JP3839363B2 - 流体移送ポンプの流体室のシール構造 - Google Patents

流体移送ポンプの流体室のシール構造 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、流体移送ポンプ、好適にはダイアフラムまたはベローズの変形によって流体を圧送するポンプに関し、更に詳細に述べると、流体移送ポンプの流体室のシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第6,106,246号に開示されているように、近年、半導体製造装置等の高精度加工プロセスに薬液や高純度の処理液等を供給するため、ダイアフラムポンプが使用されている。ダイアフラムポンプは、薬液や処理液等の搬送流体を加圧するための一対のダイアフラムと、一対のダイアフラムを連結するセンターロッドと、各ダイアフラムによって加圧された搬送流体が逆流するのを防止する一方向弁と、一対のチャンバーとを有し、各チャンバーは、ダイアフラムによって、搬送流体が出入する流体室と、ダイアフラムを動作させる加圧流体が作用する圧力室とに画成される。
すなわち、図1乃至図3に示すように、ダイアフラムポンプの基本的な構成は次のようである。ダイアフラムポンプ1は、中央部に位置する本体2と、本体2の左右の側面に取り付けられた一対の端部ブロック3、4とを有する。本体2の左右の側面には、それぞれ、凹部5、6が形成され、また、端部ブロック3、4の側面には、本体2の凹部5、6にそれぞれ対応する位置に、凹部7、8が形成されている。これにより、本体2に端部ブロック3、4を取り付けると、凹部5と凹部7によって右方チャンバー9が形成され、また、凹部6と凹部8によって左方チャンバー10が形成される。右方チャンバー9は、本体2と端部ブロック3との間に挟まれて固定された右方ダイアフラム11によって、エア室12と流体室13に画成され、同様に、左方チャンバー10は、本体2と端部ブロック3との間に挟まれて固定された左方ダイアフラム14によって、エア室15と流体室16に画成される。そして、両ダイアフラム11及び14は、本体2を貫通するセンターロッド17によって連結され、センターロッド17は軸方向に摺動自在である。
図2及び図3に概念的に表示されているように、本体2の内部には、センターロッド17の挿通孔18と薬液等の搬送流体の通路19が形成される。薬液等の搬送流体は通路入口19aから通路19内に流入し、流体室13、16で加圧されて、通路出口19bから流出する。流体通路19には、流体室13、16の下流側と上流側にそれぞれ一方向弁20、21、22、23が配置され、一方向弁20、22は、流体室13で薬液等が加圧されたとき、加圧された薬液等が逆流しないように保持する機能を果たし、また、一方向弁21、23は、流体室16で薬液等が加圧されたとき、加圧された薬液等が逆流しないように保持する機能を果たす。そして、ダイアフラムポンプ1の端部ブロック3、4には、それぞれ、加圧用の空気通路24、25が形成され、これらの空気通路24、25は、それぞれ、エア室12、15に連通する。図1に示すように、実際は、空気通路24、25にノズル26、27を装着し、これらのノズル26、27によって圧縮空気の流量を制御する。
図2及び図3に基づいてダイアフラムポンプ1の基本的な作用を説明する。図2は、エア室12に圧縮空気が導入され、かつ、エア室15に印加されていた圧力が解除された状態を示す。エア室12に導入された圧縮空気の圧力でダイアフラム11は右方チャンバー9の内部を、図中、左方へ変形し、流体室13の内部にあった薬液等の搬送流体を一方向弁22の方向へ押し出す。このとき、一方向弁20は薬液等に印加された圧力によって閉鎖するから、流体室13から押し出された薬液等は一方向弁22を解放させて、流体通路19に流出し、本体2の通路出口19bからダイアフラムポンプ1の外部に圧送される。ダイアフラム11が左方へ変形すると、センターロッド17は、図中、左方へ変位して、左方チャンバー10の内部のダイアフラム14を左方へ変形させる。これによって、エア室15の内部の空気が空気通路25から流出すると同時に、流体室16の容積が増大し、一方向弁21が解放すると共に一方向弁23が閉鎖して、薬液等の搬送流体が流体入口19aから流体室16に流入する。
