JP3840859B2 - 希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気通路に排気浄化用触媒が介装され所定の運転状況下で希薄燃焼運転を行なう希薄燃焼内燃機関の空燃比を制御する、希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、所定の運転状況下では、低燃費を目的として理論空燃比(ストイキ空燃比)よりも燃料の希薄な空燃比(リーン空燃比)での希薄燃焼運転(リーン運転)を行なう希薄燃焼内燃機関(希薄燃焼エンジン,以下、単にエンジンともいう)が実用化されている。このような希薄燃焼内燃機関では、加速運転時のように高い出力を必要とする場合には、理論空燃比での運転(ストイキ運転)又は理論空燃比よりも燃料の過濃な空燃比(リッチ空燃比)での運転(リッチ運転)が行なわれ、定常運転時のように高い出力を必要としない場合には、リーン運転が行なわれる。
【0003】
また、エンジンから排出される排気を浄化するために一般的にエンジンの排気通路には排気浄化用触媒(以下、単に触媒とも言う)が介装されており、希薄燃焼エンジンでは、このような触媒としては、理論空燃比の雰囲気でCO,HC及びNOXを浄化する三元触媒や、リーン空燃比の雰囲気でNOXを吸蔵し、リッチ空燃比の雰囲気になると吸蔵したNOXを放出還元又は直接還元する吸蔵還元型NOX触媒(以下、単にリーンNOX触媒又はNOX触媒という)が使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の技術では、例えば、加速時にはリッチ運転での高出力の運転が行なわれ、その後、定常運転に移行するとリーン運転での低燃費の運転に切り換えられるが、このリーン運転への切り換え直後、三元触媒が短時間スパイク的に昇温し、触媒の熱劣化を招く虞がある。
【0005】
つまり、例えば排気通路に三元触媒のみが介装されている場合、リッチ運転時には、燃料過剰の還元雰囲気となるので三元触媒は酸化による浄化機能を発揮できないため、排気中に比較的多く含まれるHC,CO,H2等の未燃物が三元触媒に蓄積していき、その後、リーン運転に切り換えられると空気過剰の酸化雰囲気となるので、三元触媒上の未燃物が排気中に多量に含まれる酸素と反応して一気に燃焼し、触媒温度が短時間だけスパイク的に上昇してしまう。したがって、高負荷加速時等のように排気が高温となって三元触媒が耐熱温度の上限近くまで昇温している時に、リーン運転へ切り換えられると、三元触媒が、耐熱温度を越えて昇温して熱劣化し、その触媒性能が低下してしまうのである。
【0006】
同様に、三元触媒の上流側にNOX触媒が配置される場合も、リッチ運転又はストイキ運転からリーン運転への切換直後に三元触媒が熱劣化してしまう虞がある。つまり、リーンNOX触媒は、リーン運転時のように酸素過剰の酸化雰囲気でNOXを吸蔵し、ストイキ運転又はリッチ運転時のような還元雰囲気では吸蔵していたNOXを放出還元又は直接還元する性質を有している一方、ストイキ運転又はリッチ運転時には、排気中に多く含まれるHC,CO,H2等の未燃物を吸蔵し、リーン運転時には、この吸蔵した未燃物を速やかに放出する性質を有している。また、リッチ運転時には前述と同様に三元触媒にもHC,CO,H2等の未燃物が蓄積する。
【0007】
このため、リーン空燃比への切り換えにより、下流側の三元触媒上では、NOX触媒から放出された未燃物と三元触媒自体に蓄積された未燃物とが、排気中に多量に含まれる酸素と反応して一気に燃焼し、これにより、三元触媒が熱劣化して触媒性能が低下してしまうのである。
もちろん、リーン空燃比下でも、NOX触媒に吸蔵された未燃物が全て放出されるわけではない。このため、放出されずにNOX触媒に吸蔵されたままの未燃物が、リーン空燃比下で排気に多量に含まれる酸素と反応し、このため、NOX触媒についても、熱劣化して触媒性能が低下してしまう虞がある。
【0008】
ところで、特開平07−103015号公報には、排気系にNOX浄化部材をそなえた希薄燃焼内燃機関において、リーン空燃比での運転経過時間とともにNOX浄化部材の浄化効率が低下すると、内燃機関の出力に変化を与えることなしに内燃機関の運転をストイキ空燃比又はリッチ空燃比での運転に切り換えてNOX浄化部材を再生しうる技術が開示されているが、上記の課題を解決しうるものではない。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、排気浄化用触媒(三元触媒又はNOX触媒)を熱劣化させることなくリーン運転への切り換えを行なえるようにした、希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明では、排気通路に排気浄化用触媒を介装された希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置において、運転状態検出手段により運転状態が検出され、この運転状態に基づいて、希薄燃焼内燃機関は、制御手段により、空燃比をリーンにするリーン運転,空燃比をストイキ近傍にするストイキ運転,空燃比をリッチにするリッチ運転のいずれかにより運転されるが、運転状態に基づいてリーン運転に切り換えられるべき時に、未燃物量検知手段により検知された排気浄化用触媒への未燃物の蓄積量又はこの未燃物の蓄積量に相関するパラメータが所定値よりも大きい場合には、制御手段により強制的にストイキ運転が実行される。
