に、(3)の従来技術においては同ダストの飛散ロスを防止すると同時に石灰のスラグ化を促進させようというものだが、塊成化の工程に手間とコストがかかり、バインダー等の不純物による熱ロスが発生する問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特公平5−64207号
【特許文献2】
特開昭61−238908号
【特許文献3】
特公平4−38813号
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題を解消し、転炉の操業工程を乱すことなく、また湿ダストの飛散等によるロスを最小限にして、しかも転炉への同ダストの装入方式にかかわらず、同ダストを安全に且つ高歩留まりで最大限に有効利用することをその課題としたものである。
【0006】
【発明を解決するための手段】
上記課題を解決するためになした本発明とは以下の請求項1〜に記載の手段を要旨とするものである。
【0008】
すなわち、請求項1に係る発明は、予め含有水分が0.1〜5%になるように乾燥された平均粒径が200μ以上を有する転炉湿ダストを、該ダスト装入量をその含有水分に応じて下式を満足する条件で搬送シュートにより転炉に装入した後、溶銑を装入して吹錬を開始する一方、前記ダストの装入時における排ガスの風量を空塔速度で0.3m/sec以下に抑制して操業を行うことを特徴とする転炉操業方法を提案するものである。
DC(t/回)≦5/M(%)
(但し、DC:転炉湿ダスト装入量 M:転炉湿ダスト含有水分)
【0009】
また、請求項2に係る発明は、予め含有水分が1〜5%になるように乾燥された平均粒径が200μ以上を有する転炉湿ダストを、溶銑を装入した後に、該ダスト装入量をその含有水分に応じて下式を満足する条件でベルトコンベアにより炉上ホッパを介して転炉に装入して吹錬を開始する一方、前記ダストの装入時における排ガスの風量を空塔速度で0.3m/sec以下に抑制して操業を行うことを特徴とする転炉操業方法を提案するものである。
DC(t/回)≦6.5−0.5M(%)
(但し、DC:転炉湿ダスト装入量 M:転炉湿ダスト含有水分)
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明では転炉への湿ダストの装入に当たって同ダスト水分含有量が0.1〜5%の範囲になるように乾燥しておく。0.1%未満の乾いたダストでは飛散しやすく保存や搬送等に支障をきたすし、環境上も好ましくない。特に後述する装入方式がベルトコンベア・炉上ホッパ方式用いる場合はその含有水分が0.1%以上であっても1%未満では、ベルトコンベアで炉上に搬送する途上で、落下ロスしやすいため1%以上とすべきである。一方、5%を超えるとヤード等における保存時に酸化して発熱する危険や、上記炉上ホッパ方式ではホッパの中で酸化、発熱して同ホッパ内で固結し、切り出し不能となる等の問題が生じる。更に、転炉での装入の際に水蒸気爆発等の発生を確実に防止しながらも、できるだけ多くの装入量で操業を行いたいときは、ベルトコンベア・炉上ホッパ方式の場合は3%以下とし、搬送シュート方式(後述)の場合は2%以下としたものを使用することが最も望ましい。
【0011】
この湿ダストの粒度は平均粒径で200μ以上の粗粒のものを用いる。200μ未満の微粒では、水分含有量をたとえ上記の範囲に維持したとしても飛散によるロスが大きく、利用のメリットがない。平均粒径が300μ以上のものが特に好ましい。
【0012】
次に、こうして水分、粒度を適正範囲とした湿ダストの転炉への装入は、その転炉工場での設備構成や操業の制約等により、一般に(1)搬送シュート方式と(2)ベルトコンベア・炉上ホッパ方式の2通りの手段があり、通常はこれらの方式のどちらかを選択して行う。いずれの方式の場合にも、湿ダストの装入量(t/回)をその水分含有量に応じて適切な範囲の量に調整する。これによって、水蒸気爆発などが起こらない安全な条件下での湿ダストの装入実施が可能となるし、また湿ダストの有効な転炉での回収が実現し得る。
