JP3840857B2 - 無機質粒子を主体とするスラッジの脱水方法並びにその脱水用調質剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無機質粒子を主体とするスラッジの脱水方法並びにその脱水用調質剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上水の浄水処理にて発生する排水やスラッジ及び土木工事等で発生する排水などの無機質粒子を主体とするスラッジは、調質薬剤を用いずに重力自然沈降濃縮をした後フイルタープレスや遠心分離機等で脱水処理を行うか、または、従来、無機質粒子の凝集剤として、硫酸アルミ,ポリ塩化アルミなどのアルミ塩類や硫酸鉄,塩化鉄などの鉄塩類や消石灰を用いてスラッジのろ過脱水性を改善した後、真空脱水機等で機械脱水する方法が主としてなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスラッジをそのまま脱水処理する方法は、スラッジ中に多く混入する微細粒子のためにろ過脱水性が著しく低いものであり、脱水設備が大きくなり、非常に長時間の脱水処理の稼動が必要となるなどの問題点がある。また、塩化第二鉄と消石灰を用いる方法では、スラッジのろ過脱水性は向上するものの、脱水処理にて発生するケーキ量が増大し、その処理処分に多大なコストと労力を要するなどの欠点がある。そして、これらの金属塩類を単独で用いて生成させた凝集はフロックが小さく、スラッジのろ過脱水性の向上割合は小さい。この発明は、これら従来の方法の問題点を鑑み、ろ過脱水効率が高く、しかも発生ケーキ及び分離水にも二次公害となるような有害物質が含有されない無害なスラッジの脱水処理方法とその調質剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の要旨は、硫酸鉄と重合ケイ酸を併用し、硫酸鉄中の鉄に対するケイ素のモル比が1以上10以下となる比率で処理対象スラッジに添加混合し無機質粒子を凝集させた後、フィルタープレスなどで機械脱水処理を行なう無機質粒子を主体とするスラッジの脱水方法とそのスラッジに用いる調質剤である。
【0005】
【発明の実施の形態】
この発明に係る装置は上記のように構成してあり、上水の浄水処理及び土木工事等で発生する無機質粒子を主体とする排水またはスラッジに、硫酸鉄を添加混合した後、カ性ソーダーまたは炭酸ソーダーなどのアルカリ剤を用いてpH9〜11に調整を行い水酸化鉄を生成させて無機質粒子の凝集作用を起こさせる。次に、重合ケイ酸を先に添加している硫酸鉄中の鉄に対するモル比が1以上10以下となる範囲で添加し、充分に混合撹拌してフロックの形成を行った後、フィルタープレスや遠心分離機などで脱水処理するものである。
【0006】
【実施例】
この発明に係る本発明の無機質粒子を主体とするスラッジの脱水方法及びその調質剤は、硫酸鉄と重合ケイ酸を併用し、硫酸鉄中の鉄に対するケイ素のモル比が1以上10以下となる比率で添加混合し、無機質粒子の凝集フロックを生成させた後、スラッジの脱水処理を行う方法である。これらの金属塩類を用いて無機性粒子の凝集作用を起こさせるためには、金属の水酸化物を生成させることが必要である。硫酸鉄をスラッジへ添加するだけでも水酸化鉄を一部生成して凝集作用が生じるが、アルカリ剤を用いてpHを9以上とすることで沈降濃縮及び脱水性の高い凝集がなされる。アルカリ剤を用いてpHを9以上に調製するのは、水酸化鉄の生成を容易にするためと、次の添加する重合珪酸の溶解度がpH9以上で大きくなり、大きなフロック形成がなされるためである。これらの現象より、硫酸鉄を添加した後アルカリ剤を用いてpHを9以上となるように調製することが必要である。
【0007】
硫酸鉄の添加率としては、スラッジの固形物当りFeOとして5〜20%の範囲が適性である。硫酸鉄の添加率5%以下では、ろ過脱水性の向上が殆どなく、また20%以上添加しても向上割合が非常に小さいものとなる。なお、用いる金属塩類として、硫酸鉄の代わりに塩化鉄や硫酸アルミやポリ塩化アルミなども使用可能であるが、塩化物を用いた場合は遊離塩素による自然環境への影響やトリハロメタンの生成などの危惧がある。
【0008】
そして、金属塩のみでは、生成する凝集フロックは小さくろ過脱水性の向上は小さい。この一次凝集させたものに重合ケイ酸を添加混合すると、分子量の大きな重合ケイ酸の作用によって、小さなフロックが架橋して大きなろ過脱水性の高い凝集フロックとなる。重合ケイ酸としては、市販の水ガラスをそのまま用いてもよく、また酸を用いて重合度を上げたものを用いても差し支えない。また、鉄とケイ素のモル比は、固形物濃度が小さいときはモル比を大きくし、固形物濃度が高い場合はモル比を小さくする方が良好なろ過脱水処理ができる。モル比を高くするほど重合ケイ酸量が多くなり、スラッジ粘性が増大するので、通常ではモル比を3〜7の範囲とするのが適切である。
