JP2001131089A - 経皮吸収剤 - Google Patents

経皮吸収剤

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JP2001131089A
JP2001131089A JP2000254233A JP2000254233A JP2001131089A JP 2001131089 A JP2001131089 A JP 2001131089A JP 2000254233 A JP2000254233 A JP 2000254233A JP 2000254233 A JP2000254233 A JP 2000254233A JP 2001131089 A JP2001131089 A JP 2001131089A
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勝美 伊賀
Masaomi Miyamoto
政臣 宮本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】皮膚(接触面)を通して効率よく睡眠中にのみ
接続的に体内に吸収させ(起床前には吸収が低下す
る)、自然な睡眠を起こさせる、睡眠覚醒リズムを主と
する生体リズムの調節、時差ボケ調節、睡眠障害等の予
防治療に有効な経皮吸収剤を提供する。 【解決手段】メラトニン受容体アゴニスト作用を有する
化合物と、脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオ
ン界面活性剤から選ばれる1又は2以上とを含有する経
皮吸収剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メラトニン受容体
アゴニスト作用を有する化合物を皮膚(接触面)を通し
て効率よく睡眠中にのみ持続的に体内に吸収させ(起床
前には吸収が低下する)、自然な睡眠を起こさせる、睡
眠覚醒リズムを主とする生体リズムの調節、時差ボケ調
節、睡眠障害等の予防治療に有効な経皮吸収剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】メラトニンML1受容体アゴニスト作用
を有する化合物は細胞膜上のメラトニンML1受容体に
結合しメラトニン様作用を発現する化合物である。メラ
トニンの日内変動は夜8時頃より血中濃度が上昇し夜中
の12時から2時頃に最高濃度に到達し朝8時頃までに
元のレベルに戻る。この日内変動は加齢により減少し、
このことが老人性睡眠障害等の原因の一つと考えられて
いる。一方、メラトニン受容体アゴニスト作用薬の経皮
吸収剤として、特開平6−72874号、特開平10−
182455号、特開平10−29934号及び特開平
10−29933号が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】睡眠障害の患者におい
ては、就寝後4ないし6時間でメラトニンの血中濃度が
極大値を示すことが重要で、メラトニンML1受容体ア
ゴニスト作用薬においても健常時のメラトニンパターン
を補うように血中濃度をコントロールする必要がある。
しかし、従来のメラトニン受容体アゴニスト作用薬の経
皮吸収剤は、その吸収効率は高くなく、就寝前に貼付後
血中濃度が速やかに上昇し就寝中有効血中濃度を維持し
起床時には十分に低下するような一峰性の血中濃度推移
特性を与えるものではないので、睡眠障害等の予防治療
薬として満足のできるものではない。本発明は、利便性
のよい、メラトニンML1受容体アゴニスト作用を有す
る化合物の経皮吸収剤、即ち、同化合物が就寝中に効率
よく経皮吸収され、かつメラトニン様の有効血中濃度推
移特性を有し、朝の起床時までに血中濃度が低下し起床
時には薬物の作用が持続していない、自然睡眠を起こす
就寝中適用(夜間貼付)型経皮吸収剤を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、自然睡眠
につき鋭意研究した結果、メラトニン受容体アゴニスト
作用を有する化合物と、脂肪酸エステル、多価アルコー
ル及び非イオン界面活性剤から選ばれる1又は2以上と
を初めて含有する経皮吸収剤が、予想外にも好適速度で
皮膚透過でき、経口剤で投与する場合に比較して、投与
後速やかに血中濃度が上昇し6ないし12時間有効血中
濃度を維持する血中濃度推移を示し、自然な睡眠を起こ
すことができ、生体リズムの調節薬の他、時差ボケ、睡
眠障害等の予防治療薬として有用であることを見出し、
これに基づいて本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、(1)メラトニン受容体ア
ゴニスト作用を有する化合物と、脂肪酸エステル、多価
アルコール及び非イオン界面活性剤から選ばれる1又は
2以上とを含有する経皮吸収剤、(2)メラトニン受容
体アゴニスト作用を有する化合物と脂肪酸エステル、多
価アルコール及び非イオン界面活性剤とを含有する前記
(1)記載の経皮吸収剤、(3)メラトニン受容体アゴ
ニスト作用を有する化合物がメラトニンML1受容体ア
ゴニスト作用を有する化合物である前記(2)記載の経
皮吸収剤、(4)メラトニン受容体アゴニスト作用を有
する化合物が式
【化4】 〔式中、R1は置換基を有していてもよい炭化水素基、
置換基を有していてもよいアミノ基又は置換基を有して
いてもよい複素環基、R2は水素原子又は置換基を有し
ていてもよい炭化水素基、R3は水素原子、置換基を有
していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよ
い複素環基、XはCHR4、NR4、O又はS(R4は水
素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示
す。)、YはC、CH又はN(但し、XがCH2を示す
場合、YはC又はCHである)、
【化5】 A環は置換基を有していてもよい5ないし7員の酸素原
子を含む複素環、B環は置換基を有していてもよいベン
ゼン環、及びmは1ないし4の整数を示す。〕で表され
る化合物又はその塩である前記(1)記載の経皮吸収
剤、(5)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化
合物が式
【化6】 〔式中、RはC1-6アルキル基を示す。〕で表される化
合物である前記(1)記載の経皮吸収剤、(6)メラト
ニン受容体アゴニスト作用を有する化合物が(S)−N
−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−イン
デノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピ
オンアミドである前記(1)記載の経皮吸収剤、(7)
メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物が
(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−
2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチ
ル]アセトアミドである前記(1)記載の経皮吸収剤、
(8)脂肪酸エステルが炭素数6ないし22のカルボン
酸と炭素数1ないし12のアルキルアルコールとのエス
テル体である前記(1)記載の経皮吸収剤、(9)脂肪
酸エステルがミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸
イソプロピル、ミリスチン酸ブチル又はセバシン酸ジエ
チルである前記(1)記載の経皮吸収剤、(10)脂肪
酸エステルがミリスチン酸イソプロピルである前記
(1)記載の経皮吸収剤、(11)多価アルコールがエ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブ
チレングリコール、グリセリン又はポリエチレングリコ
ールである前記(1)記載の経皮吸収剤、(12)多価
アルコールがプロピレングリコールである前記(1)記
載の経皮吸収剤、(13)多価アルコールがポリエチレ
ングリコールである前記(1)記載の経皮吸収剤、(1
4)多価アルコールが分子量約200〜約1000のポ
リエチレングリコールである前記(1)記載の経皮吸収
剤、(15)非イオン界面活性剤が脂肪酸アミド、多価
アルコール脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エ
ステルである前記(1)記載の経皮吸収剤、(16)非
イオン界面活性剤が脂肪酸アミドである前記(1)記載
の経皮吸収剤、(17)脂肪酸アミドがラウリン酸ジエ
タノールアミド又はその含有物である前記(16)記載
の経皮吸収剤、(18)脂肪酸アミドがヤシ脂肪酸ジエ
タノールアミドである前記(16)記載の経皮吸収剤、
(19)(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラ
ヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イ
ル)エチル]プロピオンアミド、ミリスチン酸イソプロ
ピル、ポリエチレングリコール及びラウリン酸ジエタノ
ールアミドを含有する前記(1)記載の経皮吸収剤、
(20)(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラ
ヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イ
ル)エチル]アセトアミド、ミリスチン酸イソプロピ
ル、ポリエチレングリコール及びラウリン酸ジエタノー
ルアミドを含有する前記(1)記載の経皮吸収剤、(2
1)皮膚貼付剤である前記(1)記載の経皮吸収剤、
(22)皮膚接触体にメラトニン受容体アゴニスト作用
を有する化合物と、脂肪酸エステル、多価アルコール及
び非イオン界面活性剤から選ばれる1又は2以上とを含
有する前記(1)記載の経皮吸収剤、(23)皮膚接触
体にメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物と
脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性
剤とを含有する前記(22)記載の経皮吸収剤、(2
4)皮膚接触体に脂肪酸エステルを皮膚接触体重量に対
して約1ないし約30重量%含有する前記(22)記載
の経皮吸収剤。(25)皮膚接触体に多価アルコールを
皮膚接触体重量に対して約1ないし約30重量%含有す
る前記(22)記載の経皮吸収剤。(26)皮膚接触体
に非イオン界面活性剤を皮膚接触体重量に対して約1な
いし約15重量%含有する前記(22)記載の経皮吸収
剤、(27)皮膚接触体に粘着剤を含有する前記(2
2)記載の経皮吸収剤、(28)粘着剤がアクリル系粘
着剤である前記(22)記載の経皮吸収剤、(29)皮
膚接触体にメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化
合物を皮膚接触体重量に対して約0.01ないし約70
重量%含有する前記(22)記載の経皮吸収剤、(3
0)皮膚接触体に粘着剤を皮膚接触体重量に対し約5な
いし約99重量%含有する前記(22)記載の経皮吸収
剤、(31)皮膚接触体の単位皮膚接触面積当りのメラ
トニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の含量が約
0.01ないし約100mg/cm2である前記(2
2)記載の経皮吸収剤、(32)皮膚接触体に充填剤を
含有する前記(22)記載の経皮吸収剤、(33)充填
剤が二酸化ケイ素である前記(32)記載の経皮吸収
剤、(34)就寝約6時間前ないし就寝直前に貼付する
前記(1)記載の経皮吸収剤、(35)メラトニン受容
体アゴニスト作用を有する化合物の有効血中濃度が約6
ないし約12時間持続する前記(1)記載の経皮吸収
剤、(36)起床前約1ないし約2時間までメラトニン
受容体アゴニスト作用を有する化合物の有効血中濃度を
維持する前記(1)記載の経皮吸収剤、(37)メラト
ニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の血中濃度が
投与後12時間の間で1峰性のパターンを示す前記
(1)記載の経皮吸収剤、(38)メラトニン受容体ア
ゴニスト作用を有する化合物の血中濃度のピークが投与
後約10時間以内に出現する前記(37)記載の経皮吸
収剤、(39)メラトニン受容体アゴニスト作用を有す
る化合物と、脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イ
オン界面活性剤から選ばれる1又は2以上とを含有する
経皮吸収剤を投与することを特徴とするメラトニンに関
連する疾患の予防・治療方法、(40)メラトニン受容
体アゴニスト作用を有する化合物を含有する経皮吸収剤
に脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活
性剤から選ばれる1又は2以上を含有することを特徴と
するメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の
経皮吸収方法、及び(41)メラトニン受容体アゴニス
ト作用を有する化合物の経皮吸収を調整するための脂肪
酸エステル、多価アルコール及び非イオン界面活性剤か
ら選ばれる1又は2以上の使用等に関する。
【0006】本発明の経皮吸収剤は、メラトニン受容体
(ML1、ML2、核内受容体等)アゴニスト作用を有す
る化合物であれば適用できるが、中でもメラトニンML
1受容体アゴニスト作用を有する化合物に好ましく適用
することができる。本発明におけるメラトニンML1
容体アゴニスト作用とは、細胞膜上のメラトニン受容体
の一つであるメラトニンML1受容体に特異的に結合
し、メラトニン結合時と同等若しくはそれ以上の効果を
発揮する作用である。メラトニンML1受容体への結合
により誘導される作用としては睡眠誘発作用等がある
が、ジアゼパム等の睡眠作用と異なり自然の睡眠に近い
睡眠が誘発されることを特徴とし、翌日に不快感を残さ
ない。それ故、メラトニンML1受容体アゴニスト作用
を有する化合物は睡眠覚醒リズムを主とする生体リズム
の調整、時差ボケ調節、睡眠障害等の治療に適用するこ
とができる。
【0007】メラトニンML1受容体アゴニスト作用を
有する化合物としては、同様の作用を有するものであれ
ば特に限定されないが、例えばメラトニン作用物質又は
その拮抗物質として、(1)EP−A−578620に
記載の式
【化7】 で表される化合物、(2)USP 411675に記載
の式
【化8】 で表される化合物、(3)特開平7−048331号
(EP−A−447285)に記載の式
【化9】 で表される化合物、(4)FR−014630に記載の
【化10】 で表される化合物、(5)EP−A−591057に記
載の式
【化11】 で表される化合物、(6)EP−A−527687に記
載の式
【化12】 で表される化合物、(7)EP−A−506539に記
載の式
【化13】 で表される化合物、
【0008】(8)特開平7−196493号又は特開
昭63−196563号記載の式
【化14】 〔式中、R1は水素、C1−C4アルキル又はC1−C4
ルコキシであり;R2は水素又はC1−C4アルキルであ
り;R3は水素、C1−C4アルキル、フェニル又は置換
フェニルであり;R4は水素、ハロアセチル、C1−C5
アルカノイル、ベンゾイル、又はハロ又はメチルで置換
されたベンゾイルであり;R5及びR6は、それぞれ独立
して、水素、又はハロであり;及びR7は水素又はC1
4アルキルである;但し、R3、R4及びR5が、それぞ
れ水素であるとき、R2はC1−C4アルキルである。〕
で示される化合物又はその塩、中でも式
【化15】 で示される化合物(LY156735)、(9)WO
97/43272記載の式
【化16】 〔式中、R1及びR2は同一又は異なって水素、C1-6
ルキル、C3-7シクロアルキル又はアリール;R3及びR
4は同一又は異なって水素、ハロゲン、C1-6アルキル又
は置換されたアリール;R5は水素又はC1-6アルキル;
nは0,1又は2:及びmは1,2,3又は4;
【化17】 を示す。〕で表される化合物又はその塩、中でも式
【化18】 で表される化合物、(10)WO 98/25606記
載の式
【化19】 〔式中、Q1及びQ2はそれぞれ水素又はハロゲン;Xは
CH2、CH又は酸素;YはCR3、CR34又は(CH
2n (n=1−4);ZはCH2、CH又は酸素;R
は水素、ハロゲン又はC1-4アルキル;mは1又は2;
1はC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-3ハロ
アルキル、C1-6アルキルアミノ、C2-6アルケニル、C
1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C1-4アルキルチオ
(C1-4)アルキル又はトリフルオロメチルアルキル;
2は水素又はC1-4アルキル;及びR3及びR4はそれぞ
れ水素又はC1-4アルキルを示す。〕で表される化合物
又はその塩、中でも式
【化20】 で表される化合物、
【0009】(11)特表平9−507057号記載の
