JP3836998B2 - 座標検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチパネルなどのパネル面上の指示された位置を示す座標を検出する座標検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タッチパネルなどで使用される座標検出装置としては様々な方式のものが知られている。その中で、発光部と受光部とを備えた2個の光学ユニットをタッチパネルのパネル面の縁部の異なる位置に配置し、さらに、発光部から出射された光をその出射方向へ反射させる再帰性の反射部をパネル面の縁部に沿って配置した構造の座標検出装置が知られている。
【0003】
このような2個の光学ユニットと反射部とを備えたタッチパネルでは、発光部からの光がパネル面に沿って平行に、かつ、扇状に出射され、その光は反射部で反射された後に発光部に向けて戻るとともに受光部で受光される。そして、パネル面上の或る位置を指などで触れることによりその位置を通過していた光が遮光されると、2つの受光部上でそれぞれ光を受光しない箇所が発生し、その箇所を検出して演算することによりパネル面上の指などで触れた位置を示す座標が検出される。
【0004】
また、座標検知動作中は2個の光学ユニットが同時に駆動され、その座標検知動作中は発光部から光が常時出射されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
2個の光学ユニットの各発光部から光が同時に出射されているので、一方の光学ユニットの発光部から出射された光が外乱光として他方の光学ユニットの受光部で受光されることが発生し、それが原因となって座標の誤検出を生ずる場合がある。
【0006】
そこで本発明は、2個の光学ユニットの発光部から光が同時に出射されることが原因となって発生する座標の誤検出を防止することができる座標検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、表示面に対して平行に、かつ、扇状に拡散する光を出射する発光部と、前記表示面の縁部に沿って配置された再帰性の反射部によって反射された前記発光部から出射された光を受光する受光部とを有して前記表示面の縁部の異なる位置に配置される複数の光学ユニットを備え、前記受光部上における受光が妨げられた位置を検出し、その検出結果から前記表示面上の指示された位置を示す座標を検出する座標検出装置において、複数の前記光学ユニットの前記発光部からの光の出射が交互に行われる。
【0008】
したがって、受光部で光を受光したとき、その光がどの光学ユニットの発光部から出射されたものであるかを間違えることなく検出でき、一つの光学ユニットの発光部から出射された光を他の光学ユニットの受光部で受光することが原因となって発生する座標の誤検出が防止される。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の座標検出装置において、複数の前記発光部の駆動タイミングが同期している。
【0010】
したがって、複数の発光部が同時に発光するという事態の発生が防止され、受光部で光を受光したとき、その光がどの光学ユニットの発光部から出射されたものであるかをより一層確実に検出でき、座標の誤検出がより一層確実に防止される。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の座標検出装置において、前記各光学ユニットの前記発光部と前記受光部との駆動タイミングが同期している。
【0012】
したがって、各光学ユニットの発光部から発光された光の反射光の受光がその光学ユニットの受光部のみで行われるので、座標の誤検出がより一層確実に防止される。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の座標検出装置において、前記発光部の発光出力を可変する発光出力可変手段が設けられている。
【0014】
したがって、各光学ユニットの受光部の受光感度が異なる場合などには、それに応じて発光出力可変手段により発光部の発光出力を可変することにより、各光学ユニットの受光部において検出値を略同じにすることができ、各光学ユニットの受光部の受光感度のバラツキが原因となる座標の誤検出が防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。図1は、本発明の基本構成を示す概略図である。タッチパネル1には表示面であるパネル面1aが設けられており、このパネル面1aは外形形状が四角形に形成されている。パネル面1aの縁部である2個所のコーナー部にはそれぞれ光学ユニット2a、2bが配置されている。さらに、パネル面1aの周囲の4辺のうち、光学ユニット2a、2bに挟まれた1辺を除く他の3辺の縁部に沿って反射部3が配置されている。反射部3には、シート内部に高密度の三面体キューブを配置した再帰性反射シートが用いられており、この反射部3に入射された光は同一光路上を通って光源方向へ反射される。2個の光学ユニット2a、2bには演算部4が接続され、この演算部4はインターフェース部5を介してパーソナルコンピュータ6に接続されている。
【0016】
