JP3834677B2 - 無線通信環境におけるハンドオーバ及びローミングを遂行する方法 - Google Patents

無線通信環境におけるハンドオーバ及びローミングを遂行する方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は一般に無線電気通信に関し、より詳しくは、2つ又はそれより多いユニットで、少なくともその1つが移動体で在り得るユニット間の二重無線通信のための無線電気通信システムに関する。
発明の背景
周知のセル式及びコードレス電話及びデータ伝送システムの様な無線電気通信は、典型的には複数の移動又は携帯無線通信ユニットと複数の無線アクセスユニットから成る。各アクセスユニットは、アクセスユニットの動作範囲により定まる地理的地域又はセルに幾つかの無線通信チャネルを提供する。このアクセスユニットは、無線交換局(RE)又は移動電話中継局(MTSO)とも呼ばれる中央インタフェースユニットに接続される。このRE又はMTSOは次に、移動無線と地線加入者の間の電話及びデータ呼を完成するため、ある場合には中間構内(自動)交換機(P(A)BX)を経由して公衆加入電話網(PSTN)又は総合サービスディジタル網に結合される。
典型的なセル式通信システムは、比較的広い地域即ち比較的大きなセルを覆うカバーレージを提供する。最初の世代のセル式移動網は、無線アクセスユニットからセルの境界までの1から5kmの範囲をもつマクロセル及び大規模セル(5から35km)にサービスを提供する。AMPS、ETACS、NMT−450、及びNMT−900と呼ばれるアナログセル式システムは世界中に展開されている。ディジタルセル式システムは、北アメリカ及び全欧州GSMシステムではIS−54Bと呼ばれる。これらのシステム及びその他のものは、例えば、1993年にマサチューセッツ州ノーウッドのアーテックハウス(Artech House)発行のバルストン(Balston)等の「セルラー無線システム」と題する著書に記載されている。
簡単な住宅用コードレス電話機から(大規模)事務所、生産ホール等の数百又は数千のコードレス無線通信ユニットへサービス出来る業務用コードレス通信システムに至るコードレス無線通信システムが、ピコセル((2−3m)、ナノセル(10mまで)、及びミクロセル(10−400m)への使用のため開発された。アナログコードレス電話は、CTO、CT1及びCT1+と呼ばれる。CT2、CT2−CA1、CT3及びDECT(ディジタル向上電気通信)と呼ばれるディジタルコードレスシステムの中で、CT3とDECTの両方はそれらの伝送技術としてTDMA(時分割多元接続)を使用するが、CT2はFDMA(周波数分割多元接続)で動作する。特に北アメリカではコードレス無線通信のためにスペクトラム拡散接続が使用される。CDMA(符号分割多元接続)は、コードレス通信に使用できるもう一つのディジタルアクセス技術である。シー.バッキンガム(C.Buckingham)等による論文「DECT技術に基づく800MHzの業務用PABX電話システム」、IEEE通信雑誌、29(1991)1月、p.105−110を参照する。
無線通信システムのその上の形式は市内線における無線(RLL)と呼ばれる。このRLLは、例えば、住宅加入者とPSTN/ISDNの市内交換局の間の最終的な接続を完成するための無線リンクを提供する。
RLLの概念内において2つの基本的システム、固定RLL(FRLL)と移動RLL(MRLL)に区別できる。電話FRLLシステムにおいては、例えば、加入者は通常の電話ソケットを備えるが、固定アクセスユニット(FAU)又は無線固定アクセスユニット(WFAU)とも呼ばれる無線トランシーバに接続される。このFAU/WFAYを経由して無線アクセスユニットとの無線リンクが確立され、これが次に、PSTN/ISDNへアクセスを提供する中央インタフェースユニットへ結合される。MRLLの概念においては、加入者は携帯用コードレス又は移動無線電話ハンドセットを備えこれにより、この無線アクセスユニットを経由してPSTN/ISDNへアクセスが確立される。
混合した概念も可能であり、即ち、FRLLは加入者の構内において移動性を備え、家庭内コードレス(CITH)とも呼ばれ、また住宅又は近隣移動性を備え、近隣内コードレス(CITN)とも呼ばれる。
RLLシステムにおける無線アクセスユニットは、それらのそれぞれのカバーレージ地域、即ちピコ、ナノ、ミクロ又はマクロセルにおいて使用される無線アクセスユニットの形式に依存して遠隔の通信ユニットへサービスを提供出来る。
地線接続とは異なり、無線通信システムにおける通信ユニットからの呼は、リンク品質の低下に起因してしばしばその無線通信リンクを変更しなければならない。これは、例えば、同じ無線リンク上に進行中の呼をもつ別の通信ユニットがある特定の通信ユニットのカバーレージの中へ移動するか、又はその通信ユニットが、それが現在接続している無線アクセスユニットのカバーレージ地域の外へ移動することによる。進行中の呼を1つ又はそれより多い物理的無線リンク又はチャネルから他の物理的無線リンク又はチャネルへ切替える行為をハンドオーバと呼ぶ。この様なハンドオーバは、ある無線通信ユニットが現在接続している無線アクセスユニット内で単独で完了することができ、いわゆる「セル内ハンドオーバ」である。ある呼が、ある特定の無線通信システムの別のセルにサービスしているある無線アクセスユニットを経由して継続される場合においては、この形式のハンドオーバは、「セル間ハンドオーバ」と呼ばれる。別の無線通信システムへの呼のハンドオーバは、「システム間ハンドオーバ」又は「外部ハンドオーバ」と呼ばれる。無線通信ユニットが空き又は待機モードにあり、即ち進行中の呼がないときで且つその無線通信が移動しているとき、例えば、所在地が更新し、他の情報及び活動がその無線通信ユニットにより遂行されていると、この過程は「ローミング」と呼ばれる。同じシステム内のローミングは「システム内ローミング」と呼ばれ、他の通信ユニットへのローミングは「システム間ローミング」又は「外部ローミング」と呼ばれる。
