JP3837051B2 - ファン付赤外線ストーブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は赤熱プレート式バーナからの輻射熱に加え温風によっても暖房を行うファン付赤外線ストーブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、赤熱プレート式のガスバーナを備えた赤外線ストーブに送風ファンを設けて、赤熱プレートからの輻射熱に加え温風によっても暖房を行うタイプのストーブが知られている。
この種の赤外線ストーブとして、例えば実公平1−27008号公報においては、図13に示すように、ガスバーナ104の燃焼熱を直列型熱電対113により電力に変換して送風ファン109に通電するようにしたものが提案されている。この赤外線ストーブ101では、複数の熱電対素子123を赤熱プレート107に対向臨設し、直列に接続して直列型熱電対113を作製して、送風ファン109のモータに接続している。
【0003】
こうした直列型熱電対の一例として、図14,15に示すように、異なる二種の金属部材219,220の端部を接続してジグザグ状に連結することにより、複数個の熱電対素子223が連なって形成されるものが知られている。すなわち、各熱電対素子223の数だけ温接点a’と冷接点b’とを形成することにより、一つ一つの熱電対素子223から得られる熱起電力は小さくても、全体としては大きな熱起電力を得る構成である。
また、この種の直列型熱電対213は、温接点a’と冷接点b’との温度差に比例した熱起電力が得られる特性を持つものであるから、その温度差が大きいほど高い熱起電力が得られることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した赤外線ストーブ101において、このような直列型熱電対213を赤熱プレート107の横幅内に送風ファン109に充分な電力を供給するのに必要な数の熱電対素子223を組み込んで設置しようとして、金属部材219,220間の距離H’を狭くすると、放熱しにくくなって冷接点b’がかなりの温度に上昇してしまい発生する熱起電力が低下するという問題があった。
本発明のファン付赤外線ストーブは上記課題を解決し、直列型熱電対の温接点と冷接点との温度差を大きくして、効率よく熱起電力を得ることを目的とする。
【0005】
【発明を解決するための課題】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載のファン付ストーブは、
燃焼面が略正面に向けて設けられる赤熱プレート式バーナ、複数の熱電対素子を直列に接続してなり、上記赤熱プレート式バーナの燃焼面に対向臨設される直列型熱電対と、上記直列型熱電対から得られる熱起電力により駆動される送風ファンを有し、上記赤熱プレート式バーナからの輻射熱に加え温風によっても暖房を行うファン付赤外線ストーブにおいて、
上記赤熱プレート式バーナの燃焼面の周囲を取囲んで該燃焼面の前方の空間と燃焼面の下方の空間とに略区画する枠体を設け、
上記赤熱プレート式バーナの燃焼によるドラフト力により、燃焼面の下方の空間の空気を、燃焼面の前方の空間に吸引させるための開口部を上記枠体の下部の一部に設けるとともに、
上記開口部に上記直列型熱電対の冷接点を臨ませたことを要旨とする。
【0006】
また、本発明の請求項2記載のファン付赤外線ストーブは、上記請求項1記載のファン付赤外線ストーブにおいて、
上記枠体の上方に開口を設けることを要旨とする。
【0007】
また、本発明の請求項3記載のファン付赤外線ストーブは、上記請求項1記載のファン付赤外線ストーブにおいて、
上記赤熱プレート式バーナの燃焼面の上方部には枠体を設けないことを要旨とする。
【0008】
また、本発明の請求項4記載のファン付赤外線ストーブは、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載のファン付赤外線ストーブにおいて、
上記直列型熱電対は、二種類の金属板を交互に複数並べて、その端部を接続してジグザグ状に連結することにより形成されるものであり、少なくとも一方の金属板の温接点となる側の端部の板厚を薄く形成していること要旨とする。
