JP3835530B2 - キャリッジ、およびインクジェット記録装置 - Google Patents

キャリッジ、およびインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクカートリッジを着脱可能に装着したキャリッジ、および該キャリジを備えたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置におけるインク供給機構として、インクを充填したインクカートリッジをキャリッジに装着して、このインクカートリッジから記録ヘッドへインクを供給する方式が実用化されている。このカートリッジ方式のインク供給機構では、インクの交換や補充はインクカートリッジごとキャリッジに装着し、あるいは取り外すことにより行われる。印刷時にはキャリッジをキャリッジガイド軸に沿って主走査方向に高速で往復移動させるため、キャリッジ内に搭載するインクカートリッジはカートリッジホルダ内に正常な状態でしっかりと固定しておく必要がある。
【0003】
しかし、インクカートリッジの交換時に、インクカートリッジがキャリッジのカートリッジホルダに正常な状態で装着されない場合には、インクの供給が正常に行われず、印刷に支障をきたしたり、カートリッジホルダを始めとする周辺構造に負荷を与え、最悪の場合には破損させるなどの事故を招くおそれがある。したがって、キャリッジのカートリッジホルダは、インクカートリッジの誤装着が起こり難い構造であることが望ましいが、その一方でインクカートリッジの交換を行うのは一般ユーザーであるため、何人にも容易に装填できる構造にする必要があり、両方の要請を同時に満足することは必ずしも容易ではない。つまり、インクカートリッジの誤装着防止に重点をおくと、構造的な厳密さが必要となったり、煩雑な装着操作を伴ったりすることになるため、一般ユーザーには甚だ不便なものとなる。逆に、ユーザーの利便性を優先すると、比較的単純な構造で、かつ簡易な操作でインクカートリッジを装填できるようにしなければならないため、誤装着を起こす余地が生じてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、インクカートリッジの誤装着を防止する対策の一つとして、簡易な操作でインクカートリッジの装着を可能にしつつ、不十分な装着状態にある場合にはユーザーが容易に識別できるようにしておくことが有効である。
【0005】
本発明の課題は、インクカートリッジが誤装着されにくく、かつ煩雑な装着操作や複雑な構造を必要としないインクジェット記録装置のキャリッジを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、請求項1に記載のキャリッジの発明は、装着されたインクカートリッジから供給されたインクを被記録材に向けて吐出して記録を行う記録ヘッドを有するヘッドユニットを備えたキャリッジであって、該キャリッジ内のインクカートリッジ格納部は、複数の異なる色のインクカートリッジをそれぞれ別個に収納可能に区分けされた複数の個別ホルダより構成され、各個別ホルダは、装着時のインクカートリッジが、前記個別ホルダ内にインクカートリッジを予備挿入した初期装着状態と、該初期装着状態から、さらに記録ヘッドへのインク供給が可能になる位置まで個別ホルダ内にインクカートリッジを挿入した本装着状態と、の2段階の装着状態をとるように構成されており、少なくとも1つの個別ホルダにおける初期装着状態においては、インクカートリッジを他の個別ホルダにおける初期装着状態のインクカートリッジに比べてユーザーが視認可能で認知しうる程度に突出させた位置に保持するとともに、該突出した初期装着状態をとる個別ホルダにおける本装着状態においては、インクカートリッジを他の個別ホルダにおける初期装着状態のインクカートリッジに比べユーザーが視認可能で認知しうる程度に凹入させた位置に保持するようにしたことを特徴とする。
【0007】
この特徴によれば、予備的な初期装着状態から本装着状態への移行により装着が行われるインクカートリッジの装着機構において、少なくとも1つの個別ホルダにおける初期装着状態においては、インクカートリッジを他の個別ホルダにおける初期装着状態のインクカートリッジに比べて突出させた位置に置くことによって、予備的な(つまり、不完全な装着状態)である初期装着状態では、並列配置されるカートリッジ列に、ユーザーが容易に視認できる不自然な段差が形成されることから、不完全な装着状態であることを認識しやすい。
