JP3835593B2 - 高圧処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧状態の処理流体を用いる高圧処理装置に関し、より特定的には、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板の如きFPD(FlatPanel Display)用基板、フォトマスク用ガラス基板および光ディスク用基板など(以下、単に「基板」と称する)に高圧状態の処理流体を供給することによって当該基板の高圧処理、例えば基板に付着した汚染物質の除去処理等を行う高圧処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品等が形成された基板の洗浄における脱フロン化の流れに伴い、超臨界二酸化炭素のような低粘度の高圧状態の処理流体を剥離液またはリンス液として使用することが注目されている。
【0003】
また、近年の半導体デバイスの縮小化(シュリンク)によって、更にデバイスの設計ルール(テクノロジーノード)がより微細化しており、その勢いは更に加速されている。この様な半導体デバイスにおいては、構造上非常に微細な溝(トレンチ)や穴(ホール)の洗浄が必要である。前者はキャパシタ(コンデンサーの容量部分)や横配線(平面的な配線)、後者は縦配線(3次元的な配線、横配線と横配線との接続、トランジスタのゲート電極への接続)等である。
【0004】
この様な微細な構造は、その幅の深さの比、いわゆるアスペクト比(縦横比)が非常に大きくなってきており、幅が狭く深い溝や径が小さく深い穴を形成している。この幅や径がサブミクロンになっていて、そのアスペクト比も10を超えるようなものが出現している。この様な微細構造をドライエッチング等で半導体基板上に製造した後には、上部の平坦部分のみならず溝や穴の側壁やその底に、レジスト残骸、ドライエッチングで変質したレジスト、底の金属とレジストの化合物および酸化した金属等の汚染が残っている。
【0005】
これらの汚染は、従来、溶液系の薬液によって洗浄していた。しかし、この様な微細な構造では、薬液の侵入及び純水による置換がスムーズにいかなくなり、洗浄不良が生じるようになってきている。また、エッチングされた絶縁物が配線による電気信号の遅延を防止するために、低誘電率の材料(いわゆるLow−k材)を使用しなくてはならなくなり、薬液によってその特性である低誘電率が悪化すると言う問題が発生している。その他、配線用の金属が露出している場合は、金属を溶解する薬液が使用できない等の制限も生じている。
【0006】
このような、半導体デバイスの微細構造の洗浄に、その特性から超臨界流体(Super Critical Fluid:SCF)、主に二酸化炭素の超臨界流体が注目されている。二酸化炭素の超臨界流体そのものは不活性であるが、二酸化炭素流体は、ヘキサン程度の溶解力を有しているため、基板表面の水分や油脂分等の除去は容易に行える。また、例えば、上記の汚染の洗浄に使用されるアミン類やフッ化アンモン等を混入させると、ある適当な濃度範囲で多成分系の超臨界流体となり、微細なデバイス構造に容易に侵入して上記の汚染を除去できる。また、汚染と共に混入しているアミン類やフッ化アンモン等を容易に微細デバイス構造より除去可能である。
【0007】
また、超臨界流体では、溶液系の薬液のように低誘電率の絶縁物に浸透しても残留しないため、その特性を変化させることが無い。従って、半導体デバイスの微細構造の洗浄に非常に適していると言え、多いに注目されている。
【0008】
ここで、超臨界流体とは、臨界圧力Pc以上かつ臨界温度Tc以上で得られる物質の状態をいう。この超臨界流体は、液体と気体の中間的性質を有するため、精密な洗浄に適しているといえる。すなわち、超臨界流体は、液体に近い密度を持ち溶解性が高いため、有機成分の洗浄に有効であり、気体のように拡散性が優れるため、短時間に均一洗浄が可能であり、気体のように粘度が低いため、微細な部分の洗浄に適しているのである。
【0009】
この超臨界流体に変化させる物質には、二酸化炭素、水、亜酸化窒素、アンモニア、エタノール等が用いられる。二酸化炭素は、臨界圧力Pcが7.4MPa、臨界温度Tcが約31℃であり、比較的簡単に超臨界状態が得られること、及び無毒であることから、多く用いられている。
【0010】
そして、上記超臨界流体を用いて基板の洗浄処理を行う装置としては、図6に示す構成が考えられる。図6に示す高圧処理装置は、液体の二酸化炭素が封入されたボンベ21と、凝縮器22と、昇圧手段23と、加熱器24と、混合器30と、SCFチャンバ(基板洗浄槽)25と、循環機26と、減圧器27と、分離回収槽28と、切替部29と、バルブV1を介して接続される薬液供給部31とで構成される。
【0011】
以下、この構成による高圧処理装置の洗浄動作を簡単に説明する。まず、被洗浄物である基板が、SCFチャンバ25内に設置されて密閉される。基板が設置されると、以下の洗浄処理が開始される。最初にボンベ21の液体二酸化炭素が、凝縮器22へ供給されて液体のまま貯留される。液体二酸化炭素は、昇圧手段23において臨界圧力Pc以上の圧力まで昇圧され、さらに加熱器24において臨界温度Tc以上の温度まで加熱されて超臨界二酸化炭素となり、混合器30へ送られる。混合器30は、バルブV1を介して供給される所定の薬液と超臨界二酸化炭素とを混合し、SCFチャンバ25へ送出する。
【0012】
ここで薬液について説明する。二酸化炭素流体は、ヘキサン程度の溶解力を有しているため、基板表面の水分や油脂分等の除去は容易に行えるが、レジストやエッチングポリマー等の高分子汚染物質に対する溶解力は不十分であって、二酸化炭素単独でこれらの汚染物質を剥離・除去することは難しい。このため、二酸化炭素にさらに薬液(助剤)を添加して、高分子汚染物質を剥離・除去する。