【0009】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のファン付赤外線ストーブでは、赤熱プレート式バーナの燃焼によって発生した燃焼ガスの上方へのドラフト力により、燃焼面の周囲を取囲む枠体の下に設けた開口を通じて、燃焼面下方の空気が燃焼面の前方に向けて吸引される。従って、開口部に臨んでいる直列型熱電対の冷接点は冷たい空気によって集中的に冷却される。
【0010】
また、本発明の請求項2記載のファン付赤外線ストーブでは、ドラフト力により枠体の下方部に設けた開口から吸引された空気は、枠体の上方部に設けた開口を通ってスムーズに流れる。
【0011】
また、本発明の請求項3記載のファン付赤外線ストーブでは、燃焼面の上方部には枠体を設けていないので、ドラフト力により枠体の下方部に設けた開口から吸引された空気は燃焼面の前面に溜まることなく良好に流れる。
【0012】
また、本発明の請求項4記載のファン付赤外線ストーブは、直列型熱電対を構成する金属板の温接点となる側の端部を肉薄に形成することにより、温接点の熱容量を小さくしているので、温接点の温度がすばやく上昇すると共に、温接点がより高温に加熱される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のファン付赤外線ストーブの好適な実施形態について図1〜図12を用いて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態としてのファン付赤外線ストーブ1(以下、単にストーブ1と略称する)の断面概略図であり、図2は正面図であり、図3はこのストーブ1に備えられるバーナ4の正面図である。尚、図1は、図2中の一点鎖線A−Aでの断面である。
ストーブ1は、前面に輻射開口2が設けられた本体ケース3内に、この輻射開口2に対向させて赤熱プレート式のバーナ4を備える。従って、このバーナ4は、燃焼面5を略正面に向けて設けられる。
バーナ4は、燃料ガスと一次空気との混合室を形成するバーナ本体6と、バーナ本体6に装着される多数の炎孔が設けられたセラミックス製の燃焼プレート7とを備えた全一次空気式バーナであり、図示しない吸入孔から吸入された燃料ガスと一次空気とがバーナ本体6内で良好に混合され、その混合気が燃焼プレート7の炎孔から噴出して、燃焼プレート7上で表面燃焼する。また、バーナ本体6は、上バーナ本体29と下バーナ本体30とに上下二段で分割形成される。そして、燃焼プレート7は、上バーナ本体29と下バーナ本体30とにそれぞれ二枚ずつ設けられる構成であり、全面から燃料ガスを噴出する強火力設定と下バーナ本体30に設けられた二面のみから燃料ガスを噴出する弱火力設定の二種類の火力切替が行える。
【0015】
本体ケース3内の底部には、バーナ4の燃焼ガスを本体ケース3前面下部に設けられた温風吹出口8から噴出送出する送風ファン9が設けられる。バーナ4の後方には、バーナ4の上方近傍に温風吸込口10を有し、送風ファン9に燃焼ガスを導く燃焼ガス通路11が設けられる。燃焼ガス通路11は、燃焼ガスを器具本体の中心付近から背面側へと横方向に導く横ダクト11aと、燃焼ガスを器具の上部から下部へと縦方向に導く縦ダクト11bとから構成される。
そして、送風ファン9と温風吹出口8とは温風通路12によって連通される。また、器具背面上方で温風吸込口10と略対向する位置に冷風吸込口31が開口され、この冷風吸込口31と対向する位置の縦ダクト11bに冷風取込口41が開口される。従って、送風ファン9が駆動すると、温風吸込口10から燃焼ガスが吸引され、冷風吸込口31から外部の空気が吸引されて、燃焼ガス通路11及び温風通路12で混合される。そして、火傷しない程度の高温に調整された燃焼ガスと外部空気の混合気が温風として温風吹出口8から噴出送出される。
【0016】
バーナ4の燃焼面5の前面には、前後二列で配列された直列型熱電対13(後述)が対向して設けられ、この直列型熱電対13で発生した熱起電力が送風ファン9のモータの電源として用いられる。
輻射開口2と温風吹出口8とには複数のガード棒14が設けられ、器具本体内に使用者の手等が入らないようになっている。
また、器具正面には、向かって右側に点火レバー15が、左側にバーナ4の火力を切替える火力切替レバー16が設けられる。
【0017】