DECT標準に従って動作している無線通信システムにおいては、例えば、ハンドオーバ又はローミングは、受けた無線リンクをその無線リンクの伝送品質に関して、次の判定基準のどれか1つ又は組合わせにより評価することにより開始できる。これらの判定基準は、RF信号レベル(RSSI)、バースト同期(SYNC)誤差、システム情報フィールドテスト語(ACRC)誤差、データフィールドテスト語(XCRC)誤差である。伝送判定基準の他に、システム識別、アクセス権利等の様な他のパラメタをハンドオーバ又はローミングの開始の決定に含めても良い。
全部の無線アクセスユニットが時間同期のやり方で動作する無線環境においては、セル間及びシステム間ハンドオーバ及びローミングは、タイミング基準の制約なしに上の判定基準の1つ又は複数を用いて遂行できる。しかし、大規模無線通信網において、及びアクセスユニットがそれぞれ異なるネットワーク又はシステムに接続される場合においては、全部の無線アクセスユニットの時間同期動作の達成は困難であり、又は高度の且つ高価な努力によってのみ達成できる。
呼を第1の無線アクセスユニットから第2の無線アクセスユニットへ転送するため、非同期動作する無線環境においてセル間及びシステム間ハンドオーバを遂行するには、ある一定の時間期間、即ち呼転送段階の間、第1及び第2の無線アクセスユニットの両方と通信するため無線通信ユニットの単一のトランシーバ装置を制御するため無線通信ユニットのタイミング基準の調節が必要である。
スイス特許CH0,682,867及び英国特許出願GB−A−2,281,117は、移動無線電気通信システムにおけるハンドオーバ遂行の方法を開示し、そこでは呼は、進行中のサービスを遮断することなく、第1の無線リンクから第2の無線リンクへ転送される。サービスの低下を生じないハンドオーバは「継ぎ目のないハンドオーバ」と呼ばれる。
継ぎ目のないハンドオーバを実行するため、ある一定の時間期間、無線アクセスユニットと通信ユニットの間の2つの二重無線リンクは同時に維持されねばならない。ハンドオーバ要求の場合、第1の無線リンクにおける呼は第2の無線リンクが確立される間維持される。第2の無線リンクを通るデータが両方向に首尾良く交換される時のみ第1の無線リンクは終結される。
しかし現在の無線通信ユニットに使用される大多数のトランシーバ制御装置は、時間同期無線網において動作するための単一のタイミング基準を備えている。第2のタイミング基準の欠如に起因して、トランシーバ制御装置は、非同期動作する無線環境における継ぎ目のないハンドオーバに要求される様な、2つ又はそれより多い非同期動作無線リンクを同時に支持することは出来ない。
非同期動作無線環境においては、単一のタイミング基準をもつ無線通信ユニットによるハンドオーバは、最初に現存する又は第1の無線リンクを解放し、その後セルが一時的に休止する間、第2の無線アクセスユニットをもつ新しい又は第2の無線リンクを確立することにより行われる。この方法は、非同期無線環境におけるセル間及びシステム間ハンドオーバに使用できるが、重大な欠点をもち、そこでは、特に混んだトラヒック地域において、新しい無線リンクのセットアップに失敗すると、第1の無線アクセスユニットの第1又はどの他の無線リンクも呼の再開のためもはや利用できないが、その理由は、例えば、それが他のセルにより既に占有され得るからである。
発明の要約
上述の背景に鑑みて、本発明の目的は、二重無線通信ユニットにおける呼のハンドオーバを改善することであり、この改善は同期及び非同期で動作する無線環境の両方に使用できる。
特に本発明の目的は、非同期で動作する無線環境における呼のハンドオーバ又はローミングを追加の回路を必要とせず改善する方法を提供することである。
非同期で動作する無線環境において使用するための無線通信ユニット及び無線アクセスユニットを提供することも本発明の目的である。
本発明によれば、複数の無線アクセスユニットと少なくとも1つの遠隔無線通信ユニットからなる二重無線通信システムにおける呼のハンドオーバ又はローミングを開始するための走査方法が提供される。該無線アクセスユニットと該又は各遠隔無線通信ユニットは、遠隔無線通信ユニットと無線アクセスユニットの間の、複数の所定の無線リンクから選択された無線リンクにおいて呼を確立するために、かつ遠隔無線通信ユニットと第1の無線アクセスユニットとの間の第1の無線リンクにおける進行中の呼を該遠隔無線通信ユニットと第2の無線アクセスユニットとの間の第2の無線リンクへ切替えるために配置される。この無線通信システムにおいて、該又は各、又はアクセスユニットの群は、相互に時間非同期の仕方で動作し非同期無線環境を形成する。遠隔無線通信ユニットは第1無線アクセスユニットに同期しているとの仮定の下では、本発明による改善において、この方法は無線通信ユニットにより遂行される次の段階、即ち
a)時間におけるある幅及び/又は位置をもつ走査ウインドウを使用して、該第1無線アクセスユニットに時間同期するやり方で動作する無線アクセスユニットを求めて無線環境を走査する段階であって、該時間におけるある幅及び/又は位置をもつ走査ウインドウは、第1の無線リンクと同期する無線リンク動作時間における所定の時間期間の間に交換された同期データと制御データを本質的に検索する様なものであり、
b)該所定の時間期間の外で、交換された同期データと制御データを本質的に検索する様なある幅及び/又は位置をもつ走査ウインドウを使用して、該第1無線アクセスユニットに時間非同期なやり方で動作する無線アクセスユニットを求めて該無線環境を走査する段階と、
c)ハンドオーバに利用可能な同期及び非同期な無線リンクのリストを維持する段階と、
d)ハンドオーバ又はローミングは開始されなければならないかどうかを決定するため所定の無線リンク判定基準に基づいて該リストを評価する段階とを遂行する。
本発明の方法においては、非同期と同様に同期して動作する無線リンクを含む、無線通信ユニットの無線環境のグローバルな空中使用マップを確立する。用語の同期は、この場合、無線通信ユニットが現在同期し又はロックしている無線アクセスユニットと時間同期して動作するそれらの無線リンクを指す。