【化21】 〔式中、R1は水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであ
り、R2は式−CR34(CH2pNR5COR6であ
り、R3、R4及びR5は、同一でも異なっていてもよ
く、水素又はC1-6アルキルであり、R6はC1-6アルキ
ル又はC3-7シクロアルキルであり、nは2、3又は4
の整数であり、pは1、2、3又は4の整数である。〕
で表される化合物又はその塩、中でも式
【化22】 で表される化合物、及び化合物(I)等が用いられる。
中でも、メラトニン受容体に対し高い親和性を示し、特
にML1受容体に対する選択性が高い化合物(I)等が
好ましい。
【0010】本明細書中で用いられる用語「置換基を有
していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」として
は、例えば、脂肪族炭化水素基、単環式飽和炭化水素基
及び芳香族炭化水素基等が挙げられ、炭素数1ないし1
6個のものが好ましい。具体的には、例えばアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基及
びアリール基等が用いられる。「アルキル基」は、例え
ば低級アルキル基等が好ましく、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c−ブチル及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等の
1-6アルキル基等が汎用される。「アルケニル基」
は、例えば低級アルケニル基等が好ましく、例えばビニ
ル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、ブテニ
ル及びイソブテニル等のC2-6アルケニル基等が汎用さ
れる。「アルキニル基」は、例えば低級アルキニル基等
が好ましく、例えばエチニル、プロパルギル及び1−プ
ロピニル等のC2-6アルキニル基等が汎用される。「シ
クロアルキル基」は、例えば低級シクロアルキル基等が
好ましく、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル及びシクロヘキシル等のC3-6シクロアルキ
ル基等が汎用される。「アリール基」は、例えばフェニ
ル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル及び2
−アンスリル等のC6-14アリール基等が好ましく、例え
ばフェニル基等が汎用される。
【0011】「置換基を有していてもよい炭化水素基」
の「炭化水素基」が有していてもよい置換基としては、
例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲ
ン化されていてもよい低級アルキル基(例えば、メチ
ル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチ
ル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、
2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチ
ル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、ペンチル、イ
ソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペ
ンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等
のハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基等)、
低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシ基
等)、アミノ基、モノ−低級アルキルアミノ基(例え
ば、メチルアミノ、エチルアミノ等のモノ−C1-6アル
キルアミノ基等)、ジ−低級アルキルアミノ基(例え
ば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1-6
ルキルアミノ基等)、カルボキシル基、低級アルキルカ
ルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル等のC
1-6アルキル−カルボニル基等)、低級アルコキシカル
ボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等
のC1-6アルコキシ−カルボニル基等)、カルバモイル
基、チオカルバモイル基、モノ−低級アルキルカルバモ
イル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモ
イル等のモノ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、
ジ−低級アルキルカルバモイル基(例えば、ジメチルカ
ルバモイル、ジエチルカルバモイル等のジ−C1-6アル
キル−カルバモイル基等)、アリールカルバモイル基
(例えば、フェニルカルバモイル、ナフチルカルバモイ
ル等のC6-10アリール−カルバモイル基等)、アリール
基(例えば、フェニル、ナフチル等のC6-10アリール基
等)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナ
フチルオキシ等のC6-10アリールオキシ基等)、ハロゲ
ン化されていてもよい低級アルキルカルボニルアミノ基
(例えば、アセチルアミノ、トリフルオロアセチルアミ
ノ等のハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カ
ルボニルアミノ基等)、オキソ基等が用いられる。該
「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素
基」は、前記の置換基を、炭化水素基の置換可能な位置
に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していても
よく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一又は
異なっていてもよい。
【0012】本明細書中で用いられる用語「置換基を有
していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例
えば炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子か
ら選ばれた1種又は2種の1ないし4個(好ましくは1
ないし3個)のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ま
しくは5ないし10員)の(単環式ないし3環式、好ま
しくは単環式又は2環式)複素環基等が挙げられる。例
えば2−又は3−チエニル、2−又は3−フリル、1
−、2−又は3−ピロリル、1−、2−又は3−ピロリ
ジニル、2−、4−又は5−オキサゾリル、3−、4−
又は5−イソオキサゾリル、2−、4−又は5−チアゾ
リル、3−、4−又は5−イソチアゾリル、3−、4−
又は5−ピラゾリル、2−、3−又は4−ピラゾリジニ
ル、2−、4−又は5−イミダゾリル、1,2,3−トリ
アゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1H−又は2H−
テトラゾリル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及
び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む
5員環基、例えば2−、3−又は4−ピリジル、N−オ
キシド−2−、3−又は4−ピリジル、2−、4−又は
5−ピリミジニル、N−オキシド−2−、4−又は5−
ピリミジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、ピペ
リジノ、2−、3−又は4−ピペリジル、チオピラニ
ル、1,4−オキサジニル、1,4−チアジニル、1,3
−チアジニル、ピペラジニル、トリアジニル、3−又は
4−ピリダジニル、ピラジニル、N−オキシド−3−又
は4−ピリダジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄
原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4
個含む6員環基、例えばインドリル、ベンゾフリル、ベ
ンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾ
リル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、キナゾ
リニル、キノキサリニル、インドリジニル、キノリジニ
ル、1,8−ナフチリジニル、ジベンゾフラニル、カル
バゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、クロマ
ニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル等の炭素原
子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれた
ヘテロ原子を1ないし4個含む2環性又は3環性縮合環
基(好ましくは、上述の5ないし6員環が炭素原子以外
に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ
原子を1ないし4個含んでいてもよい5ないし6員環基
1ないし2個と縮合して形成される基)等が用いられ
る。中でも、炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒
素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含む5な
いし7員(好ましくは5又は6員)の複素環基が好まし
い。
【0013】該「置換基を有していてもよい複素環基」
の「複素環基」が有していてもよい置換基としては、例
えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素等)、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6
ルキル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル
等のC3-6シクロアルキル基等)、低級アルキニル基
(例えば、エチニル、1-プロピニル、プロパルギル等の
2-6アルキニル基等)、低級アルケニル基(例えば、
ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテ
ニル等のC2-6アルケニル基等)、アラルキル基(例え
ばベンジル、α-メチルベンジル、フェネチル等のC
7-11アラルキル基等)、アリール基(例えば、フェニ
ル、ナフチル等のC6-10アリール基等、好ましくはフェ
ニル基等)、低級アルコキシ基(例えばメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブ
トキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のC1-6アルコ
キシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ等
のC6-10アリールオキシ基等)、低級アルカノイル基
(例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリ
ル、イソブチリル等のC1-6アルキル−カルボニル基
等)、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル基、ナ
フトイル基等のC6-10アリール−カルボニル基等)、低
級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ;ア
セチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、
イソブチリルオキシ等のC1-6アルキル−カルボニルオ
キシ基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベ
ンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等のC6-10アリール
−カルボニルオキシ基等)、カルボキシル基、低級アル
コキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポ
キシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカ
ルボニル、tert-ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキ
シ−カルボニル基等)、アラルキルオキシカルボニル
(例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC7-11アラル
キルオキシカルボニル基等)、カルバモイル基、モノ
−、ジ−又はトリ−ハロゲノ−低級アルキル基(例え
ば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチ
ル、2,2,2−トリフルオロエチル等のモノ−、ジ−又
はトリ−ハロゲノ−C1-4アルキル基等)、オキソ基、
アミジノ基、イミノ基、アミノ基、モノ−低級アルキル
アミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロ
ピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ等のモ
ノ−C1-4アルキルアミノ基等)、ジ−低級アルキルア
ミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ
プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミ
ノ、メチルエチルアミノ等のジ−C1-4アルキルアミノ
基等)、炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫
黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし
3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミノ基(例
えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピ
ロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イミ
ダゾリジニル、ピペリジル、モルホリニル、ジヒドロピ
リジル、ピリジル、N-メチルピペラジニル、N-エチルピ
ペラジニル等の3ないし6員の環状アミノ基等)、アル
キレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレ
ンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基等)、ヒド
ロキシ基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、スルホ
基、スルフィノ基、ホスホノ基、スルファモイル基、モ
ノアルキルスルファモイル基(例えば、N-メチルスルフ
ァモイル、N-エチルスルファモイル、N-プロピルスルフ
ァモイル、N-イソプロピルスルファモイル、N-ブチルス
ルファモイル等のモノ−C1-6アルキルスルファモイル
基等)、ジアルキルスルファモイル基(例えば、N,N-ジ
メチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、
N,N-ジプロピルスルファモイル、N,N-ジブチルスルファ
モイル等のジ−C1-6アルキルスルファモイル基等)、
アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プ
ロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチ
ルチオ、tert-ブチルチオ等のC1-6アルキルチオ基
等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチ
ルチオ等のC6-10アリールチオ基等)、低級アルキルス
ルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルス
ルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニ
ル等のC1-6アルキルスルフィニル基等)、アリールス
ルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル、ナフチ
ルスルフィニル等のC6-10アリールスルフィニル基