【0011】
請求項2記載の本発明では、排気通路に、空燃比がリーンの時には排気中のNOXを吸蔵し、空燃比がリッチ又はストイキの時にはNOXを還元するNOX触媒を介装され、このNOX触媒の下流に三元触媒を介装された希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置において、運転状態検出手段により希薄燃焼内燃機関の運転状態が検出され、この運転状態に基づいて、希薄燃焼内燃機関は、制御手段により、空燃比をリーンにするリーン運転,空燃比をストイキ近傍にするストイキ運転,空燃比をリッチにするリッチ運転のいずれかにより運転されるが、運転状態に基づいてリーン運転に切り換えられるべき時に、未燃物量検知手段により検知されたNOX触媒の未燃物の吸蔵量又はこの未燃物の吸蔵量に相関するパラメータが所定値よりも大きい場合には、制御手段により強制的にストイキ運転が実行される。
【0012】
なお、請求項1又は2記載の希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置では、排気浄化用触媒や三元触媒の温度を検出する触媒温度検出手段を設けて、この触媒温度検出手段の検出結果に基づき触媒温度が所定温度よりも高くなったときに限って、制御手段により、強制的に目標空燃比をストイキ近傍に設定することが望ましい。これにより、排気浄化触媒上や三元触媒上の未燃物が燃焼して触媒温度が耐熱温度を越えてしまうような場合に限ってリーン空燃比での運転が規制されるので、燃費低減効果を十分に発揮できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の第1実施形態としての希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置について説明する。図1及び図2は本実施形態の希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置について示す図である。
【0014】
本実施形態の空燃比制御装置がそなえられる希薄燃焼内燃機関は、図1に示すように、燃焼室1内に燃料を直接噴射する筒内噴射内燃機関(筒内噴射エンジン、以下、単にエンジンとも言う)として構成される。
燃焼室1には、吸気通路2および排気通路3が連通しうるように接続されており、吸気通路2と燃焼室1とは吸気弁4によって、排気通路3と燃焼室1とは排気弁5によって、それぞれ連通制御されるようになっている。また、吸気通路2には、エアクリーナ2a,吸入空気量を検出するエアフローセンサ(AFS)2b,スロットル弁2c,スロットル弁2cの開度を検出するスロットルポジションセンサ(TPS)2dが設けられており、排気通路3には、排気中のO2濃度を検出するO2センサ3a,排気浄化用触媒としての三元触媒(以下、単に触媒とも言う)6b,触媒6bの直ぐ上流の排気温度を触媒6bの温度TCとして検出する触媒温度センサ(触媒温度検出手段)3b,図示しないマフラが設けられている。また、燃焼室1には、インジェクタ(燃料噴射弁)8が燃焼室1へ燃料を直接噴射すべくその開口を燃焼室1に臨ませるように配置されている。
【0015】
このような構成により、スロットル弁2cの開度に応じエアクリーナ2aを通じて吸入された空気が、吸気弁4の開放により燃焼室1内に吸入され、燃焼室1内のピストン上面に形成された半球状の凹部1aにより縦渦(逆タンブル流)に生成されて、制御手段としての制御装置(ECU)20からの信号に基づいてインジェクタ8から噴射された燃料と混合されるようになっている。そして、燃焼室1内で点火プラグ7を適宜のタイミングで点火させることにより、この混合気を燃焼させてエンジントルクを発生させたのち、排気が燃焼室1内から排気通路3へ排出され、触媒6bで浄化されてから、マフラで消音されて排出されるようになっている。
【0016】
筒内噴射エンジンでは、このように燃焼室1内で吸入空気を逆タンブル流に生成することにより、点火プラグ7近傍に少量の燃料を集めて層状燃焼させ、混合気全体としては極めてリーンな空燃比での燃焼(希薄燃焼)が可能となっている。
