JP3838875B2 - シール工具 - Google Patents

Description

【０００１】
技術分野
本発明は、弾性材料からなる中空ホースを、可塑的変形性材料から形成されてこのホースに適用されるシール手段を介して、機械的にシールする工具に関し、この工具は二つの顎部を有し、これらは相互に接離移動すると共に相互に近接移動する際にシール手段をホースに対してかしめることによりこのホースをシールする。
【０００２】
発明の背景
序文として説明した形式の従来のシール工具では、折曲げクリップ形式のシール手段がホースの同じく折曲げ端縁部に適用される。次いでクリップがホースに対してかしめられてこのホースがシールされ、その後このホースがそのクリップの下流を一組のはさみまたは同類の切断工具手段を介して切断される。
【０００３】
前記ホースは比較的に小径、例えば５〜１０mmであるのでクリップもまた比較的小さく、これをホースの折曲げ端縁部上の正確な位置に適用することはしばしば困難である。更に、シール工具がホースをかしめるべくクリップを把持する前にこのクリップがホースの端縁部から落下して結果的にシールが達成されなくなるリスクもまれではない。
【０００４】
本発明に係るシール工具は、本来、容器内の媒体を導入および／または回収すべく意図される形式の装置に使用され、そしてこの装置はＷＯ第９７／１６７１５号公報に開示および説明されている。更に詳細には、この工具は、運搬手段と処理容器に接続される収集容器との間を延在するホースを、非汚染的にシール且つ切断するよう意図され、そしてこれにより、処理容器からの媒体を充填した後の収集容器を、その媒体が試料検査または解析されるために試験所等へ何ら汚染のリスクなく移送され得るようにする。
【０００５】
良好な衛生状態および非汚染的環境／条件を必要とするシール工具の前記使用において上記形式のクリップは受け入れ難い。その一つの理由は、このクリップは操作が困難でしばしば所望のシールを達成しないからである。別の理由は、クリップの下流側に多くの場合ホースの小部分が残存してこれに含まれる少量の媒体が周囲領域に溢出することにより重大な汚染リスクを発生するからである。
【０００６】
発明の目的
本発明の主たる目的は、序文で説明した形式のシール工具であって、媒体を充填した収集容器の試験所等への非汚染的移送要件を全て満足するシール工具を提供することにある。
【０００７】
発明の概要
上記およびこれに関連する目的は簡単且つ効果的な方法、すなわち、シール手段が、ホース上に挿着されるスリーブ形状を有し；少なくとも一つの顎部が、少なくとも一つの棒材であって、別の顎部へ向けて突出すると共に両顎部が相互に近接移動される際にスリーブおよびホース内に凹部を形成することによりそのシールを補強すると共にスリーブをホース上に固定する少なくとも一つの棒材を有し；および、少なくとも一つの顎部が、切断手段であって、別の顎部へ向けて突出すると共に両顎部が相互に近接移動される際にスリーブおよびホース内に切断標示部を形成することによりホースのシール切断を許容する切断手段を有することを特徴とする工具によって達成される。
【０００８】
特に好適な実施例では、少なくとも二つの真直棒材が設けられ、相互に所定距離を離間して実質的平行に配置されると共にスリーブの長手方向を実質的横方向へ延在されてスリーブおよびホース内に対応数の実質的横方向凹部を形成し、好適には切断手段がスリーブの長手方向を実質的横方向へ延在されてスリーブおよびホース内に実質的横方向の切断標示部を形成する。
【０００９】
好適実施例の説明
次に、本発明を添付図面を参照しながら以下より詳細に説明する。
【００１０】