【0008】
また、突出した初期装着状態をとる個別ホルダにおける本装着状態においては、インクカートリッジを他の個別ホルダにおける初期装着状態のインクカートリッジに比べ凹入(当該インクカートリッジが他のインクカートリッジよりも窪むように深く挿入された状態を意味する)させるようにしたことによって、ユーザーが不自然さを解消しようとして突出したインクカートリッジを押し入れた場合には、再び段差が生じるため、依然として他のインクカートリッジが不完全な初期装着状態にあることを容易に認知することができる。このように、配列されたインクカートリッジに段差を与えるという容易に視認可能な手段によって、不完全な装着位置にあることをユーザーに気づかせ、かつ、その段差を解消させようとする行為により、完全な装着状態へ導くことが可能であるため、複雑な装着操作や構造を必要とせずに、インクカートリッジの誤装着を防止することが可能になる。
【0009】
また、請求項2に記載のキャリッジの発明は、請求項1において、前記個別ホルダは、弾性部材の付勢力によってインクカートリッジを初期装着状態に保持するものであることを特徴とする。この特徴によれば、弾性部材の付勢力によってインクカートリッジを初期装着状態に保持することとしたため、少なくとも1つのインクカートリッジの突出状態を、容易に視認識別可能な変位量で形成することができる。
【0010】
また、請求項3に記載のキャリッジの発明は、請求項1において、前記個別ホルダは、付勢力を利用してインクカートリッジを保持するための第1の弾性部材を備えるとともに、前記突出した初期装着状態をとる個別ホルダにおいては、さらに、付勢力を利用してインクカートリッジを突出した位置に保持するための第2の弾性部材を備えており、該第2の弾性部材は、前記第1の弾性部材に比べて付勢力が小さいものであることを特徴とする。この特徴によれば、インクカートリッジを保持するための第1の弾性部材に加え、突出した初期装着状態をとる個別ホルダに第2の弾性部材を備えたことにより、初期装着状態におけるインクカートリッジの突出状態を容易に形成することができるとともに、本装着時にインクカートリッジの保持に必要な付勢力(ここでは、第1の弾性部材により行われる)と全く別に、もっぱら初期装着状態における突出状態を作るために第2の弾性部材を利用できる。すなわち、本装着状態でのインクカートリッジの保持に必要な弾性部材の応力限界や寸法を離れて、突出状態を作るためだけに第2の弾性部材を利用できるので、第2の弾性部材の設計の自由度が増し、より視認性、識別性の高い突出状態を形成することができる。また第1の弾性部材に比べて第2の弾性部材の付勢力を小さいものとしたことによって、突出状態からのインクカートリッジの挿入時の押圧力を少なく抑えることが可能であり、ユーザーの押圧行動に対する抵抗を軽減し、本装着状態へのスムーズな移行を図ることができる。
【0011】
また、請求項4に記載のキャリッジは、請求項1において、前記個別ホルダは、付勢力を利用してインクカートリッジを保持するための第1の弾性部材を備えるとともに、さらに、付勢力を利用してインクカートリッジを初期装着状態に保持するための第2の弾性部材を備え、前記突出した初期装着状態をとる個別ホルダにおいては、前記第2の弾性部材とインクカートリッジとの当接点が突出して設けられており、該第2の弾性部材は、前記第1の弾性部材に比べて付勢力が小さいものであることを特徴とする。この特徴によれば、インクカートリッジを保持するための第1の弾性部材に加え、初期装着状態に保持するための第2の弾性部材を備えたことにより、初期装着状態と本装着状態との変位量を大きくできるため、初期装着状態を際立たせて識別し易くすることが可能であるとともに、本装着時にインクカートリッジの保持に必要な付勢力(ここでは、第1の弾性部材により行われる)と全く別に、もっぱら初期装着状態における突出状態を作るために第2の弾性部材を利用できる。また、第2の弾性部材とインクカートリッジとの当接点を突出して設けたことにより、インクカートリッジの突出状態を容易に形成することができる。また第1の弾性部材に比べて第2の弾性部材の付勢力を小さいものとしたことによって、初期装着状態からのインクカートリッジの挿入時の押圧力を少なく抑えることが可能であり、ユーザーの押圧行動に対する抵抗を軽減し、本装着状態へのスムーズな移行を図ることができる。