次いで、図3に示すように、圧縮空気が空気通路25からエア室15に導入され、左方チャンバー10の内部のダイアフラム14が、図中、右方へ変形する。これによって、流体室16の内部に貯留されていた薬液等が加圧され、一方向弁23を解放させて流体通路19に流出する。このとき、一方向弁21は薬液等の圧力で閉鎖している。これによって、薬液等の搬送流体は通路出口19bからダイアフラムポンプ1の外部へ圧送される。ダイアフラム14が右方へ変形すると、センターロッド17は、図中、右方へ変位して、右方チャンバー9の内部のダイアフラム11を右方へ変形させる。これによって、エア室12の内部の空気が空気通路24から流出すると同時に、流体室13の容積が増大し、一方向弁20が解放すると共に一方向弁22が閉鎖して、薬液等の搬送流体が流体入口19aから流体室16に流入する。ダイアフラムポンプ1の動作中は、図2及び図3の動作を交互に繰り返し、これに伴ってセンターロッド17は挿通孔18の内部で軸方向に往復動を継続する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図1乃至図3から明らかなように、ダイアフラムポンプ1の流体室13、16の間には、センターロッド17を挿入するための挿通孔18が延在する。そして、挿通孔18には、図1に示すように、センターロッド17を軸方向に摺動可能に支持するために、一対の環状ガイド部材28、29が取り付けられている。したがって、環状ガイド部材28、29の内周面とセンターロッド17の外周面との間に間隙があると、薬液等を加圧するための流体室13、16が連通し、薬液等の搬送流体を加圧することができない。そこで、従来は図4又は図5に示すようなシール構造を採用している。
図4は、図1の円Aで囲んだ部分を拡大した図である。同図において、環状ガイド部材28、29は同じく環状のガイド押え30、31を介して本体2の挿通孔18に取り付けられている。図4のシール構造の特徴は、環状ガイド部材28、29の内周面とセンターロッド17の外周面との接触面積を大きくするため、環状ガイド部材28、29の内周面とセンターロッド17の外周面との軸方向接触長さaをできるだけ長くしたことにある。この軸方向接触長さaが大きければ、両者の接触面積も大きくなり、これによって環状ガイド部材28、29の内周面とセンターロッド17の外周面の間のシール効果も増大するからである。しかしながら、ダイアフラムポンプ1の構造から明らかなように、センターロッド17には左右から軸方向に繰り返し荷重が加わるため、使用につれて環状ガイド部材28、29の内周面とセンターロッド17の外周面に摩耗が生じ、この結果、両者の間に隙間が生じてシール効果が失われる場合がある。
図5は、図1の円Aで囲んだ部分に相当する他のシール構造を示す図であり、円Aで囲んだ部分の構造とは異なる構造を示すため、便宜的に符号Bを付してある。図5で使用した参照番号のうち、図1乃至図4で使用されている参照番号と同一の番号は、同じ構成要素を指す。図5に示したシール構造の特徴は、環状ガイド部材32の流体室13に面する側面に断面V字形状の環状溝34を形成し、同様に、環状ガイド部材33の流体室16に面する側面に断面V字形状の環状溝35を形成したことにある。環状溝34、35の断面形状はV字形状であるから、環状溝34、35に流体室13、16の圧力が作用すると、V字形状の溝の内側のリップ36、37が拡開してセンターロッド17の外周面に長さbで圧着する。これによって、環状ガイド部材32、33とセンターロッド17の間のシール効果を得るのである。しかしながら、このような環状ガイド部材32、33を使用した場合にも、リップ36、37が摩耗して十分な変形が不可能な状態になったときや、流体室34、35に気泡が混入して、リップ36、37を変形させるための圧力が不足した場合には、シール効果が得られない場合があることが確認されている。