【0013】
SCFチャンバ25では、超臨界二酸化炭素と基板とを接触させることで洗浄が行われる。この基板洗浄は、切替部29の切替と循環機26の動作のONによって、薬液が混合された超臨界二酸化炭素を所定の期間だけ循環させて行われる。この基板の循環洗浄は、洗浄に要する時間を短縮することを目的として行われる。
【0014】
基板洗浄後の汚染物質(洗浄によって基板から超臨界二酸化炭素に溶解もしくは分散した有機物、無機物、金属、パーティクル、水等)が溶解もしくは分散した薬液が混合された超臨界二酸化炭素は、減圧器27において最終的な減圧がなされて気化された後、分離回収槽28において気体の二酸化炭素と薬液と汚染物質とに分離される。分離された薬液及び汚染物質は排出され、気体の二酸化炭素は、回収されて凝縮器22で再利用される。以上の洗浄処理が、所定の時間繰り返されることにより基板洗浄が完了する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記高圧処理装置を継続使用する場合、上記循環系の流路等に薬液や残留物が蓄積するため、洗浄終了毎に系全体をクリーニングしなければならない。また、同じ装置で異なった薬液を使用して洗浄を行う場合、薬液変更前に系内に残存する前の処理で使用していた薬液を、クリーニングで除去しなければならない。このクリーニング処理は、通常薬液を混合せず超臨界流体のみを系全体に流動させる。従って、循環系の一部である循環流路32をクリーニングする場合、超臨界流体のみを循環させ、一定時間の経過後、循環系の超臨界流体を減圧器27に排出する動作を繰り返さなければならない。
【0016】
このような処理動作による系全体のクリーニングは、クリーニング処理時間が長くなる。そのため、高圧処理装置のスループット低下を招き、また、クリーニング処理に使用する超臨界流体の使用量も多くなり、コストの増加の原因となっていた。
【0017】
さらに、前述したようなクリーニング処理は、高圧処理装置の処理動作とは異なり、別途、非定型的に行われる処理であるので循環系内の清浄度が上がらない。そのため、被処理体の清浄度も悪化する。また、薬液を変更して洗浄を行う場合、クリーニング処理前に使用していた薬液と変更後の薬液とが互いに循環系内で混合されるため、上記混合により薬液間で化学反応が起きる、あるいは所望の洗浄処理ができない等の理由により、その高圧処理装置で使用可能な薬液が限定される問題があった。
【0018】
また、従来の高圧処理装置で上記クリーニング処理を行う場合、別のラインから薬液を含まない超臨界流体を循環系に供給する、図7のような方法も知られている。図7において、当該高圧処理装置では、フレッシュSCF供給部33から新鮮な超臨界二酸化炭素が供給されるため、SCFチャンバ25内部の清浄度は向上する。しかしながら、前述のクリーニング処理動作と同様に、循環系内のクリーニングは、装置全体をクリーニング処理動作のみに作動させる限られた処理となるため、前述した課題を解決できなかった。
【0019】
このような問題は、超臨界流体を用いた洗浄方式に限らず、亜臨界流体や、例えばアンモニアによる高圧ガスを用い、密閉処理槽内で基板を現像、洗浄、乾燥等の高圧処理を行う場合にも同様である。
【0020】
亜臨界流体とは、一般的に、臨界点手前の領域にある高圧状態の液体を言う。この領域の流体は、超臨界流体とは、区別される場合があるが、密度等の物理的性質は連続的に変化するため、物理的な境界は存在せず、亜臨界流体として使用される場合もある。亜臨界あるいは広義には臨界点近傍の超臨界領域に存在するものは、高密度液化ガスとも称する。
【0021】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、高圧処理装置の流路系を効率よくクリーニングすることができ、かつ、その流路系の清浄度を向上できる高圧流体を用いた高圧処理装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、高圧流体を用いて被処理体を処理する高圧処理装置であって、
高圧流体を一方向に循環させる循環系と、
循環系内に設けられ、循環系を循環する高圧流体を用いて被処理体を処理し、処理後、高圧流体を循環系に戻す処理部と、
循環系内に設けられ、流路を切り替えることによって高圧流体を循環系へ供給および/または循環系から排出させる供給排出切替部と、
供給排出切替部を介して高圧流体を循環系に供給する供給系と、
循環系から高圧流体を排出する排出系と、
循環系を循環している高圧流体を供給排出切替部から取り出し、排出系に供給するバイパス流路とを備え、
被処理体を処理するとき、供給系から供給された高圧流体が、循環系を循環し、
循環系をクリーニングするとき、供給排出切替部の流路を切り替えることにより、供給系から供給される高圧流体が、循環系を過不足なく一巡した後、バイパス流路を介して排出系に流れることを特徴とする。
【0023】
第1の発明によれば、供給排出切替部の流路を変更することにより、高圧流体の供給系、循環系、および循環系をクリーニングする流路系を簡単に切り替えることができる。また、循環系をクリーニングする流路系では、一つの系で循環系等に残存している薬液等を連続して排液として取り出すことができるため、循環工程と排出工程とを繰り返す必要がない。したがって、上記クリーニングの処理時間が短くなるため装置のスループットが向上し、上記クリーニングに使用する処理流体の量も少なくなるためコストを低減することができる。また、単発的なクリーニングではなくサイクル的に連続して循環系をクリーニングできるため、循環系の清浄度を容易に上げることができる。さらに、上記効果は、一つの高圧流体の供給系を備えるだけで実現することができる。