ハンドオーバ又はローミングが開始されなければならない時、無線リンク伝送品質パラメタの様な他のリンク判定基準によって受入可能であるが最善ではない同期して動作している無線リンクへのハンドオーバに優先権を与えることができる。これは単一タイミング基準をもつ無線通信ユニットに対する継ぎ目のないハンドオーバを開始することを可能にする。継ぎ目のないハンドオーバは、進行中の呼が遮断されないので好ましい。
無線リンクでの同期データの位置に関して走査ウインドウの時間における位置決めを適当に行うことにより、同期無線リンクと非同期無線リンクとを容易に区別できる。しかしこの様な位置決めが可能でない場合には、本発明のその上の実施例においては、種々の無線リンクにおける同期データの受信の間の時間の差が評価され、同期無線リンクと非同期無線リンクとの区別に使用される。
非同期無線リンクへのハンドオーバの場合は、めいめいの時間差は無線通信ユニットのタイミング基準の更新に使用してもよい。この様なタイミング基準の更新は、単一の又は2つのタイミング基準をもつ無線通信ユニットの両方で実行してもよい。
単一のタイミング基準をもつ無線通信ユニットにおいて、もしハンドオーバが準備されなければならないときは、確立されたタイミング基準によりタイミング基準が更新され、選択される新しい無線リンクのタイミングと適合するようにする。第1と第2のタイミング基準をもつ無線通信ユニットにおいては、選択される新しい無線リンクのタイミングと適合するように、第2のタイミング基準を更新してもよい。
走査の間に、第1又は単一のタイミング基準は、通信ユニットが同期またはロックしている無線アクセスユニットに同期される。これは、遠隔無線通信ユニットが呼を受信又は開始する位置にあることを保障する。有利なことに、上述の段階a)とb)における走査速度は異なってもよく、これは電池電力の不足を減じる。走査速度は適合する様に設定でき、また走査の限度は、例えば利用できる無線リンクの数に依存して制限されるかも知れない。
その上の実施例においては、本発明による方法は、次の段階、即ち
e)遠隔無線通信ユニットによる第1の無線リンクでの送信を保留し、他方第1の無線アクセスユニットによる該第1の無線リンクでの送信を維持する段階と、
f)第2の無線リンクを確立する段階と、
g)該第2の無線リンクでの呼を再開する段階と、
h)該第1の無線アクセスユニットにより該第1の無線リンクを解放する段階とからなる。
本発明による方法のこの実施例では、第2の無線リンクで呼が再開されるまで第1の無線リンクでの第1の無線アクセスユニットによる送信を維持することにより、第2の無線リンクのセットアップの失敗の場合、第1の無線リンクは呼の再開のために依然として利用できることが確立される。遠隔無線通信ユニットは第1の無線リンクでの送信を停止するので、第1の無線アクセスユニットとの同期を維持する必要はなく、また遠隔無線通信ユニットにおけるタイミング基準とトランシーバ制御回路は第2の無線リンクをセットアップするため調節できる。第2の無線リンクは第1の無線リンクとは時間非同期でもよい。呼のハンドオーバのこの方法は、単一のタイミング基準とトランシーバ制御回路をもつ無線通信ユニットにより遂行できることが理解されるであろう。
ハンドオーバの間、呼は一時的に保留できるが、本発明のその上の実施例では、上述のe)とf)の段階の間、第1の無線アクセスユニットは第1の無線リンクでの呼の送信を維持し、また遠隔無線通信ユニットは第1の無線リンクでの呼の受信を維持する。
本発明のこの実施例は、非同期無線リンクからのデータを追加のタイミング基準を必要とすることなく受信するため現在使用されているトランシーバ制御装置を備えることに基づいている。第1の無線リンクが完全に解放されるハンドオーバとは逆に、この本発明のその上の実施例では、ハンドオーバの間、遠隔無線通信ユニットとの受信用単信無線リンクは維持される。幾つかの形式のデータ通信に対して、例えば、本発明のこの実施例によるハンドオーバは無線通信ユニットの側において何等の顕著な遮断を生じることがなく、即ち実質上継ぎ目のないハンドオーバである。
ハンドオーバの開始のとき、遠隔無線通信ユニットからの送信保留メッセージを第1の無線アクセスユニットへ送ることにより、関係当事者にその呼がハンドオーバされることを示す目的でシグナリングメッセージが交換されることができる。このシグナリングメッセージは、それが無線通信ユニットにより受信されるように無線アクセスユニットにより送信されてもよい。端末側においては、このシグナリングメッセージは、音声信号、可聴トーン信号、又は可視表示信号の形式を取ってもよいが、これに制限されない。このシグナリングメッセージは、もし呼が再開されると結局は解除される。
遠隔無線通信ユニットにおいて、その送信保留メッセージはそのユニットがハンドオーバされるという指示を独立して実施してもよいことは理解されるであろう。
ハンドオーバが成功した後の第1の無線リンクの解放は、無線アクセスユニットにおけるタイムアウト期間の経過により実行しても良く、また/あるいは第2の無線アクセスユニットから第1の無線アクセスユニットへの解放メッセージによって実行しても良い。
本発明は、さらに本発明による方法に従い動作する様に適合された制御手段を含む二重無線通信システム、特にコードレス無線通信システムにおいて使用される無線電話機の様な遠隔無線通信ユニット、及び無線基地局の様な無線アクセスユニットに関する。
本発明の上述及び他の特徴並びに利点は、添付の図面を参照して次の説明において示される。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の使用できるコードレス電気通信システムを概略的且つ例示的に示す。
図2は、データバーストを含むディジタルデータストリームを概略的且つ例示的に示す。
図3は、図2のデータバーストの構造を詳細に示す。