シールが不可能になった場合には、搬送流体の漏れによってダイアフラムポンプ1の吐出圧力が低下するばかりでなく、搬送流体に気泡が混入する等してその粘性が低下したときには、搬送流体の移送が不可能になる。
そこで、本発明の目的は、簡単な構成で、長期間にわたってシール性能を維持することができる、ダイアフラムポンプの流体室のシール構造を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ダイアフラムポンプのセンターロッドと、このセンターロッドを摺動自在に支持する環状ガイド部材との間に摩耗が生じても、所期のシール性能を長期間にわたって維持することができる、シール構造を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、PFAやPTFE等の比較的軟質の材料によって形成され、かつ相対変位を繰り返す部材間の流体密封構造に適用した場合にも、長期間にわたって所期の密封性能を維持することができる、シール構造を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、耐薬品性と耐腐食性に優れ、クリーンな環境で使用することができるシール構造を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、流体室の優れたシール構造を備えたダイアフラムポンプを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するため、本発明のダイアフラムポンプの流体室のシール構造は、ダイアフラムポンプのセンターロッドの外周面に嵌合し、かつ、前記センターロッドの軸方向に摺動可能な、一つの環状スリーブと、前記ダイアフラムポンプの本体に前記センターロッドを前記軸方向に摺動可能に支持し、かつ、前記環状スリーブを挟んでその両端に位置する、一対の環状ガイド部材とを有し、前記環状スリーブの内周面と前記センターロッドの外周面との間に第一の密封面を形成し、更に、前記環状スリーブの端面と前記環状ガイド部材の端面との間に第二の密封面を形成することを特徴とする。
このような構成のシール構造によれば、ダイアフラムの変形によってセンターロッドがその軸方向に往復動するとき、環状スリーブの端面がセンターロッドの移動方向に位置する環状ガイド部材の端面に圧接するから、この圧接部分に密封面が形成され、流体の漏れを防止することができる。また、環状スリーブは、センターロッドの往復動に伴って、センターロッドに対してその軸方向に相対変位するが、環状スリーブはセンターロッドに取り付けられているから、センターロッドがその半径方向に変位する場合にもセンターロッドと共に変位する。環状ガイド部材はセンターロッドに取り付けられておらず、本体に取り付けられているから、センターロッドが半径方向に変位するとこの変位に伴って半径方向への加重を受けるが、環状スリーブはセンターロッド自体に取り付けられているから、センターロッドがその半径方向に変位した場合にも、半径方向への荷重を受けることはない。したがって、センターロッドの外周面と環状スリーブの内周面との間の密封効果は長期間にわたって持続する。しかも、環状スリーブの端面と環状ガイド部材の端面の間に形成される第二の密封面は、センターロッドが半径方向に変位した場合にも維持されるから、この密封面の密封効果はセンターロッドの半径方向変異によっては破壊されない。したがって、上記構成のシール構造によれば、環状スリーブの端面と環状ガイド部材の端面の間の第二の密封面と、センターロッドの外周面と環状スリーブの内周面の間の第一の密封面とが、常に所期の密封作用を維持するから、ダイアフラムポンプの流体室のシール効果を長期間にわたって維持することができる。
なお、本発明によれば、環状ガイド部材の内周面とセンターロッドの外周面の間にも、従来と同様の密封面が形成されるから、これらの密封面のシール効果も相まって、ダイアフラムポンプの流体室のシール効果を向上させることができる。換言すれば、環状ガイド部材とセンターロッドの間に摩耗が生じ、これらの部材間の密封効果が低下した場合にも、センターロッドと環状スリーブの間の密封効果と、環状スリーブと環状ガイド部材の間の密封効果は維持されるから、ダイアフラムポンプの流体室のシール効果を長期間にわたって持続させることができる。