また、このエンジンには、上述したAFS2b,TPS2d,O2センサ3a,触媒温度センサ3bの他に、例えば、クランクシャフト9に付設されたクランク角検出装置9a等の種々のセンサが設けられており、これらのセンサからの検出情報がECU20へ送られるようになっている。
【0017】
筒内噴射エンジンについてさらに説明すると、筒内噴射エンジンは、燃料噴射の態様として、リーンな空燃比下で運転を行なうリーン運転モードと、空燃比が理論空燃比(ストイキ)近傍となるようにO2センサ3aからの検出情報等に基づいてフィードバック制御を行なうストイキ運転モードと、リッチな空燃比で運転を行なうリッチ運転モードとが設けられている。このような運転モードの選択、即ち目標空燃比の設定は、後述するように空燃比制御装置により運転状態に応じて行なわれるようになっている。なお、リーン運転での運転をリーン運転、ストイキ運転モードでの運転をストイキフィードバック運転(単にストイキ運転とも言う)、リッチ運転モードでの運転をリッチ運転という。
【0018】
さて、次に、三元触媒6bについてさらに説明すると、三元触媒6bは、エンジンがフィードバック制御によりストイキ近傍の空燃比で運転されている時に、CO,HC等の未燃物及びNOXを浄化するものである。従来技術の課題として先述したように、加速運転時のように高い出力が必要となってエンジンがリッチ運転されると、燃料過剰(即ち、還元雰囲気)となって排気中に未燃物が比較的多く含まれるようになり、この未燃物が浄化されずに触媒6bに蓄積していく。その後、加速運転から高出力の不要な定常運転になると、燃費の抑制を目的としてリッチ運転(又は短時間のストイキ運転)からリーン運転に切り換えられるが、この結果、触媒6bに蓄積したこの未燃物が、リーン運転下で排気中に多量に含まれる酸素と反応して一気に燃焼し、燃焼する未燃物が多いと多量の燃焼熱を発するため触媒6bが熱劣化してしまう虞がある。
【0019】
そこで、本実施形態では、目標空燃比がリーンに切り換えられた時点で、触媒6bの触媒温度TCが所定温度T1よりも高く、且つ、触媒6bに所定量(所定値)M1よりも多くの未燃物が蓄積している場合には、空燃比制御装置により、空燃比がストイキ近傍に制御され、これにより、触媒6b上の未燃物が除去されて、触媒6bに蓄積した未燃物の量(未燃物の蓄積量,以下、未燃物蓄積量とも言う)MC1が所定量M1以下になってから、空燃比がリーンに切り換えられるようになっている。
【0020】
つまり、現状の触媒温度TCが高く、さらに、未燃物蓄積量MC1が多いため、かかる未燃物の燃焼による触媒温度TCの上昇も大きいと予想される場合には、空燃比をリーンにする前に先ずストイキ近傍に制御して排気中に酸素や未燃物が殆どない状態とするようになっている。これにより、触媒6b上の未燃物は、未燃物の分圧の低い周囲の排気に流れていき(これを拡散という)、触媒6bから未燃物が除去されるようになっている。また、触媒6bから除去される未燃物が、ストイキフィードバック運転時に微少量発生する排気中の酸素により燃焼する場合でも、この燃焼は緩慢であり、触媒6bを過剰に昇温することはない。
【0021】
そして、未燃物蓄積量MC1が所定量M1よりも少なくなって、かかる蓄積された未燃物が燃焼しても触媒温度TCが耐熱温度を越える虞がなくなってから、リーン運転を開始するようにしているのである。
本実施形態の空燃比制御装置は、前述した運転状態検出手段としてのクランク角検出装置9a及びTPS2dと、触媒温度センサ3bとに加えて、ECU20内の機能として構成された未燃物量推定手段(未燃物量検知手段)21a,運転モード選択手段22a,目標空燃比設定手段23及び空燃比制御手段24とをそなえて構成されている。
【0022】
以下、未燃物量推定手段21a,運転モード選択手段22a,目標空燃比設定手段23及び空燃比制御手段24についてさらに説明する。
先ず、未燃物量推定手段21aについて説明すると、未燃物量推定手段21aは、触媒6bに蓄積した未燃物蓄積量MC1を推定するものであり、未燃物蓄積量MC1は、例えば、後述の目標空燃比設定手段23により設定された目標燃空比(ストイキフィードバック運転時は平均燃空比,燃空比:空燃比の逆数)から理論燃空比を差し引いた値、即ち、単位吸入空気量あたりの燃焼に寄与しない燃料量に、AFS2bにより検出された吸入空気量を乗じて単位時間当たりに発生する未燃物蓄積量を求め、この未燃物蓄積量を積算していくことにより推算される。
【0023】
なお、このように推算される未燃物蓄積量MC1は、ストイキ運転又はリーン運転が行われると未燃物が触媒6bから除去されるので、このような場合は、積算値がリセットされるか或いはストイキ運転又はリーン運転が行われた時間に応じて減算されるようになっている。かかる減算量は、ストイキ運転中では平均空燃比又は平均空燃比と相関するパラメータ(例えばO2センサ3aからの検出値)に応じて、また、リーン運転中では、目標空燃比に応じて変化させるように設定すればよい。