図4a、4b及び4cは、本発明による呼ハンドオーバの方法を極めて概略的に示す。
図5は、本発明による走査方法の簡単な流れ図を示す。
図6は、本発明に従い動作する電話機の形式をとる無線通信ユニットの簡単なブロック図を示す。
図7は、本発明に従い動作する無線基地局の形式をとる無線アクセスユニットの簡単なブロック図を示す。
実施例の詳細な説明
制限する意図ではなく、DECT標準に従い動作するコードレス無線電話システムにおける応用により本発明を説明する。要するに、DECTは多搬送波/時分割多元接続/時分割二重(MC/TDMA/TDD)ディジタル無線アクセス技術で、10個の無線搬送波を備え、各々は24個のタイムスロットに分割され、フレームと呼ばれる12個の二重通信チャネルを与える。
図1は、一般に参照符号1で示す典型的なDECT無線通信システムを示す。このシステムは、3つの主要な要素からなり、これらは無線交換局(RE)2、複数のコンパクト無線アクセスユニット又は基地局3でこれらは覆うべき地域にあまねく設置され無線交換局2に直接接続され、及び携帯電話機又はハンドセット4の形式の遠隔コードレス又はワイヤレス無線通信ユニットでありこれは無線リンク9を通じて無線アクセスユニット3に接続される。
各無線アクセスユニット3は、セルと呼ばれる、与えられた地域にサービスし、このセルは他の無線アクセスユニット3の他のセルに取り巻かれ/又は重複し、即ちいわゆるマルチ・セルアプローチである。屋内セルの半径は典型的には10m−100mであり、これに対し屋外セルの半径は典型的には200mから5000mまでである。
無線交換局2は、複数の有線電話機6が接続できる有線交換局5に接続される。業務用環境においては、この交換局5は一般に構内交換機(PBX)と呼ばれ、これに対しRLL又はWLLの様な屋外の応用では、この交換局5は一般に市内交換局(LE)であり、PBXの様に公衆加入電話網(PSTN)7、即ち通常の有線公衆電話網に接続される。
RLL又はWLLの応用では、無線アクセスユニット3は、空中リンク9を通じていわゆる(ワイヤレス)固定アクセスユニット((W)FAU)8に接続されても良く、これは固定RLL又はWLLにおいては、通常の有線電話機6の接続のため固定電話端末又はソケットに接続される。家庭において局地的移動性を与える移動RLL又はWLLにおいては、例えば、FAU8は、家庭(図示なし)内のハンドセット4と空中リンク9を確立するよう構成される。
DECTにおいて、空中リンク9を通じる情報は図2に示すフレーム構造を使用して伝送される。フレームの最初の半分の間、即ち最初の12個のタイムスロット、R1、R2、...R12の間、無線アクセスユニット3からのデータは、ハンドセット4又は(W)FAU8により受信され、これに対し各フレームの二番目の半分、即ち二番目の12個のタイムスロット、T1、T2、...T12の間、遠隔通信ユニット4又は8がデータを無線アクセスユニット3へ送信する。ある一つの無線アクセスユニット3とある一つの遠隔通信ユニット4又は8との間の無線通信リンクは、フレームの最初の半分における一つのタイムスロット及びそのフレームの二番目の半分における同じ番号をもつ一つのタイムスロットが割当られる。各タイムスロットは典型的に制御データ、システムデータ及び情報又は使用者データを含む。
より詳細なタイムスロット構造は図3に示される。制御データフィールドは、いわゆる同期(SYNC)語を含み、これは受信されたデータを処理するため無線アクセスユニット3又は遠隔通信ユニット4、8において正しく識別されなければならない。SYNCデータは典型的に16ビットを必要とし、16ビットのプリアンブルがこれに先行する。
システムデータフィールドは、識別及びアクセス権利、サービス利用可能性についてのシステム情報及び、要求されるときは、妨害の場合の別の通信チャネルへのハンドオーバ又は別の無線アクセスユニットへの呼の転送のための情報を規則正しく含む。またページング及び呼セットアップ手順がシステムデータフィールド上に運ばれ、これはA−FIELDとも呼ばれる。システムデータは典型的に64ビットを必要とし、ACRCで示される16ビットのサイクリック冗長性検査語をもつ。
情報又は使用者データはB−FIELDとも呼ばれ、電話呼の場合には、10msのフレームサイクル時間TFの間に得られたディジタル化された音声サンプルを含む。これらの音声サンプルは、上述の32kb/sの典型的なビット伝送速度をもつADPCMコード化アルゴリズムCCICT Rec.G.726によりコード化される。このことは、各音声呼に対してあらゆるフレームの間にも320ビットが送信され受信されなければならないことを意味する。ADPCMコード化されたB−FIELDデータは各々が4ビットの80個の音声サンプルを含む。これらのADPCMデータは、次々と引き続く8ビット幅のPCMコード化された音声サンプルの差異から形成される。このADPCM量子化過程は瞬時的な平均信号レベルに動的に適合している。
B−FIELDデータはスクランブルされ、またXCRCで表される4ビットの冗長性検査語は情報データから形成される。保護スペースを含んで、DECT標準に従うタイムスロット当たりのビット合計数は480に達する。これらのビットはシステムクロック周波数又は1152kb/sのシステムビット伝送速度で送信される。
無線チャネルの選択は、いわゆる動的チャネル割当(DCA)技術に基づいており、そこでは、システムの全部の無線アクセスユニット3又はセルに共通の複数の無線リンク又は通信チャネルの中から空き無線リンク又は通信チャネルが選択される。DCAは、チャネル又は周波数プランニング等を必要とせずに、システムの利用可能な通信容量の占有を最適化する。