次に、直列型熱電対13について述べる。
直列型熱電対13は、図1及び図4に示すように、燃焼面5に対して前後二列で配列された後熱電対列17と前熱電対列18とで構成される。
そして、図5〜7に示すように、後熱電対列17は、略L字状外形のステンレス板からなる第一金属部材19と、第一金属部材19より薄い略L字状外形のコンスタンタン板からなる第二金属部材20とからなる。尚、第一金属部材19は、銅製、クロメル製、鉄製でもよい。
第二金属部材20は、下端部が段差Hが生じるように折り曲げられて折曲下端部21が形成されると共に、先端部が下端部とは逆向きに段差Hが生じるように折り曲げられて折曲先端部22が形成される。第一金属部材19の先端部と下端部とは、折り曲げられずそれぞれ平先端部33と平下端部32とを形成している。また、平先端部33には肉薄となる切り欠き部33aが形成される。
そして、図7に示すように、この第一金属部材19と第二金属部材20とを、平先端部33と折曲先端部22とが向かい合い、平下端部32と折曲下端部21とが向かい合うように交互に配列し、先端部と下端部とを交互に溶接してジグザグ状に連結することによって、複数の熱電対素子23が直列に繋がって後熱電対列17が形成される。また、折曲先端部22と平先端部33との接合点が温接点aとなり、折曲下端部21と平下端部32との接合点が冷接点bとなる。そして、平先端部33には切り欠き部33aが形成されているので、温接点aの熱容量が小さくなる。
【0018】
第二金属部材20の先端部と下端部とは、それぞれ折り曲げられて段差Hが設けられているため、上記の様に連結すると金属部材19,20間に距離Hの隙間が形成され、温接点a及び冷接点b以外での金属部材19,20間の絶縁が確保される。
また、金属部材19,20間の絶縁を確実に行うために、図8及び図9に示すように、金属部材19,20間に帯状の絶縁体24を蛇行して挟み込んでもよい。この帯状の絶縁体24の幅Mは、金属部材19,20の長さLに対して充分狭く形成される。尚、図9は、図8中の一点鎖線B−Bでの断面図である。
【0019】
本実施形態における第二金属部材20の材料であるコンスタンタンの材料費は、第一金属部材19の材料であるステンレスの材料費のおよそ10倍である。従って、通常のように第一金属部材19と第二金属部材20とを同じ断面積すなわち同じ板厚、例えば板厚1.0mmで形成した場合には、第一金属部材19一本当たりの電気抵抗値は6.4mΩ、材料費はA円とすると、第二金属部材20一本当たりの電気抵抗値は4.4mΩ、材料費は10A円となるので、熱電対素子23一つ当たりの電気抵抗値は10.8mΩ、材料費は11A円である。
これに対して、本実施形態では、第一金属部材19と第二金属部材20とでは、断面積すなわち板厚が異なっており、安価な材料であるステンレス製の第一金属部材19(板厚X)の方が、高価な材料であるコンスタンタン製の第二金属部材20(板厚Y)よりも厚く形成される。例えば、本実施形態では、第一金属部材19の板厚Xは1.5mmであり、第二金属部材20の板圧Yは0.8mmである。このように形成した場合の第一金属部材19一本当たりの電気抵抗値は4.3mΩ、材料費は1.5A円となり、第二金属部材20一本当たりの電気抵抗値は5.5mΩ、材料費は8A円となるから、熱電対素子23一つ当たりの電気抵抗値は9.8mΩ、材料費は9.5A円となる。つまり、本実施形態のように直列型熱電対13を形成することにより、材料費を低減し、かつ電気抵抗値を下げることができる。
【0020】
前熱電対列18も後熱電対列17と同様に、図10,11に示す略L字状外形のステンレス板からなる第一金属部材19’と、第一金属部材19’より薄い略L字状外形のコンスタンタン板からなる第二金属部材20’とからなる。これらの金属部材19’,20’は、後熱電対列17の金属部材19,20よりも小型に形成される。そして、前熱電対列18の第二金属部材20’の先端部と下端部とは、後熱電対列17の第二金属部材20の先端部と下端部とは逆向きに折り曲げられ、段差Hが生じて折曲先端部22’と折曲下端部21’とが形成される。尚、前熱電対列18を形成する金属部材19’,20’の先端部の突出距離は、後熱電対列17を形成する金属部材19,20の先端部の突出距離よりも短く形成される。
