JP3836656B2 - 複数の軟質突起を有する取り付け基板 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、オレフィン系樹脂からなる本体部分に対して相溶性の低いエラストマからなる突起を取り付けるための複数の軟質突起を有する取り付け基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本体部分に軟質突起を有する器具としては、例えば、前記突起によってボディなどのマッサージを行うマッサージ器具が既知であって、上記突起に用いられる軟質材料としては、例えば、エラストマが一般的である。
【0003】
しかしながら、本体部分に対して相溶性が比較的低いエラストマなどで前記本体部分に複数の軟質突起を直接的に取り付けようとすると、これらの突起は本体部分に溶着によって容易に取り付けるのが困難であるという不具合が生じる場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題点を解消するためになされたものであって、オレフィン系樹脂からなる本体部分に対して相溶性の低いエラストマからなる複数の突起を前記本体部分に容易かつ確実に取り付けるための複数の軟質突起を有する取り付け基板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため、本発明による、複数の軟質突起を有する取り付け基板は、オレフィン系樹脂からなる本体部分に対して相溶性の低いエラストマからなる複数の突起を嵌合させる複数の嵌合孔を有し、前記突起を前記本体部分に取り付けるための取り付け基板であって、前記突起それぞれの下部を一体的に成形して座部とする一方、前記取り付け基板を前記本体部分に対して相溶性の高いオレフィン系樹脂で成形し、その裏面に前記嵌合孔に繋がり前記座部を一体的に内部嵌合させる嵌合溝を区画すると共に、前記本体部分に形成した凹部内側の縁面に対して超音波溶着によって取り付けられる枠部分を設けたことを特徴とするものである。
【0006】
本発明によれば、オレフィン系樹脂からなる本体部分に対して相溶性の低いエラストマからなる複数の突起は、前記本体部分に対して相溶性の高いオレフィン系樹脂からなる取り付け基板を介して前記本体部分に取り付けられるから、該本体部分に対して相溶性の低いエラストマからなる複数の突起を前記本体部分に取り付けることが容易となるため、生産性が向上すると共に生産コストが軽減される。
【0007】
本発明においては、前記突起それぞれを嵌合させるための複数の嵌合孔を前記取り付け基板に対して形成する。この場合、前記突起を前記孔に嵌合させることにより、前記突起と前記取り付け基板とをさらに安定して位置決めすることができる。
【0008】
また、本発明においては、前記取り付け基板は、前記本体部分に対して超音波溶着によって取り付けられる。この場合、前記取り付け基板と前記本体部分との間を強固に接着することができる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明である、複数の軟質突起を有する取り付け基板の実施例であって、ボディなどのマッサージを行うマッサージ器具を示す正面図である。
【0011】
本実施例によるマッサージ器具は、使用者が把持するための把持部分10が本体部分20に取り付けられ、この本体部分20に複数の軟質突起30を有する取り付け基板40が取り付けられたものである。
【0012】
把持部分10は中空または中実の適宜形状とすることができる。前者の場合には、把持部分10を、化粧料などの所要の液体を収めた容器として形成すると共に本体部分20および後述の軟質突起30を液体透過性を有する構成とすることができる。この場合には、容器に収めた液体を、マッサージ器具における本体部分20および突起30に透過させてボディなどの所要部位に供給することが可能である。
【0013】
本体部分20は、例えば、ポリエチレン・ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂で形成されるものが好ましい。複数の突起30は、本体部分20に対して相溶性の比較的低い軟質材料であるエラストマでなり、突起30それぞれは、それらの下部を一体に成形した後述の座部31を有する。取り付け基板40は、マッサージ器具の本体部分20に対して相溶性の比較的高い材料、好適には、本体部分20と同一樹脂でなる。
【0014】
図2(a),(b)および図3は、上述した軟質突起30を有する取り付け基板40の製造方法を説明するものである。特に、図2(a)は、突起30それぞれを一体的に成形した座部31を示す側面図、図2(b)は、取り付け基板40自体を示す断面図である。また、図3は、マッサージ器具の本体部分20に複数突起30を有する基板40を取り付けた状態を示す断面図である。