【0013】
以下、上記各装入方式別により詳しく説明する。
(1)の搬送シュート方式を採用した場合の操業は、搬送シュート(通常スクラップシュートを使用)にリフマグ又はダンプにより湿ダストを搬出、計量して、設定装入量を転炉に装入した後、溶銑を装入して吹錬を開始する。かかる、湿ダストの装入は単独でも良いし、やはり、溶銑に先立って装入されるスクラップと一緒に同じシュートを使って装入しても良い。スクラップと一緒に装入する方が、装入回数が少なくて済み、また装入に伴う発塵も抑制されるため好ましいといえる。
【0014】
そして、湿ダストの上記設定装入量が、(2)のベルトコンベア・炉上ホッパ方式も同様であるが、本発明において特に重要となる。すなわち、1回当りの設定装入量DC(t/回)はその含有水分M(%)に応じて、下記▲1▼式の関係を満たすように決定される。
DC(t/回)≦5/M(%)・・・▲1▼
【0015】
該式▲1▼を満足する範囲の装入量であれば、後述の実施例で明かにするように、湿ダストの装入後に水蒸気爆発や火炎の発生の恐れはなく、安心して通常通りに吹錬を開始することができる。また、必要とする全体の装入量が▲1▼の上限を超えるときは、これを複数回に分けて装入すればよい。但し,吹錬開始前においてはできる限り1回で装入を終えることが望ましい。
【0016】
この際、湿ダストを鉄源として転炉で有効利用する観点から、▲1▼式を満たす範囲において、装入設定量はできる限り多くすべきである。1回当りの装入量が増えれば増えるほど全体の使用量を増加させることができ、分割装入の必要性も少なくなるからである。安全操業を過大に意識するあまり、少量ずつ分割装入して使用するのでは湿ダストの転炉での効果的なリサイクル技術とはいえず、また、いたずらに転炉の操業時間を延長し、生産性を損なうことにもなる。
【0017】
本発明は、転炉での同ダストの最大限の利用、回収を図るリサイクル技術を確立すべく、安全操業下での使用量の限界を究明してなし得たもので、上記▲1▼式及び後記▲2▼式の上限はまさにこれを意味するものである。従って、実際の操業に当っては、下式を満足する範囲(図1の斜線で示す領域)で実施することがより好ましい。
2/M(%)≦DC(t/回)≦5/M(%)・・・▲1▼´
【0018】
次に、(2)のベルトコンベア・炉上ホッパ方式を採用した場合の操業について説明する。まず、ヤード等に保存された湿ダストをベルトコンベア上に払い出し、これを連続的に炉上に搬送し、指定の炉上ホッパに装入、貯蔵する。そして、転炉にスクラップを前もって装入し、更に溶銑を装入した後に、設定装入量を計量して炉上ホッパより転炉に装入し、この後に吹錬を開始する。また、この方式では、吹錬開始後に湿ダストを装入することもできるが、吹錬中は同ダストの飛散ロスが多くなり且つ後で述べる排ガス風量の抑制もできないため吹錬の開始前に装入することが必要である。尤も、吹錬を開始前に装入した後、何らかの事情により吹錬中に追加投入することを妨げるものではない。なお、この方式ではスクラップと一緒に装入することは困難であることから、湿ダスト単独で装入することになる。
【0019】
この方式の場合に装入設定量は(1)の方式と異なり、1回当りの設定装入量DC(t/回)は、その含有水分M(%)に応じて、下記▲2▼式の関係を満たすように決定される。
DC(t/回)≦6.5−0.5M(%)・・・▲2▼
【0020】
従って、上記▲2▼式を満足する範囲の装入量であれば、やはり後述の実施例で明かにするように、湿ダストの装入後に水蒸気爆発や火炎の発生の恐れはなく、安心して通常通りに吹錬を開始することができる。また、必要とする全体の装入量が▲2▼式の上限を超えるときは、これを複数回に分けて装入することとする。但し,吹錬開始前においては最大でも3回とし、できる限り1回で装入を終えることが好ましい。