【0012】
また、請求項5に記載のキャリッジの発明は、請求項2から請求項4のいずれか1項において、前記弾性部材が、個別ホルダの底部に設けられた板ばねであることを特徴とする。この特徴によれば、弾性部材として板ばねを用いることによって、構造簡単にして目的に応じて必要な付勢力を持たせることができるので有利である。
【0013】
また、請求項6に記載のキャリッジの発明は、請求項2から請求項5のいずれか1項において、インクカートリッジは、本装着状態において、前記弾性部材により付勢された状態で、前記キャリッジと係合する係合手段によって保持されることを特徴とする。この特徴によれば、本装着状態においてインクカートリッジは、弾性部材の付勢力と係合手段によってしっかりと個別ホルダ内に保持されるため、キャリジが主操作方向へ高速で往復移動を繰り返す印刷時においても、正常な装着状態を維持することができる。
【0014】
また、請求項7に記載のインクジェット記録装置の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のキャリッジを備えたことを特徴とする。この特徴によれば、インクジェット記録装置において、請求項1ないし請求項6と同様の作用効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるキャリッジ11を装備したインクジェットプリンタ101の概略構成を示すものであり、内部の構造を明らかにするために、本体カバーは外してある。キャリッジ11は、図示しない駆動モータに接続されたタイミングベルト85により、キャリッジガイド軸83に沿って主走査方向に往復移動しながら、記録ヘッド(ここでは図示せず)より記録媒体Pへインクを吐出して画像形成を行う。キャリッジ11には、インクカートリッジ21を装着する格納部が設けられ、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローなど複数の異なる色のインクカートリッジ21のための個別ホルダに分割されている。
【0016】
図2および図3は、キャリッジ11のインクカートリッジ21の格納部の構造を示す斜視図であり、図2では、ヘッドユニット31を除いた状態を示しており、図3では、キャリッジ11のインクカートリッジ21の格納部の底部の構造を拡大して示している。また、図4および図5は、キャリッジ11の断面構造を示す図面である(図4と図5とは、互いに直交する角度の断面を示している)。
【0017】
図2および図5に示すように、キャリッジ11内には、ケーブル固定具82を介して片方の側壁13bに沿って、フラットケーブル81(フレキシブル・フラット・ケーブル)81が上部から導入されている。このフラットケーブル81はキャリッジ11底部に設けられたヘッドユニット31内のヘッド駆動基板37と電気的接合部39により接続されている。
【0018】
フラットケーブル81とヘッドユニット31の側面との間隙(図5参照)には、スポンジ(ウレタンフォーム)などの材質の吸液性弾性体19が配備されている。ここで、吸液性弾性体19は、図6(a)に示すように予めフラットケーブル81に固着させておくことが好ましい。吸液性弾性体19の大きさはヘッドユニット31の側面とフラットケーブル81の間隙を封止できる程度に設定することができる。インク滴が電気的接合部39に到達する経路としては、ヘッドユニット31の側面とフラットケーブル81の間隙に落下するか、あるいはフラットケーブル81に付着して流下することが考えらるため、フラットケーブル81に接し、かつ前記間隙を塞ぐように吸液性弾性体19を配備することによって、インク滴から電気的接合部39を確実に保護できる。また、スポンジのような吸液性の部材はインクを集めやすいため、通常キャリッジ11内の電気的接合部39の近傍に配備することはしなかったが、インクカートリッジ21の取り外し等の際に飛沫となって滴下するインク滴は、一般にごく少量であるため、別途多量のインクが流出した場合の対策(後述の合成樹脂製のフィルム層20)を講じた上で、吸液性の高い材質を用い、インク滴を直ぐに吸収してしまうようにして電気的接合部39への影響を確実に防ぐこととした。
【0019】