【0015】
複数の突起30それぞれは、図2(a)に示す如く、それらの下部を一体に成形して座部31とする。この場合、これらの突起30は所定の間隔で配置され、これらの突起30が突出する側の座部表面31aおよびその裏面31bは、ほぼ平坦な形状になることが好ましい。
【0016】
取り付け基板40は、図2(b)に示す如く、突起30の座部31を一体的に内部嵌合させる形状を有し、突起30が突出する側の表面40aと反対側にある裏面40bには、座部31が内部嵌合する嵌合溝42が設けられている。
【0017】
突起30を本体部分20に取り付けたとき具体的な構造は、図3に示す如くのものである。突起30は、座部31が取り付け基板40の嵌合溝42において内部嵌合している。また、取り付け基板40の表面40aには、図2(b)に示す如く、突起30それぞれを嵌合するための複数の嵌合孔41が形成されている。
【0018】
この場合、突起30が取り付け基板40の孔41に嵌合するから、取り付け基板40は、座部31の全体を押えこむと同時に、突起30の一本一本が抜けることなく自由に動かすことを可能にしつつ、突起30と取り付け基板40とをさらに安定して位置決めすることができる。
【0019】
図4は、マッサージ器具の把持部分10に本体部分20を組み付けた状態を側面から示した一部断面図である。
【0020】
本体部分20は、図4に示す如く、把持部分10に対してキャップ状に取り付けられ、この取り付け部は、例えば、本体部分20の内側に設けた内向き突起21と、把持部分10の外側に設けた溝11とで構成される嵌合部とする。但し、本体部分20の内向き突起21および把持部分10の溝11は、本体部分20に形成された溝と、把持部分10に形成された内向き突起とで構成される嵌合部であってもよく、内向き突起と溝とは、その周方向の一部または全体に渡って設ければよいものとする。
【0021】
また、本体部分20の外側面には、図4に示す如く、本体部分20に対して取り付け基板40を取り付けるための凹部22が形成され、この凹部22に対して取り付け基板40を嵌合させる。具体的には、取り付け基板40の枠部分43を本体部分20の凹部22内側の縁面に対して超音波溶着によって取り付けることが好ましく、この場合、取り付け基板40と本体部分20との間を強固に接着することができる。
【0022】
上述したところからも明らかなように、本発明によれば、本体部分20に対して相溶性の比較的低いエラストマでなる突起30は、本体部分20に対して相溶性の比較的高い材料でなる取り付け基板40を介して本体部分20に取り付けられるから、本体部分20に対して相溶性の比較的低いエラストマでなる突起30を本体部分20に取り付けることが容易であるため、生産性が向上すると共に生産コストが軽減される。
【0023】
また本発明によれば、取り付け基板40をインサート部品とするインサート成形などによる生産方式を取る必要がないため、軟質突起30を取り付け基板40に取り付けるために必要とされるサイクル時間が短縮される。また、本体部部20に対して取り付けられる構成部品を共通化または標準化することにより、本体部部20のデザイン変更に効率良く対応させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るマッサージ器具を示す正面図である。
【図2】(a),(b)はそれぞれ、本発明の実施例に係る取り付け基板を説明する断面図である。
【図3】マッサージ器具の本体部分に複数突起を有する基板を取り付けた状態を示す断面図である。
【図4】マッサージ器具の本体部分に把持部分を組み付けた状態を側面から示す一部断面図である。
【符号の説明】
10 把持部
11 嵌合部
20 本体部分
21 嵌合突起
30 軟質突起
31 座部
31a 座部表面
31b 座部裏面
40 取り付け基板
40a 表面
40b 裏面
41 嵌合孔
42 嵌合溝
43 枠部分
Claims (2)
- オレフィン系樹脂からなる本体部分に対して相溶性の低いエラストマからなる複数の突起と、当該突起を嵌合させる複数の嵌合孔を有し、前記突起を前記本体部分に取り付けるための取り付け基板とを備え、
前記突起それぞれは、それらの下部を一体に成形した座部を有し、
前記取り付け基板は、前記本体部分に対して相溶性の高いオレフィン系樹脂からなり、その裏面に前記嵌合孔に繋がり前記座部を一体的に内部嵌合させる嵌合溝を区画すると共に、
前記本体部分に形成した凹部内側の縁面に対して超音波溶着によって取り付けられる枠部分が設けられていることを特徴とする、複数の軟質突起を有する取り付け基板。 - 請求項1において、前記本体部分と前記取り付け基板とが、同一樹脂からなることを特徴とする、複数の軟質突起を有する取り付け基板。
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