また、本発明のシール構造を実施するに際して、環状スリーブをセンターロッドのほぼ中央部に配置し、環状スリーブのセンターロッドに対する摺動範囲をセンターロッドの中央部の運動中立部分に限定すれば、センターロッドと環状スリーブの摩耗を極限まで低減させることができる。
本発明のダイアフラムポンプの流体室のシール構造は、その構造上、耐摩耗性が高いから、比較的硬度の低いPFA、PTFE等の材料を使用して、その構成部品を形成することが可能である。PFA、PTFE等の材料は耐腐食性が高い材料であるから、薬液や塗料等の腐食性化学物質を含有する搬送流体のポンピングに適したダイアフラムポンプを製作することができる。
本発明のその他の特徴は、添付図面を参照してなされる以下の実施例の説明から更に明確になる。
【0005】
【実施例】
従来技術の項で説明した通り、ダイアフラムポンプの基本的な構成は、図1乃至図3に示されている。
ダイアフラムポンプ1は、中央部に位置する本体2と、本体2の左右の側面に取り付けられた一対の端部ブロック3、4とを有する。本体2の左右の側面には、それぞれ、凹部5、6が形成され、また、端部ブロック3、4の側面には、本体2の凹部5、6にそれぞれ対応する位置に、凹部7、8が形成されている。これにより、本体2に端部ブロック3、4を取り付けると、凹部5と凹部7によって右方チャンバー9が形成され、また、凹部6と凹部8によって左方チャンバー10が形成される。右方チャンバー9は、本体2と端部ブロック3との間に挟まれて固定された右方ダイアフラム11によって、エア室12と流体室13に画成され、同様に、左方チャンバー10は、本体2と端部ブロック3との間に挟まれて固定された左方ダイアフラム14によって、エア室15と流体室16に画成される。そして、両ダイアフラム11及び14は、本体2を貫通するセンターロッド17によって連結され、センターロッド17は軸方向に摺動自在である。
図2及び図3に概念的に表示されているように、本体2の内部には、センターロッド17の挿通孔18と薬液等の搬送流体の通路19が形成される。薬液等の搬送流体は通路入口19aから通路19内に流入し、流体室13、16で加圧されて、通路出口19bから流出する。流体通路19には、流体室13、16の下流側と上流側にそれぞれ一方向弁20、21、22、23が配置され、一方向弁20、22は、流体室13で薬液等が加圧されたとき、加圧された薬液等が逆流しないように保持する機能を果たし、また、一方向弁21、23は、流体室16で薬液等が加圧されたとき、加圧された薬液等が逆流しないように保持する機能を果たす。そして、ダイアフラムポンプ1の端部ブロック3、4には、それぞれ、加圧用の空気通路24、25が形成され、これらの空気通路24、25は、それぞれ、エア室12、15に連通する。図1に示すように、実際は、空気通路24、25にノズル26、27を装着し、これらのノズル26、27によって圧縮空気の流量を制御する。
ダイアフラムポンプ1の基本的な作用は、図2及び図3に示す通りである。図2は、エア室12に圧縮空気が導入され、かつ、エア室15に印加されていた圧力が解除された状態を示す。エア室12に導入された圧縮空気の圧力でダイアフラム11は右方チャンバー9の内部を、図中、左方へ変形し、流体室13の内部にあった薬液等の搬送流体を一方向弁22の方向へ押し出す。このとき、一方向弁20は薬液等に印加された圧力によって閉鎖するから、流体室13から押し出された薬液等は一方向弁22を解放させて、流体通路19に流出し、本体2の通路出口19bからダイアフラムポンプ1の外部に圧送される。ダイアフラム11が左方へ変形すると、センターロッド17は、図中、左方へ変位して、左方チャンバー10の内部のダイアフラム14を左方へ変形させる。これによって、エア室15の内部の空気が空気通路25から流出すると同時に、流体室16の容積が増大し、一方向弁21が解放すると共に一方向弁23が閉鎖して、薬液等の搬送流体が流体入口19aから流体室16に流入する。