全体的に参照符号１で示す工具は、上述したように本来は容器内の媒体を導入および／または回収すべく意図された形式の装置に使用するよう想定されたものであって、ＷＯ第９７／１６７１５号公報に開示および説明されている。更に詳細には、この工具は運搬手段と処理容器に接続される収集容器との間を延在するホースを機械的且つ非汚染的にシール且つ切断するよう意図され、これにより処理容器からの媒体を充填した後の収集容器を、その媒体が試料検査または解析されるために試験所等へ何ら汚染のリスクなく移送され得るようにする。
【００１１】
なおこの工具１は、良好な衛生状態および／または非汚染の環境および／または作業条件が種々のレベルで要求されるその他多くの適用に対しても使用され得ることは勿論である。
【００１２】
このようにこの工具１は、一般に目的に適合する性状の弾性材料、例えばゴムまたはプラスチックからなる中空ホース２を機械的にシールするよう意図されている。シールはシール手段３を介して達成されるが、このシール手段は適宜の可塑性能を有してこのホース２に適用される可塑的変形性材料、例えばプラスチックまたは金属から形成される。図示する好適実施例では、シール手段３はホース２上に予め挿着される金属スリーブ４から形成されている。スリーブは好適にはホース２の直径の二倍またはそれ以上の長さを有し、一般には５〜１０mmの範囲である。
【００１３】
図１および図３に示すように、工具１はそれ自体で手動操作される一組のやっとこ５形式から形成することができ、そしてこのやっとこは、一つの固定および一つの可動脚部６および７と互いに接離される二つの顎部８および９とを有する。両顎部８，９が、両脚部６，７を手動押圧すると共に後述する駆動手段１０を介して相互近接されると、スリーブ４がホース２にかしめられてホースがシールされる。
【００１４】
更に詳細には、図２に最も明らかなように顎部８または９の少なくとも一つ、この場合は顎部８は、他方の顎部９または８、この場合は顎部９へ向けて突出する少なくとも一つの棒材１１を有する。顎部８，９の上記相互近接移動に際して、この棒材１１は、図４，図５Ａおよび図５Ｂのように、スリーブ４内およびホース２内に刻印された凹部１２を形成する。好適な実施例ではこのような二つの棒材１１が存在し、これらは互いに所定距離を離間して実質的平行に配置されると共にスリーブ４の長手方向を実質的横方向へ延在する。棒材１１は好適には直線状であってスリーブ４内およびホース２内に二つの実質的横方向の凹部１２を形成することにより、ホース２上におけるスリーブ４のシールおよび固定を補強する。もし所望で且つ適切であれば、前記顎部８上に異なるよう配置／形成される二つ以上のこの種棒材１１を設け得ることは勿論である。
【００１５】
更に、顎部８または９の少なくとも一つ、この場合も同じく顎部８は、他方の顎部９または８へ向けて突出する一つの切断手段１３を有する（図２および図４を参照）。顎部８，９が前述のようにして互いに近接移動されると、前記切断手段１３はスリーブ４内およびホース２内に切断標示部１４を形成することによりスリーブ４およびホース２をシール様式で切断することを許容する。
【００１６】
図示実施例において、切断手段１３は、実質的真直な切断刃１５として好適に形成されている。切断刃はスリーブ４の長手方向の実質的横方向へ延在することにより、スリーブ４内およびホース２内に実質的横方向の切断標示部１４を形成する。図２および図４に示すように、切断刃１５は棒材１１よりもより大きく突出することにより、対向顎部、この場合は顎部９内の対向真直凹部１６と適宜に協働する。凹部１６の深さ、幅および形状は変更することができ、この凹部は切断刃１５の形状に対してとホース２およびスリーブ４の材料特性に対して適宜に適合される。ある種の適用において、この凹部１６は、必要または所望により省略することができる。
【００１７】
切断刃１５は、例えば図２および図４に示すように棒材１１の数が二つである場合は好適にはこれら二つの間の実質的中間部に位置される。もし更に多くの棒材１１が存在する場合は、切断刃１５は二つの隣接棒材、好適には中央部に最接近して位置するものの間の中間部に適宜配置される。ある種の適用では、切断刃１５は一つまたは複数の棒材１１の外側にまたは一方の側に配置し得ることも勿論である。