【0024】
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
循環系内には、高圧流体以外の薬液を薬液供給部より循環系に供給する薬液混合部を、さらに処理部の一次側に備えることを特徴とする。
【0025】
第2の発明の高圧処理装置によれば、汚染物質に応じた薬液を処理に利用することにより、より処理能力の高い装置を実現できる。また、循環系には上記クリーニング処理前に使用していた薬液が残存しないため、上記クリーニング処理後に異なった薬液を使用する場合、上記クリーニング処理前に使用していた薬液との混合や薬液同士の化学反応等を防止することができる。その結果、本処理装置は、使用する薬液によって用途が限定されることがなくなり、多種多様の薬液の使用が可能な装置として用いることができる。
【0026】
第3の発明は、第1または第2の発明に従属する発明であって、
循環系内には、循環系を循環する高圧流体を加熱する加熱部を備えることを特徴とする。
【0027】
第3の発明の高圧処理装置によれば、循環系を適切な温度で安定させることができるため、循環系で処理する場合、処理部へは安定した状態で高圧流体を供給することができる。
【0028】
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれかに従属する発明であって、
循環系を循環する高圧流体の流路の切り替えを制御する制御部をさらに備え、供給排出切替部は、制御部によって流路を切り替え高圧流体を循環系へ供給および/または循環系から排出させることを特徴とする。
【0029】
第4の発明の高圧処理装置によれば、制御部で処理系統を自動的に切り替えることができる。
【0030】
第5の発明は、高圧流体を用いて被処理体を処理する高圧処理装置であって、
高圧流体を一方向に循環させる循環系と、
循環系内に設けられ、循環系を循環する高圧流体を用いて被処理体を処理し、処理後、高圧流体を循環系に戻す処理部と、
循環系内に設けられ、流路を切り替えることによって高圧流体を循環系へ供給および/または循環系から排出させる供給排出切替部と、
循環系に高圧流体を供給する第1の供給系と、
供給排出切替部を介して循環系に高圧流体を供給する第2の供給系と、
循環系から高圧流体を排出する排出系と、
循環系を循環している高圧流体を供給排出切替部から取り出し、排出系に供給するバイパス流路とを備え、
被処理体を処理するとき、供給系から供給された高圧流体が、循環系を循環し、
循環系をクリーニングするとき、供給排出切替部の流路を切り替えることにより、第2の供給系から供給される高圧流体が、循環系を過不足なく一巡した後、バイパス流路を介して排出系に流れることを特徴とする。
【0031】
第5の発明の高圧処理装置によれば、供給排出切替部の流路を変更することにより、高圧流体の供給系、循環系、および循環系をクリーニングする流路系を簡単に切り替えることができる。また、循環系をクリーニングする流路系では、一つの流路系で循環系等に残存している薬液等を連続して排液として取り出すことができるため、循環工程と排出工程とを繰り返す必要がない。したがって、上記クリーニングの処理時間が短くなるため装置のスループットが向上し、上記クリーニングに使用する処理流体の量も少なくなるためコストを低減することができる。また、単発的なクリーニングではなくサイクル的に連続して循環系をクリーニングできるため、循環系の清浄度を容易に上げることができる。
【0032】
第6の発明は、第5の発明に従属する発明であって、
供給排出切替部は、循環系上の処理部の一次側直近に設けられることを特徴とする。
【0033】
第6の発明の高圧処理装置によれば、被処理体の処理によって生じた化学物質の残留物等が構造的に最も蓄積しやすい処理部に清浄な高圧流体を直接供給することが可能であるため、クリーニング後の処理工程では、より清浄度の高い処理結果を得ることができる。
【0034】
第7の発明は、第5または第6の発明に従属する発明であって、
循環系内には、高圧流体以外の薬液を薬液供給部より循環系に供給する薬液混合部を、さらに供給排出切替部の一次側に備えることを特徴とする。
【0035】
第8の発明は、第5〜第7の発明のいずれかに従属する発明であって、
循環系内には、循環系を循環する高圧流体を加熱する加熱部を備えることを特徴とする。
【0036】
第9の発明は、第5〜第8の発明のいずれかに従属する発明であって、
循環系を循環する高圧流体の流路の切り替えを制御する制御部をさらに備え、供給排出切替部は、制御部によって流路を切り替え高圧流体を循環系へ供給および/または循環系から排出させることを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る高圧処理装置の構成を示すブロック図である。図1において、当該高圧処理装置は、ボンベ1と、凝縮器2と、昇圧手段3−1および3−2と、加熱器4と、薬液混合器5と、薬液供給部6と、SCFチャンバ7と、減圧器8と、分離回収槽9と、切替部10と、バイパス切替部100と、バルブV1とで構成される。そして、各々が耐圧性の管で接続されており、切替部10とバイパス切替部100とを循環流路11が接続し、バイパス切替部100と切替部10の二次側とをバイパス流路12が接続する。さらに、切替部10とバイパス切替部100とのバルブの開閉を制御する切替制御部200を備える。
