JP3839965B2 - 同報通信方法および通信装置 - Google Patents
同報通信方法および通信装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3839965B2 JP3839965B2 JP20507298A JP20507298A JP3839965B2 JP 3839965 B2 JP3839965 B2 JP 3839965B2 JP 20507298 A JP20507298 A JP 20507298A JP 20507298 A JP20507298 A JP 20507298A JP 3839965 B2 JP3839965 B2 JP 3839965B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- broadcast
- order
- terminal
- unit
- packet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、会議通信システムにおける同報パケットの受信順序の制御方法およびそれを用いた通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子会議システムのように複数の情報端末機器でウィンドウを共有し、各端末での操作の結果をウィンドウを共有している全端末で一致させる必要があるアプリケーションでは、ウィンドウを共有しているグループ内の端末が送信する同報パケットをグループ内の端末が受信する際、グループ内の全端末で当該同報パケットの受信順序を同一に保ってアプリケーションに受け渡すことが要求される。
【0003】
このような要求を満たす通信システムとして、同報を行うグループ内の端末に同報パケットの受信順序を制御するための順序制御手段を設けて、同報パケットの受信順序を同一に保つものがある。この同報パケットの順序制御の方法として以下の方法が存在している。
【0004】
1)同報パケットを送信する端末が、グループ内での受信順序を順序制御手段に問い合わせ、順序制御手段では、その問い合わせに対し、同報するパケットの受信順序を同報パケットを送信する端末に通知する。パケットを同報する端末は順序制御手段より通知された受信順序を同報パケットとともに送信する。同報パケットと受信順序を受け取った各端末は同報パケットを該受信順序に従って並べ替え、アプリケーションに渡す。
【0005】
2)同報パケットを送信する端末が、同報すべきパケットを、まず、順序制御手段を持つ端末に送信し、当該同報すべきパケットを受け取った順序制御手段が当該パケットを受信順序とともにグループ内の他の端末に同報する。同報パケットを送信する端末が順序制御手段を有する端末の場合は、受信順序を同報パケットとともに送信する。
【0006】
3)同報パケットを送信する端末が、同報パケットを順序制御手段を有する端末をも含めた全端末に送信する。順序制御手段は受け取った同報パケットに対しパケットの受信順序を割り当て、その受信順序の情報を他の端末に通知する。同報パケットを受け取った各端末は順序制御手段より通知された受信順序に従って同報パケットの並べ替えを行う。同報パケットを送信する端末が順序制御手段を有する端末の場合は、受信順序を同報パケットとともに送信する。
【0007】
いずれの方法も、同報パケットの順序制御を行う端末とパケットを同報する端末が一致している場合には、同報パケットの受信順序を決定するためにネットワークを介して通信を行う必要がないが、順序制御を行う端末と同報パケットを送信する端末が異なる場合には、同報パケットの受信順序を制御するための制御用データを順序制御手段を有する端末とそれ以外の端末の間でネットワークを介して送受信する必要がある。
【0008】
そのため、多くの同報パケットが順序制御を行う端末以外の端末から送信される場合には、順序制御を行うために多くのデータをネットワークを介して送受信する必要があり、通信ネットワークの送受信速度が十分でない場合には、同報パケットの送信に多くの時間を要する。
【0009】
また、このような通信システム上で、どの端末からより多くの同報パケットが送信されるかは、通信システムを利用するアプリケーションや、ユーザがどのような目的でアプリケーションを利用するかに大きく依存するため、事前に多くの同報パケットを送信する端末を知ることは困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は、多くの同報パケットが順序制御を行う端末以外の端末から送信される場合には、順序制御を行うために多くのデータを通信ネットワークを介して送受信する必要があり、通信ネットワークの送受信速度が十分でない場合には、同報パケットの送信に多くの時間を要するという問題があった。
【0011】
また、通信システム上で、どの端末からどの程度の同報パケットが送信されるかは、通信システムを利用するアプリケーションや、ユーザがどのような目的でアプリケーションを利用するかに大きく依存するため、事前に同報パケットを多く送信する端末を知ることは困難であった。
【0012】
本発明は、以上の問題点を鑑みてなされたもので、複数の端末間で同報パケットを送受信する際、同報パケットの受信順序を前記複数の端末で同一に保ちながら同報通信の高速化が図れる同報通信方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、複数の端末間で同報パケットを送受信する際、同報パケットの受信順序を前記複数の端末で同一に保ちながら同報通信の高速化が図れる通信装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の同報通信方法は、ネットワークを介して接続された複数の情報端末装置にパケットを同報する同報通信方法において、
前記複数の情報端末装置の同報パケットの送信状況に基づき、前記同報パケットを前記複数の情報端末装置で受信する順序を同一に保つための受信順序を決定する(順序制御を行う)情報端末装置を前記複数の情報端末装置の中から選択し、
前記複数の情報端末装置のいずれかが同報パケットを送信する際には、該同報パケットに前記選択された情報端末装置から通知された受信順序を付加してから送信することにより、より多くの同報パケットを送信する端末に順序制御の権限を移行して、順序制御のために必要なデータの送受信量を低減することができるため、同報通信の高速化が図れる。従って、同報パケットの受信順序を前記複数の端末で同一に保ちながら同報通信の高速化が図れる。
【0015】
(2)本発明の通信装置は、ネットワークに接続された複数の情報端末装置間で同報パケットを送受信する際に、同報パケットを送信する情報端末装置の要求に応じて、前記同報パケットを前記複数の情報端末装置で受信する順序を同一に保つための受信順序を決定する決定手段(順序制御部104、予備順序制御部105)を具備し、
この決定手段は、前記複数の情報端末装置の同報パケットの送信状況に基づき(順序制御移行要求部107により)選択されたとき起動することにより、より多くの同報パケットを送信する端末に順序制御の権限を移行して、順序制御のために必要なデータの送受信量を低減することができるため、同報通信の高速化が図れる。従って、同報パケットの受信順序を前記複数の端末で同一に保ちながら同報通信の高速化が図れる。
【0016】