等)、低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスル
ホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチ
ルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基等)、ア
リールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル、ナ
フチルスルホニル等のC6-10アリールスルホニル基等)
等が用いられる。該「置換基を有していてもよい複素環
基」の「複素環基」は、前記の置換基を、複素環基の置
換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個
有していてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換
基は同一又は異なっていてもよい。
【0014】本明細書中で用いられる用語「置換基を有
していてもよいアミノ基」は、置換基として例えば前記
「置換基を有していてもよい炭化水素基」等を1又は2
個有していてもよいアミノ基等が挙げられる。この「ア
ミノ基」が有していてもよい置換基の好ましいものとし
ては、例えば置換基を有していてもよいC1-6アルキル
基、置換基を有していてもよいC6-10アリール基等であ
る。該「C1-6アルキル基」、「C6-10アリール基」が
有していてもよい置換基としては、前記「炭化水素基」
が有していてもよい置換基と同様のものが用いられる。
本明細書中で用いられる用語「置換基を有していてもよ
い低級アルキル基」の「低級アルキル基」は、例えばメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル等のC1-6アルキ
ル基等を示し、置換基として、例えば前記「炭化水素
基」が有していてもよい置換基等を1ないし3個有して
いてもよい。本明細書中で用いられる用語「置換基を有
していてもよい低級アルコキシ基」の「低級アルコキシ
基」は、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ
プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ
及びtert−ブトキシ等のC1-6アルコキシ基等を示し、
置換基として、例えば前記「炭化水素基」が有していて
もよい置換基等を1ないし3個有していてもよい。
【0015】本明細書中で用いられる用語「置換基を有
していてもよいベンゼン環」としては、例えばハロゲン
原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、置換
基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していて
もよいアミノ基、アミド基(例えば、ホルムアミド、ア
セトアミド等のC1-3アシルアミノ基等)、置換基を有
していてもよい低級アルコキシ基、低級アルキレンジオ
キシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ
等のC1-3アルキレンジオキシ基等)等から選ばれる1
ないし2個の置換基を置換可能な位置に有していてもよ
いベンゼン環を示す。これらの「置換基を有していても
よい炭化水素基」、「置換基を有していてもよいアミノ
基」及び「置換基を有していてもよい低級アルコキシ
基」としては、例えば前記で詳述したものと同様のもの
が用いられる。これらの「炭化水素基」、「アミノ基」
及び「低級アルコキシ基」が有する置換基の数が2個以
上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。該
「置換基を有していてもよいベンゼン環」は、例えばハ
ロゲン原子(例えば、フッ素、塩素等)、C1-6アルキ
ル基(例えば、メチル、エチル等)、及びモノ−C1-6
アルキルアミノ基から選ばれた1ないし2個の置換基で
置換されていてもよいベンゼン環等が好ましい。
【0016】前記式中、R1は置換基を有していてもよ
い炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基又は
置換基を有していてもよい複素環基を示す。R1で示さ
れる「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化
水素基」の好ましいものは、例えばアルキル基(例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等のC
1-6アルキル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル等
のC2-6アルケニル基等)、アルキニル基(例えば、エ
チニル等のC2-6アルキニル基等)、シクロアルキル基
(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基等)
及びアリール基(例えば、フェニル等のC6-14アリール
基等)等、特にアルキル基(例えば、メチル等のC1-6
アルキル基等)及びシクロアルキル基(例えば、シクロ
プロピル等のC3-6シクロプロピル等)等が汎用され
る。該「アルキル基」、「アルケニル基」、「アルキニ
ル基」、「シクロアルキル基」、「アリール基」は、例
えば前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基(好
ましくは、フッ素等のハロゲン原子等)等を1ないし5
個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0017】R1で示される「置換基を有していてもよ
いアミノ基」の置換基の好ましいものとしては、例えば
置換基を有していてもよい低級アルキル基及び置換基を
有していてもよいアリール基等が1又は2個用いられ、
特に置換基を有していてもよい低級アルキル基等が1個
用いられる。該「低級アルキル基」は、例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル及びtert−ブチル等のC1-6アルキル基
等が用いられる。該「低級アルキル基」は、例えば前記
「炭化水素基」が有していてもよい置換基等を1ないし
3個有していてもよい。該「アリール基」は、例えばフ
ェニル基等のC6-10アリール基等が用いられる。該「ア
リール基」は、例えば前記「炭化水素基」が有していて
もよい置換基(好ましくは、フッ素、塩素等のハロゲン
原子、メトキシ、エトキシ等のC1-6アルコキシ基等)
を1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していても
よい。該「置換基を有していてもよいアミノ基」として
は、例えば1ないし3個の低級アルコキシ基(例、メト
キシ等のC1-4アルコキシ基等)で置換されたフェニル
アミノ基、又は低級アルキル基(例、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、tert-ブチル等のC1-4アルキル基
等)で置換されたモノアルキルアミノ基等が汎用され
る。
【0018】R1で示される「置換基を有していてもよ
い複素環基」の「複素環基」の好ましいものとしては、
例えば炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子
から選ばれた1ないし3個のヘテロ原子を含む5又は6
員複素環基等が用いられる。具体的には、例えば1−,
2−又は3−ピロリジニル、2−又は4−イミダゾリニ
ル、2−、3−又は4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、
2−、3−又は4−ピペリジル、1−又は2−ピペラジ
ニル、モルホリニル、2−又は3−チエニル、2−、3
−又は4−ピリジル、2−フリル又は3−フリル、ピラ
ジニル、2−ピリミジニル、3−ピロリル、3−ピリダ
ジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル等
が挙げられる。特に好ましくは、6員含窒素複素環基
(例、ピリジル等)等が用いられる。R1で示される
「置換基を有していてもよい複素環基」の置換基の好ま
しいものとしては、例えばハロゲン原子(例えば塩素、
フッ素等)、C1-6アルキル基(例えばメチル、エチル
等)、C1-6アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ
等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えばベンジル
オキシカルボニル等のC7-12アラルキルオキシ−カルボ
ニル等)等等が用いられる。
【0019】R1は、例えば(i)置換基を有していても
よい低級アルキル基、(ii)置換基を有していてもよい
低級シクロアルキル基、(iii)置換基を有していてもよ
い低級アルケニル基、(iv)置換基を有していてもよい
アリール基、(v)置換基を有していてもよいモノ又はジ
低級アルキルアミノ基、(vi)置換基を有していてもよ
いアリールアミノ基又は(vii)置換基を有していてもよ
い5又は6員含窒素複素環基等が好ましい。前記「低級
アルキル基」は、例えばメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6
ルキル基等が好ましい。「低級シクロアルキル基」は、
例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基等が好
ましい。「低級アルケニル基」は、例えばビニル、1−
プロペニル、ブテニル等のC2-6アルケニル基等が好ま
しい。「アリール基」は、例えばフェニル、1−ナフチ
ル、2−ナフチル等のC6-10アリール基等が好ましい。
「低級アルキルアミノ基」は、例えばメチルアミノ、エ
チルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブ
チルアミノ、tert-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジ
エチルアミノ、メチルエチルアミノ等のモノ−又はジ−
1-6アルキルアミノ基等が好ましい。「アリールアミ
ノ基」は、例えばフェニルアミノ等のC6-10アリールア
ミノ基等が好ましい。「5又は6員含窒素複素環基」
は、例えば2−、3−又は4−ピリジル等の5又は6員
含窒素複素環基等が好ましい。これらの基が有していて
もよい置換基としては、例えば前記「炭化水素基」が有
していてもよい置換基等が1ないし5個用いられる。
【0020】R1の更に好ましい例は、i)ハロゲン又は
1-6アルコキシ基でそれぞれ1ないし4個置換されて
いてもよいC1-6アルキル基、ii)C3-6シクロアルキル
基、iii)C2-6アルケニル基、iv)C1-6アルコキシ、
ニトロ、ハロゲノC1-6アルキル−カルボニルアミノ又
はハロゲン原子でそれぞれ1ないし4個置換されていて
もよいC6-10アリール基、v)モノ−又はジ−C1-6アル
キルアミノ基、vi)1ないし3個のC1-6アルコキシ基
で置換されていてもよいC6-10アリールアミノ基又はvi
i)C7-11アラルキルオキシカルボニル基で1ないし2
個置換されていてもよい6員含窒素複素環基等である。
特に、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基
(例えば、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、
トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−
ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタ
フルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、
ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−ト
リフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオ
ロヘキシル等)、C3-6シクロアルキル基(例えば、シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル等)又はモノ−C1-6アルキルアミノ基(例え
ば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イ
ソプロピルアミノ、ブチルアミノ、tert−ブチルア
ミノ等)等が汎用され、中でも、ハロゲン化されていて
もよいC1−6アルキル基又はモノ−C1-6アルキルア
ミノ基、特にハロゲン化されていてもよいC1-6アルキ
ル基、とりわけC1-3アルキル基(例えばメチル、エチ
ル、プロピル等)が好ましい。
【0021】前記式中、R2は水素原子又は置換基を有
していてもよい炭化水素基を示す。R2としては水素原
子又は置換基を有していてもよい低級(C1-6)アルキ
ル基が好ましく用いられ、より好ましくは、水素原子又
は低級(C1-6)アルキル基、特に水素原子が汎用され
る。前記式中、R3は水素原子、置換基を有していても
よい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基
を示す。R3で示される「置換基を有していてもよい炭
化水素基」の「炭化水素基」の好ましいものとしては、
例えばアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル等のC1-6アルキル基等)、アルケニ
ル基(例えば、ビニル等のC2-6アルケニル基等)、ア
ルキニル基(例えば、エチニル等のC2-6アルキニル基
等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC
3-6シクロアルキル基等)及びアリール基(例えば、フ
ェニル等のC6-14アリール基等)等、特にアルキル基
(例えば、メチル等のC1-6アルキル基等)及びアリー
ル基(例えば、フェニル等のC6-14アリール基等)等が
汎用される。該「アルキル基」、「アルケニル基」、
「アルキニル基」、「シクロアルキル基」、「アリール
基」は、例えば前記「炭化水素基」が有していてもよい
置換基(好ましくは、フッ素等のハロゲン原子等)等を
1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよ
い。
【0022】R3で示される「置換基を有していてもよ
い複素環基」の「複素環基」の好ましいものとしては、
例えば炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子
から選ばれた1ないし3個のヘテロ原子を含む5又は6
員複素環基等が用いられる。具体的には、例えば1−,
2−又は3−ピロリジニル、2−又は4−イミダゾリニ
ル、2−、3−又は4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、
2−、3−又は4−ピペリジル、1−又は2−ピペラジ
ニル、モルホリニル、2−又は3−チエニル、2−、3
−又は4−ピリジル、2−又は3−フリル、ピラジニ
ル、2−ピリミジニル、3−ピロリル、3−ピリダジニ
ル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル等が挙
げられる。特に好ましくは、6員含窒素複素環基(例、
ピリジル等)等が用いられる。R3で示される「置換基
を有していてもよい複素環基」の置換基の好ましいもの
としては、例えばハロゲン原子(例えば塩素、フッ素
等)、C1-6アルキル基(例えばメチル、エチル等)、
1-6アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ等)、
アラルキルオキシカルボニル基(例えばベンジルオキシ
カルボニル等のC7-12アラルキルオキシ−カルボニル
等)、アミノ基、モノ−C1-6アルキルアミノ基(例え
ばメチルアミノ、エチルアミノ等)、ジ−C1-6アルキ
ルアミノ基(例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ
等)等等が用いられる。R3は、例えば(i)水素原子、
(ii)置換基を有していてもよい低級アルキル基、(ii
i)置換基を有していてもよいアリール基、(iv)置換
基を有していてもよい5又は6員複素環基等が好まし
く、更に例えば(i)水素原子、(ii)低級アルキル基、
(iii)置換基を有していてもよいC6-10アリール基、
(iv)置換基を有していてもよい6員含窒素複素環基等
が好ましい。該置換基としてはハロゲン原子、C1-6
ルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノ基、モノ−C1-6
アルキルアミノ基、ジ−C1-6アルキルアミノ基等が挙
げられる。更に好ましくは、R3は水素原子、フェニル
基、2−、3−又は4−ピリジル基である。特に好まし
くは水素原子である。
【0023】前記式中、XはCHR4、NR4、O又はS