【0009】
この発明のスラッジの脱水方法と従来の方法のろ過脱水試験をフイルタープレス用いて実施した結果は以下の通りであった。先ず、無機質粒子を主体とするスラッジとして、実稼動中の浄水場より重力自然沈降濃縮スラッジを採取し、このスラッジを、▲1▼スラッジの圧入圧力0.5Mp、▲2▼圧搾圧力1.5Mp、▲3▼雑時間10分としてろ過速度を算出し、小型フイルタープレスを用いて脱水操作を行ない、含水率とろ過速度を比較した。
【0010】
この発明の脱水方法のろ過脱水試験に用いたスラッジ及び薬剤は、▲1▼試験に用いたスラッジの固形物濃度40g/L、▲2▼硫酸鉄(試薬1級)、組成FeSO4・7H2O、純度98%、▲3▼FeOとして添加率10%(対スラッジ固形物当たり)▲4▼水ガラス(試薬1級品)組成SiO2/Na2O(モル比=2〜2.3)、純度52〜57%を設定してスラッジの調質操作を行なった。まず、所定量のスラッジに硫酸鉄をFeOとして、スラッジ固形物当たり10%となるように秤量し添加混合し、炭酸ソーダーまたはカ性ソーダーを急速撹拌しながら添加して、スラッジのpHが9〜11程度となるように調整を行った。次に、添加したアルカリ剤を充分に混合撹拌を行った後、水ガラス5〜10%添加した希釈溶液を緩速撹拌を行いながら、Feに対してSiのモル比が1,または3,または5となるように添加混合し約10分間程度の緩速撹拌を行なった凝集スラッジを上記のフイルタープレスで脱水操作をおこなった。その結果は表1の通りであった。
【0011】
【表1】
【0012】
この発明は、上記の三種類の調質剤の添加により、脱水操作の圧入時間5分、圧搾時間11〜14分であり、脱水ケーキの含水率61.7〜63.2%の汚泥が得られ、ろ過速度は2.59〜4.11kg/m2hであった。なお、Feに対してSiのモル比が3,または5の調質剤を用いたスラッジは、モル比1の調質剤よりもろ過速度が1.43〜1.52kg/m2h速いことが分かった。
【0013】
実施例に使用した同一のスラッジを用いて、従来から行われている、▲1▼無薬注脱水法(スラッジに何も添加せず、そのまま脱水機にて脱水処理する方法)、▲2▼塩化第二鉄・消石灰法(最初に塩化第二鉄を対スラッジ固形物当たり10%添加混合した後、消石灰を対固形物当たり30%添加し充分に撹拌を行った後、脱水機へ圧入して脱水処理を行う方法)、▲3▼ポリ塩化アルミ法(ポリ塩化アルミを対スラッジ固形物当たり10%添加混合した後、炭酸ソーダーを用いて、pHを8〜10の範囲で調製した後脱水機にて脱水処理する方法)の三種類の各方法について脱水試験を実施した。その結果は以下の通りであった。
【0014】
【表2】
【0015】
この従来の三種類の各方法は、脱水操作の圧入時間5分、圧搾時間17〜19分であり、脱水ケーキの含水率64.3〜66.7%の汚泥が得られ、ろ過速度は1.78〜2.10kg/m2hであった。従って、この発明と従来方法を比較すると、この発明のスラッジの脱水方法は、圧搾操作の圧搾時間で3〜8分短縮され、脱水ケーキの含水率で1.1〜5.0%低く、ろ過速度でも0.49〜2.33kg/m2h速いろ過速度の結果が得られた。
【0016】
【発明の効果】
以上のように、この発明の無機質を主体とするスラッジの脱水方法は、従来用いられているアルミ塩類や鉄塩類に代わり、硫酸鉄と重合ケイ酸を併用した脱水用調質剤を用いることにより、ろ過脱水性の良好な凝集フロックを生成するものであり、従来の方法に比べて高効率な脱水処理ができ、しかも生成する脱水ケーキの量も少なく、且つ脱水ケーキ及び分離水も遊離塩素による自然環境への影響やトリハロメタンの生成などの危惧がなく、環境に対して安全となるものである。
Claims (2)
- 無機質粒子を主体とするスラッジに、スラッジの固形物当りFeOとして5〜20%の範囲で硫酸鉄を添加混合した後、アルカリ剤を用いてpH9〜11に調整を行い、次に、重合ケイ酸を硫酸鉄中の鉄に対するモル比が1以上10以下、好ましくはモル比が3〜7の範囲でスラッジに添加し、混合撹拌してフロックの形成を行った後、フィルタープレスなどで機械脱水処理を行なうことを特徴とする無機質粒子を主体とするスラッジの脱水方法。
- 硫酸鉄と重合ケイ酸を併用し、硫酸鉄中の鉄に対するケイ素のモル比が1以上10以下であることを特徴とする請求項1に記載の脱水用調質剤。
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