【0021】
またこの場合においても、湿ダストを鉄源として転炉で有効利用する観点から、▲2▼式を満たす範囲において、装入設定量はできる限り多くすべきであり、その意味では下式を満足する範囲(図2の斜線で示す領域)で実施することがより好ましい。
4.5−0.5M≦DC(t/回)≦6.5−0.5M(%)・・・▲2▼´
【0022】
このように、本発明における湿ダストの転炉への装入は、同ダストの含有水分の値に応じ、しかも装入方式の違いによる水蒸気爆発等への影響を考慮し、各方式にマッチした適切な設定装入量に基づいて実施されるのであり、従って、含有水分が前記0.1〜5%の範囲で変化した場合でも操業の安全が十分に確保され、また、その水分の値での最大限の装入量で実施することが可能となるのである。
【0023】
次に、本発明ではこうした含有水分に応じた1回当りの装入設定量を満足する条件下で実施する一方で、前記ダストの装入時における排ガスの風量を空塔速度で0.3m/sec以下に抑制して行なう。
【0024】
一般に、排ガスの風量はスクラップや溶銑の装入段階においても、吹錬の準備に備え、かなり大きい値で運転している場合が多い。しかし、排ガス風量が大きい場合に湿ダストを装入すると、湿ダストが排ガス中に吸引され、炉外に飛出してロスすることになる。特に、後述の実施例でも明かだが、その空塔速度が0.3m/sec以下ではこの影響は比較的小さいが、0.3m/secを超えると、大きくなり、転炉への湿ダストの歩留まりをかなり低下させる原因となる。
【0025】
本発明にあっては、前述の通り、湿ダストの水分に伴う危険を排除しながら、同ダストの転炉での装入量を最大限に維持せんとするものであるが、この排ガス風量が空塔速度で0.3m/secを超える大きな風量で運転すると、折角多量の装入を行なったとしても、排ガス中へのロスも多くなり、その水分や装入方式にマッチした装入設定量の意義も薄れてしまうことになる。
【0026】
従って、湿ダストの装入時の排ガス風量を、空塔速度で0.3m/sec以下に抑えて行なう点は、装入量の設定条件と同様に、本発明の課題を達成する上で重要な実施条件となる。0.15m/sec以下にすれば更に好ましいものである
【0027】
以下、本発明の実施例を挙げ、その特徴と優れた効果を実証する。
(実施例1)
予め種々の含有水分に乾燥、調整した下記成分を有する平均粒径400μの転炉湿ダストを、搬送シュート(スクラップシュート使用)方式により240t転炉にその装入量を変えてスクラップと一緒に装入し、その後に溶銑を装入して吹錬を行なう操業を実施した。また、この際、湿ダストの装入時においては排ガスの風量を変化させて行なった。なお、湿ダストの転炉への装入はすべて1回とした。
【0028】
湿ダストの成分(%)
T Fe:88.0、M・Fe:79.3、FeO:7.5、SiO2:1.29、
Al23:0.27、MgO:0.57、CaO:3.52、P:0.063、
S:0.014
【0029】
表1は、本操業による本発明の実施例と比較例の条件すなわち湿ダストの含有水分、装入量及び排ガス風量と、水蒸気爆発又は火炎の発生の有無と鉄歩留の調査結果を示すもので、図1はこれらの湿ダストの装入量並びに含有水分と水蒸気爆発又は火炎発生の有無との関係(図中、●は水蒸気爆発又は火炎の発生がなかったもの、×は水蒸気爆発又は火炎の発生が有ったもの)を示す。
【0030】
【表1】
Figure 0003842714
【0031】
図1から、水蒸気爆発等の発生有無の境界は曲線Aで示され、この曲線は湿ダストの装入量をDC(t/回)、含有水分をM(%)とすると、DC(t/回)=5/M(%)のグラフに近似することができ、従って、水蒸気爆発等の発生のない操業上安全な領域は前述の式▲1▼であるDC(t/回)≦5/M(%)で規定できることが分かる。
