JP3841628B2 - 経皮吸収剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物を皮膚(接触面)を通して効率よく睡眠中にのみ持続的に体内に吸収させ(起床前には吸収が低下する)、自然な睡眠を起こさせる、睡眠覚醒リズムを主とする生体リズムの調節、時差ボケ調節、睡眠障害等の予防治療に有効な経皮吸収剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メラトニンML1受容体アゴニスト作用を有する化合物は細胞膜上のメラトニンML1受容体に結合しメラトニン様作用を発現する化合物である。メラトニンの日内変動は夜8時頃より血中濃度が上昇し夜中の12時から2時頃に最高濃度に到達し朝8時頃までに元のレベルに戻る。この日内変動は加齢により減少し、このことが老人性睡眠障害等の原因の一つと考えられている。
一方、メラトニン受容体アゴニスト作用薬の経皮吸収剤として、特開平6−72874号、特開平10−182455号、特開平10−29934号及び特開平10−29933号が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
睡眠障害の患者においては、就寝後4ないし6時間でメラトニンの血中濃度が極大値を示すことが重要で、メラトニンML1受容体アゴニスト作用薬においても健常時のメラトニンパターンを補うように血中濃度をコントロールする必要がある。しかし、従来のメラトニン受容体アゴニスト作用薬の経皮吸収剤は、その吸収効率は高くなく、就寝前に貼付後血中濃度が速やかに上昇し就寝中有効血中濃度を維持し起床時には十分に低下するような一峰性の血中濃度推移特性を与えるものではないので、睡眠障害等の予防治療薬として満足のできるものではない。
本発明は、利便性のよい、メラトニンML1受容体アゴニスト作用を有する化合物の経皮吸収剤、即ち、同化合物が就寝中に効率よく経皮吸収され、かつメラトニン様の有効血中濃度推移特性を有し、朝の起床時までに血中濃度が低下し起床時には薬物の作用が持続していない、自然睡眠を起こす就寝中適用(夜間貼付)型経皮吸収剤を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、自然睡眠につき鋭意研究した結果、メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物と、脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性剤から選ばれる1又は2以上とを初めて含有する経皮吸収剤が、予想外にも好適速度で皮膚透過でき、経口剤で投与する場合に比較して、投与後速やかに血中濃度が上昇し6ないし12時間有効血中濃度を維持する血中濃度推移を示し、自然な睡眠を起こすことができ、生体リズムの調節薬の他、時差ボケ、睡眠障害等の予防治療薬として有用であることを見出し、これに基づいて本発明を完成した。
【0005】
即ち本発明は、
(1)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物と、脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性剤から選ばれる1又は2以上とを含有する経皮吸収剤、
(2)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物と脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性剤とを含有する前記(1)記載の経皮吸収剤、
(3)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物がメラトニンML1受容体アゴニスト作用を有する化合物である前記(2)記載の経皮吸収剤、
(4)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物が式
【化4】
Figure 0003841628
〔式中、R1は置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基又は置換基を有していてもよい複素環基、
2は水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基、
3は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基、
XはCHR4、NR4、O又はS(R4は水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)、
YはC、CH又はN(但し、XがCH2を示す場合、YはC又はCHである)、
【化5】
Figure 0003841628
A環は置換基を有していてもよい5ないし7員の酸素原子を含む複素環、
B環は置換基を有していてもよいベンゼン環、及び
mは1ないし4の整数を示す。〕で表される化合物又はその塩である前記(1)記載の経皮吸収剤、
(5)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物が式
【化6】
Figure 0003841628
〔式中、RはC1-6アルキル基を示す。〕で表される化合物である前記(1)記載の経皮吸収剤、
(6)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物が(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミドである前記(1)記載の経皮吸収剤、
(7)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物が(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミドである前記(1)記載の経皮吸収剤、
(8)脂肪酸エステルが炭素数6ないし22のカルボン酸と炭素数1ないし12のアルキルアルコールとのエステル体である前記(1)記載の経皮吸収剤、
(9)脂肪酸エステルがミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル又はセバシン酸ジエチルである前記(1)記載の経皮吸収剤、
(10)脂肪酸エステルがミリスチン酸イソプロピルである前記(1)記載の経皮吸収剤、
(11)多価アルコールがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン又はポリエチレングリコールである前記(1)記載の経皮吸収剤、
(12)多価アルコールがプロピレングリコールである前記(1)記載の経皮吸収剤、
(13)多価アルコールがポリエチレングリコールである前記(1)記載の経皮吸収剤、
(14)多価アルコールが分子量約200〜約1000のポリエチレングリコールである前記(1)記載の経皮吸収剤、
(15)非イオン界面活性剤が脂肪酸アミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルである前記(1)記載の経皮吸収剤、
(16)非イオン界面活性剤が脂肪酸アミドである前記(1)記載の経皮吸収剤、
(17)脂肪酸アミドがラウリン酸ジエタノールアミド又はその含有物である前記(16)記載の経皮吸収剤、
(18)脂肪酸アミドがヤシ脂肪酸ジエタノールアミドである前記(16)記載の経皮吸収剤、
(19)(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、ミリスチン酸イソプロピル、ポリエチレングリコール及びラウリン酸ジエタノールアミドを含有する前記(1)記載の経皮吸収剤、
(20)(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミド、ミリスチン酸イソプロピル、ポリエチレングリコール及びラウリン酸ジエタノールアミドを含有する前記(1)記載の経皮吸収剤、
(21)皮膚貼付剤である前記(1)記載の経皮吸収剤、
(22)皮膚接触体にメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物と、脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性剤から選ばれる1又は2以上とを含有する前記(1)記載の経皮吸収剤、
(23)皮膚接触体にメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物と脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性剤とを含有する前記(22)記載の経皮吸収剤、
(24)皮膚接触体に脂肪酸エステルを皮膚接触体重量に対して約1ないし約30重量%含有する前記(22)記載の経皮吸収剤。
(25)皮膚接触体に多価アルコールを皮膚接触体重量に対して約1ないし約30重量%含有する前記(22)記載の経皮吸収剤。
(26)皮膚接触体に非イオン界面活性剤を皮膚接触体重量に対して約1ないし約15重量%含有する前記(22)記載の経皮吸収剤、
(27)皮膚接触体に粘着剤を含有する前記(22)記載の経皮吸収剤、
(28)粘着剤がアクリル系粘着剤である前記(22)記載の経皮吸収剤、
(29)皮膚接触体にメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物を皮膚接触体重量に対して約0.01ないし約70重量%含有する前記(22)記載の経皮吸収剤、
(30)皮膚接触体に粘着剤を皮膚接触体重量に対し約5ないし約99重量%含有する前記(22)記載の経皮吸収剤、
(31)皮膚接触体の単位皮膚接触面積当りのメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の含量が約0.01ないし約100mg/cm2である前記(22)記載の経皮吸収剤、
(32)皮膚接触体に充填剤を含有する前記(22)記載の経皮吸収剤、
(33)充填剤が二酸化ケイ素である前記(32)記載の経皮吸収剤、
(34)就寝約6時間前ないし就寝直前に貼付する前記(1)記載の経皮吸収剤、
(35)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の有効血中濃度が約6ないし約12時間持続する前記(1)記載の経皮吸収剤、
(36)起床前約1ないし約2時間までメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の有効血中濃度を維持する前記(1)記載の経皮吸収剤、
(37)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の血中濃度が投与後12時間の間で1峰性のパターンを示す前記(1)記載の経皮吸収剤、
(38)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の血中濃度のピークが投与後約10時間以内に出現する前記(37)記載の経皮吸収剤、
(39)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物と、脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性剤から選ばれる1又は2以上とを含有する経皮吸収剤を投与することを特徴とするメラトニンに関連する疾患の予防・治療方法、
(40)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物を含有する経皮吸収剤に脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性剤から選ばれる1又は2以上を含有することを特徴とするメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の経皮吸収方法、及び
(41)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の経皮吸収を調整するための脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性剤から選ばれる1又は2以上の使用等に関する。
【0006】
本発明の経皮吸収剤は、メラトニン受容体(ML1、ML2、核内受容体等)アゴニスト作用を有する化合物であれば適用できるが、中でもメラトニンML1受容体アゴニスト作用を有する化合物に好ましく適用することができる。
本発明におけるメラトニンML1受容体アゴニスト作用とは、細胞膜上のメラトニン受容体の一つであるメラトニンML1受容体に特異的に結合し、メラトニン結合時と同等若しくはそれ以上の効果を発揮する作用である。メラトニンML1受容体への結合により誘導される作用としては睡眠誘発作用等があるが、ジアゼパム等の睡眠作用と異なり自然の睡眠に近い睡眠が誘発されることを特徴とし、翌日に不快感を残さない。それ故、メラトニンML1受容体アゴニスト作用を有する化合物は睡眠覚醒リズムを主とする生体リズムの調整、時差ボケ調節、睡眠障害等の治療に適用することができる。
【0007】
メラトニンML1受容体アゴニスト作用を有する化合物としては、同様の作用を有するものであれば特に限定されないが、例えばメラトニン作用物質又はその拮抗物質として、
(1)EP−A−578620に記載の式
【化7】
Figure 0003841628
で表される化合物、
(2)USP 411675に記載の式
【化8】
Figure 0003841628
で表される化合物、
(3)特開平7−048331号(EP−A−447285)に記載の式
【化9】
Figure 0003841628
で表される化合物、
(4)FR−014630に記載の式
【化10】
Figure 0003841628
で表される化合物、
(5)EP−A−591057に記載の式
【化11】
Figure 0003841628
で表される化合物、
(6)EP−A−527687に記載の式
【化12】
Figure 0003841628
で表される化合物、
(7)EP−A−506539に記載の式
【化13】
Figure 0003841628
で表される化合物、
【0008】
(8)特開平7−196493号又は特開昭63−196563号記載の式
【化14】
Figure 0003841628
〔式中、R1は水素、C1−C4アルキル又はC1−C4アルコキシであり;R2は水素又はC1−C4アルキルであり;R3は水素、C1−C4アルキル、フェニル又は置換フェニルであり;R4は水素、ハロアセチル、C1−C5アルカノイル、ベンゾイル、又はハロ又はメチルで置換されたベンゾイルであり;R5及びR6は、それぞれ独立して、水素、又はハロであり;及びR7は水素又はC1−C4アルキルである;但し、R3、R4及びR5が、それぞれ水素であるとき、R2はC1−C4アルキルである。〕で示される化合物又はその塩、中でも式
【化15】
Figure 0003841628
で示される化合物(LY156735)、
(9)WO 97/43272記載の式
【化16】
Figure 0003841628
