JP3839692B2 - ポンプ施設 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポンプ施設に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポンプ機場などの建屋においては、建屋内にポンプ等の機器を設置したり撤去したりするためにその機器を設置する部屋の天井部分に機器搬入搬出用の搬入出口を設ける場合がある。この搬入出口は、機器の据え付けや撤去などの工事の際に使用されるものであり、通常時は搬入出口蓋によって覆われている。
【0003】
一方、ポンプ等の各種騒音発生源を有する建屋では、ポンプ運転などに伴う騒音が換気用のダクトから外部に漏れ出ないようにするため、この換気用ダクトの途中に消音器を設置することが行なわれている。そしてこの種の換気用ダクトや消音器は建屋内に設置されることが多く、搬入出及び通行、運転、メンテナンス等の妨げにならないようその設置スペースを考慮してその分広く建屋が設計されていた。また環境への配慮から騒音規制の強化が行なわれるようになると、減音量の大きい消音器が必要となり、結果として消音器が大きくなり、建屋が大きくなってしまう場合がある。
【0004】
しかしながら近年、建設費及び資材量の削減によるポンプ機場などの各種建屋の小型化が要求されており、これに伴って前記建屋内の消音器及び換気ダクトの設置スペースの小型化が必要になっている。
【0005】
一方前記ポンプ等の機器を設置した部屋の天井部分に設けた搬入出口の周囲には、機器の搬入出を妨げないようにするためのスペースが必要なので、機器を設置することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、消音器及び換気ダクトの設置スペースの小型化が図れて建屋の小型化が図れるポンプ施設を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため本発明にかかるポンプ施設は、換気と消音を必要とするポンプ施設において、ポンプ施設内に設置したポンプ施設機器上部の天井に、前記ポンプ施設機器を搬入・搬出する前記ポンプ施設機器の搬入出口を設け、前記ポンプ施設機器の搬入出口に、この搬入出口を覆うように搬入出口蓋を着脱自在に取り付け、且つこの搬入出口蓋に、前記ポンプ施設機器を設置した部屋に対して屋上の空気を給気又は屋上に排気する開口を設けると共に、この搬入出口蓋の開口に一体に前記ポンプ施設機器を設置した部屋の換気兼消音用の消音器を取り付けたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記消音器が、セル形消音器で構成されていることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記セル形消音器が複数本であり、これら複数本のセル形消音器が束になって搬入出口蓋に取り付けられていることを特徴とする。
また本発明は、前記複数本のセル形消音器が、消音器内部の換気ダクトの方向が搬入出口蓋の面に垂直になるように搬入出口蓋に取り付けられていることを特徴とする。
また本発明は、前記複数本のセル形消音器が、消音器内部の換気ダクトの方向が搬入出口蓋の面に水平になるように搬入出口蓋に取り付けられていることを特徴とする。
また本発明は、前記消音器の上部に、雨水の侵入を防止する換気フードが取り付けられていることを特徴とする。
また本発明は、前記消音器の内部の換気ダクトに換気ファンを取り付けたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる消音器10を設置した建屋(ポンプ施設)60の概略斜視図であり、また図2はその分解斜視図である。両図に示すようにこのポンプ施設においては、建屋60内に設置したポンプ70の上部の天井61に設けたポンプ搬入・搬出用の搬入出口63に、換気兼消音用の消音器10を取り付けた搬入出口蓋20を着脱自在に取り付けて構成されている。
【0011】
ここで天井61は屋上でもある。また前記搬入出口63は前記ポンプ70をクレーン等によって建屋60内に搬入・設置したり、建屋60外に撤去したりする際に使用するために建屋建設時に予め設けられるものである。
【0012】
一方搬入出口蓋20は搬入出口63を覆う形状に形成されている。そしてその内部に設けた開口21の部分に消音器10の上端を固定している。消音器10は複数本(図では12本)のセル形消音器11を束にして内部の換気ダクト13の方向が搬入出口蓋20の面に垂直になるように搬入出口蓋20に取り付けられている。各セル形消音器11は筒状ケースの内周面全体に吸音材15を取り付けることで、その中央の換気ダクト13を通過する騒音を吸収し減音するものである。なお各換気ダクト13内には外部の空気を建屋60内に導入する図示しない換気ファンが取り付けられており、これによって消音器10を給気消音器としている。
【0013】
前記消音器10の上部には、雨水等の侵入を防止する換気フード23が取り付けられている。
【0014】
そして上記ポンプ施設においては、ポンプ駆動用のエンジンなどによって熱が発生するのでこれを換気する必要があり、このため前記換気ダクト13内に設置した図示しない換気ファンを駆動することで外部の空気を建屋60内に導入する。一方この換気ダクト13を通じて内部の騒音が外部に出ようとするが、この騒音は換気ダクト13内を通過するときに吸音材15によって減音される。
【0015】
ところで搬入出口63は通常時は開閉使用されることがないため、この部分に設置した消音器10がポンプ運転の邪魔になることはない。一方搬入出口63を開閉使用する場合はポンプ等の取り替え工事やメンテナンス時に限られるため、騒音源であるポンプ等は停止していて消音器10が必要になることはない。つまり搬入出口63に消音器10を設置してもポンプ運転上何ら問題は生じない。しかも消音器10は搬入出口蓋20と一緒に取り付け・取り外しができるので、搬入出口63を使用する作業時に、別途消音器を取り付け・取り外す手間は必要なく、また消音器の取り付け・取り外し機構も不要である。
【0016】
なお上記実施形態では図示しない換気ファンを駆動することで消音器10を外部の空気を建屋60内に導入する給気消音器として構成したが、換気ファンを逆に回転することで建屋60内の空気を外部に排気する排気消音器として構成しても良いことは言うまでもない。
【0017】