次いで、図3に示すように、圧縮空気が空気通路25からエア室15に導入され、左方チャンバー10の内部のダイアフラム14が、図中、右方へ変形する。これによって、流体室16の内部に貯留されていた薬液等が加圧され、一方向弁23を解放させて流体通路19に流出する。このとき、一方向弁21は薬液等の圧力で閉鎖している。これによって、薬液等の搬送流体は通路出口19bからダイアフラムポンプ1の外部へ圧送される。ダイアフラム14が右方へ変形すると、センターロッド17は、図中、右方へ変位して、右方チャンバー9の内部のダイアフラム11を右方へ変形させる。これによって、エア室12の内部の空気が空気通路24から流出すると同時に、流体室13の容積が増大し、一方向弁20が解放すると共に一方向弁22が閉鎖して、薬液等の搬送流体が流体入口19aから流体室16に流入する。ダイアフラムポンプ1の動作中は、図2及び図3の動作を交互に繰り返し、これに伴ってセンターロッド17は挿通孔18の内部で軸方向に往復動を継続する。
図6は、図1の円Aで囲まれた部分に相当する本発明の実施例を示す。図1の円Aで囲まれた部分は、図6では、円Cで囲まれた部分として示されている。図7は、図6に示した本発明の実施例の作用を説明する概略的な断面図である。なお、図6及び図7において使用されている参照番号のうち、図1乃至図3で使用されている参照番号と同一の番号は、同じ構成部品を示す。
図6において、環状スリーブSはセンターロッド17の外周に嵌合され、センターロッド17の外周面17aに沿ってセンターロッド17の軸線方向に摺動可能である。環状スリーブSの内周面Saとセンターロッド17の外周面17aの間には、図7に太線で示すように、密封面S1が形成されている。センターロッド17は、ダイアフラムポンプ1の本体2に形成された挿通孔18に挿入され、挿通孔18に取り付けられた一対の環状ガイド部材28、29によって軸方向に摺動可能に支持されるが、このとき、環状ガイド部材28の端面28aは環状スリーブSの右端面Sbに密着して、図7に太線で示す密封面S2を形成し、また、環状ガイド部材29の端面29aは環状スリーブSの左端面Scに密着して、図7の太線で示す密封面S3を形成する。これらの環状ガイド部材28、29は、図4又は図5に示した従来例と同様に、環状のガイド押え30、31によって本体2に固定されている。ガイド押え30、31の外周面には雄ねじ30a,31aが形成され、これらの雄ねじ30a、31aを本体2の挿通孔18の端部に形成された雌ねじ2a、2bに螺合させることにより本体2に装着され、これによって環状ガイド部材28、29を挿通孔18に固定する。
なお、本体2の内部には、図2又は図3に示すように、流体通路19と一方向弁20乃至23が設けられ、ダイアフラム11、14によってポンピングされた搬送流体が流体入口19aから流入し、流体出口19bから流出するように構成されている。もっとも、流体通路19の配置や一方向弁20乃至23の構成は、図2又は図3に示された構成に限定されるものではなく、ポンプ作用を行うことができる構成であれば他の構成を採用することもできる。
また、環状スリーブS、センターロッド17、環状ガイド部材28、29、ガイド押え30、31、そして本体2の他、一方向弁やダイアフラム等の構成要素の材料は任意に選択することができる。例えば、PFAやPTFE等の材料によって多くの部品を形成することが可能である。