【0038】
図2は、当該高圧処理装置に係るバイパス切替部100の断面図である。バイパス切替部100は、耐圧性の4本の管A〜Dを備えており、管Aが循環流路11と、管Bが加熱器4と、管Cが昇圧手段3−1と、管Dがバイパス流路12とそれぞれ接続されている。また、バイパス切替部100は、バルブ101−1〜3を備えており、バルブ101−1が管AとDとの接続を開閉し、バルブ101−2が管AとBとの接続を開閉し、バルブ101−3が管BとCとの接続を開閉することができる。なお、バルブ101−1〜3は、手動により開閉してもいいし、電磁力やエアー圧等を用いて別の制御装置によって開閉してもかまわない。このバイパス切替部100が、本発明の供給排出切替部に相当する。
【0039】
まず、当該高圧処理装置の各構成の動作について説明する。なお、本実施形態では、処理流体として二酸化炭素を用いた場合を説明するが、その他、亜酸化窒素、アルコール、エタノール、水等の超臨界流体の状態へ変化できる物質であってもよい。また、本実施形態の基板洗浄槽としてのSCFチャンバ7に用いられる基板洗浄方式は、複数の基板を同時に洗浄するバッチ方式又は枚葉方式のいずれであってもよい。
【0040】
ボンベ1には、基板の洗浄に用いられる液化状の二酸化炭素が封入されている。凝縮器2は、分離回収槽から供給される気体の二酸化炭素を冷却して液化させる。昇圧手段3−1および3−2は、ポンプや圧縮機で構成され、昇圧手段3−1は凝縮器2で液化された液体二酸化炭素を、臨界圧力Pc以上の所定の圧力まで昇圧させる。すなわち、液体二酸化炭素は、昇圧手段3−1を通じてバイパス切替部100に送られる。このボンベ1からバイパス切替部100までの流路が、本発明の供給系に相当する。
【0041】
ここで、バイパス切替部100は、バルブ101−3のみ開かれており、他のバルブ101−1および101−2は閉じられている。したがって、液体二酸化炭素は、亜臨界状態あるいは液体二酸化炭素の状態で加熱器4に送られる。
【0042】
加熱器4は、昇圧手段3−1で昇圧された液体二酸化炭素を、臨界温度Tc以上の所定の温度まで加熱する。これにより、液体の二酸化炭素が超臨界流体へ変化し、混合器5に送られる。この超臨界二酸化炭素が、本発明の処理流体である高圧流体に相当する。
【0043】
混合器5へは、バルブV1を介して薬液供給部6から、基板に付着したレジストやエッチングポリマー等の高分子汚染物質を除去するため、塩基性化合物等の洗浄成分が供給される。これは、レジストを多用される高分子物質を加水分解する作用があり、洗浄効果が高いためである。塩基性化合物の具体例としては、第四級アンモニア水酸化物、第四級アンモニアフッ化物、アルキルアミン、アルカノールアミン、ヒドロキシアミンおよびフッ化アンモニウムよりなる群から選択される1種以上の化合物が挙げられる。洗浄成分は、超臨界二酸化炭素に対し、0.05〜8質量%含まれることが好ましい。
【0044】
本実施例では、1種類の薬液を用いて場合を説明するが、薬液の種類や数は、対象基板や洗浄目的等に基づいて自由に設定することができる。この薬液は、混合部である薬液混合器5に送られ、薬液混合器5は、供給される薬液と生成された超臨界流体とを、予め定められた割合で均一に混合(以下、助剤含有超臨界二酸化炭素とする)し、SCFチャンバ7へ送出する。
【0045】
また、上記塩基性化合物等の洗浄成分が超臨界二酸化炭素に非相溶である場合には、この洗浄成分を二酸化炭素に溶解もしくは均一分散させる助剤となり得る相溶化剤を薬液として用いることが好ましい。相溶化剤としては、洗浄成分を高圧流体と相溶化させるこができれば特に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類や、ジメチルスルホキシド等のアルキルスルホキシドが好ましいものとして挙げられる。相溶化剤は、洗浄工程において高圧流体の10〜50質量%の範囲で適宜選択すればよい。
【0046】
処理部としてSCFチャンバ7には被処理体として基板が予め設置されており、基板は、送られてきた助剤含有超臨界二酸化炭素を用いて洗浄される。SCFチャンバ7で洗浄後、助剤含有超臨界二酸化炭素は、切替部10を通過し減圧器8に送られる。
【0047】
減圧器8は、SCFチャンバ7において洗浄処理が終わった助剤含有超臨界二酸化炭素を、減圧によって気化させる。分離回収槽9では、減圧器8で気化された二酸化炭素と薬液と汚染物質とが分離されると共に、気体の二酸化炭素が再び凝縮器2へ供給される。この切替部10の二次側の流路が、本発明の排出系に相当し、気体の二酸化炭素が再び凝縮器2へ供給されることで処理流体を再利用しており、回収/再利用系としても機能している。
【0048】
次に、助剤含有超臨界二酸化炭素を、回収/再利用系を通さずに循環させる当該高圧処理装置の動作について説明する。図1において、切替部10、バイパス切替部100は、洗浄処理の循環系と処理流体の回収/再利用系及び供給系とを分離させるために用いられるバルブである。バイパス切替部100は、昇圧手段3−1の二次側と加熱器4の一次側とを接続する配管上に設けられる。切替部10は、SCFチャンバ7の二次側と減圧器8の一次側とを接続する配管上に設けられる。
【0049】
切替部10とバイパス切替部100との間は、循環流路11で接続され、当該高圧処理装置で助剤含有超臨界二酸化炭素の回収工程を含んだ流路系から、助剤含有超臨界二酸化炭素の循環処理へ切り替える場合、昇圧手段3−2を作動させ、切替部10は、SCFチャンバ7から送られた助剤含有超臨界二酸化炭素を減圧器8へは送らずに、循環流路11に送るように接続を切り替える。
【0050】