(R4は水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水
素基を示す)を示す。R4としてはそれぞれ水素原子又
は置換基を有していてもよい低級(C1-6)アルキル基
が好ましく、水素原子が汎用される。Xは好ましくは、
CHR4(R4は前記と同意義を示す)、O又はSであ
る。あるいは、XはCHR4又はNR4(R4は前記と同
意義を示す)が好ましい。前記式中、YはC、CH又は
Nを示す。好ましくはC又はCHである。
【0024】前記式中、A環は置換基を有していてもよ
い5ないし7員の酸素原子を含む複素環を示す。該「5
ないし7員の酸素原子を含む複素環」とは、炭素原子及
び酸素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から
選ばれた1種又は2種を1ないし3個(好ましくは1又
は2個)含んでいてもよい5ないし7員(好ましくは5
又は6員)の複素環等が挙げられる。該環としては、式
【化23】 〔式中、Eは(i)CH2CH2、(ii)CH=CH、(i
ii)CH2O、(iv)OCH2、(v)CH2S(O)q'
(q'は0ないし2の整数)、(vi)S(O)q'CH
2(q'は前記と同意義)、(vii)CH2NH、(viii)
NHCH2、(ix)N=N、(x)CH=N、(xi)N=
CH又は(xii)CONH を示し、n'は0ないし2の
整数を示す。〕で表わされる環が好ましい。Eは(i)
CH2CH2、(ii)CH=CH、(iii)CH2O、(i
v)OCH2、(v)CH2NH、(vi)NHCH2、(vi
i)N=N、(viii)CH=N又は(ix)N=CHが好
ましく、特に(i)CH2CH2又は(ii)CH=CHが
好ましい。具体的には、例えば2,3−ジヒドロフラ
ン、フラン、1,3−ジオキソール、オキサゾリン、イ
ソオキサゾール、1,2,3−オキサジアゾール、オキサ
ゾール等の酸素原子を含む5員複素環、例えば2H−
3,4−ジヒドロピラン、2H−ピラン、2,3−デヒド
ロ−1,4−ジオキサン、2,3−デヒドロモルホリン等
の酸素原子を含む6員複素環等が好ましい。更に好まし
くは、式
【化24】 〔式中、nは前記と同意義を示す。〕で表わされる環で
ある。具体的には、例えば、2,3−ジヒドロフラン、
フラン、2H−3,4−ジヒドロピラン、2H−ピラン
が汎用される。
【0025】A環の置換基としては、例えばハロゲン原
子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、置換基
を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有してい
てもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよい
低級アルキニル基、置換基を有していてもよい低級アル
ケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、低級
アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブ
トキシ、tert-ブトキシ等のC1-6アルコキシ基等)、ア
リールオキシ基(例えば、フェノキシ等のC6-10アリー
ルオキシ基等)、低級アルカノイル基(例えば、ホルミ
ル;アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル
等のC1-6アルキル−カルボニル基等)、アリールカル
ボニル基(例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基等のC
6-10アリール−カルボニル基等)、低級アルカノイルオ
キシ基(例えば、ホルミルオキシ;アセチルオキシ、プ
ロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキ
シ等のC1-6アルキル−カルボニルオキシ基等)、アリ
ールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、
ナフトイルオキシ等のC6-10アリール−カルボニルオキ
シ基等)、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル
基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、te
rt-ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニ
ル基等)、アラルキルオキシカルボニル(例えば、ベン
ジルオキシカルボニル等のC7-11アラルキルオキシ−カ
ルボニル基等)、カルバモイル基、チオカルバモイル
基、モノ−、ジ−又はトリ−ハロゲノ−低級アルキル基
(例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフルオ
ロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル等のモノ−、
ジ−又はトリ−ハロゲノ−C1-4アルキル基等)、オキ
ソ基、アミジノ基、イミノ基、アミノ基、モノ−低級ア
ルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミ
ノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミ
ノ等のモノ−C1-4アルキルアミノ基等)、ジ−低級ア
ルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブ
チルアミノ、メチルエチルアミノ等のジ−C1-4アルキ
ルアミノ基等)、炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素
原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を
1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミ
ノ基(例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジ
ニル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、イミダゾリジニル、ピペリジル、モルホリニル、ジ
ヒドロピリジル、ピリジル、N-メチルピペラジニル、N-
エチルピペラジニル等の3ないし6員の環状アミノ基
等)、アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキ
シ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基
等)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト
基、スルホ基、スルフィノ基、ホスホノ基、スルファモ
イル基、モノアルキルスルファモイル基(例えば、N-メ
チルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N-プロ
ピルスルファモイル、N-イソプロピルスルファモイル、
N-ブチルスルファモイル等のモノ−C1-6アルキルスル
ファモイル基等)、ジアルキルスルファモイル基(例え
ば、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルフ
ァモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、N,N-ジブチ
ルスルファモイル等のジ−C1-6アルキルスルファモイ
ル基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチ
ルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチ
オ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等のC1-6アルキ
ルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチ
オ、ナフチルチオ等のC6-10アリールチオ基等)、低級
アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニ
ル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチ
ルスルフィニル等のC1-6アルキルスルフィニル基
等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスル
フィニル、ナフチルスルフィニル等のC6-10アリールス
ルフィニル基等)、低級アルキルスルホニル基(例え
ば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルス
ルホニル、ブチルスルホニル等のC1-6アルキルスルホ
ニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニル
スルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-10アリールス
ルホニル基等)等が用いられる。該「低級アルキル
基」、「低級アルケニル基」、「低級アルキニル基」、
「低級シクロアルキル基」、「アリール基」は、例え
ば、前記「炭化水素基」が有していてもよい置換基等を
1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよ
い。
【0026】A環の置換基として好ましくは、ハロゲン
原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置
換基を有していてもよいC1-6アルコキシ基、水酸基、
ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよいアミノ
基、オキソ基等が挙げられる。該「置換基を有していて
もよいC1-6アルキル基」、「置換基を有していてもよ
いC1-6アルコキシ基」、「置換基を有していてもよい
アミノ基」の「置換基」は例えば、前記「炭化水素基」
が有していてもよい置換基を示す。該A環は、前記の置
換基を、環の大きさに応じて、置換可能な位置に1ない
し4個、好ましくは1ないし2個有していてもよく、置
換基数が2個以上の場合は各置換基は同一又は異なって
いてもよい。A環としては、例えば、
【化25】 〔nは前記と同意義を示し、R5は水素原子又は上記
「A環の好ましい置換基」で表された置換基1又は2個
を示す。〕等が挙げられる。中でも、R5が水素原子、
置換基を有していてもよいC1-6アルキル基であるも
の、特にR5が水素原子であるもの(無置換A環)が汎
用される。
【0027】前記式中、B環は置換基を有していてもよ
いベンゼン環を示す。B環の置換基としては、例えば上
記「置換基を有していてもよいベンゼン環」の「置換
基」が挙げられる。中でも、ハロゲン原子又は置換基を
有していてもよい低級(C1-6)アルキル基が好まし
く、特にハロゲン原子又は低級(C1-6)アルキル基
(好ましくはメチル)が汎用される。該「置換基を有し
ていてもよい低級(C1-6)アルキル基」の「置換基」
は例えば、前記「炭化水素基」が有していてもよい置換
基を示す。B環は該置換基を置換可能な位置に1又は2
個、好ましくは1個有していてもよく、置換基数が2個
の場合は各置換基は同一又は異なっていてもよい。B環
としては、例えば、
【化26】 〔R6は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していて
もよい低級(C1-6)アルキル基又は置換基を有してい
てもよい低級(C1-6)アルコキシ基を示す。〕等が好
ましい。R6は、例えば水素原子、ハロゲン原子又は低
級(C1-6)アルキル基(好ましくはメチル)が好まし
い。更に好ましくは水素原子である。
【0028】前記式中、mは1ないし4の整数を示す。
mは1ないし3の整数が好ましい。更に、mは2又は3
が好ましく、特に、mは2のときが好ましい。前記式
中、nは0ないし2の整数を示す。nは0又は1の整数
が好ましい。特に、nは0のときが好ましい。
【化27】 〔式中、R4'は置換基を有していてもよい炭化水素基を
示し、その他の各記号は前記と同意義を示す。〕等が挙
げられる。R4'は好ましくは置換基を有していてもよい
低級(C1-3)アルキルである。
【0029】
【化28】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕等が示され
る。中でも、
【化29】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕等が好まし
い。
【化30】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕等が好ましく
用いられる。
【0030】このうち、
【化31】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕等が好まし
い。特に好ましくは
【化32】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕である。
【0031】化合物(I)としては、例えば以下の構造
式を有するもの等が特に汎用される。
【化33】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕
【0032】化合物(I)の好ましい例として、式
【化34】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化
合物等が挙げられる。
【0033】また、化合物(I)の好ましい例として
は、R1が(i)置換基を有していてもよい低級アルキル
基、(ii)置換基を有していてもよい低級シクロアルキ
ル基、(iii)置換基を有していてもよい低級アルケニル
基、(iv)置換基を有していてもよいアリール基、(v)
置換基を有していてもよいモノ又はジ低級アルキルアミ
ノ基、(vi)置換基を有していてもよいアリールアミノ
基又は(vii)置換基を有していてもよい5又は6員含窒
素複素環基、R2が水素原子又は置換基を有していても
よい低級(C1-6)アルキル基、R3が(i)水素原子、
(ii)置換基を有していてもよい低級アルキル基又は(ii
i)置換基を有していてもよいアリール基、XがCHR4
又はNR4(R4は水素原子又はオキソ基で置換されてい
てもよい低級(C1-6)アルキル基を示す)、
【化35】 A環が置換基を有していてもよい5ないし7員の酸素原
子を含む複素環、B環が置換基を有していてもよいベン
ゼン環、及びmが1又は2である化合物等が挙げられ
る。
【0034】更に好ましくは、R1が i)ハロゲン又は
1-6アルコキシ基でそれぞれ1ないし4個置換されて
いてもよいC1-6アルキル基、ii)C3-6シクロアルキル
基、iii)C2-6アルケニル基、iv)C1-6アルコキシ、
ニトロ、ハロゲノC1-6アルキル−カルボニルアミノ又
はハロゲン原子でそれぞれ1ないし4個置換されていて
もよいC6-10アリール基、v)モノ−又はジ−C1-6アル
キルアミノ基、vi)1ないし3個のC1-6アルコキシ基
で置換されていてもよいC6-10アリールアミノ基又はvi
i)C7-11アラルキルオキシ−カルボニル基で1ないし
2個置換されていてもよい6員含窒素複素環基、R2
水素原子又は低級(C1-6)アルキル基、R3が、(i)
水素原子、(ii)低級(C1-6)アルキル基又は(iii)C
6-14アリール基、XがCHR4又はNR4(R4は水素原
子又はオキソ基で置換されていてもよい低級(C1-6
アルキル基を示す)、
【化36】 A環が
【化37】 〔各記号は前記と同意義を示す。〕B環が
【化38】 〔R6aは水素原子、ハロゲン原子又は低級(C1-6)ア
ルキル基を示す。〕、及びmが1又は2である化合物等
が挙げられる。
【0035】このうち、式
【化39】 また、式
【化40】 化合物(I)としては、例えば、N−[2−(1,6,
7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]
フラン−8−イル)エチル]アセトアミド、N−[2−
(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ
[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルアミ
ド、N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H
−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]
プロピオンアミド、N−[2−(3,7,8,9−テト
ラヒドロピラノ[3,2−e]インドール−1−イル)
エチル]プロピオンアミド、N−[2−(5−フルオロ
−3,7,8,9−テトラヒドロシクロペンタ[f]
[l]ベンゾピラン−9−イル)エチル]プロピオンア
ミド、N−[2−(3,7,8,9−テトラヒドロピラ