〔式中、R1及びR2は同一又は異なって水素、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル又はアリール;R3及びR4は同一又は異なって水素、ハロゲン、C1-6アルキル又は置換されたアリール;R5は水素又はC1-6アルキル;nは0,1又は2:及びmは1,2,3又は4;
【化17】
Figure 0003841628
を示す。〕で表される化合物又はその塩、中でも式
【化18】
Figure 0003841628
で表される化合物、
(10)WO 98/25606記載の式
【化19】
Figure 0003841628
〔式中、Q1及びQ2はそれぞれ水素又はハロゲン;XはCH2、CH又は酸素;YはCR3、CR34又は(CH2n (n=1−4);ZはCH2、CH又は酸素;Rは水素、ハロゲン又はC1-4アルキル;mは1又は2;R1はC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-3ハロアルキル、C1-6アルキルアミノ、C2-6アルケニル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C1-4アルキルチオ(C1-4)アルキル又はトリフルオロメチルアルキル;R2は水素又はC1-4アルキル;及びR3及びR4はそれぞれ水素又はC1-4アルキルを示す。〕で表される化合物又はその塩、中でも式
【化20】
Figure 0003841628
で表される化合物、
【0009】
(11)特表平9−507057号記載の式
【化21】
Figure 0003841628
〔式中、R1は水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり、R2は式−CR34(CH2pNR5COR6であり、R3、R4及びR5は、同一でも異なっていてもよく、水素又はC1-6アルキルであり、R6はC1-6アルキル又はC3-7シクロアルキルであり、nは2、3又は4の整数であり、pは1、2、3又は4の整数である。〕で表される化合物又はその塩、中でも式
【化22】
Figure 0003841628
で表される化合物、及び化合物(I)等が用いられる。中でも、メラトニン受容体に対し高い親和性を示し、特にML1受容体に対する選択性が高い化合物(I)等が好ましい。
【0010】
本明細書中で用いられる用語「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、脂肪族炭化水素基、単環式飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基等が挙げられ、炭素数1ないし16個のものが好ましい。具体的には、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基及びアリール基等が用いられる。
「アルキル基」は、例えば低級アルキル基等が好ましく、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アルキル基等が汎用される。
「アルケニル基」は、例えば低級アルケニル基等が好ましく、例えばビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル及びイソブテニル等のC2-6アルケニル基等が汎用される。
「アルキニル基」は、例えば低級アルキニル基等が好ましく、例えばエチニル、プロパルギル及び1−プロピニル等のC2-6アルキニル基等が汎用される。
「シクロアルキル基」は、例えば低級シクロアルキル基等が好ましく、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基等が汎用される。
「アリール基」は、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル及び2−アンスリル等のC6-14アリール基等が好ましく、例えばフェニル基等が汎用される。
【0011】
「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」が有していてもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基(例えば、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等のハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシ基等)、アミノ基、モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ等のモノ−C1-6アルキルアミノ基等)、ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1-6アルキルアミノ基等)、カルボキシル基、低級アルキルカルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル等のC1-6アルキル−カルボニル基等)、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニル基等)、カルバモイル基、チオカルバモイル基、モノ−低級アルキルカルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等のモノ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、ジ−低級アルキルカルバモイル基(例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等のジ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、アリールカルバモイル基(例えば、フェニルカルバモイル、ナフチルカルバモイル等のC6-10アリール−カルバモイル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等のC6-10アリール基等)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等のC6-10アリールオキシ基等)、ハロゲン化されていてもよい低級アルキルカルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、トリフルオロアセチルアミノ等のハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボニルアミノ基等)、オキソ基等が用いられる。該「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」は、前記の置換基を、炭化水素基の置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一又は異なっていてもよい。
【0012】
本明細書中で用いられる用語「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例えば炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれた1種又は2種の1ないし4個(好ましくは1ないし3個)のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の(単環式ないし3環式、好ましくは単環式又は2環式)複素環基等が挙げられる。例えば2−又は3−チエニル、2−又は3−フリル、1−、2−又は3−ピロリル、1−、2−又は3−ピロリジニル、2−、4−又は5−オキサゾリル、3−、4−又は5−イソオキサゾリル、2−、4−又は5−チアゾリル、3−、4−又は5−イソチアゾリル、3−、4−又は5−ピラゾリル、2−、3−又は4−ピラゾリジニル、2−、4−又は5−イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1H−又は2H−テトラゾリル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5員環基、例えば2−、3−又は4−ピリジル、N−オキシド−2−、3−又は4−ピリジル、2−、4−又は5−ピリミジニル、N−オキシド−2−、4−又は5−ピリミジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、ピペリジノ、2−、3−又は4−ピペリジル、チオピラニル、1,4−オキサジニル、1,4−チアジニル、1,3−チアジニル、ピペラジニル、トリアジニル、3−又は4−ピリダジニル、ピラジニル、N−オキシド−3−又は4−ピリダジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む6員環基、例えばインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、インドリジニル、キノリジニル、1,8−ナフチリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、クロマニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む2環性又は3環性縮合環基(好ましくは、上述の5ないし6員環が炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含んでいてもよい5ないし6員環基1ないし2個と縮合して形成される基)等が用いられる。中でも、炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含む5ないし7員(好ましくは5又は6員)の複素環基が好ましい。
【0013】
該「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」が有していてもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アルキル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基等)、低級アルキニル基(例えば、エチニル、1-プロピニル、プロパルギル等のC2-6アルキニル基等)、低級アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル等のC2-6アルケニル基等)、アラルキル基(例えばベンジル、α-メチルベンジル、フェネチル等のC7-11アラルキル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等のC6-10アリール基等、好ましくはフェニル基等)、低級アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のC1-6アルコキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ等のC6-10アリールオキシ基等)、低級アルカノイル基(例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等のC1-6アルキル−カルボニル基等)、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基等のC6-10アリール−カルボニル基等)、低級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等のC1-6アルキル−カルボニルオキシ基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等のC6-10アリール−カルボニルオキシ基等)、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニル基等)、アラルキルオキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC7-11アラルキルオキシカルボニル基等)、カルバモイル基、モノ−、ジ−又はトリ−ハロゲノ−低級アルキル基(例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル等のモノ−、ジ−又はトリ−ハロゲノ−C1-4アルキル基等)、オキソ基、アミジノ基、イミノ基、アミノ基、モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ等のモノ−C1-4アルキルアミノ基等)、ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、メチルエチルアミノ等のジ−C1-4アルキルアミノ基等)、炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミノ基(例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジル、モルホリニル、ジヒドロピリジル、ピリジル、N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル等の3ないし6員の環状アミノ基等)、アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基等)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、スルホ基、スルフィノ基、ホスホノ基、スルファモイル基、モノアルキルスルファモイル基(例えば、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N-プロピルスルファモイル、N-イソプロピルスルファモイル、N-ブチルスルファモイル等のモノ−C1-6アルキルスルファモイル基等)、ジアルキルスルファモイル基(例えば、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、N,N-ジブチルスルファモイル等のジ−C1-6アルキルスルファモイル基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等のC1-6アルキルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等のC6-10アリールチオ基等)、低級アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル等のC1-6アルキルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル等のC6-10アリールスルフィニル基等)、低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-10アリールスルホニル基等)等が用いられる。
該「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」は、前記の置換基を、複素環基の置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一又は異なっていてもよい。
【0014】
