JP3839758B2 - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成膜装置及び成膜方法に関し、特に、有機金属気相成長(MOCVD)法のようなCVD法を実施するための成膜装置及びこの装置を用いて行う金属酸化物の成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体素子に対する高い集積化の要求を満足するためには、MOCVD法等のCVD法により薄膜形成を行う際に、原料ガス中に含まれる異物微粒子や水分等を含む微少パーティクルをできるだけ少なくすることが必要である。従来から、例えば、これらのパーティクルをpptレベルまで除去するために、原料ガスを高い濾過特性を有するフィルター部材を通した後に、真空チャンバである成膜室(反応室)内へ導入することが提案されている。
また、本発明者らは、原料ガス生成用気化室と混合室との間に、また、混合室内の下流側に、それぞれ、温度コントロール可能なパーティクルトラップを設けることにより、気化室及び配管で発生するパーティクルの成膜室への流入を防ぐ技術を提案している(特願2002−117123号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
MOCVD法によって薄膜を形成する場合、一般に、気化した原料ガスと反応ガスとからなる混合ガス(以下、「成膜ガス」とも称す。)を真空チャンバである成膜室内に導入し、真空室内に配設されたステージ上に載置した基板上で気相化学反応により成膜する。該成膜室の上面には、ステージに対向してシャワープレートのようなガスヘッドが配設され、このガスヘッドにはガス混合室が付設されている。成膜時に、混合室に供給された原料ガスと反応ガスとは、所定の混合比の混合ガスとして、ガスヘッドを介して所定の真空度に排気された成膜室内に導入され、基板上での化学反応により薄膜が形成される。
【0004】
この場合、基板上に均一な膜質及び膜厚分布を有する薄膜を形成するためには、成膜室内や基板の直上における成膜ガスの均一な流れ分布、均一な濃度分布及び均一な温度分布が必要であると共に、成膜ガス、特に原料ガス中に含まれる微少パーティクルが少なければ少ないほどよい。
しかし、MOCVD法により薄膜を形成する際に、上記従来技術におけるように、原料ガスをフィルター部材を通してから反応室内へ導入したとしても、フィルター部材を通しただけでは、パーティクルは完全には除去されないという問題や、その際のフィルター部材の寿命が短いという問題がある。
【0005】
また、特願2002−117123号の場合、成膜室へのパーティクルの流入を防ぐ為にパーティクルトラップを設けた成膜装置(図1)においても、成膜室7にガスヘッド8を介して原料ガス、反応ガス、キャリアガス等のガスを流し始める際に、混合室3内に配設されたパーティクルトラップ6a、6bの一次側と二次側との間に一時的に大きな圧力差((圧力ゲージP2の圧力)−(圧力ゲージP3の圧力))が生じることがあり、それにより、混合室3内でパーティクルトラップからのパーティクルの巻き上げ、また、下流側への流出が起こり、製造ロットの初期ウェハーでのパーティクル数の増加(図2)が見られた。図1において、符号1は気化室,1a〜1dは原料供給系、2は集塵式スクリーン、3は混合室、4は原料ガス用配管、5は反応ガス用配管、6a、6bはパーティクルトラップである金属燒結フィルター、7は成膜室、8はガスヘッド、9は基板、11は排ガス処理系、12はコールドトラップ、13はドライポンプ等の真空ポンプ、14は排気系、15はドライポンプ等の真空ポンプを示す。
【0006】
この成膜装置では、ウェハー毎の成膜開始時に、バルブ開閉により、原料ガスのベントラインから成膜室への切り替えが行われるが、その際にパーティクルが発生する。これは、パーティクルトラップの一次側と二次側との間での一時的な圧力変動によるものと考えられ、サイズが0.2μm以上のパーティクルのトータル数を50個以下に減少させたいという技術目標を達成することの障害となっている。
本発明の課題は、上記したような従来技術の問題点を解決することにあり、パーティクルが生ずることなくMOCVD法のようなCVD法を有効に実施することができる成膜装置及びこの装置を用いた成膜方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の成膜装置によれば、内部に基板が載置されるステージを設けた真空チャンバである成膜室と、成膜室に接続された、原料ガスと反応ガスとの混合ガス生成用混合室と、原料ガス用気化室とを備え、ステージに対向して成膜室上面に混合ガスを成膜室内に導入するためのガスヘッドが設けられた成膜装置において、気化室と混合室との間及び混合室内の下流側のそれぞれに、温度コントロール可能なパーティクルトラップが配設され、混合室内下流側に配設されたパーティクルトラップの一次側である混合室上部と二次側である成膜室下部との間に、バルブを備えたバイパスラインが設けられていることを特徴とする。
請求項2によれば、上記バルブは可変バルブであることを特徴とする。
【0008】
請求項3によれば、上記成膜装置において、混合室内下流側に配設されたパーティクルトラップが複数枚である場合、成膜室に一番近いパーティクルトラップの二次側である成膜室下部と上流にあるパーティクルトラップの一次側との間を接続するバルブを備えたバイパスラインが設けられていることを特徴とする
上記のように、パーティクルトラップを配設し、また、バイパスラインを設けることにより、成膜室内に導入される原料ガスその他のガス類中にパーティクルがほとんど含まれなくなると共に、装置運転時の圧力変動によるパーティクルトラップからのパーティクルの巻き上げ、下流への流出を押さえることができる。また、成膜後バイパスラインのバルブを閉じた状態で真空引きすることにより原料配管と成膜室とから同時に残留ガスの排気を行うことが可能となる。その結果、良好な膜質を有する薄膜を形成する成膜装置を提供できる。
請求項4によれば、上記成膜装置において、混合室内の下流側に配設されたパーティクルトラップが複数枚である場合、成膜室に一番近いパーティクルトラップの一次側である上流側と二次側である成膜室下部との間を接続するバルブを備えたバイパスラインが設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項によれば、上記成膜装置において、気化室と混合室との間に設けられた温度コントロール可能なパーティクルトラップの設定温度を、気化室内で原料ガスを得る際の気化温度及び原料ガスを流す配管の温度よりも5〜80℃低く設定するように構成したことを特徴とする。
このように、パーティクルトラップの設定温度を気化温度や配管温度よりも低く設定することにより、原料に混入又は気化時に生成の可能性がある、原料化合物よりも蒸気圧の低い不純物や分解物を除去することができる。この温度範囲を外れると、不純物や分解物の除去が困難になる。
【0010】
請求項によれば、上記気化室と混合室との間に配設されたパーティクルトラップは慣性集塵式スクリーンからなり、また、混合室内下流側に配設されたパーティクルトラップは多孔体フィルターからなることを特徴とする。この多孔体フィルターは、金属燒結フィルターであることが好ましい。