そして、後熱電対列17と同様に、第一金属部材19’と第二金属部材20’とを、平先端部33’と折曲先端部22’とが向かい合い、平下端部32’と折曲下端部21’とが向かい合うように交互に配列し、先端部と下端部とを交互に溶接してジグザグ状に連結することによって、複数の熱電対素子が後熱電対列17とは逆向きの極性で直列に繋がって前熱電対列18が形成される。また、折曲先端部22’と平先端部33’との接合点が温接点aとなり、折曲下端部21’と平下端部32’との接合点が冷接点bとなる。
【0021】
前熱電対列18と後熱電対列17とは、図4に示すように、前板34と後板35とで挟まれビス36で止められて位置決めされる。後熱電対列17と前熱電対列18との間に、絶縁板37を挟み、後熱電対列17を後絶縁ケース38でかこみ、前熱電対列18を前絶縁ケース39でかこむことにより、後熱電対列17と前熱電対列18との絶縁が確保される。また、後熱電対列17と前熱電対列18とはリード線40によって直列に接続される。
【0022】
また、図1及び図3に示すように、バーナ4には、燃焼面5の周囲を取囲むように枠体25が設けられ、枠体25の下方の一部には冷却孔26が開口される。そして、直列型熱電対13はこの冷却孔26に冷接点bを臨ませて取り付けられる。つまり、冷却孔26の縁と直列型熱電対13との間には空気が通過する隙間が存在する。また、枠体25の上方の一部には、通過孔27が開口される。
【0023】
上述した構成のストーブ1によれば、点火レバー15を操作すると、四つの燃焼プレート7全面から燃料ガスが噴出し、図示しない電極からの放電により点火される。そして、赤熱した燃焼プレート7からの輻射熱により器具正面の使用者を直接温める。また、火力切替レバー16を操作すると、燃料ガスが四つの燃焼プレート7全面から噴出する強火力設定と下バーナ本体30に設けられた二面のみから噴出する弱火力設定とを切替えて、バーナ4の火力を使用者の好みに合わせて調節できる。
バーナ4が燃焼するとその燃焼熱により直列型熱電対13の温接点aが加熱され熱起電力が発生し、送風ファン9が駆動する。そして、送風ファン9によりバーナ4の燃焼ガスを温風吸込口10から、外部空気を冷風吸込口31から吸い込み、それらの混合気を温風吹出口8から器具前面に向かって噴出送出することにより、温風で室内全体を均一に加熱する。
【0024】
そして、直列型熱電対13を後熱電対列17と前熱電対列18の前後二列で形成しているので、燃焼プレート7の前面という限られたスペースに、より多くの熱電対素子23を設けることができる。従って、送風ファン9を駆動するのに必要な熱電対素子23の数を確保したまま、金属部材19,20間の距離Hを広げることができるので、放熱を促進して冷接点bの温度上昇を抑制でき、効率良く熱起電力を得ることができる。
さらに、直列型熱電対13は、略L字状に形成された大型の後熱電対列17の内側に略L字状に形成された小型の前熱電対列18を設けているので、後熱電対列17の温接点aと前熱電対列18の温接点aとを容易に燃焼面5から等距離となるように設置することができる。そして、燃焼プレート7上で表面燃焼している火炎の温度は、燃焼プレート7からの水平距離によって決まるので、後熱電対列17及び前熱電対列18の温接点aを容易に最も高温部に設置することができ、効率よく熱起電力を得ることができる。
しかも、燃料ガスが噴出する燃焼プレート7を切替えて火力を調節しても、直列型熱電対13の温接点aが、常に燃焼ガスによって加熱される位置に設置されているので、送風ファン9へ安定して電力を供給することができる。
加えて、平先端部33に切り欠き部33aを形成して、温接点aの熱容量を小さくしているので、温接点aの温度がすばやく上昇すると共に、温接点aが高温に加熱され直列型熱電対13の出力が向上する。
【0025】
また、安価な材料であるステンレス製の第一金属部材19の板厚Xすなわち断面積を大きくし、高価な材料であるコンスタンタン製の第二金属部材20の板厚Yすなわち断面積を小さくすることにより、直列型熱電対13の材料費を低減し、かつ電気抵抗値を下げることができる。従って、高出力な直列型熱電対13を安価に作製することが可能となる。