本明細書中で用いられる用語「置換基を有していてもよいアミノ基」は、置換基として例えば前記「置換基を有していてもよい炭化水素基」等を1又は2個有していてもよいアミノ基等が挙げられる。この「アミノ基」が有していてもよい置換基の好ましいものとしては、例えば置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置換基を有していてもよいC6-10アリール基等である。該「C1-6アルキル基」、「C6-10アリール基」が有していてもよい置換基としては、前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基と同様のものが用いられる。
本明細書中で用いられる用語「置換基を有していてもよい低級アルキル基」の「低級アルキル基」は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル等のC1-6アルキル基等を示し、置換基として、例えば前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基等を1ないし3個有していてもよい。
本明細書中で用いられる用語「置換基を有していてもよい低級アルコキシ基」の「低級アルコキシ基」は、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシ等のC1-6アルコキシ基等を示し、置換基として、例えば前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基等を1ないし3個有していてもよい。
【0015】
本明細書中で用いられる用語「置換基を有していてもよいベンゼン環」としては、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基、アミド基(例えば、ホルムアミド、アセトアミド等のC1-3アシルアミノ基等)、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、低級アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基等)等から選ばれる1ないし2個の置換基を置換可能な位置に有していてもよいベンゼン環を示す。
これらの「置換基を有していてもよい炭化水素基」、「置換基を有していてもよいアミノ基」及び「置換基を有していてもよい低級アルコキシ基」としては、例えば前記で詳述したものと同様のものが用いられる。これらの「炭化水素基」、「アミノ基」及び「低級アルコキシ基」が有する置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
該「置換基を有していてもよいベンゼン環」は、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素等)、C1-6アルキル基(例えば、メチル、エチル等)、及びモノ−C1-6アルキルアミノ基から選ばれた1ないし2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環等が好ましい。
【0016】
前記式中、R1は置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。
1で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」の好ましいものは、例えばアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等のC1-6アルキル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル等のC2-6アルケニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル等のC2-6アルキニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基等)及びアリール基(例えば、フェニル等のC6-14アリール基等)等、特にアルキル基(例えば、メチル等のC1-6アルキル基等)及びシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル等のC3-6シクロプロピル等)等が汎用される。該「アルキル基」、「アルケニル基」、「アルキニル基」、「シクロアルキル基」、「アリール基」は、例えば前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基(好ましくは、フッ素等のハロゲン原子等)等を1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0017】
1で示される「置換基を有していてもよいアミノ基」の置換基の好ましいものとしては、例えば置換基を有していてもよい低級アルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基等が1又は2個用いられ、特に置換基を有していてもよい低級アルキル基等が1個用いられる。該「低級アルキル基」は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル等のC1-6アルキル基等が用いられる。該「低級アルキル基」は、例えば前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基等を1ないし3個有していてもよい。該「アリール基」は、例えばフェニル基等のC6-10アリール基等が用いられる。該「アリール基」は、例えば前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基(好ましくは、フッ素、塩素等のハロゲン原子、メトキシ、エトキシ等のC1-6アルコキシ基等)を1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。該「置換基を有していてもよいアミノ基」としては、例えば1ないし3個の低級アルコキシ基(例、メトキシ等のC1-4アルコキシ基等)で置換されたフェニルアミノ基、又は低級アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチル等のC1-4アルキル基等)で置換されたモノアルキルアミノ基等が汎用される。
【0018】
1で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」の好ましいものとしては、例えば炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれた1ないし3個のヘテロ原子を含む5又は6員複素環基等が用いられる。具体的には、例えば1−,2−又は3−ピロリジニル、2−又は4−イミダゾリニル、2−、3−又は4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−、3−又は4−ピペリジル、1−又は2−ピペラジニル、モルホリニル、2−又は3−チエニル、2−、3−又は4−ピリジル、2−フリル又は3−フリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピロリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル等が挙げられる。特に好ましくは、6員含窒素複素環基(例、ピリジル等)等が用いられる。
1で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の置換基の好ましいものとしては、例えばハロゲン原子(例えば塩素、フッ素等)、C1-6アルキル基(例えばメチル、エチル等)、C1-6アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル等のC7-12アラルキルオキシ−カルボニル等)等等が用いられる。
【0019】
1は、例えば(i)置換基を有していてもよい低級アルキル基、(ii)置換基を有していてもよい低級シクロアルキル基、(iii)置換基を有していてもよい低級アルケニル基、(iv)置換基を有していてもよいアリール基、(v)置換基を有していてもよいモノ又はジ低級アルキルアミノ基、(vi)置換基を有していてもよいアリールアミノ基又は(vii)置換基を有していてもよい5又は6員含窒素複素環基等が好ましい。
前記「低級アルキル基」は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アルキル基等が好ましい。「低級シクロアルキル基」は、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基等が好ましい。「低級アルケニル基」は、例えばビニル、1−プロペニル、ブテニル等のC2-6アルケニル基等が好ましい。「アリール基」は、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等のC6-10アリール基等が好ましい。「低級アルキルアミノ基」は、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ等のモノ−又はジ−C1-6アルキルアミノ基等が好ましい。「アリールアミノ基」は、例えばフェニルアミノ等のC6-10アリールアミノ基等が好ましい。「5又は6員含窒素複素環基」は、例えば2−、3−又は4−ピリジル等の5又は6員含窒素複素環基等が好ましい。これらの基が有していてもよい置換基としては、例えば前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基等が1ないし5個用いられる。
【0020】
1の更に好ましい例は、i)ハロゲン又はC1-6アルコキシ基でそれぞれ1ないし4個置換されていてもよいC1-6アルキル基、ii)C3-6シクロアルキル基、iii)C2-6アルケニル基、iv)C1-6アルコキシ、ニトロ、ハロゲノC1-6アルキル−カルボニルアミノ又はハロゲン原子でそれぞれ1ないし4個置換されていてもよいC6-10アリール基、v)モノ−又はジ−C1-6アルキルアミノ基、vi)1ないし3個のC1-6アルコキシ基で置換されていてもよいC6-10アリールアミノ基又はvii)C7-11アラルキルオキシカルボニル基で1ないし2個置換されていてもよい6員含窒素複素環基等である。特に、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例えば、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等)、C3-6シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)又はモノ−C1-6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ等)等が汎用され、中でも、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基又はモノ−C1-6アルキルアミノ基、特にハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基、とりわけC1-3アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル等)が好ましい。
【0021】
前記式中、R2は水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。
2としては水素原子又は置換基を有していてもよい低級(C1-6)アルキル基が好ましく用いられ、より好ましくは、水素原子又は低級(C1-6)アルキル基、特に水素原子が汎用される。
前記式中、R3は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。
3で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」の好ましいものとしては、例えばアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等のC1-6アルキル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル等のC2-6アルケニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル等のC2-6アルキニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基等)及びアリール基(例えば、フェニル等のC6-14アリール基等)等、特にアルキル基(例えば、メチル等のC1-6アルキル基等)及びアリール基(例えば、フェニル等のC6-14アリール基等)等が汎用される。該「アルキル基」、「アルケニル基」、「アルキニル基」、「シクロアルキル基」、「アリール基」は、例えば前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基(好ましくは、フッ素等のハロゲン原子等)等を1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0022】
3で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」の好ましいものとしては、例えば炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれた1ないし3個のヘテロ原子を含む5又は6員複素環基等が用いられる。具体的には、例えば1−,2−又は3−ピロリジニル、2−又は4−イミダゾリニル、2−、3−又は4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−、3−又は4−ピペリジル、1−又は2−ピペラジニル、モルホリニル、2−又は3−チエニル、2−、3−又は4−ピリジル、2−又は3−フリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピロリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル等が挙げられる。特に好ましくは、6員含窒素複素環基(例、ピリジル等)等が用いられる。
3で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の置換基の好ましいものとしては、例えばハロゲン原子(例えば塩素、フッ素等)、C1-6アルキル基(例えばメチル、エチル等)、C1-6アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル等のC7-12アラルキルオキシ−カルボニル等)、アミノ基、モノ−C1-6アルキルアミノ基(例えばメチルアミノ、エチルアミノ等)、ジ−C1-6アルキルアミノ基(例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)等等が用いられる。