(3)本発明の通信装置は、ネットワークに接続された複数の情報端末装置間で同報パケットを送受信する際に、前記複数の情報端末装置の同報パケットの送信状況に基づき、前記同報パケットを前記複数の情報端末装置で受信する順序を同一に保つための受信順序を決定する情報端末装置を前記複数の情報端末装置の中から選択する選択手段(順序制御移行要求部107)を具備したことにより、より多くの同報パケットを送信する端末に順序制御の権限を移行して、順序制御のために必要なデータの送受信量を低減することができるため、同報通信の高速化が図れる。従って、同報パケットの受信順序を前記複数の端末で同一に保ちながら同報通信の高速化が図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る通信システムの構成例を示したものである。なお、図1には、本発明の要旨に係る主要構成部のみを示し、パーソナルコンピュータ等の通信機能を備えた情報端末装置(以下、簡単に端末と呼ぶ)100、110a、110b、120a、120bの各構成部の同一部分には同一符号を付している。
【0018】
図1において、端末100、端末110a、端末110b、端末120a、端末120bはネットワークを介して互いに通信可能なように接続されている。 端末100は、主に、通信部101、選択部102、同報部103、順序制御部104、同報パケット計測部106、順序制御移行要求部107を具備している。端末110a、110bは、主に、通信部101、同報部103、予備順序制御部105、同報パケット計測部106を具備している。端末120a、120bは、通信部101、同報部103を具備している。端末110aおよび110bは同一の構成部を有する端末であり、以下、これらをまとめて端末110と総称することがある。また、端末120aおよび120bも同一の構成部を有する端末であり、以下、これらをまとめて端末120と総称することがある。
【0019】
本実施形態に係る端末100、110、120は、例えば、タッチパネル、マイクロフォン、マウス、キーボード等の入力手段、スピーカ、ディスプレイ(表示装置)等の出力手段、フロッピーディスク装置、ハードディスク装置等の大容量記憶装置、主メモリ、及びCPU等を備えたパーソナルコンピュータ(計算機)を用いて実現される。
【0020】
特に、図1の各構成部の持つ機能および本発明の同報通信方法を用いる、例えば会議通信等の情報処理を実行するアプリケーションは、その機能を上記のパーソナルコンピュータにより実行させるためのプログラムを記録した記憶媒体、例えばフロッピーディスクを用い、当該記録媒体を上記パーソナルコンピュータ中のフロッピーディスク装置に装着して、当該フロッピーディスクに記録されているプログラムを上記パーソナルコンピュータ(中のCPU)で読み取り実行させることにより実現される。
【0021】
図1において、通信部101は、ネットワークを介して接続された端末間の通信を行う。
選択部102は、ユーザなどからの指示をもとに同報を行う端末のグループを選択し、そのグループをグループ内の端末の同報部103に通知する。図1では端末100のみに選択部102を設けているが、選択部102は、端末110や端末120が有していても構わない。図1では端末100、110、120が選択部102により選択されている。
【0022】
同報部103は、本実施形態の通信システムを利用するアプリケーションより要求された同報パケットを、選択部102により選択されたグループの端末に同報する。また、同報部103は他の端末から受信した同報パケットをアプリケーションに受け渡す。必要であれば、順序制御部104により通知された受信順序にパケットを並べ替えた後に同報パケットをアプリケーションに受け渡す。
【0023】
受信順序とは、複数の端末のそれぞれから送信された複数の同報パケットをグループ内の端末が受信する際、グループ内の全ての端末で当該複数の同報パケットの受信順序を同一に保つために当該同報パケットに付される番号である。例えば、端末A、B、C、Dで同報グループを構成し、端末A、端末Bから、それぞれ同報パケットα、同報パケットβが(この順に、あるいは、ほぼ同時に)送信されたとする。このとき、受信順序による順序制御がなされていないとすると、同報パケットの転送経路や当該ネットワーク上のトラヒック等により、端末Cには、同報パケットα、同報パケットβの順番で受信され、端末Dには同報パケットβ、同報パケットαの順番で受信されることがある。さらに、端末Bでは、同報パケットβ、同報パケットαの順で受信されたものとみなすこともあろであろう。そこで、このような状態を避けるために、同報パケットα、同報パケットβにそれぞれ受信順序として「1」、「2」を付加して、これを基に、グループ内の全ての端末A〜Dは、必ず同報パケットα、同報パケットβの順番で受信して上位アプリケーションへ受け渡すように制御する。
【0024】
順序制御部104は、同報パケットを送信する端末から、送信するパケットのグループ内での受信順序の問い合わせを受けたとき、同報するパケットの受信順序を決定し、それを要求元の同報パケットを送信する端末に通知する。
【0025】
予備順序制御部105は、順序制御移行要求部107より順序制御移行の要求を受け取ると起動して、順序制御部104と同様の順序制御を開始する。
順序制御部104および予備順序制御部105は自端末がそれらを有すること、または、順序制御が移行した際、同報通信の速度が変化したことをユーザに知らせる表示部を有することもある。これにより各端末のユーザは順序制御を行う端末が移行した際、同報通信の速度が変化したことを知ることができ、操作の内容を変更することができる。
【0026】
同報パケット計測部106は、自端末の同報部103が送信した同報パケットの個数を計測し、順序制御移行要求部107に通知する。同報パケット計測部106は順序制御部104または予備順序制御部105を有する端末が有する。
【0027】
順序制御移行要求部107は、同報パケット計測部106より通知されたパケット数を基に順序制御を移行すべき端末を決定し、順序制御機能の移行を要求する。図1では端末100が順序制御移行要求部107を有しているが、順序制御移行要求部107は端末110や端末120が有していても構わない。すなわち、同報パケットを送受信するグループ内のいずれか1つの端末が具備していればよい。
(同報を行う端末が順序制御部104を有する端末である場合の同報パケットの送受信)
まず、同報を行う端末が順序制御部104を有する端末である場合の同報パケットの送受信の流れを図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0028】
例えば電子会議システムのウィンドウ共有アプリケーションがアプリケーションのユーザより当該端末で共有しているデータに対する操作があった場合などに、
同報部103への同報の要求がなされ、それを受けて、同報部103が起動する(ステップS201)。
【0029】
同報の要求を受けた同報部103は、これから送信すべき同報パケットの受信順序を順序制御部104に問い合わせる(ステップS202)。
同報パケットの受信順序の問い合わせを受けた順序制御部104は、それまでの問い合わせに対し受信順序として通知した番号の次の番号を受信順序として同報部103に通知する(ステップS203)。例えば、それまでの問い合わせに対し受信順序として通知した番号が「2」であるとき、次の番号「3」を受信順序として同報部103に通知する。
【0030】
順序制御部104から同報パケットの受信順序の通知を受けた同報部103は、これから送信すべき同報パケットに当該通知された受信順序を付加し(例えば、パケットのヘッダ部の所定の領域に書き込む)、選択部102により選択されたグループ内の全ての端末の同報部103に当該同報パケットを通信部101を介して同報する(ステップS204)。
