JP3841795B2 - 茸類エキス製品の製造方法、エキス粉末の製造方法 - Google Patents

茸類エキス製品の製造方法、エキス粉末の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、万年茸をはじめとする茸類エキス製品の製造方法、エキス粉末の製造方法、茸類エキスカプセルに関する。
万年茸はサイワイタケとも称される茸類であり、中国名では霊芝(れいし)とも称され、旧来より床飾り等の鑑賞用とされていた。
近年、霊芝の薬効効果が注目され、霊芝は顆粒、錠剤等の形態で健康補助食品として提供されている。
万年茸を栽培するには、おが屑や米ぬか、ふすま等を混ぜたもの(これを培地と称する)を培養袋や広口ビン等の容器に充填した後、この培地に菌を植え付け、これを一定期間培養させる。すると、菌(菌糸)が容器内の培地に蔓延し、いわゆる菌床が得られる。この菌床を、所定範囲内の湿度・温度・照度環境に維持することで菌床から万年茸の子実体が生えてくるので、この環境を一定期間維持して所望の大きさに生育させる。そして、生育した子実体を収穫し、粉砕、エキス抽出、粉末化といった工程を経て、顆粒、錠剤、カプセル等といった形態の健康補助食品とする。
ところで、このような粉砕工程等において、子実体の粉砕レベルを管理するための尺度として、従来は、例えば「2〜20mm」といった長さ、粒径、篩(ふるい)のメッシュサイズ等を用いていた(例えば、特許文献1、2、3参照。)。
特開平9−56362号公報(第3頁、段落[0016]) 特開2003−212788号公報(請求項1等) 特開平5−139989号公報(請求項1等)
しかしながら、万年茸のように、菌糸の集合体からなるものは、粉砕しても繊維を完全に破壊するのは困難である。したがって、粉砕した粉砕物は、球状、塊状に近い形状ではなく、針状、あるいは繊維が絡まったような綿状等の異形となっている。
このため、長さを測るといっても、異形の粉砕物の長手方向に正確に測ることは困難である。粒径を用いる場合も、粒径の計測に用いる粒度分布計では、異形の計測対象物(粉砕物)の粒径を正確に計測するのは困難である。メッシュサイズを用いる場合、実際には所定のメッシュサイズを有した篩を通るか否かを判定することになるが、針状の粉砕物は、その方向によって篩のメッシュを通過したりしなかったりするため、この方法でも正確な評価は困難である。
このように、従来の技術では、粉砕物の粉砕レベルを正確に評価することが困難である。
このため、粉砕物からカプセルや錠剤といった形態の製品を形成する際、以下のような不具合が生じることがあった。
一般に、カプセルや錠剤は、所定の重量の粉砕物を用いて成形する。このため、例えば、粉砕が十分に行われなかった場合、粉砕物が針状あるいは繊維が絡まったような綿状等であるために、嵩張って所定の重量の粉砕物がカプセルに充填できなかったり、カプセルに充填はできるもののカプセルのキャップを閉じることができなかったり、錠剤を打錠できない等したのである。
このため、粉砕物の粉砕レベルを正確に評価することは、最終的なカプセルや錠剤といった製品を成形する過程で非常に重要である。しかし、上述したように、従来の手法では、粉砕レベルを正確に評価できないのが現状であった。
ところで、カプセルへの充填性を高めるには、粉末の流動性を高めるのが好ましい。このため、一般には、流動性を向上させるために、粉末に滑択剤、賦形剤を添加することが多い。しかし、添加物を加えると、万年茸の成分のみで製品を作ることができなくなってしまうため、このような手法を取るのは好ましくない。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、万年茸等の子実体の粉砕レベルを管理し、カプセルや錠剤等の製品を安定して製造できる茸類エキス製品の製造方法、エキス粉末の製造方法等を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明の茸類エキス製品の製造方法は、茸類の子実体を粉砕する粉砕工程と、粉砕された子実体の粉砕物から、子実体のエキスを抽出する抽出工程と、抽出されたエキスを粉末化する粉末化工程と、粉末化工程で得られたエキス粉末をカプセルに充填またはタブレットに打錠して、茸類エキス製品を形成する製品形成工程と、を備えるものであり、所定量のエキス粉末をカプセルに充填、または所定量のエキス粉末をタブレットに打錠できるよう、粉砕物およびエキス粉末の少なくとも一方の嵩密度を計測する嵩密度計測工程を備えることを特徴とする。