請求項によれば、上記慣性集塵式スクリーンは、気体をほぼ45度の傾斜角を持って導入する透孔を多数同一方向に穴開けした網目状集塵スクリーン板からなり、この慣性集塵式スクリーンが編目状集塵スクリーン板を複数枚積層したものである場合は、この互いに隣接するスクリーン板の透孔の傾斜角の方向が交互に90度交差した状態に構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項によれば、この慣性集塵式スクリーンを構成する網目状集塵スクリーン板は、その空間に金属、セラミックス及び石英から選ばれた充填物を充填したものであることを特徴とする。
パーティクルトラップとして上記のような慣性集塵式スクリーン及び多孔体フィルターを採用することにより、圧力損失が小さく、捕集量が大きく、目詰まりもなく、乾式/湿式のパーティクルを捕集することができるので、混合室内に導入される原料ガス、ひいては成膜室内に導入される混合ガス中にはパーティクルがほとんど存在しないようになる。また、金属燒結フィルタのような多孔体フィルターの寿命も延びる。
【0012】
請求項によれば、上記成膜装置において、パーティクルトラップを配設し、また、バイパスラインを設けることに加え、上記混合室が、原料ガス導入管及び反応ガス導入管を備えた攪拌室と、原料ガス及び反応ガスを攪拌・混合して得た混合ガスを拡散させる拡散室とを有し、原料ガス導入管及び反応ガス導入管のそれぞれのガス導入口が互いに対向するようにして設けられており、攪拌室と拡散室との間に、攪拌室の容積よりも拡散室の容積の方が大きくなるように仕切り板が設けられ、この仕切り板は、混合室の底部に対して凸状の2次曲線形状を有するものであり、また、この仕切り板には、それぞれのガス導入口を結ぶ直線の鉛直方向下側の所定位置に一つのガス吹き出し口が設けられ、このガス吹き出し口を介して混合ガスが攪拌室から拡散室へと拡散されるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
上記混合室を用いれば、攪拌室で攪拌・混合されて得られた混合ガスを仕切り板の所定の位置に設けられた一つのガス吹き出し口から拡散室へ拡散させるようにしてあるので、導入されるガスの分子量が大きく異なる場合であっても、容積の大きな混合室を用いることなく、複数のガスを均一に混合することができる。したがって、分子量の大きく異なる複数のガスを混合する際に、その流量や種類によって混合室の容積を変える必要がない。そのため、混合室と次の工程の成膜室とを無駄なく直結することができるので、混合ガスを次の工程で使用する際に、均一に混合されたガスが再び乱流に戻るということはない。混合室の攪拌室に導入された各ガスが、以下述べるような形状を有する仕切り板の表面等に沿って移動することで対流が生じ、その結果、攪拌室内において、導入された混合ガスを効率良く確実に均一に攪拌・混合することが可能になる。また、上記ガス吹き出し口の位置及び大きさを調整することによって、導入された各ガスを最適の状態で攪拌・混合することができ、その結果、均一な混合ガスとして拡散室へ導入することが可能になる。
【0014】
上記混合室の攪拌室において攪拌・混合された混合ガスが拡散室に導入される際に、攪拌室と拡散室との容積の差に起因する拡散現象によって自然に拡散されるため、また、その後、拡散室から均一に混合された混合ガスを効率よく成膜室内に導入することができるため、混合ガスが乱流となることはない。したがって、原料ガス及び反応ガスの流量、種類によって容積が左右されない混合室内で、低い圧力でそれらのガスを均一に混合し、均一に混合した混合ガスを直結された成膜室内にガスヘッドを介して導入することにより、混合ガスの乱流を抑え、成膜対象物上に形成する薄膜の膜質、膜厚分布を向上、安定化させることができる。
【0015】
上記仕切り板を、混合室の底部に対して凸状の2次曲線形状を有するものとすることにより、所定の曲面形状を有する仕切り板を混合室内に配設するだけで、極めて簡単な構成の所望の混合室が得られる。さらに、ガス吹き出し口については、その位置及び大きさを適宜設定することによって攪拌室と拡散室との間に圧力差を設け、それにより攪拌室内に生じる強烈な対流により重量の異なるガスを均一に混合し、混合ガスが攪拌室から広い空間を有する拡散室内に拡散されるように構成している。例えば、上記仕切り板の周縁部分からその底部までの鉛直距離の1/2に相当する位置に設けられていることが好ましい。これにより、均一に混合された混合ガスが効率よく攪拌室から拡散室へと拡散され得る。
【0016】
請求項10によれば、上記成膜装置において、パーティクルトラップを配設し、また、バイパスラインを設けることに加え、上記ステージの周囲を所定の長さを有する円筒形状のスリーブ部材で囲い、このスリーブ部材と成膜室内壁面との間の間隙を介して、排ガスがガスヘッドとステージとが形成する第1空間内で対流することなく第1空間から排気されるように構成し、また、真空排気手段が接続されたステージ下方の第2空間の容積が第1空間の容積より大きくなる位置にステージの高さ位置を設定したことを特徴とする。
請求項11によれば、請求項10記載の成膜装置に、さらに、成膜室の内壁面に沿って不活性ガスを成膜室内に均等に導入するガスリングを成膜室の上面に設けたことを特徴とする。
【0017】
上記スリーブ部材と成膜室内壁面との間の間隙を10mm以上(好ましくは、10〜17mm)に設定し、また、スリーブ部材の高さ寸法を70mm以上に設定することが好ましい。間隙、高さ寸法をこのような範囲に設定すれば、膜厚分布を所望の値以内に維持することができる。
上記請求項10及び11のように構成することにより、混合室内に導入される原料ガス、ひいては成膜室内に導入される混合ガス中にパーティクルがほとんど含まれなくなると共に、基板の直上における混合ガスの均一な流れ分布、均一な濃度分布及び均一な温度分布が達成でき、その結果、基板上に均一な膜質及び膜厚分布を有する薄膜を形成することができる。
【0018】
請求項12記載の成膜方法は、上記成膜装置を用いて行う成膜方法であって、成膜室に原料ガス、反応ガス、キャリアガスのガス類を流して成膜する際に、このガス類をバイパスラインのバルブを開いた状態で流した後、このバルブを閉じ、成膜を開始することを特徴とする。
このように、バイパスラインのバルブを開いた状態でガス類を所定の条件で流した後、このバルブを閉じることにより、パーティクルトラップの一次側と二次側との間に一時的な大きな圧力差を生じさせること無く成膜を開始させることが可能となる。その結果、装置運転時の圧力変動によるパーティクルトラップからのパーティクルの巻き上げ、下流への流出を押さえることができる。
【0019】
請求項13記載の成膜方法は、上記成膜装置を用いて行う成膜方法であって、成膜室に原料ガス、反応ガス、キャリアガスのガス類を流して成膜する際に、このガス類をバイパスラインの可変式バルブを開いた状態で流した後、この可変式バルブを徐々に閉じながら成膜を開始することを特徴とする。
このように、バイパスラインのバルブを可変バルブとし、可変バルブを調節しながらガス類を流すことにより、パーティクルトラップの一次側と二次側との間に一時的な大きな圧力変動を生じさせること無く成膜を開始させることが可能となる。その結果、パーティクルの発生を更に減少させることができる。
【0020】
請求項14記載の成膜方法は、上記成膜装置を用い、成膜室に原料ガス、反応ガス、キャリアガスのガス類を流して成膜する際に、成膜工程を中断している時には、上記バイパスラインのバルブを開いた状態で、原料ガス以外のガス類を流した状態に保っておき、次いで、成膜工程を実施する時に原料ガスを流して成膜を開始することを特徴とする。