3は、例えば(i)水素原子、(ii)置換基を有していてもよい低級アルキル基、(iii)置換基を有していてもよいアリール基、(iv)置換基を有していてもよい5又は6員複素環基等が好ましく、更に例えば(i)水素原子、(ii)低級アルキル基、(iii)置換基を有していてもよいC6-10アリール基、(iv)置換基を有していてもよい6員含窒素複素環基等が好ましい。該置換基としてはハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノ基、モノ−C1-6アルキルアミノ基、ジ−C1-6アルキルアミノ基等が挙げられる。更に好ましくは、R3は水素原子、フェニル基、2−、3−又は4−ピリジル基である。特に好ましくは水素原子である。
【0023】
前記式中、XはCHR4、NR4、O又はS(R4は水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す)を示す。
4としてはそれぞれ水素原子又は置換基を有していてもよい低級(C1-6)アルキル基が好ましく、水素原子が汎用される。
Xは好ましくは、CHR4(R4は前記と同意義を示す)、O又はSである。あるいは、XはCHR4又はNR4(R4は前記と同意義を示す)が好ましい。
前記式中、YはC、CH又はNを示す。好ましくはC又はCHである。
【0024】
前記式中、A環は置換基を有していてもよい5ないし7員の酸素原子を含む複素環を示す。
該「5ないし7員の酸素原子を含む複素環」とは、炭素原子及び酸素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれた1種又は2種を1ないし3個(好ましくは1又は2個)含んでいてもよい5ないし7員(好ましくは5又は6員)の複素環等が挙げられる。該環としては、式
【化23】
Figure 0003841628
〔式中、Eは(i)CH2CH2、(ii)CH=CH、(iii)CH2O、(iv)OCH2、(v)CH2S(O)q'(q'は0ないし2の整数)、(vi)S(O)q'CH2(q'は前記と同意義)、(vii)CH2NH、(viii)NHCH2、(ix)N=N、(x)CH=N、(xi)N=CH又は(xii)CONH を示し、n'は0ないし2の整数を示す。〕で表わされる環が好ましい。
Eは(i)CH2CH2、(ii)CH=CH、(iii)CH2O、(iv)OCH2、(v)CH2NH、(vi)NHCH2、(vii)N=N、(viii)CH=N又は(ix)N=CHが好ましく、特に(i)CH2CH2又は(ii)CH=CHが好ましい。
具体的には、例えば2,3−ジヒドロフラン、フラン、1,3−ジオキソール、オキサゾリン、イソオキサゾール、1,2,3−オキサジアゾール、オキサゾール等の酸素原子を含む5員複素環、例えば2H−3,4−ジヒドロピラン、2H−ピラン、2,3−デヒドロ−1,4−ジオキサン、2,3−デヒドロモルホリン等の酸素原子を含む6員複素環等が好ましい。
更に好ましくは、式
【化24】
Figure 0003841628
〔式中、nは前記と同意義を示す。〕で表わされる環である。
具体的には、例えば、2,3−ジヒドロフラン、フラン、2H−3,4−ジヒドロピラン、2H−ピランが汎用される。
【0025】
A環の置換基としては、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよい低級アルキニル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、低級アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のC1-6アルコキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ等のC6-10アリールオキシ基等)、低級アルカノイル基(例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等のC1-6アルキル−カルボニル基等)、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基等のC6-10アリール−カルボニル基等)、低級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等のC1-6アルキル−カルボニルオキシ基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等のC6-10アリール−カルボニルオキシ基等)、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニル基等)、アラルキルオキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC7-11アラルキルオキシ−カルボニル基等)、カルバモイル基、チオカルバモイル基、モノ−、ジ−又はトリ−ハロゲノ−低級アルキル基(例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル等のモノ−、ジ−又はトリ−ハロゲノ−C1-4アルキル基等)、オキソ基、アミジノ基、イミノ基、アミノ基、モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ等のモノ−C1-4アルキルアミノ基等)、ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、メチルエチルアミノ等のジ−C1-4アルキルアミノ基等)、炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミノ基(例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジル、モルホリニル、ジヒドロピリジル、ピリジル、N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル等の3ないし6員の環状アミノ基等)、アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基等)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、スルホ基、スルフィノ基、ホスホノ基、スルファモイル基、モノアルキルスルファモイル基(例えば、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N-プロピルスルファモイル、N-イソプロピルスルファモイル、N-ブチルスルファモイル等のモノ−C1-6アルキルスルファモイル基等)、ジアルキルスルファモイル基(例えば、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、N,N-ジブチルスルファモイル等のジ−C1-6アルキルスルファモイル基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等のC1-6アルキルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等のC6-10アリールチオ基等)、低級アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル等のC1-6アルキルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル等のC6-10アリールスルフィニル基等)、低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-10アリールスルホニル基等)等が用いられる。
該「低級アルキル基」、「低級アルケニル基」、「低級アルキニル基」、「低級シクロアルキル基」、「アリール基」は、例えば、前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基等を1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0026】
A環の置換基として好ましくは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置換基を有していてもよいC1-6アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、オキソ基等が挙げられる。該「置換基を有していてもよいC1-6アルキル基」、「置換基を有していてもよいC1-6アルコキシ基」、「置換基を有していてもよいアミノ基」の「置換基」は例えば、前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基を示す。
該A環は、前記の置換基を、環の大きさに応じて、置換可能な位置に1ないし4個、好ましくは1ないし2個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一又は異なっていてもよい。
A環としては、例えば、
【化25】
Figure 0003841628
〔nは前記と同意義を示し、R5は水素原子又は上記「A環の好ましい置換基」で表された置換基1又は2個を示す。〕等が挙げられる。中でも、R5が水素原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基であるもの、特にR5が水素原子であるもの(無置換A環)が汎用される。
【0027】
前記式中、B環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。
B環の置換基としては、例えば上記「置換基を有していてもよいベンゼン環」の「置換基」が挙げられる。中でも、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい低級(C1-6)アルキル基が好ましく、特にハロゲン原子又は低級(C1-6)アルキル基(好ましくはメチル)が汎用される。該「置換基を有していてもよい低級(C1-6)アルキル基」の「置換基」は例えば、前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基を示す。
B環は該置換基を置換可能な位置に1又は2個、好ましくは1個有していてもよく、置換基数が2個の場合は各置換基は同一又は異なっていてもよい。
B環としては、例えば、
【化26】
Figure 0003841628
〔R6は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい低級(C1-6)アルキル基又は置換基を有していてもよい低級(C1-6)アルコキシ基を示す。〕等が好ましい。R6は、例えば水素原子、ハロゲン原子又は低級(C1-6)アルキル基(好ましくはメチル)が好ましい。更に好ましくは水素原子である。
【0028】
前記式中、mは1ないし4の整数を示す。mは1ないし3の整数が好ましい。更に、mは2又は3が好ましく、特に、mは2のときが好ましい。
前記式中、nは0ないし2の整数を示す。nは0又は1の整数が好ましい。
特に、nは0のときが好ましい。
【化27】
Figure 0003841628
〔式中、R4'は置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、その他の各記号は前記と同意義を示す。〕等が挙げられる。
4'は好ましくは置換基を有していてもよい低級(C1-3)アルキルである。
【0029】
【化28】
Figure 0003841628
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕等が示される。中でも、
【化29】
Figure 0003841628
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕等が好ましい。
【化30】
Figure 0003841628
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕等が好ましく用いられる。
【0030】
このうち、
【化31】
Figure 0003841628
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕等が好ましい。特に好ましくは
【化32】
Figure 0003841628
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕である。
【0031】
化合物(I)としては、例えば以下の構造式を有するもの等が特に汎用される。
【化33】
Figure 0003841628
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕
【0032】
化合物(I)の好ましい例として、式
【化34】
Figure 0003841628
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物等が挙げられる。
【0033】
また、化合物(I)の好ましい例としては、
1が(i)置換基を有していてもよい低級アルキル基、(ii)置換基を有していてもよい低級シクロアルキル基、(iii)置換基を有していてもよい低級アルケニル基、(iv)置換基を有していてもよいアリール基、(v)置換基を有していてもよいモノ又はジ低級アルキルアミノ基、(vi)置換基を有していてもよいアリールアミノ基又は(vii)置換基を有していてもよい5又は6員含窒素複素環基、
2が水素原子又は置換基を有していてもよい低級(C1-6)アルキル基、
3が(i)水素原子、(ii)置換基を有していてもよい低級アルキル基又は(iii)置換基を有していてもよいアリール基、
XがCHR4又はNR4(R4は水素原子又はオキソ基で置換されていてもよい低級(C1-6)アルキル基を示す)、
【化35】
Figure 0003841628
A環が置換基を有していてもよい5ないし7員の酸素原子を含む複素環、
B環が置換基を有していてもよいベンゼン環、及び
mが1又は2である化合物等が挙げられる。
【0034】
更に好ましくは、
1が i)ハロゲン又はC1-6アルコキシ基でそれぞれ1ないし4個置換されていてもよいC1-6アルキル基、ii)C3-6シクロアルキル基、iii)C2-6アルケニル基、iv)C1-6アルコキシ、ニトロ、ハロゲノC1-6アルキル−カルボニルアミノ又はハロゲン原子でそれぞれ1ないし4個置換されていてもよいC6-10アリール基、v)モノ−又はジ−C1-6アルキルアミノ基、vi)1ないし3個のC1-6アルコキシ基で置換されていてもよいC6-10アリールアミノ基又はvii)C7-11アラルキルオキシ−カルボニル基で1ないし2個置換されていてもよい6員含窒素複素環基、R2が水素原子又は低級(C1-6)アルキル基、
3が、(i)水素原子、(ii)低級(C1-6)アルキル基又は(iii)C6-14アリール基、
XがCHR4又はNR4(R4は水素原子又はオキソ基で置換されていてもよい低級(C1-6)アルキル基を示す)、
【化36】
Figure 0003841628
A環が
【化37】
Figure 0003841628
〔各記号は前記と同意義を示す。〕
B環が
【化38】
Figure 0003841628
〔R6aは水素原子、ハロゲン原子又は低級(C1-6)アルキル基を示す。〕、及び