このシステムの基本的特徴の一つは分散された連続動的チャネル選択(CDCS)であり、この技術においては、ハンドセット4又は(W)FAU8は最良の利用可能な無線通信チャネルを選択する。CDCSでは、チャネル選択は呼セットアップに限定されずに、通信の間継続する。CDCSは、ハンドセット4の様な無線通信ユニットと無線アクセスユニット3との間の無線リンク品質とセル当たりの利用可能な無線通信チャネルの占有を最適化する。米国特許第4,628,152号、第4,731,812号明細書及びデイ.アケンバーグの論文「第3世代移動無線システムに有益な新規な無線アクセス原理」、個人の、屋内及び移動無線通信に関する第3回1EEE国際シンポジウム、1992年10月19−21日、マサチューセッツ州ボストン、を参照する。
DECT無線通信網は数個のDECT無線通信システム1を含んでも良く、このシステム1は一人又はそれより多いオペレータにより独立して動作できる。さらに、数個のDECT無線通信システム1は、同一の地理的地域内で独立して動作させてもよい。
同期して動作する複数のシステムにおいては、関係する数個のユニットのフレームとタイムスロットが共通のシステムタイミングに従い交換されることを保障する用意がなされる。このことは、数個の無線アクセスユニット及び無線通信ユニットのタイミング基準が所定の精度で共通のシステムタイミングに調節されなければならないことを意味する。
非同期で動作する複数のシステムにおいては、一つのネットワークの複数の無線アクセスユニット又は数個のシステムに属する無線アクセスユニットの群のフレームとタイムスロット内の送信及び受信データは共通のシステム又はネットワークタイミングに調節されない。ある特定の群内の複数の無線アクセスユニットは同期して動作してもよいことに注目されたい。
図5の流れ図に示す様に、本発明の走査方法においては、同期している無線リンクは、無線通信ユニット4、10により、走査ウインドウの時間における幅及び位置が受信タイムスロットR1、R2、...R12におけるSYNCデータフィールドの位置と幅に調節された走査ウインドウを使用して検出され、即ち、ブロック「通信ユニットを特定の通信タイミングへロック」及び「送信タイミングに従ってSYNC語を受信するため走査ウインドウをセット」である。SYNC語が首尾良く検出されると、即ち、ブロック「無線環境を走査」及び判定ブロック「SYNC語は受信されたか」の答が「はい」であれば、その関心のある無線リンクは、そのアクセスユニット又は無線通信ユニットがロックしているシステムと時間同期して動作しているあるシステムに属している公算は十分に高い。この様な場合、無線通信ユニットのタイミング基準は、SYNC語により検索された共通のシステムタイミングに調節することができる。この動作は、例えば、ブロック「無線環境を走査」において遂行できる。
非同期無線リンクは、走査ウインドウを使用して検出でき、この走査ウインドウは、原則として、一つの完全なフレームと同じ位広くなければならない。この理由は、非同期システムのSYNC語は、その無線通信ユニットが同期又はロックしているシステムのフレームの間中のどこでも時間において位置できるからである。同期及び非同期無線リンクは、走査ウインドウを時間において適当に位置させることにより区別でき、そこではウインドウは、その無線通信ユニットが現在ロックしているシステムのSYNC語の時間期間の間は閉じられ又は作動しない。受信されるSYNCデータは非同期無線リンクに属している公算は十分に高い。この行動はブロック「SYNC語は受信されたか?」及び「走査ウインドウを適合させる」で遂行される。この代りに、又はこれに加えて、受信されるSYNC語の間の時間差を測定することにより、即ち、ブロック「時間差を確立する」により、例えば、数個の非同期システム間を区別できる。
このやり方で、無線アクセス及び/又は無線通信システムに対する、同期及び非同期リンクの見地からの無線環境の完全なマップ又はリストが与えられ、これは、即ちブロック「リスト」である。
走査の間、数個の検出された無線リンクの伝送品質に関する全ての情報は検索されリストされるべきであり、この情報にはRF信号レベル(RSSI)、バースト同期(SYNC)誤差、システム情報フィールドテスト語(ACRC)誤差、データフィールドテスト語(XCRC)誤差を含む。これは例えば、ブロック「無線環境を走査」により遂行できる。比較考量方式の使用により、特定のアクセスユニット又はシステムへのハンドオーバ又はローミングに対する要求を実行することができる。
ハンドオーバ又はローミングの決定には、リンク品質以外の情報としてアクセス権利、同期無線リンクよりもセル間又はシステム間ハンドオーバ又はローミングが好ましいこと等も考慮に入れることができる。
更に、走査は、無線通信ユニット及び通信特性の特定の無線環境に対抗するため適合する様に調節してもよい。呼保留の場合、走査速度は、好ましくは通信ユニットの待機又は空きモード、即ち呼保留が無い場合におけるよりも速くなければならない。ハンドオーバに利用できる適当な数の無線リンクのリストを作るためには、全ての利用できる無線リンクの完全な走査が常に必要とは限らない。もし、例えば、十分の数の適切な無線リンクが発見されれば、走査は停止又は制限することができ、即ち、判定ブロック「走査は完了したか?」である。
無線通信ユニットがスイッチオンされるか、又は長い時間にわたり範囲外にあれば、最初のロッキング手順を遂行しなければならない。最初に全体の無線環境を走査するのが好ましい。最も強い無線アクセスユニットに関して同期化を遂行すべきである。ある無線通信ユニットが同期又はロックしており、又は呼保留をもっている時は、同期無線リンクに対する走査を、非同期システムに対する走査よりも頻繁に遂行することができる。これは、適用できれば、同期リンクの検索の可能性を強化し、継ぎ目のないハンドオーバを出来るだけ保障する。図5に流れ図において、これらの機能は、ブロック「無線環境を走査」、「走査ウインドウを適合」及び「走査は完了」におけるパラメタを適当にセットすることにより遂行できる。
進行中の呼を第1の無線リンクから第2の無線リンクへハンドオーバするための本発明による方法は、一般に図4a、4b及び4cに示される。