【0031】
受信側の同報部103が通信部101を介して同報パケットを受信する(ステップS205)。
同報部103は、その受信した同報パケットに付加された(例えば、当該パケットのヘッダ部の所定の領域に書き込まれた)受信順序が、当該端末上のアプリケーションに最後に受け渡した同報パケットに付加された受信順序の次の番号であるかどうかを判断する(ステップS206)。例えば、当該端末上のアプリケーションに最後に受け渡した同報パケットに付加された受信順序が「2」であるとき、今回受信した受信番号が「3」であるかどうかをチェックする。
【0032】
ステップS206において、受信した同報パケットが、次の番号が割り当てられた同報パケットでないと判断したときは(例えば、当該端末上のアプリケーションに最後に受け渡した同報パケットに付加された受信順序が「2」であるときに、今回受信した受信番号が「4」であるとき)、同報部103は当該受信した同報パケットをそのまま保持して、処理を終了する(ステップS210)。
【0033】
ステップS206において、受信した同報パケットが、次の番号が割り当てられた同報パケットであると判断したときは、同報部103は当該受信した同報パケットをアプリケーションに受け渡す(ステップS207)。
【0034】
ステップS207の後、同報部103は、ステップS207でアプリケーションに受け渡した同報パケットに付加されていた受信順序の次の番号を受信順序として付加された同報パケットを保持しているかどうかを確かめる(ステップS208)。例えば、ステップS207で当該端末上のアプリケーションに受け渡した同報パケットに付加された受信順序が「3」であるとき、同報部103にステップS210で保持した同報パケットに受信順序が「4」である同報パケットがあるか否かチェックする)。
【0035】
もし、同報部103がアプリケーションに受け渡した同報パケットに付加されていた受信順序の次の番号を受信順序として付加された同報パケットを保持していれば、アプリケーションに、当該次の番号を受信順序として付加されてた同報パケットを渡し(ステップS209)、その後、ステップS208に戻る。
【0036】
ステップS208において、同報部103は、ステップS207でアプリケーションに受け渡した同報パケットに付加されていた受信順序の次の番号を受信順序として付加された同報パケットを保持していなければ、処理を終了する。
(同報を行う端末が順序制御部104を有する端末とは異なる場合の同報パケットの送受信)
次に、同報を行う端末が順序制御部104を有する端末とは異なる場合の同報パケットの送受信の流れを図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0037】
図2のステップS201と同様にして、同報部103が同報の要求を受けると(ステップS301)、これから送信すべき同報パケットの受信順序を問い合わせるためのメッセージを通信部101を介して順序制御部104を有する端末に送信する(ステップS302)。
【0038】
当該メッセージを受信した順序制御部104を有する端末は、それまでに他の要求に対し受信順序として通知した番号の次の番号を受信順序として、通信部101を介して、問い合わせ元の端末の同報部103に送信する(ステップS303)。
【0039】
順序制御部104よりパケットの受信順序の通知を受けた同報部103は、送信すべき同報パケットを、選択部102により選択されたグループの各端末の同報部103に通信部101を介して送信する(ステップS304)。
【0040】
その後の同報パケットの受信側の端末における処理(ステップS305〜ステップS309)は、図2の同報を行う端末が順序制御部104を有する端末である場合の処理(図2のステップS205〜ステップS209)と同様であるため説明は省略する。
【0041】
このように、同報を行う端末が順序制御部104を有する端末と異なる場合は、パケットの順序を問い合わせるためにネットワークを介してデータを送受信する必要があり、同報を行う端末が順序制御部104を有する端末である場合に比べて、ネットワークを介して行う通信を多く必要とする。
(順序制御移行方法)
次に、順序制御移行方法について説明する。順序制御移行方法は2つの方法が考えられる。
【0042】
まず、第1の順序制御移行処理を図4に示すフローチャートを参照して説明する。
同報パケット計測部105は、図1に示すように、順序制御部104あるいは予備順序制御部105を有する端末に具備され、グループ内で同報が開始されてからある一定時間後、またはユーザやアプリケーションからの指示があるまで、その間同報したパケット数を計測する(ステップS401)。
【0043】
次に、計測した同報パケットの数を順序制御移行要求部107に通信部101を介して通知する(ステップS402)。
順序制御移行要求部107は通知された同報パケット数を基に順序制御を移行すべきかどうかを判断する(ステップS403)。
【0044】
ステップS403において、順序制御移行要求部107が移行すべきでないと判断した場合には、処理を終了する。
ステップS403において、順序制御移行要求部107が移行すべきと判断した場合には、移行すべき端末の予備順序制御部105に対して順序制御開始を要求し、現在順序制御を実行している順序制御部104あるいは予備順序制御部105に順序制御の停止を要求する(ステップS404)。
【0045】
順序制御開始の要求を受けた予備順序制御部105は順序制御を開始する(ステップS405)。
順序制御移行要求部107は、順序制御が移行したことをグループ内の他の端末の同報部103に通知する(ステップS406)。
【0046】
順序制御の移行の通知を受けた各端末は、同報パケットを送信する際の順序の問い合わせ先を、新たに順序制御を開始した予備順序制御部105に変更する(ステップS407)。
【0047】
ここで、ステップS403における移行の是非を判断する方法について説明する。
第1の方法は、順序制御移行要求部107が同報パケット計測部106より通知された同報パケット数を基に、同報したパケット数が最も多い端末を選出し、選出された端末が順序制御部104あるいは予備順序制御部105を有する端末であるかどうかを調べ、その端末の順序制御部104あるいは予備順序制御部105が現在起動されていない端末である場合に、その端末に順序制御を移行することを決定する。
【0048】
第2の方法は、順序制御移行要求部107が同報パケット計測部106より通知された同報パケット数を基に、同報したパケットの数が最も多い端末を選び出し、その端末が順序制御部104を有する端末が同報したパケットの数よりも十分多い場合に当該選出された端末へ移行することを決定する。
【0049】
各端末がほぼ同数のパケットを同報している場合には、第1の方法を用いると、順序制御移行の効果がほとんど得られず、逆に順序制御移行のために通信システムに負荷をかける可能性があるため、第2の方法が有効となる。
【0050】
これらの方法により、多くの同報パケットを送信する端末に順序制御を移行することができ、順序制御のために必要であるデータの送受信を低減することができるため、同報を高速化することができる。
【0051】
次に、第2の順序制御移行処理について説明する。
第2の順序制御移行処理での同報パケット計測部106は、図5に示すように、時間計測部151を有し、同報部103から送信されるパケット数を計測する。以下、第2の順序制御移行処理における同報パケット計測部106を送信同報パケット計測部106と呼ぶ。
【0052】