【0024】
次に、運転モード選択手段22aについて説明すると、この運転モード選択手段22aはTPS2d及びクランク角検出手段9aの検出情報に基づきECU20でそれぞれ計算されるエンジン負荷Pe及びエンジン回転速度Ne(運転状態)に応じてエンジンの運転モードを、リーン運転,ストイキ運転,リッチ運転の中から選択し設定するもので、エンジン負荷Pe及びエンジン回転速度Neが大きくなるほど、リーン運転,ストイキ運転,リッチ運転の順に運転モードを設定するようになっている。
【0025】
さらに、この運転モード選択手段22aでは、運転モードがリーン運転に切り換えられるべき時、触媒温度センサ3bにより検出された触媒温度TCが所定温度T1よりも高く、且つ、未燃物量推定手段21aにより推定された触媒6bの未燃物蓄積量MC1が所定量M1よりも多い場合には、このまま空燃比をリーンに切り換えると、上述したように触媒温度TCが耐熱温度を越えてしまう虞があるので、リーン運転モードの開始時に、一時的にストイキ運転モードで運転するようにして空燃比を強制的にストイキ近傍にして運転するようになっている。なお、所定量M1は、運転モード選択手段22aに予め記憶された定数である。
【0026】
また、目標空燃比設定手段23は、運転モード選択手段22aで設定された各運転モード毎に予め記憶されたマップを用いて、エンジン運転状態(エンジン負荷Pe及びエンジン回転速度Ne)に応じて具体的な目標空燃比を設定するか、又は、O2センサ3aの出力に基づいて目標空燃比を設定するようになっている。
【0027】
次に空燃比制御手段24について説明すると、空燃比制御手段24は、実空燃比を、運転モード選択手段22aの設定に基づいて目標空燃比設定手段23により設定された目標空燃比にすべく、目標空燃比に見合った燃料量が噴射されるようにインジェクタ8等の作動を制御するもので、空燃比をストイキ近傍に制御するときには、O2センサ3aからの検出値に基づきフィードバック制御を行ない 、空燃比をリーン又はリッチに制御するときにはオープンループ制御を行なうようになっている。
【0028】
本発明の第1実施形態としての希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置は上述のように構成されているので、触媒6bに蓄積した未燃物を除去するための空燃比制御が、例えば図2に示すように行なわれる。先ず、ステップA10で、触媒温度センサ3bからの検出情報に基づき触媒温度TCが所定温度T1よりも高いか否かが判定され、触媒温度TCが所定温度T1よりも高い場合には、リーン運転を行なうと触媒6bが熱劣化する虞があるとしてステップA20に進み、触媒温度TCが所定温度T1以下の場合には、触媒6bが熱劣化する虞はないとしてリターンする。
【0029】
そして、ステップA20では、運転状態に基づいて目標空燃比をリーン(即ち、リーン運転)に切り換えるべきか(A/Fリーン運転モードにするべきか)否かが判定され、目標空燃比をリーンに切り換えるべきと判定されれば、このままリーン運転に切り換えると、触媒6bに酸素を多く含んだ排気が流れ込んで触媒6b上の未燃物が燃焼して触媒6bが熱劣化する虞があるとして、ステップA30に進み、一方、目標空燃比をリーンに切り換えるべきと判定されなければリターンする。
【0030】
そして、ステップA30では、未燃物量推定手段21aで推定された触媒6bの未燃物蓄積量(触媒蓄積物残量)MC1が所定量M1よりも多いか否かの判定が行なわれ、この未燃物蓄積量MC1が所定量M1よりも多ければ、リーン運転を行なうとこの未燃物が燃焼して触媒6bが熱劣化する虞があるとしてステップA40へ進み、空燃比が強制的にストイキ近傍に制御されて(即ち、ストイキ運転モードが選択されて)未燃物の除去(触媒蓄積物除去)が行なわれる。一方、かかる未燃物蓄積量MC1が所定量M1以下であれば、触媒6bが熱劣化する虞はないとしてリターンする。
【0031】
したがって、触媒温度TCが所定温度T1よりも高ければ、リーン運転モードの選択が継続されていても、未燃物蓄積量MC1が所定量M1以下になるまでは、触媒蓄積物除去のためのストイキ運転が強制的に行なわれる。
本空燃比制御装置によれば、このような制御フローより、触媒6bに未燃物が多く堆積しているためにリーン運転に切り換えると触媒6bが熱劣化する可能性がある場合には、リーン運転開始前に、未燃物蓄積量MC1が所定量M1よりも少なくなるまで空燃比がストイキ近傍に制御されて未燃物が除去される。したがって、触媒6bに蓄積した未燃物が所定量M1まで除去されてからリーン運転が開始されるので、この時、未燃物の燃焼による触媒6bの熱劣化を防止できるという利点がある。