【００１８】
上述した切断標示部１４は、好適には、例えば図５Ａに示すようにスリーブ４およびホース２が工具１手段によるシール時に直接的に切断または破断されるのではなくその後の適宜時点で行われる。そして、スリーブ４およびホース２が手動または機械的な前後屈曲により、スリーブが図５Ｂに示すように疲労破断で分割されることによって切断標示部１４に沿って分離される。
【００１９】
勿論、スリーブ４およびホース２が実際のシールに直接関連して切断標示部１４に沿って分離されるのを何ら妨げるものではない。
【００２０】
スリーブ４およびホース２をシールに際して工具１の顎部８および９の間の所定位置に固定するために、顎部８および９の少なくとも一つ、この場合は顎部９は固定部１７を有する。この固定部はスリーブ４およびホース２を横方向、水平方向および垂直方向に固定且つ支持するが、これは適宜の方式で形成することができ、ここでは詳細に説明しない。
【００２１】
ここに開示および説明した実施例では、実際的なおよびその他の理由で、棒材１１および切断刃１５は顎部８または９の一つ、この場合は顎部８の上に、一方固定部１７は他方の対向顎部８または９、この場合は顎部９の上に配置されている。これら棒材１１、切断刃１５および固定部１７は図示しない適宜の取着手段を介して当該顎部８，９上に装着することができるが、代案として、これら要素の一つ／幾つかまたは全てが当該顎部と一部品に形成することもできる。図示例では、棒材１１および切断刃１５は当該顎部と一部品に形成され、一方固定部１７は当該顎部上に装着されている（図２および図４参照）。
【００２２】
好適実施例では、顎部８は、好適にはダイス形状を有する棒材１１および切断刃１５を備え、これらは取着手段（図示せず）を介し工具１内に固定的に装着されている（図２および図４参照）。これに対応するよう、顎部９は、パンチ形状を有する固定部１７を備える。このパンチは、工具１内に滑動方式（図示せず）で装着され、前述した駆動手段１０で作動される。駆動手段１０は好適には全体的に参照符号１８で示す歯車装置からなり、この装置は例えば偏心機構等に形成されて、好適には一組のやっとこ５の可動脚部７手段に連結／作動することができる。
【００２３】
本発明は、上述および図示した実施例に限定されるものではなく、添付請求の範囲に係る保護範囲内において多くの異なる変形が可能であることは勿論である。
【００２４】
例えば、工具１は一組の手動操作のやっとこである必要はなく、代案として分離工具、または機械内に含まれるか、必要／所望によっては電気的、空気的、水圧的に駆動される工具であっても良い。関連要素（棒材１１，切断刃１５および固定部１７）を備える顎部８，９は、工具１に対して交換可能方式で且つホース２およびスリーブ４のサイズに適合しておよび／または相互交換可能なようにして取着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の特に好適な実施例に係る工具のホースのシール初期状態における斜め上方から見た斜視図である。
【図２】 図１に係る工具の初期状態における部分正面図である。
【図３】 図１に対応する工具のシール終了状態における斜視図である。
【図４】 工具が終了状態にある際の図２に対応する図である。
【図５Ａ】 ホースのシール後の一部切開状態におけるシールホースを示す側面図である。
【図５Ｂ】 ホースのシール後の完全切断後の状態におけるシールホースを示す側面図である。

Claims (18)

1. 弾性材料からなる中空ホース（２）を、可塑的変形性材料から形成されてこのホースに適用されるシール手段（３）を介して機械的にシールする工具からなり、前記工具（１）が、二つの顎部（８，９）であって、その内の少なくとも１つの顎部がもう片方の顎部に対して接離移動されると共に相互に近接移動される際にその両顎部がシール手段（３）をホース（２）に対してかしめることによりこのホースをシールする二つの顎部（８，９）を有する工具（１）において、