また、バイパス切替部100は、バルブ101−2のみを開き、他のバルブ101−1および101−3を閉じる。したがって、循環流路11からの助剤含有超臨界二酸化炭素は、加熱器4に送られる。このようにして、助剤含有超臨界二酸化炭素の循環処理の場合、昇圧手段3−2を作動させ、切替部10およびバイパス切替部100の接続を変更することにより、本発明の循環系が流路形成される。そして、回収工程を通さずに循環系の助剤含有超臨界二酸化炭素を継続して基板洗浄に使用することができる。なお、循環処理において、薬液含有率が安定している場合、薬液供給部6からの薬液の供給を行わなくてもかまわない。
【0051】
次に、当該高圧処理装置の循環系をクリーニングする動作について説明する。図1において、当該高圧処理装置で循環処理から循環系をクリーニングする流路系に切り替える場合、バイパス切替部100は、バルブ101−1および101−3を開き、バルブ101−2を閉じる。したがって、昇圧手段3−1からの流れは加熱器4へ送られ、循環流路11からの流れはバイパス流路12に送られ、しかもこの2つの流れは合流することがない。
【0052】
このようにして、当該高圧処理装置の循環系をクリーニングする場合、バイパス切替部100の接続を変更することにより、凝縮器2から送られる超臨界二酸化炭素は、循環流路11を含めて上記循環系を全て流動した後、バイパス流路12を通って減圧器8に送られる。したがって、循環系に残存していた薬液や有機物等は、連続して引き続き供給される超臨界二酸化炭素と共に減圧器8を介して分離回収槽9に送られ、二酸化炭素ガスと分離されることにより排液として取り出される。その後、上記クリーニング終了後、循環系内の全てのバルブを閉じることにより循環系を閉止する。そして、SCFチャンバ7内を大気圧に減圧することにより基板の処理が終了し、SCFチャンバ7から基板をリリースする。
【0053】
なお、前述したような切替部10およびバイパス切替部100の流路切替は、切替制御部200によって制御されてもよい。図3は、切替制御部200が行う制御を示すフロ−チャートである。以下、図3を用いて、切替制御部200が行う制御について説明する。
【0054】
図3において、まず、SCFチャンバ7に被洗浄体である基板がセットされる(ステップS300)。基板が設置されると、その後、切替制御部200は、高圧処理装置の配管系を助剤含有超臨界二酸化炭素で充填するために、バイパス切替部100のバルブ101−3を開き、切替部10のSCFチャンバ7から減圧器8への流路を開く(ステップS301)。そして、以下の洗浄処理が開始される。
【0055】
最初に、処理流体として用いられる炭酸ガスはボンベ1内に5〜6MPaの圧力で液体として貯留されており、この液体二酸化炭素が凝縮器2へ供給されて液体として貯蔵される。液体二酸化炭素は、昇圧手段3−1において臨界圧力Pc以上の圧力まで昇圧され、さらに加熱器4において臨界温度Tc以上の所定の温度まで加熱されて超臨界流体となり、薬液混合器5へ順次送られる。ここで、所定の圧力及び温度は、洗浄対象である基板の種類や所望する洗浄性能に基づいて、自由に設定することが可能である。
【0056】
初期状態として、超臨界二酸化炭素中の濃度がそれぞれ所定の値となるように、薬液を薬液混合器5へ供給させる。薬液混合器5は、供給される薬液と超臨界二酸化炭素とを混合し、薬液が所定の濃度だけ混合された超臨界二酸化炭素をSCFチャンバ7へ送出する。これにより、バイパス切替部100の二次側から切替部10の一次側までの間が助剤含有超臨界二酸化炭素で満たされると、切替部10から減圧器8へ流動する(ステップS302)。
【0057】
次に、切替制御部200は、上記助剤含有超臨界二酸化炭素が減圧器8に到達したか否かを判断し(ステップS303)、減圧器8に助剤含有超臨界二酸化炭素が到達するまで、上記状態を継続する。ステップS303で、上記助剤含有超臨界二酸化炭素が減圧器8に到達した場合、切替制御部200は、バイパス切替部100のバルブ101−3を閉じ、バルブ101−2を開き、切替部10のSCFチャンバ7から循環流路11への流路を開く(ステップS304)。これにより、循環系が形成され助剤含有超臨界二酸化炭素が循環し、SCFチャンバ7内の基板が洗浄される(ステップS305)。そして、助剤含有超臨界二酸化炭素を、所定の期間だけ循環させて基板の洗浄が行われる。
【0058】
そして、予め設定された洗浄時間が経過した後、切替制御部200は、バイパス切替部100のバルブ101−1および101−3を開け、バルブ101−2を閉じる(ステップS306)。これにより、循環系内がクリーニングされる(ステップS307)。
【0059】
次に、予め設定されたクリーニング時間が経過した後、切替制御部200は、循環系内の全てのバルブを閉止することにより循環系を閉止する(ステップS308)。
【0060】
そして、上記の基板洗浄及びクリーニング処理に使用された処理流体の回収/再利用が行われる。汚染物質が溶解した助剤含有超臨界二酸化炭素は、減圧器8において減圧されて気化された後、分離回収槽において気体の二酸化炭素ガスと薬液と汚染物質とに分離される。分離された薬液及び汚染物質は排出され、二酸化炭素ガスは、回収されて凝縮器2で再利用される。
【0061】
そして、SCFチャンバ7内を大気圧に減圧した後、SCFチャンバ7から基板をリリースする(ステップS309)。その後、新たに基板を洗浄する場合、ステップS300に戻り、洗浄を終了する場合、フローを終了する(ステップS310)。
【0062】