mが1又は2である化合物等が挙げられる。
【0035】
このうち、式
【化39】
Figure 0003841628
また、式
【化40】
Figure 0003841628
化合物(I)としては、例えば、N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミド、
N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(3,7,8,9−テトラヒドロピラノ[3,2−e]インドール−1−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(5−フルオロ−3,7,8,9−テトラヒドロシクロペンタ[f][l]ベンゾピラン−9−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(3,7,8,9−テトラヒドロピラノ[3,2−e]インドール−1−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(1,2,3,7,8,9−ヘキサヒドロピラノ[3,2−e]インドール−1−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(1,2,3,7,8,9−ヘキサヒドロピラノ[3,2−e]インドール−1−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(4−フルオロ−1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(4−フルオロ−1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
(R)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミド、
N−[2−(1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(7,8−ジヒドロ−6H−インデノ[4,5−d]−1,3−ジオキソール−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(7,8−ジヒドロ−6H−インデノ[4,5−d]−1,3−ジオキソール−8−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−インデノ[4,5−b]−1,4−ジオキシン−9−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−インデノ[4,5−b]−1,4−ジオキシン−9−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−フロ[3,2−e]インドール−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−フロ[3,2−e]インドール−8−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(7−フェニル−1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(7−フェニル−1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルアミド等が好ましいものとして挙げられる。
【0036】
更に好ましくは、N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミド、
N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(5−フルオロ−3,7,8,9−テトラヒドロシクロペンタ[f][1]ベンゾピラン−9−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(5−フルオロ−1,2,3,7,8,9−ヘキサヒドロシクロペンタ[f][1]ベンゾピラン−9−イル)エチル]プロピオンアミド、
(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
(R)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミド、
N−[2−(1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−フロ[3,2−e]インドール−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−フロ[3,2−e]インドール−8−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(7−フェニル−1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(7−フェニル−1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルアミドである。
特に好ましくは、(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−フロ[3,2−e]インドール−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−フロ[3,2−e]インドール−8−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(7−フェニル−1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、
N−[2−(7−フェニル−1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルアミド、
N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミドである。
化合物(I)としては、式
【化41】
Figure 0003841628
〔式中、RはC1-6アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)を示す。〕で表される化合物がとりわけ好ましく、具体的には、(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミドまたは(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミドが好ましい。
【0037】
化合物(I)の塩としては、例えば薬理学的に許容される塩等が用いられる。例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、並びにアルミニウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
中でも薬学的に許容可能な塩が好ましく、その例としては、化合物(I)内に塩基性官能基を有する場合には、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等無機酸との塩、例えば酢酸、フタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられ、酸性官能基を有する場合には、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
また、化合物(I)は、水和物であっても、非水和物であってもよい。
【0038】
化合物(I)は、例えば日本特許第2884153号に記載の方法又はこれに準じた方法等により得ることができる。
本発明の経皮吸収剤に適したメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の物理化学的性質としては、化合物が製剤から適度な速度で放出され皮膚に分布し、最終的には体循環に吸収されるためのほどよい水への溶解性(約0.005ないし約10mg/L)と油への分配率(水/オクタノール分配係数:約0.05ないし約10,000)が挙げられる。
その他の条件としては、
(1)製剤中で化合物が不安定化しない特性を持ったもの;
(2)製剤中に用いられる粘着剤、皮膚透過促進物質あるいは一般的に用いられる添加剤と反応しない特性を持ったもの;
(3)製剤の製造時に一般的に用いられるアルコール、アセトン、酢酸エチル等の揮発性の溶媒に約0.1重量%以上溶解する特性を持ったもの;
(4)分子量が約1,000を超えないもの;
(5)融点が約300℃を超えないもの;
等が好ましい。
【0039】
本発明の経皮吸収剤は、一般に経皮吸収剤に用いられる製造法又はそれに準じた方法により製造することができる。
本発明の経皮吸収製剤における形態としては、例えば取扱いや皮膚に対する密着性、密封包帯治療法による経皮吸収性がよいもの、具体的には常温で密着性を有するいわゆる粘着剤を皮膚接触体の基剤とするもの、取扱いの点から支持体(バッキング層)の片面に粘着剤層を形成した貼付剤(皮膚貼付剤等)等を用いることが好ましい。
このような経皮吸収剤では、例えば有効成分としてメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物は皮膚接触体に保持させたものが好ましい。また、皮膚接触体と支持体(バッキング層)とは一体となっているが、皮膚接触体の支持体(バッキング層)と接触していない側は、剥離ライナーのような保護体によってあるいは自体をロール状にすることによって保護されていてもよい。
また、皮膚接触体が粘着性を有していないものでもよい。このような場合には例えばテープ等によってこの製剤を固定し、皮膚接触体と皮膚との接触を維持するようにすればよい。
該皮膚接触体は主に有効成分であるメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物、粘着剤及び皮膚透過促進物質によって形成されるのが好ましい。また、必要に応じ、安定化剤、薬物溶解促進剤、抗菌剤、充填剤等も含有していてもよい。
前記粘着剤としては、常温で粘着性を有し、皮膚面に接した際に角質を傷めてカブレ等を生じることのない、従来から用いられている(メタ)アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の医薬用の粘着剤から構成することが好ましい。これらのうち、化学反応せず、品質的にも安定しており、通気性、粘着性もよい(メタ)アクリル系粘着剤が最も好ましい。
前記(メタ)アクリル系粘着剤としてはソフトセグメントとハードセグメントを含む自己架橋形成型(メタ)アクリル系コーポリマーが用いられる。例えば、(メタ)アクリル酸エステル約50ないし約80重量%と、1種又は2種以上の共重合性単量体約20ないし約50重量%を重合して得られる共重合体が用いられる。このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸若しくはメタアクリル酸と、炭素数が2ないし18、好ましくは4ないし12の1級ないし3級アルコールとから得られるエステルを用いることができる。
具体的な(メタ)アクリル系粘着剤としては、2−ヘキシルアクリレートとアクリル酸からなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレートからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとビニルピロリドンからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートと2−メトキシエチルアクリレートからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとビニルピロリドンとアクリル酸からなる共重合体等が挙げられる。
ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等が用いられる。
シリコーン系粘着剤としては、ポリオルガノシロキサン等のシリコーンゴムが用いられる。
【0040】
一方、共重合性単量体としては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも1個有すると共に、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基等の官能基を側鎖に有する単量体を用いることができる。
ヒドロキシ基を側鎖に有する単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等がある。
カルボキシル基を側鎖に有する単量体としては、(メタ)アクリル酸等のα−β不飽和カルボン酸、マレイン酸ブチル等のマレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等がある。
アミド基を側鎖に有する単量体としては、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド等のアルキル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミド等のアルキルエーテルメチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ビニルピロリドン等がある。
アミノ基を側鎖に有する単量体としては、ジメチルアミノアクリレート等がある。
これら以外に重合できる単量体として例えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルホルモリン等を用いることができる。
共重合性単量体としては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも1個有すると共に、官能基としてヒドロキシ基を側鎖に有する単量体が好ましい。例えば、ヒドロキシエチルメタアクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタアクリレート(HPMA)等が挙げられる。
【0041】
上記の重合性単量体は1種又は2種以上により共重合していてもよいが、粘着特性としての接着性、皮膚接触体中に含有するメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の放出性等の点から、カルボキシル基含有単量体や、ヒドロキシ基含有単量体の少なくとも1種を必須成分するものが好ましい。また、この単量体は約1ないし約50重量%、好ましくは約3ないし約20重量%の範囲で(メタ)アクリル酸エステルとの共重合に使用される。必要に応じて、前記に例示の他の単量体、例えば酢酸ビニルやN−ビニル−2−ピロリドンのようなビニル系単量体を約40重量%以下、好ましくは約30重量%以下の範囲で(メタ)アクリル酸エステルと共重合させるとよい。