これにより、パーティクルトラップの一次側と二次側との間に一時的な大きな圧力変動を生じさせること無く成膜を開始させることが可能となり、パーティクルの発生を更に減少させることができる。
なお、本発明の成膜方法は、例えば、半導体素子の高集積化に要求される金属酸化物薄膜の表面モフォロジーの平滑化、結晶性の向上、薄膜化、微細3次元構造への付き周り性の向上、基板の大面積化、成膜温度の低温化等を達成しようとする際に有効である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる成膜装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明の成膜装置では、例えば、図3に示すように、気化室1と、網目状集塵式スクリーン2と、混合室3とを、所定の温度、例えば、180〜260℃に保温された配管で連結してなり、この混合室には原料ガス用配管4及び酸素ガス等の反応ガス用配管5のそれぞれの一端が接続されている。原料ガス用配管4の他端は気化室1に接続され、有機溶媒で希釈した有機金属を気化して得た原料ガスをパーティクルトラップである集塵式スクリーン2を経て混合室3内に導入できるようになっている。反応ガス用配管5の他端は反応ガスボンベ、キャリアガスボンベに接続され、これらのガスを混合室3内へ導入できるようになっている。原料ガス用配管4及び反応ガス用配管5には、ヒータ等の加熱手段や熱交換器が設けられていることが好ましい。
【0022】
集塵式スクリーン2は、気化室1と混合室3との間に配設され、原料ガス中のパーティクルを除去するための温度コントロール可能なパーティクルトラップとして機能する構造を有するものであればよい。この集塵式スクリーンとしては、例えば、株式会社布引製作所製のパイロ・スクリーン(登録商標)等を使用することができる。
集塵式スクリーン2の配置・構成は、パーティクルを捕集可能なものであれば特に制限はない。例えば、図4(a)及び(b)に示すように配置・構成されたパーティクルトラップであり、ヒータ等の加熱手段Hにより、配管とは独立した温度コントロールが可能なように構成されている。
【0023】
図4(a)に示すように、気化室からの原料ガスを導入するための入口40から排出するための出口41へと向かう方向に対して、すなわち原料ガスの流れ方向に対して鉛直方向にスクリーン板42が平行に複数枚積層されている。このスクリーン板42が捕集されたパーティクルで汚れた場合、洗浄のために、上方から溶剤43を流し、この溶剤を下方から排出(ドレイン44)できるように構成されていることが好ましい。
また、図4(b)に示すように、気化室からの原料ガスを下方の入口40から導入して上方の出口41から排出するように構成してもよい。この場合、スクリーン板42は、原料ガスの流れ方向に対して鉛直方向に平行に複数枚積層されている。このスクリーン板42が捕集されたパーティクルで汚れた場合、洗浄のために、上方から溶剤43を流し、この溶剤を下方から排出(ドレイン44)できるように構成されていることが好ましい。なお、積層されたスクリーン板の最上層の上で出口41の手前にフィールター45を設けてもよい。
【0024】
上記集塵式スクリーンの材質については、原料ガスに対する耐食性や機械的特性及び耐熱性(300℃程度)等を考慮して決められる。例えば、ニッケルやその合金(例えば、ハステロイ(登録商標)、インコネル(登録商標)等)、ステンレス鋼(316、316L等)、アルミニウム、チタン、セラミックス等から選択され得る。
導入された原料ガスや反応ガス等のガス類を混合する混合室3内の下流側には、パーティクルトラップとして温度コントロールができる多孔体フィルター6a及び6b(以下、金属燒結フィルターを例にとり説明する。)が配設され、混合ガスをさらに濾過して、成膜室7内へ導入できるようになっている。混合ガスの成膜室7への導入は、混合室3に直接的に接続された成膜室の上面に配設されたシャワープレートのようなガスヘッド8を介して行われる。
【0025】
この金属燒結フィルターは、集塵式スクリーン2による原料ガスからのパーティクル除去に加えて、成膜室7内の基板9上に向かって導入される混合ガス中に存在するパーティクルをさらに除去し、良好な膜質を有する薄膜を形成しようとするものである。この金属燒結フィルターは、使用温度領域、使用するガス種によっては、金属燒結フィルターの他にセラミックス、石英、フルオロカーボン(樹脂)等の多孔体材からなるフィルターであっても良い。また、金属燒結フィルターは、外部からの加熱ないしはフィルターサポートの加熱により温度コントロールがなされ、配管温度よりも高温に設定することも可能である。
また、この金属燒結フィルターは、1枚であってもよいし、図3に示したような2枚又はそれ以上の枚数を用いてもよい。複数枚の場合、メッシュサイズの異なる複数のフィルターを直接ないしはスペーサーを挟んで重ねて使用しても良い。
【0026】
上記金属燒結フィルターは、次のように取り付けられている。例えば、図5に示す混合室では、成膜室50に接続して設けられた混合室51の攪拌室51aの上部に気化室(図示せず)からの原料ガス用配管52及び反応ガス源からの反応ガス用配管53が設けられ、攪拌室で得られた混合ガスを拡散室51bへ拡散せしめ、拡散室51bから板状の金属燒結フィルター54、ガスヘッド55を経て成膜室内へ混合ガスを導入するように構成されている。この金属燒結フィルター54は、混合室51内の下流側に、固定治具により取り付けられた支持部材56上に取り付けられている。このフィルター54は、図示されていないがヒータ等の加熱手段で加熱しても良い。フィルター形状は、図示した板状以外に、筒状でも良く、また、フィルターの濾過面積を増やすために、プリーツ状(波うたせて)に加工したものでも良い。また、異なるメッシュサイズの複数のフィルターを組み合わせたものでも良い。
【0027】
上記金属燒結フィルタの材質については、原料ガスや反応ガスに対する耐食性や機械的特性及び耐熱性を考慮して決められる。例えば、ニッケルやその合金(例えば、ハステロイ(登録商標)、インコネル(登録商標)等)やステンレス鋼(316、316L等)等の金属細線燒結体等から選択され得る。例えば、日本精線株式会社製のステンレス鋼繊維からなるフィルターを使用することができる。
本発明によれば、集塵式スクリーン及び金属燒結フィルターからなるパーティクルトラップを上記のように配置することにより、圧力損失が小さく、捕集量が大きく、目詰まりもなく、乾式/湿式のパーティクルを効率的に捕集することができるので、成膜室内に導入される混合ガス中にはパーティクルがほとんど存在しない。また、金属燒結フィルター寿命もフィルターのみを配設した場合と比べて延びる。
【0028】
さらに、上記成膜装置では、図3に示すように、混合室3内の下流側に配設された金属燒結フィルター6a、6bの一次側と二次側との間に、バルブ(V3)を備えたバイパスライン10が設けられている。このフィルターが複数枚である場合、成膜室7に一番近いフィルターの一次側と二次側との間に、バルブを備えたバイパスラインを設ければよい。
【0029】