【0032】
次に、本発明の第2実施形態としての希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置について説明する。図3及び図4は本実施形態の希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置について示す図である。なお、第1実施形態で説明した構成部と同一の構成部については、同一の符号を付し説明を省略する。
本実施形態の希薄燃焼内燃機関は、図3に示すように、上述の第1実施形態に対して、吸蔵還元型NOX触媒(排気浄化用触媒,NOX触媒)6aを三元触媒6bの排気上流側に追加した構成のものである。NOX触媒6aは、アルミナ製のウオッシュコートに触媒金属(ここではバリウム)を担持させて構成される。ストイキ運転中のように酸素濃度が低下した雰囲気では、硝酸塩(硝酸バリウム)としてNOX触媒6aに吸蔵されていたNOXと排気中のCO(未燃物)とが反応して、NOXが放出されるとともにCOが炭酸塩(炭酸バリウム)としてNOX触媒6aに吸蔵される。一方、リーン運転中のように酸素過剰雰囲気では、NOX触媒6aに吸蔵されていた炭酸塩と排気中のNOXとが反応して、NOXが硝酸塩としてNOX触媒6aに吸蔵されるとともにCO2やCOが放出されるようになっている。なお、NOXが吸蔵されるとは、NOXが、NOX触媒6aの表面に吸着されること及びNOX触媒6a内に取り込まれる(吸収される)ことの両方を指す。
【0033】
このように、NOX触媒6aを三元触媒6bの上流に設けることで、リーン運転中では、酸素過剰な雰囲気下では浄化機能を発揮できない三元触媒6bに代わってNOX触媒6aにより排気中のNOXが吸蔵され、酸素濃度が低下したストイキ運転中では、リーン運転中に吸蔵されたNOXがNOX触媒6aから放出され、この放出されたNOXが下流の三元触媒6bにより浄化されるようになっている。
【0034】
ところで、ストイキ運転中のように、エンジンからの排気中にCOやNOXやO2が殆ど含まれないうな場合には、NOX触媒6aは劣化し易いという性質がある。つまり、NOX触媒6aの触媒金属であるバリウムは、COやNOXやO2と反応して炭酸バリウムや硝酸バリウムや酸化バリウムになっているときには化学的に安定しているが、メタル単体では化学的に不安定となる。このため、NOX触媒6aにおいて、殆どのバリウムがメタル単体として存在し、且つ、ストイキ運転中のように排気中にCOやO2が殆ど含まれないような場合には、化学的に不安定なバリウムが近傍のアルミナ製のウオッシュコートと反応してアルミン酸バリウムとなってしまう(これをアルミネート化という)。そして、アルミン酸バリウムは化学的に安定してCOやNOXと反応しにくいためNOXを吸蔵しなくなってしまう(劣化してしまう)のである。
【0035】
また、一般的に、NOX触媒6aの排気上流側には、エンジンの冷態始動時に触媒6a,6bよりも早期に活性化しうるとともにストイキ空燃比下で排気を浄化しうるフロント三元触媒が設けられており(図示略)、このフロント三元触媒によりNOXが浄化されるため、NOX触媒6aに流入する排気にはNOXが殆ど含まれておらず、この点からも、ストイキ運転中は、NOX触媒6aは劣化しやすい状態となる。
【0036】
また、従来技術の説明として前述したように、NOX触媒6aは、ストイキ又はリッチ空燃比下で吸蔵した未燃物をリーン空燃比下で速やかに放出する性質を有している。また、リッチ運転時には三元触媒6bに未燃物が蓄積する。このため、NOX触媒6aに多量の未燃物が吸蔵された状態でリーン運転に切り換えられると、NOX触媒6aから多量の未燃物が放出されて、このNOX触媒6aから放出された未燃物と三元触媒6b自体に蓄積された未燃物とが、下流側の三元触媒6b上で、リーン運転下での排気中に多量に含まれる酸素と反応して一気に燃焼して三元触媒6bが耐熱温度を越えて熱劣化する虞がある。また、この時、NOX触媒6aにおいて、一部の未燃物は放出されずに吸蔵されたままとなるので、かかる未燃物の燃焼によりNOX触媒6aも同様に熱劣化する虞がある。
【0037】
そこで、本実施形態では、前述の第1実施形態と略同様に、目標空燃比がリーンに切り換えられた時点で、触媒6a,6bに多量の未燃物が蓄積しているため、このままリーン運転を開始すると触媒6a,6bが熱劣化する虞がある場合には、空燃比制御装置により空燃比を強制的にストイキ近傍に制御(ストイキ運転を選択し)し、これにより触媒6a,6b上に蓄積した未燃物を排気中に拡散させて除去するようになっている。
【0038】