このように、当該高圧処理装置では、切替部10およびバイパス切替部100の接続先を変更することにより、超臨界流体の供給系と、回収/再利用系を含んだ排出系と、超臨界流体の循環による処理を行う循環系、および循環系をクリーニングする流路系を簡単に切り替えることができる。また、循環系をクリーニングする流路系では、一つの流路系で循環系に残存している薬液等を連続して排液として取り出すことができるため、循環工程と排出工程とを別々に繰り返す必要がない。したがって、上記クリーニングの処理時間が短くなるために高圧処理装置のスループットが向上し、上記クリーニングに使用する超臨界流体の量も少なくなるためコストを低減することができる。
【0063】
また、当該高圧処理装置は、単発的なクリーニングではなく連続的に流路系をクリーニングできるため、流路系の清浄度を容易に上げることができる。さらに、循環系には上記クリーニング処理前に使用していた薬液が残存しないため、上記クリーニング処理後に異なった薬液を使用する場合、上記クリーニング処理前に使用していた薬液との混合や薬液同士の化学反応等を防止することができる。その結果、当該高圧処理装置は、使用する薬液によって用途が限定されることがなくなり、多種多様の薬液の使用が可能な装置として用いることができる。
【0064】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る高圧処理装置の構成を示すブロック図である。以下、図4を参照して、第2の実施形態について説明する。
【0065】
図4において、当該高圧処理装置は、ボンベ1と、凝縮器2と、昇圧手段3−1および3−2と、加熱器4と、薬液混合器5と、薬液供給部6と、フレッシュSCF供給部110と、SCFチャンバ7と、減圧器8と、分離回収槽9と、切替部10および14と、バイパス切替部100と、バルブV1とで構成される。そして、各々が耐圧性の管で接続されており、切替部10と切替部14とを循環流路11が接続し、バイパス切替部100と切替部10の二次側とをバイパス経路13が接続する。さらに、切替部10と切替部14とバイパス切替部100とのバルブの開閉を制御する切替制御部200を備える。
【0066】
当該高圧処理装置に係るバイパス切替部100の構成は、第1の実施形態で用いたものと同様のものが用いられ、管A〜Dの接続先が変更されている。すなわち、図4において、バイパス切替部100は、管Aが薬液混合器5と、管BがSCFチャンバ7と、管CがフレッシュSCF供給部110と、管Dがバイパス経路13とそれぞれ接続されている。その他の構成部品については、第1の実施形態と同様であるので、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0067】
まず、超臨界流体回収工程を含んだ当該高圧処理装置の各構成の動作について説明する。ボンベ1には、液化状の二酸化炭素が封入されている。凝縮器2は、分離回収槽から供給される気体の二酸化炭素を冷却して液化させる。昇圧手段3−1は、凝縮器2で液化された液体二酸化炭素を、臨界圧力Pc以上の所定の圧力まで昇圧させる。
【0068】
加熱器4は、昇圧手段3−1で昇圧された液体二酸化炭素を、臨界温度Tc以上の所定の温度まで加熱する。薬液混合器5は、薬液供給部6から供給される薬液と生成された超臨界二酸化炭素とを、予め定められた割合で均一に混合し、バイパス切替部100へ送出する。
【0069】
ここで、バイパス切替部100は、バルブ101−2のみ開かれており、他のバルブ101−1および101−3は閉じられている。したがって、助剤含有超臨界二酸化炭素は、薬液混合器5からバイパス切替部100を通過してSCFチャンバ7に送られる。SCFチャンバ7では、助剤含有超臨界二酸化炭素を用いて基板が洗浄される。SCFチャンバ7で基板洗浄後、助剤含有超臨界二酸化炭素は、切替部10を通過し、減圧器8に送られる。
【0070】
次に、超臨界流体の回収工程を通さずに循環させる当該高圧処理装置の動作について説明する。図4において、当該高圧処理装置で超臨界流体の回収工程を含んだ流路系から超臨界流体循環処理へ切り替える場合、昇圧手段3−2を作動させ、切替部10は、SCFチャンバ7から送られた助剤含有超臨界二酸化炭素を減圧器8へは送らずに、循環流路11に送るように接続を切り替える。
【0071】
また、切替部14は、循環流路11からの助剤含有超臨界二酸化炭素を、加熱器4に送るように接続を切り替える。このようにして、循環処理の場合、昇圧手段3−2を作動させ、切替部10および14の接続を変更することにより、循環系の助剤含有超臨界二酸化炭素を継続して基板洗浄に使用することができる。
【0072】
次に、当該高圧処理装置の循環系をクリーニングする動作について説明する。図4において、当該高圧処理装置で上記循環処理から循環系をクリーニングする流路系に切り替える場合、フレッシュSCF供給部110から循環系に新鮮な超臨界二酸化炭素(以下、フレッシュSCFと称す)が供給される。このフレッシュSCFとは、薬液等の不純物を含まない超臨界二酸化炭素であり、上記供給系で設けられている超臨界二酸化炭素を生成して供給する工程とは別に、独立して超臨界二酸化炭素生成部を設けて上記フレッシュSCFを生成することが望ましい。
【0073】
さらに、バイパス切替部100は、バルブ101−1および101−3を開き、バルブ101−2を閉じる。したがって、フレッシュSCF供給部110からの流れはSCFチャンバ7へ送られ、薬液混合器5からの流れはバイパス流路13に送られ、しかもこの2つの流れは合流することがない。
【0074】