つまり、金属種が異なる二種類の略同一形状の金属板を交互に配して形成した直列型熱電対においては、安価な金属板の板厚を厚くし、高価な金属板の板厚を薄くすることにより、安価に高出力の直列型熱電対を得ることができる。特に、コンスタンタンとステンレスの様に値段の格差の大きな組み合わせでは、コストメリットが大きい。
【0026】
また、バーナ4の燃焼によって発生したドラフト力によりバーナ4の周りの空気は下方から上方へと流れるため、バーナ4の燃焼面5の周囲を取囲むように枠体25を設けたことにより、バーナ4の周りの空気は、枠体25に開口された冷却孔26を通して集中的に吸引される。そして、この直列型熱電対13の冷接点bをこの冷却孔26に臨ませて設置しているので、空気の流れにより冷接点bを集中的に冷やすことができ、効率よく熱起電力を得ることができる。ドラフト力によって冷却孔26から吸引された空気は、バーナ4によって加熱され、通過孔27やバーナ4の前面を通って上方へとスムーズに流れていく。
尚、バーナ4が全一次空気式バーナであるからこのように燃焼面5の周囲を枠体25で覆っても燃焼性能は悪化しないが、ブンゼン式バーナのように二次空気を必要とするバーナであった場合には、枠体25で周囲を囲むと二次空気を取り込みにくい位置が生じて燃焼性能が悪化する。
【0027】
また、金属部材19,20間に距離Hの隙間を形成することにより、温接点a及び冷接点b以外での金属部材19,20間の絶縁を確保できる。さらに、金属部材19,20間に帯状の絶縁体24を蛇行して挟み込めば、この絶縁を確実に行うことができる。
しかも、帯状の絶縁体24は、蛇行して挟み込むだけで金属部材19,20間に固定することができるので、絶縁体24を金属部材19,20間に固定するための固定部材をわざわざ設ける必要がなく、コストアップを抑制できる。また、帯状の絶縁体24の幅Mを金属部材19,20の長さLに対して充分狭くしても、蛇行して挟み込めば金属部材19,20間に容易に固定できるので、金属部材19,20間の隙間を充分に維持することができ、冷接点bの温度上昇を抑制できる。
【0028】
また、器具外部の空気を吸引する冷風吸込口31を器具背面の上方に設けているため、床上のホコリをこの冷風吸込口31から吸込むことはなく、しかも、真上に向けて開口しているわけでもないので、空気中を浮遊しているホコリが器具内に落下することもない。従って、ホコリによるファン詰まりを防止できる。特に、このような熱発電で送風ファン9を駆動する場合には、一般の電源を用いるものに比べて大きな電力が得られないため、ホコリ詰まりは影響が大きいものであるから、このようにしてホコリの浸入を防ぐことは非常に有用である。尚、ここでいう器具背面の上方とは、器具の高さ方向の中間位置よりも上方のことである。
更に、温風吸込口10をバーナ4の上方近傍に設けることにより、ドラフト力で上方に向かって流れていくバーナ4の燃焼ガスを効率良く吸込むことができると共に、燃焼ガス通路11をできるだけ短くできるので、送風ファン9の駆動力が弱くても効果的な暖房効果を得ることができる。加えて、温風吹出口8を器具正面下方に設けることにより、温風を室内の下方に吹出すことができより効率的な暖房効果を得ることができる。
また、冷風吸込口31を真上に向けて開口しないことにより、そこから紙くずのようなゴミ等の落下物が器具内に落ち込むことを防止でき、安全に使用できる。
【0029】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施形態では、バーナ4の燃焼面5の全周囲を覆うように枠体25を設けているが、図12に示すように、燃焼面5の下半分の周囲を覆うように枠体28を設けても構わない。この場合には、ドラフト力によって吸引された空気や燃焼ガスが枠体28内に溜まることはなく、空気や燃焼ガスの流れをさらにスムーズにすることができる。従って、冷却孔26からの空気の吸引が阻害される不都合も生じず、良好に冷接点bを冷却できる。
また、温接点aを形成する折曲先端部22と平先端部33の内、平先端部33にのみ切り欠き部33aを形成して肉薄にしているが、折曲先端部22にも肉薄となる切り欠き部を形成しても構わない。