センターロッド17が、ダイアフラムポンプ1のダイアフラム11、14の変形によって、軸線方向に往復動を繰り返すと、図7に示すように、センターロッド17と環状ガイド部材28、29との摩擦によって、環状ガイド部材28、29の内周面28b,29bが摩耗し、センターロッド17の外周面17aとの間に間隙Gを生じることがある。環状ガイド部材28、29が本体2に固定されているのに対し、センターロッド17はダイアフラム11、14の変形によって軸方向変位を繰り返すからである。このような隙間Gが生じると、ダイアフラムポンプ1の流体室13、16で加圧された搬送流体がセンターロッド17の外周面17aに沿って隙間Gに進入する。しかし、このような隙間Gが生じた場合にも、図7に示すように、センターロッド17と環状スリーブSの間には密封面S1が存在し、環状ガイド部材28と環状スリーブSの間には密封面S2が存在し、環状ガイド部材29と環状スリーブSの間には密封面S3が存在する。密封面S2は、センターロッド17が図7の右方に変位するときに最も効果的なシール面を形成すると考えられ、また、密封面S3は、センターロッド17が図7の左方に変位するときに最も効果的なシール面を形成すると考えられる。しかも、これらの密封面S1、S2、S3は、センターロッド17が本体2に関して、図中、上下方向に変位した場合にも消滅することなく維持される。したがって、ダイアフラムポンプ1の動作中は、少なくとも、密封面S2又はS3と、密封面S1とが、シール機能を果たすから、流体室13と流体室16が連通して、搬送流体の吐出が不可能になることはない。
【0006】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のダイアフラムポンプの流体室のシール構造によれば、ダイアフラムの変形によってセンターロッドがその軸方向に往復動するとき、環状スリーブの端面がセンターロッドの移動方向に位置する環状ガイド部材の端面に圧接するから、この圧接部分に密封面が形成され、流体の漏れを防止することができる。
また、環状スリーブはセンターロッド自体に取り付けられているから、センターロッドがその半径方向に変位した場合にも、半径方向への荷重を受けることはない。したがって、センターロッドの外周面と環状スリーブの内周面との間の密封効果は長期間にわたって持続する。
しかも、環状スリーブの端面と環状ガイド部材の端面の間に形成される第二の密封面は、センターロッドが半径方向に変位した場合にも維持されるから、この密封面の密封効果はセンターロッドの半径方向変異によっては破壊されない。
したがって、上記構成のシール構造によれば、環状スリーブの端面と環状ガイド部材の端面の間の第二の密封面と、センターロッドの外周面と環状スリーブの内周面の間の第一の密封面とが、常に所期の密封作用を維持するから、ダイアフラムポンプの流体室のシール効果を長期間にわたって維持することができる。
また、本発明によれば、環状ガイド部材の内周面とセンターロッドの外周面の間にも、従来と同様の密封面が形成されるから、これらの密封面のシール効果も相まって、ダイアフラムポンプの流体室のシール効果を向上させることができる
更に、本発明のシール構造を実施するに際して、環状スリーブをセンターロッドのほぼ中央部に配置し、環状スリーブのセンターロッドに対する摺動範囲をセンターロッドの中央部の運動中立部分に限定すれば、センターロッドと環状スリーブの摩耗を極限まで低減させることができる。
本発明のダイアフラムポンプの流体室のシール構造は、その構造上、耐摩耗性が高いから、比較的硬度の低いPFA、PTFE等の材料を使用して、その構成部品を形成することが可能である。PFA、PTFE等の材料は耐腐食性が高い材料であるから、薬液や塗料等の腐食性化学物質を含有する搬送流体のポンピングに適したダイアフラムポンプを製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイアフラムポンプの概略構成を示す断面図である。
【図2】ダイアフラムポンプの右側の流体室から搬送流体が吐出されている状態の作用を示す概略断面図である。
【図3】ダイアフラムポンプの左側の流体室から搬送流体が吐出されている状態の作用を示す概略断面図である。
【図4】従来のダイアフラムポンプに使用されていたシール構造の拡大断面図である。
【図5】従来のダイアフラムポンプに使用されていた他のシール構造の拡大断面図である。
【図6】本発明のダイアフラムポンプの流体室のシール構造の一実施例を示す拡大断面図である。
【図7】本発明のダイアフラムポンプの流体室のシール構造の作用を説明する拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ダイアフラムポンプ