時間計測部151は、ユーザなどから予め設定された時間を計測し、その時間が経過する毎に、時間が経過した旨を送信同報パケット計測部106に通知する。時間計測部151に設定される時間はいつでも変更可能である。また、時間を無限大に設定すると、以後、送信同報パケット計測部106に通知を行わない。
【0053】
第2の順序制御移行処理を図6に示すフローチャートを参照して説明する。
送信同報パケット計測部106が、時間計測部151から設定時間の経過の通知を受ける(ステップS501)。
【0054】
送信同報パケット計測手部106が前回の設定時間の経過の通知から、今回の設定時間の経過の通知までの間に同報部103から送信された同報パケット数を計測する(ステップS502)。設定時間の経過の通知が1回目の場合は、同報が開始されてから、当該1回目の設定時間の経過の通知までのパケット数を計測する。
【0055】
次に、送信同報パケット計測部106が計測した同報パケット数を順序制御移行要求部107に通信部101を介して通知する(ステップS503)。
順序制御移行要求部107は通知された同報パケット数を基に順序制御を移行すべきかどうかを判断する(ステップS504)。
【0056】
順序制御移行要求部107が移行すべきでないと判断した場合には、処理を終了する。
もし、順序制御移行要求部107が移行すべきと判断した場合には、移行すべき端末の予備順序制御部105に対して順序制御開始を要求し、現在順序制御を実行している順序制御部104あるいは予備順序制御部105に順序制御の停止を要求する(ステップS505)。
【0057】
順序制御開始の要求を受けた予備順序制御部105は順序制御を開始し、順序制御の停止の要求を受けた順序制御部104あるいは予備順序制御部105は順序制御を停止する(ステップS506)。順序制御を停止した順序制御部104は以後、順序制御開始を要求を待ち受ける予備順序制御105と同様の動作を開始する。
【0058】
順序制御移行要求部107は、順序制御が移行したことをグループ内の他の端末の同報部103に通知する(ステップS507)。
順序制御の移行の通知を受けた各端末は、同報パケットを送信する際の順序の問い合わせ先を、新たに順序制御を開始した予備順序制御部105に変更する(ステップSS508)。
【0059】
上記第2の順序制御移行処理によれば、多くの同報パケットを送信する端末に順序制御を移行することができ、順序制御のために(受信順序の問い合わせのために)必要であるデータの送受信を低減することができるため、同報を高速化することができる。
【0060】
また時間計測部151が通知を行う毎に順序制御の移行が繰り返されるため、同報パケットを多く送信する端末が時間と共に変化する場合でも、その変化に追従して順序制御を、同報パケットを多く送信する端末に移行することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、より多くの同報パケットを送信する端末に順序制御の権限を移行して、順序制御のために必要なデータの送受信量を低減することができるため、複数の端末間で同報パケットを送受信する際、同報パケットの受信順序を該複数の端末で同一に保ちながら同報通信の高速化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの構成例を示した図。
【図2】同報を行う端末が順序制御部を有する端末である場合の同報パケットの送受信時の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図3】同報を行う端末が順序制御部を有する端末と異なる場合の同報パケットの送受信時の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図4】第1の順序制御移行処理を説明するためのフローチャート。
【図5】同報パケット計測部が時間計測部を具備する場合の通信システムの構成例を示した図。
【図6】第2の順序制御移行処理を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
100、110a、110b、120a、120…情報端末装置
101…通信部
102…選択部
103…同報部
104…順序制御部
105…予備順序制御部
106…同報パケット計測部
107…順序制御移行要求部
151…時間計測部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、会議通信システムにおける同報パケットの受信順序の制御方法およびそれを用いた通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子会議システムのように複数の情報端末機器でウィンドウを共有し、各端末での操作の結果をウィンドウを共有している全端末で一致させる必要があるアプリケーションでは、ウィンドウを共有しているグループ内の端末が送信する同報パケットをグループ内の端末が受信する際、グループ内の全端末で当該同報パケットの受信順序を同一に保ってアプリケーションに受け渡すことが要求される。
【0003】
このような要求を満たす通信システムとして、同報を行うグループ内の端末に同報パケットの受信順序を制御するための順序制御手段を設けて、同報パケットの受信順序を同一に保つものがある。この同報パケットの順序制御の方法として以下の方法が存在している。
【0004】
1)同報パケットを送信する端末が、グループ内での受信順序を順序制御手段に問い合わせ、順序制御手段では、その問い合わせに対し、同報するパケットの受信順序を同報パケットを送信する端末に通知する。パケットを同報する端末は順序制御手段より通知された受信順序を同報パケットとともに送信する。同報パケットと受信順序を受け取った各端末は同報パケットを該受信順序に従って並べ替え、アプリケーションに渡す。
【0005】
2)同報パケットを送信する端末が、同報すべきパケットを、まず、順序制御手段を持つ端末に送信し、当該同報すべきパケットを受け取った順序制御手段が当該パケットを受信順序とともにグループ内の他の端末に同報する。同報パケットを送信する端末が順序制御手段を有する端末の場合は、受信順序を同報パケットとともに送信する。
【0006】
3)同報パケットを送信する端末が、同報パケットを順序制御手段を有する端末をも含めた全端末に送信する。順序制御手段は受け取った同報パケットに対しパケットの受信順序を割り当て、その受信順序の情報を他の端末に通知する。同報パケットを受け取った各端末は順序制御手段より通知された受信順序に従って同報パケットの並べ替えを行う。同報パケットを送信する端末が順序制御手段を有する端末の場合は、受信順序を同報パケットとともに送信する。
【0007】
いずれの方法も、同報パケットの順序制御を行う端末とパケットを同報する端末が一致している場合には、同報パケットの受信順序を決定するためにネットワークを介して通信を行う必要がないが、順序制御を行う端末と同報パケットを送信する端末が異なる場合には、同報パケットの受信順序を制御するための制御用データを順序制御手段を有する端末とそれ以外の端末の間でネットワークを介して送受信する必要がある。
【0008】
そのため、多くの同報パケットが順序制御を行う端末以外の端末から送信される場合には、順序制御を行うために多くのデータをネットワークを介して送受信する必要があり、通信ネットワークの送受信速度が十分でない場合には、同報パケットの送信に多くの時間を要する。
【0009】