【0032】
そして、当然ながら、この条件を満足しない比較例は全て水蒸気爆発等の発生が認められ、これに対してこれを満足する本発明の実施例は全て水蒸気爆発等の発生が認められず、安全な操業が確保されているのである。
【0033】
又、表1から、湿ダスト装入時の排ガス風量と鉄歩留との関係をみると、排ガス風量が空塔速度で0.3m/secを超えるもの(比較例11及び12)では、鉄歩留が70%以下の低い値となっていることが知れる。これに対し、排ガス風量を0.3m/sec以下に抑えた本発明の実施例では鉄歩留が何れも90%以上の高い値が得られており、更に0.15%m/sec以下のものでは95%以上の非常に高い鉄歩留となっており、排ガス風量を本発明の範囲に抑制した条件で湿ダストを装入すれば優れた効果が得られることが分かる。
【0034】
(実施例2)
次に、同様に含有水分を種々の値に乾燥、調整した実施例1と同一成分、同一平均粒度の湿ダスト用い、これを(2)のベルトコンベア・炉上ホッパ方式により90t転炉にその装入量を変えて、スクラップ及び溶銑を装入した後に、転炉に装入し、その後吹錬を行なう操業を実施した。この場合も、湿ダストの装入時においては排ガスの風量を変化させて行なった。
【0035】
表2及び図2は、前記実施例と同様にして本操業による条件とそれらの結果を示したものである。
【0036】
【表2】
Figure 0003842714
【0037】
図2から、水蒸気爆発等の発生有無の境界は直線Bで示され、この曲線は湿ダストの装入量をDC(t/回)、含有水分をM(%)とすると、DC(t/回)≦6.5−0.5M(%)のグラフに近似することができ、従って、水蒸気爆発等の発生のない操業上安全な領域は前述の式▲2▼であるDC(t/回)≦5/M(%)で規定できることが分かる。
【0038】
そして、勿論、この条件を満足しない比較例は同例10〜12を除いて水蒸気爆発等の発生が認められ、一方、これを満足する本発明の実施例は全て水蒸気爆発等の発生が認められず、安全な操業が確保されているのである。なお、比較例10〜12は水蒸気爆発等の問題はないが、本発明の特定する含有水分の下限である1%を下回っているために、表2下に注記したようにベルトコンベアによって炉上ホッパに搬送する過程でベルト上から落下する現象が起きた。しかも、これらの比較例はホッパ下の切り出しフィーダーでの流出が過剰になって、切り出し量すなわち装入量の調整に困難をきたした。従って、1%未満の低水分ものは、転炉に装入する湿ダストとしては好ましくない。
【0039】
又、表2から、湿ダスト装入時の排ガス風量と鉄歩留との関係をみると、比較例の中で、排ガス風量が空塔速度で0.3m/secを超えるもの(No.12〜15)では、鉄歩留が70%以下の低い値となっていることが知れる。一方、排ガス風量を0.3m/sec以下に抑えた本発明の実施例では鉄歩留が何れも90%以上の高い値が得られており、更に0.15%m/sec以下のものでは95%以上の非常に高い鉄歩留となっており、前実施例1の場合と同様に優れた効果が得られることが判明する。
【0040】
ところで、図1及び図2で示した曲線A´及び直線B´は、それぞれ前記の安全操業領域において最大限の装入量を確保すための下限の境界を示している。そして、曲線A´はDC(t/回)=2/M(%)で、直線B´はDC(t/回)=4.5−0.5M(%)近似される。従って、先に述べたように、湿ダストの装入に当っては、搬送シュート方式を採用する場合は、その装入設定量を、曲線A以下で且つ曲線A´以上の範囲すなわち、図1の斜線で示される領域に相当する前述の式▲1▼´を満足する条件とすることがより一層好ましい。又ベルトコンベア・炉上ホッパ方式を採用する場合は、同様にしてその装入設定量を、直線B以下で直線B´以上の範囲すなわち、図2の斜線で示される領域に相当する前述の式▲2▼´を満足する条件下で行うことがより一層好ましいことになる