吸液性弾性体19は、図6(a)に示すように、予めフラットケーブル81に固着しておくことにより、吸液性弾性体19の配備を確実にするとともに、組立作業が容易になる。さらにフラットケーブル81の向き(表裏)を識別し易くなるので、配線間違いを防止するという効果もある。
【0020】
吸液性弾性体19の側面(すなわち、フラットケーブル81への固着面とは反対側の面)には、図6(b)に示すように、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製のフィルム層20が設けられている。万一、キャリッジ11正面側のヘッドユニット31の壁面を伝って比較的多量のインクが流下するような状況になった場合に、吸液性弾性体19はインクを吸収しやすいことから、インクを集めてしまう可能性がある。吸液性弾性体19が多量のインクを含む状態になると、吸液性弾性体19からインクが滲出して電気的接合部39を二次的に汚損するおそれがあるため、インクを透過させない合成樹脂製フィルム層20を設けて吸液性弾性体19に多量のインクが含浸した状態になるのを防いでいる。また、合成樹脂製フィルム層20によって、ヘッドユニット31壁面を流下してきたインクをブロックし、インクが電気的接合部39へ到達するのを防ぐ役割も兼ねている。
【0021】
吸液性弾性体19としては、スポンジなどの吸液性と弾性変形可能な性質を併せ持つ材料を用いることが好ましいが、その理由は、以下のとおりである。
本実施形態に係るキャリッジ11は、ヘッドユニット31をキャリッジ11内に装着した後で、記録ヘッド35に設けられたドット形成素子列と被記録材Pの搬送方向との平行度を調整する(以下、単に「平行度調整」と記す)機構を有している。この平行度調整を行うには、キャリッジ11内に柔構造で固定された状態のヘッドユニット31を変位させる必要がある。図7(a)は、キャリッジ11内のヘッドユニット31を上方からみた状態を示す要部平面図であり、図7(b)は、キャリッジ11側面の要部斜視図である。本実施形態のキャリッジ11は、記録ヘッド35に設けられたドット形成素子列と被記録材Pの搬送方向との平行度を、キャリッジ11の側面に設けたアジャストレバー43によって調整することができる。平行度調整は、ヘッドユニット31を押圧部材41で一方から押しつけた状態で、キャリッジ11の側面のアジャストレバー43を調節して、図7(a)において仮想線で示すように、ヘッドユニット31ごと水平方向に僅かな量で回動変位させることによって行われる。したがって、インク滴による電気的接合部39の汚損防止の目的でヘッドユニット31の側部に配備する部材は、ヘッドユニット31の平行度調整の妨げにならないことが必要である。また、平行度調整を行った後でも、電気的接合部39を上から保護できるようにヘッドユニット31とフラットケーブル81との間を隙間なく塞ぐことが重要である。このような理由から、本実施形態では、弾性変形して平行度調整が可能なようにヘッドユニット31の変位量を確保しつつ、ヘッドユニット31とフラットケーブル81との間隙を封止できる部材として吸液性弾性体19を用いている。
【0022】
次に、再び図2〜図4に戻り、本発明のインクカートリッジ21の装着方法について説明する。
キャリッジ11の底部には、インクカートリッジ21を保持する弾性部材としての板ばね15および板ばね17が、インクカートリッジ21の個別ホルダ毎に配備されている。つまり、ここでは仕切壁は設けていないが、各板ばね15に対応してそれぞれ上部空間にインクカートリッジ21を格納できるように個別ホルダが形成されている。図3および図4から見て取れるように、各個別ホルダの底部には、板ばね15の上を板ばね17が覆うように重ねて配備されている。本実施形態では、各個別ホルダに板ばね15と板ばね17の2枚を配備することにより、予備的な装着位置(初期装着状態)とインクカートリッジ21から記録ヘッド35へのインク供給が可能な本装着状態との段差を際立たせて視認しやすくしている。後述するように、板ばね15は、本装着状態においてインクカートリッジ21を上方に向けて付勢し、個別ホルダ内にしっかりと固定するものであり、板ばね17は、初期装着状態にインクカートリッジ21を保持する役割を担う。
【0023】