また、このような通信システム上で、どの端末からより多くの同報パケットが送信されるかは、通信システムを利用するアプリケーションや、ユーザがどのような目的でアプリケーションを利用するかに大きく依存するため、事前に多くの同報パケットを送信する端末を知ることは困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は、多くの同報パケットが順序制御を行う端末以外の端末から送信される場合には、順序制御を行うために多くのデータを通信ネットワークを介して送受信する必要があり、通信ネットワークの送受信速度が十分でない場合には、同報パケットの送信に多くの時間を要するという問題があった。
【0011】
また、通信システム上で、どの端末からどの程度の同報パケットが送信されるかは、通信システムを利用するアプリケーションや、ユーザがどのような目的でアプリケーションを利用するかに大きく依存するため、事前に同報パケットを多く送信する端末を知ることは困難であった。
【0012】
本発明は、以上の問題点を鑑みてなされたもので、複数の端末間で同報パケットを送受信する際、同報パケットの受信順序を前記複数の端末で同一に保ちながら同報通信の高速化が図れる同報通信方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、複数の端末間で同報パケットを送受信する際、同報パケットの受信順序を前記複数の端末で同一に保ちながら同報通信の高速化が図れる通信装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の同報通信方法は、ネットワークを介して接続された複数の情報端末装置にパケットを同報する同報通信方法において、
前記複数の情報端末装置の同報パケットの送信状況に基づき、前記同報パケットを前記複数の情報端末装置で受信する順序を同一に保つための受信順序を決定する(順序制御を行う)情報端末装置を前記複数の情報端末装置の中から選択し、
前記複数の情報端末装置のいずれかが同報パケットを送信する際には、該同報パケットに前記選択された情報端末装置から通知された受信順序を付加してから送信することにより、より多くの同報パケットを送信する端末に順序制御の権限を移行して、順序制御のために必要なデータの送受信量を低減することができるため、同報通信の高速化が図れる。従って、同報パケットの受信順序を前記複数の端末で同一に保ちながら同報通信の高速化が図れる。
【0015】
(2)本発明の通信装置は、ネットワークに接続された複数の情報端末装置間で同報パケットを送受信する際に、同報パケットを送信する情報端末装置の要求に応じて、前記同報パケットを前記複数の情報端末装置で受信する順序を同一に保つための受信順序を決定する決定手段(順序制御部104、予備順序制御部105)を具備し、
この決定手段は、前記複数の情報端末装置の同報パケットの送信状況に基づき(順序制御移行要求部107により)選択されたとき起動することにより、より多くの同報パケットを送信する端末に順序制御の権限を移行して、順序制御のために必要なデータの送受信量を低減することができるため、同報通信の高速化が図れる。従って、同報パケットの受信順序を前記複数の端末で同一に保ちながら同報通信の高速化が図れる。
【0016】
(3)本発明の通信装置は、ネットワークに接続された複数の情報端末装置間で同報パケットを送受信する際に、前記複数の情報端末装置の同報パケットの送信状況に基づき、前記同報パケットを前記複数の情報端末装置で受信する順序を同一に保つための受信順序を決定する情報端末装置を前記複数の情報端末装置の中から選択する選択手段(順序制御移行要求部107)を具備したことにより、より多くの同報パケットを送信する端末に順序制御の権限を移行して、順序制御のために必要なデータの送受信量を低減することができるため、同報通信の高速化が図れる。従って、同報パケットの受信順序を前記複数の端末で同一に保ちながら同報通信の高速化が図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る通信システムの構成例を示したものである。なお、図1には、本発明の要旨に係る主要構成部のみを示し、パーソナルコンピュータ等の通信機能を備えた情報端末装置(以下、簡単に端末と呼ぶ)100、110a、110b、120a、120bの各構成部の同一部分には同一符号を付している。
【0018】
図1において、端末100、端末110a、端末110b、端末120a、端末120bはネットワークを介して互いに通信可能なように接続されている。 端末100は、主に、通信部101、選択部102、同報部103、順序制御部104、同報パケット計測部106、順序制御移行要求部107を具備している。端末110a、110bは、主に、通信部101、同報部103、予備順序制御部105、同報パケット計測部106を具備している。端末120a、120bは、通信部101、同報部103を具備している。端末110aおよび110bは同一の構成部を有する端末であり、以下、これらをまとめて端末110と総称することがある。また、端末120aおよび120bも同一の構成部を有する端末であり、以下、これらをまとめて端末120と総称することがある。
【0019】
本実施形態に係る端末100、110、120は、例えば、タッチパネル、マイクロフォン、マウス、キーボード等の入力手段、スピーカ、ディスプレイ(表示装置)等の出力手段、フロッピーディスク装置、ハードディスク装置等の大容量記憶装置、主メモリ、及びCPU等を備えたパーソナルコンピュータ(計算機)を用いて実現される。
【0020】
特に、図1の各構成部の持つ機能および本発明の同報通信方法を用いる、例えば会議通信等の情報処理を実行するアプリケーションは、その機能を上記のパーソナルコンピュータにより実行させるためのプログラムを記録した記憶媒体、例えばフロッピーディスクを用い、当該記録媒体を上記パーソナルコンピュータ中のフロッピーディスク装置に装着して、当該フロッピーディスクに記録されているプログラムを上記パーソナルコンピュータ(中のCPU)で読み取り実行させることにより実現される。
【0021】
図1において、通信部101は、ネットワークを介して接続された端末間の通信を行う。
選択部102は、ユーザなどからの指示をもとに同報を行う端末のグループを選択し、そのグループをグループ内の端末の同報部103に通知する。図1では端末100のみに選択部102を設けているが、選択部102は、端末110や端末120が有していても構わない。図1では端末100、110、120が選択部102により選択されている。
【0022】
同報部103は、本実施形態の通信システムを利用するアプリケーションより要求された同報パケットを、選択部102により選択されたグループの端末に同報する。また、同報部103は他の端末から受信した同報パケットをアプリケーションに受け渡す。必要であれば、順序制御部104により通知された受信順序にパケットを並べ替えた後に同報パケットをアプリケーションに受け渡す。
【0023】
受信順序とは、複数の端末のそれぞれから送信された複数の同報パケットをグループ内の端末が受信する際、グループ内の全ての端末で当該複数の同報パケットの受信順序を同一に保つために当該同報パケットに付される番号である。例えば、端末A、B、C、Dで同報グループを構成し、端末A、端末Bから、それぞれ同報パケットα、同報パケットβが(この順に、あるいは、ほぼ同時に)送信されたとする。このとき、受信順序による順序制御がなされていないとすると、同報パケットの転送経路や当該ネットワーク上のトラヒック等により、端末Cには、同報パケットα、同報パケットβの順番で受信され、端末Dには同報パケットβ、同報パケットαの順番で受信されることがある。さらに、端末Bでは、同報パケットβ、同報パケットαの順で受信されたものとみなすこともあろであろう。そこで、このような状態を避けるために、同報パケットα、同報パケットβにそれぞれ受信順序として「1」、「2」を付加して、これを基に、グループ内の全ての端末A〜Dは、必ず同報パケットα、同報パケットβの順番で受信して上位アプリケーションへ受け渡すように制御する。