【0041】
又、これら図1及び図2等を比較考察すれば次のようなことがいえる。
まず、湿ダストの含有水分が1%以下(但し、0.1%以上)であれば、ベルトコンベア・炉上ホッパ方式は落下ロスの問題があるので、搬送シュート方式を用いて装入する。同方式はこうした問題はなく、しかも図1から設定装入量を5t/回以上にすることができ、大量に使用することが可能である。一方、含有水分が1%以上(但し、5%以下)ならば、ベルトコンベア・炉上ホッパ方式の方が有利である。搬送シュート方式では5%で設定装入量は最大でも1t/回であるが、ベルトコンベア・炉上ホッパ方式の場合はその4倍の4t/回を設定することができる。この装入方式は、高めの水分であっても、搬送シュート方式に比べて、水蒸気爆発等が起こりにくく、設定装入量を多く採ることができる。
【0042】
従って、両装入方式のいずれも採用可能な転炉(工場)にあっては、含有水分の多少によって上記のように使い分けて実施することが望ましい。加えて、設備や操業上の制約等で、かかる使い分けが困難又は不可能である場合であっても、別の転炉(工場)で適した装入方式を採用できるような場合は湿ダストをそこに輸送して使用(所謂、横持)することも有益である。
【0043】
【発明の効果】
本発明によって得られる効果は次の通りである。
(1)転炉から発生する鉄分を豊富に含む湿ダストを同じ転炉で多量に装入、使用することができる。
(2)転炉操業において水蒸気爆発等の危険を一切伴わずに安全に湿ダストを使用することができる。
(3)転炉への装入方式によらず、湿ダストの水分に応じて各方式にマッチした設定装入量を容易に決定することが可能である。
(4)湿ダストの転炉装入時における排ガス中への飛出、ロスを最小限にし、溶鋼に対する鉄歩留を高めることができる。
(5)転炉での使用に先立つ、湿ダストの保管時の発熱や、搬送時の飛散等を防止することができる。
(6)転炉での操業工程を変更して、乱すことなく湿ダストの使用が可能である。
(7)以上により、湿ダストの転炉における有効利用、回収を効果的に推進することができ、この分野での工業価値及び技術的貢献において優れた発明といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1等おける湿ダストの装入量並びに含有水分と水蒸気爆発又は火炎発生の有無との関係を示したグラフである。
【図2】本発明の実施例2等おける湿ダストの装入量並びに含有水分と水蒸気爆発又は火炎発生の有無との関係を示したグラフである。

Claims (2)

  1. 予め含有水分が0.1〜5%になるように乾燥された平均粒径が200μ以上を有する転炉湿ダストを、該ダスト装入量をその含有水分に応じて下式を満足する条件で搬送シュートにより転炉に装入した後、溶銑を装入して吹錬を開始する一方、前記ダストの装入時における排ガスの風量を空塔速度で0.3m/sec以下に抑制して操業を行うことを特徴とする転炉操業方法。
    DC(t/回)≦5/M(%)
    (但し、DC:転炉湿ダスト装入量 M:転炉湿ダスト含有水分)
  2. 予め含有水分が1〜5%になるように乾燥された平均粒径が200μ以上を有する転炉湿ダストを、溶銑を装入した後に、該ダスト装入量をその含有水分に応じて下式を満足する条件でベルトコンベアにより炉上ホッパを介して転炉に装入して吹錬を開始する一方、前記ダストの装入時における排ガスの風量を空塔速度で0.3m/sec以下に抑制して操業を行うことを特徴とする転炉操業方法。
    DC(t/回)≦6.5−0.5M(%)
    (但し、DC:転炉湿ダスト装入量 M:転炉湿ダスト含有水分)
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