図3に示すように、気化室1には、4種の原料供給系1a、1b、1c及び1dが接続されており、それぞれの供給系は、弁要素(V20〜27)の調節によって、原料が原料用容器からHeガス等により流量調節器(FMC7〜10)を経て送られ、Nガス等により気化室へと搬送されるように構成されている。気化室1で得られた原料ガスは、配管4により集塵式スクリーン2を経て混合室3へと搬送される。この混合室3には、反応ガス(O)及びキャリアガス等の不活性ガス(N)の供給系が接続されており、各供給系は、弁要素(V10〜13)の調節によって、反応ガスやキャリアガスをガスボンベから流量調節器(MFC1〜4)、熱交換器を経て、混合室3へと配管5により搬送するように構成されている。気化室1と集塵式スクリーン2との間、成膜室7及びバイパスライン10には、排ガス処理系11がコールドトラップ12及びドライポンプ等の真空ポンプ13を介して接続されている。成膜室7には、排気系14が接続され、室内の真空度の調節を行えるようになっており、さらに、この排気系にはドライポンプ等の真空ポンプ15が接続されていてもよい。図3中、P1〜P6は圧力ゲージを示し、V1〜V29は弁要素を示し、MFC1〜MFC10は流量調節器を示す。
【0030】
次に、本発明の上記成膜装置で用いることができる混合室の一実施の形態を図6及び7を参照して説明する。
図6は混合室の内部構成を模式的に示す断面図であり、図7(a)は、図6の混合室内の撹拌室の内部構成を模式的に示す断面図であり、図7(b)は、図6の模式的上面図である。図6及び7において、同じ構成要素は同じ参照符号で示す。なお、図7(a)及び(b)において、実線及び点線、並びに一点鎖線及び二点鎖線の矢印線は、それぞれ、反応ガス流及び原料ガス流のコンピューターシミュレーションによる流体解析結果の傾向を、それぞれのガスの流れとガス分布とに関して例示するものである。
【0031】
図6に示すように、混合室61は、所定の大きさの中空円筒形状を有し、撹拌室62、拡散室63、及び撹拌室と拡散室との間を仕切るための仕切り板64から構成されており、得られた成膜ガスを用いて次の処理を行うための成膜室(反応室)と直接に結合されている。撹拌室62の上方部分には、少なくとも1種の原料ガスを導入するための原料ガス導入管65、及び反応ガス導入管66が取り付けられ、そのガス導入口65a及び66aが互いに対向するように配置されている。仕切り板64には、混合された原料ガスと反応ガスとからなる成膜ガスを撹拌室62から拡散室63へ効率よく導入するために、ガス導入口65aと66aとを結ぶ直線の鉛直方向下側で、仕切り板64の周縁部分からその底部までの鉛直距離の1/2程度に相当する位置に所定の大きさの一つのガス吹き出し口67が設けられている。
【0032】
これらの原料ガス導入管65及び反応ガス導入管66は、図6、図7(a)及び図7(b)に示すように、混合室61の上側壁面に、仕切り板64の中央部分(変曲点近傍)に対応する位置で、仕切り板64の中心点に対して点対称の位置に取り付けられ、ガス導入口65aと66aとは上記したようにそのガス導入方向が対向するように配置される。
上記混合室61において、仕切り板64は、2次曲線形状の凹面状仕切面を有する半球形状に形成されたものであり、原料ガス導入管65及び反応ガス導入管66が取り付けられた混合室の上方壁面側にその周縁が隙間のないように取り付けられている。
【0033】
混合室61の内部は、上記したように、仕切り板64によって、攪拌室62と拡散室63とに仕切られ、拡散室の容積が攪拌室の容積よりも大きくなるように構成されている。上記混合室の場合、攪拌室62の容積と拡散室63の容積との比は特に限定されないが、攪拌・混合と拡散とを満足に行うという観点からは、通常、1:5〜1:2程度とすることが好ましい。
【0034】
上記のように構成された混合室では、これに直結された成膜室内を真空にした状態で、原料ガス導入管65及び反応ガス導入管66から、それぞれ、ガス導入口65a及び66aを介して、少なくとも1種の原料ガスと反応ガスとを混合室61の攪拌室62内に導入する。これにより、図7(a)及び(b)に示すように、攪拌室62内において、原料ガス流が反応ガス流により分断され、かつ仕切り板64の表面では両ガスとも板64に沿って流れ、その結果、対流が発生して原料ガスと反応ガスとが攪拌され、混合される。次いで、図6に示すように、この混合された原料ガスと反応ガスとからなる成膜ガスは、ガス吹き出し口67を介して拡散室63内に円滑に導入され、拡散される。上記したように攪拌室62の容積より拡散室63の容積の方が大きいため、成膜ガスは、攪拌室から拡散室内に導入される際に、その容積の差によって拡散現象が起こり、均一な混合ガス流として導入され、拡散される。
【0035】
上記混合室を備えた成膜装置は、真空排気システムに接続された成膜室を有し、この成膜室内には、成膜対象物である基板を支持するためのウェハステージが配設されている。成膜室の上面にはガスヘッドが設けられ、このガスヘッドは、成膜室の上部に取り付けられた混合室に直接接続されている。そして、この混合室は、原料ガスの気化システムにパーティクルトラップとしての集塵式スクリーンを介して連結されるとともに、反応ガス源にも連結されている。上記のようにして均一に混合された成膜ガスは、混合室に隣接配置され、直接接続されたガスヘツドに対して最短距離で導入され、成膜室内において乱流になることなくウェハステージ上に載置された成膜対象物表面に供給される。
【0036】
上記混合室によれば、原料ガスと反応ガスとを攪拌室62において攪拌・混合した後、この攪拌・混合されて得られた成膜ガスを拡散室63において拡散させるようにしたことから、原料ガスと反応ガスとの分子量が大きく異なる場合であっても、原料ガスと反応ガスとを均一に混合することができ、従来のように容積の大きな混合室を用いる必要がない。したがって、成膜ガスの流量や種類によって混合室の容積が左右されることはなく、混合室と成膜室とを直結することができるので、均一に混合された成膜ガスが再び乱流になることはない。
【0037】
上記混合室を使用する場合、仕切り板64に設けられたガス吹き出し口67は、図6、図7(a)及び図7(b)に示すように、原料ガス導入管65の近傍に設けられており、この部分で激しく対流する成膜ガスは、ガス吹き出し口67を介して円滑に拡散室63内に導入される。なお、仕切り板64に設けられたガス吹き出し口67は、反応ガス導入管66の近傍に設けられていても良い。そして、上記したように、攪拌室62の容積より拡散室63の容積の方が大きいため、成膜ガスが攪拌室から拡散室内に導入される際に、その容積の差によって拡散現象が起こり、均一に混合される。この均一に混合された成膜ガスは、隣接配置され、直接接続されたガスヘツドに対して最短距離で導入され、成膜室内において乱流になることなく基板に供給される。
【0038】
本発明によれば、上記混合室61の場合にも、図6中には示されていないが、この混合室内の下流側に、図3に示すように金属燒結フィルターが設けられ、かつ、このフィルターの一次側と二次側との間に可変バルブであっても良いバルブを備えたバイパスラインが配設されている。
次いで、本発明の成膜装置に係わる別の実施の形態について、図8、図9(a)及び図9(b)を参照して説明する。
【0039】
図8において、成膜装置80は円筒形状の成膜室81を有している。この成膜室の内部には、シリコンウェハー等の基板が載置される円筒形状のステージ82が設けられている。このステージには、基板を加熱するための加熱手段(図示せず)が組み込まれている。また、ステージ82を、成膜室81の成膜位置と成膜室下方の基板搬送位置との間で昇降自在に構成するための手段を備えている。