   少なくとも一つの顎部（８または９）は、少なくとも一つの真直棒材（１１）であって、別の顎部（９または８）へ向けて突出すると共に、両顎部（８，９）の内の少なくとも１つがもう片方の顎部へ近接移動される際にホース（２）上に挿着されるスリーブ（４）形状を有するシール手段（３）内およびホース（２）内に凹部（１２）を形成することによりそのシールを補強すると共にスリーブをホース上に固定する少なくとも一つの真直棒材（１１）を有し、及び少なくとも一つの顎部（８または９）は、切断手段（１３）であって、別の顎部（９または８）へ向けて突出すると共に両顎部（８，９）の内の少なくとも１つがもう片方の顎部へ相互に近接移動される際にスリーブ（４）およびホース（２）内に切断標示部（１４）を形成することによりホース（２）はシールされた後、切断標示部に従って切断される切断手段（１３）を有し、及び切断手段（１３）が真直の切断刃（１５）形状を有し、少なくとも１つの真直棒材（１１）よりもより大きく突出することを特徴とする工具。
2. 少なくとも二つの真直棒材（１１）が設けられ、これらが相互に所定距離を離間して平行に配置されると共にスリーブ（４）の長手方向を横方向へ延在することにより、スリーブ（４）およびホース（２）内に対応数の横方向凹部（１２）を形成し、および、切断手段（１３）がスリーブ（４）の長手方向を横方向へ延在して、スリーブ（４）およびホース（２）内に横方向の切断標示部（１４）を形成することを特徴とする請求項１記載の工具。
3. 切断手段（１３）は真直の切断刃（１５）形状を有し、少なくとも２つの真直棒材（１１）よりもより大きく突出することを特徴とする請求項２記載の工具。
4. 切断手段（１３）は別の顎部（９または８）内の対向凹部（１６）と協働し、二つの真直棒材（１１）の中央部に位置し、
   少なくとも一つの顎部（８または９）は固定部（１７）を備えて、スリーブ（４）およびホース（２）を両顎部（８，９）の間に位置せしめ、
   真直棒材（１１）および切断刃（１５）は一方の顎部（８）上に配置され、固定部（１７）は他方の顎部（９）上に配置され、この棒材、切断刃および固定部は当該顎部の上に装着されるかまたはこれと一部品に形成され、
   真直棒材（１１）および切断刃（１５）を備える顎部（８）はダイス形状を有して工具（１）内に固定的に装着され、一方固定部（１７）を備える顎部（９）はパンチ形状を有して工具（１）内に移動可能に配置されると共に駆動手段（１０）を介して作動され、及び
   工具は固定および可動脚部（６，７）を有して手動操作される一組のやっとこ（５）形式からなり、可動脚部（７）が、歯車装置手段を介して、パンチを形成する顎部（９）を駆動することを特徴とする請求項３記載の工具。
5. 切断刃（１５）は別の顎部（９または８）内の対向凹部（１６）と協働し、切断刃（１５）は真直棒材（１１）の一方の側に位置し、
   少なくとも一つの顎部（８または９）は固定部（１７）を備えて、スリーブ（４）およびホース（２）を両顎部（８，９）の間に位置せしめ、
   真直棒材（１１）および切断刃（１５）は一方の顎部（８）上に配置され、固定部（１７）は他方の顎部（９）上に配置され、この棒材、切断刃および固定部は当該顎部の上に装着されるかまたはこれと一部品に形成され、
   真直棒材（１１）および切断刃（１５）を備える顎部（８）はダイス形状を有して工具（１）内に固定的に装着され、一方固定部（１７）を備える顎部（９）はパンチ形状を有して工具（１）内に移動可能に配置されると共に駆動手段（１０）を介して作動され、及び
   工具は固定および可動脚部（６，７）を有して手動操作される一組のやっとこ（５）形式からなり、可動脚部（７）が、歯車装置手段を介して、パンチを形成する顎部（９）を駆動することを特徴とする請求項３記載の工具。