前記(メタ)アクリル酸エステルを主体とする共重合体は、通常、重合開始剤の存在下で上述の単量体を配合して溶液重合を行うことにより調製される。溶液重合を行う場合は、所定量の各種単量体に酢酸エチル又はその他の重合溶媒を加え、攪拌装置及び冷却還流装置を備えた反応器中で、アゾビス系、過酸化物系等の重合開始剤の存在下、窒素雰囲気中で約70ないし約90℃、約8ないし約40時間反応させればよい。また、単量体は一括投入又は分割投入のいずれの方法であってもよい。
前記(メタ)アクリル酸エステルを主体とする共重合体の構成成分中、(メタ)アクリル酸エステルの割合は約50重量%以上が好ましい。
前記アゾビス系重合開始剤としては、2,2−アゾビス−イソ−ブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレリニトリル)等が挙げられる。
前記過酸化物系重合開始剤としては、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、ジ(tert−ブチル)パ−オキサイド等が挙げられる。
前記ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等が用いられる。
前記シリコーン系粘着剤としては、ポリオルガノシロキサン等のシリコーンゴムが用いられる。
【0042】
前記皮膚透過促進物質とは、主に皮膚の表面である角質に作用し、薬物の角質を透過しやすくし、結果的には効率よく経皮吸収させるための物質である。
一般に角質は、表面細胞の新陳代謝の結果できた脂質二重層から構成される細胞膜が幾重にも重なり合ってできたものである。このことにより、有害物質が容易に体内に入らないようになっている。このことは、薬物においても、通常の方法では経皮吸収されにくい理由になっている。従って、皮膚透過促進物質の主な標的は脂質二重層である。
脂質二重層に作用する物質としては、洗剤等の強力な界面活性剤、クロロホルム、エーテル類、ベンゼン等の溶媒も考えられるが、これらは脂質二重層を刺激、破壊し、有害作用を惹起するので好ましくない。
好ましい皮膚透過促進物質の性質としては、
(1)脂質二重層の膜の流動性を高めること;
(2)膜の積層構造のすきまにうるおいを持たせることによりそのすきまを広げること;
(3)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の皮膚接触体の中での溶解性を向上させ、結果的に製剤からの放出性を速めること;
等が挙げられる。
以上の性質を満たし、メラトニン分泌パターンに近い一峰性の血中濃度を与える薬物放出特性を有する促進剤としては、以下の(A)、(B)及び(C)等が挙げられる。本発明の経皮吸収剤は、これら3種の促進剤から選ばれる1種以上を含有し、好ましくは(A)、(B)及び(C)の3種を含有する。
(A)脂溶性の吸収促進剤。より好ましくは炭素数6ないし22までの脂肪酸と炭素数1ないし12のアルコール類からなる脂肪酸エステル等。
(B)水溶性吸収促進剤。より好ましくは多価アルコール類等。
(C)非イオン界面活性剤。より好ましくはラウリン酸ジエタノールアミド及びその含有物等の脂肪酸アミド類等。
【0043】
前記の炭素数6ないし22までの脂肪酸類としては、例えばカプロン酸、エナント酸、カプリル酸、モノカプリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ウンデシレン酸、ミリスチン酸、イソステアレン酸、リノール酸、パルチミン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ヘキサデセン酸等の炭素数が6ないし22(好ましくは10ないし22、より好ましくは10ないし20)のものが挙げられる。
前記の炭素数1ないし12までのアルコール類としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t-ブタノール、ヘキサノール、オクタノール等が挙げられる。ここでいう脂肪酸は、上記脂肪酸と同じ範囲の天然あるいは合成により得られるものを意味する。
従って、前記の脂肪酸エステル類としては、例えばアジピン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエステル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、パルチミン酸オクチル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸ブチル等が挙げられる。中でもミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエステル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル等が好ましく、とりわけミリスチン酸イソプロピルが好ましい。
前記の多価アルコール類としては、例えばエチレングリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール)、グリセリン、プロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール等の低分子のグリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の分子量が約200ないし約6,000の高分子のグリコール類等が挙げられ、中でも、エチレングリコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が好ましく、とりわけプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量約200〜約1000)が好ましい。
前記の非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、モノオレイン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノミリスチン酸ソルビタン、モノパルチミン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(5)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤(プルロニック L−62,L−64,F−68)等、多価アルコール脂肪酸エステル類(例えば、モノオレイン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルチミン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジミリスチン酸グリセリル、ジパルチミン酸グリセリル、モノカプリル酸プロピレングリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、トリグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、オレイン酸トリグリセリル、ラウリン酸トリグリセリル、ステアリン酸トリグリセリル、ミリスチン酸トリグリセリル、パルチミン酸トリグリセリル)、テトラグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、オレイン酸テトラグリセリル、ラウリン酸テトラグリセリル、ステアリン酸テトラグリセリル、ミリスチン酸テトラグリセリル、パルチミン酸テトラグリセリル)、ペンタグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、オレイン酸ペンタグリセリル、ラウリン酸ペンタグリセリル、ステアリン酸ペンタグリセリル、ミリスチン酸ペンタグリセリル、パルチミン酸ペンタグリセリル)、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、オレイン酸ヘキサグリセリル、ラウリン酸ヘキサグリセリル、ステアリン酸ヘキサグリセリル、ミリスチン酸ヘキサグリセリル、パルチミン酸ヘキサグリセリル)、ヘプタグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、オレイン酸ヘプタグリセリル、ラウリン酸ヘプタグリセリル、ステアリン酸ヘプタグリセリル、ミリスチン酸ヘプタグリセリル、パルチミン酸ヘプタグリセリル)、デカグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、オレイン酸デカグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル、ステアリン酸デカグリセリル、ミリスチン酸デカグリセリル、パルチミン酸デカグリセリル)等)、脂肪酸アミド類(オレイン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミノエチルアミド、ビニルピロリドン、ラウリン酸ジエタノールアミド又はその含有物、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド等)、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導第四級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム水溶液等)等が挙げられる。中でも、脂肪酸アミド、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が好ましく、とりわけ、ラウリン酸ジエタノールアミド又はその含有物(それを含有する皮膚透過促進物質)、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アミド等が更に好ましい。
また、本発明の製剤には上記以外の添加剤として、抗酸化剤、充填剤、薬物溶解補助剤、抗菌剤、皮膚刺激低減化剤等も必要に応じて配合することができる。
前記抗酸化剤としては、ビタミンE、ビタミンC等が挙げられる。
前記充填剤としては、カオリン、ベントナイト、二酸化チタン、二酸化ケイ素等が挙げられる。
前記薬物溶解補助剤としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等が挙げられる。
前記抗菌剤としては、塩化ベンサルコニウム、安息香酸、メチルパラヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
前記皮膚刺激低減化剤としては無水ケイ酸等が挙げられる。
また、更に他の吸収促進剤を添加することもできる。他の吸収促進剤としては、ポリプレニルアザシクロアルカン類(例えば、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン等)、油脂類(例えば、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、トウモロコシ胚芽油、ヒマワリ油、ヤシ油、スクワラン、スクワレン、オレンジオイル、ミネラルオイル等)等が挙げられる。
好ましい皮膚透過促進物質は脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性剤の1種ないし2種類以上配合組成からなる。また最も好ましい皮膚透過促進物質は脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性剤をすべて配合する組成からなる。好ましい脂肪酸エステルはミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル又はセバスチン酸ジエチルである。最も好ましい脂肪酸エステルはミリスチン酸イソプロピルである。また好ましい多価アルコールはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン又はポリエチレングリコールである。最も好ましい多価アルコールはプロピレングリコール又はポリエチレングリコールである。特に分子量約200〜約1000のポリエチレングリコールと充填剤の二酸化ケイ素とを組み合わせて配合すると吸着剤の糸引きが改善され好ましい。また好ましい非イオン界面活性剤は脂肪酸アミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルである。最も好ましい非イオン界面活性剤は脂肪酸アミドである。そのときの好ましい脂肪酸アミドはラウリン酸ジエタノールアミド又はその含有物である。
最も好ましい脂肪酸アミドはラウリン酸ジエタノールアミドである。
【0044】
本発明の製剤は、メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の皮膚接触体の中での溶解性を向上させ、結果的に製剤からの放出性を速めることを満足するものである。
通常、皮膚接触体にメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物を配合する場合、皮膚透過促進物質の作用が十分に行き渡り、メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物が浸透しやすくなる割合となるようにするのが好ましい。
例えば、
(1)皮膚接触体全体に対するメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の含有量は約0.01ないし約70重量%、より好ましくは約10ないし約60重量%、更に好ましくは約20ないし約50重量%;
(2)皮膚接触体全体に対する皮膚透過促進物質の含有量は約0ないし約70重量%、より好ましくは約10ないし約60重量%、更に好ましくは約20ないし約50重量%;
皮膚透過促進物質が脂肪酸エステル、多価アルコールおよび非イオン界面活性剤の1種ないし1種類以上配合組成からなる場合、そのときの皮膚接触体に占める脂肪酸エステル、多価アルコールまたは非イオン界面活性剤のそれぞれの重量は約0ないし約70重量%、より好ましくは約1ないし約30重量%(非イオン界面活性剤は約1ないし約15重量%が好ましい。)である。また皮膚透過促進物質が脂肪酸エステル、多価アルコールおよび非イオン界面活性剤を全て配合する組成からなる場合、脂肪酸エステルの配合重量を基準にして、多価アルコールの配合割合は脂肪酸エステルの約1/10から約10倍の重量、より好ましくは約1/2から約5倍の重量、最も好ましくは約1倍重量である。また非イオン界面活性剤の配合割合は脂肪酸エステルの約1/50から約10倍の重量、より好ましくは約1/20から約2倍の重量、最も好ましくは約1/4倍重量である。(3)皮膚接触体全体に対する粘着剤の含有量は約5ないし約98重量%、より好ましくは約10ないし約60重量%、更に好ましくは約20ないし約50重量%;
皮膚接触体には、その他の成分として必要に応じ前記した抗酸化剤、充填剤、薬物溶解補助剤、抗菌剤等の物質を配合することができる。これらの成分は、皮膚接触体の粘着性や皮膚透過促進物質の効果を減じない範囲で用いられ、その配合量は約0.01ないし約50重量%、好ましくは約1ないし約20重量%、更に好ましくは約1ないし約10重量%である。
【0045】
本発明の製剤の一様態である貼付剤は、粘着剤層の一方の面に支持体(バッキング層)を、他方の面に剥離ライナーを貼りあわせることにより得られる。