本実施形態では、4枚の板ばね17のうち、2枚の板ばね17’,17’は他の2枚の板ばね17,17に比べて上に突出した状態で設けられている。このように、突出した2枚の板ばね17’,17’によって、インクカートリッジ21の初期装着状態を他の個別ホルダのインクカートリッジ21に比べて突出させた状態に置くことが可能になる。また、突出した2枚の板ばね17’,17’は、中央部が開口した窓構造になっているが、これは板ばね17’,17’の弾性力が強すぎると、本装着状態へ移行する際に大きな押圧力が必要になるので、インクカートリッジ21の載置領域(つまり、板ばね17’,17’とインクカートリッジ21との当接部分)を十分に確保しつつ、弾性力を調整するためである。
【0024】
また、4枚の板ばね15の先端は、略直角に、あるいは折返すように折曲して形成されており、インクカートリッジ21の挿入時に強く押圧されても板ばね15が変形し過ぎないようにして、ばね性を保持できるようになっている。
【0025】
図8から図10は、インクカートリッジ21が装着されたキャリッジ11の断面構造の図面であり、図8はインクカートリッジ21の本装着状態を示し、図9はインクカートリッジ21の初期装着状態を示し、図10は突出した板ばね17’が配備された個別ホルダにおけるインクカートリッジ21の初期装着状態を示す。
【0026】
図8の本装着状態では、インクカートリッジ21のインク供給口22は、ヘッドユニット31のインク供給針33と嵌合し、記録ヘッド35へインク供給が可能な状態である。この本装着状態では、主として板ばね15の付勢力によってインクカートリッジ21は上側に付勢された状態にあり、係合手段としての弾性変形部23a,23bがキャリッジ11の係止部12a,12bとスナップフィットの状態で係合し、個別ホルダ内にしっかりと固定されている。
【0027】
図9および図10では、インクカートリッジ21は板ばね17あるいは板ばね17’によって初期装着状態に保持され、インクカートリッジ21のインク供給口22は、ヘッドユニット31のインク供給針33に嵌合しておらず、弾性変形部23a,23bもキャリッジ11の係止部12a,12bとは係合していない。ここで図9と図10を比較すると、突出した板ばね17’により保持される図10のインクカートリッジ21の位置の方が図9よりも上方に突出していることが見て取れる。このように、突出した板ばね17’によって、他の個別ホルダのインクカートリッジ21との間でユーザーに視認しやすい段差が形成される。図9および図10の初期装着状態からインクカートリッジ21を押し込むことによって、弾性変形部23a、23bは変形を伴いながらキャリッジ11の係止部12a、12bに係合してスナップフィットした状態で本装着され、図8の状態となる。
【0028】
図11および図12は、インクカートリッジ21を装着したキャリッジ11を正面から見た状態を模式的に示す図面であり、便宜上インクカートリッジ21にA〜Dの符号を付している。図11は全てのインクカートリッジ21A〜21Dが初期装着の状態にあり、突出した板ばね17’(ここでは図示せず)によって保持されるインクカートリッジ21Bおよびインクカートリッジ21Dは、板ばね17によって保持されるインクカートリッジ21Aおよびインクカートリッジ21Cより高い位置に突出している。このように、少なくとも1つ(ここでは2つ)の個別ホルダにおける初期装着状態において、インクカートリッジ21(21B、21D)を他の個別ホルダにおける初期装着状態のインクカートリッジ21(21A、21C)に比べて突出させた状態に置くことによって、並列配置されるインクカートリッジ21にユーザーが容易に視認できる不自然な段差が形成されることから、不完全な装着状態であることを認識しやすくなる。
【0029】
次に、図11の状態からインクカートリッジ21Bおよびインクカートリッジ21Dを押し込んで本装着状態にすると、図12のようにインクカートリッジ21B、21Dは初期装着状態にあるインクカートリッジ21A、21Cよりも凹入された状態(すなわち、奥まで挿入された状態)になる。このように、突出した初期装着状態をとる個別ホルダでも、本装着状態では、インクカートリッジ21(21B、21D)を他の個別ホルダにおける初期装着状態のインクカートリッジ21(21A、21C)に比べインクカートリッジ21が窪むように深い装着位置に設定している。これは、ユーザーが不自然な段差を解消しようとして突出したインクカートリッジ21(21B、21D)を押し入れた場合に、今度は他のインクカートリッジ21(21A、21C)が不完全な初期装着状態にあることを容易に認知できるようにしたものであり、▲1▼突出した初期装着状態のインクカートリッジ21の押し込み動作によって、▲2▼他のインクカートリッジ21の押し込み動作が誘発され、最終的に全てのインクカートリッジ21が本装着状態になるまで一連の動作として自然に誘導することが可能となるのである。