本発明では、嵩密度計測工程にて、粉砕工程で粉砕された粉砕物の嵩密度を計測する場合、嵩密度計測工程にて計測される嵩密度が予め設定したしきい値以上となるまで、粉砕工程を続けることを特徴とすることができる。この場合、粉砕物の嵩密度が0.25[g/cm]以上となるまで粉砕工程を続けるのが好ましい。
また、嵩密度計測工程にて、粉末化工程で得られたエキス粉末の嵩密度を計測するときには、製品形成工程では、嵩密度が予め設定したしきい値以上のエキス粉末を用い、茸類エキス製品を形成することを特徴とすることもできる。この場合、製品形成工程では、嵩密度が0.5[g/cm]以上のエキス粉末を用い、茸類エキス製品を形成するのが好ましい。もちろん、粉砕工程で粉砕された粉砕物の嵩密度を計測し、さらに粉末化工程で得られたエキス粉末の嵩密度を計測するようにしても良い。
製品形成工程で、エキス粉末をカプセルに充填、またはエキス粉末をタブレットに打錠することで茸類エキス製品を形成するに際し、このように、粉砕物やエキス粉末の嵩密度を計測し、嵩密度が予め設定したしきい値以上であるものを用いることで、カプセル充填、タブレット打錠を確実に行うことが可能となる。
なお、しきい値となる嵩密度は、上記以外であってもよく、例えばカプセルやタブレットの大きさ、充填するエキス粉末の量に応じて設定すればよい。
本発明は、茸類の子実体から抽出された成分から生成された、嵩密度が予め定めた規定値以上のエキス粉末をカプセルに充填またはタブレットに打錠して、茸類エキス製品を形成することを特徴とする茸類エキス製品の製造方法として捉えることもできる。ここで、用いるエキス粉末は、嵩密度が、予め設定したしきい値以上、例えば0.3[g/cm]以上、より好ましくは0.5[g/cm]以上であれば良く、どのような手法で製造したものであってもよいが、例えば、以下に示すような本発明のエキス粉末の製造方法によって製造されたエキス粉末を用いることができる。
すなわち、本発明のエキス粉末の製造方法は、茸類の子実体を粉砕する工程と、粉砕された子実体の粉砕物から、子実体のエキスを抽出する工程と、抽出されたエキスを粉末化してエキス粉末を得る工程と、カプセルに所定量のエキス粉末が充填できるよう、粉砕物およびエキス粉末の少なくとも一方の嵩密度を計測する工程と、を備え、嵩密度が予め設定したしきい値以上、例えば0.3[g/cm]以上、より好ましくは0.5[g/cm]以上のエキス粉末を得ることを特徴とするものである。
ここで、本製造方法によって最終的に得られるエキス粉末の嵩密度がしきい値以上となるのであれば、嵩密度の計測は、適宜タイミングで行えばよい。例えば、粉砕された子実体の粉砕物の嵩密度を計測することで、最終的に得られるエキス粉末の嵩密度をコントロールしても良いし、また、エキスを粉末化することで得られるエキス粉末の嵩密度を直接計測することもできる。
本発明は、内部が中空のカプセル本体と、カプセル本体の内部に充填され、嵩密度が0.5[g/cm]以上の茸類のエキス粉末と、を備えることを特徴とする茸類エキスカプセルとして捉えることもできる。このような茸類としては、万年茸が好ましい。