図4aは、極めて概略的に無線通信システムを示し、このシステムは、図1に示す電話ハンドセット4又は(W)FAU8の様な遠隔無線通信ユニット10と、2個の無線アクセスユニット11及び12からなる。矢印13と14は、進行中の呼を無線通信ユニット10と第1の無線アクセスユニット11の間で運ぶ第1の二重無線リンクを表す。この無線通信ユニット10はタイミング基準17をもち、これはダッシュ線で示す様に無線アクセスユニット11に同期又はロックしている。無線通信ユニット10はまた、第2の無線アクセスユニット12の範囲内にある。無線アクセスユニット11と12は時間同期で動作しないものと仮定する。
更に、無線通信ユニット10は、呼を第1の無線アクセスユニット11から第2の無線アクセスユニット12へセル間ハンドオーバを遂行しなければならないものと仮定する。これは、無線通信ユニット10の使用者が第2の無線アクセスユニット12の方向へ移動しており、又は無線通信ユニット10と第1の無線アクセスユニット11との間の無線経路が、例えば、突然阻止されるからである。
無線環境の前の走査から検索された利用できる無線リンクのリストから、無線通信ユニット10により適当な第2の二重無線リンク15、16が選択され、無線通信ユニット10はこの第2の二重無線リンクの占有を開始する、しかし無線通信ユニット10により第1の無線リンク13で送信しないうちに14は保留される。第1の無線アクセスユニット11は、しかし、第1の無線リンク上で、矢印14で示すように送信を継続する。
第2の無線リンク15、16を確立するため無線通信ユニット10はそのタイミング基準17を、ダッシュ線で示すように第2の無線アクセスユニットへ同期させる。もし第2の二重無線リンク15、16が首尾良く確立されると呼は再開されることができ、第1の無線アクセスユニット11は第1の無線リンクでの送信を、タイムアウトによるか又は呼が引き継がれたことを示す第2の無線アクセスユニット12からのメッセージの受信かのどちらかにより止めることができる。
図4cに示す様に、新しい状況において第1の無線アクセスユニットは第1の無線リンク13、14での送信を止めるが、無線通信ユニット10は今や第2の無線アクセスユニット12と第2の無線リンク15、16に同期し、この無線リンク15、16は進行中の呼を運んでいる。
ハンドオーバの間、即ち図4bで、第1の無線アクセスユニットは、DCA/CDCSチャネル選択環境において、第2の無線リンクが確立できない場合のフォールバック(後退)の可能性を生じる様な、別の無線通信ユニットによるチャネルの占有を防止するため第1の無線リンク上での送信の継続が出来るばかりでなく、好ましくは呼それ自体の送信を継続できる。第1の無線リンクのために、無線通信ユニット10のタイミング基準17が第1の無線アクセスユニット11に同期しなくてもよい前記第1の無線リンクを受けることにより単信無線リンクが維持される。今や無線通信ユニット10に対して非同期である第1の無線リンクを受けるために広い走査ウインドウが使用できることに注目のこと。呼が強い単信特性をもつ場合において、即ち無線アクセスユニットから無線通信ユニットへダウンローディングするとき、本発明の方法は、提供されるサービスにおいていかなる遮断も生じることなく、事実上継ぎ目のないハンドオーバと言ってもよい。
進行中の呼に関係ある使用者又は装置にハンドオーバ示す目的で、第1の無線リンクでの送信が保留になる前に、送信保留メッセージを遠隔無線通信ユニット10から送ってもよい。このメッセージは、末端使用者へのシグナリング目的で使用でき、話されるメッセージ、特別のトーン又はトーン列、端末ディスプレイに表示されるテキスト等の形式を取ることができる。遠隔無線通信ユニット10が依然として第1の無線リンクで受信している場合は、このメッセージは無線通信ユニット10により受信して戻すことができる。
第2の無線リンク15、16が確立できない時は何時でも、もし適用できれば、呼を第1の無線リンク13、14で再開するのが好ましい。さもなければ、第1の無線アクセスユニットに接続している第3の無線リンクが確立されなければならない。
呼が再開されると、その呼に特定の暗号等の全ての呼制御特徴が新しい無線リンク上で開始される。
システム間ハンドオーバの場合は、セル間ハンドオーバに関する上述と同じ手順に従う。しかし、異なる無線通信システム間の切替えは追加のアクセス権利等に従うことになる。
図6は、本発明による周波数又はクロック制御回路を含む無線電話機の簡単化したブロック図である。この無線電話機20は、4個の必須の構成ブロック、即ち中央制御及びアプリケーション論理演算装置21、無線装置22、タイミング及び同期制御装置23、及び音声処理装置24を含む。
無線装置22は、送信機/変調器及び受信機/復調器(図示なし)からなるトランシーバ装置に結合されるアンテナシステムをもつ空中インタフェース25を含む。
タイミング及び同期制御装置23は、データを基地局3(図1)から空中インタフェース25と無線装置22を通じて受け、このデータは無線交換局2(図1)により供給されるシステムクロックタイミングに従って処理される。シグナリング及び同期情報が受信されたデータから装置23により除去され、受信された音声データは音声処理装置24に供給される。音声処理装置24は、特に、受信データの解読を処理する。CODEC26は、受信されたディジタル音声データを復号し、CODEC26に接続された拡声器27により電話機の使用者に聞き取れる形式にする。
使用者により作られた音声は、マイクロフォン28により受信され、CODEC26により適当なディジタル形式に符号化される。この符号化された音声データは音声処理装置24に供給され、この装置は、特に音声データの暗号化の処理をする。タイミング及び同期制御装置23は、暗号化された音声データに適当な同期及びシグナリング情報を付加する。無線装置22は、このシグナリング及び音声データを空中インタフェース25を経由して送信し、この電話機20が接続される通信システムの基地局3(図1)により受信されるようにする。