図3は本発明の他の実施形態にかかる消音器10−2を設置した建屋(ポンプ施設)60の概略斜視図である。同図において前記実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。この実施形態において前記実施形態と相違する点は、搬入出口蓋20に取り付ける消音器10−2の構造である。即ちこの実施形態にかかる消音器10−2は、複数本(図では3本)のセル形消音器11を並列に束にして内部の換気ダクト13の方向が搬入出口蓋20の面に水平になるように搬入出口蓋20に取り付けて構成されている。また換気フード23は横向きの消音器10−2の一方の開口端を、搬入出口蓋20の上部に引き出す形状に形成されている。そして換気ダクト13内に設置した図示しない換気ファンを駆動することで外部の空気を建屋60内に導入する。一方この換気ダクト13を通じて外部に出ようとする騒音は換気ダクト13内を通過するときに吸音材15によって減音される。
【0018】
このように構成しても、前記実施形態と同様の作用効果を生じる。この実施形態の場合、消音器10−2が搬入出口蓋20の下面からあまり突出しないので、その下に設置する機器の高さが高い場合は好適である。
【0019】
図4、図5は参考例にかかる消音器10−3を設置した建屋(ポンプ施設)60の概略斜視図である。同図において前記各実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。この参考例において前記各実施形態と相違する点は、建屋60側壁の搬入出口63に設置した搬入出口扉20−3に消音器10−3を取り付けた点である。即ちこの参考例においては、建屋60にポンプ等の各種機器を搬入・搬出する搬入出口63を設け、この搬入出口63に取り付けた開閉自在な搬入出口扉20−3自体に、前記図3に示すと同様な構造の消音器10−3、即ち複数本(図では3本)のセル形消音器11を並列に束にして搬入出口扉20−3に取り付けている。また換気フード23は搬入出口扉20−3の外側に設置されている。そしてセル形消音器11の換気ダクト内に設置した図示しない換気ファンを駆動することで外部の空気を建屋60内に導入する。一方このセル形消音器11の換気ダクトを通じて外部に出ようとする騒音は換気ダクト内を通過するときに内部に設置した吸音材によって減音される。
【0020】
搬入出口扉20−3はポンプ運転時は閉じておくことでポンプ運転による騒音を効果的に減音する。一方ポンプ等の取り替え工事やメンテナンス等の場合はポンプ運転を停止して搬入出口扉20−3を開けば良く、搬入出口扉20−3に消音器10−3を設置してもポンプ運転上問題は生じない。しかも搬入出口63の開閉の際に別途消音器10−3の着脱の必要はない。なおこの参考例においては、搬入出口63及び搬入出口扉20−3を建屋60の側壁に設けたが、その代わりに天井に設けても良い。
【0021】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では消音器としてセル形消音器を用いたが、本発明はこの形式の消音器に限定されず、スプリッタ形消音器やそれ以外の各種消音器を用いてもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば以下のような優れた効果を有する。
▲1▼機器搬入・搬出用の搬入出口に、機器を設置した部屋の換気兼消音用の消音器を設置したので、搬入出口及びその付近の通常使用されないスペースを有効に利用することができ、また建屋に別途換気口・換気ダクトを設ける必要がなくなり、建屋の小型化及び建築費の削減が図れる。
【0023】
(2)消音器を搬入出口蓋に一体に取り付けたので、消音器を搬入出口蓋と一緒に取り付け・取り外し、又は開閉することができ、搬入出口を使用する作業時に別途消音器を取り付け・取り外しする必要がなくなり、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる消音器10を設置した建屋(ポンプ施設)60の概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる消音器10を設置した建屋(ポンプ施設)60の分解斜視図である。
【図3】本発明の他の実施形態にかかる消音器10−2を設置した建屋(ポンプ施設)60の概略斜視図である。
【図4】 参考例にかかる消音器10−3を設置した建屋(ポンプ施設)60の概略斜視図である。
【図5】消音器10−3を取り付けた搬入出口扉20−3を開いた状態の建屋60の概略斜視図である。
【符号の説明】
10,10−2,10−3 消音器
11 セル形消音器
13 換気ダクト
15 吸音材
20 搬入出口蓋
21 開口
23 換気フード
60 建屋
61 天井
63 搬入出口
70 ポンプ(機器)
20−3 搬入出口扉
Claims (7)
- 換気と消音を必要とするポンプ施設において、
ポンプ施設内に設置したポンプ施設機器上部の天井に、前記ポンプ施設機器を搬入・搬出する前記ポンプ施設機器の搬入出口を設け、
前記ポンプ施設機器の搬入出口に、この搬入出口を覆うように搬入出口蓋を着脱自在に取り付け、
且つこの搬入出口蓋に、前記ポンプ施設機器を設置した部屋に対して屋上の空気を給気又は屋上に排気する開口を設けると共に、この搬入出口蓋の開口に一体に前記ポンプ施設機器を設置した部屋の換気兼消音用の消音器を取り付けたことを特徴とするポンプ施設。 - 前記消音器は、セル形消音器で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ施設。
- 前記セル形消音器は複数本であり、これら複数本のセル形消音器は束になって搬入出口蓋に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のポンプ施設。
- 前記複数本のセル形消音器は、消音器内部の換気ダクトの方向が搬入出口蓋の面に垂直になるように搬入出口蓋に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のポンプ施設。
- 前記複数本のセル形消音器は、消音器内部の換気ダクトの方向が搬入出口蓋の面に水平になるように搬入出口蓋に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のポンプ施設。
- 前記消音器の上部には、雨水の侵入を防止する換気フードが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至5の内の何れかに記載のポンプ施設。
- 前記消音器の内部の換気ダクトに換気ファンを取り付けたことを特徴とする請求項1乃至6の内の何れかに記載のポンプ施設。
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