【0030】
以上のように、配列されたインクカートリッジ21に段差を与えるという容易に視認可能な手段によって、不完全な装着位置にあることをユーザーに気づかせ、かつ、その段差を解消させようとする行為により、完全な装着状態へ導くことが可能であるため、複雑な装着操作や構造を必要とせずに、インクカートリッジ21の誤装着を防止することが可能になる。
【0031】
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用されるものであることは勿論である。
【0032】
例えば、上記実施形態では、インクカートリッジ21を上からキャリッジ11内に挿入する形式としたが、横方向に向けて挿入して装着する形式においても、本発明の装着機構を採用することが可能である。
【0033】
また、上記実施形態では、インクカートリッジ21の装着に弾性部材として板ばね15、17、17’を使用したが、これに限らず、他の弾性部材を利用することも可能であり、さらに、初期装着状態にインクカートリッジ21を保持する手段としては、弾性部材に限らず、例えば個別ホルダ内にリブを設けてインクカートリッジ21を保持するようにすることも可能である。
【0034】
さらに、上記実施形態では、各個別ホルダに板ばね15および板ばね17を配備する構成としたが、突出した初期装着状態にする個別ホルダにのみ板ばね17を配備する構成としてもよく、あるいは、各個別ホルダに板ばね15のみを配備して、その中の少なくとも1枚の板ばね15を他の板ばね15よりも突出させることにより、突出した初期装着状態をとるようにすることも可能である。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、予備的な初期装着状態から本装着状態への移行により装着が行われるインクカートリッジの装着機構において、少なくとも1つの個別ホルダにおける初期装着状態においては、インクカートリッジを他の個別ホルダにおける初期装着状態のインクカートリッジに比べて突出させた状態に置くことによって、予備的な(つまり、不完全な装着状態)である初期装着状態では、並列配置されるカートリッジ列にユーザーが容易に視認できる不自然な段差が形成されることから、不完全な装着状態であることを認識しやすい。
【0036】
また、突出した初期装着状態をとる個別ホルダにおける本装着状態においては、インクカートリッジを他の個別ホルダにおける初期装着状態のインクカートリッジに比べ凹入させるようにしたことによって、ユーザーが突出したインクカートリッジを不自然さを解消しようとして押し入れた場合には、他のインクカートリッジが不完全な初期装着状態にあることを容易に認知することができる。このように、配列されたインクカートリッジに段差を与えるという容易に視認可能な手段によって、不完全な装着位置にあることをユーザーに気づかせ、かつ、その段差を解消させようとする行為により、完全な装着状態へ導くことが可能であるため、複雑な装着操作や構造を必要とせずに、インクカートリッジの誤装着を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図。
【図2】キャリッジ内部の説明に供する斜視図。
【図3】キャリッジ内部の要部拡大図。
【図4】キャリッジの断面構造の説明に供する図面。
【図5】キャリッジの断面構造の説明に供する図面であり、図4とは直交する断面を示す。
【図6】吸液性弾性体の説明に供する図であり、(a)はフラットケーブルに固着された状態を示し、(b)はフラットケーブルに固着された要部断面の状態を示す。
【図7】ヘッドユニットの平行度調整の説明に供する図面であり、(a)はキャリッジ内部の要部平面図、(b)はキャリッジ側部の要部斜視図である。
【図8】インクカートリッジを本装着したキャリッジ断面を示す図面。
【図9】インクカートリッジを初期装着したキャリッジ断面を示す図面。