中央制御及びアプリケーション論理演算装置21は、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ及びメモリ装置を含み、タイミング及び同期制御装置23に接続される。中央制御装置21は本質的に、システムデータ、及び無線電話機20の使用者との通信を、中央制御装置21に全て接続されたキーパッド装置29、表示装置33及びリング発生器装置30により制御する。更に、外部インタフェース35が、外部制御とデータ処理の目的で中央制御装置21に接続される。フレームとタイムスロットの割当及び、DECTの様な多搬送波多タイムスロット技術の場合、搬送波周波数とタイムスロットの種々の組合わせも中央制御装置21により制御され、メモリ装置に記憶される。
リング発生器装置30はブザー31に接続され、呼の到着時にリンギング又は警報音を発生する。可視の警報信号を、示された様に接続されたランプ又は発光ダイオード(LED)により発生することは任意である。LCD装置の様な表示装置33が、呼情報及び他の使用者とシステムデータの表示のため中央制御装置21に接続される。
電話機20の全体の電力供給のため電池及び電力供給装置34が含まれる。
本発明によれば、タイミング及び同期制御装置23は、非同期無線リンクと同様に同期無線リンクへハンドオーバ及びローミングを遂行するように制御される。
図7は、DECT標準に従って動作する無線アクセスユニット40のブロック図を示す。アクセスユニット40は、図1に示す無線交換局2へのワイヤード接続41をもつ。中央制御及びアプリケーション論理演算装置42は、DCA/CDCSアルゴリズムに従い着信呼を検出し、発信呼を制御し、搬送波とタイムスロットの適当な組合わせを選択する。異なる接続とタイムスロットは、マルチプレクサ43により合併される。無線アクセスユニット40は、スロットの受信及び送信タイミングを制御するフレーム及びスロット同期装置44をもつ。中央制御装置42は、もしアンテナダイバーシティが実行されるならば、送信/受信(T/R)スイッチ45及びアンテナダイバーシティスイッチ46も制御する。
アンテナダイバーシティをもち、もし無線接続が良好な通信を提供しないならば、制御論理は、無線通信チャネルを変更する前に他のアンテナを試みる。
無線アクセスユニット40の無線インタフェースは、受信機/復調器47と送信機/変調器48からなる。同期及び制御情報は装置49により受信されたデータから取り外され、ところがこの様な情報は送信されるべきデータに装置50により付加され、これらの装置の接続は図に示される。
フレーム及びスロット同期装置44は、本発明によるハンドオーバを支援するように制御される。
本発明は、一般にDECT無線電話通信システムに関して説明したが、これには制限されない。本発明は、他のワイヤレス多セル通信システムと同様にデータ通信機器の様な他の通信装置に使用できる。

Claims (20)

  1. 複数の無線アクセスユニット(11、12)と少なくとも1つの遠隔無線通信ユニット(10)からなる二重無線通信システムにおける呼のハンドオーバ又はローミングを開始するための走査方法であって、前記複数の無線アクセスユニット(11、12)と該又は各遠隔無線通信ユニット(10)は、遠隔無線通信ユニット(10)と無線アクセスユニット(11、12)の間の、複数の所定の無線リンクから選択された無線リンクにおいて呼を確立するために配置され、かつ遠隔無線通信ユニット(10)と第1の無線アクセスユニット(11)との間の第1の無線リンク(13、14)における進行中の呼を該遠隔無線通信ユニット(10)と第2の無線アクセスユニット(12)との間の第2の無線リンク(15、16)へ切替えるために配置されるものにおいて、もし各又は複数の群の無線アクセスユニット(11、12)が相互に時間非同期の仕方で動作し非同期無線環境を形成し、また前記遠隔無線通信ユニット(10)が第1の無線アクセスユニット(11)に同期していれば、前記方法は、前記遠隔通信ユニット(10)により遂行される次の段階、即ち
    a)時間におけるある幅及び/又は位置をもつ走査ウインドウを使用して、前記第1の無線アクセスユニット(11)に時間同期するやり方で動作する無線アクセスユニットを求めて前記無線環境を走査する段階であって、前記走査ウインドウの該時間におけるある幅及び/又は位置は、前記第1の無線リンク(13、14)と同期する無線リンク動作時間における所定の時間期間の間に交換された同期データと制御データを本質的に検索する様なものであり、
    b)前記所定の時間期間の外で、交換された同期データと制御データを本質的に検索する様なある幅及び/又は位置をもつ走査ウインドウを使用して、前記第1無線アクセスユニット(11)と時間非同期なやり方で動作する無線アクセスユニットを求めて前記無線環境を走査する段階と、
    c)ハンドオーバに利用可能な同期及び非同期な無線リンクのリストを維持する段階と、
    d)ハンドオーバ又はローミングは開始されなければならないかどうかを決定するための所定の無線リンク判定基準に基づいて該リストを評価する段階とを遂行することを特徴とする呼のハンドオーバ又はローミングを開始するための走査方法。
  2. 請求の範囲第1項記載の方法において、段階a)で、前記遠隔通信ユニット(10)は、そのタイミング基準を検索された同期データに同期させる、呼のハンドオーバ又はローミングを開始するための走査方法。
  3. 請求の範囲第1項又は第2項記載の方法において、段階b)で、前記走査ウインドウは、前記所定の時間期間を含むような時間における幅及び位置をもち、また同期無線リンクと非同期無線リンクは、同期データの受信と前記所定の時間期間との間の時間差に基づいて区別される、呼のハンドオーバ又はローミングを開始するための走査方法。
  4. 請求の範囲第3項記載の方法において、前記時間差は前記遠隔通信ユニット(10)によりそのタイミング基準を調節するために使用される、呼のハンドオーバ又はローミングを開始するための走査方法。