【0024】
順序制御部104は、同報パケットを送信する端末から、送信するパケットのグループ内での受信順序の問い合わせを受けたとき、同報するパケットの受信順序を決定し、それを要求元の同報パケットを送信する端末に通知する。
【0025】
予備順序制御部105は、順序制御移行要求部107より順序制御移行の要求を受け取ると起動して、順序制御部104と同様の順序制御を開始する。
順序制御部104および予備順序制御部105は自端末がそれらを有すること、または、順序制御が移行した際、同報通信の速度が変化したことをユーザに知らせる表示部を有することもある。これにより各端末のユーザは順序制御を行う端末が移行した際、同報通信の速度が変化したことを知ることができ、操作の内容を変更することができる。
【0026】
同報パケット計測部106は、自端末の同報部103が送信した同報パケットの個数を計測し、順序制御移行要求部107に通知する。同報パケット計測部106は順序制御部104または予備順序制御部105を有する端末が有する。
【0027】
順序制御移行要求部107は、同報パケット計測部106より通知されたパケット数を基に順序制御を移行すべき端末を決定し、順序制御機能の移行を要求する。図1では端末100が順序制御移行要求部107を有しているが、順序制御移行要求部107は端末110や端末120が有していても構わない。すなわち、同報パケットを送受信するグループ内のいずれか1つの端末が具備していればよい。
(同報を行う端末が順序制御部104を有する端末である場合の同報パケットの送受信)
まず、同報を行う端末が順序制御部104を有する端末である場合の同報パケットの送受信の流れを図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0028】
例えば電子会議システムのウィンドウ共有アプリケーションがアプリケーションのユーザより当該端末で共有しているデータに対する操作があった場合などに、
同報部103への同報の要求がなされ、それを受けて、同報部103が起動する(ステップS201)。
【0029】
同報の要求を受けた同報部103は、これから送信すべき同報パケットの受信順序を順序制御部104に問い合わせる(ステップS202)。
同報パケットの受信順序の問い合わせを受けた順序制御部104は、それまでの問い合わせに対し受信順序として通知した番号の次の番号を受信順序として同報部103に通知する(ステップS203)。例えば、それまでの問い合わせに対し受信順序として通知した番号が「2」であるとき、次の番号「3」を受信順序として同報部103に通知する。
【0030】
順序制御部104から同報パケットの受信順序の通知を受けた同報部103は、これから送信すべき同報パケットに当該通知された受信順序を付加し(例えば、パケットのヘッダ部の所定の領域に書き込む)、選択部102により選択されたグループ内の全ての端末の同報部103に当該同報パケットを通信部101を介して同報する(ステップS204)。
【0031】
受信側の同報部103が通信部101を介して同報パケットを受信する(ステップS205)。
同報部103は、その受信した同報パケットに付加された(例えば、当該パケットのヘッダ部の所定の領域に書き込まれた)受信順序が、当該端末上のアプリケーションに最後に受け渡した同報パケットに付加された受信順序の次の番号であるかどうかを判断する(ステップS206)。例えば、当該端末上のアプリケーションに最後に受け渡した同報パケットに付加された受信順序が「2」であるとき、今回受信した受信番号が「3」であるかどうかをチェックする。
【0032】
ステップS206において、受信した同報パケットが、次の番号が割り当てられた同報パケットでないと判断したときは(例えば、当該端末上のアプリケーションに最後に受け渡した同報パケットに付加された受信順序が「2」であるときに、今回受信した受信番号が「4」であるとき)、同報部103は当該受信した同報パケットをそのまま保持して、処理を終了する(ステップS210)。
【0033】
ステップS206において、受信した同報パケットが、次の番号が割り当てられた同報パケットであると判断したときは、同報部103は当該受信した同報パケットをアプリケーションに受け渡す(ステップS207)。
【0034】
ステップS207の後、同報部103は、ステップS207でアプリケーションに受け渡した同報パケットに付加されていた受信順序の次の番号を受信順序として付加された同報パケットを保持しているかどうかを確かめる(ステップS208)。例えば、ステップS207で当該端末上のアプリケーションに受け渡した同報パケットに付加された受信順序が「3」であるとき、同報部103にステップS210で保持した同報パケットに受信順序が「4」である同報パケットがあるか否かチェックする)。
【0035】
もし、同報部103がアプリケーションに受け渡した同報パケットに付加されていた受信順序の次の番号を受信順序として付加された同報パケットを保持していれば、アプリケーションに、当該次の番号を受信順序として付加されてた同報パケットを渡し(ステップS209)、その後、ステップS208に戻る。
【0036】
ステップS208において、同報部103は、ステップS207でアプリケーションに受け渡した同報パケットに付加されていた受信順序の次の番号を受信順序として付加された同報パケットを保持していなければ、処理を終了する。
(同報を行う端末が順序制御部104を有する端末とは異なる場合の同報パケットの送受信)
次に、同報を行う端末が順序制御部104を有する端末とは異なる場合の同報パケットの送受信の流れを図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0037】
図2のステップS201と同様にして、同報部103が同報の要求を受けると(ステップS301)、これから送信すべき同報パケットの受信順序を問い合わせるためのメッセージを通信部101を介して順序制御部104を有する端末に送信する(ステップS302)。
【0038】
当該メッセージを受信した順序制御部104を有する端末は、それまでに他の要求に対し受信順序として通知した番号の次の番号を受信順序として、通信部101を介して、問い合わせ元の端末の同報部103に送信する(ステップS303)。
【0039】
順序制御部104よりパケットの受信順序の通知を受けた同報部103は、送信すべき同報パケットを、選択部102により選択されたグループの各端末の同報部103に通信部101を介して送信する(ステップS304)。
【0040】
その後の同報パケットの受信側の端末における処理(ステップS305〜ステップS309)は、図2の同報を行う端末が順序制御部104を有する端末である場合の処理(図2のステップS205〜ステップS209)と同様であるため説明は省略する。
【0041】
このように、同報を行う端末が順序制御部104を有する端末と異なる場合は、パケットの順序を問い合わせるためにネットワークを介してデータを送受信する必要があり、同報を行う端末が順序制御部104を有する端末である場合に比べて、ネットワークを介して行う通信を多く必要とする。
(順序制御移行方法)