本発明によれば、カプセル充填、タブレット打錠等、茸類エキス製品を形成する工程に先立ち、茸類の子実体を粉砕した粉砕物、あるいは粉砕物から抽出されたエキスから得られるエキス粉末の嵩密度を計測することで、万年茸等の子実体の粉砕レベルを管理することが可能となる。これにより、所定量のエキス粉末を用い、所定のカプセルへの充填やタブレット打錠を確実に行うことができ、茸類エキス製品を安定して製造することが可能となる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における茸類エキスの抽出プロセス、茸類エキス製品の製造プロセスの流れを説明するための図である。
霊芝(茸類)エキスを抽出するための子実体は、培地に菌が植え付けられ、これを一定期間培養することで得られた菌床を、所定範囲内の湿度・温度・照度環境に維持することで得られる。菌床からは、万年茸の鹿角状の子実体(いわゆる鹿角霊芝)が生えてくる。この子実体を菌床から切り取り、所定期間乾燥させると乾燥子実体が得られるので、この乾燥子実体から、以下のようにして霊芝エキスの抽出を行う。
<粉砕工程>
乾燥子実体(以下、単に子実体と称する)を、回転刃の付いた破砕装置等で粗粉砕した後、乾式ジェットミル等の粉砕手段によって微粉砕する。
<抽出工程>
得られた微粉砕物は、熱水抽出、エタノール抽出、含水エタノール抽出等といった抽出法により、微粉砕物からβ−グルカン等の有効成分の抽出が行われる。本実施の形態では、その抽出法を限定する意図は無く、上記以外の他の抽出法を用いるようにしてもよい。
微粉砕物からの有効成分の抽出後、水やエタノールを常圧あるいは減圧雰囲気下で蒸発させることで、エキス抽出自体は完了する。
<粉末化工程>
引き続き、抽出されたエキスと残渣が混在するスラリー状のエキスを、スプレードライヤ等で粉末化し、エキス粉末を得る。
<製品形成工程>
得られたエキス粉末を計量し、図2に示すように、ボディ1と、このボディ1に嵌め合わされるキャップ2とからなるカプセル(カプセル本体)3に、所定重量のエキス粉末を充填することで、カプセル状の茸類エキス製品を製造できる。また、所定重量のエキス粉末にバインダ等を混合して所定形状の打錠成形することで、タブレット状の茸類エキス製品を形成できる。
さて、上記したような流れにおいて、製品形成工程にて、スプレードライヤ等で粉末化されたエキス粉末を用いてカプセル状あるいはタブレット状の茸類エキス製品を形成するに先立ち、嵩(カサ)密度による子実体の粉砕レベルの管理を行う(嵩密度計測工程)。
嵩密度は、原理的には、図3に示すように、所定の容積の容器21に、微粉砕物あるいはエキス粉末10を上方から注ぎ、容器21の上端面21aよりも上方にまで盛り上がるようにする。このとき、過大な微粉砕物あるいはエキス粉末10の混入を防ぐため、容器21に注ぐ微粉砕物あるいはエキス粉末10は、所定メッシュサイズの篩を通すのが好ましい。そして、上端面21aより盛り上がった微粉砕物あるいはエキス粉末10を、板22等によって容器21の上端面21aに沿って摺り切る。この後、容器21内に残った微粉砕物あるいはエキス粉末10の重量Wを計測し、これを容器21の容積Vで除算したものが、嵩密度Xとなる。
X=W/V [g/cm
本実施の形態では、粉砕工程の直後において、得られた微粉砕物の嵩密度Xを計測し、嵩密度Xが予め決められた範囲に収まっているか否かを判定し、条件をクリアした微粉砕物のみを用いる。この場合、2号カプセル(内容量0.37ml)に280mgのエキス粉末を充填するのであれば、嵩密度Xが、X≧0.25となるまで、微粉砕を繰り返して(連続して)行うのが好ましい。このようにすると、抽出工程、粉末化工程を経て得られるエキス粉末も、その嵩密度Xがある範囲に収まったものとなる。そのようなエキス粉末を用い、製品形成工程にてカプセル状あるいはタブレット状の茸類エキス製品を得ることで、カプセルへのエキス粉末の充填、タブレットの打錠を確実に行える。
また、粉末化工程を経て得られるエキス粉末の嵩密度Xを計測し、嵩密度Xが予め決められた範囲に収まっているか否かを判定し、条件をクリアしたエキス粉末のみを用い、製品形成工程にてカプセル状あるいはタブレット状の茸類エキス製品を得ることもできる。この場合、2号カプセル(内容量0.37ml)に280mgのエキス粉末を充填するのであれば、嵩密度Xが、X≧0.50となったエキス粉末のみを製品形成工程に投入するのが好ましい。これによっても、カプセルへのエキス粉末の充填、タブレットの打錠を確実に行える。