成膜室81の下方には2個所の排気ポート83が設けられ、この排気ポートには、ターボ分子ポンプ、ロータリポンプ等の真空ポンプから構成される真空排気手段84が排気管85を介して接続されている。成膜室81上側の中央部には、ステージ82に対向してガスヘッド86が設けられている。
【0040】
ガスヘッド86の上流側には混合室87が設けられ、この混合室には、一端が気化室88に接続された原料ガス用配管89の他端及び一端がガス源に接続された反応ガス用配管90の他端がそれぞれ接続されている。そして、図8に示す成膜装置においては、図4に示す集塵式スクリーンである集塵式スクリーン91が混合室87と気化室88との間に設けられ、また、図5に示す金属燒結フィルターである金属燒結フィルター92が、混合室87内の下流側でガスヘッド86の近傍に設けられている。このように構成することにより、混合室87に原料ガスと反応ガスとをマスフローコントローラ(図示せず)により流量制御して供給し、該混合室87で所定の混合比に均一に混合され、パーティクルの除去された混合ガスがガスヘッド86から基板の中央部に向かって噴出される。すなわち、原料ガスは、気化室88から集塵式スクリーン91を経て混合室87へ導入され、また、混合ガスは、金属燒結フィルター92を経て、混合室87からガスヘッド86を介して成膜室81内へ導入される。
【0041】
本発明によれば、上記混合室87の場合にも、図8中には示されていないが、この混合室内の下流側に、図3に示すように、金属燒結フィルター92の一次側と二次側との間に可変バルブであっても良いバルブを備えたバイパスラインが配設されている。
ところで、MOCVD法により基板上に薄膜を形成する場合、原料ガスが気化温度以下に低下する場合、原料ガスがパーティクルとして析出し、成膜室81内での成膜ダストの原因ともなる。このため、原料ガス用配管89に、温度調節手段である熱交換器(図示せず)を設けてもよい。また、原料ガスの析出を防止するため、成膜室81の外壁やステージ82にヒータのような加熱手段を設けてもよい。
【0042】
ここで、MOCVDプロセスにおいて基板上の薄膜の膜厚分布及び組成分布を均一にすると共にその再現性を高めるには、基板の周囲から、プロセスに寄与しない混合ガス等を含む排ガスを等方排気してガスヘッド86から真空排気手段84までのガス流を均一にすることが重要になる。このため、特に、ガスヘッド86下方であってステージ82上方の第1空間81aでの対流、乱流の発生を防止する必要がある。
そのため、所定の高さ寸法Lを有するスリーブ部材93でステージ82の周囲を囲うこととする。この場合、スリーブ部材93と成膜室81内壁面とが形成する環状の間隙(r)を介して排ガスが等方排気されるように、ステージ下側の第2空間81bの容積を第1空間81aより大きく設定する。MOCVDプロセスに応じて圧力条件が変更可能であるように、排気管85に圧力調節バルブ85aを設けてもよい。
【0043】
上記したように、基板を所定の温度まで加熱するためにステージ82に加熱手段を組み込んだ場合、基板の上方で熱対流が発生し得る。そこで、成膜室81の内壁面に沿って不活性ガスを成膜室81内に均等に導入するガスリング94を、ガスヘッド86を囲うように成膜室81の上部に設ける。ガスリング94から噴射される不活性ガスの強制的な整流作用により、スリーブ部材93と成膜室81の内壁面との間の間隙を通過して第2空間81bに排気される排ガスを、スリーブ部材93の周囲からより確実に等方排気ができるようになる。これにより、第1空間での乱流、対流及び熱対流を防止できる。なお、ステージ82の成膜位置における第1空間の容積が、例えば、2.8L、第2空間の容積を13Lとなるように設定することができる。
【0044】
ところで、成膜室81内のステージ82の高さ位置は、図9(a)に示すように、ガスヘッド86からステージ82までの距離が長いと、排ガスが排気されず成膜室81の上方の隅部で対流Cが発生し得る。他方で、図9(b)に示すように、ガスヘッド86からステージ82までの距離が短いと、ガスヘッド86から噴出された混合ガスが基板で反射されて成膜室81の上方の隅部で対流Cが発生し得る。このため、成膜位置でのガスヘッド86とステージ82との距離はそのような対流Cが生じ難い距離に設定するように構成する。
【0045】
また、ステージ82まで基板を搬送するための基板搬送口を第1空間81aを臨む位置に設けたのでは、基板搬送口の周辺で乱流が発生し得る。このため、ステージ82が、成膜室81上側の成膜位置と下側の基板搬送位置との間で昇降自在となるようにステージ82に昇降手段(図示せず)を付設する。そして、基板搬送位置に対応して成膜室81に基板搬送口96(図8)を設ける。
図8に示す成膜装置の場合、MOCVD法において原料ガスがパーティクルとして析出しないように、ガスリング94から噴出される不活性ガスの温度が調節できるように、ガスリング94に通じるガス配管95に温度調節手段である熱交換器95aを設けてもよい。
【0046】
上記したように、本発明の成膜装置は、パーティクルトラップやバイパスラインが設けられており、また、好ましくは、特定形状の仕切り板が配設された混合室を備え、混合室の攪拌室において攪拌・混合されて得られる成膜ガスが拡散室に導入される際に、攪拌室と拡散室との容積の差に起因する拡散現象によって自然に拡散されるようになっている。さらに、好ましくは、スリーブ部材やガスリングが設けられている。そのため、これらの成膜装置を用いれば、非常に簡単な構成で良好な膜質を有する薄膜を形成することができる。すなわち、パーティクルがなく、かつ、均一に混合されている成膜ガスを成膜室内に直接導入することができるため、成膜ガスが乱流となることはなく、形成される薄膜の膜質及び膜厚分布を向上及び安定化させることが可能になる。
【0047】
本発明おいては、上記実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。例えば、仕切り板について、上記においては、半球形状の仕切り板を用いたが、この仕切り板の曲率、形状(例えば、円柱形状、立方体形状、円錐形状)、大きさ等は、使用するガスの種類やプロセスに応じて適宜設計変更することが可能である。また、仕切り板に設けられるガス吹き出し口の位置や形状についても、原料ガスと反応ガスが攪拌・混合された後に拡散室に均一に導入されるように構成されている限り、プロセスに応じて適宜設計変更することができる。上記したように、攪拌室内のガスが激しく対流する部分の近傍にガス吹き出し口を設けるようにすれば、成膜ガスを円滑に拡散室内に導入することができる。例えば、原料ガスの導入口と反応ガスの導入口とを結ぶ直線の中心点からその直線の上下方向に45度以内の範囲内にガス吹き出し口を設ければ、両ガスを均一に混合し、円滑に拡散室内に導入することが可能である。
【0048】
上記の実施の形態においては、仕切り板を混合室のガス導入側壁面に対して隙間が生じないように設けたが、成膜ガスが十分に攪拌・混合される限り、仕切り板周縁部と混合室のガス導入側壁面との間に隙間を設けるようにすることも可能である。
また、上記実施の形態では、それぞれ1つの攪拌室と拡散室を設けた混合室を例にとって説明したが、2つ以上の攪拌室と拡散室を設けて成膜ガスの混合を行うようにすることも可能である。
さらに、混合状態の程度によっては、拡散室を設けずに、攪拌室から成膜ガスを直接に成膜室に導入して、反応を行わせることも可能である。
【0049】
上記した混合室は、MOCVD法において、常温で液体である原料を用いる場合に、格別な効果がある。というのは、常温で液体である原料は、気化しても重いからである。