但し、上述したように、NOX触媒6aは、触媒中に吸蔵された炭酸塩の量(未燃物の吸蔵量,以下、炭酸塩量とも言う)MC2が少なく且つストイキ空燃比下では劣化してしまうため、空燃比を強制的にストイキ近傍に制御するのは、NOX触媒6aに吸蔵された炭酸塩量MC2が所定量(所定値)M2以上のときに限定して行ない、さらに、この時の空燃比を、ストイキ近傍であるが若干リーン側(スライト・リーン)になるように一定制御している。空燃比がストイキ近傍であっても平均空燃比がリッチ側であると触媒6a,6bが昇温することが分かっており、このように空燃比をスライト・リーンに設定することで、より効果的に触媒6a,6bのスパイク的な昇温を抑制することができるようにしている。
【0039】
なお、スライト・リーン運転では、触媒中に吸蔵された炭酸塩と排気中のNOXとが反応して炭酸塩が減少するので、NOX触媒6aのアルミネート化による劣化を防止するため、スライト・リーンでの運転時間は10秒を上限とするのが好ましい。
また、このように空燃比をスライト・リーンに制御する方法は、例えば、O2センサ3aの検出情報に基づくストイキフィードバック制御をリーン側にシフトさせて行なわれる。もちろん、このような未燃物除去のための空燃比制御が行なわれるのは短時間であることが予想される場合にはオープンループ制御でもよい。
【0040】
本実施形態の空燃比制御装置は、図3に示すように、運転状態検出手段としてのクランク角検出装置9a及びTPS2dと、触媒温度センサ3bと、ECU20内の機能として構成される未燃物量推定手段(未燃物量検知手段)21bと、運転モード選択手段22bと、目標空燃比設定手段23と、空燃比制御手段24とをそなえて構成される。
【0041】
以下、第1実施形態とは異なる未燃物量推定手段21b及び運転モード選択手段22bについて説明する。
先ず、未燃物量推定手段21bについて説明すると、未燃物量推定手段21bは、触媒6a,6bに蓄積したCOやH2やHC等の未燃物蓄積量MC1を推定するとともに、この未燃物のうち特にNOX触媒6a中に炭酸塩として吸蔵されるCOの量を炭酸塩量MC2として推定するものであり、未燃物蓄積量MC1は、目標燃空比(ストイキフィードバック運転時は平均燃空比)から理論燃空比を差し引いた値、即ち、単位吸入空気量あたりの燃焼に寄与しない燃料量(過剰燃料量)に、吸入空気量を乗じて単位時間当たりに発生する未燃物蓄積量を求め、この未燃物蓄積量を積算することにより推算される。
【0042】
また、炭酸塩量MC2は、過剰燃料量に、吸入空気量や、燃焼効率や、燃料中にCが含まれる割合を乗じて単位時間当たりに発生するCO量を求め、さらにこのCO量に予め未燃物量推定手段21bに記憶された吸蔵効率(NOX触媒6aに流入したCOのうち、バリウムと反応して炭酸塩としてNOX触媒6aに吸蔵されるCOの割合)を乗じて炭酸塩量を求め、この炭酸塩量を積算していくことにより推算される。
【0043】
次に、運転モード選択手段22bについて説明する。運転モード選択手段22bは、エンジン負荷Pe及びエンジン回転速度Ne(運転状態)に応じて、エンジン負荷Pe及びエンジン回転速度Neが大きくなるほど、リーン,ストイキ,リッチの順に運転モードを設定するとともに、運転モードがリッチ運転からリーン運転に切り換えられた時に、触媒温度センサ3bにより検出された三元触媒6bの温度TCが所定温度T1よりも高く、且つ、未燃物量推定手段21bにより推定された触媒6a,6bの未燃物蓄積量MC1が所定量M1よりも多い場合には、未燃物量推定手段21bにより推定されるNOX触媒6a中の炭酸塩量MC2が所定量M2よりも多ければ、リーン運転モードの開始時に、一時的にスライト・リーン運転モードで運転するようにして空燃比を強制的にスライト・リーンにして運転するようになっている。なお、所定量M1,M2は、運転モード選択手段22bに予め設定された定数である。
【0044】
本発明の第2実施形態としての希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置は上述のように構成されているので、例えば図4に示すように触媒6a,6bに蓄積した未燃物を除去するための空燃比制御が行なわれる。つまり、ステップB10で、三元触媒6bの温度TCが所定温度T1よりも高いと判定され、ステップB20で、目標空燃比をリーン(即ち、リーン運転)に切り換える(A/Fリーン運転モードに切り換える)べきと判定され、ステップB30で、NOX触媒6a中の炭酸塩量MC2が所定量M2よりも多いと判定され、ステップB40で、未燃物蓄積量(触媒蓄積物残量)MC1が所定量(所定値)M1よりも多いと判定されると、空燃比が強制的にスライト・リーンに制御されて(即ち、スライト・リーン運転モードが選択されて)未燃物の除去(触媒蓄積物除去)が行なわれる。
【0045】
本空燃比制御装置によれば、このような制御フローより、未燃物蓄積量MC1が所定量M1以下になるまで、未燃物を除去するために空燃比がスライト・リーンに制御される。したがって、触媒6a,6b蓄積した未燃物が所定量M1まで除去されてからリーン運転が開始されるので、上述の第1実施形態と同様に、リ−ン運転への切り換えの際に触媒6a,6bが熱劣化してしまうことを防止できるという利点がある。