もちろん、粉砕工程の直後において、微粉砕物の嵩密度Xを計測し、さらに、粉末化工程を経て得られるエキス粉末の嵩密度Xを計測し、合計2回、嵩密度Xによる管理を行っても良い。
なお、粉砕工程の直後において計測する微粉砕物の嵩密度X、粉末化工程の後に計測するエキス粉末の嵩密度Xによる管理を行うに際し、嵩密度Xは、例えば、エキス粉末を充填するカプセルのサイズ、カプセルへのエキス粉末の規定充填量等に応じ、適宜設定すれば良いものである。
例えば、2号カプセルに、150mgのエキス粉末を充填する場合、嵩密度Xは、0.3とするのが好ましい。また、2号カプセルに、200mgのエキス粉末を充填する場合は、嵩密度Xを0.4とするのが好ましい。
通常用いられているカプセルには、00号(内容量0.95ml)、0号(内容量0.68ml)、1号(内容量0.47ml)、2号(内容量0.37ml)、3号(内容量0.27ml)、4号(内容量0.20ml)、5号(内容量0.13ml)がある。
これらのサイズのカプセルに対し、上記と同様に、嵩密度Xを0.3、0.4、0.5とした場合の、カプセルへのエキス粉末の充填量の関係を図4に示した。もちろん、カプセルへの充填量が、図4に示したものと重ならない中間値となる場合は、嵩密度Xも0.3、0.4、0.5以外の中間値を取ればよい。
ここで、微粉砕物の粉砕レベルの評価を、嵩密度で行ったときと、従来の粒度分布で行ったときを比較したのでその結果を示す。
収穫後、乾燥した鹿角霊芝を3mm角程度に粗粉砕した後、乾式ジェットミルで微粉砕を行い、微粉砕物を得た。ここで、乾式ジェットミルに対する、粗粉砕後の粗粉砕物の供給速度を、
Test1:5.0[kg/Hr]
Test2:3.5[kg/Hr]
Test3:2.5[kg/Hr]
Test4:1.5[kg/Hr]
Test5:0.5[kg/Hr]
とし、粉砕状態の異なる5種類の微粉砕物を得た。
言い換えれば、10[kg]の粗粉砕物を処理するのに要する時間(粉砕時間)は、
Test1:2時間
Test2:2時間50分
Test3:4時間
Test4:6時間42分
Test5:20時間
となる。
上記のようにして得られた微粉砕物を、カーボンテープ上に固定し、さらに帯電防止のためPt−Pdをスパッタコーティングしたものを、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した(観察時の加速電圧:0.5kV、エミッション電流5nA)。
図5(a)はTest1、図5(b)はTest2、図6(a)はTest3、図6(b)はTest4、図7はTest5によって得られた微粉砕物のSEM写真である。
これらのSEM写真からも明らかなように、乾式ジェットミルへの粗粉砕物の供給速度を低く、つまり粉砕時間を長くし、乾式ジェットミル内で粉砕される時間を長くするほど、得られる微粉砕物の粒子が細かくなるのは視覚的にも明らかである。
このようにして得られたTest1〜Test5の微粉砕物について、嵩密度を測定した。これには、体積20mlの測定用セル(容器21)に42メッシュの目開きの篩を通して微粉砕物を落下させ、体積20mlあたりの微粉砕物の重量を測り、嵩密度を算出した。
比較のため、上記Test1〜Test5の微粉砕物を、メタノール中に超音波を用いて分散させ、レーザー回折式粒度分布測定機により、微粉砕物の粒度分布を測定した。
その結果が表1である。
Figure 0003841795
Test1〜Test5の微粉砕物は、図5〜図7に示したSEM写真では、粉砕レベルの違いが明らかに確認できているにもかかわらず、表1に示すように、粒度分布の測定結果では、平均粒径、粒度分布ともに、Test1〜Test5の微粉砕物で殆ど変化が無い結果となった。