上記した成膜装置を用いれば、原料源としてPt、Ir、Ru等を用いて電極膜を、また、Ti、Ta、Al等の原料を用いて窒化物膜や酸化物膜からなるバリア膜等を形成することができる。また、形成される薄膜の膜特性をさらに改善するために、添加材(原料源)として、La(thd)、Sr(thd)、Ca(thd)、Al(thd)等を使用してもよい。
【0050】
【実施例】
以下、本発明の成膜装置を用いて、MOCVD法により金属酸化物薄膜を形成する方法の実施例及び比較例を図面を参照して説明する。
(実施例1)
本実施例では、図3に示す成膜装置を用いて以下の条件で金属酸化物薄膜を連続形成した。すなわち、成膜室7へのパーティクルの流入を防ぐ為に設けたパーティクルトラップ6a、6bの一次側と二次側との間にバイパスライン10を設置してあり、この装置を用いて、成膜室に原料ガス、反応ガス、キャリアガス等のガス類を流し始める際に、バイパスラインのバルブV3を開いた状態で所定の条件でガス類を流した後、このバルブを閉じることにより、パーティクルトラップ6a、6bの一次側と二次側との間に一時的な大きな圧力変動を生じさせること無く成膜を開始させ、連続的に成膜せしめた。
【0051】
装置条件:
気化室温度:250℃
パーティクルトラップ2:
集塵式スクリーン:5枚のスクリーン板
設定温度:230℃
パーティクルトラップ6a:
焼結ステンレス鋼繊維フィルター(絶対濾過径1μm)
設定温度:240℃
パーティクルトラップ6b:
焼結ステンレス鋼繊維フィルター(絶対濾過径0.3μm)
設定温度:240℃
【0052】
100枚ランの成膜条件:
基板温度:600℃
成膜圧力:1000Pa
原料:
Pb(thd)2/シクロヘキサン:0.36ml/min(thdは、2,2,6,6−テトラメチルヘキサンジオナト、C11H19O2である。)
Zr(dmhd)4/シクロヘキサン:0.20ml/min(dmhdは、2,6-ジメチルヘプタジオナト、CH13Oである。)
Ti(iso-PrO)2(thd)2/シクロヘキサン:0.22ml/min
反応ガス流量
:1500sccm
成膜時間:330sec
【0053】
上記条件で成膜したところ、膜厚100nm、組成:Pb/(Zr+Ti)=1.15、Zr/(Zr+Ti)=0.40の金属酸化物薄膜を形成できた。パーティクルトラップ6a、6bの一次側と二次側との間に一時的な大きな圧力変動が生じることもなく、成膜が開始されたため、パーティクルトラップからのパーティクルの巻き上げやこのトラップから下流側へのパーティクルの流出が起こらず、その結果、図10に示すように、連続運転時のパーティクルサイズ0.2μm以上のトータルパーティクル数を50個以下に減少させることが出来た。
また、得られた薄膜において、表面モフォロジーは平滑であり、結晶性も良く、微細3次元構造への付き周り性も良かった。
【0054】
(実施例2)
本実施例では、図3に示すような、パーティクルトラップ6a、6bの一次側と二次側との間に設置したバイパスライン10のバルブV3として可変式バルブを用い、成膜室に原料ガス、反応ガス、キャリアガス等のガス類を流し始める際に、このバルブを開いた状態で所定の条件でガス類を流した後、可変式バルブを徐々に閉じることにより、パーティクルトラップ6a、6bの一次側と二次側との間に一時的な大きな圧力変動を生じさせること無く成膜を開始させ、連続成膜せしめた。
【0055】
装置条件:
気化室温度:220℃
パーティクルトラップ2:
集塵スクリーン:5枚のスクリーン板(充填物:フェルト状ステンレス鋼繊維)
設定温度:230℃
パーティクルトラップ6a:
焼結ステンレス鋼繊維フィルター(絶対濾過径1μm)
設定温度:240℃
パーティクルトラップ6b:
焼結ステンレス鋼繊維フィルター(絶対濾過径0.3μm)
設定温度:240℃
【0056】
100枚ランの成膜条件:
基板温度:600℃
成膜圧力:1000Pa
原料
Pb(thd)2/シクロヘキサン:0.36ml/min
Zr(dmhd)4/シクロヘキサン:0.20ml/min
Ti(iso-PrO)2(thd)2/シクロヘキサン:0.22ml/min
反応ガス流量
:1500sccm
成膜時間:330sec
【0057】
上記条件で成膜したところ、膜厚100nm、組成:Pb/(Zr+Ti)=1.15、Zr/(Zr+Ti)=0.40の金属酸化物薄膜を形成できた。パーティクルトラップ6a、6bの一次側と二次側との間に一時的な大きな圧力変動が生じることもなく、成膜が開始されたため、パーティクルトラップからのパーティクルの巻き上げや、このトラップから下流側へのパーティクルの流出が起こらず、その結果、図11に示すように、連続運転時のパーティクルサイズ0.2μm以上のトータルパーティクル数を30個以下に減少させることが出来た。
また、得られた薄膜において、表面モフォロジーは平滑であり、結晶性も良く、微細3次元構造への付き周り性も良かった。
【0058】
(比較例1)
図1に示すバイパスラインのない従来の成膜装置を用い、実施例1又は2の場合と同じ装置条件及び成膜条件で金属酸化物薄膜を連続形成した。
その結果、膜厚100nm、組成:Pb/(Zr+Ti)=1.15、Zr/(Zr+Ti)=0.40の金属酸化物薄膜を形成できた。しかしながら、パーティクルトラップ6a、6bの一次側と二次側との間に一時的に大きな圧力差が生じるため、パーティクルトラップからのパーティクルの巻き上げや、このトラップから下流側へのパーティクルの流出が起こり、その結果、図2に示すように、製造ロットの所期ウエハーでのパーティクルの増加が観察され、パーティクルサイズ0.2μm以上のトータルパーティクル数を50個以下に減少させることはできなかった。また、得られた薄膜の表面モフォロジーは平滑ではなかった。
【0059】
(実施例3)
本実施例では、実施例1と同様に、図3に示す成膜装置を用い、強誘電体であるPZTの原料ガスと反応ガスである酸素ガス(O)とを選択して、PZT薄膜を形成せしめた。その際の混合室として図6に示すものを用いた。
Figure 0003839758
(注)thd:2,2,6,6−テトラメチルヘキサンジオナト、C11H19O
THF:テトラヒドロフラン、CHO
i-PrO:イソプロポキシ基
【0060】
成膜室内の圧力を6Torrに調圧した。この時の混合室の拡散室内の圧力は13Torrであり、原料ガスの気化部の圧力は20Torrであった。一般に液体原料の安定気化は30Torr以下が望ましいため、十分にその要件を満足している。
まず、図6に示す半球型仕切り板64を設けた混合室61内に、上記原料ガス及び反応ガスを、それぞれ、ガス導入管65及び66を経てガス導入口65a及び66aから混合室内へ導入して攪拌・混合・拡散し、混合室61から成膜室内に成膜ガスを導入し、この成膜室内で、MOCVD方法によって通常の条件で基板上にPZT薄膜を形成した。成膜室内に導入された成膜ガス中にはパーティクルは含まれていなかった。かくして形成された薄膜の膜厚分布を観察したところ、混合室内に仕切り板64を設けたものを使用した場合は、基板上に形成された膜の厚さが均一であり、良好な膜質を有する膜を連続的に形成することができた。この時の膜厚分布は±1.2%程度であり、デバイス製作上の観点から半導体チップの歩留まりを上げるために必要な±3%以下を充分に満足した。この結果は、所定の仕切り板64を設けたことにより、撹拌室62及び拡散室63での対流・撹拌・混合・拡散が効率よく行われ、原料ガスと反応ガスとが均一に混合され、均一な厚さを有する薄膜が形成されたことを示している。