このようにして、当該高圧処理装置の循環系をクリーニングする場合、フレッシュSCF供給部110からフレッシュSCFを供給し、バイパス切替部100の接続を変更することにより、上記フレッシュSCFは、循環流路11を含めて上記循環系を全て流動した後、バイパス流路13を通って減圧器8に送られる。したがって、循環系に残存していた薬液や有機物等は、連続して上記フレッシュSCFと共に減圧器8を介して分離回収槽9に送られ、二酸化炭素ガスと分離されることにより排液として取り出される。
【0075】
なお、前述したような切替部10および14とバイパス切替部100との流路切替は、切替制御部200によって制御されてもよい。図5は、切替制御部200が行う制御を示すフロ−チャートである。以下、図5を用いて、切替制御部200が行う制御について説明する。
【0076】
図5において、まず、SCFチャンバ7に基板がセットされる(ステップS400)。基板が設置されると、その後、切替制御部200は、高圧処理装置の配管等の流路系を助剤含有超臨界二酸化炭素で充填するために、切替部14の昇圧手段3−1から加熱器4への流路を開き、バイパス切替部100のバルブ101−2を開き、切替部10のSCFチャンバ7から減圧器8への流路を開く(ステップS401)。そして、以下の洗浄処理が開始される。
【0077】
これにより、超臨界二酸化炭素がSCFチャンバ7を経由し切替部10から減圧器8へ流動する(ステップS402)。次に、切替制御部200は、上記超臨界二酸化炭素が減圧器8に到達したか否かを判断し(ステップS403)、減圧器8に超臨界二酸化炭素が到達するまで、上記状態を継続する。ステップS403で、上記超臨界二酸化炭素が減圧器8に到達した場合、切替制御部200は、切替部14の循環流路11から加熱器4への流路を開き、切替部10のSCFチャンバ7から循環流路11への流路を開く(ステップS404)。これにより、循環系が形成され超臨界二酸化炭素が循環し、SCFチャンバ7内の基板が洗浄される(ステップS405)。助剤含有超臨界二酸化炭素を所定の期間だけ循環させて基板の洗浄が行われる。
【0078】
そして、予め設定された洗浄時間が経過した後、切替制御部200は、バイパス切替部100のバルブ101−1および101−3を開け、バルブ101−2を閉じる(ステップS406)。これにより、循環系内がフレッシュSCFでクリーニングされる(ステップS407)。
【0079】
次に、予め設定されたクリーニング時間が経過した後、切替制御部200は、循環系内の全てのバルブを閉止することにより循環系を閉止する(ステップS408)。
【0080】
そして、SCFチャンバ7内を大気圧に減圧した後、SCFチャンバ7から基板をリリースする(ステップS409)。その後、新たに基板を洗浄する場合、ステップS400に戻り、洗浄を終了する場合、フローを終了する(ステップS410)。
【0081】
このように、当該高圧処理装置では、切替部10、14およびバイパス切替部100の接続先を変更することにより、超臨界流体の供給系と、回収/再利用系を含んだ排出系と、超臨界流体の循環による処理を行う循環系、および循環系をクリーニングする流路系を簡単に切り替えることができる。また、循環系をクリーニングする流路系では、一つの流路で循環系に残存している薬液等を連続して排液として取り出すことができるため、循環工程と排出工程とを繰り返す必要がない。したがって、上記クリーニングの処理時間が短くなるために高圧処理装置のスループットが向上し、上記クリーニングに使用する超臨界流体の量も少なくなるためコストを低減することができる。
【0082】
また、当該高圧処理装置は、薬液や処理によって生じた化学物質の残留物が構造的に最も蓄積しやすいSCFチャンバにフレッシュSCFを直接供給することが可能であるため、クリーニング後の洗浄処理では、より清浄度の高い処理結果を得ることができる。
【0083】
なお、本発明は、上述した実施例および変形例に限定されるものではなく、以下のように他の形態でも実施することができる。
【0084】
(1)上記実施形態において、SCFチャンバ7の下流側に減圧器8を配置して、超臨界流体を気化した後、分離回収槽9に送出する構成としているが、分離回収槽9において減圧した後、気液分離するよう構成してもよい。
【0085】
(2)上記実施例において処理流体はSCFチャンバ7に超臨界流体として供給されるが、 SCFチャンバ7に供給される所定の高圧状態とは、1MPa以上であればよく、好ましくは、高密度、高溶解性、低粘度、高拡散性の性質が認められる流体である。よって、亜臨界流体や高圧ガスを用いても実施できることは言うまでもない。さらに、洗浄処理は、5MPa以上に昇圧される処理流体を供給すれば好適に実施できる。そして、5〜30MPaで行うことが好ましく、より好ましくは7.1〜20MPa下でこれらの処理を行うことである。
【0086】
(3)上記高圧処理装置は、基板洗浄について説明したが、基板乾燥や基板現像に用いられるものであっても良い。即ち、 SCFチャンバ7にリンス洗浄(水洗)後の基板を搬入設置する。このSCFチャンバ7内で基板に付着した水分を、超臨界または亜臨界状態にある高圧状態の処理流体中に溶解し除去する。この後、処理流体は、上記実施形態同様に回収され再利用される。なお、乾燥や現像のために本発明の高圧処理装置を用いる場合は、乾燥または現像すべきレジストの性質に応じて、キシレン、メチルイソブチルケトン、第四級アンモニウム化合物、フッ素系ポリマー等を薬液とすればよい。
【0087】
(4)基板の処理動作は、現像処理、洗浄処理、乾燥処理を単独で実施する場合に限られるものではなく、現像処理が終了した基板に対して洗浄処理を引き続き行うように実施しても良い。また、洗浄処理が終了した基板に対して引き続き乾燥処理を行うように実施しても良い。
【0088】