これに対し、嵩密度は、
Test1:0.18[g/cm
Test2:0.22[g/cm
Test3:0.26[g/cm
Test4:0.28[g/cm
Test5:0.35[g/cm
と、Test1〜Test5の微粉砕物で明らかに異なっており、また図5〜図7に示したSEM写真と同様、乾式ジェットミルへの粗粉砕物の供給速度を低く、つまり粉砕時間を長くし、乾式ジェットミル内で粉砕される時間を長くするほど、得られる微粉砕物の嵩密度が大きくなる、という相関関係が得られている。
このようにして、万年茸のように菌糸の集合体からなる試料は粉砕しても繊維を完全に破壊することが困難であり、綿状や針状となるため、液中で測定する粒度分布では真の粒径を評価することができないことが確認できた。これに対し、嵩密度はSEM写真の破砕レベルによく対応し、万年茸の粉砕レベルを数値化して正確に評価できることが確認できた。
さらに、図7に示したTest5の微粉砕物では、万年茸の菌糸がほぼ完全に破砕されていることが確認できた。つまり、嵩密度を0.35程度とすることで、万年茸の菌糸がほぼ完全に破砕された微粉砕物を得ることができると言える。
また、乾式ジェットミルに対する、粗粉砕後の粗粉砕物の供給速度(粉砕速度)と、得られた微粉砕物の嵩密度の関係を図8に示す。この図8に示すように、ジェットミルによる粉砕において、乾式ジェットミルへの粗粉砕物の供給速度と、得られる微粉砕物の嵩密度に相関関係があることが明らかである。乾式ジェットミルへの粗粉砕物の供給速度を低くするほど、得られる微粉砕物の嵩密度が大きくなることが確認でき、嵩密度の調整が可能であることが確認された。
実施例1と同様にして、乾燥した子実体を粗粉砕した後、乾式ジェットミルで微粉砕を行い、微粉砕物を得た。ここで、乾式ジェットミルに対する、粗粉砕物の供給速度を異ならせることで、嵩密度が、0.17〜0.57[g/cm]の微粉砕物を得た。
得られた微粉砕物を、熱水または含水エタノール溶液でエキス抽出し、残渣を含んだ状態のスラリー状エキスをスプレードライにより乾燥し、エキス粉末を得た。乾燥処理は入熱185℃、排熱95℃、ノズル口径1.3mm、噴霧圧力170kg/cm、溶液濃度10〜15%で行った。
図9は、嵩密度0.26[g/cm]の微粉砕物を、抽出・乾燥処理した粉体(エキス粉末)のSEM写真である。
この図9に示すように、微粉砕した際の針状の形態とは異なり、エキス成分と残渣が混ざった状態で乾燥したことにより、顆粒状となった。
続いて、得られたエキス粉末の嵩密度を測定した。
抽出前の微粉砕物の状態で測定した嵩密度と、抽出処理後のエキス粉末の状態で測定した嵩密度の関係を図10に示す。
この図10に示すように、抽出前の微粉砕物の嵩密度と抽出処理後のエキス粉末の嵩密度に相関関係があることが確認され、抽出前の微粉砕物の嵩密度に対し、抽出処理後のエキス粉末は約2倍の嵩密度を有していることが確認された。つまり、空隙の少ない顆粒状の粒子になったことで、微粉末の状態より嵩密度も大きくなったと言える。
さらに、カプスゲル株式会社製の2号カプセルに、抽出前の微粉砕物の嵩密度が、0.17[g/cm]、抽出処理後のエキス粉末の嵩密度で0.30[g/cm]のエキス粉末と、抽出前の微粉砕物の嵩密度で0.25[g/cm]以上、抽出処理後のエキス粉末の嵩密度で0.50[g/cm]以上のエキス粉末を、それぞれ充填量を280mgとすることを目指して充填した。
その結果、抽出前の微粉砕物の嵩密度が、0.17[g/cm]、抽出処理後のエキス粉末の嵩密度で0.30[g/cm]のエキス粉末では、カプセルに170mgしか充填できず、それ以上充填しようとするとカプセルのキャップがロックしなかったり、ロックの際に打痕がカプセルに残るなどし、目標量の280mgの充填はできなかった。これに対し、抽出前の微粉砕物の嵩密度で0.25[g/cm]以上、抽出処理後のエキス粉末の嵩密度で0.50[g/cm]以上のエキス粉末では、カプセルへの充填が正常に行えた。