【0061】
上記パーティクルトラップを備えているが、上記仕切り板を有しない従来の混合室を用い、混合室内に上記と同じ原料ガス及び反応ガスを導入して混合・拡散し、MOCVD方法によって薄膜を形成した。かくして形成された薄膜の膜厚分布を観察したところ、基板上に形成された膜の厚さの厚い部分は反応ガス導入口側に偏っており、薄い部分は原料ガス導入口側に偏っていた。また、混合室内の空間(仕切り板を設けた場合の撹拌室と拡散室とを合わした空間)において、その空間の底では、各導入口の位置に対する各ガス濃度の比較的濃い領域の反転現象が起こり、成膜ガス排出口からガスヘッドまでその反転現象を引きずったまま層流となり、基板へその濃度分布が転写されたものと推察される。この時の膜厚分布は±3.0%程度であった。
【0062】
上記PZTの原料ガスとして、Zr(thd)/THFの代わりにZr(dmhd)/THFを用いて、また、BSTの原料ガスと反応ガスとを用いて、上記方法を繰り返した。両者とも、形成された薄膜の膜質も膜厚分布も上記と同じ傾向が得られ、パーテイクルのない成膜ガスを用いて、効率よく均一な膜厚分布を有する薄膜を連続的に製造することができた。膜厚分布は±3%以下を充分に満足した。
【0063】
(実施例4)
本実施例では、実施例1と同様に、図3に示す成膜装置を用い、強誘電体であるPZTの原料ガスと反応ガスである酸素ガス(O)とを選択して、PZT薄膜を形成せしめた。その際の成膜室として図8に示すものを用いた。なお、成膜室内の圧力は、圧力調整バルブで5Torrに維持した。
Figure 0003839758
【0064】
得られた結果について、以下説明する。
図8における成膜室81内壁面とスリーブ部材93との間の間隙(排気口の大きさ)の寸法r(排気クリアランスr:mm)とスリーブ部材の高さ寸法Lを変化させて、膜厚100nmのPZT膜を成膜したときの膜厚分布(%)を図12に示す。図13に、間隙rと高さ寸法Lを変化させてPZT膜を成膜したときの基板中央部の成膜レート(Rate)(nm/min)を示す。
【0065】
ここで、膜厚分布を2%以内に維持するには、高さ寸法L70mm以上の場合、間隙rを10mm以上に設定する必要がある。量産性を考慮すれば、成膜時間は3min以下が望ましいので、膜厚100nmの薄膜を成膜する場合、成膜レートが35nm/min以上でなければならない。従って、図13から明らかなように、間隙の寸法rを10mm以上、好ましくは10mmから17mmに、高さ寸法Lを70mm以上に設定しておけば、良好な膜厚分布と量産に適した成膜レートとが得られる。
【0066】
次に、上記条件より間隙rを15mm、高さ寸法Lを70mmに設定して、ガスリング94からプロセスに寄与しない不活性ガスNを成膜室81内に導入して膜厚分布と成膜ダストとを測定した。図14は、ガス(Gas)ヘッド周り不活性ガスを0〜4000sccmの流量の範囲で変化させて8インチの電極基板上にPZT膜を形成したときの膜厚分布と成膜ダスト(パーティクルTotal)の関係を示す。図14から明らかなように、ガスリング94から1000〜2000sccmの範囲で不活性ガスを流した場合、パーティクル数が最も小さくなった。このため、不活性ガスを流さない場合に比べて優位性を有する。
【0067】
図15は、上記と同様に、間隙rを15mm、高さ寸法Lを70mmに設定すると共に、ガスリング94から不活性ガスNを0〜4000sccmの流量の範囲で変化させて成膜室81内に導入し、8インチの電極基板上にPZT膜の成膜したときの組成比(線a)と膜厚分布(線b)とを示す。図15によれば、不活性ガスの流量を変更しても膜厚分布に変化は見られないが、不活性ガス流量が2000sccmの近傍で組成比が乱れる。なお、組成比は、Zr/(Zr+Ti)の比を意味する。
【0068】
図12〜15から明らかなように、図8に示す成膜装置では、間隙rが10mm以上、好ましくは10〜17mm、スリーブ部材93高さ寸法Lが70mm以上、及びガスリング94から成膜室81に導入される不活性ガスの流量を1000〜1500sccmの範囲にすると、ガスリング94からの不活性ガス自体が乱流、対流の発生源とはならず、その整流作用を最大限に発揮させることができる。その結果、膜厚分布(2%以下)、組成比、組成分布及び成膜レートが良好であって、安定し、その上、成膜ダストが少なく(0.2μm以上のパーティクルが20個以下)、連続成膜を行い得る。
PZT膜の代わりにBST膜を形成する場合も、上記と同様の結果が得られる。
また、ステージ82に昇降手段を付設しなくても防着板を配置することで、対流、乱流及び熱対流することなく等方排気するようにすれば混合ガスのガス流を均一にできる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、パーティクルトラップを配設し、また、混合室内に配設されたパーティクルトラップの一次側と二次側との間にバイパスラインを設けることにより、成膜室内に導入される原料ガスその他のガス類、ひいては成膜ガス中にパーティクルがほとんど含まれなくなると共に、装置運転時の圧力変動によるパーティクルトラップからのパーティクルの巻き上げ、下流への流出を押さえることができ、その結果として、良好な膜質を有する薄膜を形成することができる成膜装置を提供できる。
【0070】
また、上記装置を用いて成膜する場合、原料ガス等のガス類を、混合室内下流側に配設されたパーティクルトラップの一次側と二次側との間に設けられたバイパスラインのバルブを開いた状態で流した後、このバルブを閉じ、成膜を開始することにより、パーティクルトラップの一次側と二次側との間に一時的な大きな圧力差を生じさせること無く成膜を開始させることが可能となる。かくして、この方法により、装置運転時の圧力変動によるパーティクルトラップからのパーティクルの巻き上げ、下流への流出を押さえることができる。また、このバルブを可変バルブとし、初めバルブを開いた状態でガス類を流し、次いで、可変バルブを調節しながらガス類を流すことにより、パーティクルトラップの一次側と二次側との間に一時的な大きな圧力変動を生じさせること無く成膜を開始させることが可能となり、パーティクルの発生を更に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パーティクルトラップを有する従来成膜装置の構成の概略を模式的に示す構成図。
【図2】 図1の成膜装置を用いて行った100枚連続成膜時のパーティクル挙動を示すグラフ。
【図3】 本発明の成膜装置の構成の一例の概略を模式的に示す構成図。
【図4】 本発明で用いる集塵式スクリーンの構成・配置の一例を模式的に示す図であり、(a)はその構成・配置の一例を模式的に示す断面図、(b)はその構成・配置の別の例を模式的に示す断面図。
【図5】 本発明で用いる板状の金属燒結フィルターの配置・構成の一例を模式的に示す断面図。
【図6】 本発明の成膜装置で用いる混合室の一例を模式的に示す断面図。
【図7】 図6に示す混合室の撹拌室の内部構成を模式的に示す図であり、(a)は断面図、(b)は上面図。
【図8】 本発明の成膜装置の別の構成の概略を模式的に示す構成図。
【図9】 図8に示す装置において、成膜室内の混合ガスのガスの流れを説明する図であり、(a)はステージとガスヘッドとの間隔が広い場合、(b)はステージとガスヘッドとの間隔が狭い場合についての成膜室断面図。