2 ダイアフラムポンプの本体
11、14 ダイアフラム
12、15 エア室
13、16 流体室
17 センターロッド
17a センターロッドの外周面
18 センターロッドの挿通孔
19 流体通路
20、21、22、23 一方向弁
24、25 加圧用の空気通路
28、29 環状ガイド部材
28a、29a 環状ガイド部材の端面
28b、29b 環状ガイド部材の内周面
30、31 ガイド押え
S 環状スリーブ
Sa 環状スリーブの内周面
Sb 環状スリーブの右側面
Sc 環状スリーブの左側面
S1 密封面
S2 密封面
S3 密封面
G 隙間

Claims (10)

  1. ポンプのセンターロッドの外周面に嵌合し、かつ、前記センターロッドの軸方向に摺動可能な、一つの環状スリーブと、前記ポンプの本体に前記センターロッドを前記軸方向に摺動可能に支持し、かつ、前記環状スリーブを挟んでその両端にそれぞれが位置する、一対の環状ガイド部材とを有し、前記環状スリーブの内周面と前記センターロッドの外周面との間に第一の密封面を形成し、更に、前記環状スリーブの端面と前記環状ガイド部材の端面との間に第二の密封面を形成することを特徴とする、流体移送ポンプの流体室のシール構造。
  2. 請求項1に記載のシール構造において、前記一対の環状ガイド部材の内周面と前記センターロッドの外周面との間に、それぞれ、密封面を形成してなる、前記シール構造。
  3. 請求項1又は2に記載のシール構造において、前記環状スリーブを前記センターロッドのほぼ中央部に配置してなる、前記シール構造。
  4. 請求項1又は2に記載のシール構造において、前記一つの環状スリーブと前記一対の環状ガイド部材とからなるシール構造組を複数組併設してなる、前記シール構造。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のシール構造において、前記環状ガイド部材は、前記本体に螺合するガイド押え部材によって、前記本体に固定された、前記シール構造。
  6. 請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のシール構造において、前記本体と前記センターロッドと前記環状スリーブと前記環状ガイド部材とがPFA又はPTFEによって形成された、前記シール構造。
  7. 流体移送ポンプの本体に形成された一対の流体室と、前記一対の流体室の一部をそれぞれ構成するように、前記本体に固定された、一対のダイアフラムと、前記一対の流体室の間に延在するように前記本体に形成されたセンターロッド挿通孔と、前記センターロッド挿通孔に挿入され、かつ、両端部に前記ダイアフラムをそれぞれ連結された、一つのセンターロッドと、前記本体の前記センターロッド挿通孔に取り付けられ、かつ、前記センターロッドをその軸方向に摺動自在に支持する、一対の環状ガイド部材と、前記センターロッドに取り付けられ、かつ、前記一対のガイド部材の間に配置された、一つの環状スリーブとを有し、前記環状スリーブの内周面と前記センターロッドの外周面の間に第一の密封面を形成し、前記スリーブの端面と前記一対のガイド部材の間に、それぞれ第二の密封面を形成することを特徴とする、流体移送ポンプ。
  8. 請求項7に記載のポンプにおいて、前記ダイアフラムに関して前記流体室の反対側にエア室をそれぞれ有し、前記一対のエア室に加圧空気を給排することにより、前記ダイアフラムを変形させて前記流体室の容積を増減する、前記ポンプ。
  9. 請求項7又は8に記載のダイアフラムポンプにおいて、前記一対の流体室は前記本体の内部に形成された流体通路にそれぞれ連通し、前記流体通路には、前記流体室に出入する搬送流体が逆流するのを防止するための一方向弁が配置された、前記ポンプ。
  10. 請求項7乃至9のうちのいずれか一項に記載のポンプにおいて、前記ポンプの各構成部品をPFA又はPTFEによって構成した、前記ポンプ。
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