さらに、目標量の280mgに到達できなかった抽出処理後のエキス粉末の嵩密度で0.30[g/cm]のエキス粉末については、蒸留水を添加して造粒処理を行い、嵩密度を増大させた後に、再度カプセル充填を試みたが、これでも250mgしか充填できなかった。
ところで、上記実施の形態では、粉砕工程にて、粗粉砕、微粉砕の2段階を経る構成としたが、これに限るものではなく、1段階のみ、あるいは3段階以上の粉砕工程を経るようにしてもよい。また、粉砕や抽出、粉末化のために用いる手法は、いかなるものであってもよい。加えて、万年茸の子実体を生育するプロセスについても、何らの限定を行う意図はない。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で示した構成に対し、構成の変更、削除、追加等を行うことが可能である。
本実施の形態における茸類エキスの抽出プロセス、茸類エキス製品の製造プロセスを示す図である。 カプセルを示す図である。 嵩密度の計測方法の原理を示す図である。 カプセルサイズとエキス粉末の充填量に対する、嵩密度の関係を示す図である。 (a)供給流量を5.0[kg/Hr]とした場合に得られる微粉砕物のSEM像、(b)供給流量を3.5[kg/Hr]とした場合に得られる微粉砕物のSEM像である。 (a)供給流量を2.5[kg/Hr]とした場合に得られる微粉砕物のSEM像、(b)供給流量を1.5[kg/Hr]とした場合に得られる微粉砕物のSEM像である。 供給流量を0.5[kg/Hr]とした場合に得られる微粉砕物のSEM像である。 粉砕速度と、粉砕により得られる微粉砕物の嵩密度との関係を示す図である。 得られたエキス粉末のSEM像である。 粉砕により得られる微粉砕物の嵩密度と、スプレードライによって得られるエキス粉末の嵩密度との関係を示す図である。
符号の説明
3…カプセル(カプセル本体)

Claims (4)

  1. 茸類の子実体を粉砕する粉砕工程と、
    粉砕された前記子実体の粉砕物から、前記子実体のエキスを抽出する抽出工程と、
    抽出された前記エキスを粉末化する粉末化工程と、
    前記粉末化工程で得られたエキス粉末を用い、茸類エキス製品を形成する製品形成工程と、
    所定量の前記エキス粉末をカプセルに充填、または所定量の前記エキス粉末をタブレットに打錠できるよう、前記粉砕物および前記エキス粉末の少なくとも一方の嵩密度を計測する嵩密度計測工程と、を備え、
    前記嵩密度計測工程にて前記粉砕物の嵩密度を計測するときには、前記嵩密度が予め設定したしきい値以上となるまで、前記粉砕工程を続け、
    前記嵩密度計測工程にて前記エキス粉末の嵩密度を計測するときには、前記製品形成工程にて、前記嵩密度が予め設定したしきい値以上の前記エキス粉末を前記カプセルに充填または前記タブレットに打錠して、前記茸類エキス製品を形成することを特徴とする茸類エキス製品の製造方法。
  2. 前記嵩密度計測工程にて前記粉砕物の嵩密度を計測するときには、前記しきい値を0.25[g/cm とすることを特徴とする請求項1に記載の茸類エキス製品の製造方法。
  3. 前記嵩密度計測工程にて前記エキス粉末の嵩密度を計測するときには、前記しきい値を0.5[g/cm とすることを特徴とする請求項に記載の茸類エキス製品の製造方法。
  4. 茸類の子実体を粉砕する工程と、
    粉砕された前記子実体の粉砕物から、前記子実体のエキスを抽出する工程と、
    抽出された前記エキスを粉末化してエキス粉末を得る工程と、
    カプセルに所定量の前記エキス粉末が充填できるよう、前記粉砕物および前記エキス粉末の少なくとも一方の嵩密度を計測する工程と、を備え、
    前記嵩密度が予め設定されたしきい値以上の前記エキス粉末を得ることを特徴とするエキス粉末の製造方法。
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