【0046】
また、上述の実施形態では、図4に示すように、触媒6a,6bの未燃物蓄積量MC1と所定量M1との比較(ステップB40)、及び、NOX触媒6a中に吸蔵された炭酸塩量MC2と所定量MC2との比較(ステップB30)を別々の制御ステップとして設けているが、これらの未燃物蓄積量MC1と炭酸塩量MC2との間に明らかな相関関係があるような場合には、重複したステップとなるので上記ステップB30,ステップB40のいずれか一方のみを行なうようにしてもよい。
【0047】
また、本発明の希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置は、上述の各実施形態のものに限定されるものでなく、種々変形して実施することができる。
例えば、上述の各実施形態では、未燃物量検知手段を、未燃物量MC1,MC2を推定する未燃物量推定手段21a,21bで構成しているが、代わりに触媒6a,6bの出入口の排気差圧を検出する差圧検出手段で構成してもよい。この場合、ECU(制御手段)20の運転モード選択手段22a,22bでは、この差圧検出手段により検出された各排気差圧(未燃物の蓄積量又は未燃物の吸蔵量に相関するパラメータ)が所定値よりも大きいことを条件の一つとして空燃比を強制的にストイキに設定するようになる。但し、排気差圧は、未燃物量だけでなく排気量等に応じても変化するので、排気量検出手段を設け、この排気量検出手段の検出結果に基づき排気量に対する補正が必要となる。この場合、排気量の代わりに一般的に車両にそなえられるAFS2bにより検出された吸入空気量で近似して補正させてもよい。
【0048】
また、触媒6a,6bの上流側及び下流側に未燃物の濃度を検出するHCセンサかCOセンサのようなガスセンサを介装し、これらのガスセンサにより未燃物量検知手段を構成してもよい。この場合、上流側と下流側とのガスセンサ検出値の差を積算することで触媒6a,6bに蓄積した未燃物量を推定すればよい。
また、上述したように、ECU(制御手段)20は、未燃物蓄積量MC1が所定量M1よりも多きいことを条件の1つとして未燃物を除去するための空燃比制御を行なうようになっている。各実施形態では、この所定量M1は予め設定された定数とされているが、所定量M1を、マップ値として、例えば三元触媒6bの触媒温度TCに応じて変化させるようにしてもよい。つまり、リーン運転を行なうと三元触媒6bが熱劣化する虞があるとき、即ち、触媒温度TCと、未燃物が燃焼した時の三元触媒6bの昇温ΔTとの合計が、三元触媒6bの耐熱温度を越える虞があるときに、空燃比を強制的にストイキ近傍に設定すればよいので、触媒温度TCに応じて、昇温ΔTの上限値を設定し、この昇温ΔTの上限値に見合った未燃物蓄積量を所定量M1として設定するのである。
【0049】
さらに、上述の各実施形態では、未燃物を除去するための空燃比制御は、ストイキ近傍又はスライト・リーンでの一定制御であるが、触媒6a,6b上の未燃物の量MC1が減少するにしたがって、この未燃物が燃焼したとしても、その昇温は小さくなるので、これに応じて空燃比を徐々にリーン側にシフトさせて燃費を抑制するようにしてもよい。
【0050】
また、本空燃比制御装置を、排気通路にNOX触媒6aのみそなえたエンジンに適用してもよい。この場合も、第2実施形態と同様に、触媒上の未燃物を除去する際には、NOX触媒6aのアルミネート化による劣化の防止と燃費抑制とを目的として、目標空燃比を、10秒間程度を上限にストイキ近傍でリーン側に設定するのが好ましい。
【0051】
さらに、各実施形態では、未燃物蓄積量MC1が所定量M1よりも少なくなるまで空燃比がストイキ近傍に制御されるが、例えば、かかる制御を一定時間(例えば5秒)だけ行なうようにしてもよい。
また、本発明の空燃比制御装置は、筒内噴射内燃機関だけでなく希薄燃焼可能な内燃機関に広く適用できるものである。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置によれば、リーン運転に切り換えられるべき時に、未燃物量検知手段により検知された排気浄化用触媒の未燃物の蓄積量又は排気浄化用触媒の未燃物の蓄積量に相関するパラメータが所定値よりも大きい場合には、制御手段により強制的にストイキ運転が実行されるので、排気浄化用触媒に未燃物が多量に蓄積した状態で、排気浄化用触媒に多量の酸素が供給されて排気浄化用触媒上の未燃物が一気に燃焼してしまうことを防止でき、さらに、排気浄化用触媒に蓄積した未燃物を排気中に拡散させて除去できる。したがって、排気浄化用触媒を熱劣化させることなくリーン運転への切り換えを行なえるようになるという利点がある。