次に、順序制御移行方法について説明する。順序制御移行方法は2つの方法が考えられる。
【0042】
まず、第1の順序制御移行処理を図4に示すフローチャートを参照して説明する。
同報パケット計測部105は、図1に示すように、順序制御部104あるいは予備順序制御部105を有する端末に具備され、グループ内で同報が開始されてからある一定時間後、またはユーザやアプリケーションからの指示があるまで、その間同報したパケット数を計測する(ステップS401)。
【0043】
次に、計測した同報パケットの数を順序制御移行要求部107に通信部101を介して通知する(ステップS402)。
順序制御移行要求部107は通知された同報パケット数を基に順序制御を移行すべきかどうかを判断する(ステップS403)。
【0044】
ステップS403において、順序制御移行要求部107が移行すべきでないと判断した場合には、処理を終了する。
ステップS403において、順序制御移行要求部107が移行すべきと判断した場合には、移行すべき端末の予備順序制御部105に対して順序制御開始を要求し、現在順序制御を実行している順序制御部104あるいは予備順序制御部105に順序制御の停止を要求する(ステップS404)。
【0045】
順序制御開始の要求を受けた予備順序制御部105は順序制御を開始する(ステップS405)。
順序制御移行要求部107は、順序制御が移行したことをグループ内の他の端末の同報部103に通知する(ステップS406)。
【0046】
順序制御の移行の通知を受けた各端末は、同報パケットを送信する際の順序の問い合わせ先を、新たに順序制御を開始した予備順序制御部105に変更する(ステップS407)。
【0047】
ここで、ステップS403における移行の是非を判断する方法について説明する。
第1の方法は、順序制御移行要求部107が同報パケット計測部106より通知された同報パケット数を基に、同報したパケット数が最も多い端末を選出し、選出された端末が順序制御部104あるいは予備順序制御部105を有する端末であるかどうかを調べ、その端末の順序制御部104あるいは予備順序制御部105が現在起動されていない端末である場合に、その端末に順序制御を移行することを決定する。
【0048】
第2の方法は、順序制御移行要求部107が同報パケット計測部106より通知された同報パケット数を基に、同報したパケットの数が最も多い端末を選び出し、その端末が順序制御部104を有する端末が同報したパケットの数よりも十分多い場合に当該選出された端末へ移行することを決定する。
【0049】
各端末がほぼ同数のパケットを同報している場合には、第1の方法を用いると、順序制御移行の効果がほとんど得られず、逆に順序制御移行のために通信システムに負荷をかける可能性があるため、第2の方法が有効となる。
【0050】
これらの方法により、多くの同報パケットを送信する端末に順序制御を移行することができ、順序制御のために必要であるデータの送受信を低減することができるため、同報を高速化することができる。
【0051】
次に、第2の順序制御移行処理について説明する。
第2の順序制御移行処理での同報パケット計測部106は、図5に示すように、時間計測部151を有し、同報部103から送信されるパケット数を計測する。以下、第2の順序制御移行処理における同報パケット計測部106を送信同報パケット計測部106と呼ぶ。
【0052】
時間計測部151は、ユーザなどから予め設定された時間を計測し、その時間が経過する毎に、時間が経過した旨を送信同報パケット計測部106に通知する。時間計測部151に設定される時間はいつでも変更可能である。また、時間を無限大に設定すると、以後、送信同報パケット計測部106に通知を行わない。
【0053】
第2の順序制御移行処理を図6に示すフローチャートを参照して説明する。
送信同報パケット計測部106が、時間計測部151から設定時間の経過の通知を受ける(ステップS501)。
【0054】
送信同報パケット計測手部106が前回の設定時間の経過の通知から、今回の設定時間の経過の通知までの間に同報部103から送信された同報パケット数を計測する(ステップS502)。設定時間の経過の通知が1回目の場合は、同報が開始されてから、当該1回目の設定時間の経過の通知までのパケット数を計測する。
【0055】
次に、送信同報パケット計測部106が計測した同報パケット数を順序制御移行要求部107に通信部101を介して通知する(ステップS503)。
順序制御移行要求部107は通知された同報パケット数を基に順序制御を移行すべきかどうかを判断する(ステップS504)。
【0056】
順序制御移行要求部107が移行すべきでないと判断した場合には、処理を終了する。
もし、順序制御移行要求部107が移行すべきと判断した場合には、移行すべき端末の予備順序制御部105に対して順序制御開始を要求し、現在順序制御を実行している順序制御部104あるいは予備順序制御部105に順序制御の停止を要求する(ステップS505)。
【0057】
順序制御開始の要求を受けた予備順序制御部105は順序制御を開始し、順序制御の停止の要求を受けた順序制御部104あるいは予備順序制御部105は順序制御を停止する(ステップS506)。順序制御を停止した順序制御部104は以後、順序制御開始を要求を待ち受ける予備順序制御105と同様の動作を開始する。
【0058】
順序制御移行要求部107は、順序制御が移行したことをグループ内の他の端末の同報部103に通知する(ステップS507)。
順序制御の移行の通知を受けた各端末は、同報パケットを送信する際の順序の問い合わせ先を、新たに順序制御を開始した予備順序制御部105に変更する(ステップSS508)。
【0059】
上記第2の順序制御移行処理によれば、多くの同報パケットを送信する端末に順序制御を移行することができ、順序制御のために(受信順序の問い合わせのために)必要であるデータの送受信を低減することができるため、同報を高速化することができる。
【0060】
また時間計測部151が通知を行う毎に順序制御の移行が繰り返されるため、同報パケットを多く送信する端末が時間と共に変化する場合でも、その変化に追従して順序制御を、同報パケットを多く送信する端末に移行することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、より多くの同報パケットを送信する端末に順序制御の権限を移行して、順序制御のために必要なデータの送受信量を低減することができるため、複数の端末間で同報パケットを送受信する際、同報パケットの受信順序を該複数の端末で同一に保ちながら同報通信の高速化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの構成例を示した図。
【図2】同報を行う端末が順序制御部を有する端末である場合の同報パケットの送受信時の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図3】同報を行う端末が順序制御部を有する端末と異なる場合の同報パケットの送受信時の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図4】第1の順序制御移行処理を説明するためのフローチャート。
【図5】同報パケット計測部が時間計測部を具備する場合の通信システムの構成例を示した図。
【図6】第2の順序制御移行処理を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
100、110a、110b、120a、120…情報端末装置
101…通信部
102…選択部