ノ[3,2−e]インドール−1−イル)エチル]ブチ
ルアミド、N−[2−(1,2,3,7,8,9−ヘキ
サヒドロピラノ[3,2−e]インドール−1−イル)
エチル]プロピオンアミド、N−[2−(1,2,3,
7,8,9−ヘキサヒドロピラノ[3,2−e]インド
ール−1−イル)エチル]ブチルアミド、N−[2−
(4−フルオロ−1,6,7,8−テトラヒドロ−2H
−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]
ブチルアミド、N−[2−(4−フルオロ−1,6,
7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]
フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、(S)
−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−
インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プ
ロピオンアミド、(R)−N−[2−(1,6,7,8
−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン
−8−イル)エチル]プロピオンアミド、N−[2−
(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ
[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルアミ
ド、N−[2−(1,6−ジヒドロ−2H−インデノ
[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミ
ド、N−[2−(1,6−ジヒドロ−2H−インデノ
[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオン
アミド、N−[2−(1,6−ジヒドロ−2H−インデ
ノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルア
ミド、N−[2−(7,8−ジヒドロ−6H−インデノ
[4,5−d]−1,3−ジオキソール−8−イル)エ
チル]プロピオンアミド、N−[2−(7,8−ジヒド
ロ−6H−インデノ[4,5−d]−1,3−ジオキソ
ール−8−イル)エチル]ブチルアミド、N−[2−
(2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−インデノ
[4,5−b]−1,4−ジオキシン−9−イル)エチ
ル]プロピオンアミド、N−[2−(2,3,8,9−
テトラヒドロ−7H−インデノ[4,5−b]−1,4
−ジオキシン−9−イル)エチル]ブチルアミド、N−
[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−フロ
[3,2−e]インドール−8−イル)エチル]プロピ
オンアミド、N−[2−(1,6,7,8−テトラヒド
ロ−2H−フロ[3,2−e]インドール−8−イル)
エチル]ブチルアミド、N−[2−(7−フェニル−
1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラ
ン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、N−[2−
(7−フェニル−1,6−ジヒドロ−2H−インデノ
[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]ブチルアミ
ド等が好ましいものとして挙げられる。
【0036】更に好ましくは、N−[2−(1,6,
7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]
フラン−8−イル)エチル]アセトアミド、N−[2−
(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ
[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プロピオン
アミド、N−[2−(5−フルオロ−3,7,8,9−
テトラヒドロシクロペンタ[f][1]ベンゾピラン−
9−イル)エチル]プロピオンアミド、N−[2−(5
−フルオロ−1,2,3,7,8,9−ヘキサヒドロシ
クロペンタ[f][1]ベンゾピラン−9−イル)エチ
ル]プロピオンアミド、(S)−N−[2−(1,6,
7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]
フラン−8−イル)エチル]プロピオンアミド、(R)
−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−
インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]プ
ロピオンアミド、N−[2−(1,6,7,8−テトラ
ヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イ
ル)エチル]ブチルアミド、N−[2−(1,6−ジヒ
ドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イ
ル)エチル]アセトアミド、N−[2−(1,6−ジヒ
ドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イ
ル)エチル]プロピオンアミド、N−[2−(1,6−
ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−
イル)エチル]ブチルアミド、N−[2−(1,6,
7,8−テトラヒドロ−2H−フロ[3,2−e]イン
ドール−8−イル)エチル]プロピオンアミド、N−
[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−フロ
[3,2−e]インドール−8−イル)エチル]ブチル
アミド、N−[2−(7−フェニル−1,6−ジヒドロ
−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エ
チル]プロピオンアミド、N−[2−(7−フェニル−
1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラ
ン−8−イル)エチル]ブチルアミドである。特に好ま
しくは、(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラ
ヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イ
ル)エチル]プロピオンアミド、N−[2−(1,6,
7,8−テトラヒドロ−2H−フロ[3,2−e]イン
ドール−8−イル)エチル]プロピオンアミド、N−
[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−フロ
[3,2−e]インドール−8−イル)エチル]ブチル
アミド、N−[2−(7−フェニル−1,6−ジヒドロ
−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エ
チル]プロピオンアミド、N−[2−(7−フェニル−
1,6−ジヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラ
ン−8−イル)エチル]ブチルアミド、N−[2−
(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ
[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミ
ドである。化合物(I)としては、式
【化41】 〔式中、RはC1-6アルキル基(メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)を示す。〕
で表される化合物がとりわけ好ましく、具体的には、
(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−
2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチ
ル]プロピオンアミドまたは(S)−N−[2−(1,
6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−
b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミドが好まし
い。
【0037】化合物(I)の塩としては、例えば薬理学
的に許容される塩等が用いられる。例えば、無機塩基と
の塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、
塩基性又は酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。無機塩
基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カ
リウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシ
ウム塩等のアルカリ土類金属塩、並びにアルミニウム
塩、アンモニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の
好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が
挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば
塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げ
られる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ
酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シ
ュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リ
ンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミ
ノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リ
ジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸と
の塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グル
タミン酸等との塩が挙げられる。中でも薬学的に許容可
能な塩が好ましく、その例としては、化合物(I)内に
塩基性官能基を有する場合には、例えば塩酸、臭化水素
酸、硝酸、硫酸、リン酸等無機酸との塩、例えば酢酸、
フタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、
コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
等の有機酸との塩が挙げられ、酸性官能基を有する場合
には、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金
属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。また、化合物
(I)は、水和物であっても、非水和物であってもよ
い。
【0038】化合物(I)は、例えば日本特許第288
4153号に記載の方法又はこれに準じた方法等により
得ることができる。本発明の経皮吸収剤に適したメラト
ニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の物理化学的
性質としては、化合物が製剤から適度な速度で放出され
皮膚に分布し、最終的には体循環に吸収されるためのほ
どよい水への溶解性(約0.005ないし約10mg/
L)と油への分配率(水/オクタノール分配係数:約
0.05ないし約10,000)が挙げられる。その他
の条件としては、 (1)製剤中で化合物が不安定化しない特性を持ったも
の; (2)製剤中に用いられる粘着剤、皮膚透過促進物質あ
るいは一般的に用いられる添加剤と反応しない特性を持
ったもの; (3)製剤の製造時に一般的に用いられるアルコール、
アセトン、酢酸エチル等の揮発性の溶媒に約0.1重量
%以上溶解する特性を持ったもの; (4)分子量が約1,000を超えないもの; (5)融点が約300℃を超えないもの;等が好まし
い。
【0039】本発明の経皮吸収剤は、一般に経皮吸収剤
に用いられる製造法又はそれに準じた方法により製造す
ることができる。本発明の経皮吸収製剤における形態と
しては、例えば取扱いや皮膚に対する密着性、密封包帯
治療法による経皮吸収性がよいもの、具体的には常温で
密着性を有するいわゆる粘着剤を皮膚接触体の基剤とす
るもの、取扱いの点から支持体(バッキング層)の片面
に粘着剤層を形成した貼付剤(皮膚貼付剤等)等を用い
ることが好ましい。このような経皮吸収剤では、例えば
有効成分としてメラトニン受容体アゴニスト作用を有す
る化合物は皮膚接触体に保持させたものが好ましい。ま
た、皮膚接触体と支持体(バッキング層)とは一体とな
っているが、皮膚接触体の支持体(バッキング層)と接
触していない側は、剥離ライナーのような保護体によっ
てあるいは自体をロール状にすることによって保護され
ていてもよい。また、皮膚接触体が粘着性を有していな
いものでもよい。このような場合には例えばテープ等に
よってこの製剤を固定し、皮膚接触体と皮膚との接触を
維持するようにすればよい。該皮膚接触体は主に有効成
分であるメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合
物、粘着剤及び皮膚透過促進物質によって形成されるの
が好ましい。また、必要に応じ、安定化剤、薬物溶解促
進剤、抗菌剤、充填剤等も含有していてもよい。前記粘
着剤としては、常温で粘着性を有し、皮膚面に接した際
に角質を傷めてカブレ等を生じることのない、従来から
用いられている(メタ)アクリル系粘着剤、ゴム系粘着
剤、シリコーン系粘着剤等の医薬用の粘着剤から構成す
ることが好ましい。これらのうち、化学反応せず、品質
的にも安定しており、通気性、粘着性もよい(メタ)ア
クリル系粘着剤が最も好ましい。前記(メタ)アクリル
系粘着剤としてはソフトセグメントとハードセグメント
を含む自己架橋形成型(メタ)アクリル系コーポリマー
が用いられる。例えば、(メタ)アクリル酸エステル約
50ないし約80重量%と、1種又は2種以上の共重合
性単量体約20ないし約50重量%を重合して得られる
共重合体が用いられる。このような(メタ)アクリル酸
エステルとしては、アクリル酸若しくはメタアクリル酸
と、炭素数が2ないし18、好ましくは4ないし12の
1級ないし3級アルコールとから得られるエステルを用
いることができる。具体的な(メタ)アクリル系粘着剤
としては、2−ヘキシルアクリレートとアクリル酸から
なる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとヒド
ロキシエチルアクリレートからなる共重合体、2−エチ
ルヘキシルアクリレートとビニルピロリドンからなる共
重合体、2−エチルヘキシルアクリレートと2−メトキ
シエチルアクリレートからなる共重合体、2−エチルヘ
キシルアクリレートとビニルピロリドンとアクリル酸か
らなる共重合体等が挙げられる。ゴム系粘着剤として
は、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ポリイソブチレ
ン、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリブタジエ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプ
レン共重合体等が用いられる。シリコーン系粘着剤とし
ては、ポリオルガノシロキサン等のシリコーンゴムが用
いられる。
【0040】一方、共重合性単量体としては、共重合反
応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも1個
有すると共に、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミド
基、アミノ基等の官能基を側鎖に有する単量体を用いる
ことができる。ヒドロキシ基を側鎖に有する単量体とし
ては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等がある。カル
ボキシル基を側鎖に有する単量体としては、(メタ)ア
クリル酸等のα−β不飽和カルボン酸、マレイン酸ブチ
ル等のマレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸、
フマル酸、クロトン酸等がある。アミド基を側鎖に有す
る単量体としては、アクリルアミド、ジメチルアクリル
アミド、ジエチルアクリルアミド等のアルキル(メタ)
アクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、エト
キシメチルアクリルアミド等のアルキルエーテルメチロ
ール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド、ビニルピロリドン等がある。アミノ基を側鎖に有す
る単量体としては、ジメチルアミノアクリレート等があ
る。これら以外に重合できる単量体として例えば(メ
タ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリ
ドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリ
ミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピ
ロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、
ビニルオキサゾール、ビニルホルモリン等を用いること
ができる。共重合性単量体としては、共重合反応に関与
する不飽和二重結合を分子内に少なくとも1個有すると
共に、官能基としてヒドロキシ基を側鎖に有する単量体
が好ましい。例えば、ヒドロキシエチルメタアクリレー
ト(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタアクリレート
(HPMA)等が挙げられる。
【0041】上記の重合性単量体は1種又は2種以上に
より共重合していてもよいが、粘着特性としての接着
性、皮膚接触体中に含有するメラトニン受容体アゴニス
ト作用を有する化合物の放出性等の点から、カルボキシ
ル基含有単量体や、ヒドロキシ基含有単量体の少なくと
も1種を必須成分するものが好ましい。また、この単量
体は約1ないし約50重量%、好ましくは約3ないし約
20重量%の範囲で(メタ)アクリル酸エステルとの共
重合に使用される。必要に応じて、前記に例示の他の単
量体、例えば酢酸ビニルやN−ビニル−2−ピロリドン
のようなビニル系単量体を約40重量%以下、好ましく
は約30重量%以下の範囲で(メタ)アクリル酸エステ
ルと共重合させるとよい。前記(メタ)アクリル酸エス
テルを主体とする共重合体は、通常、重合開始剤の存在
下で上述の単量体を配合して溶液重合を行うことにより
調製される。溶液重合を行う場合は、所定量の各種単量
体に酢酸エチル又はその他の重合溶媒を加え、攪拌装置
及び冷却還流装置を備えた反応器中で、アゾビス系、過
酸化物系等の重合開始剤の存在下、窒素雰囲気中で約7
0ないし約90℃、約8ないし約40時間反応させれば
よい。また、単量体は一括投入又は分割投入のいずれの
方法であってもよい。前記(メタ)アクリル酸エステル
を主体とする共重合体の構成成分中、(メタ)アクリル
酸エステルの割合は約50重量%以上が好ましい。前記
アゾビス系重合開始剤としては、2,2−アゾビス−イ
ソ−ブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキ
サン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス
(2,4−ジメチルバレリニトリル)等が挙げられる。
前記過酸化物系重合開始剤としては、過酸化ラウロイ
ル、過酸化ベンゾイル、ジ(tert−ブチル)パ−オキサ
イド等が挙げられる。前記ゴム系粘着剤としては、天然
ゴム、合成イソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリビ
ニルエーテル、ポリウレタン、ポリブタジエン、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合
体等が用いられる。前記シリコーン系粘着剤としては、
ポリオルガノシロキサン等のシリコーンゴムが用いられ
る。
【0042】前記皮膚透過促進物質とは、主に皮膚の表
面である角質に作用し、薬物の角質を透過しやすくし、
結果的には効率よく経皮吸収させるための物質である。
一般に角質は、表面細胞の新陳代謝の結果できた脂質二
重層から構成される細胞膜が幾重にも重なり合ってでき
たものである。このことにより、有害物質が容易に体内
に入らないようになっている。このことは、薬物におい
ても、通常の方法では経皮吸収されにくい理由になって
いる。従って、皮膚透過促進物質の主な標的は脂質二重
層である。脂質二重層に作用する物質としては、洗剤等
の強力な界面活性剤、クロロホルム、エーテル類、ベン
ゼン等の溶媒も考えられるが、これらは脂質二重層を刺
激、破壊し、有害作用を惹起するので好ましくない。好
ましい皮膚透過促進物質の性質としては、 (1)脂質二重層の膜の流動性を高めること; (2)膜の積層構造のすきまにうるおいを持たせること
によりそのすきまを広げること; (3)メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物
の皮膚接触体の中での溶解性を向上させ、結果的に製剤
からの放出性を速めること;等が挙げられる。以上の性
質を満たし、メラトニン分泌パターンに近い一峰性の血
中濃度を与える薬物放出特性を有する促進剤としては、
以下の(A)、(B)及び(C)等が挙げられる。本発
明の経皮吸収剤は、これら3種の促進剤から選ばれる1
種以上を含有し、好ましくは(A)、(B)及び(C)
の3種を含有する。 (A)脂溶性の吸収促進剤。より好ましくは炭素数6な
いし22までの脂肪酸と炭素数1ないし12のアルコー
ル類からなる脂肪酸エステル等。 (B)水溶性吸収促進剤。より好ましくは多価アルコー
ル類等。 (C)非イオン界面活性剤。より好ましくはラウリン酸
ジエタノールアミド及びその含有物等の脂肪酸アミド類
等。
【0043】前記の炭素数6ないし22までの脂肪酸類
としては、例えばカプロン酸、エナント酸、カプリル
酸、モノカプリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ウンデ
シレン酸、ミリスチン酸、イソステアレン酸、リノール
酸、パルチミン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ヘキ
サデセン酸等の炭素数が6ないし22(好ましくは10
ないし22、より好ましくは10ないし20)のものが
挙げられる。前記の炭素数1ないし12までのアルコー
ル類としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコ
ール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、
t-ブタノール、ヘキサノール、オクタノール等が挙げら
れる。ここでいう脂肪酸は、上記脂肪酸と同じ範囲の天
然あるいは合成により得られるものを意味する。従っ
て、前記の脂肪酸エステル類としては、例えばアジピン
酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン
酸ジエステル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン
酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸オ
クチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、パルチミン酸オ
クチル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸ブチル等が挙
げられる。中でもミリスチン酸イソプロピル、セバシン
酸ジエステル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン
酸ブチル等が好ましく、とりわけミリスチン酸イソプロ
ピルが好ましい。前記の多価アルコール類としては、例
えばエチレングリコール類(エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール)、グリセ
リン、プロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール
等の低分子のグリコール類、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等の分子量が約200ないし
約6,000の高分子のグリコール類等が挙げられ、中
でも、エチレングリコール類、プロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレ
ングリコール等が好ましく、とりわけプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール(分子量約200〜約1
000)が好ましい。前記の非イオン界面活性剤として
は、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ールエーテル、モノオレイン酸グリセリル、モノラウリ
ン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノミ
リスチン酸ソルビタン、モノパルチミン酸ソルビタン、
モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシ
エチレン(5)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシ
エチレン(20)ソルビタン、ポリオキシエチレンヒマ
シ油誘導体、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤
(プルロニック L−62,L−64,F−68)等、
多価アルコール脂肪酸エステル類(例えば、モノオレイ
ン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノステ
アリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モ
ノパルチミン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、
ジラウリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、
ジミリスチン酸グリセリル、ジパルチミン酸グリセリ
ル、モノカプリル酸プロピレングリコール、トリ(カプ
リル・カプリン酸)グリセリル等)、ポリグリセリン脂
肪酸エステル類(例えば、トリグリセリン脂肪酸エステ
ル類(例えば、オレイン酸トリグリセリル、ラウリン酸
トリグリセリル、ステアリン酸トリグリセリル、ミリス
チン酸トリグリセリル、パルチミン酸トリグリセリ
ル)、テトラグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、オ
レイン酸テトラグリセリル、ラウリン酸テトラグリセリ
ル、ステアリン酸テトラグリセリル、ミリスチン酸テト
ラグリセリル、パルチミン酸テトラグリセリル)、ペン
タグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、オレイン酸ペ
ンタグリセリル、ラウリン酸ペンタグリセリル、ステア
リン酸ペンタグリセリル、ミリスチン酸ペンタグリセリ
ル、パルチミン酸ペンタグリセリル)、ヘキサグリセリ
ン脂肪酸エステル類(例えば、オレイン酸ヘキサグリセ
リル、ラウリン酸ヘキサグリセリル、ステアリン酸ヘキ
サグリセリル、ミリスチン酸ヘキサグリセリル、パルチ
ミン酸ヘキサグリセリル)、ヘプタグリセリン脂肪酸エ
ステル類(例えば、オレイン酸ヘプタグリセリル、ラウ
リン酸ヘプタグリセリル、ステアリン酸ヘプタグリセリ
ル、ミリスチン酸ヘプタグリセリル、パルチミン酸ヘプ
タグリセリル)、デカグリセリン脂肪酸エステル類(例
えば、オレイン酸デカグリセリル、ラウリン酸デカグリ
セリル、ステアリン酸デカグリセリル、ミリスチン酸デ
カグリセリル、パルチミン酸デカグリセリル)等)、脂
肪酸アミド類(オレイン酸ジエタノールアミド、ミリス
チン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノール
アミノエチルアミド、ビニルピロリドン、ラウリン酸ジ
エタノールアミド又はその含有物、ヤシ脂肪酸ジエタノ
ールアミド等)、ステアリン酸ジエチルアミノエチルア
ミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラ
ノリン誘導第四級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウ
ム水溶液等)等が挙げられる。中でも、脂肪酸アミド、
多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル等が好ましく、とりわけ、ラウリン酸ジエタノ
ールアミド又はその含有物(それを含有する皮膚透過促
進物質)、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド等の脂肪酸ア
ミド等が更に好ましい。また、本発明の製剤には上記以
外の添加剤として、抗酸化剤、充填剤、薬物溶解補助
剤、抗菌剤、皮膚刺激低減化剤等も必要に応じて配合す
ることができる。前記抗酸化剤としては、ビタミンE、
ビタミンC等が挙げられる。前記充填剤としては、カオ
リン、ベントナイト、二酸化チタン、二酸化ケイ素等が
挙げられる。前記薬物溶解補助剤としては、α−シクロ
デキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデ
キストリン等が挙げられる。前記抗菌剤としては、塩化
ベンサルコニウム、安息香酸、メチルパラヒドロキシベ
ンゾエート等が挙げられる。前記皮膚刺激低減化剤とし
ては無水ケイ酸等が挙げられる。また、更に他の吸収促
進剤を添加することもできる。他の吸収促進剤として
は、ポリプレニルアザシクロアルカン類(例えば、1−
ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン等)、油脂類
(例えば、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、トウモロ
コシ胚芽油、ヒマワリ油、ヤシ油、スクワラン、スクワ
レン、オレンジオイル、ミネラルオイル等)等が挙げら
れる。好ましい皮膚透過促進物質は脂肪酸エステル、多
価アルコール及び非イオン界面活性剤の1種ないし2種
類以上配合組成からなる。また最も好ましい皮膚透過促
進物質は脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン
界面活性剤をすべて配合する組成からなる。好ましい脂
肪酸エステルはミリスチン酸イソプロピル、パルミチン
酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル又はセバスチン酸
ジエチルである。最も好ましい脂肪酸エステルはミリス
チン酸イソプロピルである。また好ましい多価アルコー
ルはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-
ブチレングリコール、グリセリン又はポリエチレングリ
コールである。最も好ましい多価アルコールはプロピレ
ングリコール又はポリエチレングリコールである。特に
分子量約200〜約1000のポリエチレングリコール
と充填剤の二酸化ケイ素とを組み合わせて配合すると吸
着剤の糸引きが改善され好ましい。また好ましい非イオ
ン界面活性剤は脂肪酸アミド、多価アルコール脂肪酸エ
ステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルである。最も
好ましい非イオン界面活性剤は脂肪酸アミドである。そ
のときの好ましい脂肪酸アミドはラウリン酸ジエタノー
ルアミド又はその含有物である。最も好ましい脂肪酸ア
ミドはラウリン酸ジエタノールアミドである。
【0044】本発明の製剤は、メラトニン受容体アゴニ
スト作用を有する化合物の皮膚接触体の中での溶解性を
向上させ、結果的に製剤からの放出性を速めることを満
足するものである。通常、皮膚接触体にメラトニン受容
体アゴニスト作用を有する化合物を配合する場合、皮膚
透過促進物質の作用が十分に行き渡り、メラトニン受容
体アゴニスト作用を有する化合物が浸透しやすくなる割
合となるようにするのが好ましい。例えば、 (1)皮膚接触体全体に対するメラトニン受容体アゴニ
スト作用を有する化合物の含有量は約0.01ないし約
70重量%、より好ましくは約10ないし約60重量
%、更に好ましくは約20ないし約50重量%; (2)皮膚接触体全体に対する皮膚透過促進物質の含有
量は約0ないし約70重量%、より好ましくは約10な
いし約60重量%、更に好ましくは約20ないし約50
重量%;皮膚透過促進物質が脂肪酸エステル、多価アル
コールおよび非イオン界面活性剤の1種ないし1種類以
上配合組成からなる場合、そのときの皮膚接触体に占め
る脂肪酸エステル、多価アルコールまたは非イオン界面
活性剤のそれぞれの重量は約0ないし約70重量%、よ
り好ましくは約1ないし約30重量%(非イオン界面活
性剤は約1ないし約15重量%が好ましい。)である。
また皮膚透過促進物質が脂肪酸エステル、多価アルコー