【図10】 実施例1で得られた100枚連続成膜時のパーティクル挙動を示すグラフ。
【図11】 実施例2で得られた100枚連続成膜時のパーティクル挙動を示すグラフ。
【図12】 図8に示す成膜室で間隙r及び高さ寸法Lを変化させてPZT膜を形成したときの膜厚分布を示すグラフ。
【図13】 図8で示す成膜室で間隙rと高さ寸法Lを変化させてPZT膜を成膜したときの基板中央部の成膜レートを示すグラフ。
【図14】 図8に示す成膜室でガスリングを介して不活性ガスの流量を変化させて基板上にPZT膜を形成したときの膜厚分布と成膜ダストの関係を示すグラフ。
【図15】 図8に示す成膜室でガスリングからの不活性ガスの流量を変化させて成膜室内に導入し、基板上にPZT膜を形成したときの組成分布と膜厚分布とを示すグラフ。
【符号の説明】
1 気化室 2 集塵式スクリーン
3 混合室 4 原料ガス用配管
5 反応ガス用配管 6a、6b 金属燒結フィルター
7 成膜室 8 ガスヘッド
9 基板 10 バイパスライン
42 スクリーン板 45 フィルター
50 成膜室 51 混合室
51a 攪拌室 51b 拡散室
52 原料ガス用配管 53 反応ガス用配管
54 ガスヘッド 56 板状フィルター
61 混合室 62 撹拌室
63 拡散室 64 仕切り板
65 原料ガス導入管 65a 原料ガス導入口
66 反応ガス導入管 66a 反応ガス導入口
67 ガス吹き出し口 80 成膜装置
81 成膜室 81a 第一空間
81b 第二空間 82 ステージ
86 ガスヘッド 87 混合室
88 気化室 91 集塵式スクリーン
92 金属燒結フィルター 93 スリーブ部材
94 ガスリング 96 基板搬送口

Claims (14)

  1. 内部に基板が載置されるステージを設けた真空チャンバである成膜室と、該成膜室に接続された、原料ガスと反応ガスとの混合ガス生成用混合室と、該原料ガス用気化室とを備え、該ステージに対向して該成膜室上面に混合ガスを成膜室内に導入するためのガスヘッドが設けられた成膜装置において、該気化室と該混合室との間及び該混合室内の下流側のそれぞれに、温度コントロール可能なパーティクルトラップが配設され、該混合室内下流側に配設されたパーティクルトラップの一次側である混合室上部と二次側である成膜室下部との間に、バルブを備えたバイパスラインが設けられていることを特徴とする成膜装置。
  2. 請求項1記載の成膜装置において、該バルブが可変バルブであることを特徴とする成膜装置。
  3. 請求項1又は2記載の成膜装置において、該混合室内の下流側に配設されたパーティクルトラップが複数枚である場合、該成膜室に一番近いパーティクルトラップの二次側である成膜室下部と上流にあるパーティクルトラップの一次側との間を接続するバルブを備えたバイパスラインが設けられていることを特徴とする成膜装置。
  4. 請求項1又は2記載の成膜装置において、該混合室内の下流側に配設されたパーティクルトラップが複数枚である場合、該成膜室に一番近いパーティクルトラップの一次側である上流側と二次側である成膜室下部との間を接続するバルブを備えたバイパスラインが設けられていることを特徴とする成膜装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の成膜装置において、該気化室と該混合室との間に設けられた温度コントロール可能なパーティクルトラップの設定温度を、該気化室内で原料ガスを得る際の気化温度及び原料ガスを流す配管の温度よりも5〜80℃低く設定するように構成したことを特徴とする成膜装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の成膜装置において、該気化室と該混合室との間に配設されたパーティクルトラップが慣性集塵式スクリーンからなり、また、該混合室内下流側に配設されたパーティクルトラップが多孔体フィルターからなることを特徴とする成膜装置。
  7. 請求項6記載の成膜装置において、該慣性集塵式スクリーンが、気体をほぼ45度の傾斜角を持って導入する透孔を多数同一方向に穴開けした網目状集塵スクリーン板からなり、該集塵式スクリーンが該集塵スクリーン板を複数枚積層したものである場合は、この互いに隣接するスクリーン板の透孔の傾斜角の方向は交互に90度交差した状態に構成されていることを特徴とする成膜装置。
  8. 請求項6又は7記載の成膜装置において、該慣性集塵式スクリーンを構成する集塵スクリーン板が、その空間に金属、セラミックス及び石英から選ばれた充填物を充填したものであることを特徴とする成膜装置。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の成膜装置において、該混合室は、原料ガス導入管及び反応ガス導入管を備えた攪拌室と、該原料ガス及び反応ガスを攪拌・混合して得た混合ガスを拡散させる拡散室とを有し、該原料ガス導入管及び反応ガス導入管のそれぞれのガス導入口が互いに対向するようにして設けられており、該攪拌室と該拡散室との間に、該攪拌室の容積よりも該拡散室の容積の方が大きくなるように仕切り板が設けられ、該仕切り板は、該混合室の底部に対して凸状の2次曲線形状を有するものであり、この仕切り板には、該それぞれのガス導入口を結ぶ直線の鉛直方向下側の所定位置に一つのガス吹き出し口が設けられ、該ガス吹き出し口を介して該混合ガスが該攪拌室から該拡散室へと拡散されるように構成されていることを特徴とする成膜装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の成膜装置において、該ステージの周囲を所定の長さを有する円筒形状のスリーブ部材で囲い、該スリーブ部材と成膜室内壁面との間の間隙を介して、排ガスが該ガスヘッドとステージとが形成する第1空間内で対流することなく該第1空間から排気されるように構成し、また、真空排気手段が接続されたステージ下方の第2空間の容積が該第1空間の容積より大きくなる位置にステージの高さ位置を設定したことを特徴とする成膜装置。
  11. 請求項10記載の成膜装置において、該成膜室の内壁面に沿って不活性ガスを成膜室内に均等に導入するガスリングを成膜室上面に設けたことを特徴とする成膜装置
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載の成膜装置を用いて行う成膜方法であって、該成膜室に原料ガス、反応ガス、キャリアガスのガス類を流して成膜する際に、該ガス類を該バイパスラインのバルブを開いた状態で流した後、該バルブを閉じ、成膜を開始することを特徴とする成膜方法。
  13. 請求項1〜のいずれか1項に記載の成膜装置を用いて行う成膜方法であって、該成膜室に原料ガス、反応ガス、キャリアガスのガス類を流して成膜する際に、該ガス類を該バイパスラインの可変式バルブを開いた状態で流した後、該可変式バルブを徐々に閉じながら成膜を開始することを特徴とする成膜方法。
  14. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の成膜装置を用いて行う成膜方法であって、該成膜室に原料ガス、反応ガス、キャリアガスのガス類を流して成膜する際に、成膜工程を中断している時には、該バイパスラインのバルブを開いた状態で、該原料ガス以外のガス類を流した状態に保っておき、次いで、成膜工程を実施する時に該原料ガスを流して成膜を開始することを特徴とする成膜方法。
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