  5. 請求の範囲第1項、第2項、第3項、又は第4項記載の方法において、段階a)及びb)は異なる速度で遂行される、呼のハンドオーバ又はローミングを開始するための走査方法。
  6. 請求の範囲第5項記載の方法において、もし、ハンドオーバに適当な幾つかの同期無線リンクが検出されると、段階a)は段階b)より高い速度で遂行され、前記数及び速度は所定の無線リンク判定基準に従い適合するように設定される、呼のハンドオーバ又はローミングを開始するための走査方法。
  7. 請求の範囲第1項から第6項のいずれかに記載の方法において、段階a)と段階b)において、もし、ハンドオーバに適当な幾つかの無線リンクが検出されると、走査されるべき無線リンクの数は制限され、前記数は所定の無線リンク判定基準に従い適合するように設定される、呼のハンドオーバ又はローミングを開始するための走査方法。
  8. 請求の範囲第6項又は第7項記載の方法において、前記無線通信システムはディジタル欧州コードレス電気通信(DECT)標準に従って動作し、また前記所定の無線リンク判定基準は次の判定基準、即、RF信号レベル(RSSI)、バースト同期(SYNC)誤差、システム情報フィールドテスト語(ACRC)誤差、データフィールドテスト語(XCRC)誤差のどれか1つ又は組合わせにより形成される、呼のハンドオーバ又はローミングを開始するための走査方法。
  9. 請求の範囲第1項乃至第8項のいずれかの項による方法であって、更に次の段階、即ち
    e)前記遠隔無線通信ユニット(10)による第1の無線リンク(13,14)での送信を保留し、他方前記第1の無線アクセスユニット(11)による前記第1の無線リンク(14)での送信を維持する段階と、
    f)前記第2の無線リンク(15、16)を確立する段階と、
    g)前記第2の無線リンクで(15、16)の前記呼を再開する段階と、
    h)前記第1の無線アクセスユニット(11)により前記第1の無線リンク(14)を解放する段階とを含むことを特徴とする、呼のハンドオーバを遂行するための方法。
  10. 請求の範囲第9項の方法において、前記第1及び第2の無線アクセスユニット(11、12)は相互に時間非同期のやり方で動作し、また前記第1および第2の無線アクセスユニット(11、12)は、それぞれ第1及び第2の時間に独立して動作する無線通信網の一部を形成することができる、呼のハンドオーバを遂行するための方法。
  11. 請求の範囲第9項又は第10項記載の方法において、段階e)及びf)の間、前記第1の無線アクセスユニット(11)は前期第1の無線リンク(14)で前記呼の送信を維持し、また前記遠隔無線通信ユニット(10)は前記第1の無線リンク(14)で前記呼の受信を維持する、呼のハンドオーバを遂行するための方法。
  12. 請求の範囲第9項、第10項又は第11項記載の方法において、ハンドオーバの開始のとき、前記遠隔無線通信ユニット(10)は送信保留メッセージを前記第1の無線アクセスユニット(11)に送る、呼のハンドオーバを遂行するための方法。
  13. 請求の範囲第12項記載の方法において、前記送信保留メッセージが前記第1の無線アクセスユニット(11)により受信されると、前記呼はハンドオーバされることを示す目的でシグナリングメッセージが交換され、このメッセージは、端末側においては音声信号、可聴トーン信号、可視表示信号の形式を取ることができるがこれに限定されず、また前記シグナリングメッセージは、もし前記呼が再開されると解除される、呼のハンドオーバを遂行するための方法。
  14. 請求の範囲第9項、第10項、第11項、第12項又は第13項記載の方法において、もし前記呼が前記第2の無線リンク(15、16)で再開されると、前記第1の無線リンク(14)は、前記遠隔無線通信ユニット(10)による送信の保留に続く所定の時間期間の後に解放される、呼のハンドオーバを遂行するための方法。
  15. 請求の範囲第9項、第10項、第11項、第12項、第13項又は第14項記載の方法において、もし前記呼が前記第2の無線リンク(15、16)で再開されると、前記第1の無線リンク(14)を解放するため、解放メッセージが、その対応する無線通信網を経由して前記第1の無線アクセスユニット(11)へ送られる、呼のハンドオーバを遂行するための方法。
  16. 請求の範囲第9項、第10項、第11項、第12項又は第13項記載の方法において、もし前記第2の無線リンク(15、16)が確立できないと、前記呼は前記第1の無線リンク(13、14)で再開される、呼のハンドオーバを遂行するための方法。
  17. 請求の範囲第16項記載の方法において、もし前記呼が前記第1の無線リンク(13、14)で再開できないと、前記遠隔無線通信ユニット(10)と前記第1の無線アクセスユニット(11)の間に第3の無線リンクが確立され、前記呼は前記第3の無線リンクで再開される、呼のハンドオーバを遂行するための方法。
  18. 請求の範囲第9項から第17項のいずれかに記載の方法において、前記呼は前記第1の無線リンク(13、14)に特定の呼制御特徴を維持して再開される、呼のハンドオーバを遂行するための方法。
  19. 無線アクセスユニット(40)と少なくとも1つの遠隔通信ユニット(20)からなる二重無線通信システム、特にコードレス無線通信システムにおいて使用するための無線電話機の様な遠隔通信ユニットであって、そこに前記遠隔通信ユニット(20)は、請求項1乃至請求項18のいずれかに記載の方法に従い動作するように適合した制御手段(23)を含む、遠隔通信ユニット。
  20. 無線アクセスユニット(40)と少なくとも1つの遠隔通信ユニット(20)からなる二重無線通信システム、特にコードレス無線通信システムにおいて使用するための無線基地局の様な無線アクセスユニット(40)であって、そこに前記無線アクセスユニットは、請求項1乃至請求項18のいずれかに記載の方法に従い動作するように適合した制御手段(44)を含む、無線アクセスユニット。
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