103…同報部
104…順序制御部
105…予備順序制御部
106…同報パケット計測部
107…順序制御移行要求部
151…時間計測部
Claims (3)
- ネットワークを介して接続された複数の情報端末装置にパケットを同報する同報通信方法において、
前記複数の情報端末装置の同報パケットの送信状況に基づき、前記同報パケットを前記複数の情報端末装置で受信する順序を同一に保つための受信順序を決定する情報端末装置を前記複数の情報端末装置の中から選択し、
前記複数の情報端末装置のいずれかが同報パケットを送信する際には、該同報パケットに前記選択された情報端末装置から通知された受信順序を付加してから送信することを特徴とする同報通信方法。 - ネットワークに接続された複数の情報端末装置間で同報パケットを送受信する際に、同報パケットを送信する情報端末装置の要求に応じて、前記同報パケットを前記複数の情報端末装置で受信する順序を同一に保つための受信順序を決定する決定手段
を具備し、この決定手段は、前記複数の情報端末装置の同報パケットの送信状況に基づき選択されたとき起動することを特徴とする通信装置。 - ネットワークに接続された複数の情報端末装置間で同報パケットを送受信する際に、前記複数の情報端末装置の同報パケットの送信状況に基づき、前記同報パケットを前記複数の情報端末装置で受信する順序を同一に保つための受信順序を決定する情報端末装置を前記複数の情報端末装置の中から選択する選択手段
を具備したことを特徴とする通信装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20507298A JP3839965B2 (ja) | 1998-07-21 | 1998-07-21 | 同報通信方法および通信装置 |
US09/357,281 US6539000B1 (en) | 1998-07-21 | 1999-07-20 | Multicast communication method and apparatus |
US10/270,645 US6775279B2 (en) | 1998-07-21 | 2002-10-16 | Multicast communication method and apparatus |
US10/914,245 US7369552B2 (en) | 1998-07-21 | 2004-08-10 | Multicast communication method and apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20507298A JP3839965B2 (ja) | 1998-07-21 | 1998-07-21 | 同報通信方法および通信装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000036812A JP2000036812A (ja) | 2000-02-02 |
JP3839965B2 true JP3839965B2 (ja) | 2006-11-01 |
Family
ID=16500969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20507298A Expired - Fee Related JP3839965B2 (ja) | 1998-07-21 | 1998-07-21 | 同報通信方法および通信装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3839965B2 (ja) |
-
1998
- 1998-07-21 JP JP20507298A patent/JP3839965B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000036812A (ja) | 2000-02-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3382953B2 (ja) | 有限メモリコンピュータシステム上におけるクライアント管理フロー制御方法及び装置 | |
CN106953797B (zh) | 一种基于动态连接的rdma数据传输的方法与装置 | |
JP2018532201A (ja) | メッセージデータを転送するためのシステム及び方法 | |
JPH04271454A (ja) | 疎結合計算機システム | |
JP2003323263A (ja) | 共有メモリ制御方法および制御システム | |
US20190238352A1 (en) | Communication Method and Apparatus | |
US20080307099A1 (en) | Storage system and priority control method | |
JP4208506B2 (ja) | 高性能記憶装置アクセス環境 | |
CN110324202B (zh) | 一种探测线路质量的方法和装置 | |
JP3839965B2 (ja) | 同報通信方法および通信装置 | |
CN114866854B (zh) | 视频接入方式动态分配方法、系统、电子设备和存储介质 | |
JP6888478B2 (ja) | 振り分けシステム | |
CN110928693B (zh) | 一种计算设备及资源分配方法 | |
JP2007221522A (ja) | ポーリング装置及び端末装置及びポーリング方法及びプログラム | |
JP2002342193A (ja) | データ転送先サーバ選定方法及び装置及びデータ転送先サーバ選定プログラム及びデータ転送先サーバ選定プログラムを格納した記憶媒体 | |
CN107257272B (zh) | 数据发送方法、发送终端及接收终端 | |
US20190104195A1 (en) | Computer system and method for controlling communication path | |
JP2017174106A (ja) | 管理装置、サーバ、シンクライアントシステム、管理方法及びプログラム | |
JP2933478B2 (ja) | 交換システムのリソース制御方式 | |
JP3407541B2 (ja) | ネットワーク動的構成変更方式 | |
CN112367187A (zh) | 机框式设备的控制方法、装置、机框式设备及存储介质 | |
JP3771519B2 (ja) | パケット転送方法および装置、パケット転送プログラムおよびパケット転送プログラムを記録した記録媒体 | |
JP2881234B2 (ja) | 疎結合マルチプロセッサシステム | |
JPS6263348A (ja) | リモ−トフアイルコピ−方式 | |
KR20050060797A (ko) | 네트워크 자원의 효율적 사용을 위한 컨텐트 전송 방법 및그 구현 시스템 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050215 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060721 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060801 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060804 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |