JP3838406B2 - ファイル配信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は情報提供元となるサーバに蓄積された情報、すなわちファイルを複数の利用者へ配信するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
(インターネット上の蓄積情報配信について)
今日ではインターネットを用いた情報サービスが広く利用されているが、最も多く利用されているのがFTP(File Transfer Protocol)やHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)といったファイル転送サービスである。これらはファイルを取得する端末(以下「クライアント」)とファイルを配信する装置(以下「サーバ」)との間にTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)コネクションを設定し、サーバからクライアントヘ情報を配信する。
【0003】
インターネット上の情報の利用頻度は情報毎の差が著しく、利用頻度の高いファイルの情報転送は伝達網上を時間軸をまたがりながらも繰り返し転送される。同じ情報を繰り返し転送するのはネットワーク資源の無駄使いであるので、これを解決する手段として以下のキャッシュサーバ方式やミラーサーバ方式が用いられている。
【0004】
(キャッシュサーバ方式)
キャッシュサーバはサーバとしてクライアントからの要求を受け付ける手段と、クライアントとしてサーバから情報を取得する手段と、情報を一時的に蓄積する手段、すなわちキャッシュディレクトリを併せ持った装置である。キャッシュサーバを用いた情報配信のシステム構成を図20に示す。また、ファイル配信時の動作シーケンスを図21に示す。
【0005】
キャッシュサーバを用いた情報配信では利用者はキャッシュサーバに対してファイルを要求する。要求されたファイルがキャッシュディレクトリに保持されていなかった場合には、キャッシュサーバは要求されたファイルを情報提供者のサーバからファイルを取得した上で利用者へ転送する。要求されたファイルがキャッシュディレクトリに蓄積されていた場合には、キャッシュサーバはキャッシュディレクトリ中のファイルの蓄積日時を示し、示された日時よりもファイルの更新日時が新しければ情報を転送するように情報提供者のサーバに対し要求する。要求メッセージ中に記入されているファイルの更新日時と保持しているファイルの更新日時が同じであれば、情報提供者のサーバはその旨を返答し、キャッシュサーバヘのファイル転送は行わない。これによって同じファイルが転送される回数が削減される。
【0006】
キャッシュサーバは利用者に対してファイル転送を行うたびに、転送したファイルの複製をキャッシュディレクトリに蓄積する。この際、キャッシュに保持されているファイルの総情報量がキャッシュディレクトリの容量を超えるようであれば、なんらかの尺度によってキャッシュディレクトリから削除すべきファイルを選択して、選択されたファイルを削除する。典型的な尺度の例として、最後に利用者から要求されてから最も長く時間が経過したものを削除すべきファイルとする。
【0007】
本発明を説明するうえで重要なキャッシュサーバ方式の特徴として以下の点があげられる。キャッシュサーバ方式においては、複製元によらず一つのディレクトリ、キャッシュディレクトリがファイルの複製を保持すべきディレクトリとして生成される。複製元のディレクトリ毎に複製を保持するためのディレクトリを生成するわけではない。情報の複製はファイル単位で行われ、複製されるファイルはキャッシュサーバが利用者から受け付けたファイル取得要求によって自律的に決まる。キャッシュサーバがどのサーバのどのディレクトリを複製対象とするかを明示的に指定することはできない。キャッシュサーバがどのサーバのどのディレクトリのファイルの複製を保持しているかは利用者からの要求の変化にともなって動的に変化する。このため、情報の源となっているサーバ(情報提供者のサーバ)が、情報の複製を保持しているキャッシュサーバを把握して、キャッシュサーバ上のファイルを操作したり、キャッシュサーバからのファイル配信の履歴を収集することは困難である。
【0008】
(ミラーサーバ方式)
ミラーサーバはあるファイルサーバのあるディレクトリの複製を、与えられた設定に従って生成し保持するファイルサーバである。図22はミラーサーバのしくみを説明するための図である。図22に示すように、ミラーサーバは、与えられた複製元ディレクトリ毎に複製を保持するためのディレクトリを生成し、各ディレクトリの内容が複製元ディレクトリの内容と同一になるように動作する。具体的な動作としては、周期的に複製元ディレクトリの内容と自身のディレクトリの内容を照合し、新規ファイルが検出されればそのファイルを複製元ディレクトリから取得し、複製元ディレクトリにないファイルが自身のディレクトリにあればこのファイルを削除する。ミラーサーバと複製元ディレクトリを保持するサーバとの間には、当該ディレクトリについて、複製元ディレクトリを保持するサーバを親サーバ、ミラーサーバを子サーバとする制御上の親子関係が成立しているとみなすこができる。
【0009】
本発明を説明するうえで重要なミラーサーバ方式の特徴として以下の点があげられる。ミラーサーバ方式では、ファイルの複製を保持すべきディレクトリは複製元のディレクトリ毎に生成される。情報の複製はディレクトリ毎に行われ、複製元のディレクトリの中味はまるごとミラーサーバのディレクトリ上に複製される。ディレクトリ毎に複製元のサーバ、ディレクトリが静的に決まっているので、情報の源となっているサーバ(情報提供者のサーバ)が、情報の複製を保持しているミラーサーバを把握して、ミラーサーバ上のファイルを繰作したりミラーサーバからのファイル配信の履歴を収集することは可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述のとおりキャッシュサーバ方式ではどのキャッシュサーバがどのサーバのどのディレクトリのファイルの複製を保持しているかが動的に変化するため、情報の源であるサーバ(情報提供者のサーバ)とキャッシュサーバとを連携動作させることができない。このため以下の問題点を持っている。
【0011】
問題点1.キャッシュされているファイルが最新のものであるか否かを問い合わせる必要がある:ファイルが更新されたときにその旨を情報配信者のサーバからキャッシュサーバに通知することができない。このため、キャッシュサーバは、仮に要求されたファイルがキャッシュディレクトリに保持されていたとしても、保持していたファイルが最新のものであるか否かの確認(ファイルのバージョンチェック)を情報配信者のサーバに対して行う必要がある。この動作の分だけファイル配信時の遅延が増すことになってしまう。
【0012】
問題点2.ファイルを削除できない:ネットワーク上から削除したいファイルが情報提供者の都合によって生じた場合でも、キャッシュサーバ上のファイルを削除できない。
【0013】
問題点3.ファイル配信履歴を把握できない:情報提供者があるファイルについてどのユーザがいつ取得したかの履歴を把握したい場合でも、キャッシュサーバから行われたファイル配信について履歴を把握できない。
【0014】
前述のとおりミラーサーバ方式では情報の複製はディレクトリ毎に行われ、複製元のディレクトリの中味はまるごとミラーサーバのディレクトリ上に複製される。このため、以下の問題点を持っている。
【0015】
問題点4.ディレクトリ単位で複製を作成するため、あるディレクトリ内に人気のあるファイルと人気のないファイルが混在し、ファイルによるアクセス頻度の偏りが大きい場合には、人気のないファイルについても複製を作成する分、蓄積容量の利用効率が悪くなる。
【0016】
本発明は、このような背景に行われたものであって、情報提供者の意志にもとづくファイル繰作やファイル配信履歴の収集を可能としつつ、ファイルの複製を各所に分散したサーバに生成して効率的な情報配信を行うことができるファイル配信装置を提供することを目的とする。本発明は、効率的に蓄積容量を活用することができるファイル配信装置を提供することを目的とする。本発明は、ファイルを効率的に複数の利用者へ配信することができるファイル配信装置およびファイル配信網を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のファイル配信装置およびファイル配信網に用いるファイルサーバは、ミラーサーバと同様にファイルの複製を保持すべきディレクトリを複製元のディレクトリ毎に生成することとするが、生成されたディレクトリに複製元のディレクトリに属するファイルすべての複製を保持するのでなく、ある尺度によって選択された一部のファイルのみの複製を保持することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明によるファイルサーバは情報提供者のサーバと連携動作する手段を備えることとし、情報提供者の意志にもとづくファイルの削除、情報配信履歴の収集、ファイルの更新通知を可能とする。
【0019】
従来のキャッシュサーバ方式、ミラーサーバ方式と本発明との違いをまとめたものを表1に示す。
【0020】
【表1】
本発明によるファイルサーバの特徴として以下があげられる。
【0021】
特徴1:情報提供元となるサーバ名と当該提供される情報のディレクトリ名の組み合わせによって示される複製元ディレクトリのリストを動作設定として認識する手段と、複製元ディレクトリ中のファイルの複製を保持する複製ファイル保持ディレクトリを前記リスト中の複製元ディレクトリ毎に生成する手段と、前記複製ファイル保持ディレクトリに複製元ディレクトリに属するファイルの複製を蓄積保持する手段と、前記複製ファイル保持ディレクトリの蓄積容量が複製元ディレクトリの蓄積容量よりも小さい場合に複製元ディレクトリ中のファイル群のうち前記複製ファイル保持ディレクトリに複製保持されるファイルを選択する手段と、利用者のファイル取得要求に応じて複製ファイル保持ディレクトリに保持されているファイルを配信する手段とを備える。
【0022】
特徴2:前記複製ファイル保持ディレクトリそれぞれについて他のサーバと制御上の親子関係をなすことを可能とし、前記複製ファイル保持ディレクトリについて制御上の親サーバ、子サーバを認識する手段と、ある複製ファイル保持ディレクトリに関する制御メッセージを当該ディレクトリの親サーバまたは子サーバと送受信しあう手段と、送受信した制御メッセージにもとづく動作を実行する手段とを備える。
【0023】
特徴2の制御メッセージを送受信しあう手段と制御メッセージにもとづく動作をさらに具体化した特徴として以下があげられる。
【0024】
特徴3:情報提供者が新規ファイルをディレクトリに入力した場合に、ファイル更新通知メッセージを親サーバから子サーバヘ伝達する手段と、受信したファイル更新通知メッセージが示すファイルと同一ファイル名のファイルが複製ファイル保持ディレクトリに保持されていた場合に当該ファイルを無効化する手段を備えている。
【0025】
特徴4:情報提供者がファイルを削除したい場合に、ファイル削除要求メッセージを親サーバから子サーバヘ伝達する手段と、受信したファイル削除要求メッセージが示す削除すべきファイルを削除する手段を備えている。
【0026】
特徴5:情報提供者がファイルの配信履歴を取得したい場合に、ファイル配信履歴要求メッセージを親サーバから子サーバへ伝達する手段と、受信したファイル配信履歴要求メッセージに対する応答として子サーバから親サーバヘファイルの配信履歴を伝達する手段とを備えている。
【0027】
さらに上記の特徴を持つファイルサーバを複数用意して広域に分散して配備し、これらのファイルサーバの動作を制御するファイルサーバ制御装置によって制御することにより広域のファイル配信網を構成する。このためにファイルサーバ制御装置は以下の特徴を持つこととする。
【0028】
特徴6:利用者からのディレクトリ生成要求メッセージを受信する手段と、受信したディレクトリ生成要求メッセージにもとづき複製ファイル保持ディレクトリを生成すべき前記ファイル配信サーバを選択する手段と、選択された前記ファイル配信サーバに複製ファイル保持ディレクトリ生成指示メッセージを送信する手段とを備えている。
【0029】
また、ファイルサーバは以下の特徴を持つこととする。
【0030】
特徴7:前記ファイル配信サーバ制御装置から複製ファイル保持ディレクトリ生成指示を受信する手段と、受信した複製ファイル保持ディレクトリ生成指示メッセージにもとづき複製ファイル保持ディレクトリを生成する手段とを備える。
【0031】
本発明によるファイルサーバはファイルの複製を保持すべきディレクトリを複製元のディレクトリ毎に生成する。このため各ディレクトリについて複製元のサーバ、ディレクトリが静的となるため、本発明によるファイルサーバと情報の源となるサーバ(情報提供者のサーバ)との間に制御上の親子関係を生成して、情報提供者のサーバと本発明によるサーバとを連携動作させることが可能となる。
【0032】
連携動作の一つとして、ファイル更新時にファイル更新通知を親サーバから子サーバへ伝達し、古いファイルを無効化する手段を備えることにより、保持されているファイルが最新のものであることが保証され、ファイルを配信するたびにファイルのバージョンをチェックする必要がなくなる。つまり、従来のキャッシュサーバを用いた方式の問題点であったファイルの複製が保持されていた場合にもファイルが最新であるかを確認する必要がある点を解消している。
【0033】
連携動作の一つとして、ファイル削除要求を親サーバから子サーバへ伝達し、指定されたファイルを削除する手段を備えることにより、情報提供者の意志にもとづきサーバ上に複製されたファイルを削除することが可能となる。つまり、従来のキャッシュサーバを用いた方式の問題点であった複製されたファイルを情報提供者の意志にもとづき削除できない点を解消している。
【0034】
連携動作の一つとして、ファイル配信履歴要求を親サーバから子サーバヘ伝達し、その応答として子サーバから親サーバヘファイル配信履歴を伝達する手段により、情報提供者の配信履歴要求にもとづき各サーバにおけるファイル配信履歴を親サーバヘ集約することが可能となる。つまり、情報提供者は各サーバで行われたファイル配信を把握することが可能となり、従来のキャッシュサーバを用いた方式の問題点であったキャッシュサーバからのファイル配信を情報提供者が把握できない問題を解消している。
【0035】
さらに本サーバは、ミラーサーバと異なり、複製元のディレクトリに属するファイルをすべて保持するのでなく、複製元ディレクトリの属するファイルのなかから保持すべきものをなんらかの尺度によって選択する。このため、人気の高いファイルの複製のみを保持することなどができ、ディレクトリに属するファイルの間の人気の差が大きい場合などにおいてミラーサーバ方式よりも蓄積容量を有効に活用することが可能となる。つまり、従来のミラーサーバを用いた方式の問題点である、ディレクトリ内のファイルの間の人気の差がはげしい場合に蓄積容量の使用効率が悪くなる点を解消している。
【0036】
また、複製を保持すべきファイルを人気の高いものに限定できたとしても、情報提供者が独自に複製を保持するためのファイルサーバを広域に配備しなければならないのでは、必要な蓄積容量は減っても配備すべきファイルサーバの数は変わらないので、大量の情報を持てない情報提供者にとって設備コストは低減されない。そこで、前述した特徴7を備え、外部からディレクトリ生成指示を行うことが可能な本発明による複製を保持するためのファイルサーバをネットワーク内に複数分散配置し、前述した特徴6を備え、情報提供者からの利用要求に従いディレクトリ生成指示をファイルサーバに対して行う手段を有するファイルサーバ制御装置を設置する。これらの装置によって、ディレクトリ生成要求メッセージを送信することにより情報提供者がネットワーク上に供給されているファイルサーバ上に情報提供者のためのディレクトリを確保することが可能となる。この結果、情報提供者が独自に広域にファイルサーバを設置する必要はなくなり情報提供者にとっての設備コストが低減される。
【0037】
また、本明細書では、復号レートRがあらかじめ定められた画像または音声などの情報をリアルタイム情報と定義すると、前記ファイルがこのようなリアルタイム情報を含む場合には、前記ファイルを配信する手段は、このリアルタイム情報の復号レートRにしたがって周期T毎に情報量R×Tの前記リアルタイム情報の一部分を配信する手段を含むこともできる。
【0038】
これにより、復号レートRがあらかじめ定められた音声や画像などのリアルタイム情報も本発明のファイル配信装置により扱うことができる。このようなリアルタイム情報の配信では、復号レートRにしたがって情報量R×Tの前記リアルタイム情報の一部を周期T毎にストリーミング配信する。なお、一般的に、情報の復号レートは情報の符号化レートに等しい。
【0039】
本発明の別の観点はファイル配信プログラムが記録された記録媒体であって、所定のハードウェアと、このハードウェアにインストールされた所定の基本ソフトウェアとを備えたコンピュータ装置に、さらにインストールすることによりそのコンピュータ装置を本発明のファイル配信装置に相応する装置とするファイル配信プログラムが記録された記録媒体である。したがって、本発明のファイル配信装置は、この記録媒体とコンピュータ装置とによって実現することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明実施例を図1ないし図19を参照して説明する。図1に本発明のファイル配信装置によるファイル配信の実施例を示す。本発明のファイル配信装置は、本発明実施例におけるファイルサーバB、C、D、Eにより実現される。図1に示す実施例は情報提供者がWorld Newsというディレクトリ名のディレクトリを用いてファイルを配信する例を示している。World Newsというディレクトリは、サーバA、ファイルサーバB、ファイルサーバC、ファイルサーバDのそれぞれに作成される。このうちサーバAは情報提供者が直接ファイルを入力すべきサーバであり、他のファイルサーバに対する親サーバとしてふるまう。ファイルサーバB、ファイルサーバC、ファイルサーバDはサーバAの子サーバとしてふるまう。サーバAは情報提供者がディレクトリに入力したファイルすべてを保持するが、ファイルサーバB、ファイルサーバC、ファイルサーバDはディレクトリに属するファイルのうち一部のみをある尺度により選択し、選択されたファイルを複製して保持する。ファイルを選択する尺度の一例として、本実施例では、最後に利用者から要求されてからの経過時間が短いファイルを優先的に保持することとする。別の尺度の例として、ファイルの更新日時、作成日時が最も新しいものを優先的に保持することとするものがあげられる。
【0041】
ファイル更新時の動作シーケンスを図2に示す。情報提供者は新規ファイルをサーバAに対して入力する。これにもとづき、サーバAは受信したファイルをディレクトリに格納し、ファイル更新通知を子サーバへ送信する。このファイル更新通知のメッセージフォーマットは図3のとおりとする。ファイル更新通知を受信した子サーバは通知メッセージが示すファイルと同一のファイル名を保持していればこのファイルを削除する。ファイル入力、ファイル更新に対する応答メッセージは図4のとおりとする。
【0042】
ファイル削除時の動作シーケンスを図5に示す。情報提供者はファイル削除要求をサーバAに対して行う。これにもとづき、サーバAは指定されたファイルをディレクトリから削除し、ファイル削除要求を子ファイルサーバへ送信する。このファイル削除要求のメッセージフォーマットは図6のとおりとする。ファイル削除要求を受信した子ファイルサーバは通知メッセージが示すファイルと同一のファイル名のファイルを保持していればこのファイルを削除する。ファイル削除要求に対する応答メッセージは図7のとおりとする。
【0043】
ファイル配信履歴集約時の動作シーケンスを図8に示す。情報提供者はファイル配信履歴要求をサーバAに対して行う。これにもとづき、ファイル配信履歴要求を子サーバヘ送信する。このファイル配信履歴要求のメッセージフォーマットは図9のとおりとする。ファイル配信履歴要求を受信した子サーバは指定されたファイルに関する配信履歴を応答メッセージとして返す。サーバAは各ファイルサーバからの応答メッセージを集約して情報提供者に対する応答メッセージを生成し、これを情報提供者へ渡す。ファイル配信履歴要求からの応答メッセージのフォーマットは図10のとおりとし、これらのファイル配信履歴を集約する場合には、Distribution Countの値は各ファイル配信履歴の和により求め、Distributionの行は各ファイル配信履歴中のものを連結することとする。図11は、ファイルサーバB、ファイルサーバC、ファイルサーバDからのファイル配信履歴を集約した結果、サーバAから情報提供者へ送るファイル配信履歴の例である。
【0044】
ファイル配信時の動作シーケンスを図12に示す。情報利用者の端末は最も近いファイルサーバを知っていることを前提とする。これは、例えば、情報提供者がファイルサーバのリストを電子メールなどで情報利用者へ告知し、情報利用者がリストの中から最も近いファイルサーバを選択することなどにより実現される。ここでは情報利用者の端末に最も近いファイルサーバがファイルサーバBであると仮定する。情報利用者端末はファイルサーバBに対してファイル要求を送信する。このファイル要求メッセージは通常のHTTPのファイル要求メッセージとする。ファイル要求メッセージを受信したファイルサーバBは要求されたファイルを保持しているか否かを判断する。ファイルを保持していなかった場合には、要求されたファイルが属するディレクトリの親サーバにファイル要求を送信し、ファイルを取得する。ファイルを取得したファイルサーバBは取得したファイルをディレクトリに格納する。この際、ディレクトリに格納されているファイルの総情報量がそのディレクトリに対して割り当てられた容量を超える場合に、ディレクトリに格納されているファイルのうち最後に利用者から要求されてから最も時間が経過しているものを削除する。
【0045】
つまり、本実施例においては、複製ファイル保持ディレクトリに保持されるべきファイルを選択する手段は、利用者に配信したファイルを逐次複製ファイル保持ディレクトリに格納していき、格納されているファイルの総情報量が複製ファイル保持ディレクトリの容量を超える状態になった時点で配信後、最も時間が経過しているファイルを削除することによって実現されている。別の実施例として、ファイルの更新通知を親サーバから受信するたびに新規ファイルを親サーバから取得して複製ファイル保持ディレクトリに格納していき、格納されているファイルの総情報量が複製ファイル保持ディレクトリの容量を超える状態になった時点で更新時間が最も古いファイルを削除することも考えられる。
【0046】
図13に本発明によるファイルサーバを広域に分散して構成するファイル配信網の構成を示す。ファイル制御装置は網内のファイルサーバのリストを示すテーブルを保持しており、各ファイルサーバが配信対象とする地域を認識している。図14にディレクトリ生成時の動作シーケンスを示す。情報提供者はディレクトリ生成要求メッセージをファイルサーバ制御装置に送信する。このメッセージには、情報提供者のサーバ名、複製対象とすべきディレクトリの名前、ファイルの配信地域が含まれていることとする。このメッセージのフォーマット例を図15に示す。
【0047】
ファイルサーバ制御装置は受信したメッセージとファイルサーバテーブルを照合して、ファイルサーバB、C、Dにディレクトリを生成する必要があると判断する。そして、ファイルサーバ制御装置はファイルサーバB、C、Dに対してディレクトリ生成指示メッセージを送信する。このディレクトリ生成指示メッセージには生成すべきディレクトリの容量、そのディレクトリについての親サーバの名前が含まれていることとする。このメッセージのフォーマット例を図16に示す。ファイルサーバB、C、Dはこれにもとづきディレクトリを生成し、応答メッセージを返す。
【0048】
この応答メッセージのフォーマット例を図17および図18に示す。応答メッセージを受信したファイルサーバ制御装置は応答メッセージを情報提供者に返す。このメッセージにはファイルサーバB、C、Dが情報提供者のサーバからみて制御上の子にあたるファイルサーバとして記されている。
【0049】
なお、本発明は図19に示すとおりファイルサーバを階層構成にして接続することも可能とする。図19の例では、ファイルサーバDはサーバAの子であると同時にファイルサーバEの親である。サーバAより制御メッセージを受信した場合、ファイルサーバDは制御メッセージにもとづくディレクトリ制御を行うと同時にファイルサーバEに対して制御メッセージを送信する。
【0050】
また、復号レートRがあらかじめ定められた音声や画像などのリアルタイム情報を含むファイルについては、子サーバは、このリアルタイム情報の復号レートRにしたがって周期T毎に情報量R×Tの前記リアルタイム情報の一部分を配信する。これにより、本発明のファイル配信装置によりリアルタイム情報のストリーミング配信を行うことができる。なお、情報の復号レートは、情報の符号化レートに等しい。
【0051】
本発明のファイル配信装置は、所定のハードウェアと、このハードウェアにインストールされた所定の基本ソフトウェアとを備えたコンピュータ装置に、さらにインストールすることによりそのコンピュータ装置を本発明のファイル配信装置に相応する装置とするファイル配信プログラムが記録された記録媒体を用いてコンピュータ装置に、このファイル配信プログラムをインストールすることによって実現できる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるファイル配信装置およびファイル配信網を用いてファイル配信を行えば、情報提供者の意志にもとづくファイル繰作やファイル配信履歴の収集を可能としつつ、ファイルの複製を各所に分散したファイルサーバに生成して効率的な情報配信を行うことが可能となる。また、同一ディレクトリに属するファイルの間の人気の差が大きい場合には人気の高いファイルのみが蓄積されるので、効率的に蓄積容量を活用することが可能となる。この結果、本発明によるファイル配信装置およびファイル配信網を用いてファイルを効率的に複数の利用者へ配信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のファイル配信装置の構成を示す図。
【図2】本発明実施例のファイル更新時の動作を示す図。
【図3】本発明実施例のファイル更新通知のメッセージフォーマットを示す図。
【図4】本発明実施例のファイル更新通知に対する応答メッセージフォーマットを示す図。
【図5】本発明実施例のファイル削除時の動作を示す図。
【図6】本発明実施例のファイル削除通知のメッセージフォーマット例を示す図。
【図7】本発明実施例のファイル削除通知に対する応答メッセージフォーマット例を示す図。
【図8】本発明実施例のファイル配信履歴要求時の動作シーケンスを示す図。
【図9】本発明実施例のファイル配信履歴要求のメッセージフォーマット例を示す図。
【図10】本発明実施例のファイル配信履歴要求に対する応答メッセージフォーマット例を示す図。
【図11】本発明実施例のファイル配信履歴要求に対する応答メッセージフォーマット例を示す図。
【図12】本発明実施例のファイル配信時の動作シーケンスを示す図。
【図13】本発明実施例のファイルサーバを広域に分散配置して構成するファイル配信網を示す図。
【図14】本発明実施例のディレクトリ生成時の動作シーケンスを示す図。
【図15】本発明実施例のディレクトリ生成要求メッセージのフォーマット例を示す図。
【図16】本発明実施例のディレクトリ生成指示メッセージのフォーマット例を示す図。
【図17】本発明実施例のディレクトリ生成指示に対する応答メッセージのフォーマット例を示す図。
【図18】本発明実施例のディレクトリ生成指示に対する応答メッセージのフォーマット例を示す図。
【図19】本発明実施例のファイルサーバを階層構成にした例を示す図。
【図20】キャッシュサーバを用いたファイル配信のシステム構成を示す図。
【図21】キャッシュサーバを用いたファイル配信の動作シーケンスを示す図。
【図22】ミラーサーバのしくみを説明するための図。
【符号の説明】
A、B、C、D、E ファイルサーバ
B1、C1、D1 ミラーサーバ
Claims (3)
- 情報提供元となるサーバと、ファイルを複製して保持し利用者からのファイル取得要求に応じてそのファイルを配信する、広域に分散配置されたファイル配信装置と、各ファイル配信装置が配信対象とする地域に応じてその動作設定を管理するファイルサーバ制御装置を備えたファイル配信システムであって、
前記ファイルサーバ制御装置は、
前記複数のファイル配信装置と配信対象地域の対応を管理する手段と、
情報提供者からの、複製ファイル保持用のディレクトリ生成要求メッセージを受信し、メッセージ中のファイル配信地域と前記の配信対象地域の対応を管理する手段から複製ファイル保持ディレクトリを生成するファイル配信装置を判断し、該複製ファイル保持ディレクトリを生成するファイル配信装置へ、生成すべきディレクトリの容量、情報提供元サーバの名称、そのサーバが情報提供しようとするファイル群が保持されているディレクトリの名称を含む複製ファイル保持ディレクトリ生成指示メッセージを送信する手段と、
複製ファイル保持ディレクトリを生成したファイル配信装置からの応答メッセージを受信し、情報提供者へ、複製ファイル保持ディレクトリを生成したファイルサーバの名称が含まれている応答メッセージを送信する手段とを備え、
前記ファイル配信装置は、
前記ファイルサーバ制御装置から複製ファイル保持ディレクトリ生成指示メッセージを受信し、該メッセージ中の前記情報提供元となるサーバの名称とそのサーバが情報提供しようとするファイル群が保持されているディレクトリの名称との組み合わせによって示される複製元ディレクトリのリストを動作設定として認識する手段と、
認識されたリストの各複製元ディレクトリに対応してそれぞれ複製ファイル保持ディレクトリを生成する手段と、
複製ファイル保持ディレクトリを生成した旨の応答メッセージを、前記ファイルサーバ制御装置へ返信する手段とを備え、
さらに、
前記ファイル配信装置は、
複製ファイル保持ディレクトリ毎に、対応する複製元ディレクトリで示される情報提供元となるサーバの該当ディレクトリに属するファイルを複製して蓄積保持する手段と、
ある複製ファイル保持ディレクトリの蓄積容量が対応する情報提供元となるサーバのディレクトリの蓄積容量より小さい場合に、その情報提供元となるサーバの該当ディレクトリに保持されているファイル群のうち前記複製ファイル保持ディレクトリに複製保持されるファイルを選択する手段と、
前記情報提供元となるサーバから制御メッセージを受信する手段と、
受信した制御メッセージがファイル更新を通知するメッセージであるとき、そのメッセージが示すファイルと同一名称のファイルが該当する複製ファイル保持ディレクトリに保持されていた場合にそのファイルを無効化する手段とを備え、
前記情報提供元となるサーバは、
情報提供しようとするファイル群が保持されているディレクトリ毎に、そのディレクトリ内のファイルを複数保持するファイル配信装置を認識する手段と、
認識されたファイル配信装置に対し、該当するディレクトリに新規ファイルが入力されたときにその旨を示すファイル更新通知メッセージを送信する手段と
を備えることを特徴とするファイル配信システム。 - 情報提供元となるサーバと、ファイルを複製して保持し利用者からのファイル取得要求に応じてそのファイルを配信する、広域に分散配置されたファイル配信装置と、各ファイル配信装置が配信対象とする地域に応じてその動作設定を管理するファイルサーバ制御装置を備えたファイル配信システムであって、
前記ファイルサーバ制御装置は、
前記複数のファイル配信装置と配信対象地域の対応を管理する手段と、
情報提供者からの、複製ファイル保持用のディレクトリ生成要求メッセージを受信し、メッセージ中のファイル配信地域と前記の配信対象地域の対応を管理する手段から複製ファイル保持ディレクトリを生成するファイル配信装置を判断し、該複製ファイル保持ディレクトリを生成するファイル配信装置へ、生成すべきディレクトリの容量、情報提供元サーバの名称、そのサーバが情報提供しようとするファイル群が保持されているディレクトリの名称を含む複製ファイル保持ディレクトリ生成指示メッセージを送信する手段と、
複製ファイル保持ディレクトリを生成したファイル配信装置からの応答メッセージを受信し、情報提供者へ、複製ファイル保持ディレクトリを生成したファイルサーバの名称が含まれている応答メッセージを送信する手段とを備え、
前記ファイル配信装置は、
前記ファイルサーバ制御装置から複製ファイル保持ディレクトリ生成指示メッセージを受信し、該メッセージ中の前記情報提供元となるサーバの名称とそのサーバが情報提供しようとするファイル群が保持されているディレクトリの名称との組み合わせによって示される複製元ディレクトリのリストを動作設定として認識する手段と、
認識されたリストの各複製元ディレクトリに対応してそれぞれ複製ファイル保持ディレクトリを生成する手段と、
複製ファイル保持ディレクトリを生成した旨の応答メッセージを、前記ファイルサーバ制御装置へ返信する手段とを備え、
さらに、
前記ファイル配信装置は、
複製ファイル保持ディレクトリ毎に、対応する複製元ディレクトリで示される情報提供元となるサーバの該当ディレクトリに属するファイルを複製して蓄積保持する手段と、
ある複製ファイル保持ディレクトリの蓄積容量が対応する情報提供元となるサーバのディレクトリの蓄積容量より小さい場合に、その情報提供元となるサーバの該当ディレクトリに保持されているファイル群のうち前記複製ファイル保持ディレクトリに複製保持されるファイルを選択する手段と、
前記情報提供元となるサーバから制御メッセージを受信する手段と、
受信した制御メッセージがファイルの削除を要求するメッセージであるとき、そのメッセージが示すファイルが該当する複製ファイル保持ディレクトリに保持されていたときにそのファイルを削除する手段とを備え、
前記情報提供元となるサーバは、
情報提供しようとするファイル群が保持されているディレクトリ毎に、そのディレクトリ内のファイルを複数保持するファイル配信装置を認識する手段と、
認識されたファイル配信装置に対し、該当するディレクトリからファイルが削除されたときにその旨を示すファイル削除要求メッセージを送信する手段と
を備えることを特徴とするファイル配信システム。 - 情報提供元となるサーバと、ファイルを複製して保持し利用者からのファイル取得要求に応じてそのファイルを配信する、広域に分散配置されたファイル配信装置と、各ファイル配信装置が配信対象とする地域に応じてその動作設定を管理するファイルサーバ制御装置を備えたファイル配信システムであって、
前記ファイルサーバ制御装置は、
前記複数のファイル配信装置と配信対象地域の対応を管理する手段と、
情報提供者からの、複製ファイル保持用のディレクトリ生成要求メッセージを受信し、メッセージ中のファイル配信地域と前記の配信対象地域の対応を管理する手段から複製ファイル保持ディレクトリを生成するファイル配信装置を判断し、該複製ファイル保持ディレクトリを生成するファイル配信装置へ、生成すべきディレクトリの容量、情報提供元サーバの名称、そのサーバが情報提供しようとするファイル群が保持されているディレクトリの名称を含む複製ファイル保持ディレクトリ生成指示メッセージを送信する手段と、
複製ファイル保持ディレクトリを生成したファイル配信装置からの応答メッセージを受信し、情報提供者へ、複製ファイル保持ディレクトリを生成したファイルサーバの名称が 含まれている応答メッセージを送信する手段とを備え、
前記ファイル配信装置は、
前記ファイルサーバ制御装置から複製ファイル保持ディレクトリ生成指示メッセージを受信し、該メッセージ中の前記情報提供元となるサーバの名称とそのサーバが情報提供しようとするファイル群が保持されているディレクトリの名称との組み合わせによって示される複製元ディレクトリのリストを動作設定として認識する手段と、
認識されたリストの各複製元ディレクトリに対応してそれぞれ複製ファイル保持ディレクトリを生成する手段と、
複製ファイル保持ディレクトリを生成した旨の応答メッセージを、前記ファイルサーバ制御装置へ返信する手段とを備え、
さらに、
前記ファイル配信装置は、
複製ファイル保持ディレクトリ毎に、対応する複製元ディレクトリで示される情報提供元となるサーバの該当ディレクトリに属するファイルを複製して蓄積保持する手段と、
ある複製ファイル保持ディレクトリの蓄積容量が対応する情報提供元となるサーバのディレクトリの蓄積容量より小さい場合に、その情報提供元となるサーバの該当ディレクトリに保持されているファイル群のうち前記複製ファイル保持ディレクトリに複製保持されるファイルを選択する手段と、
前記情報提供元となるサーバから制御メッセージを受信する手段と、
受信した制御メッセージがファイル配信履歴を要求するメッセージであるとき、自己のファイル配信履歴を応答メッセージとして返信する手段とを備え、
前記情報提供元となるサーバは、
情報提供しようとするファイル群が保持されているディレクトリ毎に、そのディレクトリ内のファイルを複数保持するファイル配信装置を認識する手段と、
認識されたファイル配信装置に対し、ファイル更新履歴を要求するメッセージを送信するとともに、そのファイル配信装置から応答メッセージを受信する手段と
を備えることを特徴とするファイル配信システム。
Priority Applications (1)
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JP2000138698A JP3838406B2 (ja) | 1999-05-11 | 2000-05-11 | ファイル配信システム |
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
JP13035899 | 1999-05-11 | ||
JP11-130358 | 1999-05-11 | ||
JP2000138698A JP3838406B2 (ja) | 1999-05-11 | 2000-05-11 | ファイル配信システム |
Publications (2)
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ID=26465499
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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JP4763587B2 (ja) * | 2006-12-11 | 2011-08-31 | 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント | キャッシュサーバ、キャッシュサーバの制御方法、プログラム及び情報記憶媒体 |
-
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- 2000-05-11 JP JP2000138698A patent/JP3838406B2/ja not_active Expired - Lifetime
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