貼付剤の支持体(バッキング層)としては、本発明製剤中の有効成分が、投与後に効率よく吸収されるのに必要な皮膚からの水分の揮発を抑えて皮膚をむらす効果と、患者が容易に本製剤を皮膚に貼付でき、長時間貼付しても患者に違和感を与えない(ほどよい厚みで皮膚にぴったりと貼りつく)機能を有するものであればどのようなものでもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、酢酸ビニル−塩化ビニル重合体、可塑性ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン製の厚さ約50ないし約200μmのフィルム及びアルミニウム箔等が挙げられる。これらは単層シート(フィルム)、積層シートとしても、またアルミニウム箔以外の素材を使用した織布並びに不織布も使用することができる。
剥離ライナーについては、本経皮吸収製剤中の有効成分が、使用前に他のものと接触し、汚染したり、削り取られて損失することを防ぐ「覆い」の目的で使用するので、患者が本製剤を使用するときに容易にはがすことができ、かつはがした後の皮膚接触体が剥離ライナーをかぶせる以前の状態を保たれるものであればどのようなものでもよく、例えば、厚さ約50ないし約100μmのシリコン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、紙、ポリエステル、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
皮膚接触体の形成は、粘着剤、皮膚透過促進物質及びメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物を含む組成物を適当な溶媒に溶かし、得られた粘着含有溶液を支持体(バッキング層)に塗布し、乾燥して溶媒を除去することによっても行うことができる。
【0046】
本発明の製剤の1態様である貼付剤の製造法としては、支持体の上に皮膚接触体を塗工し、更に皮膚接触体面に剥離ライナーを貼付する方法、あるいは剥離ライナーに皮膚接触体を塗工し、更に皮膚接触体面に支持体を貼付する方法が挙げられる。皮膚接触体の塗工に際しては易揮発性の溶媒に溶解ざせた粘着剤の高濃度溶液に各種の皮膚透過促進物質を加えよく混和し、更に本発明のメラトニン受容体アゴニスト作用用を有する化合物を加えよく混和し、皮膚接触体の組成物が溶解した溶液あるいは一部の組成物が分散した分散溶液を作製する。このときの好ましい易揮発性の溶媒としては、適当な乾燥条件下(例えば50℃で1時間加温する条件や室温で1昼夜放置する条件が目安となる)で容易に蒸発し、最終産物である皮膚接触体に残留しないもので、仮に少量残留しても生体に有害でないものが選ばれる。例えばエチルアルコール、酢酸エチルにイソプロピルアルコール又はアセトンが約0ないし約500重量%の範囲で含まれる混合溶液等が挙げられる。
溶媒中の粘着剤の濃度は塗工効率を高めるためには高濃度が好ましいが、均一に塗工するためにはあまり高い濃度は好ましくない。使用される濃度は約10重量%ないし約500重量%の範囲で好ましくは約20重量%ないし約150重量%である。粘着剤以外の皮膚接触体組成物の溶媒中の濃度は粘着剤に対する配合割合が決まれば自動的に決まるものである。メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物はできるだけ溶解した状態が好ましいので、予め易揮発性の溶媒に高濃度に溶解ざせ溶媒溶液として加える方法が好ましく用いられる。好ましい易揮発性の溶媒としては、乾燥後の皮膚接触体への残留の心配のない上記の粘着剤を溶解させる溶媒やアセトン、エチルアルコール、メチルアルコール等が挙げられる。好ましくはアセトン又は酢酸エチルが挙げられる。このときの溶媒中のメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物濃度は過飽和かあるいはそれに近い濃度が選ばれる。その濃度として約1ないし約20重量%が用いられる。またメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の配合量が多い場合には一部溶解しない部分が生じるが、この場合でも個体粒子が微粒子であることが好ましく、溶媒に溶解する前にメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の粉末をよく粉砕し用いる。
塗工の方法としては、ガラス板のような一定の平板の上に支持体(バッキング層)あるいは剥離ライナーを固定し、その上に皮膚接触体組成物の溶媒溶液を垂らし一定の厚さとなる条件で、例えば市販の塗工器(ベーカーアプリケーター:ヨシミツ精機)のようなローラーで広げ、その後室温で1昼夜放置し溶媒を蒸発させる方法が用いられる。溶媒の蒸発条件として、初期に50℃で30分加温すると溶媒を速やかに蒸発させることができるのでそのような条件を用いてもよい。以上は比較的少量を塗工する方法であるが、多量に製造できるよう改良され一般に用いられているような回転連続式製造機械を用いることができる。皮膚接触体組成物の溶媒溶液を垂らし一定の厚さとなる条件でローラーで広げたときのその厚さは皮膚接触体の厚さに濃度から逆算される溶媒の容積を考慮し大き目の厚さとして設置される。皮膚接触体の厚さは約0.01mmないし約5mmの範囲で、好ましくは約0.05mmないし約1mmである。
本発明の製剤は、使用前に目的が達成される適当な大きさに裁断して使用してもよい。
【0047】
メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の本発明の製剤中の配合量は、投与後皮膚から血液中に吸収させ、血液中の有効成分濃度が、副作用を惹起する濃度以下で、かつ有効な濃度を長時間持続できる量であれば特に制限はないが、例えば製剤全重量の約0.1ないし約60重量%、好ましくは約0.1ないし約20重量%、より好ましくは約1ないし約10重量%である。本発明の製剤が貼付剤の場合、メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の皮膚接触部位の単位面積当たりの配合量は、例えば約0.01ないし約100mg/cm2、好ましくは約1ないし約100mg/cm2、より好ましくは約2ないし約50mg/cm2、更に好ましくは約5ないし約10mg/cm2である。なお、メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の、副作用を惹起する濃度以下の有効濃度としては、約0.5ないし約1,000ng/mL、より限定した範囲では約1ないし約500ng/mLが目安として示される。
本発明の製剤の投与回数は、例えば1ないし7日毎に1回、好ましくは1ないし3日毎に1回、より好ましくは1日1回投与(貼付)である。本発明の製剤の投与期間は、通常1ヶ月ないし5年であり、症状の進展を抑制するために、更に長期間投与されることもある。好ましくは3ヶ月ないし4年、更に好ましくは6ヶ月ないし2年である。かかる長期投与において、本発明の製剤は患者への負担を与えずに容易に投与できる。
本発明の製剤が、パッチ剤、テープ剤の場合、貼付に便利な大きさに裁断して、1枚を貼り付けるか若しくは2枚以上を身体の同一箇所又は別の場所に貼付してもよい。貼付する場所は特に限定されないが、体毛の少ない部位が好ましく、例えば、腕部内側、背中、大腿部内側等に貼付する。このうち、腕部位が好ましい。
メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の血中濃度パターンは、正常人のメラトニンの分泌パターンに類似することが好ましい。すなわち、正常人のメラトニン分泌は、ジャーナル オブ クリニカル エンドクリノロジー アンド メタボリズム(Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism) 73:1276−1280(1991)に報告されているように、夜間に高まり、血中のメラトニン濃度は夕方から朝にかけて1峰性のパターンを描く。したがって、化合物の血中濃度のパターンは夕方から朝にかけて(投与後約12時間の間で)1峰性のパターンを描くことが好ましい。
そのときの経皮剤の投与のタイミングが夕方あるいは就寝前(就寝約6時間前〜就寝直前)が好ましい。
血中濃度のピーク出現時間は投与後約10時間以内に出現することが好ましい。
化合物の有効濃度は起床前約1ないし約2時間まで持続され、その後減衰することが好ましい。有効濃度の持続時間は睡眠時間と呼応し、約6ないし約12時間が好ましい。
【0048】
本発明の製剤は、毒性が低く、かつ、副作用も少ないため、医薬品として有用である。
本発明の製剤の投与量は、主薬であるメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の種類と含量、剤形、メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物放出の持続時間、対象疾病、対象動物などによって種々異なるが、メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の有効量であればよい。主薬であるメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の1回当たりの投与量としては、例えば、成人1人当たり約0.05mg〜10mg/kg体重の範囲、好ましくは約0.1mg〜3mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。
本発明の製剤は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、メラトニンアゴニスト又はアンタゴニストとして作用し、メラトニン受容体親和性組成物、特にメラトニン受容体アゴニスト作用を有する組成物として有用であり、生体リズム調節障害等のメラトニンにより影響される可能性のある疾患、例えば睡眠覚醒リズム障害、時差ボケ(jet lag)、三交替勤務等による体調の変調、季節的憂鬱病、生殖及び神経内分泌疾患、老人性痴呆、アルツハイマー病、老化に伴う各種障害(例えば、老化防止等)、脳循環障害(脳卒中等)、頭部外傷、骨髄損傷、ストレス、てんかん、痙攣、不安、うつ病、パーキンソン病、高血圧、緑内症、癌、不眠症、糖尿病等の予防・治療に使用でき、更に、免疫調節、向知能、精神安定又は排卵調整(例えば、避妊)に対しても有効である。本発明の製剤は、例えば生体リズム調節剤、好ましくは睡眠障害治療剤(例えば、睡眠導入剤等)、睡眠覚醒リズム調節剤(睡眠覚醒リズム調整作用も含む)、時間帯域変化症候群、いわゆる時差ボケ(jet lag)の予防治療剤等として用いられる。例えば睡眠障害の患者(体重約60kg)の治療には、有効成分を約1ないし約10重量%含有する本発明製剤を就寝前に腕部内側に1日1回、1ヶ月間適用する。
また、本発明の製剤は、メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物以外の他の活性成分(例えば、ベンゾジアゼピン系化合物であるトリアゾラム、ジアゼパム、アルプラゾラム、エスタゾラム等のベンゾジアゼピン系薬剤、ゾルピデム、ザレプロン、ゾピクロン、ブロチゾラム等の非ベンゾジアゼピン系薬剤、脂肪酸誘導体であるブトクタミド又はその塩等の睡眠リズム調整剤、シス−9,10−オクタデセノアミド等の睡眠物質等)と適宜、適量組み合わせて併用してもよい。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下に実施例、試験例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【実施例】
実施例1
【表1】
Figure 0003841628
45%(w/w)自己架橋形成型アクリル系コーポリマー(DuroTakTM87-2979; National Starch&Chemical)の酢酸エチル/イソプロパノール8:2(容積比)溶液にラウリン酸ジエタノールアミド(アミノーンTM L-02; KAO Corporation Chemicals)、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール及び(S)-N-[2-(1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-インデノ[5,4-b]フラン-8-イル)エチル]プロピオンアミド(化合物Aと称する)をそれぞれ皮膚接触体総重量の5.0重量%、20.0重量%、20.0重量%、及び7.5重量%となるような配合比で加えてよく混和させ、この混合溶液5.6gをキャスティング装置(ベーカーアプリケーター:ヨシミツ精機)のプレート上に広げたフルオロポリマー処理ポリエステルフィルム(ScotchpakTM 1022;スリーエム社、厚さ75μm、マージ部を含めた総面積:450cm2)上に垂らし、ローラーで乾燥後の厚み0.1mmとなるよう広げ、室温で一昼夜溶媒を自然乾燥させ、更に皮膚接触面と反対側の面に支持体(バッキング層、ポリエチレンフィルム、CoTranTM 9720;スリーエム社、厚さ76μm)を貼付することにより本発明の経皮吸収剤を得た。
【0050】
実施例2
【表2】
Figure 0003841628
45%(w/w)自己架橋形成型アクリル系コーポリマー(DuroTakTM87-2979; National Starch&Chemical)の酢酸エチル/イソプロパノール8:2(容積比)溶液にラウリン酸ジエタノールアミド(アミノーンTM L-02; KAO Corporation Chemicals)、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール及び化合物Aをそれぞれ皮膚接触体総重量の5.0重量%、20.0重量%、20.0重量%、及び2.0重量%となるような配合比で加えてよく混和させ、実施例1と同じ条件及び方法で本発明の経皮吸収剤を得た。
【0051】
実施例3
粘着剤である自己架橋形成型アクリル系コーポリマー、ラウリン酸ジエタノールアミド及び有効成分である化合物Aの割合が93:5:2(w/w)となるよう混合した組成物を調製し、実施例1と同じ条件及び方法で本発明の経皮吸収剤を得た。
【0052】
実施例4
【表3】
Figure 0003841628
〔表3〕に示すように実施例2における3種の皮膚透過促進剤から1種を抜いた3処方(Rp.AないしC)の皮膚接触体組成物を調製し、実施例1と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製した。
【0053】
実施例5
実施例1におけるプロピレングリコール代わりに1、3ブチレングリコールを同じ量配合する組成で、実施例1と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製する。
【0054】
実施例6
実施例1におけるプロピレングリコールの代わりに分子量400のポリエチレングリコールを同じ量配合する組成で、実施例1と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製する。
【0055】
実施例7
実施例1におけるにおけるミリスチン酸イソプロピルの代わりにパルミチン酸イソプロピルを同じ量配合する組成で、実施例1と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製する。
【0056】
実施例8
実施例1におけるにおけるミリスチン酸イソプロピルの代わりにミリスチン酸ブチルを同じ量配合する組成で、実施例1と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製する。
【0057】
実施例9
実施例2におけるミリスチン酸イソプロピルの代わりにセバシン酸ジエチルを同じ量配合する組成で、実施例2と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製する。
【0058】
実施例10
実施例1における化合物Aの代わりにN-[2-(1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-インデノ[5,4-b]フラン-8-イル)エチル]アセトアミドを同じ量配合する組成で、実施例2と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製する。
【0059】
実施例11
実施例1におけるラウリン酸ジエタノールアミンのの代わりにヤシ脂肪酸ジエタノールアミドを同じ量配合する組成で、実施例1と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製する。
【0060】
実施例12
【表4】
Figure 0003841628
41%(w/w)自己架橋形成型アクリル系コーポリマー(DuroTakTM387-2516; National Starch&Chemical)の酢酸エチル/エタノール溶液にラウリン酸ジエタノールアミド(アミノーンTM L-02; KAO Corporation Chemicals)、ミリスチン酸イソプロピル、ポリエチレングリコール600、二酸化ケイ素及び化合物Aをそれぞれ皮膚接触体総重量(120重量%)の10.0重量%、10.0重量%、10.0重量%、20.0重量%及び2.0重量%となるような配合比で加えてよく混和させ、実施例1と同じ条件及び方法で本発明の経皮吸収剤を得た。
【0061】
実施例13
実施例12における化合物Aの代わりに参考例1で得られた(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミドを同じ量配合する組成で実施例1と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製する。
【0062】
参考例1 (S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミド
(S)-2-[1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-インデノ[5,4-b]フラン-8-イル]エチルアミン塩酸塩(71.92 g、0.3 mol)のジクロロメタン溶液(500 mL)にトリエチルアミン(104.6 mL、0.75 mol)、ジメチルアミノピリジン(3.67 g、0.03 mol)および無水酢酸(31.2 mL、0.33 mol)を氷冷下加えた後、室温にて16時間撹拌した。反応液を冷水に注ぎ、有機層を分離した。有機層を1N塩酸および飽和食塩水で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥後、少量のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)にて精製した。溶媒を減圧下留去後、得られた結晶をイソプロピルエーテル/酢酸エチルから再結晶して、表題化合物(収量 53.2 g、収率 72%)を得た。
融点 118-120℃。
NMR(CDCl3) δ:1.50-1.92 (2H, m), 1.96 (3H, s), 1.96-2.13 (1H, m), 2.19-2.38 (1H, m), 2.67-2.95 (2H, m), 3.00-3.9 (5H, m), 4.43-4.64 (2H, m), 5.43 (1H, br), 6.62 (1H, d, J=7.8Hz), 6.95 (1H, d, J=7.8Hz)。
元素分析値:C15H19NO2として
計算値:C,73.44, H,7.81, N,5.71。
実測値:C,73.56, H,7.89, N,5.86。
旋光度:[α]D = -59.1° (c=1.0%、クロロホルム)。
【0063】
試験例1
7週齢の雄性SDラット(体重約250g、1投与群3又は4匹)をエーテルで麻酔し、腹部を除毛した後、貼付面積30cm2又は7.1cm2になるよう裁断した実施例1及び2の経皮吸収剤を貼付し、更にこの貼付剤が剥がれないよう上から伸縮性の包帯で巻き固定した。なお、投与した経皮吸収剤中の化合物Aの含有量は実施例1及び2の経皮吸収剤でそれぞれ30cm2当たり27mg、9mgと計算された。
貼付後は非麻酔下で飼育ケージに戻し、定期的に尾静脈から採血し、血中の化合物Aの濃度をHPLCにて定量した。
ア)血漿中からの薬物の抽出
10mLの試験管に血漿0.1mLを取り、更に0.05Mリン酸バッファー(pH7)0.5mL及びジエチルエーテル5mLを加え、15分振とうして薬物をエーテルで抽出し、そのエーテル溶液4.5mLを蒸発乾固させた後、HPLC用溶離液を加え溶解させ、HPLC定量サンプルとした。
Figure 0003841628
〔表5〕に各投与剤貼付後の最高血漿中の化合物Aの濃度(Cmax)及びその到達時間(Tmax)、同製剤の静脈内投与に対する生物学的利用率(BA)を示す。
【表5】
Figure 0003841628
実施例1及び2の経皮吸収剤においては、貼付後6ないし8時間で最高血中濃度の達する一峰性の血中濃度推移を示し、吸収量は製剤への仕込量及び貼付面積に依存することが確認された。また、いずれの投与群においても実験終了時の薬剤貼付部位の皮膚の観察において異常は認められなかった。
【0064】
試験例2
試験例1と同様に実施例3の経皮吸収剤をラットの腹部に貼付投与し、投与後の血中の化合物Aの濃度を試験例1と同様にして測定した結果、0ないし24時間の平均血漿中濃度は約50ng/mLで、BAは約12%であった。
【0065】
試験例3
試験例1と同様に実施例4の経皮吸収剤をラットの腹部に貼付投与し、投与後の血中の化合物Aの濃度を試験例1と同様にして測定した結果、処方A,Bは0ないし24時間の平均血漿中濃度は約50ng/mLでBAは各々15及び20%であった。処方Cは8時間にCmax 210ng/mLを示し、BAは30%であった。
【0066】
比較例
粘着剤である自己架橋形成型アクリル系コーポリマー及び有効成分である化合物Aの割合が98:2(w/w)となるよう混合した組成物を調製し、実施例1と同じ条件及び方法で比較経皮吸収剤を得た。この製剤を、試験例1と同様にラットの腹部に貼付投与し、投与後の血中の化合物Aの濃度を試験例1と同様にして測定した結果、0ないし24時間の平均血漿中濃度は10ng/mL以下で明確なCmaxを持たない血中濃度推移を示し、BAは約2%であった。
以上より、本発明の経皮吸収剤が、皮膚接触面を通して体内に有効成分を簡便な投与で吸収させることができ、血中の有効成分の濃度が6ないし12時間維持されるような望ましい血中濃度推移特性を有することがわかる。
【0067】
【発明の効果】
本発明の経皮吸収剤は、メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物を簡便な投与で吸収させることができ、経口剤で投与する場合に比較して、血中の有効成分の濃度が6ないし12時間維持されるような望ましい血中濃度推移特性を有し、夜間のメラトニン分泌の減少に起因する疾病に対する治療に効果を発揮させることができる。

Claims (32)


  1. Figure 0003841628
    〔式中、R1は置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基又は置換基を有していてもよい複素環基、
    2は水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基、
    3は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基、
    XはCHR4、NR4、O又はS(R4は水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)、
    YはC、CH又はN(但し、XがCH2を示す場合、YはC又はCHである)、
    Figure 0003841628
    A環は置換基を有していてもよい5ないし7員の酸素原子を含む複素環、
    B環は置換基を有していてもよいベンゼン環、及び
    mは1ないし4の整数を示す。〕で表される化合物又はその塩であるメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物と、炭素数6ないし22のカルボン酸と炭素数1ないし12のアルキルアルコールとのエステル体である脂肪酸エステル、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン及びポリエチレングリコールから選ばれる多価アルコール、及び脂肪酸アミドである非イオン界面活性剤とを含有する経皮吸収剤。
  2. メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物がメラトニンML1受容体アゴニスト作用を有する化合物である請求項1記載の経皮吸収剤。
  3. メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物が式
    Figure 0003841628
    〔式中、RはC1-6アルキル基を示す。〕で表される化合物である請求項1記載の経皮吸収剤。
  4. メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物が(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミドである請求項1記載の経皮吸収剤。
  5. メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物が(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミドである請求項1記載の経皮吸収剤。
  6. 脂肪酸エステルがミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル又はセバシン酸ジエチルである請求項1記載の経皮吸収剤。
  7. 脂肪酸エステルがミリスチン酸イソプロピルである請求項1記載の経皮吸収剤。
  8. 多価アルコールがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール及びグリセリンから選ばれる請求項1記載の経皮吸収剤。
  9. 多価アルコールがプロピレングリコールである請求項1記載の経皮吸収剤。
  10. 多価アルコールがポリエチレングリコールである請求項1記載の経皮吸収剤。
  11. 多価アルコールが分子量約200〜約1000のポリエチレングリコールである請求項1記載の経皮吸収剤。
  12. 脂肪酸アミドがラウリン酸ジエタノールアミド又はその含有物である請求項1記載の経皮吸収剤。
  13. 脂肪酸アミドがヤシ脂肪酸ジエタノールアミドである請求項1記載の経皮吸収剤。
  14. (S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、ミリスチン酸イソプロピル、ポリエチレングリコール及びラウリン酸ジエタノールアミドを含有する請求項1記載の経皮吸収剤。
  15. (S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミド、ミリスチン酸イソプロピル、ポリエチレングリコール及びラウリン酸ジエタノールアミドを含有する請求項1記載の経皮吸収剤。
  16. 皮膚貼付剤である請求項1記載の経皮吸収剤。
  17. 皮膚接触体にメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物と脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性剤とを含有する請求項1記載の経皮吸収剤。
  18. 皮膚接触体に脂肪酸エステルを皮膚接触体重量に対して約1ないし約30重量%含有する請求項17記載の経皮吸収剤。
  19. 皮膚接触体に多価アルコールを皮膚接触体重量に対して約1ないし約30重量%含有する請求項17記載の経皮吸収剤。
  20. 皮膚接触体に非イオン界面活性剤を皮膚接触体重量に対して約1ないし約15重量%含有する請求項17記載の経皮吸収剤。
  21. 皮膚接触体に粘着剤を含有する請求項17記載の経皮吸収剤。
  22. 粘着剤がアクリル系粘着剤である請求項17記載の経皮吸収剤。
  23. 皮膚接触体にメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物を皮膚接触体重量に対して約0.01ないし約70重量%含有する請求項17記載の経皮吸収剤。
  24. 皮膚接触体に粘着剤を皮膚接触体重量に対して約5ないし約99重量%含有する請求項17記載の経皮吸収剤。
  25. 皮膚接触体の単位皮膚接触面積当りのメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の含量が約0.01ないし約100mg/cm2である請求項17記載の経皮吸収剤。
  26. 皮膚接触体に充填剤を含有する請求項17記載の経皮吸収剤。
  27. 充填剤が二酸化ケイ素である請求項26記載の経皮吸収剤。
  28. 就寝約6時間前ないし就寝直前に貼付する請求項1記載の経皮吸収剤。
  29. メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の有効血中濃度が約6ないし約12時間持続する請求項1記載の経皮吸収剤。
  30. 起床前約1ないし約2時間までメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の有効血中濃度を維持する請求項1記載の経皮吸収剤。
  31. メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の血中濃度が投与後12時間の間で1峰性のパターンを示す請求項1記載の経皮吸収剤。
  32. メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の血中濃度のピークが投与後約10時間以内に出現する請求項31記載の経皮吸収剤。
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