ルおよび非イオン界面活性剤を全て配合する組成からな
る場合、脂肪酸エステルの配合重量を基準にして、多価
アルコールの配合割合は脂肪酸エステルの約1/10か
ら約10倍の重量、より好ましくは約1/2から約5倍
の重量、最も好ましくは約1倍重量である。また非イオ
ン界面活性剤の配合割合は脂肪酸エステルの約1/50
から約10倍の重量、より好ましくは約1/20から約
2倍の重量、最も好ましくは約1/4倍重量である。 (3)皮膚接触体全体に対する粘着剤の含有量は約5な
いし約98重量%、より好ましくは約10ないし約60
重量%、更に好ましくは約20ないし約50重量%;皮
膚接触体には、その他の成分として必要に応じ前記した
抗酸化剤、充填剤、薬物溶解補助剤、抗菌剤等の物質を
配合することができる。これらの成分は、皮膚接触体の
粘着性や皮膚透過促進物質の効果を減じない範囲で用い
られ、その配合量は約0.01ないし約50重量%、好
ましくは約1ないし約20重量%、更に好ましくは約1
ないし約10重量%である。
【0045】本発明の製剤の一様態である貼付剤は、粘
着剤層の一方の面に支持体(バッキング層)を、他方の
面に剥離ライナーを貼りあわせることにより得られる。
貼付剤の支持体(バッキング層)としては、本発明製剤
中の有効成分が、投与後に効率よく吸収されるのに必要
な皮膚からの水分の揮発を抑えて皮膚をむらす効果と、
患者が容易に本製剤を皮膚に貼付でき、長時間貼付して
も患者に違和感を与えない(ほどよい厚みで皮膚にぴっ
たりと貼りつく)機能を有するものであればどのような
ものでもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレン
テレフタレート、酢酸ビニル−塩化ビニル重合体、可塑
性ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポ
リ塩化ビニリデン製の厚さ約50ないし約200μmの
フィルム及びアルミニウム箔等が挙げられる。これらは
単層シート(フィルム)、積層シートとしても、またア
ルミニウム箔以外の素材を使用した織布並びに不織布も
使用することができる。剥離ライナーについては、本経
皮吸収製剤中の有効成分が、使用前に他のものと接触
し、汚染したり、削り取られて損失することを防ぐ「覆
い」の目的で使用するので、患者が本製剤を使用すると
きに容易にはがすことができ、かつはがした後の皮膚接
触体が剥離ライナーをかぶせる以前の状態を保たれるも
のであればどのようなものでもよく、例えば、厚さ約5
0ないし約100μmのシリコン処理したポリエチレン
テレフタレートフィルム、紙、ポリエステル、低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル等
が挙げられる。皮膚接触体の形成は、粘着剤、皮膚透過
促進物質及びメラトニン受容体アゴニスト作用を有する
化合物を含む組成物を適当な溶媒に溶かし、得られた粘
着含有溶液を支持体(バッキング層)に塗布し、乾燥し
て溶媒を除去することによっても行うことができる。
【0046】本発明の製剤の1態様である貼付剤の製造
法としては、支持体の上に皮膚接触体を塗工し、更に皮
膚接触体面に剥離ライナーを貼付する方法、あるいは剥
離ライナーに皮膚接触体を塗工し、更に皮膚接触体面に
支持体を貼付する方法が挙げられる。皮膚接触体の塗工
に際しては易揮発性の溶媒に溶解ざせた粘着剤の高濃度
溶液に各種の皮膚透過促進物質を加えよく混和し、更に
本発明のメラトニン受容体アゴニスト作用用を有する化
合物を加えよく混和し、皮膚接触体の組成物が溶解した
溶液あるいは一部の組成物が分散した分散溶液を作製す
る。このときの好ましい易揮発性の溶媒としては、適当
な乾燥条件下(例えば50℃で1時間加温する条件や室
温で1昼夜放置する条件が目安となる)で容易に蒸発
し、最終産物である皮膚接触体に残留しないもので、仮
に少量残留しても生体に有害でないものが選ばれる。例
えばエチルアルコール、酢酸エチルにイソプロピルアル
コール又はアセトンが約0ないし約500重量%の範囲
で含まれる混合溶液等が挙げられる。溶媒中の粘着剤の
濃度は塗工効率を高めるためには高濃度が好ましいが、
均一に塗工するためにはあまり高い濃度は好ましくな
い。使用される濃度は約10重量%ないし約500重量
%の範囲で好ましくは約20重量%ないし約150重量
%である。粘着剤以外の皮膚接触体組成物の溶媒中の濃
度は粘着剤に対する配合割合が決まれば自動的に決まる
ものである。メラトニン受容体アゴニスト作用を有する
化合物はできるだけ溶解した状態が好ましいので、予め
易揮発性の溶媒に高濃度に溶解ざせ溶媒溶液として加え
る方法が好ましく用いられる。好ましい易揮発性の溶媒
としては、乾燥後の皮膚接触体への残留の心配のない上
記の粘着剤を溶解させる溶媒やアセトン、エチルアルコ
ール、メチルアルコール等が挙げられる。好ましくはア
セトン又は酢酸エチルが挙げられる。このときの溶媒中
のメラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物濃度
は過飽和かあるいはそれに近い濃度が選ばれる。その濃
度として約1ないし約20重量%が用いられる。またメ
ラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の配合量
が多い場合には一部溶解しない部分が生じるが、この場
合でも個体粒子が微粒子であることが好ましく、溶媒に
溶解する前にメラトニン受容体アゴニスト作用を有する
化合物の粉末をよく粉砕し用いる。塗工の方法として
は、ガラス板のような一定の平板の上に支持体(バッキ
ング層)あるいは剥離ライナーを固定し、その上に皮膚
接触体組成物の溶媒溶液を垂らし一定の厚さとなる条件
で、例えば市販の塗工器(ベーカーアプリケーター:ヨ
シミツ精機)のようなローラーで広げ、その後室温で1
昼夜放置し溶媒を蒸発させる方法が用いられる。溶媒の
蒸発条件として、初期に50℃で30分加温すると溶媒
を速やかに蒸発させることができるのでそのような条件
を用いてもよい。以上は比較的少量を塗工する方法であ
るが、多量に製造できるよう改良され一般に用いられて
いるような回転連続式製造機械を用いることができる。
皮膚接触体組成物の溶媒溶液を垂らし一定の厚さとなる
条件でローラーで広げたときのその厚さは皮膚接触体の
厚さに濃度から逆算される溶媒の容積を考慮し大き目の
厚さとして設置される。皮膚接触体の厚さは約0.01
mmないし約5mmの範囲で、好ましくは約0.05m
mないし約1mmである。本発明の製剤は、使用前に目
的が達成される適当な大きさに裁断して使用してもよ
い。
【0047】メラトニン受容体アゴニスト作用を有する
化合物の本発明の製剤中の配合量は、投与後皮膚から血
液中に吸収させ、血液中の有効成分濃度が、副作用を惹
起する濃度以下で、かつ有効な濃度を長時間持続できる
量であれば特に制限はないが、例えば製剤全重量の約
0.1ないし約60重量%、好ましくは約0.1ないし約
20重量%、より好ましくは約1ないし約10重量%で
ある。本発明の製剤が貼付剤の場合、メラトニン受容体
アゴニスト作用を有する化合物の皮膚接触部位の単位面
積当たりの配合量は、例えば約0.01ないし約100
mg/cm2、好ましくは約1ないし約100mg/c
2、より好ましくは約2ないし約50mg/cm2、更
に好ましくは約5ないし約10mg/cm2である。な
お、メラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物
の、副作用を惹起する濃度以下の有効濃度としては、約
0.5ないし約1,000ng/mL、より限定した範
囲では約1ないし約500ng/mLが目安として示さ
れる。本発明の製剤の投与回数は、例えば1ないし7日
毎に1回、好ましくは1ないし3日毎に1回、より好ま
しくは1日1回投与(貼付)である。本発明の製剤の投
与期間は、通常1ヶ月ないし5年であり、症状の進展を
抑制するために、更に長期間投与されることもある。好
ましくは3ヶ月ないし4年、更に好ましくは6ヶ月ない
し2年である。かかる長期投与において、本発明の製剤
は患者への負担を与えずに容易に投与できる。本発明の
製剤が、パッチ剤、テープ剤の場合、貼付に便利な大き
さに裁断して、1枚を貼り付けるか若しくは2枚以上を
身体の同一箇所又は別の場所に貼付してもよい。貼付す
る場所は特に限定されないが、体毛の少ない部位が好ま
しく、例えば、腕部内側、背中、大腿部内側等に貼付す
る。このうち、腕部位が好ましい。メラトニン受容体ア
ゴニスト作用を有する化合物の血中濃度パターンは、正
常人のメラトニンの分泌パターンに類似することが好ま
しい。すなわち、正常人のメラトニン分泌は、ジャーナ
ル オブ クリニカル エンドクリノロジー アンド
メタボリズム(Journal of Clinical Endocrinology
and Metabolism) 73:1276−1280(1991)に報告
されているように、夜間に高まり、血中のメラトニン濃
度は夕方から朝にかけて1峰性のパターンを描く。した
がって、化合物の血中濃度のパターンは夕方から朝にか
けて(投与後約12時間の間で)1峰性のパターンを描
くことが好ましい。そのときの経皮剤の投与のタイミン
グが夕方あるいは就寝前(就寝約6時間前〜就寝直前)
が好ましい。血中濃度のピーク出現時間は投与後約10
時間以内に出現することが好ましい。化合物の有効濃度
は起床前約1ないし約2時間まで持続され、その後減衰
することが好ましい。有効濃度の持続時間は睡眠時間と
呼応し、約6ないし約12時間が好ましい。
【0048】本発明の製剤は、毒性が低く、かつ、副作
用も少ないため、医薬品として有用である。本発明の製
剤の投与量は、主薬であるメラトニン受容体アゴニスト
作用を有する化合物の種類と含量、剤形、メラトニン受
容体アゴニスト作用を有する化合物放出の持続時間、対
象疾病、対象動物などによって種々異なるが、メラトニ
ン受容体アゴニスト作用を有する化合物の有効量であれ
ばよい。主薬であるメラトニン受容体アゴニスト作用を
有する化合物の1回当たりの投与量としては、例えば、
成人1人当たり約0.05mg〜10mg/kg体重の
範囲、好ましくは約0.1mg〜3mg/kg体重の範
囲から適宜選ぶことができる。本発明の製剤は、哺乳動
物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネ
コ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、メ
ラトニンアゴニスト又はアンタゴニストとして作用し、
メラトニン受容体親和性組成物、特にメラトニン受容体
アゴニスト作用を有する組成物として有用であり、生体
リズム調節障害等のメラトニンにより影響される可能性
のある疾患、例えば睡眠覚醒リズム障害、時差ボケ(je
t lag)、三交替勤務等による体調の変調、季節的憂鬱
病、生殖及び神経内分泌疾患、老人性痴呆、アルツハイ
マー病、老化に伴う各種障害(例えば、老化防止等)、
脳循環障害(脳卒中等)、頭部外傷、骨髄損傷、ストレ
ス、てんかん、痙攣、不安、うつ病、パーキンソン病、
高血圧、緑内症、癌、不眠症、糖尿病等の予防・治療に
使用でき、更に、免疫調節、向知能、精神安定又は排卵
調整(例えば、避妊)に対しても有効である。本発明の
製剤は、例えば生体リズム調節剤、好ましくは睡眠障害
治療剤(例えば、睡眠導入剤等)、睡眠覚醒リズム調節
剤(睡眠覚醒リズム調整作用も含む)、時間帯域変化症
候群、いわゆる時差ボケ(jet lag)の予防治療剤等と
して用いられる。例えば睡眠障害の患者(体重約60k
g)の治療には、有効成分を約1ないし約10重量%含
有する本発明製剤を就寝前に腕部内側に1日1回、1ヶ
月間適用する。また、本発明の製剤は、メラトニン受容
体アゴニスト作用を有する化合物以外の他の活性成分
(例えば、ベンゾジアゼピン系化合物であるトリアゾラ
ム、ジアゼパム、アルプラゾラム、エスタゾラム等のベ
ンゾジアゼピン系薬剤、ゾルピデム、ザレプロン、ゾピ
クロン、ブロチゾラム等の非ベンゾジアゼピン系薬剤、
脂肪酸誘導体であるブトクタミド又はその塩等の睡眠リ
ズム調整剤、シス−9,10−オクタデセノアミド等の
睡眠物質等)と適宜、適量組み合わせて併用してもよ
い。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に実施例、試験例及び比較例
を挙げて本発明を更に説明するが、これらは本発明を限
定するものではない。
【実施例】実施例1
【表1】 45%(w/w)自己架橋形成型アクリル系コーポリマ
ー(DuroTakTM87-2979; National Starch&Chemical)
の酢酸エチル/イソプロパノール8:2(容積比)溶液
にラウリン酸ジエタノールアミド(アミノーンTM L-02;
KAO Corporation Chemicals)、ミリスチン酸イソプロ
ピル、プロピレングリコール及び(S)-N-[2-(1,6,7,8-テ
トラヒドロ-2H-インデノ[5,4-b]フラン-8-イル)エチル]
プロピオンアミド(化合物Aと称する)をそれぞれ皮膚
接触体総重量の5.0重量%、20.0重量%、20.
0重量%、及び7.5重量%となるような配合比で加え
てよく混和させ、この混合溶液5.6gをキャスティン
グ装置(ベーカーアプリケーター:ヨシミツ精機)のプ
レート上に広げたフルオロポリマー処理ポリエステルフ
ィルム(ScotchpakTM 1022;スリーエム社、厚さ75μ
m、マージ部を含めた総面積:450cm2)上に垂ら
し、ローラーで乾燥後の厚み0.1mmとなるよう広
げ、室温で一昼夜溶媒を自然乾燥させ、更に皮膚接触面
と反対側の面に支持体(バッキング層、ポリエチレンフ
ィルム、CoTranTM 9720;スリーエム社、厚さ76μm)
を貼付することにより本発明の経皮吸収剤を得た。
【0050】実施例2
【表2】 45%(w/w)自己架橋形成型アクリル系コーポリマ
ー(DuroTakTM87-2979; National Starch&Chemical)
の酢酸エチル/イソプロパノール8:2(容積比)溶液
にラウリン酸ジエタノールアミド(アミノーンTM L-02;
KAO Corporation Chemicals)、ミリスチン酸イソプロ
ピル、プロピレングリコール及び化合物Aをそれぞれ皮
膚接触体総重量の5.0重量%、20.0重量%、2
0.0重量%、及び2.0重量%となるような配合比で
加えてよく混和させ、実施例1と同じ条件及び方法で本
発明の経皮吸収剤を得た。
【0051】実施例3 粘着剤である自己架橋形成型アクリル系コーポリマー、
ラウリン酸ジエタノールアミド及び有効成分である化合
物Aの割合が93:5:2(w/w)となるよう混合し
た組成物を調製し、実施例1と同じ条件及び方法で本発
明の経皮吸収剤を得た。
【0052】実施例4
【表3】 〔表3〕に示すように実施例2における3種の皮膚透過
促進剤から1種を抜いた3処方(Rp.AないしC)の
皮膚接触体組成物を調製し、実施例1と同様の方法で本
発明の経皮吸収剤を作製した。
【0053】実施例5 実施例1におけるプロピレングリコール代わりに1、3
ブチレングリコールを同じ量配合する組成で、実施例1
と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製する。
【0054】実施例6 実施例1におけるプロピレングリコールの代わりに分子
量400のポリエチレングリコールを同じ量配合する組
成で、実施例1と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作
製する。
【0055】実施例7 実施例1におけるにおけるミリスチン酸イソプロピルの
代わりにパルミチン酸イソプロピルを同じ量配合する組
成で、実施例1と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作
製する。
【0056】実施例8 実施例1におけるにおけるミリスチン酸イソプロピルの
代わりにミリスチン酸ブチルを同じ量配合する組成で、
実施例1と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製す
る。
【0057】実施例9 実施例2におけるミリスチン酸イソプロピルの代わりに
セバシン酸ジエチルを同じ量配合する組成で、実施例2
と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製する。
【0058】実施例10 実施例1における化合物Aの代わりにN-[2-(1,6,7,8-テ
トラヒドロ-2H-インデノ[5,4-b]フラン-8-イル)エチル]
アセトアミドを同じ量配合する組成で、実施例2と同様
の方法で本発明の経皮吸収剤を作製する。
【0059】実施例11 実施例1におけるラウリン酸ジエタノールアミンのの代
わりにヤシ脂肪酸ジエタノールアミドを同じ量配合する
組成で、実施例1と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を
作製する。
【0060】実施例12
【表4】 41%(w/w)自己架橋形成型アクリル系コーポリマ
ー(DuroTakTM387-2516; National Starch&Chemical)
の酢酸エチル/エタノール溶液にラウリン酸ジエタノー