【0053】
請求項2記載の本発明の希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置によれば、リーン運転に切り換えられるべき時に、未燃物量検知手段により検知されたNOX触媒の未燃物の吸蔵量又は未燃物の吸蔵量に相関するパラメータが所定値よりも大きい場合には、制御手段により強制的にストイキ運転が実行されるので、未燃物がNOX触媒から下流の三元触媒に供給されてしまうことが未然に防止されるとともに、NOX触媒や三元触媒に多量の酸素が供給されてしまうことがないので、未燃物が、NOX触媒及び特に三元触媒上で一気に燃焼してしまうことを防止でき、さらに、三元触媒及びNOX触媒に蓄積した未燃物を、排気中に拡散させて除去できる。したがって、三元触媒及びNOX触媒を熱劣化させることなくリーン運転への切り換えを行なえるようになるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態としての希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置の構成を希薄燃焼内燃機関の全体構成とともに示す模式的な構成図である。
【図2】 本発明の第1実施形態としての希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置の制御を説明するためのフローチャートである。
【図3】 本発明の第2実施形態としての希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置の構成を希薄燃焼内燃機関の全体構成とともに示す模式的な構成図である。
【図4】 本発明の第2実施形態としての希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置の制御を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
2d スロットルポジションセンサ,TPS(運転状態検出手段)
3 排気通路
6a 吸蔵還元型NOX触媒(排気浄化用触媒,NOX触媒)
6b 三元触媒(排気浄化用触媒)
9a クランク角検出装置(運転状態検出手段)
10 触媒温度センサ(触媒温度検出手段)
20 ECU(制御手段)
21a,21b 未燃物量推定手段(未燃物量検知手段)
Claims (2)
- 排気通路に排気浄化用触媒を介装された希薄燃焼内燃機関の空燃比を制御する空燃比制御装置において、
該希薄燃焼内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
該排気浄化用触媒に蓄積した未燃物の蓄積量又は該未燃物の蓄積量に相関するパラメータを検出又は推定する未燃物量検知手段と、
該運転状態検出手段により検出された該運転状態に基づいて該希薄燃焼内燃機関を、空燃比をリーンにするリーン運転,該空燃比をストイキ近傍にするストイキ運転,該空燃比をリッチにするリッチ運転のいずれかにより運転する制御手段とをそなえ、
該制御手段は、該運転状態に基づいて該リーン運転に切り換えられるべき時に、該未燃物量検知手段により検知された該未燃物の蓄積量又は該未燃物の蓄積量に相関するパラメータが所定値よりも大きい場合には、強制的にストイキ運転を実行する
ことを特徴とする、希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置。 - 排気通路に、空燃比がリーンの時には排気中のNOXを吸蔵し該空燃比がリッチ又はストイキの時には該NOXを還元するNOX触媒を介装され、該NOX触媒の下流に三元触媒を介装された希薄燃焼内燃機関の空燃比を制御する制御装置において、
該希薄燃焼内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
該NOX触媒に吸蔵された未燃物の吸蔵量又は該未燃物の吸蔵量に相関するパラメータを検出又は推定する未燃物量検知手段と、
該運転状態検出手段により検出された該運転状態に基づいて該希薄燃焼内燃機関を、空燃比をリーンにするリーン運転,該空燃比をストイキ近傍にするストイキ運転,該空燃比をリッチにするリッチ運転のいずれかにより運転する制御手段とをそなえ、
該制御手段は、該運転状態に基づいて該リーン運転に切り換えられるべき時に、該未燃物量検知手段により検知された該未燃物の吸蔵量又は該未燃物の吸蔵量に相関するパラメータが所定値よりも大きい場合には、強制的にストイキ運転を実行する
ことを特徴とする、希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置。
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