演算部4は、光学ユニット2a、2bを駆動するとともに、光学ユニット2a、2bの後述するCCDでの検出結果に基づき、タッチパネル1のパネル面1a上における指などで触れられことにより指示された箇所の座標を検出する。
【0017】
図2は光学ユニット2a、2bの光学系の構造を示す概略図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。光学ユニット2a、2bには、発光部7、拡散レンズ8、ハーフミラー9、読取レンズ10、受光部であるCCD11等が設けられている。発光部7からは演算部4の制御によりレーザー光が出射され、発光部7から出射されたレーザー光は拡散レンズ8により、タッチパネル1のパネル面1aに対して平行に、かつ、扇状に拡散される。レーザー光がハーフミラー9に当たると、当たったレーザー光の半分がまっすぐにハーフミラー9を透過して残りの半分が90°の角度に反射される。読取レンズ10は、反射部3で反射された後にハーフミラー9をまっすぐに透過した光をCCD11上で結蔵させ、結像された光がCCD11で受光される。
【0018】
図3は、光学ユニット2a、2bの発光部7から出射された後に拡散レンズ8で拡散されたレーザー光の範囲を示したものであり、一方の光学ユニット2aの発光部7から出射された光は“θa”の範囲に拡散され、他方の光学ユニット2bの発光部7から出射された光は“θb”の範囲に拡散される。したがって、一方の光学ユニット2aの発光部7から出射されたレーザー光の一部が外乱光となって他方の光学ユニット2b内に侵入し、他方の光学ユニット2bの発光部7から出射されたレーザー光の一部が外乱光となって一方の光学ユニット2a内に侵入している。
【0019】
図4は、2個の光学ユニット2a、2bの発光部7とCCD11との駆動タイミングを示したタイミングチャートである。2個の光学ユニット2a、2bは、図示しない基準クロックに基づいて同期して駆動され、交互にオン、オフされている。つまり、光学ユニット2aの発光部7とCCD11とが駆動されているときは光学ユニット2bの発光部7とCCD11との駆動が停止され、光学ユニット2bの発光部7とCCD11とが駆動されているときは光学ユニット2aの発光部7とCCD11との駆動が停止されている。なお、光学ユニット2a、2bのオン、オフを切り替える間隔は、人が指などでパネル面1aに触れる動作よりも速ければよく、例えば、5mS以下であればよい。
【0020】
このような構成において、各光学ユニット2a、2bにおいて、発光部7から出射されたレーザー光が拡散レンズ8で拡散され、拡散されたレーザー光のうちの半分がハーフミラー9で反射されて反射部3側へ向けて進行し、反射部3で反射されたレーザー光は同じ光路上を進行して光学ユニット2a、2b側へ戻る。そして、光学ユニット2a、2b側へ戻ったレーザー光のうちの半分がハーフミラー9を透過した後に読取レンズ10によりCCD11上に結像され、CCD11によるレーザー光の検出が行われる。
【0021】
このような状態のときに、パネル面1a上の或る位置を指などで触れること等により指示すると、その位置を通過していたレーザー光が指で遮光され、2つの光学ユニット2a、2bの各CCD11上においてそれぞれ光を受光しない箇所が発生する。その箇所の検出結果から演算部4で演算する(三角測量の原理に基づいて演算する)ことにより、指などで触れた箇所の座標を検出することができる。
【0022】
ここで、本実施の形態では、一方の光学ユニット2aの駆動と他方の光学ユニット2bの駆動とが同期して交互に行われているので、一方の光学ユニット2aの発光部7から発光されたレーザー光の反射光をその光学ユニット2aのCCD11のみで検出することができ、その発光部7から出射されたレーザー光の一部が外乱光となって異なる光学ユニット2b内に侵入しても、その光学ユニット2bのCCD11で誤検出されるということが発生しない。同様に、他方の光学ユニット2bの発光部7から発光されたレーザー光の反射光をその光学ユニット2bのCCD11のみで検出することができ、異なる光学ユニット2aのCCD11で誤検出するということが発生しない。これにより、座標検出の精度が高くなる。
【0023】
また、2個の光学ユニット2a、2bを常時駆動させておく場合に比べて一定時間内におけるレーザー光の出射に要する電力が約半分になり、消費エネルギーの削減を図ることができる。さらに、発光部7からレーザー光の出射を常時行う場合に比べて発光部7の出射時間が短くなり、発光部7の寿命を長くすることができる。
【0024】
ついで、本発明の第二の実施の形態を説明する。なお、本実施の形態では、光学ユニット2a、2bの構造、2個の光学ユニット2a、2bを同期させて交互に駆動させる点等については第一の実施の形態と同じであり、本実施の形態の説明では、図1ないし図4を援用して説明する。
【0025】
本実施の形態では、2個の光学ユニット2a、2bにおける発光部7の発光出力を可変する発光出力可変手段(図示せず)が設けられている。この発光出力可変手段で発光部7の発光出力を可変することにより、各光学ユニット2a、2bのCCD11の検出値が略同じになるように調整することができる。
【0026】