その他、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る高圧処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1および第2の実施形態に係る高圧処理装置のバイパス切替部の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る高圧処理装置の切替制御部が行う制御を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る高圧処理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る高圧処理装置の構成を示すブロック図である。
【図6】従来の高圧処理装置の構成を示すブロック図である。
【図7】従来のフレッシュSCF供給部を備えた高圧処理装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…ボンベ
2…凝縮器
3…昇圧手段
4…加熱器
7…SCFチャンバ
8…減圧器
9…分離回収槽
10、14…切替部
100…バイパス切替部
110…フレッシュSCF供給部
11…循環流路
12、13…バイパス流路
200…切替制御部

Claims (9)

  1. 高圧流体を用いて被処理体を処理する高圧処理装置であって、
    高圧流体を一方向に循環させる循環系と、
    前記循環系内に設けられ、前記循環系を循環する高圧流体を用いて被処理体を処理し、処理後、高圧流体を前記循環系に戻す処理部と、
    前記循環系内に設けられ、流路を切り替えることによって高圧流体を前記循環系へ供給および/または前記循環系から排出させる供給排出切替部と、
    前記供給排出切替部を介して高圧流体を前記循環系に供給する供給系と、
    前記循環系から高圧流体を排出する排出系と、
    前記循環系を循環している高圧流体を前記供給排出切替部から取り出し、前記排出系に供給するバイパス流路とを備え、
    被処理体を処理するとき、前記供給系から供給された高圧流体が、前記循環系を循環し、
    前記循環系をクリーニングするとき、前記供給排出切替部の流路を切り替えることにより、前記供給系から供給される高圧流体が、前記循環系を過不足なく一巡した後、前記バイパス流路を介して前記排出系に流れることを特徴とする、高圧処理装置。
  2. 前記循環系内には、高圧流体以外の薬液を薬液供給部より前記循環系に供給する薬液混合部を、さらに前記処理部の一次側に備えることを特徴とする、請求項1に記載の高圧処理装置。
  3. 前記循環系内には、前記循環系を循環する高圧流体を加熱する加熱部を備えることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高圧処理装置。
  4. 前記循環系を循環する高圧流体の流路の切り替えを制御する制御部をさらに備え、
    前記供給排出切替部は、前記制御部によって流路を切り替え高圧流体を前記循環系へ供給および/または前記循環系から排出させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の高圧処理装置。
  5. 高圧流体を用いて被処理体を処理する高圧処理装置であって、
    高圧流体を一方向に循環させる循環系と、
    前記循環系内に設けられ、前記循環系を循環する高圧流体を用いて被処理体を処理し、処理後、高圧流体を前記循環系に戻す処理部と、
    前記循環系内に設けられ、流路を切り替えることによって高圧流体を前記循環系へ供給および/または前記循環系から排出させる供給排出切替部と、
    前記循環系に高圧流体を供給する第1の供給系と、
    前記供給排出切替部を介して前記循環系に高圧流体を供給する第2の供給系と、
    前記循環系から高圧流体を排出する排出系と、
    前記循環系を循環している高圧流体を前記供給排出切替部から取り出し、前記排出系に供給するバイパス流路とを備え、
    被処理体を処理するとき、前記供給系から供給された高圧流体が、前記循環系を循環し、
    前記循環系をクリーニングするとき、前記供給排出切替部の流路を切り替えることにより、前記第2の供給系から供給される高圧流体が、前記循環系を過不足なく一巡した後、前記バイパス流路を介して前記排出系に流れることを特徴とする、高圧処理装置。
  6. 前記供給排出切替部は、前記循環系上の前記処理部の一次側直近に設けられることを特徴とする、請求項5に記載の高圧処理装置。
  7. 前記循環系内には、高圧流体以外の薬液を薬液供給部より前記循環系に供給する薬液混合部を、さらに前記供給排出切替部の一次側に備えることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の高圧処理装置。
  8. 前記循環系内には、前記循環系を循環する高圧流体を加熱する加熱部を備えることを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の高圧処理装置。
  9. 前記循環系を循環する高圧流体の流路の切り替えを制御する制御部をさらに備え、
    前記供給排出切替部は、前記制御部によって流路を切り替え高圧流体を前記循環系へ供給および/または前記循環系から排出させることを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記載の高圧処理装置。
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