ルアミド(アミノーンTM L-02; KAO Corporation Chemi
cals)、ミリスチン酸イソプロピル、ポリエチレングリ
コール600、二酸化ケイ素及び化合物Aをそれぞれ皮膚
接触体総重量(120重量%)の10.0重量%、1
0.0重量%、10.0重量%、20.0重量%及び
2.0重量%となるような配合比で加えてよく混和さ
せ、実施例1と同じ条件及び方法で本発明の経皮吸収剤
を得た。
【0061】実施例13 実施例12における化合物Aの代わりに参考例1で得ら
れた(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒド
ロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)
エチル]アセトアミドを同じ量配合する組成で実施例1
と同様の方法で本発明の経皮吸収剤を作製する。
【0062】参考例1 (S)−N−[2−(1,6,
7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]
フラン−8−イル)エチル]アセトアミド (S)-2-[1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-インデノ[5,4-b]
フラン-8-イル]エチルアミン塩酸塩(71.92 g、0.3 mol)
のジクロロメタン溶液(500 mL)にトリエチルアミ
ン(104.6 mL、0.75 mol)、ジメチルアミノピリジン(3.6
7 g、0.03 mol)および無水酢酸(31.2
mL、0.33 mol)を氷冷下加えた後、室温にて16時間撹
拌した。反応液を冷水に注ぎ、有機層を分離した。有機
層を1N塩酸および飽和食塩水で洗浄し硫酸ナトリウムで
乾燥後、少量のシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ジクロロメタン)にて精製した。溶媒を減圧下留去
後、得られた結晶をイソプロピルエーテル/酢酸エチル
から再結晶して、表題化合物(収量 53.2 g、収率 72
%)を得た。 融点 118-120℃。 NMR(CDCl3) δ:1.50-1.92 (2H, m), 1.96 (3H, s),
1.96-2.13 (1H, m), 2.19-2.38 (1H, m), 2.67-2.95 (2
H, m), 3.00-3.9 (5H, m), 4.43-4.64 (2H, m),5.43 (1
H, br), 6.62 (1H, d, J=7.8Hz), 6.95 (1H, d, J=7.8H
z)。 元素分析値:C15H19NO2として 計算値:C,73.44, H,7.81, N,5.71。 実測値:C,73.56, H,7.89, N,5.86。 旋光度:[α]D = -59.1° (c=1.0%、クロロホルム)。
【0063】試験例1 7週齢の雄性SDラット(体重約250g、1投与群3
又は4匹)をエーテルで麻酔し、腹部を除毛した後、貼
付面積30cm2又は7.1cm2になるよう裁断した実
施例1及び2の経皮吸収剤を貼付し、更にこの貼付剤が
剥がれないよう上から伸縮性の包帯で巻き固定した。な
お、投与した経皮吸収剤中の化合物Aの含有量は実施例
1及び2の経皮吸収剤でそれぞれ30cm2当たり27
mg、9mgと計算された。貼付後は非麻酔下で飼育ケ
ージに戻し、定期的に尾静脈から採血し、血中の化合物
Aの濃度をHPLCにて定量した。 ア)血漿中からの薬物の抽出 10mLの試験管に血漿0.1mLを取り、更に0.0
5Mリン酸バッファー(pH7)0.5mL及びジエチ
ルエーテル5mLを加え、15分振とうして薬物をエー
テルで抽出し、そのエーテル溶液4.5mLを蒸発乾固
させた後、HPLC用溶離液を加え溶解させ、HPLC
定量サンプルとした。 イ)HPLC条件 カラム:TSKgel ODS-80Ts QA(4.6mmI.D.、150mm、Tosoh) 溶離液1:0.01M CH3COONH4/CH3CN(容量比60:40) 溶離液2:0.01M CH3COONH4/CH3CN(容量比10:90) 流速:1mL/min グラジュエントプログラム: 時間(分) 0 7 12 15 15.1 溶離液1 100% 100% 0% 0% 100% 溶離液2 0% 0% 100% 100% 0% カラム温度:40℃ 検出:UV210nm 〔表5〕に各投与剤貼付後の最高血漿中の化合物Aの濃
度(Cmax)及びその到達時間(Tmax)、同製剤
の静脈内投与に対する生物学的利用率(BA)を示す。
【表5】 実施例1及び2の経皮吸収剤においては、貼付後6ない
し8時間で最高血中濃度の達する一峰性の血中濃度推移
を示し、吸収量は製剤への仕込量及び貼付面積に依存す
ることが確認された。また、いずれの投与群においても
実験終了時の薬剤貼付部位の皮膚の観察において異常は
認められなかった。
【0064】試験例2 試験例1と同様に実施例3の経皮吸収剤をラットの腹部
に貼付投与し、投与後の血中の化合物Aの濃度を試験例
1と同様にして測定した結果、0ないし24時間の平均
血漿中濃度は約50ng/mLで、BAは約12%であ
った。
【0065】試験例3 試験例1と同様に実施例4の経皮吸収剤をラットの腹部
に貼付投与し、投与後の血中の化合物Aの濃度を試験例
1と同様にして測定した結果、処方A,Bは0ないし2
4時間の平均血漿中濃度は約50ng/mLでBAは各
々15及び20%であった。処方Cは8時間にCmax
210ng/mLを示し、BAは30%であった。
【0066】比較例 粘着剤である自己架橋形成型アクリル系コーポリマー及
び有効成分である化合物Aの割合が98:2(w/w)
となるよう混合した組成物を調製し、実施例1と同じ条
件及び方法で比較経皮吸収剤を得た。この製剤を、試験
例1と同様にラットの腹部に貼付投与し、投与後の血中
の化合物Aの濃度を試験例1と同様にして測定した結
果、0ないし24時間の平均血漿中濃度は10ng/m
L以下で明確なCmaxを持たない血中濃度推移を示
し、BAは約2%であった。以上より、本発明の経皮吸
収剤が、皮膚接触面を通して体内に有効成分を簡便な投
与で吸収させることができ、血中の有効成分の濃度が6
ないし12時間維持されるような望ましい血中濃度推移
特性を有することがわかる。
【0067】
【発明の効果】本発明の経皮吸収剤は、メラトニン受容
体アゴニスト作用を有する化合物を簡便な投与で吸収さ
せることができ、経口剤で投与する場合に比較して、血
中の有効成分の濃度が6ないし12時間維持されるよう
な望ましい血中濃度推移特性を有し、夜間のメラトニン
分泌の減少に起因する疾病に対する治療に効果を発揮さ
せることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/357 A61K 31/357 31/4045 31/4045 31/407 31/407 47/10 47/10 47/14 47/14 A61P 25/20 A61P 25/20 C07D 311/78 C07D 311/78 317/70 317/70 319/14 319/14 491/052 491/052 // C07D 307/79 307/79 491/048 491/048

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メラトニン受容体アゴニスト作用を有する
    化合物と、脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオ
    ン界面活性剤から選ばれる1又は2以上とを含有する経
    皮吸収剤。
  2. 【請求項2】メラトニン受容体アゴニスト作用を有する
    化合物と脂肪酸エステル、多価アルコール及び非イオン
    界面活性剤とを含有する請求項1記載の経皮吸収剤。
  3. 【請求項3】メラトニン受容体アゴニスト作用を有する
    化合物がメラトニンML1受容体アゴニスト作用を有す
    る化合物である請求項2記載の経皮吸収剤。
  4. 【請求項4】メラトニン受容体アゴニスト作用を有する
    化合物が式 【化1】 〔式中、R1は置換基を有していてもよい炭化水素基、
    置換基を有していてもよいアミノ基又は置換基を有して
    いてもよい複素環基、R2は水素原子又は置換基を有し
    ていてもよい炭化水素基、R3は水素原子、置換基を有
    していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよ
    い複素環基、XはCHR4、NR4、O又はS(R4は水
    素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示
    す。)、YはC、CH又はN(但し、XがCH2を示す
    場合、YはC又はCHである)、 【化2】 A環は置換基を有していてもよい5ないし7員の酸素原
    子を含む複素環、B環は置換基を有していてもよいベン
    ゼン環、及びmは1ないし4の整数を示す。〕で表され
    る化合物又はその塩である請求項1記載の経皮吸収剤。
  5. 【請求項5】メラトニン受容体アゴニスト作用を有する
    化合物が式 【化3】 〔式中、RはC1-6アルキル基を示す。〕で表される化
    合物である請求項1記載の経皮吸収剤。
  6. 【請求項6】メラトニン受容体アゴニスト作用を有する
    化合物が(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラ
    ヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イ
    ル)エチル]プロピオンアミドである請求項1記載の経
    皮吸収剤。
  7. 【請求項7】メラトニン受容体アゴニスト作用を有する
    化合物が(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラ
    ヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イ
    ル)エチル]アセトアミドである請求項1記載の経皮吸
    収剤。
  8. 【請求項8】脂肪酸エステルが炭素数6ないし22のカ
    ルボン酸と炭素数1ないし12のアルキルアルコールと
    のエステル体である請求項1記載の経皮吸収剤。
  9. 【請求項9】脂肪酸エステルがミリスチン酸イソプロピ
    ル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル又
    はセバシン酸ジエチルである請求項1記載の経皮吸収
    剤。
  10. 【請求項10】脂肪酸エステルがミリスチン酸イソプロ
    ピルである請求項1記載の経皮吸収剤。
  11. 【請求項11】多価アルコールがエチレングリコール、
    プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
    グリセリン又はポリエチレングリコールである請求項1
    記載の経皮吸収剤。
  12. 【請求項12】多価アルコールがプロピレングリコール
    である請求項1記載の経皮吸収剤。
  13. 【請求項13】多価アルコールがポリエチレングリコー
    ルである請求項1記載の経皮吸収剤。
  14. 【請求項14】多価アルコールが分子量約200〜約1
    000のポリエチレングリコールである請求項1記載の
    経皮吸収剤。
  15. 【請求項15】非イオン界面活性剤が脂肪酸アミド、多
    価アルコール脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸
    エステルである請求項1記載の経皮吸収剤。
  16. 【請求項16】非イオン界面活性剤が脂肪酸アミドであ
    る請求項1記載の経皮吸収剤。
  17. 【請求項17】脂肪酸アミドがラウリン酸ジエタノール
    アミド又はその含有物である請求項16記載の経皮吸収
    剤。
  18. 【請求項18】脂肪酸アミドがヤシ脂肪酸ジエタノール
    アミドである請求項16記載の経皮吸収剤。
  19. 【請求項19】(S)−N−[2−(1,6,7,8−
    テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−
    8−イル)エチル]プロピオンアミド、ミリスチン酸イ
    ソプロピル、ポリエチレングリコール及びラウリン酸ジ
    エタノールアミドを含有する請求項1記載の経皮吸収
    剤。
  20. 【請求項20】(S)−N−[2−(1,6,7,8−
    テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−
    8−イル)エチル]アセトアミド、ミリスチン酸イソプ
    ロピル、ポリエチレングリコール及びラウリン酸ジエタ
    ノールアミドを含有する請求項1記載の経皮吸収剤。
  21. 【請求項21】皮膚貼付剤である請求項1記載の経皮吸
    収剤。
  22. 【請求項22】皮膚接触体にメラトニン受容体アゴニス
    ト作用を有する化合物と、脂肪酸エステル、多価アルコ
    ール及び非イオン界面活性剤から選ばれる1又は2以上
    とを含有する請求項1記載の経皮吸収剤。
  23. 【請求項23】皮膚接触体にメラトニン受容体アゴニス
    ト作用を有する化合物と脂肪酸エステル、多価アルコー
    ル及び非イオン界面活性剤とを含有する請求項22記載
    の経皮吸収剤。
  24. 【請求項24】皮膚接触体に脂肪酸エステルを皮膚接触
    体重量に対して約1ないし約30重量%含有する請求項
    22記載の経皮吸収剤。
  25. 【請求項25】皮膚接触体に多価アルコールを皮膚接触
    体重量に対して約1ないし約30重量%含有する請求項
    22記載の経皮吸収剤。
  26. 【請求項26】皮膚接触体に非イオン界面活性剤を皮膚
    接触体重量に対して約1ないし約15重量%含有する請
    求項22記載の経皮吸収剤。
  27. 【請求項27】皮膚接触体に粘着剤を含有する請求項2
    2記載の経皮吸収剤。
  28. 【請求項28】粘着剤がアクリル系粘着剤である請求項
    22記載の経皮吸収剤。
  29. 【請求項29】皮膚接触体にメラトニン受容体アゴニス
    ト作用を有する化合物を皮膚接触体重量に対して約0.
    01ないし約70重量%含有する請求項22記載の経皮
    吸収剤。
  30. 【請求項30】皮膚接触体に粘着剤を皮膚接触体重量に
    対して約5ないし約99重量%含有する請求項22記載
    の経皮吸収剤。
  31. 【請求項31】皮膚接触体の単位皮膚接触面積当りのメ
    ラトニン受容体アゴニスト作用を有する化合物の含量が
    約0.01ないし約100mg/cm2である請求項2
    2記載の経皮吸収剤。
  32. 【請求項32】皮膚接触体に充填剤を含有する請求項2
    2記載の経皮吸収剤。
  33. 【請求項33】充填剤が二酸化ケイ素である請求項32
    記載の経皮吸収剤。
  34. 【請求項34】就寝約6時間前ないし就寝直前に貼付す
    る請求項1記載の経皮吸収剤。
  35. 【請求項35】メラトニン受容体アゴニスト作用を有す
    る化合物の有効血中濃度が約6ないし約12時間持続す
    る請求項1記載の経皮吸収剤。
  36. 【請求項36】起床前約1ないし約2時間までメラトニ
    ン受容体アゴニスト作用を有する化合物の有効血中濃度
    を維持する請求項1記載の経皮吸収剤。
  37. 【請求項37】メラトニン受容体アゴニスト作用を有す
    る化合物の血中濃度が投与後12時間の間で1峰性のパ
    ターンを示す請求項1記載の経皮吸収剤。
  38. 【請求項38】メラトニン受容体アゴニスト作用を有す
    る化合物の血中濃度のピークが投与後約10時間以内に
    出現する請求項37記載の経皮吸収剤。
  39. 【請求項39】メラトニン受容体アゴニスト作用を有す
    る化合物を含有する経皮吸収剤に脂肪酸エステル、多価
    アルコール及び非イオン界面活性剤から選ばれる1又は
    2以上を含有することを特徴とするメラトニン受容体ア
    ゴニスト作用を有する化合物の経皮吸収方法。
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WO2006051818A1 (ja) 2004-11-10 2006-05-18 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. 外用製剤及び貼付剤
JP2010531859A (ja) * 2007-07-02 2010-09-30 レ ラボラトワール セルヴィエ 新規ナフタレン誘導体、その製造法およびそれを含有する薬学的組成物
JP2010531860A (ja) * 2007-07-02 2010-09-30 レ ラボラトワール セルヴィエ 新規ナフタレン誘導体、その製造法およびそれを含有する薬学的組成物

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