【図10】突出した板ばねを有する個別ホルダにおいて、インクカートリッジを初期装着したキャリッジ断面を示す図面。
【図11】インクカートリッジを初期装着したキャリッジの正面図。
【図12】図11から一部のインクカートリッジのみを本装着にしたキャリッジの正面図。
【符号の説明】
1 メインフレーム
3 オート・シート・フィーダー
11 キャリッジ
12a、12b 係合部
13a、13b 側壁部
15 板ばね
17、17’ 板ばね
19 吸液性弾性体
20 合成樹脂製フィルム層
21 インクカートリッジ
22 インク供給口
23a、23b 弾性変形部
31 ヘッドユニット
33 インク供給針
35 記録ヘッド
37 ヘッド駆動基板
39 電気的接合部
41 押圧部材
43 アジャストレバー
51 エンコーダ
53 エンコーダ基板
81 フラットケーブル
82 ケーブル固定具
83 キャリッジガイド軸
85 タイミングベルト
87 リニヤスケール
91 小歯車

Claims (7)

  1. 装着されたインクカートリッジから供給されたインクを被記録材に向けて吐出して記録を行う記録ヘッドを有するヘッドユニットを備えたキャリッジであって、
    該キャリッジ内のインクカートリッジ格納部は、複数の異なる色のインクカートリッジをそれぞれ別個に収納可能に区分けされた複数の個別ホルダより構成され、
    各個別ホルダは、装着時のインクカートリッジが、
    前記個別ホルダ内にインクカートリッジを予備挿入した初期装着状態と、
    該初期装着状態から、さらに記録ヘッドへのインク供給が可能になる位置まで個別ホルダ内にインクカートリッジを挿入した本装着状態と、
    の2段階の装着状態をとるように構成されており、
    少なくとも1つの個別ホルダにおける初期装着状態においては、インクカートリッジを他の個別ホルダにおける初期装着状態のインクカートリッジに比べてユーザーが視認可能で認知しうる程度に突出させた位置に保持するとともに、
    該突出した初期装着状態をとる個別ホルダにおける本装着状態においては、インクカートリッジを他の個別ホルダにおける初期装着状態のインクカートリッジに比べユーザーが視認可能で認知しうる程度に凹入させた位置に保持するようにしたことを特徴とする、キャリッジ。
  2. 請求項1に記載のキャリッジにおいて、前記個別ホルダは、弾性部材の付勢力によってインクカートリッジを初期装着状態に保持するものであることを特徴とする、キャリッジ。
  3. 請求項1に記載のキャリッジにおいて、前記個別ホルダは、付勢力を利用してインクカートリッジを保持するための第1の弾性部材を備えるとともに、
    前記突出した初期装着状態をとる個別ホルダにおいては、さらに、付勢力を利用してインクカートリッジを突出した位置に保持するための第2の弾性部材を備えており、
    該第2の弾性部材は、前記第1の弾性部材に比べて付勢力が小さいものであることを特徴とする、キャリッジ。
  4. 請求項1に記載のキャリッジにおいて、前記個別ホルダは、付勢力を利用してインクカートリッジを保持するための第1の弾性部材を備えるとともに、
    さらに、付勢力を利用してインクカートリッジを初期装着状態に保持するための第2の弾性部材を備え、
    前記突出した初期装着状態をとる個別ホルダにおいては、前記第2の弾性部材とインクカートリッジとの当接点が突出して設けられており、
    該第2の弾性部材は、前記第1の弾性部材に比べて付勢力が小さいものであることを特徴とする、キャリッジ。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のキャリッジにおいて、前記弾性部材が、個別ホルダの底部に設けられた板ばねであることを特徴とする、キャリッジ。
  6. 請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のキャリッジにおいて、インクカートリッジは、本装着状態において、前記弾性部材により付勢された状態で、前記キャリッジと係合する係合手段によって保持されることを特徴とする、キャリッジ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のキャリッジを備えたインクジェット記録装置。
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