6. 少なくとも一つの顎部（８または９）は固定部（１７）を備えて、スリーブ（４）およびホース（２）を両顎部（８，９）の間に位置せしめることを特徴とする請求項２記載の工具。
7. 少なくとも２つの真直棒材（１１）および切断刃（１５）は一方の顎部（８）上に配置され、固定部（１７）は他方の顎部（９）上に配置され、この内少なくとも１つの棒材、切断刃および固定部は当該顎部の上に装着されるかまたはこれと一部品に形成されることを特徴とする請求項２記載の工具。
8. 切断刃（１５）は別の顎部（９または８）内の対向凹部（１６）と協働することを特徴とする請求項１記載の工具。
9. 切断刃（１５）は二つの真直棒材（１１）の中央部に位置することを特徴とする請求項８記載の工具。
10. 切断刃（１５）は少なくとも１つの真直棒材（１１）の一方の側に位置することを特徴とする請求項８記載の工具。
11. 少なくとも一つの顎部（８または９）は固定部（１７）を備えて、スリーブ（４）およびホース（２）を両顎部（８，９）の間に位置せしめることを特徴とする請求項８記載の工具。
12. 切断刃（１５）は二つの真直棒材（１１）の中央部に位置することを特徴とする請求項１記載の工具。
13. 切断刃（１５）は少なくとも１つの真直棒材（１１）の一方の側に位置することを特徴とする請求項１記載の工具。
14. 少なくとも一つの顎部（８または９）は固定部（１７）を備えて、スリーブ（４）およびホース（２）を両顎部（８，９）の間に位置せしめることを特徴とする請求項１記載の工具。
15. 少なくとも１つの真直棒材（１１）および切断刃（１５）は一方の顎部（８）上に配置され、固定部（１７）は他方の顎部（９）上に配置され、この内少なくとも１つの棒材、切断刃および固定部は当該顎部の上に装着されるかまたはこれと一部品に形成されることを特徴とする請求項１４記載の工具。
16. 少なくとも１つの真直棒材（１１）および切断刃（１５）を備える顎部（８）はダイス形状を有して工具（１）内に固定的に装着され、一方固定部（１７）を備える顎部（９）はパンチ形状を有して工具（１）内に移動可能に配置されると共に駆動手段（１０）を介して作動されることを特徴とする請求項１５記載の工具。
17. 固定および可動脚部（６，７）を有して手動操作される一組のやっとこ（５）形式からなり、可動脚部（７）が、駆動手段（１０）の好適には偏心機構等からなる歯車装置手段を介して、パンチを形成する顎部（９）を駆動することを特徴とする請求項１６記載の工具。
18. 弾性材料からなる中空ホース（２）を、可塑的変形性材料から形成されてこのホースに適用されるシール手段（３）を介して機械的にシールする工具からなり、前記工具（１）が、二つの顎部（８，９）であって、二つの顎部が相互に接離移動されると共に相互に近接移動される際にシール手段（３）をホース（２）に対してかしめることによりこのホースをシールする二つの顎部（８，９）を有する工具（１）において、
    少なくとも一つの顎部（８または９）は、少なくとも一つの真直棒材（１１）であって、別の顎部（９または８）へ向けて突出すると共に両顎部（８，９）が相互に近接移動される際にホース（２）上に挿着されるスリーブ（４）形状を有するシール手段（３）内およびホース（２）内に凹部（１２）を形成することによりそのシールを補強すると共にスリーブをホース上に固定する少なくとも一つの真直棒材（１１）を有し、および、少なくとも一つの顎部（８または９）は、両顎部（８，９）が相互に近接移動される際にスリーブ（４）およびホース（２）内に切断標示部（１４）を形成することによりホース（２）はシールされた後、切断標示部に従って切断され、及び切断手段（１３）が真直の切断刃（１５）形状を有し、少なくとも１つの真直棒材（１１）よりもより大きく突出することを特徴とする工具。

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