発光出力可変手段の一例としては、演算部4のCPUの制御、又は、パーソナルコンピュータ6のCPUの制御により行われる処理が挙げられる。例えば、光学ユニット2aの発光部7から出射されたレーザー光の反射光をその光学ユニットの2aのCCD11で受光し、さらに、光学ユニット2bの発光部7から出射されたレーザー光の反射光をその光学ユニット2bのCCD11で受光し、2つのCCD11の検出値を比較し、その検出値が同じになるように発光部7の発光出力を可変する。
【0027】
このような構成において、2個の光学ユニット2a、2bのそれぞれにおいて、CCD11の受光感度が異なる場合でも、発光部7の発光出力を変更することによりCCD11の検出値を略同じにすることができる。このため、2個の光学ユニット2a、2bにおけるCCD11の受光感度が異なったとしても、それが原因となる座標の誤検出を防止することができる。
【0028】
さらに、2個の光学ユニット2a、2bにおいて、CCD11の受光感度を一致させる必要がなく、2個の光学ユニット2a、2bのそれぞれにおいて異なる種類のCCD11を使用してもよく、CCD11の交換を各光学ユニット2a、2bごとに行うことが可能になるとともにコストダウンを図ることができる。
【0029】
なお、2個の光学ユニット2a、2bにおける発光部7の発光出力を可変し、各光学ユニット2a、2bのCCD11の検出値が略同じなるようにする発光出力可変手段としては、発光部7の発光出力を機械的に調整する構造のものであってもよい。
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の座標検出装置によれば、発光部と受光部とを備えた複数の光学ユニットの各発光部からの光の出射が交互に行われるので、受光部で光を受光したときにその光がどの光学ユニットの発光部から出射されたものであるかを間違えることなく検出できるとともに座標の誤検出を防止することができ、さらに、各発光部における光の出射時間の短縮による消費エネルギーの削減と発光部の寿命の延長とを図ることができる。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の座標検出装置において、複数の発光部の駆動タイミングが同期しているので、受光部で光を受光したとき、その光がどの光学ユニットの発光部から出射されたものであるかをより一層間違えることなく検出できるようになり、座標の誤検出をより一層確実に防止することができる。
【0032】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の座標検出装置において、各光学ユニットの発光部と受光部との駆動タイミングが同期しているので、各光学ユニットの発光部から出射された光の反射光の受光がその光学ユニットの受光部のみで行われるので、座標の誤検出をより一層確実に防止することができる。
【0033】
請求項4記載の発明によれば、請求項1、2又は3記載の座標検出装置において、各光学ユニットの発光部の発光出力を可変する発光出力可変手段が設けられているので、各光学ユニットの受光部の受光感度が異なる場合などには、それに応じて発光出力可変手段により発光部の発光出力を可変することにより各光学ユニットの受光部の検出値を略同じにすることができ、各光学ユニットの受光部の受光感度のバラツキが原因となる座標の誤検出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の基本構成を示す概略図である。
【図2】光学ユニットの光学系の構造を示す概略図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図3】2個の光学ユニットの各発光部から出射されたレーザー光が拡散レンズで拡散される範囲を示した説明図である。
【図4】2個の光学ユニットの発光部とCCDとの駆動タイミングを示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
1a 表示面
2a、2b 光学ユニット
3 反射部
7 発光部
11 受光部
Claims (4)
- 表示面に対して平行に、かつ、扇状に拡散する光を出射する発光部と、前記表示面の縁部に沿って配置された再帰性の反射部によって反射された前記発光部から出射された光を受光する受光部とを有して前記表示面の縁部の異なる位置に配置される複数の光学ユニットを備え、前記受光部上における受光が妨げられた位置を検出し、その検出結果から前記表示面上の指示された位置を示す座標を検出する座標検出装置において、
複数の前記光学ユニットの前記発光部からの光の出射が交互に行われることを特徴とする座標検出装置。 - 複数の前記発光部の駆動タイミングが同期していることを特徴とする請求項1記載の座標検出装置。
- 前記各光学ユニットの前記発光部と前記受光部との駆動タイミングが同期していることを特徴とする請求項1又は2記載の座標検出装置。
- 前記発光部の発光出力を可変する発光出力可変手段が設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の座標検出装置。
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