また、金属部材19,20間に帯状の絶縁体24を複数本挟み込んでもよい。また、直列型熱電対13を前熱電対列18と後熱電対列19の内外二列で形成しているがこれに限ったものではなく、金属部材の大きさが異なる複数の熱電対列を、小型の熱電対列から大型の熱電対列へと順次内側から外側へと配列していればよい。つまり、直列型熱電対は、熱電対列を二列に並べて形成したものに限定されず、熱電対列を複列にして形成していればよいのである。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1記載のファン付赤外線ストーブによれば、赤熱プレート式バーナの燃焼によって発生するドラフト力により吸引される空気を直列型熱電対の冷接点に集中的に集めることができるため、冷接点を効果的に冷却して効率良く熱起電力を得ることが可能となる。
【0031】
更に、本発明の請求項2及び請求孔3記載のファン付赤外線ストーブによれば、ドラフト力によって吸引された空気や赤熱プレート式バーナの燃焼ガスをスムーズに流すことができる、すなわち、冷接点を通過する空気の流れを良好に保てるため、より一層良好に冷接点を冷却できる。
【0032】
更に、本発明の請求項4記載のファン付赤外線ストーブによれば、直列型熱電対の温接点を肉薄に形成することにより、温接点の熱容量を小さくしているので、温接点の温度がすばやく上昇すると共に、温接点がより高温に加熱され、より一層効率よく熱起電力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態としてのファン付赤外線ストーブの断面概略図である。
【図2】本実施形態としてのファン付赤外線ストーブの正面図である。
【図3】本実施形態のバーナの正面図である。
【図4】本実施形態の直列型熱電対の斜視図である。
【図5】本実施形態の後熱電対列を構成する第一金属部材の三面図である。
【図6】本実施形態の後熱電対列を構成する第二金属部材の三面図である。
【図7】本実施形態の後熱電対列の正面図である。
【図8】本実施形態の後熱電対列に帯状の絶縁体を挟み込んだ場合の正面図である。
【図9】本実施形態の後熱電対列に帯状の絶縁体を挟み込んだ場合の断面図である。
【図10】本実施形態の前熱電対列を構成する第一金属部材の三面図である。
【図11】本実施形態の前熱電対列を構成する第二金属部材の三面図である。
【図12】別の実施形態のバーナの正面図である。
【図13】従来例としてのファン付赤外線ストーブの断面概略図である。
【図14】従来例としての直列方熱電対の正面図である。
【図15】従来例としての金属部材の正面図である。
【符号の説明】
1…ストーブ、4…バーナ、5…燃焼面、7…燃焼プレート、9…送風ファン、13…直列型熱電対、23…熱電対素子、25,28…枠体、26…冷却孔、27…通過孔、33…平先端部、33a…切り欠き部、a…温接点、b…冷接点。

Claims (4)

  1. 燃焼面が略正面に向けて設けられる赤熱プレート式バーナ、複数の熱電対素子を直列に接続してなり、上記赤熱プレート式バーナの燃焼面に対向臨設される直列型熱電対と、上記直列型熱電対から得られる熱起電力により駆動される送風ファンを有し、上記赤熱プレート式バーナからの輻射熱に加え温風によっても暖房を行うファン付赤外線ストーブにおいて、
    上記赤熱プレート式バーナの燃焼面の周囲を取囲んで該燃焼面の前方の空間と燃焼面の下方の空間とに略区画する枠体を設け、
    上記赤熱プレート式バーナの燃焼によるドラフト力により、燃焼面の下方の空間の空気を、燃焼面の前方の空間に吸引させるための開口部を上記枠体の下部の一部に設けるとともに、
    上記開口部に上記直列型熱電対の冷接点を臨ませたことを特徴とするファン付赤外線ストーブ。
  2. 上記枠体の上方に開口を設けることを特徴とする請求項1記載のファン付赤外線ストーブ。
  3. 上記赤熱プレート式バーナの燃焼面の上方部には枠体を設けないことを特徴とする請求項1記載のファン付赤外線ストーブ。
  4. 上記直列型熱電対は、二種類の金属板を交互に複数並べて、その端部を接続してジグザグ状に連結することにより形成されるものであり、少なくとも一方の金属板の温接点となる側の端部の板厚を薄く形成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のファン付赤外線ストーブ。
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